NPPV 装 着 中 の 看 護 ケア 和 歌 山 県 立 医 科 大 学 附 属 病 院 集 中 ケア 認 定 看 護 師 泉 仁 美 2013. 和 歌 山 呼 吸 ケアセミナー
はじめに NPPVの 施 行 には 医 療 スタッフのサポートが 必 須 であり 治 療 の 成 功 にはスタッフの 経 験 が 重 要 なポイントとなる 今 回 NPPV 装 着 患 者 を 担 当 した 看 護 師 が 看 護 をおこなううえで 困 難 であった 状 況 につ いて 2012 年 度 の 呼 吸 ケアチーム(RST)で 関 わった 症 例 のデータをもとに 調 査 したので 報 告 する
当 院 の 紹 介 特 定 機 能 病 院 地 域 の 中 核 病 院 病 床 数 800 床 診 療 科 22 科 病 棟 数 16 棟 平 均 在 院 日 数 15 日 一 般 病 棟 での 人 工 呼 吸 器 使 用 患 者 数 1 日 1~10 台
RSTラウンド 患 者 のべ 人 数 NPPV 患 者 IPPV 患 者 25 21 22 24 21 17 16 17 7 14 8 9 2 1 0 1 3 2 0 2 1 2 1 2 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 2012 年 度
当 院 のNPPV 使 用 状 況 循 環 器 内 科 7% 心 臓 血 管 外 科 21% 科 別 の 割 合 神 経 内 科 22% 小 児 科 7% 呼 吸 器 内 科 29% 血 液 内 科 14% 挿 管 拒 否 患 者 の 呼 吸 不 全 23% 術 後 呼 吸 不 全 8% その 他 8% 神 経 筋 疾 患 の 呼 吸 不 全 23% NPPV 装 着 の 目 的 COPDの 急 性 増 悪 23% 急 性 心 原 性 肺 水 腫 7% 免 疫 不 全 に 合 併 す る 呼 吸 不 全 8% 2012 年 度
NPPV 装 着 時 の 看 護 で 困 難 であったこと 内 容 件 数 RST 介 入 SpO2 低 下 によるケアの 困 難 さ 8 件 2 件 皮 膚 障 害 の 予 防 ケア 7 件 3 件 患 者 の 受 け 入 れ 困 難 5 件 1 件 マスクからのリークが 補 正 できない 4 件 2 件 口 渇 の 訴 え 2 件 1 件 不 眠 の 訴 え 2 件 0 件 加 温 加 湿 器 ダイアルの 調 整 2 件 2 件 誤 嚥 のリスク 1 件 1 件 家 族 の 受 け 入 れ 困 難 1 件 0 件
困 難 であった 状 況 と 対 処
SpO2 低 下 によるケアの 困 難 さ 口 腔 ケアの 際 にSpO2が 低 下 するため 口 腔 内 を 清 潔 に 保 持 することが 難 しい(6) 短 時 間 で 行 える 方 法 の 検 討 動 くと 肩 呼 吸 や 頻 呼 吸 が 出 現 し 体 を 十 分 動 かすことができない(2) 動 ける 範 囲 を 把 握 し 呼 吸 困 難 とならない よう 介 助
皮 膚 障 害 の 予 防 ケア 予 防 的 に 皮 膚 保 護 材 を 貼 付 した(5) 保 護 材 の 種 類 貼 付 部 位 の 選 択 鼻 根 部 に 皮 膚 障 害 が 生 じた(2) 皮 膚 障 害 の 原 因 をアセスメント 悪 化 しない ためのケア
患 者 の 受 け 入 れ 困 難 もう 無 理 これ 外 して こんなん つけてら れるか 自 分 でマスクを 外 そうとする(3) 受 容 的 態 度 薬 剤 考 慮 圧 が 強 い タイミングが 合 わない と 具 体 的 な 訴 え(2) マスクフィッティング 調 整 呼 吸 器 設 定 変 更
マスクからのリークが 補 正 できない 安 静 時 の 状 態 でもリーク(40L/ 分 以 上 )が 生 じ てしまう(2) 会 話 やあくび 側 臥 位 となった 際 にリークが 増 加 する(2) マスクサイズの 変 更 隙 間 をうめる 工 夫 ぴったりのマスクはなかなかみつからない!
