平 成 26 年 6 月 5 日 土 佐 町 長 西 村 卓 士 様 さめうら 荘 ( 仮 称 ) 建 設 検 討 委 員 会 委 員 長 筒 井 良 一 郎 土 佐 町 青 少 年 等 の 家 さめうら 荘 の 新 築 について( 答 申 ) 平 成 25 年 10 月 23 日 付 けで 諮 問 のあった 土 佐 町 青 少 年 等 の 家 さめうら 荘 の 新 築 については 別 添 答 申 書 のとおりです
土 佐 町 青 少 年 等 の 家 さめうら 荘 の 新 築 について 答 申 書 平 成 26 年 6 月 5 日 さめうら 荘 ( 仮 称 ) 建 設 検 討 委 員 会
はじめに さめうら 荘 ( 仮 称 ) 建 設 検 討 委 員 会 ( 以 下 委 員 会 という )は 平 成 25 年 10 月 23 日 に 土 佐 町 長 から 土 佐 町 青 少 年 等 の 家 さめうら 荘 の 新 築 について 諮 問 を 受 けました 土 佐 町 青 少 年 等 の 家 さめうら 荘 ( 以 下 さめうら 荘 という )は 昭 和 48 年 に 建 設 され40 年 余 りの 時 が 過 ぎました この 間 青 少 年 並 びに 観 光 客 等 への 学 習 の 場 の 提 供 及 び 健 康 増 進 心 身 のリフレッシュに 寄 与 するため 低 廉 で 自 然 豊 かな 休 養 研 修 施 設 としての 役 割 を 果 たしてきました しかしながら 時 代 の 変 遷 とともにさめうら 湖 利 用 者 や 観 光 客 来 町 者 へのニーズに 十 分 応 えられなくなった 現 状 と 地 域 住 民 にとって 憩 いの 場 として 活 用 度 の 高 い 施 設 とはな っていない 現 状 があると 考 えています 現 在 さめうら 荘 の 老 朽 化 は 進 行 し またさめうら 荘 が 建 設 された40 年 前 とは 時 代 背 景 や 社 会 構 造 住 民 意 識 等 が 大 きく 変 化 している 中 さめうら 荘 のあり 方 を 検 討 したう えで 建 て 替 えをすることが 必 要 となっています 今 後 は 都 市 と 農 山 村 の 交 流 拠 点 土 佐 町 に 訪 れる 人 にここでしか 提 供 できない 食 宿 泊 体 験 を 提 供 できる 仕 組 みの 拠 点 また 地 域 住 民 が 集 い 繋 がれるコミュニティのため のサービスを 総 合 的 に 提 供 する 拠 点 へと 変 わっていくことが 求 められています そこで 今 回 委 員 会 では 先 進 地 視 察 研 修 の 実 施 やマーケティング 理 論 を 活 用 した 観 光 振 興 を 専 門 としているアドバイザーを 招 いて 計 7 回 の 検 討 委 員 会 を 実 施 し さめうら 荘 が より 地 域 に 活 力 を 与 える 拠 点 として 生 まれ 変 わるために どのような 施 設 であるべきか 検 討 を 重 ねてきました 1 地 域 社 会 の 現 状 日 本 の 人 口 は 減 少 局 面 を 迎 えています 2060 年 には 総 人 口 が 9,000 万 人 を 割 り 込 み 高 齢 化 率 は 40% 近 い 水 準 になると 推 計 されています 2010 年 国 勢 調 査 全 国 : 人 口 12,806 万 人 生 産 年 齢 人 口 割 合 63.8% 高 齢 化 率 23.0% 高 知 県 : 人 口 764,456 人 生 産 年 齢 人 口 割 合 59.0% 高 齢 化 率 28.8% 土 佐 町 : 人 口 4,358 人 生 産 年 齢 人 口 割 合 47.8% 高 齢 化 率 43.0% 人 口 推 計 2025 年 高 知 県 : 人 口 654,741 人 生 産 年 齢 人 口 割 合 53.1% 高 齢 化 率 36.9% 土 佐 町 : 人 口 3,466 人 生 産 年 齢 人 口 割 合 