コ マ ー シ ャ ル 鶏 飼 養 管 理 ガ イ ド ( 第 4 版 ) 平 成 25 年 2 月 岐 阜 市 折 立 296 1 501 1132 T E L 0 5 8 ( 2 3 4 ) 0 6 6 6
改 訂 にあたって ハイライン ソニアは 長 年 にわたり 養 鶏 家 の 皆 様 がより 収 益 が 得 られるよう 年 々 育 種 改 良 されております ハイライン 社 では 10 数 年 前 より 分 子 生 物 学 の 技 術 を 導 入 し 改 良 の 速 度 を 速 め より 確 実 に 迅 速 に 皆 様 のご 要 望 と 鶏 卵 市 場 の 要 求 を 育 種 改 良 目 標 に 取 り 入 れ バランスの 取 れた 鶏 を 開 発 しています ハイライン ソニアコマーシャル 鶏 飼 養 管 理 ガイドは 前 回 の 改 訂 から 約 7 年 が 経 過 し その 間 にハイライン ソニアは 改 良 され 産 卵 の 持 続 性 等 が 改 善 されています 今 回 の 改 訂 では 皆 様 がハイライン ソニアのもつ 遺 伝 的 潜 在 能 力 をより 引 き 出 すことができるように 栄 養 要 求 量 等 を 含 め 細 部 にわたり 変 更 および 追 記 しました この 飼 養 管 理 ガイドが 少 しで も 皆 様 の 飼 養 管 理 のお 役 に 立 つことができれば 幸 いに 存 じます ご 承 知 のとおり 鶏 群 の 生 産 性 は 環 境 飼 料 鶏 病 の 状 態 により 大 きく 変 化 するも のです 本 ガイドの 標 準 性 能 産 卵 能 力 指 標 卵 重 分 布 等 の 数 値 は ハイライン ソニアの 能 力 の 一 指 標 であり 生 産 性 を 保 証 するものではありません 平 成 25 年 2 月 株 式 会 社 ゲン コーポレーション
目 次 ハイライン ソニアの 標 準 性 能 1 ハイライン ソニアの 飼 養 管 理 2 1. 育 すう 管 理 の 基 本 2 2. 若 めすの 飼 育 密 度 6 3. 給 餌 給 水 スペース 8 4. 換 気 9 5. ビークトリミング(デビーク) 10 6. ひなの 発 育 と 体 重 13 7. 若 めすの 栄 養 15 8. 若 めすの 成 鶏 舎 への 移 動 19 9. 光 線 管 理 20 10. 産 卵 鶏 の 栄 養 28 11. 産 卵 鶏 の 体 重 34 12. 鶏 病 の 予 防 と 衛 生 35 13. 適 切 な 飼 養 管 理 のために 38 ハイライン ソニアの 産 卵 能 力 指 標 40 ハイライン ソニアの 卵 重 分 布 42 ( 付 表 1) 各 地 の 日 の 出 日 の 入 時 刻 43 ( 付 表 2)ふ 化 月 日 別 週 令 早 見 表 44 ( 付 表 3) 栄 養 推 奨 値 可 消 化 アミノ 酸 併 記 45 ( 付 表 4)エネルギーについて 48
ハイライン ソニアの 標 準 性 能 育 成 期 間 (18 週 令 まで) 育 成 率 97~99 % 1 羽 当 り 飼 料 摂 取 量 6.0~6.5 kg 18 週 令 時 平 均 体 重 1.43 kg 産 卵 期 間 (80 週 令 まで) 生 存 率 93~96 % 50% 産 卵 日 令 145 日 令 ピーク 産 卵 率 92~94 % ヘンハウス 産 卵 個 数 343~349 個 平 均 卵 重 30 週 令 時 60.8 g 50 週 令 時 64.5 g 70 週 令 時 65.6 g 飼 料 要 求 率 2.0~2.2-1-
ハイライン ソニアの 飼 養 管 理 1. 育 すう 管 理 の 基 本 鶏 の 一 生 は 育 成 期 間 で 決 まるとよく 言 われている なかでも 育 すう 期 間 はひなにとって 一 生 のスタ ートであり 極 めて 重 要 な 期 間 である この 時 期 の 管 理 上 のミスは ひなにスタート 時 点 から 差 をつ けることになり 後 になって 若 めすの 不 揃 いを 生 じさせたり 育 成 率 が 悪 くなったりして 結 果 的 に 本 来 の 目 的 である 産 卵 期 間 の 成 績 が 期 待 できないことになる ひなにとって 良 いスタートをさせるために 育 すう 期 間 は 鶏 にとって 最 も 重 要 な 期 間 の 一 つ であ ることを 再 確 認 して 基 本 に 忠 実 に 育 すう 管 理 をすることが 大 切 である (1) 育 すうの 基 本 的 原 則 日 令 の 若 いひなは 病 気 に 対 する 抵 抗 力 が 弱 いので 衛 生 面 で 特 別 な 配 慮 が 必 要 である そのため 少 なくとも 育 すう 期 間 は 他 の 鶏 群 特 に 成 鶏 から 隔 離 された 場 所 で 飼 育 し 育 すう 農 場 毎 に また は 少 なくとも 鶏 舎 毎 にオールイン オールアウト 方 式 を 採 用 すべきである ひなを 育 すう 舎 から 育 成 舎 に 移 動 した 後 は 必 ず 一 定 期 間 を 空 けて 育 すう 舎 の 清 掃 消 毒 を 完 全 に 実 施 する このことは 育 成 舎 においても 同 様 である このような 衛 生 的 な 管 理 が 最 初 に 必 要 な 育 すうの 基 本 的 原 則 である (2)ひなの 受 入 れ 準 備 育 すうのための 鶏 舎 施 設 器 具 その 他 の 育 すう 管 理 に 必 要 な 準 備 が 不 完 全 なままで ひなが 餌 付 けされるようでは 良 い 育 すうはできない 育 すう 管 理 に 必 要 な 準 備 はあらかじめすべて 完 了 さ せ ひなの 到 着 後 はその 管 理 により 多 くの 時 間 を 費 やすようにする ひなの 受 入 れ 前 に 準 備 してお く 必 要 がある 基 本 的 な 作 業 は 下 記 のとおりである その 他 の 点 については 慣 行 の 方 法 で 行 う 1 2 3 4 育 すう 施 設 や 器 具 などの 消 毒 を 済 ませたら よく 乾 燥 させて 器 具 の 必 要 数 の 確 認 と 必 要 があれば 施 設 や 器 具 の 補 充 または 修 理 をし 育 すう 器 をセットする また ケージ 内 に はひなが 滑 らない 紙 を 敷 く 鶏 舎 内 の 鼠 の 出 入 口 などには 殺 鼠 剤 を 配 置 しておく 平 飼 いの 場 合 には 傘 型 ブルーダーとチックガードおよび 敷 料 を 置 いて 温 源 が 順 調 に 作 動 するかど うか 実 際 に 点 火 して 確 認 する ケージの 育 すう 方 法 の 場 合 でも 温 源 の 試 運 転 をして ひな 到 着 の 前 日 までには 適 正 育 すう 温 度 にあらかじめ 温 度 調 節 しておく ヒナ 到 着 の 前 日 から 給 温 を 開 始 し 舎 内 の 空 気 だけではなく 設 備 や 器 具 なども 十 分 温 め ておく 餌 付 けの 当 日 は 育 すう 温 度 の 点 検 と 再 調 節 をする 育 すう 初 期 の 湿 度 も 温 度 と 同 様 に 重 要 な 要 素 である 給 温 によって 乾 燥 しやすいので 餌 付 け 後 数 日 間 は 湿 度 にも 充 分 な 注 意 を 払 い 加 湿 のための 準 備 をしておく 特 に 冬 季 にオープン 鶏 舎 で 育 すうする 場 合 には 舎 内 温 度 が 低 すぎることのないよう 適 切 な 措 置 をする 鶏 舎 温 度 は 18~22 くらいに 保 持 できることが 望 ましい また ウインド ウレス 鶏 舎 では ファンを 作 動 させて 育 すう 時 の 必 要 換 気 量 になるようあらかじめ 調 節 して おく -2-
5 ひなの 到 着 までに 給 水 器 に 水 を 入 れて 必 要 な 数 だけ 所 定 の 位 置 に 配 置 しておく ケージ 育 すうのように 樋 型 またはニップル カップ 型 の 自 動 給 水 器 を 使 用 する 場 合 にも 前 もって 高 さは 適 正 になるよう 調 節 し 通 水 しておくことが 必 要 である 餌 付 け 後 1~2 日 間 は ひなの 輸 送 中 のストレスを 軽 減 するために 飲 水 中 にビタミン ミネラル 剤 および 鶏 用 乳 酸 菌 剤 を 添 加 してやるとよい また 餌 付 け 初 期 の 減 耗 を 最 小 限 にするため 砂 糖 水 (8%)を 餌 付 け 後 15 時 間 投 与 してやるとよい (3) 餌 付 け 育 すう 方 法 や 飼 育 形 態 によって 餌 付 けの 手 順 は 異 なるが 餌 付 け 時 に 考 慮 すべき 主 な 点 は 以 下 の とおりである その 他 の 点 については 慣 行 の 方 法 に 従 って 行 う 1 2 3 4 ひな 受 入 れの 直 前 には 点 灯 して 育 すう 舎 内 および 育 すう 器 内 を 明 るくしておく ひなが 到 着 したら 直 ちに あらかじめ 決 められた 適 正 飼 育 密 度 になるように 羽 数 を 数 えてケージ 内 または 傘 型 ブルーダーの 近 くにひなを 収 容 する 特 にニップル カップ 型 の 自 動 給 水 器 を 使 用 する 育 すう 農 場 では 飲 水 を 覚 えさせつつ 収 容 すると 良 い ニップル 型 の 給 水 器 は 水 圧 を 低 くすることによりニップルの 先 に 水 滴 が 付 きひなにとって 見 やすくなる なお ハイライン ソニアは 不 活 発 な 傾 向 があるので 餌 付 けから 1~2 日 間 は 飲 水 状 況 をよく 観 察 する ニップ ル 型 給 水 器 で 餌 付 けする 場 合 飲 水 を 早 く 覚 えさせることが 重 要 であり 時 によっては 桶 型 または 円 型 給 水 器 を 併 用 することが 勧 められる 餌 付 けにあたっては まず 飲 水 を 与 え ほとんどのひなが 水 を 飲 むことを 覚 えた 頃 に 餌 を 給 与 する 通 常 ひな 到 着 後 3~4 時 間 くらいは 給 餌 しないで 飲 水 のみとする ひなの 輸 送 時 間 が 長 く ひなが 脱 水 状 態 にある 場 合 には これは 重 要 なことである ケージで 餌 付 けをする 場 合 は ケージ 内 の 敷 紙 の 上 に 餌 を 撒 いて 給 与 する 自 動 給 餌 機 に は 高 さいっぱいに 餌 を 入 れておく 平 飼 いで 餌 を 給 与 する 際 の 給 餌 器 は 充 分 な 数 の 専 用 の 餌 付 け 用 給 餌 トレイを 使 用 するか または 新 しいモウルドの 卵 フラット(40 羽 当 り 1 枚 ) などを 育 すう 初 期 の 給 餌 器 の 代 用 として 使 用 するのがよいが 餌 付 け 当 日 およびその 翌 日 く らいまでは どのひなも 餌 が 自 由 に 摂 取 できるよう 敷 紙 の 上 にも 餌 を 直 接 撤 いて 給 与 すると よい さらに 餌 の 上 に 粉 砕 したトウモロコシを 100 羽 当 り 400~700g の 割 合 で 撒 いて 給 与 すると 初 期 の 餌 の 消 化 を 助 け ひなの 肛 門 周 辺 に 糞 が 固 着 するのを 少 なくすることができ る 餌 付 け 時 の 餌 には 水 をまぜて 練 餌 にするのも 一 つの 良 い 方 法 である 餌 付 け 当 初 は できるだけ 給 餌 回 数 を 多 くするようにして 餌 がない 状 態 にしてはならな い 餌 付 け 当 日 の 夜 は 最 後 の 給 餌 の 時 に 翌 朝 まで 充 分 足 りるだけの 餌 を 給 与 しておく 餌 にしても 飲 水 にしても 餌 付 け 当 初 はそのペースを 多 めにとって どのひなもできるだけ 均 等 に 餌 が 摂 取 できるようにしてやることが 大 切 である 5 点 灯 は 初 めの 2 日 間 を 終 夜 点 灯 にする 方 法 もあるが 餌 付 け 当 日 より 7 日 令 (1 週 令 )ま で 点 灯 時 間 をいったん 20~22 時 間 にする 電 灯 の 光 量 を 調 節 できる 装 置 があれば 舎 内 の 明 るさを 育 すうの 初 期 1 週 間 くらいは 通 常 の 育 成 時 の 明 るさより 明 るくしてやる 必 要 がある -3-
初 めの 2 日 間 は 40~50 ルクス(lux) その 後 の 数 日 間 はやや 照 度 をおとして 10 ルクス 程 度 になるようにする そして 8 日 令 頃 から 5 ルクスとする また 例 えば 傘 型 ブルーダーを 使 用 する 場 合 やバタリー 育 すうの 場 合 には 傘 の 内 部 または 温 源 部 の 近 くにも 点 灯 して 舎 内 より 温 源 部 周 辺 の 方 が 明 るくなるようにするとよい これらの 処 置 は ひなが 新 しい 環 境 に 初 めておかれるので ひなの 周 辺 を 明 るくすることによって 早 くその 環 境 に 慣 れさせるため である 6 餌 付 け 後 ひなが 活 発 に 動 くようになった 頃 に 温 度 と 湿 度 を 再 点 検 し ひなの 状 況 をよ く 観 察 しながら 必 要 があれば 温 度 を 調 節 する また 湿 度 が 低 く 著 しく 乾 燥 していれば 舎 内 の 通 路 に 水 を 撒 くなどの 方 法 によって 湿 度 を 高 くしてやる 必 要 がある 湿 度 は 育 すう 初 期 には 40~60%が 望 ましく 30% 以 下 になるのは 避 けなければならない (4) 育 すう 温 度 初 生 ひなの 体 温 は 成 鶏 の 体 温 より 1.5 ほど 低 い そして 約 3 週 間 で 成 鶏 の 体 温 とほぼ 同 じ 体 温 となる それに 加 えて ひなは 3 週 令 頃 までは まだ 体 温 の 調 節 機 能 が 充 分 ではなく ひなの 羽 毛 にも 保 温 力 が 乏 しいために 外 気 温 の 影 響 に 順 応 性 が 低 く ひなの 体 温 も 上 下 しやすい したがっ て 体 温 調 節 機 能 の 弱 い 育 すう 初 期 のひなには 適 切 に 給 温 し 常 に 適 温 に 保 ってやることが 必 要 で ある ひなは 成 長 するにしたがって 外 気 温 に 対 する 順 応 性 が 高 くなり 羽 毛 も 伸 びて 保 温 力 も 増 してく るので ひなの 発 育 とともに 育 すう 温 度 を 下 げていく ハイライン ソニアの 適 正 育 すう 温 度 は 表 1 を 参 考 に 管 理 する 餌 付 け 時 は 白 玉 鶏 より 高 めの 約 34 前 後 を 目 安 として 開 始 する しかし 実 際 には 育 すう 方 法 や 飼 育 密 