口 渇 不 眠 の 訴 え 口 渇 の 訴 えがたびたびある(2) 湿 潤 環 境 をつくる 工 夫 夜 間 眠 れない と 訴 える(2) 薬 剤 考 慮
加 温 加 湿 ダイアルの 調 整 加 湿 器 ダイアル5でマスク 内 に 水 滴 が 貯 留 し ている(1) マスク 内 にくもりが 確 認 できず 痰 も 粘 稠 (1)
誤 嚥 のリスク 食 事 時 もNPPVマスクを 装 着 しないと 不 安 で 休 憩 をとることなく 摂 取 するたびにNPPVマス クを 装 着 (1) 食 事 摂 取 時 は 他 の 酸 素 吸 入 療 法 にきりか える
家 族 の 受 け 入 れ 困 難 この 器 械 は 一 度 つけたら 外 せないんです か? こんなにしんどい 思 いをすることを 望 んでいなかったと 思 います (1) 再 度 説 明 しご 理 解 いただく
まとめ NPPV 装 着 中 の 看 護 ケアで 困 難 な 状 況 は SpO2 低 下 によるケアの 困 難 さ 皮 膚 障 害 の 予 防 ケア 患 者 の 受 け 入 れ 困 難 の 順 に 多 かった 困 難 な 状 況 に 対 し 各 病 棟 で 工 夫 しながら 看 護 ケアをおこなっていた 病 棟 だけでは 解 決 困 難 であったことが RST 介 入 により 解 決 できた 症 例 もあった
当 院 におけるNPPV 管 理 業 務 の 現 状 ~ 臨 床 工 学 技 士 の 立 場 から~ 公 立 那 賀 病 院 MEセンター 土 生 川 仁 美
施 設 概 要 基 本 理 念 地 域 住 民 から 親 しまれ 信 頼 される 病 院 病 床 数 約 300 床 診 療 科 内 科 循 環 器 科 呼 吸 器 内 科 外 科 小 児 科 整 形 外 科 産 婦 人 科 眼 科 耳 鼻 咽 喉 科 皮 膚 科 放 射 線 科 乳 腺 呼 吸 器 外 科 脳 神 経 外 科 リハビリテーション 科 泌 尿 器 科 麻 酔 科 リウマチ 科 検 診 科 神 経 内 科 精 神 科 病 理 診 断 室 腎 臓 内 科 (22 科 )
臨 床 工 学 技 士 4 名 当 院 の 臨 床 工 学 技 士 業 務 内 容 人 工 呼 吸 器 管 理 心 臓 カテーテル 検 査 手 術 室 支 援 業 務 血 液 浄 化 業 務 中 央 滅 菌 業 務 医 療 機 器 管 理 内 科 外 科 領 域 におけるラジオ 波 の 操 作 使 用 状 況 や 環 境 にあわせ た 人 工 呼 吸 器 の 安 全 管 理 をより 専 門 的 に 行 う 導 入 からウィーニングまで 立 ち 会 うこともある 等
現 状 保 有 台 数 BIPAP VISION 1 台 保 有 (1 台 使 用 後 メーカー よりレンタルを 行 い 器 在 庫 には 常 に 一 台 準 備 している ) 保 有 場 所 病 棟 の 器 材 室 ( 呼 吸 器 内 科 外 科 の 器 材 室 )
NPPV 使 用 患 者 発 生 貸 し 出 しの 流 れ( 中 央 管 理 ) 定 位 置 にとりに 行 く 臨 床 工 学 技 士 に 連 絡 NPPVのセッティング 導 入 使 用 中 る 臨 床 ラ 工 ウ 学 ン ド 技 開 士 始 に よ 医 療 機 器 中 央 管 理 使 用 終 了 使 用 後 点 検 を 行 う ( 臨 床 工 学 技 士 による 定 期 点 検 メーカーによる 保 守 契 約 ) 返 却
NPPV 管 理 NPPVの 保 守 点 検 日 常 点 検 ( 使 用 中 点 検 使 用 後 点 検 ) 比 較 的 簡 易 な 点 検 方 法 である 始 業 前 点 検 日 常 点 検 使 用 中 点 検 使 用 後 点 検 定 期 点 検 ( 臨 床 工 学 技 士 1 回 /1ヶ 月 メーカー 1 回 /1 年 ) 日 常 点 検 とは 異 なり 詳 細 な 点 検 や 消 耗 物 品 の 交 換 など 機 器 の 性 能 を 点 検 する
使 用 中 点 検 ラウンド 回 数 : 1 回 /1 日 内 容 : 動 作 確 認 設 定 確 認 回 路 の 汚 れや 固 定 確 認 マスクフィッティングの 確 認 患 者 の 呼 吸 との 同 調 確 認 回 路 交 換 マスク 交 換 : 1 回 /2 週 間 ( 汚 れなどがある 場 合 は 適 宜 交 換 する ) トラブル 対 応 日 勤 帯 呼 吸 器 担 当 臨 床 工 学 技 士 夜 勤 帯 その 他 呼 び 出 し 対 応 電 話 対 応
医 師 初 期 設 定 設 定 変 更 時 に チェックリストに 記 入 看 護 師 各 勤 務 一 回 以 上 チェックリストに 記 入 臨 床 工 学 技 士 技 士 のチェックリストに 記 入 臨 床 工 学 技 士 によるラウンド 風 景 臨 床 工 学 技 士 のNPPVチェックリスト
使 用 後 点 検 呼 吸 器 本 体 のチェック メーカーの 定 期 点 検 時 期 確 認 臨 床 工 学 技 士 による チェックリスト に 基 づく 使 用 後 点 検 回 路 ディスポ 回 路 を 使 用 マスク リユースタイプゲルマスク 蘇 生 バッグセット 蘇 生 バッグセットを 準 備 する 機 器 本 体 を 清 掃 し マスクは 洗 浄 し 滅 菌 に 提 出 する 以 上 の 事 が 完 了 すれば 埃 が 被 らない 様 にし 定 位 置 に 保 管 しておく