40.5% 高 齢 化 率 51.5% 2040 年 高 知 県 : 人 口 536,514 人 生 産 年 齢 人 口 割 合 49.8% 高 齢 化 率 40.9% 土 佐 町 : 人 口 2,709 人 生 産 年 齢 人 口 割 合 38.8% 高 齢 化 率 52.9% 国 の 経 済 成 長 や 社 会 環 境 の 変 化 により 土 佐 町 では 若 年 層 を 中 心 とする 人 口 の 都 市 への 流 出 等 もあり 基 幹 産 業 である 農 業 畜 産 林 業 の 後 継 者 は 減 少 傾 向 にあり それに 伴 い 商
工 業 の 衰 退 も 相 まって 過 疎 化 少 子 化 高 齢 化 は 急 速 に 進 んでいます 観 光 面 では 早 明 浦 ダムを 拠 点 として 観 光 農 園 や 養 魚 場 森 林 公 園 等 がありますが いずれも 観 光 ルート 化 されてない 状 況 にあります 交 通 アクセスについては 高 知 市 から 土 佐 町 まで 路 線 バスで1 時 間 40 分 JR 大 杉 駅 から25 分 の 距 離 ではありますが バスの 便 数 や 大 杉 駅 で 停 車 する 特 急 の 便 数 も 少 なく 公 共 交 通 機 関 によるアクセス 性 が 高 いとはいえない 現 状 にあります しかし 高 速 自 動 車 道 の 整 備 により マイカーや 観 光 バスの 利 用 者 であれば 自 動 車 で 高 知 市 から50 分 四 国 の 他 の 各 県 庁 所 在 地 からは2 時 間 弱 で 来 られるようになっています 団 塊 世 代 は 10 年 後 消 費 意 欲 が 著 しく 減 退 する 75 歳 以 上 の 世 代 になる 高 知 県 にとって 主 要 なマーケットである 関 西 圏 は 他 の 大 都 市 圏 に 比 べ 人 口 減 少 が 激 し い 高 知 県 への 観 光 では 車 ( 観 光 バス 等 含 む)を 利 用 しての 来 高 が9 割 を 占 める 2 さめうら 荘 の 利 用 実 態 ( 宿 泊 客 数 稼 働 率 等 ) 委 員 会 では さめうら 荘 の 現 状 を 把 握 するため 現 在 の 利 用 実 態 について 具 体 的 なデー タに 基 づいて 確 認 作 業 を 行 いました その 結 果 レストランに 関 しては 地 域 住 民 の 人 口 減 少 に 比 例 して 利 用 客 数 が 減 少 しており 今 後 も 著 しい 人 口 減 少 が 予 測 される 当 町 におい て 現 状 の 運 営 方 法 を 維 持 していても 利 用 客 拡 大 の 見 込 みは 困 難 であることや 宿 泊 客 の 多 くは 工 事 関 係 者 であり 観 光 客 の 宿 泊 利 用 は 全 体 の 10%にも 満 たないこと また 稼 働 率 に ついては 全 国 平 均 よりも 低 いことなどが 確 認 できました レストラン 利 用 者 数 宿 泊 客 数 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 さめうら 荘 客 室 稼 働 率 100.0% 全 国 平 均 63.7.% 80.0% 60.0% 40.0% 20.0% 0.0% H21 H22 H23 H24
地 元 客 の 利 用 率 が 高 いレストランは 人 口 減 少 に 比 例 して 利 用 客 者 が 減 少 傾 向 にある 宿 泊 については 外 需 レストランについては 内 需 に 依 存 する 傾 向 が 高 い 工 事 等 の 仕 事 での 宿 泊 利 用 が 全 体 の 9 割 程 度 で 観 光 客 の 宿 泊 は 1 割 に 満 たない 早 明 浦 ダム 関 連 施 設 の 工 事 などによる 特 需 を 除 き 客 室 稼 働 率 は 全 国 平 均 を 下 回 っている 3 さめうら 荘 の 現 状 から 見 える 