度 育 すう 器 の 種 類 育 すう 舎 の 状 況 気 候 などによっても 若 干 の 調 整 が 必 要 である 例 えば 傘 型 ブルーダーを 使 って 平 飼 いで 育 すうする 場 合 には 適 温 の 区 域 がある 程 度 限 られており もし 育 すう 温 度 が 高 ければ ひ なは 適 温 の 場 所 に 自 分 で 移 動 することができるので 育 すう 温 度 は 33~35 くらいの 多 少 高 めの 温 度 でよいが ウインドウレス 鶏 舎 でケージ 育 すうするような 室 内 暖 房 方 式 の 場 合 には 育 すう 温 度 は 32~33 くらいにし あまり 高 くしない 方 がよい これは もし 温 度 が 高 くてひなにとって 暑 す ぎると このような 給 温 方 式 の 育 すうでは ひなは 自 分 で 適 温 の 場 所 に 移 動 できないからである しかし 温 度 が 低 すぎても 適 温 の 場 所 がない 限 り ひなには 寒 すぎるということにもなる このよ うな 給 温 方 式 の 育 すうでは 傘 型 ブルーダーで 平 飼 いする 場 合 以 上 に 育 すう 温 度 について 細 心 の 注 意 が 必 要 である なお この 育 すう 温 度 は ケージ 内 のひなの 位 置 で 平 飼 い 育 すうではブルーダ ーの 傘 の 端 のひなの 位 置 で 測 定 されるべきである ( 表 1) 育 すう 期 間 の 温 度 の 目 安 ( ) 日 令 ケージ 平 飼 い 1-3 日 令 32-33 33-35 4-7 日 令 30-32 31-33 8-14 日 令 28-30 29-31 15-21 日 令 26-28 27-29 22-28 日 令 23-26 24-27 29-35 日 令 21-23 22-24 36 日 令 以 降 21 21 餌 付 け 時 に 上 記 のような 育 すう 温 度 で 開 始 した 後 は ひなの 発 育 にしたがって 毎 週 2~3 の 割 合 で 室 温 21 になるまで 育 すう 温 度 を 下 げていく ただし 初 めの 1 週 間 は 育 すう 温 度 は 2 ~3 日 毎 に 1 くらいずつ 徐 々に 下 げていくくらいの 配 慮 が 必 要 で 急 激 な 変 化 は 好 ましくない しかし 育 すう 温 度 は その 時 の 育 すう 状 況 によって 適 宜 修 正 されるべきで その 時 の 育 すう 温 度 がひなにとって 適 温 かどうか -4-
は 常 にひなの 状 態 をよく 観 察 して 判 断 すべきである ひなが 温 源 から 離 れて 寝 ていれば 育 すう 温 度 は 高 すぎるし 温 源 の 近 くでかたまっているようであれば 寒 すぎるといえる また ひなの 鳴 き 声 や 寝 ているときの 姿 勢 呼 吸 状 態 なども 適 正 育 すう 温 度 を 判 断 する 目 安 となる 育 すう 温 度 は 温 度 計 に 頼 るのではなく むしろひなの 状 態 をみて 決 定 すべきである なお ハイライン ソニアは 餌 付 け 時 に 時 々ひなの 行 動 が 不 活 発 な 傾 向 が 認 められる このような 場 合 や ひなに 予 防 接 種 やビークトリミングなどのストレス 要 因 が 加 わった 時 には 1~2 日 間 は 育 すう 温 度 を 2 くらい 高 めにしてやるとよい (5) 育 すう 湿 度 育 すう 初 期 には 強 い 温 源 で 給 温 する 関 係 から 育 すう 舎 内 が 乾 燥 しやすく そのため ひなの 体 内 からの 水 分 発 散 が 多 くなる 初 生 ひなの 体 内 の 水 分 含 量 は 70% 以 上 あるが 乾 燥 しすぎるとひな の 体 から 過 度 に 水 分 が 奪 われ そのために 食 滞 や 消 化 不 良 を 引 き 起 こし 活 力 が 不 足 したり 発 育 不 足 になって ひどい 場 合 には 著 しい 減 耗 の 増 加 につながる 湿 度 特 に 乾 燥 に 注 意 を 要 する 時 期 は 餌 付 けから 7 日 令 頃 までである この 時 期 の 適 正 育 すう 湿 度 はおおよそ 40~60%である 季 節 や 育 すう 方 法 にもよるが 一 般 には オープン 鶏 舎 の 敷 料 床 平 飼 いで 傘 型 ガスブルーダーを 使 用 する 場 合 には 湿 度 が 著 しく 不 足 することはそれほどないが 通 常 のケージ 育 すうやウインドウレス 鶏 舎 で 温 源 が 室 内 暖 房 方 式 や 温 湯 パイプを 使 用 して 平 飼 いまた はケージで 育 すうする 場 合 などは 舎 内 が 特 に 乾 燥 しやすいので 湿 度 計 を 置 いて 常 に 注 意 を 払 う 必 要 がある もし 湿 度 が 30% 以 下 であれば 通 路 に 散 水 し 湿 度 を 保 持 する 餌 付 け 後 7~10 日 も 経 てば ひなの 飲 水 量 は 増 加 し 排 泄 される 鶏 糞 の 量 も 多 くなるので 乾 燥 しす ぎるということは 少 なくなる その 頃 になれば むしろ 逆 に 多 湿 にならないように 注 意 しなければ ならない 湿 度 が 高 すぎると 敷 料 やこぼれた 餌 などにカビが 発 生 したり 病 気 の 原 因 となったりす るので 通 風 を 良 くして 舎 内 がよく 乾 燥 するように 計 るべきである その 時 の 舎 内 湿 度 は 30~40% 程 度 で 維 持 されるのが 望 ましい (6) 飼 育 密 度 の 調 整 ひなが 発 育 するにつれて その 居 住 するスペースを 徐 々に 拡 大 しないと ひなはいわゆる 密 飼 い の 状 態 になり さまざまな 問 題 点 が 生 じてくる 傘 型 ブルーダーを 使 用 して 平 飼 いで 育 すうする 場 合 には チックガードを 餌 付 け 後 3~4 日 目 頃 から 半 径 を 毎 日 約 10cm ずつ 広 げ ひなの 居 住 する スペースを 拡 大 することによってひなの 活 動 範 囲 を 広 げ 密 飼 いにならないようにすると 共 に ひ なをブルーダー 周 囲 から 少 しずつ 遠 い 環 境 に 慣 れさせていく その 後 は 育 すうの 時 期 にもよるが 7~10 日 令 頃 に 2 つのブルーダーを 1 つのチックガードで 囲 い ひなの 居 住 スペースをさらに 広 げ てやる ケージ 育 すうやバタリー 育 すうの 場 合 も 同 様 で ひなの 収 容 スペースが 日 令 とともに 広 くなるよ うに 調 整 するか または 初 めから 飼 育 密 度 に 余 裕 をもって 餌 付 けをし 発 育 が 進 んだ 段 階 でも 密 飼 いにならないようにしなければならない -5-
2. 若 めすの 飼 育 密 度 育 すう 期 間 に 限 らず 育 成 期 間 も 含 めて ひなの 飼 育 羽 数 がその 施 設 の 適 正 収 容 羽 数 以 上 に 多 い 密 飼 い 状 態 でひなを 飼 育 すると ひなの 発 育 は 悪 くなり 必 ずといっていいほどその 鶏 群 の 個 々のひな 体 重 は 不 揃 いとなり 品 質 の 優 れた 若 めす 鶏 群 は 育 成 できない 鶏 群 内 にひなのバラツキをなくすに は まず 育 すうのスタートに 当 たって 適 正 飼 育 密 度 以 上 のひなを 収 容 しないようにすることが 大 切 である 餌 付 け 時 に 適 正 飼 育 羽 数 以 上 のひなが 育 すう 舎 に 収 容 されると 一 般 に その 鶏 群 は 育 成 期 間 を 通 じて 密 飼 い 状 態 の 無 理 な 育 成 がされる 場 合 が 多 い 以 下 に 示 す 飼 育 密 度 の 目 安 を 参 考 に 育 すう 育 成 舎 のローテーションと 飼 育 期 間 や 飼 育 環 境 および 経 済 性 をもよく 考 慮 して 若 めすの 飼 育 羽 数 を 決 定 す る なお ケージ 飼 育 の 場 合 には 飼 育 密 度 は 居 住 床 面 積 の 点 では 適 正 であっても 後 述 する 給 餌 給 水 スペースが 不 足 していれば 給 餌 給 水 スペースを 増 やさない 限 り 好 ましくないし 逆 に 給 餌 給 水 スペー スは 充 分 でも 床 面 積 の 点 で 密 飼 いの 状 態 となっているようであれば 適 正 飼 育 密 度 とならないのはいう までもない 適 正 飼 育 密 度 はそれぞれの 養 鶏 場 においてひな 収 容 部 の 床 のスペースと 給 餌 給 水 スペー スの 両 者 およびその 飼 育 環 境 を 考 慮 して 決 めなければならない (1) 平 飼 い 育 成 における 飼 育 密 度 育 すう 期 間 の 傘 型 ブルーダーには 500 羽 用 であれば 300 羽 ないし 350 羽 程 度 1,000 羽 用 であ れば 600~700 羽 までを 限 度 としてひなを 収 容 し それ 以 上 の 密 飼 いを 避 ける 傘 型 ブルーダーに はメーカーにより 種 々のタイプがあるが メーカーの 指 定 する 羽 数 の 60~70%を 限 度 とする 平 飼 い 育 すう 育 成 舎 での 1 羽 当 りの 必 要 面 積 は その 鶏 舎 で 何 週 令 まで 飼 育 するかによって ま たオープン 鶏 舎 かウインドウレス 鶏 舎 か などの 環 境 によっても 異 なるが 表 2 のとおりオープン 鶏 舎 では 6 週 令 くらいまでは ひな 1 羽 当 り 少 なくとも 500~550cm 2 (18~20 羽 /m 2 )のスペース が 必 要 である 強 制 換 気 装 置 のあるウインドウレス 鶏 舎 の 場 合 には 一 般 に 環 境 条 件 がオープン 鶏 舎 より 良 いので 飼 育 密 度 は 高 くなり 1 羽 当 り 約 450~500cm 2 (20~22 羽 / m 2 )とする 成 鶏 舎 に 移 動 する 18 週 令 頃 までの 育 成 期 間 を 敷 料 の 上 で 平 飼 いする 場 合 には オープン 鶏 舎 では 1 羽 当 り 1,400~1,500cm 2 (7~8 羽 / m 2 ) ウインドウレス 鶏 舎 では 1 羽 当 り 1,100~1,200cm 2 (8 ~9 羽 / m 2 )くらいが 必 要 であるが 全 面 スラットまたはワイヤフロアーで 育 成 する 場 合 には 1 羽 当 りの 必 要 床 面 積 はこれにより 少 なくなり オープン 鶏 舎 では 1 羽 当 り 900~1,000cm 2 (10~11 羽 / m 2 )くらいを ウインドウレス 鶏 舎 では 1 羽 当 り 500~600cm 2 (17~20 羽 / m 2 )を 目 安 とする ( 表 2) 平 飼 い 育 成 における 飼 育 密 度 週 令 オープン 鶏 舎 ウインドウレス 鶏 舎 6 週 令 まで 500~ 550 cm 2 / 羽 (18~20 羽 / m 2 ) 450~ 500 cm 2 / 羽 (20~22 羽 / m 2 ) 18 週 令 まで 1,400~1,500 cm 2 / 羽 ( 7 ~ 8 羽 / m 2 ) 1,100~1,200 cm 2 / 羽 ( 8 ~ 9 羽 / m 2 ) -6-
(2)ケージ 育 成 における 飼 育 密 度 ケージ 飼 育 の 場 合 も そのケージで 何 週 令 まで 飼 育 するかによって また ケージのタイプやそ のケージが 一 段 ケージか 多 段 ケージか または オープン 鶏 舎 かウインドウレス 鶏 舎 か など 条 件 によって 適 正 飼 育 密 度 は 異 なるが 飼 育 環 境 は 平 飼 いの 場 合 より 良 いので 1 羽 当 りの 必 要 床 面 積 は 少 なくてよい 通 常 育 すう 期 間 は 6 週 令 頃 まで オープン 鶏 舎 では 少 なくとも 1 羽 当 り 250~ 300cm 2 ウインドウレス 鶏 舎 では 150~200cm 2 以 上 が 必 要 である 18 週 令 頃 まで 育 成 する 群 飼 ケ ージでは オープン 鶏 舎 では 少 なくとも 1 羽 当 り 450~500cm 2 ウインドウレス 鶏 舎 では 1 羽 当 り 350~400cm 2 が 必 要 である ( 表 3)ケージ 育 成 における 飼 育 密 度 週 令 オープン 鶏 舎 ウインドウレス 鶏 舎 6 週 令 まで 250~300 cm 2 / 羽 150~200 cm 2 / 羽 18 週 令 まで 450~500 cm 2 / 羽 350~400 cm 2 / 羽 (3) 平 飼 い 育 成 における 止 まり 木 育 成 期 間 および 産 卵 期 間 の 飼 育 密 度 ともに 重 要 視 すべきは 止 まり 木 の 設 置 である 止 まり 木 の 設 置 により 育 成 期 間 から 鶏 がジャンプ 行 動 をすることで 脚 の 筋 肉 が 発 達 し 発 育 とともに 健 康 な 体 作 りができる そして 鶏 は 止 まり 木 に 止 まることで 安 心 して 休 息 できるスペースを 確 保 するこ とができ 鶏 群 のストレス 緩 和 に 役 立 つ さらに 育 成 期 間 にジャンプ 行 動 を 覚 えることにより 産 卵 期 間 におけるネストトレーニングが 容 易 になる 止 まり 木 のスペース( 長 さ)は 表 4 のよう に 飼 養 密 度 を 考 慮 して 決 める ( 図 1) 止 まり 木 の 例 ( 表 4) 飼 養 密 度 ( 羽 /m 2 ) 7 8 9 10 12 止 まり 木 の 長 さ (cm/ 羽 ) 2 4 6 8 12-7-