BIPAP Vision 一 台 のため 使 用 後 は メーカーからのレンタルを 行 う そのため 夜 間 帯 や 臨 床 工 学 技 士 が 不 在 の 時 の 手 順 を 書 いたポスター をかけておく 呼 吸 器 の 付 属 物 品 1
呼 吸 器 の 付 属 物 品 2 簡 易 取 り 扱 い 説 明 書 と 当 院 独 自 の 注 意 事 項 を 記 載 し 使 用 するスタッフの 目 に 付 きや すい 場 所 に 掛 けておく ( 過 去 に こんなことが ) 週 末 医 師 と 看 護 師 で 導 入 し 週 明 け 臨 床 工 学 技 士 がラウンドに 行 くまでの 間 加 温 加 湿 器 のスイッチが 入 っていなかった
呼 吸 器 の 付 属 物 品 3 蘇 生 バッグセットを 一 台 の 呼 吸 器 (NPPVも 含 む) に 対 し1セット 準 備 内 容 バックバルブマスク マスク 酸 素 チューブ リザーバーバッグ カフ 圧 計 ( 人 工 呼 吸 器 のみ)
リークの 種 類 1 意 図 したリーク(INTENTIONAL LEAK) その 構 造 と 動 作 原 理 から,リークがなければ 作 動 しないどころか, 患 者 さんは 窒 息 状 態 となります すなわち, 意 図 的 リークはNPPV 専 用 機 が 安 全 に 作 動 するため 必 要 なリークです 意 図 的 リークが 有 効 なのはBIPAP VISIONなどのNPPV 専 用 機 を 使 用 する 場 合 のみ このリークは 見 つけても 塞 いではいけません 2 意 図 しないリーク(UNINTENTIONAL LEAK) 本 来 あってはならないリークのこと 例 えば, 顔 面 とインターフェイスの 間 から 漏 れるリークがそうです しかし 絶 対 に 回 路 の 外 れのリークなどは あってはならないリークです
マスクの 選 択 マスクフィッティング フィットするマスクを 選 択 意 図 するリーク( 許 容 できるリーク) 量 20~40l/ 分 リーク 量 が 極 端 に 少 ない? リーク 量 が 多 すぎる? 固 定 ベルトの 締 めすぎ マスクが 大 きすぎる 固 定 ベルトがゆるすぎ マスクの 上 部 からの 多 量 のリークは 角 膜 の 乾 燥 や 炎 症 を 引 き 起 こし 開 眼 を 困 難 にさせる 恐 れがあるため 注 意 が 必 要 マスクの 上 部 は 鼻 根 部 下 部 は 下 唇 を 覆 う 程 度 にする マスクの 種 類 やサイズをそろえておく
当 院 に 置 いてあるマスクの 種 類 リユースマスク/ヘッドギア 鼻 マスク/ヘッドギア トータルマスク/ヘッドギア スタンダードエルボー/Caps trap フィリップス 社 のコンフォートジェルブルーのフルフェイスマスク(サイズS,M,L) ディスポ リユースタイプ ( 現 在 ディスポ 製 品 リユース 製 品 へと 移 行 中 ) 普 通 のヘッドギアでの 固 定 では 固 定 しきれない 場 合 は CapStrapへ 変 更 する
ディスポマスクとリユースマスクの 違 い ディスポマスク リユースマスク
病 棟 の 部 屋 の 特 徴 病 棟 の 個 室 の 空 調 ( 以 前 ) 病 棟 の 空 調 の 送 風 部 分 が 直 接 患 者 の 顔 にあたる ( 問 題 点 ) 加 温 された 酸 素 が 冷 却 され 回 路 内 に 水 滴 がたまり 患 者 の 口 元 まで 十 分 加 湿 された 酸 素 が 流 れていない ( 対 策 ) 回 路 をガーゼ 等 で 覆 い 回 路 内 が 冷 却 される 事 を 防 いでいた ( 現 在 ) 空 調 の 送 風 部 分 は 患 者 の 顔 に 直 接 あたらないような 形 に 変 更 した
実 際 に 起 こったトラブル1 ( 事 例 ) 患 者 がマスクを 頻 回 にさわり 破 った マスクを 交 換 し 様 子 観 察 していたが 再 び 破 った ( 対 応 ) 医 師 と 相 談 し 家 族 の 同 意 を 得 たうえで 抑 制 を 行 い BIPAPを 使 用 した
実 際 に 起 こったトラブル2 ( 事 例 ) ディスポ 回 路 にディスポマスクをセッティングしていた 使 用 する 予 定 で 看 護 師 がスタンバイした マスクサイズを 変 更 したくて 交 換 したかったが 病 棟 にはリユースマスクしか 置 いていなかった 接 続 部 分 の 一 部 をハサミで 切 断 し 無 理 やり 接 続 した ( 対 応 ) 院 内 のNPPVマスクを 全 部 回 収 し 整 理 をおこなった 院 内 のディスポマスクをリユースマスクに 変 更 をした
ディスポマスクとリユースマスクの 接 続 部 分 ディスポマスク リユースマスク
第 六 回 和 歌 山 呼 吸 ケアセミナー 開 催 にあたり ご 尽 力 された 辻 本 先 生 はじめ 諸 先 生 方 座 長 の 加 藤 先 生 には この 度 は このようなすばらしい 会 での 発 表 という 貴 重 な 経 験 をさせて 頂 く 機 会 を 与 えて 下 さいまして 心 から 感 謝 いたします
ご 清 聴 ありがとうございました