課 題 と 方 向 性 先 のとおり 具 体 的 なデータによる 現 状 を 把 握 した 結 果 以 下 のような 課 題 が 見 えてきま した 嶺 北 地 域 の 人 口 動 態 社 会 状 況 を 踏 まえると 外 需 ( 観 光 客 ) 獲 得 に 頼 っていても 課 題 は 解 決 されず しだいに 状 況 は 悪 化 する そこで 委 員 会 では 単 に 観 光 客 ( 工 事 関 係 者 を 含 む)だけではなく 地 域 住 民 を 巻 き 込 み 地 域 住 民 同 士 が 繋 がれるコミュニティ 施 設 としての 機 能 をもった コミュニティホテル と しての 方 向 性 にたどりつきました 地 域 内 で 人 が 豊 かに 暮 らし 続 けるために 地 縁 や 血 縁 による 縦 の 繋 がりだけではなく 価 値 観 や 目 的 などの 横 で 繋 がれる 拠 点 としての 役 割 を 担 う 施 設 となるべきである 地 域 内 で 人 モノ 経 済 が 循 環 する 仕 組 みの 拠 点 となることで コミュニティ 活 動 は 活 発 化 する 外 需 と 内 需 を 事 業 の 両 輪 に 捉 える 4 さめうら 荘 に 必 要 な 設 備 委 員 会 では コミュニティの 維 持 活 性 化 の 機 能 をもった コミュニティホテル を 目 指 して 必 要 になる 施 設 について 整 理 をしました 環 境 : 防 寒 対 応 のため 二 重 ドア 暖 炉 などを 設 置 施 設 :コミュニティスペース 宿 泊 施 設 レストラン 浴 場 宴 会 場 アクセス: 送 迎 バス 大 型 バス 対 応 駐 車 場 施 設 利 用 : 薪 ボイラーの 利 用 ( 廃 材 等 活 用 ) 共 用 トイレ キッズスペース 嶺 北 地 域 な らではの 食 また 施 設 として 最 低 限 必 要 な 仕 様 について 整 理 をしました 客 室 最 大 25 室 ( 客 室 内 バス トイレ 付 (50 人 収 容 を 想 定 した 場 合 )) コミュニティスペース エレベータ レストラン( 個 室 対 応 可 能 な 仕 切 ることができるレストラン)60 席 想 定 大 広 間 兼 会 議 室 大 浴 場 (サウナ 付 )
大 型 バス 対 応 駐 車 場 ( 自 家 用 車 最 大 25 台 ) 再 生 可 能 エネルギーの 使 用 ( 木 質 バイオマス( 林 地 残 材 や 廃 材 流 木 )を 利 用 したボイラ ー 等 ) リネン 室 ( 掃 除 道 具 入 れ 等 を 兼 ねる) 共 用 トイレ(ロビー 等 のオープンスペースに 設 置 するトイレ) フロント(くつろげるロビー 完 備 ) 自 動 販 売 機 コーナー ランドリー 室 喫 煙 スペース 送 迎 バス 事 務 室 ( 宿 直 ) Wi-Fi 設 備 二 重 ドア 網 戸 バリアフリー 5 新 さめうら 荘 の 具 体 的 な 構 想 委 員 会 では 最 低 限 必 要 となる 設 備 を 確 認 したうえで 具 体 的 な 構 想 について 検 討 しました 客 室 については 50 人 程 度 の 収 容 規 模 とし 現 在 国 内 旅 行 の 約 9 割 が 個 人 旅 行 であること を 鑑 み 客 室 は 2 人 客 向 けの 洋 室 を 基 本 としました また 収 容 規 模 及 び 景 観 を 重 視 し 新 さめうら 荘 の 建 設 場 所 については 現 さめうら 荘 を 含 んだ 現 敷 地 内 をすべて 使 用 することが 望 ましいと 考 えます ただし 次 に 示 す 具 体 的 な 施 設 の 構 想 については 事 業 費 の 制 約 の 有 無 や 経 営 計 画 の 見 通 しを 予 め 考 慮 したものではないので 今 後 設 計 を 進 めていく 段 階 では 施 設 として 当 委 員 会 で 示 す 最 低 限 必 要 となる 