3. 給 餌 給 水 スペース (1) 給 餌 スペース ひなを 平 飼 いで 育 成 する 場 合 には 初 めの 数 日 間 は 専 用 の 餌 付 け 用 給 餌 トレイを 使 用 するか または 新 しい 衛 生 的 なモウルドの 卵 フラットを 40 羽 当 り 1 枚 程 度 使 用 して 育 すう 初 期 の 給 餌 器 の 代 用 とする その 後 は 育 すう 育 成 用 の 桶 型 または 円 型 の 給 餌 器 に 徐 々に 併 用 しながら 取 り 替 えるが 表 5 に 示 す 必 要 給 餌 スペースを 参 考 に 少 なくともこの 程 度 のスペースが 確 保 でき るようその 数 を 決 める 桶 型 の 場 合 には 給 餌 器 の 両 側 を 計 算 に 入 れる 円 型 の 給 餌 器 またはパン 型 自 動 給 餌 機 では その 円 周 の 1.5 倍 の 長 さを 基 準 にして 計 算 するのが 普 通 である すなわち 桶 型 給 餌 器 では 1 羽 当 り 10cm のスペースが 必 要 であり 20cm で 2 羽 分 であるが 円 型 給 餌 器 では その 円 周 について 20cm のスペースが 3 羽 分 に 相 当 する 従 って 1 羽 当 り 約 7cm の 給 餌 スペース と 考 えればよい ケージ 飼 育 の 場 合 の 給 餌 器 は ケージ 内 の 給 餌 器 による 場 合 とケージ 前 面 または 後 面 の 桶 型 給 餌 器 による 場 合 とがあるが 前 者 では 平 飼 いと 同 様 に 考 えればよいし 後 者 は 給 餌 器 の 片 側 のみ を 計 算 することはいうまでもない しかし この 場 合 には 給 餌 器 の 長 さまたは 数 はすでに 決 まっ ているので ケージに 収 容 する 鶏 の 羽 数 によって 1 羽 当 りの 給 餌 スペースは 異 なり 給 餌 給 水 ス ペースと 飼 育 密 度 (1 羽 当 り 必 要 床 面 積 )の 両 者 を 考 慮 して 収 容 羽 数 を 決 めることになる ( 表 5) 若 めすの 給 餌 スペース 週 令 樋 型 給 餌 器 円 型 給 餌 器 6 週 令 まで 4~ 5 cm/ 羽 2.5~3.0 個 /100 羽 (33~40 羽 / 個 ) 18 週 令 まで 8~10 cm/ 羽 4.5~5.5 個 /100 羽 (18~22 羽 / 個 ) ( 注 ) 円 型 給 餌 器 は 直 径 40cm 程 度 のもの (2) 給 水 スペース 平 飼 いで 育 成 する 場 合 の 給 水 器 は 育 すう 初 期 1~2 週 間 は 2~4 リットル 入 りのひな 専 用 円 型 給 水 器 を 100 羽 当 り 1~2 個 使 用 する その 後 は 給 餌 スペースの 場 合 と 同 様 表 6 の 必 要 給 水 ス ペースを 参 考 にして 少 なくともこの 程 度 の 給 水 スペースが 確 保 できるように 桶 型 ニップルカ ップ 型 または 円 型 の 自 動 給 水 器 (ラウンドドリンカー)に 徐 々に 切 り 替 えていく ケージ 飼 育 の 場 合 には 給 水 器 の 種 類 はカップ 型 ニップル 型 または 桶 型 などがあり そ れぞれの 給 水 スペースは 給 餌 スペースの 場 合 と 同 様 に 1 ケージ 当 りの 飼 育 羽 数 とも 関 係 するが 表 6 の 示 すとおりである ( 表 6) 若 めすの 給 水 スペース 週 令 樋 型 給 水 器 ニップル/カップ 型 給 水 器 円 型 給 水 器 6 週 令 まで 1.5 cm/ 羽 8 個 /100 羽 (12 羽 / 個 ) 0.8 個 /100 羽 (125 羽 / 個 ) 18 週 令 まで 3.0 cm/ 羽 13 個 /100 羽 ( 8 羽 / 個 ) 1.6 個 /100 羽 ( 63 羽 / 個 ) ( 注 ) ケージ 飼 育 でカップ 型 又 はニップル 型 を 使 用 する 時 には 1 ケージ 当 り 少 なくとも 2 基 の 給 水 器 が 必 要 円 型 給 水 器 は 直 径 40cm 程 度 のもの -8-
4. 換 気 換 気 は 鶏 舎 内 に 新 鮮 な 空 気 を 送 り 込 むことによって アンモニアのような 有 害 なガスやホコリ 病 原 菌 余 分 な 水 分 などを 希 釈 し 舎 外 に 排 出 する 機 能 を 果 たす 換 気 不 良 になると ひなの 発 育 が 阻 害 されたり 鶏 に 呼 吸 器 病 を 誘 発 したりする したがって 常 に 充 分 な 換 気 をとるようこころがけなけ ればならない (1) 育 すう 期 間 の 換 気 の 重 要 性 育 すう 期 間 は 温 度 を 維 持 するためにとかく 鶏 舎 を 密 閉 しがちになり 換 気 不 良 を 起 こしやすい 餌 付 け 後 の 数 日 間 は まだひなの 呼 吸 量 も 少 なく 給 温 による 温 源 部 と 育 すう 器 外 部 および 外 気 温 との 温 度 差 から 自 然 の 空 気 の 対 流 によって 育 すう 器 内 部 の 換 気 は 比 較 的 よくはからえるが ひなが 7~10 日 令 頃 になると 呼 吸 量 も 多 くなり 換 気 の 必 要 性 も 増 大 してくる また 冬 季 には 換 気 量 は 少 なくて 済 むし 育 すう 器 内 と 外 部 との 温 度 差 が 大 きいので それほど 換 気 について 配 慮 する 必 要 はないが 夏 季 のように 外 気 温 が 高 くなると この 温 度 差 による 自 然 換 気 が 充 分 期 待 できないし ひな 1 羽 当 りの 必 要 換 気 量 も 多 くなるので オープン 鶏 舎 ではカーテンの 調 節 によ って 充 分 な 換 気 をはかることが 大 切 である ウインドウレス 鶏 舎 では 換 気 扇 の 運 転 によってひ なの 発 育 とともに 表 7 を 目 安 にして 換 気 量 を 増 やしていく 育 すう 育 成 期 間 の 換 気 の 良 否 は 若 めすの 良 否 を 決 定 するともいわれるほど 基 本 的 かつ 必 須 の 重 要 な 要 素 であるので 換 気 には 特 に 注 意 しなければならない (2) 必 要 換 気 量 鶏 の 必 要 換 気 量 は 体 重 と 気 温 によって 異 なり 成 鶏 では 一 般 に 常 温 約 20 の 時 で 体 重 1kg 当 り 毎 時 4~5m 3 くらいである 夏 は 呼 吸 量 も 多 いので 30 ~35 くらいの 時 には 体 重 1kg 当 り 毎 時 7~8m 3 と 常 温 の 時 より 換 気 量 は 多 くなり 冬 は 0 ~10 くらいの 時 で 体 重 1kg 当 り 毎 時 2.5 ~3.5m 3 が 必 要 である なお 育 成 期 間 中 のひなでは 体 重 当 りの 必 要 換 気 量 の 割 合 は 成 鶏 の 場 合 より 一 般 に 多 い この 基 本 換 気 量 から 鶏 群 全 体 の 必 要 換 気 量 を 計 算 し それに 見 合 った 量 の 換 気 ができるようにファンを 作 動 させなければならない 表 7 はウインドウレス 鶏 舎 における 1 羽 当 り 必 要 換 気 量 の 目 安 を 示 したものである ( 表 7)1 羽 当 り 毎 時 必 要 換 気 量 気 温 1 週 令 3 週 令 6 週 令 12 週 令 18 週 令 18 週 令 以 降 の 成 鶏 30 2.0 m 3 3.0 m 3 4~5m 3 8~9 m 3 11~12 m 3 15~17 m 3 20 1.4 2.0 3.0 5~6 7~8 9~11 10 0.8 1.4 2.0 4.0 4~5 5~7 0 0.6 1.0 1.5 3.0 3.0 4~5-10 0.5 0.8 1.2 1.7 2.5 3~4 換 気 の 目 的 は 前 述 のとおり 鶏 舎 内 に 新 鮮 な 空 気 を 送 り 有 害 なガスやホコリ 病 原 菌 余 分 な 水 分 などを 希 釈 して 舎 外 に 排 出 することである 換 気 不 良 になれば この 目 的 が 達 せられない ことになり 鶏 の 産 卵 に 影 響 を 及 ぼす 有 害 なガスの 鶏 に 対 する 許 容 限 度 は 一 概 に 言 えないが 例 -9-
えば アンモニアでは 50ppm 炭 酸 ガスは 3,500ppm 硫 化 水 素 は 10ppm ぐらいである 最 も 問 題 となりやすいアンモニアについては 一 般 に 15ppm で 人 は 臭 いとして 感 じることができる 20ppm でもそれが 継 続 すれば 呼 吸 器 病 を 誘 発 したり 産 卵 に 影 響 が 出 始 めることがある 5.ビークトリミング(デビーク) ビークトリミングは 主 としてツツキの 予 防 と 飼 料 のロスを 防 止 するために 行 われる しかし ビー クトリミングそのものは 鶏 にとってひとつの 大 きなストレスとなるので その 実 施 にあたっては 熟 練 した 技 術 適 切 な 実 施 期 間 適 切 なビークトリマー(デビーカー)の 使 用 によってそのショックを 軽 減 しなければならない ツツキの 真 の 原 因 はまだよくわかっていない 部 分 もあるが 密 飼 い 給 餌 給 水 スペースの 不 足 換 気 不 良 栄 養 分 の 欠 乏 鶏 舎 内 部 の 明 るすぎなどの 飼 養 管 理 上 のいろいろな 要 因 が 考 えられる ツツ キやその 他 のカンニバリズムを 防 止 するのに 単 にビークトリミングをすれば 良 いと 考 えるのではな く これらの 要 因 をなくして 適 切 な 管 理 をしなければならないことは 言 うまでもない 飼 料 の 節 約 については 嘴 によってはじき 出 される 餌 のこぼれがビークトリミングによって 減 るた めだけではなく ビークトリミング 後 のひなの 飼 料 摂 取 量 の 減 少 もかなり 認 められるので その 点 も 念 頭 に 置 いて 管 理 しなければならない (1)ビークトリミングの 時 期 ビークトリミングの 時 期 は 一 般 に 初 生 ひなから 16 週 令 頃 までの 広 い 範 囲 にわたっているが その 適 期 はビークトリミング 後 の 発 育 と 卵 の 生 産 性 に 悪 影 響 を 及 ぼさないことと ビークトリミ ング 後 の 嘴 の 再 生 が 少 ないことが 条 件 となって 決 定 されるべきである ビークトリミングを 実 施 するのに 適 当 な 時 期 は ひなの 日 令 が 若 いほどその 作 業 が 容 易 で ビ ークトリミングによる 出 血 やストレスも 日 令 が 経 過 した 若 めすよりは 少 ないので 育 成 期 間 の 前 半 の 方 が 望 ましい 一 般 には 初 生 時 7~10 日 令 4~7 週 令 10~16 週 令 と おおまかに 分 けて 4 つの 時 期 のいずれかに 実 施 されることが 多 いが 餌 付 け 時 に 初 生 ひなにビークトリミング するのは ひながまだ 環 境 に 慣 れておらず 多 くのストレスが 重 なることと 後 になって 切 り 直 す 必 要 が 生 じる 場 合 があるのであまり 勧 められない 4~7 週 令 以 降 でのビークトリミングは 7~ 10 日 令 のビークトリミングほど 正 確 さを 必 要 としない 反 面 ビークトリマーの 刃 の 温 度 と 嘴 の 焼 き 方 によっては 出 血 が 多 くなったり ストレスが 強 くなることが 多 いので 注 意 しなければならな い ハイライン ソニアでは 7~10 日 令 でのビークトリミングが 勧 められる この 時 期 のビークト リミングは ひなの 取 扱 いも 容 易 で 出 血 も 比 較 的 少 なく また 再 び 嘴 が 伸 びすぎて 切 り 直 しをす る 必 要 もあまりない ただし この 7~10 日 令 でのビークトリミングでは 決 して 作 業 を 急 がず 必 ず 正 確 に 実 施 することが 重 要 である (2)ビークトリミングの 方 法 7~10 日 令 でのビークトリミングの 方 法 は 穴 のついたガイドプレートおよび 電 動 アタッチメ -10-
ントの 付 いたビークトリマーを 用 いる ガイドプレートには 通 常 約 4mm(10/64 インチ) 約 4.4mm(11/64 インチ ) 約 4.8mm(12/64 インチ)の 3 つの 穴 がついており ひなの 鼻 孔 先 端 か ら 約 3~4mm 先 すなわち 嘴 の 長 さのほぼ 中 央 の 部 分 で 嘴 が 切 断 されるように それに 適 した 穴 を 使 用 して 嘴 を 差 し 込 み 電 動 カムの 回 転 によって 嘴 を 切 断 する 7~8 日 令 のハイライン ソニ アでは 通 常 中 央 の 約 4.4mm(11/64 インチ)の 穴 が 適 当 であるが 7~8 日 令 でもひなの 嘴 の 大 きさによって また 日 令 が 9~10 日 令 頃 には 約 4.8mm(12/64 インチ)の 大 きい 方 の 穴 を 使 用 する 必 要 があるかもしれない ひなの 保 定 にあたっては 親 指 でひなの 頭 部 を 軽 く 押 さえ 人 差 し 指 でひなの 下 あごの 部 分 を わずかに 引 くようにして ビークトリマーの 刃 とほぼ 直 角 になるように 嘴 をガイドプレートの 穴 に 差 し 込 む ひなの 保 定 はどのひなに 対 しても 常 に 一 定 の 角 度 を 保 つようにしなければならない ビークトリマーの 刃 の 温 度 は 常 に 約 600 になるのが 適 切 であるが その 時 の 電 圧 によって ま たは ビークトリミングの 作 業 をする 場 所 などの 要 因 によって 刃 の 温 度 は 変 化 しやすく 60 前 後 の 温 度 変 化 は 目 で 確 認 できない 約 600 を 保 つには 付 属 の 温 度 計 や 電 圧 モニターを 取 り 付 けてビークトリミングするのがよい それがない 場 合 には 刃 の 温 度 は 経 験 によって 加 熱 した 刃 の 色 で 判 断 するが 通 常 は チェリー レッド といわれる 程 度 の 赤 色 くらいになるのがよい 7~10 日 令 でのビークトリミングが 不 十 分 であったリ 管 理 上 の 失 宜 によって 後 になって 再 びビ ークトリミングをする 必 要 が 生 じた 場 合 や ビークトリミングを 省 略 していた 場 合 には ツツキ が 発 生 した 時 点 でビークトリミングしなければならない このような 場 合 や 約 4 週 令 以 降 にビー クトリミングしなければならない 場 合 には カットする 部 分 は 上 嘴 の 先 端 から 嘴 の 長 さの 約 2/3 の 位 置 を 下 嘴 は 上 嘴 よりやや 長 めに 残 るように 肉 質 組 織 の 終 わる 部 分 で 切 断 し 切 断 面 は 上 下 嘴 とも 内 方 に 傾 斜 をつけるようにする ウインドウレス 鶏 舎 では ツツキやカンニバリズムが 発 生 したら 鶏 舎 内 の 光 量 を 落 して 鶏 舎 内 を 暗 くすることも ツツキの 被 害 を 少 なくする 重 要 な 対 策 の 一 つである (3)ビークトリミング 実 施 上 の 注 意 ビークトリミングの 実 施 にあたっては 以 下 の 点 に 注 意 する 1 ビークトリミングの 前 後 少 なくとも 1 週 間 は 鶏 の 移 動 予 防 接 種 駆 虫 などのストレスを 与 えないようにする ビークトリミング 前 後 数 日 間 はビタミン K を 多 く 含 んだ 総 合 ビタミン 剤 を 投 与 しておく 2 ビークトリミングは 暑 い 時 期 には 朝 夕 の 涼 しい 時 に 実 施 し できるだけ 暑 さを 防 ぎ 水 は 常 に 清 潔 なものを 飲 ませる 3 ビークトリミングの 作 業 は 決 して 急 いで 行 わず 常 に 正 確 に 行 うことを 心 掛 ける 4 健 康 なひなのみにビークトリミングをし ひなにストレスが 加 わった 場 合 には 実 施 期 間 を 変 更 するくらいの 配 慮 が 必 要 である 5 ビークトリマーの 刃 の 温 度 は 高 過 ぎても 低 過 ぎてもいけない 決 められた 温 度 でよく 切 れ る 刃 を 使 用 してビークトリミングする 6 嘴 は 完 全 に 切 れてから 刃 から 離 すこと 不 完 全 な 切 断 は 嘴 や 口 内 の 組 織 を 破 損 する 7 鶏 の 舌 を 刃 にあてないようにする 舌 を 焼 いたり 切 ったりするとへい 死 やとう 汰 の 原 因 と -11-