第 6 回 和 歌 山 呼 吸 ケアセミナー チームで 取 り 組 むNPPV 理 学 療 法 士 としての 関 わり 方 平 成 25 年 10 月 19 日 ( 日 ) 於 : 和 歌 山 県 民 文 化 会 館 和 歌 山 県 立 医 科 大 学 付 属 病 院 リハビリテーション 部 堀 晋 之 助
項 目 1.PTの 役 割 について 2.NPPV 使 用 中 の 注 意 点 (リハビリ 中 ) 3.NPPVの 利 点 を 活 かした 今 後 の 展 望
臥 床 による 影 響 特 に 仰 臥 位 管 理 では 肺 容 量 減 少 下 側 肺 領 域 の 肺 胞 虚 脱 や 換 気 血 流 のミス マッチ 気 道 クリアランス 障 害 など 呼 吸 器 系 にとって 不 利 益 が 大 きい
PTとして 介 入 できること 身 体 に 動 きをつけること 対 象 者 に 動 いてもらうこと 座 位 立 位 など 抗 重 力 位 を 取 ってもらう ( 重 力 を 利 用 する)
動 きをつけること とは? 関 節 可 動 域 訓 練 四 肢 の 自 動 介 助 運 動 胸 郭 可 動 域 訓 練 呼 吸 排 痰 介 助 リラクゼーション など 廃 用 症 候 群 の 予 防 気 道 のクリアランス 交 感 神 経 活 性 の 抑 制
動 いてもらうこと とは? 背 臥 位 から 動 いてもらう 換 気 血 流 のミスマッチの 改 善 深 呼 吸 口 すぼめ 呼 吸 の 促 し 側 臥 位 前 傾 側 臥 位 腹 臥 位 効 率 の 良 い 呼 吸 様 式 へ 呼 吸 困 難 感 の 軽 減 自 分 で 頸 部 肩 などゴソゴソと 動 いてもらう 気 道 のクリアランス 酸 素 化 の 改 善
抗 重 力 位 を 取 ってもらう 臥 位 からギャッジアップ ギャッジアップから 座 位 ( 端 坐 位 椅 子 ) 機 能 的 残 気 量 の 上 昇 臓 器 による 横 隔 膜 へ の 圧 迫 解 除 胸 郭 が 拡 がりやすくなる 立 位 足 踏 み 歩 行 運 動 による 換 気 の 改 善 筋 力 低 下 予 防 酸 素 化 改 善 廃 用 症 候 群 予 防
PTの 役 割 は 気 道 クリアランス 酸 素 化 改 善 廃 用 症 候 群 予 防 を 考 えながら 介 入 しています 早 期 のADL-up 呼 吸 困 難 感 による 活 動 量 低 下 予 防
もちろん 良 いことばっかりではない なんとなく 病 態 が 悪 化 するんじゃないか? さらに 呼 吸 困 難 感 が 出 現 するのでは? 離 床 時 の 転 落 事 故 抜 管 など 実 際 には 低 酸 素 血 症 の 増 悪 心 負 荷 の 増 大 酸 素 消 費 量 の 増 加 などの 有 害 性 は 指 摘 されています
開 始 前 のやるべきこと 病 態 の 把 握 治 療 方 針 今 後 の 方 向 性 の 確 認 血 液 検 査 所 見 レントゲン スパイロ 心 電 図 心 エコーなどの 検 査 所 見 の 統 合 と 解 釈 リハ 前 後 での 呼 吸 様 式 バイタル 自 覚 症 状 フィジ カルアセスメント などチームで 取 り 組 むケアに 沿 って+αして いくつもりで 介 入 してます
項 目 1.PTの 役 割 について 2.NPPV 使 用 中 の 注 意 点 (リハビリ 中 ) 3.NPPVの 利 点 を 活 かした 今 後 の 展 望
NPPVのメリット VAP 予 防 鎮 静 不 要 会 話 食 事 ができる ICU 入 室 期 間 の 短 縮 など リハビリ 介 入 において また ADL-upにおいても 有 効 である
気 をつけておくべきところ 呼 吸 器 設 定 の 確 認 蛇 管 内 の 水 滴 がウォータートラップに 落 ち ているか 口 腔 内 の 観 察 ( 乾 燥 舌 苔 の 有 無 ) マスクのフィッテイング(ズレの 確 認 ) リハ 前 後 のtotal leak 量 の 確 認 安 静 時 運 動 時 の 呼 吸 回 数 一 回 換 気 量 マスク 外 している 時 間 を 最 小 限 に
マスクのフィッティング 臥 位 座 位 座 位 でもフィッティングを 行 い 調 整 する
もれやすい 場 所 鼻 周 囲 顎 周 囲 から 空 気 がもれることが 多 い 鼻 腔 チューブなどの ラインが 顔 とマスク の 間 に 隙 間 ができる Leak 量 と 実 際 にもれ ている 箇 所 を 確 認 し ながら フィッティ ングの 再 調 整 をする
項 目 1.PTの 役 割 について 2.NPPV 使 用 中 の 注 意 点 (リハビリ 中 ) 3.NPPVの 利 点 を 活 かした 今 後 の 展 望
臥 床 による 廃 用 予 防 循 環 動 態 が 安 定 し 局 所 安 静 が 必 要 な 方 安 静 による 起 立 性 低 血 圧 を 予 防 目 的 臥 位 で 静 脈 還 流 量 増 加 し 体 液 循 環 量 の 減 少 圧 受 容 器 反 射 の 減 弱 NPPVにより 胸 腔 内 圧 を 上 昇 させ 静 脈 還 流 量 増 加 を 抑 制 できるのでは 実 際 に 健 常 成 人 で 確 認
結 果 と 考 察 PEEP:4 8 12cmの 陽 圧 負 荷 を 加 えインピーダ ンス 方 を 用 いて 心 拍 数 血 圧 一 回 心 拍 出 量 心 拍 出 量 を 測 定 CPAP(PEEP:12cm)で 一 回 心 拍 出 量 が 有 意 に 減 少 した 運 動 療 法 と 併 用 すること で 臥 床 による 起 立 性 低 血 圧 が 予 防 できるのでは