設 備 を 踏 まえたうえで 規 模 等 について 精 査 す ることは 必 要 と 認 識 しています 施 設 全 体 について 建 築 面 積 については 500 m2/ 階 として3 階 は 必 要 で 現 在 地 敷 地 も 含 めての 改 修 を 検 討 すべき (500 m2/ 階 に 収 まらなければ 1 階 部 分 のみ 少 し 張 り 出 した 形 にする 等 ) 構 造 については 木 造 が 望 ましいが 3 階 建 であることや 建 設 コストを 考 慮 すると 鉄 骨 造 の 嶺 北 産 材 での 木 質 仕 上 げとする また 近 い 将 来 建 築 基 準 法 等 の 問 題 がクリアできるなら ば 先 進 的 な 取 り 組 みとして CLT( 直 交 集 成 板 ) 工 法 も 視 野 に 入 れ 検 討 すべき 客 室 について 1 室 30 m2 前 後 20 室 ( 洋 室 13 室 和 室 5 室 スイート1 室 (2 室 分 の 面 積 )) レストランについて 付 帯 設 備 のことを 踏 まえると 敷 地 内 では 収 まらないため 現 行 の 60 席 からは 縮 小 土 佐 あかうしを 中 心 とした 地 域 の 特 産 物 や 郷 土 の 食 文 化 を その 土 地 で 提 供 するといった 特 徴 を 活 かし 都 市 部 では 得 られない 魅 力 を 付 加 価 値 として 提 供 する
レストランに 併 設 またはレストランの 一 角 に 設 置 するキッズスペース( 親 の 目 配 せが 可 能 ) エントランスホール 等 住 民 がギャラリーとして 作 品 展 示 等 ができるスペースとして 活 用 浴 場 について 500 m2の 建 築 面 積 の 中 には 収 まらないと 思 われるため 別 棟 に 建 設 宿 泊 客 + 地 元 利 用 を 見 込 み 男 女 計 30 人 定 員 駐 車 場 について 駐 車 場 は 施 設 より 山 手 側 ( 大 型 バス 駐 車 可 ) 敷 地 入 口 のスロープを 大 型 バスが 進 入 しやすい 勾 配 にする 必 要 あり 周 辺 整 備 ダム 湖 畔 や 森 林 公 園 への 遊 歩 道 等 の 整 備 管 理 運 営 について 指 定 管 理 者 による 管 理 運 営 が 妥 当 である 名 称 について 水 源 の 宿 さめうら 水 源 の 里 ホテルさめうら 水 景 色 さめうらの 宿 水 と 森 のホテル さめうら 水 と 森 の 宿 さめうら おわりに 委 員 会 では 町 からの 諮 問 に 沿 って 検 討 を 重 ねてきたが 建 物 が 整 備 されただけでは 地 域 の 中 で 地 域 住 民 を 巻 き 込 んだ 宿 泊 施 設 としての 存 続 は 困 難 と 考 えます 今 や 都 市 と 農 山 村 を 結 ぶ 架 け 橋 となることが 新 さめうら 荘 の 重 要 な 役 割 となります 町 として コミ ュニティとは 何 か 町 が 今 後 の 地 域 活 性 化 及 び 地 域 が 活 力 をもって 持 続 するために さめ うら 荘 をどう 絡 めていくのかといった 点 について 十 分 に 議 論 を 深 めていく 必 要 があると 考 えます 一 次 産 業 を 中 心 とした 地 場 の 各 種 産 業 との 連 携 地 域 に 存 在 する 各 団 体 との 連 携 地 域 的 な 広 がりを 持 ったさまざまな 滞 在 メニューの 開 発 など さめうら 荘 が 自 らの 強 みを 発 揮 し 地 域 の 中 で 担 っていく 役 割 を 明 確 にすることが 望 まれます また さめうら 荘 建 設 に 先 立 ち 宿 泊 事 業 及 び 財 務 に 関 する 客 観 的 な 経 営 分 析 を 行 うことも 重 要 と 考 えま す 今 後 の 町 の 取 り 組 みに 期 待 し 答 申 の 結 びとします