なる 8 ビークトリマーの 刃 は 完 全 に 直 角 にそろっていること 9 ゆがんだ 刃 や 曲 がった 刃 を 使 ってはならない たびたび 新 しい 刃 と 交 換 する 10 ビークトリミングの 良 否 がひなの 体 重 のバラツキの 原 因 となることが 多 い 特 に 嘴 の 切 断 面 における 過 度 の 焼 灼 により 嘴 の 肉 質 が 潰 瘍 状 になったり 治 った 後 でも 傷 口 がコブ 状 に 残 る ことがあるが このようなひなや 嘴 を 切 りすぎたひなでは 発 育 が 遅 れるので 注 意 を 要 する (4)ビークトリミング 後 の 管 理 ビークトリミングは 大 きなストレス 要 因 の 一 つであるので ストレスをできるだけ 軽 くするよ うに 実 施 しなければならないが ビークトリミングをした 後 は 傷 が 治 るまで 次 のような 注 意 を する 1 カットした 柔 らかい 嘴 の 先 端 が 採 食 時 に 給 餌 器 の 底 にふれないよう 飼 料 を 多 く 入 れる 飼 料 の 深 さは 約 5cm 以 上 が 望 ましい 2 グリットの 給 与 は 中 止 する 3 給 水 器 の 水 の 深 さは 少 なくとも 1cm 以 上 になるように 深 くして 水 が 飲 みやすいようにする 4 機 械 給 餌 では 飼 料 の 摂 取 を 促 進 するため 給 餌 機 の 運 転 回 数 を 増 やす 手 給 餌 の 場 合 でも 同 様 に 給 餌 回 数 を 増 やし たびたび 餌 ならしを 行 う 5 ビークトリミング 直 後 のひなの 体 重 は ビークトリミングのストレスや 嘴 の 切 断 面 の 傷 口 の 痛 さから 飼 料 摂 取 量 が 少 なくなるために 一 時 的 に 体 重 が 減 少 したり 増 体 が 停 滞 する した がって その 点 を 考 えて 体 重 とストレスの 回 復 を 早 めるよう 充 分 な 栄 養 面 での 配 慮 が 必 要 で ある -12-
6.ひなの 発 育 と 体 重 育 成 期 間 のひなの 発 育 は 鶏 種 の 育 種 的 要 因 による 体 重 差 以 外 に 季 節 や 飼 育 形 態 などの 環 境 要 因 と 飼 料 の 種 類 や 給 餌 方 法 飼 料 摂 取 量 などの 栄 養 的 要 因 若 めすの 健 康 状 態 など 飼 育 管 理 上 の 種 々 の 要 因 によって 大 きな 影 響 を 受 け 鶏 群 毎 に また 鶏 群 内 の 個 体 毎 に かなりの 差 が 生 じる ひなの 発 育 状 況 の 一 つの 指 標 となるのが 育 成 期 間 の 週 令 毎 の 体 重 すなわち 鶏 群 の 平 均 体 重 と 各 個 体 間 の 体 重 のバラツキである 若 めすの 平 均 体 重 だけが 産 卵 に 及 ぼす 種 々の 要 素 のうちの 大 部 分 を 占 めるというわけではないので 産 卵 能 力 を 最 高 に 発 揮 させるための 理 想 的 な 若 めす 体 重 というの は 一 概 に 何 週 令 で 何 グラムにすべきであるとは 単 純 には 断 言 できない しかし 少 なくとも 体 重 が 飼 育 管 理 上 の 要 因 で 著 しく 小 さく 発 育 が 遅 れているのは 後 の 産 卵 にとって 好 ましいことではなく また 脂 肪 の 付 き 過 ぎで 体 重 が 重 すぎるのも 産 卵 性 や 経 済 性 の 点 でマイナスとなる したがって ひ なの 発 育 を 考 える 上 においては 鶏 群 の 平 均 体 重 だけでなく むしろ その 鶏 群 内 の 個 体 間 の 体 重 や 成 熟 度 合 いの 斉 一 性 を 考 慮 することが 重 要 である すなわち 若 めすの 体 重 は その 鶏 群 の 平 均 的 な 体 重 ( 育 種 上 持 っている 標 準 的 な 体 重 )の 範 囲 にあって さらに 鶏 群 内 の 体 重 の 個 体 差 が 少 ないこと が 望 ましい (1) 育 すう 初 期 のひなの 発 育 育 成 期 間 前 半 のひなの 発 育 は 極 めて 早 い 特 に 育 すう 初 期 には 初 めの 1 週 間 で ひなの 体 重 は 餌 付 け 時 の 体 重 の 2 倍 くらいに 2 週 令 で 3 倍 以 上 に 3 週 令 で 約 5 倍 にまで 成 長 する その 後 の 増 体 率 は 徐 々に 少 なくなってくるが 1 日 当 りの 増 体 重 は 10 週 令 前 後 頃 まで 急 激 に 増 加 して いき 育 成 期 間 の 後 半 では 性 成 熟 の 始 まりとともに 増 体 率 は 減 少 して 発 育 の 速 度 はゆるやかに なってくる この 育 成 期 間 前 半 の 発 育 の 急 激 な 時 期 に 飼 養 管 理 特 に 栄 養 の 点 で 管 理 が 適 切 でないとひなの 発 育 不 良 や 個 体 間 の 不 揃 いが 生 じやすい 特 に 育 すう 初 期 のひなの 成 長 に 著 し い 差 ができると 後 になってからその 発 育 の 遅 れを 取 り 戻 し ひなにバラツキをなくすことはも はや 困 難 になるので 餌 付 け 直 後 からひなの 発 育 状 態 をよく 見 て 管 理 していかなければならない (2) 若 めすの 平 均 体 重 ハイライン ソニア 若 めすの 平 均 体 重 を 週 令 別 に 示 すと 表 8 のとおりである ひなの 体 重 は 育 種 によってある 程 度 は 決 定 されるものの 前 述 のように 主 として ひな 餌 付 け 後 の 栄 養 やその 他 種 々 の 要 因 によって 影 響 されるので ここに 示 した 数 値 は ハイライン ソニア 若 めすの 発 育 状 況 ない し 週 令 毎 の 平 均 体 重 を 実 績 と 比 較 する 場 合 の 一 つの 目 安 として 利 用 されたい 平 均 体 重 が 過 度 に 小 さすぎるのは 好 ましくないので ここに 示 した 目 安 とする 体 重 を 目 標 に 育 成 する 夏 季 に 産 卵 を 開 始 する 鶏 群 ではやや 大 きめに 育 成 すべきでありこれは 重 要 な 点 である ハイライン ソニアでは 育 成 期 間 に 最 終 的 に 目 標 とする 若 めすの 平 均 体 重 は 通 常 18 週 令 時 で 春 および 夏 は 少 なくとも 1,460g であることが 望 ましい 秋 および 冬 は 1,430g くらいでもよ い -13-
(3) 体 重 測 定 体 重 は ひなの 発 育 ならびに 後 の 潜 在 産 卵 能 力 を 充 分 に 発 揮 させる 上 で 一 つの 優 れた 指 標 となるので 体 重 測 定 は 必 ず 実 施 する 育 成 期 は 餌 付 後 毎 週 ないし 2 週 間 毎 に 各 週 令 末 にそれぞれの 鶏 群 の 中 から 100 羽 を 無 作 為 に 選 んで 1 羽 ずつ 体 重 測 定 する 定 期 的 に 体 重 測 定 しない 場 合 でも 育 成 飼 料 の 切 り 換 えはその 時 のひなの 発 育 状 況 の 結 果 によって 行 うべきなので 少 なくとも 育 成 飼 料 の 切 り 換 え 予 定 時 期 の 1~2 週 間 前 の 体 重 測 定 は 必 ず 実 施 し その 結 果 からいつ 飼 料 の 切 り 換 えを 行 うべきか 切 り 換 え 時 期 を 遅 らせるべきかどうか を 決 定 する 体 重 測 定 すべき 重 要 な 時 期 は 3~5 週 令 頃 8~10 週 令 頃 14~16 週 令 頃 および 18~19 週 令 頃 である 体 重 測 定 では できればいつも 同 じ 個 体 について 測 定 するのがよい 測 定 値 は 計 算 によって 平 均 体 重 および 標 準 偏 差 ならびに 変 動 係 数 を 算 出 し 発 育 の 程 度 と 体 重 の 斉 一 性 を 調 べ その 後 の 育 成 管 理 の 参 考 とする 体 重 測 定 の 際 には 同 時 に 骨 格 や 肉 ( 表 8) 若 めすの 平 均 体 重 週 令 平 均 体 重 1 65 g 2 110 3 180 4 270 5 360 6 460 7 570 8 680 9 780 10 880 11 970 12 1,050 13 1,120 14 1,190 15 1,260 16 1,320 17 1,380 18 1,430 付 き 鶏 の 身 体 的 異 常 等 をチェックすることも 必 要 である 体 重 測 定 によって 得 られた 結 果 から 例 えば 発 育 が 遅 れているかとかバラツキが 多 いとかの 問 題 があれば その 原 因 を 究 明 し 正 常 な 鶏 群 に 戻 すよう 直 ちに 管 理 上 の 対 策 を 講 じなければな らない (4) 体 重 の 斉 一 性 体 重 の 個 体 毎 のバラツキは 少 ないほど 好 ましいのは 言 うまでもないが よく 揃 っていると 思 わ れる 若 めす 鶏 群 でも 体 重 には 必 ず 個 体 間 のバラツキが 少 なからずある 体 重 の 斉 一 性 を 表 わす 尺 度 は 一 般 に 変 動 係 数 が 用 いられる 実 際 の 体 重 測 定 によって 得 られ た 鶏 個 々の 体 重 から その 鶏 群 の 体 重 の 平 均 値 を 求 め 以 下 のように 標 準 偏 差 を 計 算 する この 標 準 偏 差 を 体 重 の 平 均 値 で 割 って 100 を 掛 けたものが 変 動 係 数 である 標 準 偏 差 は 体 重 測 定 に よって 得 られた 個 々の 体 重 と 体 重 の 平 均 値 との 差 をそれぞれに 2 乗 した 値 の 合 計 を 測 定 羽 数 か ら 1 を 引 いた 数 で 割 って その 平 方 根 を 求 めて 算 出 される 計 算 式 は 次 の 通 りである 測 定 値 + 測 定 値 + + 測 定 値 n 平 均 値 = 1 2 測 定 数 n -14-
標 準 偏 差 = 変 動 係 数 = 2 2 ( 測 定 値 - 平 均 値 ) + ( 測 定 値 - 平 均 値 ) + + ( 測 定 値 - 平 均 値 ) 標 準 偏 差 100 平 均 値 1 2 測 定 数 -1 n n 2 この 体 重 測 定 の 結 果 変 動 係 数 が 8% 以 下 であれば その 鶏 群 は 個 体 間 のバラツキが 少 なく 斉 一 で あり 8% 以 上 の 場 合 にはその 程 度 によって 個 々の 鶏 の 体 重 にバラツキが 多 く 不 揃 いであると 言 え る 変 動 係 数 がどの 鶏 群 も 8% 以 下 になるようにひなを 育 成 することが 望 ましい このような 変 動 係 数 を 計 算 しない 場 合 には 測 定 平 均 体 重 プラスマイナスの 10%の 範 囲 を 計 算 し その 体 重 の 範 囲 内 に 全 体 の 80% 以 上 の 個 々の 鶏 が 入 っているかどうかによって 体 重 の 斉 一 性 を 調 べる 80% 以 上 の 鶏 がその 範 囲 内 にあれば 理 想 的 であり 80% 以 下 の 場 合 には 体 重 に 不 揃 いがあり 好 まし くない つまり 18 週 令 の 平 均 体 重 が 1,430g であったとすれば 個 々の 鶏 の 体 重 は 1,290g から 1,570g の 範 囲 内 に 測 定 羽 数 の 80% 以 上 が 入 っていることが 重 要 である 7. 若 めすの 栄 養 育 成 期 間 の 給 餌 管 理 が 適 切 であるかどうかによってひなの 発 育 は 大 きく 影 響 を 受 ける 正 常 な 発 育 に 必 要 な 栄 養 を 鶏 群 内 のどのひなにもできるだけ 均 等 に 給 与 することが 給 餌 管 理 のポイントである (1) 育 成 用 飼 料 飼 料 は 品 質 的 に 欠 点 のない 育 成 用 飼 料 を 給 与 する ひなの 発 育 に 必 要 な 栄 養 分 が 含 まれていな ければならないことはもちろんのこと 飼 料 の 貯 蔵 中 にカビが 発 生 したり 鼠 に 汚 染 されたりす ることのないようにしなければならない ハイライン 社 が 推 奨 する 育 成 用 飼 料 に 含 まれているべき 主 な 栄 養 分 の 割 合 は 表 9 に 示 すとお りである 育 成 用 飼 料 の 餌 付 け 用 から 幼 すう 用 幼 すう 用 から 中 すう 用 へ 中 すう 用 から 大 すう 用 への 切 り 換 え 時 期 は 主 として 体 重 によって 決 定 すべきである すなわち 餌 付 け 用 から 幼 すう 用 への 切 り 替 えは その 鶏 群 の 平 均 体 重 が 110g を 越 えた 時 点 を 目 安 とする これは 通 常 2 週 令 末 頃 で ある 幼 すう 用 から 中 すう 用 への 切 り 換 えは その 鶏 群 の 平 均 体 重 が 460g を 越 えた 時 点 を 目 安 とする これは 通 常 6 週 令 末 頃 である 中 すう 用 から 大 すう 用 への 切 り 換 えは 平 均 体 重 が 880g になった 時 点 を 目 安 とする これは 10 週 令 末 頃 である 大 すう 用 からプリレイへは 平 均 体 重 が 1,320g になった 時 点 を 目 安 とする これは 16 週 令 末 頃 であるが プリレイ 飼 料 については 体 重 が 十 分 乗 っていたとしても 16 週 令 末 以 前 の 切 り 替 えは 避 け 17 週 令 以 降 に 実 施 し 給 与 期 間 は 10 日 前 後 1 羽 あたりの 合 計 給 餌 量 を 最 大 1kg 以 内 とする いずれにせよ その 時 のひなの 健 康 状 態 や 飼 料 摂 取 量 なども 考 慮 して 判 断 しなければならない どの 鶏 群 についても ひなの 発 育 および 健 康 状 態 飼 料 摂 取 量 季 節 などに 関 係 なく 単 に 若 めすの 週 令 だけで 自 動 的 に 飼 料 を 切 り 換 えるべきではない -15-