第 6 回 和 歌 山 呼 吸 ケアセミナー チームで 取 組 むNPPV 和 歌 山 労 災 病 院 九 鬼 新 太 郎
急 性 期 慢 性 心 不 全 の 急 性 増 悪 交 感 神 経 の 鎮 火! 慢 性 期 難 治 性 高 血 圧 不 整 脈 ( 特 に 夜 間 の 発 作 性 心 房 細 動 ) 睡 眠 障 害 を 合 併 した 心 不 全 入 退 院 を 繰 り 返 す 慢 性 心 不 全
急 性 心 不 全 の 分 類 と 病 態 発 症 機 序 による 分 類 cardiac failure cardiac failure: 体 液 貯 留 水 を 抜 く vascular failure: 血 管 収 縮 (central volume sift) 血 管 を 拡 げる vascular failure cardiac failureで 少 しずつ 水 が 溜 まっているところに Vascular failureが 生 じ 入 院 に 至 ることもある
Cardiac Failure と Vascular Failureとは? Cardiac failure うっ 血 がその 病 態 の 主 体 である 収 縮 性 心 不 全 が 基 本 病 態 である 基 礎 病 態 は 心 腎 連 関 であり,その 治 療 目 標 は 亢 進 した 神 経 体 液 性 因 子 の 沈 静 化 をはかりながら, 利 尿 をつけることとなる Vascular failure 血 圧 上 昇 すなわち 動 静 脈 の 収 縮 が 主 体 である 拡 張 性 心 不 全 が 基 本 病 態 にある 治 療 目 標 は 血 管 拡 張 薬 を 用 いて,afterload mismatchの 改 善 やcentral volume shiftからの 循 環 血 液 量 の 再 分 布 を めざすことになる
Clinical Scenarios 収 縮 期 血 圧 140mmHg< 100-140mmHg 100mmHg> CS 1 CS 2 CS 3 急 性 冠 症 候 群 右 心 不 全 CS 4 CS 5 Crit Care Med 36:S129-S139, 2008
SBP vs Cardiac index CCU-NMS data base from 1983 to 1994. n=309 Y = 0.0049X + 1.9988 R = 0.19 P = 0.01 JCS 2009
Three major factors for AHF syndrome Vascular function Cardiac function Renal Function
Initial managements CS 1 48% CS 2 42% CS 3 8% Vascular dysfunction 血 管 拡 張 薬 with NPPV Renal dysfunction ハンプ or ラシックス or サムスカ with NPPV Cardiac dysfunction 強 心 薬 やミルリーラ を 考 慮
P.69 図 17 治 療 のフローチャート 2011 年 版 慢 性 心 不 全 急 性 増 悪 急 性 心 原 性 肺 水 腫 高 血 圧 性 急 性 心 不 全 Cardiac failure 血 圧 : 正 常 ( 収 縮 期 血 圧 100-140mmHg 目 安 ) 病 態 の 進 行 : 緩 徐 うっ 血 : 肺 うっ 血 より 体 うっ 血 が 主 体 聴 診 :ラ 音 を 聴 取 しないことあり 胸 部 X 線 : 肺 うっ 血 所 見 を 認 めないことあり 体 重 増 加 : 著 明 な 増 加, 浮 腫 を 伴 う 左 室 駆 出 率 : 低 下 Vascular failure 血 圧 : 上 昇 ( 収 縮 期 血 圧 >140mmHg 目 安 ) 病 態 の 進 行 : 突 然 の 発 症 うっ 血 : 肺 うっ 血 聴 診 :ラ 音 (+) 胸 部 X 線 : 著 明 な 肺 うっ 血 所 見 体 重 増 加 : 増 加 は 目 立 たない 左 室 駆 出 率 : 比 較 的 保 たれている 薬 物 治 療 呼 吸 管 理 呼 吸 管 理 薬 物 治 療 血 液 浄 化 法 硝 酸 薬 の 舌 下,スプレー 硝 酸 薬 の 点 滴, 持 続 静 注 カルペリチドの 点 滴, 持 続 静 注 体 うっ 血 所 見 を 認 める 場 合 は, 利 尿 薬 を 使 用 する * 心 拍 出 量 低 下 を 認 める 場 合 : ドパミン( 少 量 )ドブタミン( 少 量 ) PDEⅢ 阻 害 薬 ドブタミンとPDEⅢ 阻 害 薬 の 併 用 アデニル 酸 シクラーゼ 賦 活 薬 酸 素 投 与 で 改 善 がない NPPV 気 管 内 挿 管,PEEP 適 応 の 確 認 効 果 なし 補 助 循 環 法 酸 素 投 与 で 改 善 がない NPPV 気 管 内 挿 管,PEEP 適 応 の 確 認 硝 酸 薬 の 舌 下,スプレー 硝 酸 薬 の 点 滴, 持 続 静 注 カルペリチドの 点 滴, 持 続 静 注 * 体 うっ 血 所 見 が 認 められない 限 り, 利 尿 薬 は 使 用 しない * 著 明 な 高 血 圧 の 場 合 : 硝 酸 薬 の 増 量 カルシウム 拮 抗 薬 の 点 滴, 持 続 静 注 血 液 浄 化 法 補 助 人 工 心 臓 心 臓 移 植 循 環 器 病 の 診 断 と 治 療 に 関 するガイドライン(2010 年 度 合 同 研 究 班 報 告 ) 急 性 心 不 全 治 療 ガイドライン(2011 年 改 訂 版 )