( 表 9) 育 成 期 間 の 主 な 栄 養 素 栄 養 素 体 重 が 110g になる まで または 2 週 令 まで 餌 付 け 用 飼 料 幼 すう 用 飼 料 中 すう 用 飼 料 大 すう 用 飼 料 プリレイ 飼 料 体 重 が 460g になる まで または 6 週 令 まで 体 重 が 880g になる まで または 10 週 令 まで 体 重 が 1,320g になる まで または 16 週 令 まで 17 週 令 以 降 1% 産 卵 になるまで 代 謝 エネルギー (kcal/kg) 2,850~3,000 2,850~3,000 2,750~2,900 2,750~2,800 2,800~2,900 主 要 アミノ 酸 : 最 低 量 リジン (%) 1.20 1.00 0.90 0.70 0.70 メチオニン (%) 0.50 0.45 0.40 0.33 0.33 メチオニン+シスチン (%) 0.80 0.75 0.70 0.63 0.63 スレオニン (%) 0.76 0.63 0.59 0.48 0.48 トリプトファン (%) 0.21 0.18 0.17 0.15 0.15 アルギニン (%) 1.28 1.06 0.96 0.75 0.75 イソロイシン (%) 0.83 0.69 0.65 0.55 0.55 バリン (%) 0.85 0.71 0.66 0.60 0.60 粗 蛋 白 質 ( 最 低 ) (%) 20.0 19.0 17.5 15.5 16.0 主 要 ミネラル: 最 低 量 カルシウム (%) 1.00 1.00 1.00 1.40 2.50 有 効 リン (%) 0.48 0.49 0.45 0.41 0.45 ナトリウム (%) 0.18 0.18 0.18 0.18 0.18 塩 素 (%) 0.18 0.18 0.18 0.18 0.18 リノール 酸 (%) 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 ( 注 )1. 飼 料 の 切 替 は 目 標 体 重 で 行 なうこと 週 令 は 体 重 指 標 から 引 用 した 2. 同 名 の 飼 料 原 料 であっても 代 謝 エネルギーの 値 に 違 いがあるので 使 用 原 料 により 注 意 すること また 飼 料 標 準 性 能 表 によっても 値 に 違 いがあるため 注 意 が 必 要 (P.48 を 参 照 ) 3. カルシウムは 粒 度 の 細 かい 炭 酸 カルシウム 源 ( 平 均 粒 度 2mm 以 下 )で 給 与 4. 17 週 令 以 降 1% 産 卵 になるまでプリレイ 飼 料 を 給 与 することが 勧 められる 5. プリレイ 飼 料 の 給 与 期 間 は 10 日 前 後 で 最 大 給 与 量 は 1kg/ 羽 まで 6. プリレイ 飼 料 の 給 与 開 始 時 期 は 週 令 が 早 すぎないように 注 意 7. 産 卵 を 開 始 したら 速 やかに 産 卵 ピーク 期 飼 料 に 切 り 替 えること 産 卵 を 維 持 するには プリレイ 飼 料 のカル シウム 量 や 栄 養 内 容 では 不 足 する ( 表 10) 育 成 期 間 のビタミンおよび 微 量 ミネラルの 飼 料 添 加 量 栄 養 素 育 成 期 間 栄 養 素 育 成 期 間 (ビタミン) ( 微 量 ミネラル) ビ タ ミ ン A 9,900,000 IU/トン マ ン ガ ン 88 g/トン ビ タ ミ ン D 3 3,300,000 IU/トン 亜 鉛 88 g/トン ビ タ ミ ン E 22,100 IU/トン 鉄 55 g/トン ビ タ ミ ン K 3.3 g/トン 銅 11 g/トン チ ア ミ ン ( B 1 ) 2.2 g/トン ヨ ウ 素 1.7 g/トン リ ボ フ ラ ビ ン ( B 2 ) 6.6 g/トン セ レ ン 0.30 g/トン ナ イ ア シ ン 33.0 g/トン パ ン ト テ ン 酸 11.0 g/トン ピ リ ド キ シ ン ( B 6 ) 4.4 g/トン コ リ ン 110 g/トン 葉 酸 0.9 g/トン ビ タ ミ ン B 1 2 22.1 mg/トン ビ オ チ ン 55 mg/トン ( 注 ) 飼 料 原 料 中 に 含 まれる 量 以 外 にビタミン ミネ ラル プレミックスとして 飼 料 に 添 加 すべき 必 要 量 である -16-
(2) 育 成 期 間 の 飼 料 摂 取 量 ハイライン ソニアの 育 成 期 間 の 平 均 的 な 飼 料 摂 取 量 は 表 11 に 示 すとおりである なお こ の 数 値 は 春 および 秋 の 平 均 的 な 気 温 の 時 期 にケージ 育 成 した 場 合 の 平 均 的 な 摂 取 量 であるが 飼 料 摂 取 量 は 飼 料 の 種 類 や 気 温 飼 育 形 態 の 他 にも 種 々の 要 因 によって 大 きく 左 右 されるので 実 際 にはここに 示 した 数 値 は 一 つの 目 安 にすぎないということを 考 えておかなければならない ( 表 11) 育 成 期 間 の 飼 料 摂 取 量 週 令 飼 料 摂 取 量 1 日 1 羽 当 り 累 計 1 13 0.09 2 19 0.23 3 24 0.40 4 28 0.59 5 33 0.82 6 38 1.09 7 43 1.39 8 47 1.72 9 51 2.08 10 54 2.45 11 60 2.87 12 61 3.30 13 65 3.76 14 67 4.23 15 72 4.73 16 73 5.24 17 76 5.77 18 79 6.33 g kg 飼 料 餌 付 け 用 幼 すう 用 中 すう 用 大 すう 用 プリレイ (3) 給 餌 管 理 ハイライン ソニアは 経 済 性 の 点 から 育 成 期 間 中 は 飼 料 の 給 与 量 を 制 限 して 発 育 を 抑 えるこ とがある 制 限 給 餌 は 表 11 に 示 す 飼 料 の 給 与 量 を 参 考 に そのときの 若 めす 体 重 に 基 づいて 給 与 量 を 調 整 する ただし ここに 示 した 給 与 量 は 一 つの 目 安 とした 基 準 量 であるので 必 ずひ なの 体 重 を 定 期 的 に 測 定 し この 結 果 と 表 8 に 示 す 若 めす 体 重 を 参 考 にして 飼 料 の 制 限 量 を 決 めるようにしなければならない もし 若 めす 体 重 が 表 8 に 示 す 目 標 体 重 より 軽 ければ 表 11 に 示 す 飼 料 給 与 量 を 増 やし 重 け ればさらに 2~3%ずつ 制 限 を 強 くして 若 めすの 目 標 体 重 に 戻 すようにすることが 大 切 である なお 制 限 給 餌 に 際 してもう 一 つ 重 要 なことは 前 述 のとおり 適 正 飼 育 密 度 を 保 ち 給 餌 給 水 スペースを 充 分 にとることである 密 飼 いになったり 給 餌 給 水 スペースが 不 足 するとひな に 不 揃 いが 生 じるので 注 意 しなければならない -17-
(4) 給 水 管 理 若 めすの 体 重 の 約 60%は 水 分 である 日 令 の 若 いひなでは 体 の 水 分 含 量 は 70% 以 上 にもなる し たがって ひなにとって 水 は 発 育 健 康 維 持 のた めに 必 要 不 可 欠 の 要 素 である 給 水 管 理 は 給 餌 管 理 ほど 重 要 視 されない 傾 向 があるが 給 水 スペ ースやひなの 飲 水 量 水 質 さらに 給 水 器 が 汚 れ ていないかなど 衛 生 面 にまでも 注 意 したいもので ある 鶏 の 飲 水 量 は 環 境 条 件 によって 大 きく 違 うが 平 均 的 には 通 常 の 気 温 の 場 合 には 飼 料 摂 取 量 の 約 2 倍 ないしそれよりやや 多 い 量 とされている 気 温 が 21 のとき 100 羽 1 日 当 りの 若 めすの 飲 水 量 のおよそ 目 安 を 参 考 までに 示 すと 表 12 のとお りである 冬 の 飲 水 量 はこれより 少 なく 夏 は 多 くなる 夏 期 には 水 温 が 高 くなりすぎると 飲 水 量 が 著 しく 低 下 するので 水 は 常 に 冷 たい 状 態 で 給 与 すべきである ( 表 12) 若 めすの 飲 水 週 令 100 羽 1 日 当 り 飲 水 量 1 0.8~1.1 リットル 2 1.1~1.9 3 1.7~2.7 4 2.5~3.8 5 3.4~4.7 6 4.5~5.7 7 5.7~6.8 8 6.1~8.0 9 6.4~9.5 10~15 6.8~10.2 16~20 7.2~15.2 21~25 9.9~18.2 25~ 15.2~20.8 ( 注 )ここに 示 した 数 値 は 気 温 21~27 の 時 の 予 想 される 飲 水 量 である ただし 気 温 が 32 以 上 になれば 2 倍 以 上 の 飲 水 量 に なる なお 一 般 的 なことであるが 特 にケージによる 育 すう 育 成 でカップ 型 またはニップル 型 の 給 水 器 を 使 用 する 場 合 には 給 水 器 の 故 障 などによる 飲 水 量 の 不 足 はひなにとって 致 命 的 とな ることが 多 い 給 水 器 の 水 が 切 れても ひなは 他 の 場 所 に 自 ら 移 動 して 水 を 飲 むことができな いため 絶 水 状 態 となるからである 樋 型 給 水 器 を 使 っていても 給 水 樋 が 水 平 でなく わずかで も 高 低 があると 部 分 的 に 水 の 少 ない 個 所 ができてひなの 飲 水 量 は 不 足 を 来 たすので 水 圧 が 下 がった 場 合 などには 注 意 しなければならない そのためには 水 量 計 を 鶏 舎 毎 に 設 置 し 毎 日 の 飲 水 量 をチェックすることにより 給 水 器 の 故 障 や 水 切 れは 早 期 に 発 見 でき その 上 若 めす の 健 康 管 理 にも 役 立 つことになる カップ 型 またはニップル 型 の 給 水 器 では 1 ケージ 当 りの 羽 数 が 少 ない 場 合 でも ひなが 必 ず 2 基 以 上 の 給 水 器 から 飲 水 できるように 設 置 されていなけ ればならない -18-
8. 若 めすの 成 鶏 舎 への 移 動 若 めすを 育 成 農 場 から 成 鶏 農 場 に 移 動 することは 若 めすにとっては 著 しい 環 境 の 変 化 であり 新 しい 環 境 に 慣 れるまでは 大 きなストレス 要 因 となる 移 動 作 業 そのものによるストレスや 環 境 変 化 によるストレスをできるだけ 軽 減 し 若 めすを 新 しい 環 境 に 早 く 慣 れさせるために 若 めすの 移 動 にあたっては 以 下 のような 点 に 注 意 しなければならない 1 2 3 4 5 6 7 8 9 若 めすの 成 鶏 舎 への 移 動 時 期 については ハイライン ソニアでは 遅 くとも 17 週 令 頃 ま でに 移 動 を 完 了 する 産 卵 開 始 後 に 移 動 することは 好 ましくない ウインドウレス 鶏 舎 の 場 合 には 成 鶏 舎 へ 収 容 した 時 点 で 光 源 の 明 るさを 5 ルクスから 10 ルクスにする 移 動 の 前 後 3 日 間 ビタミン ミネラル 複 合 製 剤 を 飲 水 投 与 する 移 動 の 6~12 時 間 前 から 給 餌 を 中 止 させておく 若 めすの 成 鶏 舎 収 容 後 も 直 ちに 給 餌 し ないで 若 めすが 落 ち 着 くまでは 給 水 のみとし しばらくしてから 給 餌 する 給 水 は 必 ず 不 断 給 水 とする 移 動 の 作 業 にあたっては 捕 鶏 等 の 若 めすの 取 扱 いには 細 心 の 注 意 をし 余 分 なストレ スを 与 えないようにする 若 めすを 成 鶏 舎 に 収 容 したら 鶏 を 新 しい 環 境 に 早 く 慣 れさせるためにも 管 理 者 はでき るだけ 回 数 多 く 鶏 舎 内 を 見 まわって その 都 度 餌 ならしや 給 水 器 の 点 検 をする 特 にニッ プル カップ 型 の 給 水 器 を 使 用 する 場 合 1 日 に 数 回 給 水 器 を 動 かし 飲 水 を 教 えることが 大 切 である 自 動 給 餌 機 を 使 用 している 場 合 には 移 動 後 5 日 間 くらいは 通 常 の 給 餌 プログラムに 加 えて 給 餌 機 の 運 転 作 動 回 数 を 2 倍 くらいに 増 やす 頻 繁 に 給 餌 機 を 運 転 することによりス トレスによる 飼 料 摂 取 量 の 低 下 を 防 ぎ 若 めすを 新 しい 環 境 に 早 く 慣 れさせることができる 移 動 の 際 には 発 育 が 遅 れて 体 躯 の 小 さい 鶏 はできるだけ 分 けて まとめて 成 鶏 舎 に 収 容 し それらには 栄 養 その 他 管 理 の 点 で 特 別 の 配 慮 をする 移 動 直 後 の 若 めすの 体 重 は 若 めす 輸 送 中 の 絶 食 やその 他 のストレスによって 一 時 的 に 体 重 の 減 少 や 増 体 の 停 滞 が 認 められるので 移 動 の 前 後 には 特 にその 点 を 考 慮 して 若 め すに 充 分 な 栄 養 が 摂 取 できるよう 管 理 上 の 配 慮 が 必 要 である -19-
9. 光 線 管 理 光 は 鶏 の 産 卵 機 能 に 大 きな 影 響 を 及 ぼす これは 主 として 光 の 照 明 時 間 の 増 減 が 産 卵 生 理 に 関 与 し 照 明 時 間 が 増 加 すれば 鶏 の 性 腺 刺 激 ホルモンの 分 泌 が 盛 んになり 産 卵 が 促 進 され 照 明 時 間 が 短 くなれば 産 卵 は 抑 制 されるからである したがって 光 線 管 理 は 鶏 の 生 産 性 をより 高 くする ために 必 要 な 極 めて 重 要 な 管 理 技 術 の 一 つである 若 めすの 性 成 熟 の 時 間 を 適 切 に 調 節 し より 多 い 産 卵 を 得 るように 育 成 期 間 から 産 卵 期 間 を 通 じて 光 線 管 理 の 原 則 を 守 り 後 述 の 光 線 管 理 プロ グラムを 参 考 にして 計 画 的 な 点 灯 管 理 を 確 実 に 実 施 することが 大 切 である (1) 光 線 管 理 の 原 則 採 卵 鶏 に 対 する 光 線 管 理 の 基 本 的 原 則 は 次 の 点 である 1 育 成 期 間 中 は 明 るい 時 間 を 決 して 増 やしてはならない 光 線 が 性 成 熟 の 時 間 に 大 きな 影 響 を 及 ぼす 決 定 的 な 時 期 は ふ 化 後 8 週 令 頃 から 18 週 令 頃 までといわれている この 間 は 明 るい 時 間 を 減 少 させるか または 一 定 になるようにする 2 産 卵 開 始 後 は 明 るい 時 間 を 決 して 減 らしてはならない 産 卵 期 間 中 の 明 るい 時 間 は 育 成 期 間 中 より 長 くなるように 点 灯 によって 増 加 する または 一 定 になるようにする 3 光 の 明 るさは 産 卵 期 間 には 育 成 期 間 より 明 るくすべきである 通 常 育 成 期 間 は 5 ル クス 程 度 産 卵 期 間 は 10 ルクス 以 上 の 明 るさが 必 要 である なお 前 述 のように 育 すう の 初 期 はひなを 周 囲 の 環 境 に 早 く 慣 れさせるために 通 常 の 育 成 期 間 の 照 度 より 明 るくして やることが 必 要 である 餌 付 け 日 から 7 日 令 頃 までは 30 ルクスとし 8 日 令 以 降 は 育 成 期 間 の 通 常 の 明 るさである 5 ルクスにするのがよい (2) 性 成 熟 時 期 のコントロール 光 が 産 卵 に 及 ぼす 影 響 についてまず 考 えなければならない 点 は 育 成 期 間 の 光 線 管 理 の 方 法 によって 性 成 熟 の 時 期 が 左 右 されるということである 初 産 日 令 が 早 くなるのは 育 成 期 間 に 明 るい 時 間 が 増 加 した 場 合 であり 逆 に 明 るい 時 間 が 減 少 すれば 初 産 日 令 は 遅 くなる 前 述 したように 個 々のひなの 発 育 や 性 成 熟 時 期 に 大 きなバ ラツキがあったり 育 成 期 間 の 光 線 管 理 のミスによって 性 成 熟 の 時 期 が 早 くなりすぎると 産 卵 初 期 の 卵 重 が 小 さくなったり 体 がまだ 産 卵 に 耐 えるだけの 充 分 な 体 重 に 達 しない 前 に 産 卵 を 開 始 するため 産 卵 ピーク 後 になって 一 時 的 な 産 卵 低 下 がみられたり 産 卵 の 持 続 性 が 悪 く なるなどの 弊 害 が 出 ることがある また 初 産 日 令 が 遅 くなると 産 卵 初 期 の 卵 重 は 若 干 大 き くなるが 期 間 の 総 産 卵 個 数 は 少 なくなってくる 性 成 熟 に 達 する 時 期 は 早 すぎてもまた 逆 にあまり 遅 すぎても 好 ましくないので ハイライ ン ソニアの 標 準 50% 産 卵 日 令 の 145 日 令 を 目 標 とし それに 合 うよう 性 成 熟 の 時 期 をコント ロールできれば 理 想 的 である 育 成 期 間 中 の 光 線 管 理 は そのための 重 要 な 管 理 の 一 つである 産 卵 初 期 の 卵 重 を 大 きくするために 光 線 管 理 により 50% 産 卵 を 遅 らす 場 合 8 週 令 頃 から 18 週 令 までの 光 線 管 理 は 漸 減 方 式 (ステップダウン)の 方 が 一 定 点 灯 より 効 果 がある したがって 育 成 期 間 の 光 線 管 理 は 原 則 に 基 づいて 次 のように 実 施 する 餌 付 け 初 めの 2 日 間 を 終 夜 点 灯 にする 方 法 もあるが 餌 付 け 当 日 より 7 日 令 (1 週 令 )まで 点 灯 時 間 をいったん 20~22 時 間 にし 2 週 令 目 に 5 ルクス 18~20 時 間 に 落 とし その 翌 週 から 8 週 目 の 終 わり 56-20-
日 令 から 18 週 令 の 間 までに 8~10 時 間 になるよう 点 灯 時 間 が 漸 減 するようにする または 点 灯 時 間 を 8~10 時 間 で 一 定 とする また オープン 鶏 舎 の 場 合 は 18 週 令 の 日 長 時 間 に 合 わせ て 点 灯 計 画 をすることになる オープン 鶏 舎 で 夏 場 の 餌 付 けの 鶏 群 は 自 然 日 長 が 減 少 する 時 期 に 育 成 されるので 日 長 時 間 に 従 って 育 成 することが 経 済 的 であろう しかしながら 性 成 熟 をあまり 遅 らせたくない 場 合 8 週 令 以 降 の 点 灯 時 間 を 一 定 に 保 つべきである (3) 産 卵 期 間 の 点 灯 開 始 時 期 育 成 期 間 の 点 灯 プログラムから 産 卵 期 間 の 点 灯 プログラムに 切 り 換 える 時 期 は 原 則 として 18 週 令 以 降 であり なおかつ 平 均 体 重 は 少 なくとも 18 週 令 時 の 目 標 体 重 (1,430g) 以 上 にな っていることを 確 認 し 実 施 すべきである 産 卵 に 必 要 な 栄 養 素 が 給 与 されていることはいうま でもない 目 標 体 重 に 達 したら 産 卵 期 の 点 灯 を 開 始 し 明 るい 時 間 を 少 なくとも 1 時 間 増 加 する それ 以 降 は 最 高 16 時 間 になるまで 毎 週 または 2 週 間 毎 に 15~30 分 ずつ 点 灯 時 間 を 漸 増 する 産 卵 を 刺 激 する 期 間 は 可 能 なら 産 卵 ピーク 後 まで 続 けることが 望 ましい 光 線 による 産 卵 刺 激 開 始 の 時 期 は 適 当 な 卵 重 にする 方 法 の 一 つとして 利 用 することができ る 通 常 早 期 の 光 線 刺 激 は 1 羽 当 たりの 産 卵 個 数 はやや 増 加 するが 少 し 卵 重 は 小 さくなる 逆 に 光 線 による 刺 激 を 19~20 週 令 まで 延 期 することにより 総 産 卵 数 はやや 少 なくなるが 平 均 卵 重 は 少 し 大 きくなる この 方 法 を 利 用 することによって 各 地 域 の 市 場 が 要 求 する 卵 重 に より 近 づけることが 可 能 になる (4) 点 灯 プログラム 適 正 な 光 線 管 理 を 実 施 するには あらかじめ 餌 付 けからオールアウトまでの 一 貫 した 点 灯 プ ログラムを 作 成 しておかなければならない なお 点 灯 プログラムを 作 成 するにあたり 各 地 区 における 年 間 の 日 の 出 入 時 刻 表 を 準 備 しなければならない ウインドウレス 鶏 舎 では 光 線 のコントロールは 容 易 で どの 鶏 群 に 対 しても 図 3 のように 同 じ 点 灯 プログラムでもよいが オープン 鶏 舎 で 飼 育 する 場 合 には 鶏 群 毎 に 育 成 期 間 中 の 自 然 日 照 時 間 の 周 期 変 動 を 考 え 併 せて ひなのふ 化 時 期 別 に 点 灯 プログラムを 作 る 必 要 がある オープン 鶏 舎 における 点 灯 プログラムの 例 を 示 すと 後 述 の 図 4~5 のとおりである なお ウ インドウレス 鶏 舎 でも 舎 外 からの 自 然 の 光 線 がかなり 入 り 舎 内 がほぼ 完 全 に 暗 黒 にならない 場 合 には オープン 鶏 舎 における 点 灯 プログラムに 順 じて 光 線 管 理 を 行 った 方 が 効 果 の 点 で 望 ましい その 場 合 には 育 成 期 間 の 自 然 日 照 が 漸 減 する 無 点 灯 の 期 間 は その 時 の 自 然 日 照 時 間 に 合 わせて 明 るい 時 間 が 漸 減 するように 点 灯 しなければならない オープン 鶏 舎 における 点 灯 プログラムを 鶏 群 毎 に 作 成 するのに 必 要 な 各 地 の 日 の 出 日 の 入 時 刻 を 参 考 までに 主 な 都 市 について 巻 末 の 付 表 1 に 示 した また ふ 化 餌 付 けの 月 日 別 の 鶏 群 週 令 早 見 表 も 併 せて 付 表 2 に 示 したので 参 考 されたい -21-
(5) 夜 間 給 餌 (ミッドナイト フィーディング) 夜 間 給 餌 は 食 下 量 の 増 加 を 目 的 として 育 成 成 鶏 期 間 を 通 してどのような 鶏 舎 形 態 でも 応 用 できる 以 下 のような 状 況 の 時 に 使 用 すると 効 果 的 である 1. ヒートストレスによる 食 下 量 低 下 時 ( 図 2)プログラム 例 2. 育 成 鶏 の 体 重 が 目 標 体 重 を 下 回 る 時 0:00 点 灯 3. ピーク 産 卵 前 に 飼 料 摂 取 量 が 少 なすぎる 時 1:00 4. 鶏 病 による 食 欲 衰 退 時 20:00 消 灯 消 灯 4:00 夜 間 給 餌 は 夜 中 に 点 灯 を 行 うが 以 下 の 点 に 注 意 し 実 施 す る 1. 夜 間 給 餌 の 時 間 は 最 大 1~1.5 時 間 点 灯 2. 夜 間 点 灯 開 始 時 摂 食 行 動 を 刺 激 するために 給 餌 を 行 う ただし 給 餌 機 を 稼 動 させることで 鶏 が 騒 ぎ 破 卵 等 の 格 外 卵 率 が 増 える 場 合 は 給 餌 機 を 稼 動 させ ない その 場 合 には 餌 樋 に 充 分 な 量 の 餌 がある 状 態 にする 3. 夜 間 給 餌 の 時 間 の 前 後 は 必 ず 3 時 間 以 上 の 暗 い 時 間 を 作 る 4. 急 激 な 飼 料 摂 取 量 の 低 下 を 防 ぐため 夜 間 給 餌 を 終 了 する 場 合 は 毎 週 15 分 ずつ 明 るい 時 間 を 短 くする( 夜 間 点 灯 時 間 が 1 時 間 の 場 合 最 短 4 週 間 で 中 止 することになる) 詳 細 については ハイデオインフォメーション No.58 夜 間 給 餌 (ミッドナイト フィーディング) について を 参 照 -22-
1 ウインドウレス 鶏 舎 における 点 灯 プログラム 例 (1) 餌 付 け 当 日 より 7 日 令 (1 週 令 )まで 点 灯 時 間 をいったん 20~22 時 間 にし 8 日 令 から 14 日 令 (2 週 令 )までは 18 時 間 その 後 3 週 目 の 初 め 15 日 令 から 8~ 10 週 令 ごろまでに 点 灯 時 間 が 8~10 時 間 になるまで 毎 週 1 時 間 程 度 漸 減 するよう に 点 灯 する 毎 週 体 重 測 定 を 行 い 必 要 であれば 漸 減 を 1 週 見 送 ったり もっと 速 いペースで 漸 減 するなど 状 況 に 合 わせた 管 理 を 行 なうのが 重 要 である (2) 18 週 令 時 に 目 標 体 重 に 達 していたら 点 灯 時 間 を 少 なくとも 1 時 間 増 加 させる (3) 19 週 令 ( 点 灯 刺 激 開 始 ) 以 降 体 重 食 下 量 卵 重 などを 見 ながら 毎 週 15~ 30 分 ずつ 点 灯 を 漸 増 する (4) 明 るい 時 間 が 16 時 間 に 達 したら その 後 は 16 時 間 で 一 定 に 保 つ 図 3 ウインドウレス 鶏 舎 での 点 灯 プログラム 例 24 23 22 21 A : 通 常 期 20 B : 栄 養 摂 取 量 が 少 ない 場 合 ( 夏 場 など) 19 C : 栄 養 摂 取 量 が 多 い 場 合 ( 冬 場 など) ( 明 る い 時 間 ) 18 17 16 15 B 14 13 A 12 11 10 C 9 8 0 5 10 15 20 25 30 35 ( 週 令 ) -23-
2 オープン 鶏 舎 における 点 灯 プログラム 例 (a)2 月 15 日 から 8 月 18 日 までにふ 化 した 鶏 群 (1) 餌 付 け 当 日 より 7 日 令 (1 週 令 )まで 点 灯 時 間 をいったん 20~22 時 間 にし その 後 6 月 21 日 までは 明 るい 時 間 が 漸 減 するように 点 灯 を 行 う 6 月 21 日 以 降 は 自 然 の 日 照 時 間 が 減 少 する 時 期 であるので この 日 以 降 18 週 令 まで 点 灯 は 行 わない また 6 月 21 日 以 降 にふ 化 した 鶏 群 では 餌 付 け 当 日 より 7 日 令 (1 週 令 )まで 点 灯 時 間 をいったん 20~22 時 間 にし 8 日 令 から 14 日 令 (2 週 令 )まで 18 時 間 とする 15 日 令 から 21 日 令 (3 週 令 )までは 17 時 間 とし 22 日 令 から 28 日 令 (4 週 令 )まで 16 時 間 とし 29 日 令 から 35 日 令 (5 週 令 )まで 15 時 間 とする その 後 6 週 令 の 初 め 36 日 令 から 18 週 令 までは 自 然 日 照 のままとし 点 灯 は 行 わない これらの 鶏 群 は 6 月 21 日 から 12 月 22 日 までの 間 に 18 週 令 に 達 する (2) 18 週 令 時 に 可 能 であれば 少 なくとも 1 時 間 は 点 灯 時 間 を 増 加 させる (3) 19 週 令 以 降 毎 週 15~30 分 ずつ 点 灯 時 間 を 漸 増 する (4) 明 るい 時 間 が 16 時 間 に 達 したら その 後 は 16 時 間 で 一 定 に 保 つ 図 4 オープン 鶏 舎 での 2 月 15 日 から 8 月 18 日 までにふ 化 した 鶏 群 の 点 灯 プログラム 例 24 餌 付 け 日 18 週 令 23 22 21 20 19 18 17 ( 16 明 15 14 る 13 い 12 11 時 10 刻 9 ) 8 7 6 5 4 3 2 1 0 1/1 1/15 1/29 2/12 2/26 3/12 3/26 4/9 4/23 5/7 5/21 6/4 6/18 7/2 7/16 7/30 8/13 8/27 9/10 9/24 10/8 10/22 11/5 11/19 12/3 12/17 12/31 1/14 1/28 2/11 2/25 3/11 3/25 4/8 4/22 5/6 5/20 6/3 6/17 7/1 7/15 ( 日 付 ) ( 例 ) 広 島 市 の4 月 23 日 餌 付 け 広 島 市 の 日 の 出 日 の 入 時 刻 盛 岡 市 の 日 の 出 日 の 入 時 刻 -24-