P.11 2011 年 版 表 6 入 院 中 初 期 治 療 ATTEND レジストリ 項 目 例 数 (%) 患 者 数 1,100 静 注 薬 利 尿 薬 894 (80.4%) カルペリチド 770 (69.4%) 硝 酸 イソソルビド 102 (9.2%) ニトログリセリン 289 (26.0%) ニコランジル 118 (10.6%) 強 心 薬 230 (20.7%) ドブタミン 141 (12.7%) ドパミン 122 (11.0%) ノルエピネフリン 69 (6.2%) ミルリノン 31 (2.8%) オルプリノン 8 (0.7%) ジゴキシン 72 (6.5%) カルシウム 拮 抗 薬 91 (8.2%) 項 目 例 数 (%) 非 薬 物 療 法 持 続 的 気 道 陽 圧 241 (21.7%) 二 相 性 気 道 陽 圧 160 (14.4%) 気 管 挿 管 123 (11.1%) Swan-Ganzカテーテル 223 (20.1%) ペースメーカー 52 (4.7%) 心 臓 再 同 期 療 法 27 (2.4%) 植 込 み 型 除 細 動 器 29 (2.6%) 血 液 濾 過 39 (3.5%) 持 続 血 液 濾 過 透 析 41 (3.7%) 経 皮 的 冠 動 脈 インターべンション 107 (9.6%) 冠 動 脈 バイパス 術 15 (1.4%) 弁 置 換 術 19 (1.7%) 大 動 脈 内 バルーンパンピング 40 (3.6%) 経 皮 的 心 肺 補 助 装 置 7 (0.6%) 左 心 補 助 装 置 1 (0.1%) 循 環 器 病 の 診 断 と 治 療 に 関 するガイドライン(2010 年 度 合 同 研 究 班 報 告 ) 急 性 心 不 全 治 療 ガイドライン(2011 年 改 訂 版 )
当 院 での 急 性 心 不 全 に 対 する NPPVの 使 用 件 数 5 例 6 例 19 例 20 例 21 例 2008 2009 2010 2011 2012 20.8% 53.8%
急 性 増 悪 = 入 院 心 機 能 時 間 Gheorghiade M et al. Am J Cardiol 2005;96(6A):11G
心 血 管 疾 患 患 者 における 睡 眠 時 無 呼 吸 の 罹 患 率 全 高 血 圧 30% Kaleset al. Lancet 1984 薬 剤 耐 性 高 血 圧 症 80% Logan et al. J Hypertension 2001 心 不 全 76% Oldenburg et al. Eur J HF 2007 心 房 細 動 50% Gami et al. Circulation 2004 冠 動 脈 疾 患 急 性 冠 症 候 群 大 動 脈 解 離 31% 57% 37% Schafer et al. Cardiology 1999 Umino et al. Am J Cardiol 2007 Sampol et al. AJRCCM 2003
睡 眠 時 無 呼 吸 関 連 キーワード 睡 眠 時 無 呼 吸 症 候 群 :SAS(Sleep Apnea Syndrome) 睡 眠 呼 吸 障 害 :SDB(Sleep Disordered Breathing) OSA 閉 塞 性 睡 眠 時 無 呼 吸 :OSA(Obstractive Sleep Apnea) 上 気 道 の 閉 塞 による 無 呼 吸 タイプ( 肥 満 患 者 生 活 習 慣 病 患 者 に 多 くみられる) 呼 吸 努 力 は 認 められるが 無 呼 吸 の 状 態 CSA 中 枢 性 無 呼 吸 :CSA(Central Sleep Apnea) CSR(Cheyne-Stokes Respiration)チェーンストークス 呼 吸 呼 吸 中 枢 に 障 害 が 見 られる 無 呼 吸 タイプ( 心 不 全 患 者 に 多 くみられる) 呼 吸 努 力 を 認 めない 無 呼 吸 の 状 態 CSR 無 呼 吸 低 呼 吸 指 標 :AHI(Apnea Hypopnea Index) 回 数 / 時 間 1 時 間 あたりに 起 こる 無 呼 吸 低 呼 吸 の 回 数 5 以 上 は 軽 度 15 以 上 は 中 等 度 30 以 上 は 重 症
適 応 補 助 換 気 (AdaptiveServoVentilation:ASV) 呼 吸 フロー イメージ 例 チェーン ス トークス 呼 吸 CPAP 一 定 圧 を 供 給 Bi-Level 吸 気 呼 気 2 段 階 の 圧 を 供 給 AutoSV 吸 気 呼 気 2 段 階 の 圧 力 を 呼 吸 の 低 下 度 合 いに 合 わせ 供 給
Auto EPAP & Auto PSの 作 動 原 理 - 閉 塞 と 開 存 ( 中 枢 )への 対 応 - Flow Non-Response 上 気 道 の 閉 塞 Flow Response 上 気 道 の 開 存 ( 中 枢 ) 閉 塞 中 枢 EPAPを 上 昇 EPAPは 上 昇 させず Auto PSにて 対 応 閉 塞 による 無 呼 吸 Auto EPAPで 解 消 全 ての 無 呼 吸 タイプに Autoで 対 応 Auto PSで 解 消 中 枢 による 無 呼 吸