(b)8 月 19 日 から 2 月 14 日 までにふ 化 した 鶏 群 (1) この 時 期 にふ 化 した 鶏 群 では 餌 付 けから 全 期 間 を 通 して 点 灯 が 必 要 である まず 18 週 令 時 の 日 の 出 前 の 夜 明 けから 日 の 入 後 の 暮 れまでの 明 るい 時 間 を 調 べる これは 通 常 その 時 の 日 の 出 日 の 入 の 時 刻 に 朝 夕 各 30 分 ずつの 合 計 60 分 を 加 えた 時 間 とすればよい (2) 餌 付 け 当 日 より 7 日 令 (1 週 令 )まで 点 灯 時 間 をいったん 20~22 時 間 にし 以 降 18 週 令 時 の 明 るい 時 間 ( 日 の 出 から 日 の 入 までの 日 照 時 間 に 60 分 を 加 えた 時 間 )になるま で 点 灯 時 間 を 漸 減 するように 点 灯 プログラムを 設 定 し 点 灯 する これらの 鶏 群 は 12 月 23 日 から 6 月 20 日 までの 間 に 18 週 令 に 達 する (3) 18 週 令 時 に 可 能 であれば 少 なくとも 点 灯 時 間 を 1 時 間 増 加 させる (4) 19 週 令 以 降 毎 週 15~30 分 ずつ 点 灯 時 間 を 漸 増 する (5) 明 るい 時 間 が 16 時 間 に 達 したら その 後 は 16 時 間 で 一 定 に 保 つ 図 5 オープン 鶏 舎 での 8 月 19 日 から 2 月 14 日 までにふ 化 した 鶏 群 の 点 灯 プログラム 例 ( 24 23 22 21 20 19 18 17 16 明 15 14 る 13 い 12 11 時 10 刻 9 ) 8 7 6 5 4 3 2 1 0 餌 付 け 日 18 週 令 1/1 1/15 1/29 2/12 2/26 3/12 3/26 4/9 4/23 5/7 5/21 6/4 6/18 7/2 7/16 7/30 8/13 8/27 9/10 9/24 10/8 10/22 11/5 11/19 12/3 12/17 12/31 1/14 1/28 2/11 2/25 3/11 3/25 4/8 4/22 5/6 5/20 6/3 6/17 7/1 7/15 ( 日 付 ) ( 例 ) 広 島 市 の9 月 24 日 餌 付 け 広 島 市 の 日 の 出 日 の 入 時 刻 盛 岡 市 の 日 の 出 日 の 入 時 刻 -25-
(6) 光 線 管 理 における 注 意 点 1 光 線 管 理 は 前 述 したように 鶏 群 毎 に 点 灯 プログラムを 作 成 し タイマーによって 確 実 に 光 線 管 理 をすべきである しかし 成 鶏 舎 がオールイン オールアウト 方 式 でない 場 合 には 産 卵 期 間 はこれらのプログラムが 適 用 できないので 成 鶏 舎 では 始 めから 16 時 間 の 一 定 の 点 灯 をす ることになる その 場 合 には 補 充 する 若 めすを 成 鶏 舎 に 収 容 する 時 期 は 早 すぎても 好 まし くないので 20 週 令 頃 とするのがよい 2 点 灯 設 備 が 不 適 当 であると 適 正 なプログラムに 従 って 点 灯 しても 充 分 な 効 果 が 得 られない ことがある 点 灯 管 理 において 重 要 なことは 明 るい 時 間 の 長 さと 光 源 の 明 るさである 明 る さは 前 述 のように 光 源 から 最 も 遠 い 鶏 の 目 の 位 置 で 測 定 されるべきで 例 えば 産 卵 期 間 で はその 位 置 で 10 ルクス 以 上 の 明 るさが 必 要 である 二 段 または 三 段 ケージ 飼 育 の 場 合 には 最 下 段 でこの 明 るさがなければならない 光 源 の 明 るさは 照 度 計 で 測 定 するのがよいが おおよ その 照 度 は 次 の 式 で 計 算 するとよい 白 熱 電 球 のワット 数 0.9 照 度 (ルクス) = 2 電 球 から 鶏 までの 距 離 ( m) 例 えば 傘 つき 白 熱 電 灯 で 鶏 までの 距 離 が 1.8m とすれば 電 球 が 20 ワットであれば 約 5 ルク ス 40 ワットでは 約 10 ルクスとなる 3 電 灯 の 種 類 は 白 熱 電 灯 でも 蛍 光 灯 でも 効 果 は 変 わらないが 蛍 光 灯 の 場 合 冬 季 のように 気 温 が 低 くなると 明 るさが 減 少 するので 注 意 を 要 する 例 えば 気 温 が 0 前 後 になると 明 る さは 約 40% 減 少 するといわれている 電 灯 はきれいな 反 射 傘 を 取 り 付 ければ 傘 がない 場 合 よ り 約 50% 増 の 明 るさになる 近 年 は LED 電 球 の 開 発 が 進 められており 様 々な 実 験 研 究 が 行 なわれている 4 また 電 球 が 切 れていたり 汚 れていたのでは 好 ましくない 特 にケージ 飼 育 の 場 合 鶏 は 明 るい 場 所 に 移 動 できないので 切 れたら 直 ちに 取 り 替 え 汚 れたものは 掃 除 してやらなけれ ばならない タイマーが 正 しく 作 動 しているかどうか またタイマーの 時 間 のセットがプログ ラム 通 りかどうかについても 定 期 的 に 点 検 すべきである 5 人 工 光 による 点 灯 時 間 の 増 加 は 午 前 および 午 後 ( 朝 晩 ) 交 互 に 行 うのがよいが 夏 の 暑 い 時 期 には 夜 よりもむしろ 早 朝 の 涼 しい 時 により 多 く 点 灯 するようにすれば 暑 さによる 飼 料 摂 取 量 の 著 しい 減 少 をある 程 度 防 ぐことができる 特 に 夏 季 の 飼 料 摂 取 量 は 著 しく 低 下 す る 傾 向 にあるので この 点 には 注 意 すべきである 6 点 灯 を 行 うに 際 しては その 日 の 天 候 や 鶏 舎 の 位 置 によっても 異 なるが 朝 の 消 灯 時 刻 は 実 際 の 日 の 出 時 刻 より 約 30 分 遅 く また 夕 方 の 点 灯 時 刻 は 実 際 の 日 の 入 時 刻 より 約 30 分 早 めに する 必 要 がある 7 点 灯 プログラムは ひなの 餌 付 け 時 にあらかじめ 作 成 しておき 計 画 的 に 実 施 しなければな らない 育 すう 舎 から 育 成 舎 育 成 舎 から 成 鶏 舎 へのひなの 移 動 時 には 飼 育 する 施 設 は 異 な っても その 光 線 管 理 は 鶏 の 一 生 を 通 じて 一 貫 した 点 灯 プログラムで 継 続 されるべきである -26-
( 参 考 ) 育 すう 時 の 間 欠 点 灯 初 生 ひなは 孵 化 場 でひな 加 工 の 工 程 を 経 て 農 場 まで 輸 送 される そしてひなが 農 場 に 到 着 して 餌 付 けをした 後 一 般 的 な 管 理 では 最 初 の 2~3 日 間 は ひなが 十 分 に 飼 料 や 水 を 摂 取 できる 時 間 と 新 しい 環 境 に 慣 れる 時 間 を 確 保 するために 終 夜 点 灯 を 行 なったり 20~22 時 間 連 続 点 灯 して 2~4 時 間 の 消 灯 時 間 を 設 けるような 点 灯 管 理 が 行 なわれる しかし 餌 付 け 作 業 後 にひなを 観 察 してみると 寝 ているひながいたり 餌 や 水 を 探 しているひながいた り 走 り 回 っているひながいたりと 鶏 群 の 活 動 に 不 規 則 な 状 況 が 確 認 され 時 には 鶏 群 状 態 の 把 握 が 困 難 なこともある ここで 紹 介 する 育 すう 時 の 間 欠 点 灯 プログラムは 1 日 に 休 息 時 間 と 活 動 時 間 を 数 サイク ル 繰 り 返 すことでひなの 行 動 パターンを 揃 える そうすることによって 鶏 群 状 態 の 把 握 を しやすくなるだけでなく ひなのグループ 行 動 の 習 性 を 利 用 して 採 餌 行 動 や 飲 水 行 動 も 刺 激 することができる 間 欠 点 灯 プログラム: ( 図 6) ひな 餌 付 け 4 時 間 点 灯 2 時 間 消 灯 4 時 間 点 灯 2 時 間 消 灯 4 時 間 点 灯 2 時 間 消 灯 2 4 4 2 2 4 4 2 この 点 灯 プログラムを 餌 付 け 後 7~10 日 間 ぐらいまで 続 けたあと 通 常 の 漸 減 (ステップ ダウン) 点 灯 に 切 り 替 える この 点 灯 プログラムの 利 点 : 1 ひなは 同 じ 時 間 に 休 息 ( 睡 眠 )できるので ひなの 行 動 が 同 調 する 2 おとなしいひなが 活 発 なひなに 刺 激 されて 採 餌 行 動 や 飲 水 行 動 を 早 く 覚 え より 行 動 的 になる 3 ひなの 行 動 が 同 調 することにより 鶏 群 状 態 の 把 握 がしやすくなる 4 初 期 減 耗 が 減 少 する 消 灯 時 間 中 に 鶏 舎 内 に 入 らなければならない 用 事 がある 時 は 点 灯 しても 問 題 ないが 作 業 が 終 了 したら 元 の 間 欠 点 灯 プログラムに 戻 す -27-
10. 産 卵 鶏 の 栄 養 鶏 が 生 命 を 維 続 するために 餌 としてそれに 必 要 な 栄 養 分 を 摂 取 しなければならないことは 言 う までもない 必 要 な 栄 養 素 とは 蛋 白 質 脂 肪 炭 水 化 物 ビタミン ミネラルであり 鶏 の 体 内 に 摂 取 されたこれらの 栄 養 素 は 成 長 体 の 維 持 羽 毛 の 伸 長 そして 卵 の 生 産 に 利 用 される 鶏 の 体 内 に 取 り 入 れられる 実 際 の 栄 養 分 の 摂 取 量 は その 時 の 飼 料 摂 取 量 と 飼 料 中 の 養 分 含 量 に よって 決 定 され その 実 際 の 養 分 摂 取 量 が 鶏 の 産 卵 を 持 続 するのに 毎 日 必 要 とする 養 分 要 求 量 に 満 たなければ 鶏 は 正 常 に 体 を 維 持 成 長 させ 産 卵 を 持 続 することはできない したがって 常 に 養 分 要 求 量 を 満 たすだけの 栄 養 を 鶏 に 餌 として 給 与 してやることが 鶏 の 栄 養 を 考 える 上 での 基 本 である 毎 日 の 作 業 として 習 慣 的 に 給 餌 している 飼 料 の 内 容 と 量 で この 栄 養 の 必 要 量 が 個 々のど の 鶏 にとっても 適 当 であるか 不 足 していないか または 寒 い 時 期 には 過 剰 の 栄 養 を 摂 りすぎて いないかということを 考 えて 給 餌 管 理 をしなければならない (1) 養 分 要 求 量 1 蛋 白 質 または 主 なアミノ 酸 の 要 求 量 卵 の 約 12% 鶏 体 の 約 22%は 蛋 白 質 で 構 成 されており 蛋 白 質 は 鶏 にとって 重 要 な 栄 養 素 の 一 つである 鶏 の 体 内 に 摂 取 された 蛋 白 質 は 消 化 されていくつかのアミノ 酸 に 分 解 され さ らに 卵 や 肉 および 各 組 織 の 蛋 白 質 に 再 合 成 されて 利 用 される したがって 必 要 なだけの 良 質 の 蛋 白 質 またはアミノ 酸 を 餌 として 給 与 してやらなければならない 多 くのアミノ 酸 の 中 で 鶏 にとって 栄 養 上 必 要 不 可 欠 のアミノ 酸 が 11 種 類 ある これらのア ミノ 酸 を 必 須 アミノ 酸 といい 鶏 の 体 内 で 他 のアミノ 酸 から 作 りかえることのできないアミノ 酸 である 他 の 非 必 須 アミノ 酸 も 鶏 には 不 必 要 というわけではないが 飼 料 中 に 必 須 アミノ 酸 の 量 が 足 りていれば これらは 鶏 の 体 内 で 合 成 されるので 不 足 することはない 粗 蛋 白 質 および 主 な 必 須 アミノ 酸 の 最 低 要 求 量 は 表 13 に 示 すとおりである このうちの 粗 蛋 白 質 または アミノ 酸 の 要 求 量 を 個 々の 鶏 が 毎 日 実 際 に 体 内 に 摂 取 できるよう 給 餌 して やらなければならない なお ここに 示 していないその 他 の 必 須 アミノ 酸 については 通 常 の 原 料 (トウモロコシ 大 豆 粕 が 主 体 )を 使 った 成 鶏 用 飼 料 では 表 13 に 示 すアミノ 酸 の 量 が 充 分 に 摂 取 されるようであればほとんど 不 足 することはないので 一 般 の 給 餌 において 特 に 考 慮 しなくてもよい ここに 示 すアミノ 酸 の 要 求 量 が 満 たされる 場 合 には 粗 蛋 白 質 摂 取 量 はここ に 示 した 通 りであるが 粗 蛋 白 質 を 主 体 に 配 合 するアミノ 酸 の 要 求 量 を 満 たすためには 1 羽 当 り 産 卵 ピーク 期 19.3g 前 期 18.7g 中 期 17.6g 後 期 16.5g の 粗 蛋 白 質 を 摂 取 させなければな らない なお 特 に 夏 の 暑 い 時 期 にはアミノ 酸 をはじめとし エネルギーやカルシウムなどの 栄 養 の 摂 取 不 足 を 起 こしやすい 表 16 にも 示 すとおり その 時 の 飼 料 摂 取 量 をよく 把 握 して それに 見 合 った 充 分 な 栄 養 を 含 んだ 飼 料 を 給 与 し 夏 から 秋 にかけての 体 重 低 下 増 体 の 停 滞 や 卵 重 も しくは 産 卵 の 低 下 等 も 起 こさないよう 注 意 しなければならない -28-
( 表 13) 主 要 アミノ 酸 および 蛋 白 質 等 の 最 低 要 求 量 (1 羽 当 たり) 栄 養 素 産 卵 期 間 産 卵 ピーク 期 (1% 産 卵 ~32 週 令 ) 産 卵 前 期 産 卵 率 93~89% (32~45 週 令 ) 産 卵 中 期 産 卵 率 88~85% (45~55 週 令 ) 産 卵 後 期 産 卵 率 85% 以 下 (55 週 令 以 降 ) 代 謝 エネルギー(kcal/kg) 2,770~2,860 2,750~2,860 2,700~2,860 2,700~2,860 主 要 ア ミ ノ 酸 リ ジ ン mg/ 日 870 850 800 720 メ チ オ ニ ン mg/ 日 420 410 390 350 メチオニン+シスチンmg/ 日 695 680 650 580 ス レ オ ニ ン mg/ 日 580 570 540 480 トリプトファン mg/ 日 180 170 160 150 ア ル ギ ニ ン mg/ 日 910 900 840 760 イソロイシン mg/ 日 665 650 620 550 バ リ ン mg/ 日 760 750 700 630 粗 蛋 白 質 g/ 日 17.5 17.0 16.0 15.0 リ ノ ー ル 酸 g/ 日 1.00 1.00 1.00 1.00 コ リ ン mg/ 日 100 100 100 100 ( 注 ) 1. ここに 示 した 量 は 1 日 1 羽 当 りの 摂 取 必 要 量 であって その 時 の 飼 料 摂 取 量 によって 飼 料 中 に 配 合 されるべき(%)は 異 なる 2. 同 名 の 飼 料 原 料 であっても 代 謝 エネルギーの 値 に 違 いがあるので 使 用 原 料 により 注 意 すること また 飼 料 標 準 性 能 表 によっても 値 に 違 いがあるため 注 意 が 必 要 (P.48 を 参 照 ) 3. ( )アミノ 酸 添 加 飼 料 の 場 合 の 粗 蛋 白 質 である 粗 蛋 白 質 を 主 体 に 配 合 する 場 合 アミノ 酸 の 要 求 量 を 満 たすためには 粗 蛋 白 質 を 1 日 1 羽 当 り 10% 程 度 増 加 させる 必 要 がある 4. 産 卵 期 間 は 一 つの 目 安 として 週 令 で 分 けたが その 時 の 産 卵 量 によって 前 期 と 中 期 中 期 と 後 期 の 区 切 りを 若 干 ずら す 必 要 がある 2 ビタミンおよびミネラル 要 求 量 主 要 なミネラルであるカルシウム リンおよびナトリウムの 最 低 要 求 量 は 表 14 のとおりであ る これは 蛋 白 質 またはアミノ 酸 の 場 合 と 同 様 に 1 日 1 羽 当 りの 摂 取 必 要 量 であるので 鶏 が 毎 日 これだけの 量 を 摂 取 できるようにしてやらなければならない その 他 の 微 量 ミネラルお よびビタミンについては 表 15 に 示 すとおりであり これらは 飼 料 中 への 添 加 量 である ( 表 14)ミネラル 要 求 量 (1 羽 当 たり) 栄 養 素 産 卵 期 間 産 卵 ピーク 期 (1% 産 卵 ~32 週 令 ) 産 卵 前 期 産 卵 率 93~89% (32~45 週 令 ) 産 卵 中 期 産 卵 率 88~85% (45~55 週 令 ) 産 卵 後 期 産 卵 率 85% 以 下 (55 週 令 以 降 ) カ ル シ ウ ム g/ 日 3.85 3.95 4.10 4.25 有 効 リ ン mg/ 日 460 450 420 385 ナ ト リ ウ ム g/ 日 0.18 0.18 0.18 0.18 塩 素 g/ 日 0.18 0.18 0.18 0.18 ( 注 ) カルシウムは サイズ 2~4mm の 炭 酸 カルシウム( 石 灰 石 )を 約 65% 配 合 する -29-
( 表 15)ビタミンおよび 微 量 ミネラルの 飼 料 添 加 量 ( 飼 料 摂 取 量 が 1 羽 あたり 100g 時 の 添 加 量 ) 栄 養 素 産 卵 全 期 間 (19 週 以 降 ) 栄 養 素 産 卵 全 期 間 (19 週 以 降 ) (ビタミン) ( 微 量 ミネラル) ビ タ ミ ン A 8,800,000 IU/トン マ ン ガ ン 88 g/トン ビ タ ミ ン D 3 3,300,000 IU/トン 亜 鉛 88 g/トン ビ タ ミ ン E 16,500 IU/トン 鉄 55 g/トン ビ タ ミ ン K 3 2.2 g/トン 銅 5.5 g/トン チ ア ミ ン (B1) 1.7 g/トン ヨ ウ 素 1.7 g/トン リ ボ フ ラ ビ ン ( B 2 ) 5.5 g/トン セ レ ン 0.30 g/トン ナ イ ア シ ン 28 g/トン パ ン ト テ ン 酸 6.6 g/トン ピ リ ド キ シ ン ( B 6 ) 3.3 g/トン ビ オ チ ン 55 mg/トン 葉 酸 0.6 g/トン ビ タ ミ ン B 1 2 22.1mg/トン コ リ ン 110 g/トン ( 注 )これらの 数 値 は 1 日 1 羽 当 り 飼 料 摂 取 量 が 100g の 時 の 飼 料 原 料 中 に 含 まれる 量 以 外 にビタミ ン ミネラル プレミックスとして 飼 料 に 添 加 す べき 通 常 の 必 要 量 である したがって 鶏 の 採 食 量 が 例 えば 1 日 1 羽 当 り 90g になった 場 合 には ここに 示 す 量 の 10% 増 とし 110g の 場 合 には 10% 減 とする ただし 鶏 になんらかのストレス が 加 わった 場 合 にはこれより 多 く 必 要 である なお ビオチンについては トウモロコシを 主 体 とした 配 合 飼 料 の 場 合 は プレミックスに 添 加 する 必 要 はない -30-
(2) 飼 料 中 に 配 合 されるべき 栄 養 素 の 量 鶏 が 前 述 の 養 分 要 求 量 を 満 たすだけの 栄 養 を 摂 取 しているかどうかは その 時 の 飼 料 摂 取 量 によ って 決 まる 産 卵 前 期 は 粗 蛋 白 質 要 求 量 1 日 1 羽 当 り 17.0g を 必 要 とするが 例 えば 粗 蛋 白 質 含 量 16%の 餌 では 1 日 1 羽 当 り 17.0g の 粗 蛋 白 摂 取 量 を 保 つためには 1 日 1 羽 当 り 約 106g の 飼 料 を 鶏 が 採 食 しなければならない 1 日 1 羽 当 り 95g しか 採 食 しないとすれば 粗 蛋 白 摂 取 量 は 15.2g に しかならず 1.8g の 粗 蛋 白 摂 取 不 足 を 来 たすことになる この 場 合 には 採 食 量 が 増 えない 限 り 飼 料 中 の 粗 蛋 白 含 量 を 17.9%にしてやらなければならないことになる また 産 卵 中 期 ないし 後 期 では 飼 料 摂 取 量 は 比 較 的 多 く 粗 蛋 白 質 要 求 量 は 16.0~15.0g でよいので 粗 蛋 白 含 量 18%のよ うな 高 蛋 白 飼 料 では 過 食 となり 経 済 性 その 他 の 点 で 不 利 となる すなわち 飼 料 中 に 配 合 される 養 分 要 求 量 べき 栄 養 素 についても 飼 料 中 の 養 分 含 量 (%)は 100 飼 料 摂 取 量 によって 算 出 する 主 な 栄 養 素 について 飼 料 摂 取 量 毎 に 飼 料 中 に 配 合 されるべき 養 分 含 量 の 例 を 示 すと 次 の 表 16 のとおり である ( 表 16) 主 な 栄 養 の 飼 料 摂 取 量 別 の 配 合 割 合 1 日 1 羽 当 り 飼 料 摂 取 量 リ ジ ン メ チ オ ニ ン メ チ オ ニ ン ス レ オ ニ ン トリフ トファン 粗 蛋 白 質 カ ル シ ウ ム 有 効 リン ナ ト リ ウ ム + シ ス チ ン % % % % % % % % % ( 産 卵 ピーク 期 ) 85 g 1.02 0.49 0.82 0.68 0.21 20.6 4.53 0.54 0.21 90 0.97 0.47 0.77 0.64 0.20 19.4 4.28 0.51 0.20 95 0.92 0.44 0.73 0.61 0.19 18.4 4.05 0.48 0.19 100 0.87 0.42 0.70 0.58 0.18 17.5 3.85 0.46 0.18 105 0.83 0.40 0.66 0.55 0.17 16.7 3.67 0.44 0.17 110 0.79 0.38 0.63 0.53 0.16 15.9 3.50 0.42 0.16 115 0.76 0.37 0.60 0.50 0.16 15.2 3.35 0.40 0.16 120 0.73 0.35 0.58 0.48 0.15 14.6 3.21 0.38 0.15 ( 産 卵 前 期 ) 90 g 0.94 0.46 0.76 0.63 0.19 18.9 4.39 0.51 0.20 95 0.89 0.43 0.72 0.60 0.18 17.9 4.16 0.48 0.19 100 0.85 0.41 0.68 0.57 0.17 17.0 3.95 0.46 0.18 105 0.81 0.39 0.65 0.54 0.16 16.2 3.76 0.44 0.17 110 0.77 0.37 0.62 0.52 0.15 15.5 3.59 0.42 0.16 115 0.74 0.36 0.59 0.50 0.15 14.8 3.43 0.40 0.16 120 0.71 0.34 0.57 0.48 0.14 14.2 3.29 0.38 0.15 ( 産 卵 中 期 ) 90 g 0.89 0.43 0.72 0.60 0.18 17.8 4.56 0.47 0.20 95 0.84 0.41 0.68 0.57 0.17 16.8 4.32 0.44 0.19 100 0.80 0.39 0.65 0.54 0.16 16.0 4.10 0.42 0.18 105 0.76 0.37 0.62 0.51 0.15 15.2 3.90 0.40 0.17 110 0.73 0.35 0.59 0.49 0.15 14.5 3.73 0.38 0.16 115 0.70 0.34 0.57 0.47 0.14 13.9 3.57 0.37 0.16 120 0.67 0.33 0.54 0.45 0.13 13.3 3.42 0.35 0.15 ( 産 卵 後 期 ) 90 g 0.80 0.39 0.64 0.53 0.17 16.7 4.72 0.43 0.20 95 0.76 0.37 0.61 0.51 0.16 15.8 4.47 0.41 0.19 100 0.72 0.35 0.58 0.48 0.15 15.0 4.25 0.39 0.18 105 0.69 0.33 0.55 0.46 0.14 14.3 4.05 0.37 0.17 110 0.65 0.32 0.53 0.44 0.14 13.6 3.86 0.35 0.16 115 0.63 0.30 0.50 0.42 0.13 13.0 3.70 0.33 0.16 120 0.60 0.29 0.48 0.40 0.13 12.5 3.54 0.32 0.15-31-
(3)エネルギー 要 求 量 と 飼 料 摂 取 量 鶏 のエネルギー 源 としては 脂 肪 炭 水 化 物 および 一 部 の 蛋 白 質 であり これらが 体 内 で 分 解 されてエネルギーとして 体 の 維 持 産 卵 増 体 のために 利 用 される エネルギーの 要 求 量 は 産 卵 量 や 鶏 の 体 重 だけでなく 気 温 によっても 左 右 されかなり 変 化 する 産 卵 鶏 は 主 として 鶏 が 必 要 とするエネルギー 要 求 量 を 満 たすために 採 食 すると 言 われてお り 鶏 の 飼 料 摂 取 量 は 飼 料 中 のエネルギー 含 量 に 左 右 される エネルギー 含 量 が 増 加 すれば 採 食 量 は 減 少 し 逆 にエネルギー 含 量 が 減 れば 飼 料 摂 取 量 は 増 加 するが 時 期 によって 特 に 冬 の 寒 い 時 期 や 夏 の 暑 い 時 期 では 必 ずしも 必 要 とするエネルギーの 要 求 量 に 見 合 った 分 だけ 飼 料 を 摂 取 するとは 限 らず 冬 はエネルギー 要 求 量 以 上 に 過 食 となり 夏 はエネルギー 摂 取 量 の 不 足 を 来 たす 時 期 があるともいわれている したがって それが 一 つの 目 安 にはなるものの 飼 料 摂 取 量 は 必 ずしもその 時 の 鶏 のエネル ギー 要 求 量 と 飼 料 中 の 代 謝 エネルギー 含 量 とで 決 定 されるとは 限 らない 産 卵 期 間 中 は 常 に 定 期 的 に 飼 料 摂 取 量 を 測 定 し できる 限 り 正 確 に 鶏 群 毎 の 実 際 の 飼 料 摂 取 量 を 把 握 することが 必 要 である その 結 果 から 前 述 の 養 分 要 求 量 が 満 たされているかどうかを 判 断 すべきである (4) 成 鶏 飼 料 への 切 リ 換 え 時 期 プリレイ 飼 料 から 成 鶏 用 飼 料 への 切 り 換 え 時 期 は 原 則 として 産 卵 開 始 と 同 時 に 切 り 換 える ようにする これは 通 常 18~19 週 令 頃 である その 後 は 成 鶏 用 飼 料 を 不 断 給 餌 する いうまで もないが 給 与 する 飼 料 は 品 質 的 に 欠 陥 がなく 産 卵 に 必 要 な 栄 養 分 がバランスよく 配 合 さ れた 成 鶏 用 飼 料 で 飼 料 の 貯 蔵 中 にカビが 発 生 したり 鼠 に 汚 染 されたりしていないものでな ければならない (5) 給 水 管 理 鶏 卵 の 約 65% 鶏 体 の 約 60%は 水 分 である 鶏 の 飲 水 量 が 不 足 すれば 産 卵 は 低 下 するだけ でなく 健 康 ないし 生 命 の 維 持 にも 影 響 してくるほど 水 も 栄 養 分 の 一 つとして 重 要 な 要 素 で ある 水 は 一 般 に 手 軽 に 入 手 でき 安 値 であり 鶏 群 の 飲 水 量 などの 記 録 管 理 はしばしば 養 鶏 家 にとって 有 益 な 情 報 となる 鶏 は 潜 在 能 力 を 充 分 発 揮 するために 新 鮮 で 清 潔 な 水 を 要 求 して いる 給 水 器 は 常 に 清 潔 でなければならないし 充 分 な 給 水 スペースも 与 えなければならない 流 水 式 給 水 ラインの 場 合 鶏 群 に 問 題 となるカビの 防 止 のために 給 水 樋 を 1 日 に 数 回 の 断 水 乾 燥 することが 勧 められる 給 水 樋 の 水 の 深 さは 鶏 が 飲 みやすい 深 さでなければならないが 水 のこぼれの 原 因 とならない 程 度 つまり 1.5cm の 深 さが 適 当 である ニップル 型 の 給 水 器 の 場 合 全 ての 鶏 が 快 適 に 飲 むことができる 高 さにすること ニップルの 目 詰 まりが 起 きないよ う 注 意 を 払 うことが 重 要 である 更 に ニップル 型 の 給 水 器 は 夏 季 になると 飲 水 温 がすぐ に 鶏 舎 内 温 度 と 同 じ 温 度 になり 食 下 量 の 低 下 要 因 の 一 つになるので 頻 繁 に 水 を 動 かし 常 に 清 潔 で 冷 たい 水 を 給 与 するよう 心 がける 飲 水 量 は 温 度 と 飼 料 摂 取 量 により 変 化 する 通 常 適 温 (20~25 )で 飼 料 摂 取 量 に 対 し 飲 水 量 は 約 2 倍 といわれている -32-