心 不 全 におけるASV 療 法 の 作 用 機 序 呼 吸 筋 疲 労 回 復 心 不 全 症 状 改 善 心 不 全 の QOL 改 善 前 負 荷 軽 減 うっ 血 の 改 善 ASV 心 臓 周 囲 圧 の 上 昇 不 安 定 な 呼 吸 の 改 善 後 負 荷 軽 減 交 感 神 経 緊 張 軽 減 心 機 能 障 害 の 進 展 予 防 心 不 全 の 予 後 改 善 木 原 康 樹, 日 経 メディカルアペンディックス2012 年 7 月 号
AHI (/h) AHI (/h) LVEF (%) LVEF (%) CPAPでCSAが 十 分 に 抑 制 されない 収 縮 不 全 心 不 全 患 者 に 対 するASVの 心 機 能 改 善 効 果 対 象 : CPAP 治 療 を3か 月 以 上 実 施 してもCSAが 十 分 に 抑 制 されない 収 縮 不 全 心 不 全 患 者 23 例 方 法 :ASV 治 療 群 12 例 CPAP 治 療 群 11 例 に 無 作 為 割 付 (RCT) して3ヵ 月 フォローアップ AHIの 変 化 LVEFの 変 化 50 40 30 P=1.000 P<0.001 50 40 30 P<0.001 60 50 40 30 P=0.784 P<0.001 60 50 40 30 P<0.001 20 20 20 20 10 10 10 10 0 ベースライン 3M CPAP 群 (n=11) 0 ベースライン 3M AutoSV 群 (n=12) 0 0 ベースライン 3M ベースライン 3M CPAP 群 (n=11) AutoSV 群 (n=12) AutoSV 群 ではCPAP 群 と 比 較 して3ヵ 月 後 におけるAHI LVEFの 有 意 な 改 善 を 認 めた Kasai et al. JACC, 2013
慢 性 心 不 全 患 者 に 対 する ASV 導 入 時 のクリニカルパス 導 入 成 功 率 78% 93.8% 継 続 率 50% 63.6% 当 院 でもいただいてます( 無 許 可 ) ちなみに 本 邦 ではASVは 睡 眠 時 呼 吸 障 害 の 有 無 に 関 わらず 使 用 できます ASVはあくまでも 心 不 全 の 治 療 器 具 です 誤 解 なきように 日 本 心 臓 病 学 会 誌 2013; 8: 107 117
多 職 種 介 入 による 包 括 的 管 理 医 師 看 護 師 理 学 療 法 士 教 育 生 活 指 導 服 薬 指 導 運 動 処 方 カウンセリング 食 事 指 導 臨 床 工 学 技 士 薬 剤 師 ソーシャル ワーカー 栄 養 士
チームで 取 組 む 心 不 全 治 療 なによりも 内 服 遵 守 β 遮 断 薬 を 中 心 に 神 経 体 液 因 子 の 抑 制 外 来 点 滴 療 法 (ハンプ) できれば 運 動 処 方 ASVの 導 入 適 応 があれば 心 臓 再 同 期 療 法 (CRT) 患 者 教 育 の 徹 底 多 職 種 介 入 による 包 括 的 管 理 慢 性 心 不 全 認 定 看 護 師 の 育 成 病 診 連 携 の 活 用
NPPV 療 法 の 実 際 大 阪 府 立 呼 吸 器 アレルギー 医 療 センター 呼 吸 器 内 科 集 中 治 療 科 石 原 英 樹 慢 性 呼 吸 不 全 患 者 の 在 宅 呼 吸 ケアには 包 括 的 なアプローチが 必 要 になる NPPV の 導 入 にあたっては 薬 物 療 法 酸 素 療 法 呼 吸 リ ハビリテーションなどを 行 った 上 で 必 要 性 を 判 断 することが 望 ま しい 呼 吸 不 全 に 対 する 代 表 的 な 在 宅 呼 吸 ケアメニューの 一 つである 在 宅 酸 素 療 法 は わが 国 でも 広 く 普 及 定 着 している また 近 年 高 二 酸 化 炭 素 血 症 を 伴 う 患 者 に 対 する 換 気 補 助 療 法 と して NPPV が 普 及 しつつある これまでは Ⅱ 型 呼 吸 不 全 患 者 の 低 酸 素 血 症 に 対 する 治 療 は 酸 素 療 法 を 中 心 に 行 われてきたが 肺 胞 低 換 気 を 認 める 患 者 には 酸 素 療 法 だけではなく 何 らかの 換 気 補 助 療 法 の 必 要 性 が 指 摘 されていた しかし NPPV が 普 及 するまでは 換 気 補 助 療 法 の 選 択 肢 としては 気 管 切 開 下 陽 圧 換 気 療 法 が 中 心 であ ったため 在 宅 症 例 数 はかなり 限 られていた しかし NPPV の 普 及 とともに 在 宅 NPPV 症 例 数 は 加 速 度 的 に 増 加 傾 向 にある NPPV 療 法 には 呼 吸 筋 の 休 息 効 果 や 呼 吸 調 節 系 のリセッティング の 可 能 性 が 示 唆 されている また 慢 性 呼 吸 不 全 に 伴 う 睡 眠 呼 吸 障 害 ( 睡 眠 の 質 も 含 めて)が NPPV で 改 善 するという 報 告 もあり 健 康 関 連 QOL の 改 善 再 入 院 の 減 少 や 急 性 増 悪 の 頻 度 の 減 少 につながる と 考 えられている また 円 滑 な 在 宅 医 療 継 続 のためには 地 域 医 療 連 携 が 必 要 であ る 地 域 とのネットワーク 形 成 によって 医 療 福 祉 の 両 面 から 総 合 的 に 支 援 することが 可 能 になる 本 講 演 では 慢 性 呼 吸 器 疾 患 患 者 に 対 する NPPV 療 法 について 考 察 する
本 日 のトピック 第 6 回 和 歌 山 呼 吸 ケア( 和 歌 山 県 民 文 化 会 館 Oct.19,2013) 急 性 呼 吸 不 全 と 肺 保 護 戦 略 生 長 会 府 中 病 院 総 合 急 病 救 急 センター 西 山 明 秀 1. 肺 胞 虚 脱 と 肺 胞 を 開 くに 必 要 な 知 識 2. Open Lung ( Recruitment Maneuver ) 3. PEEP の 重 要 性 4. どの 換 気 を 選 択 するか 5. APRV ( Airway Pressure Releasing Ventilation ) 2011 年 10 月 に ESICM( 欧 州 集 中 治 療 学 会 )から 新 しい ARDS の 定 義 (ベルリン 定 義 ) が 発 表 された 以 前 の ALI( 急 性 肺 障 害 )という 言 葉 は 無 くなり mild,moderate,severe の 3 つの 重 症 度 に 分 類 (Ranieri VM. JAMA. 2012;307:2526-33.) 低 酸 素 血 症 の 原 因 低 換 気 肺 内 シャント 換 気 血 流 不 均 等 分 布 拡 散 障 害 換 気 血 流 分 布 拡 散 障 害 は 原 疾 患 治 療 と FiO2 を 増 やすだけ
肺 内 シャントこそが 人 工 呼 吸 のターゲット 肺 胞 虚 脱 が 肺 内 シャントの 原 因 (スライド 参 照 ) 肺 胞 虚 脱 が 起 こる 機 序 1. 周 囲 の 臓 器 ( 心 臓 腹 腔 内 臓 器 )や 胸 水 の 肺 圧 迫 2. 高 濃 度 酸 素 による 吸 収 性 無 気 肺 3. 炎 症 や 過 伸 展 によるサーファクタント 失 活 や 喪 失 による 表 面 張 力 の 低 下 肺 胞 虚 脱 の 予 防 と 再 開 通 が 低 酸 素 血 症 治 療 に 直 結 表 面 張 力 : 液 体 が 気 体 との 境 界 面 で 液 体 同 士 くっつこうとする 力 critical opening pressure:この 圧 に 打 ち 勝 って 肺 胞 を 開 く 必 要 がある 肺 胞 の 内 面 はサーファクタントが 存 在 する サーファクタントが 表 面 張 力 を 低 下 させ 虚 脱 を 防 ぎ 再 開 通 をさせやすくする サーファクタントが 少 ない: 肺 胞 の 表 面 張 力 は 大 きい 肺 胞 は 伸 展 しにくい サーファクタントが 十 分 ある: 表 面 張 力 は 小 さい 肺 胞 は 大 きく 伸 展 できる サーファクタントが 減 らない 換 気 が 重 要 過 換 気 を 避 ける 過 膨 張 を 避 ける 低 1 回 換 気 量 の 盲 点 baby lung concept:ali/ards 肺 のコンプライアンスが 著 しく 低 下 し 硬 くなるのは 含 気 が 保 たれている 部 分 のメカニクスの 悪 化 によるのではなく FRC( 機 能 的 残 気 量 )の 低 下 によるもの(baby lung)であるという 考 え 方 つまり ARDS の 肺 は 硬 い のではなく 小 さい のである 含 気 が 低 下 している 肺 :eg. 50%に 低 下 なら 6ml/kg が 12ml/kg の 相 当 体 重 あたりの 一 回 換 気 量 低 下 を 規 定 するだけでは 意 味 を 成 さない Luciano Gattinoni. Intensive Care Med(2005)31:776-784
人 工 呼 吸 による 直 接 的 な 肺 障 害 Cyclic opening and closing: 肺 胞 気 道 の 周 期 的 な 開 放 と 虚 脱 の 繰 り 返 し Overdistension: 肺 胞 の 過 伸 展 以 上 を 避 けるような 換 気 が 肺 に 愛 護 的 な 換 気 となる 肺 保 護 戦 略 現 在 ARDS では 低 一 回 換 気 量 ( low tidal volume ) Open Lung 法 が 頻 用 されている Recruitment maneuver technique ( 以 後 RM と 略 記 ) : 短 時 間 だけ 高 い 陽 圧 をかけて 肺 を 換 気 し 虚 脱 した 肺 を 再 開 通 させる 手 技 方 法 は 標 準 化 されていないため 様 々な 方 法 がある 理 論 的 には 最 高 気 道 内 圧 を 目 的 とする 肺 胞 の opening pressure よりも 高 くする 高 い PSV で 数 回 換 気 高 い PEEP を 与 える 内 因 性 PEEP を 利 用 する 実 際 の 頻 用 法 (スライド 動 画 閲 覧 ) 3 breath 法 40 40(40cmH2O 40 秒 ) Amato 変 法 短 時 間 とは 云 え 非 常 に 高 い 圧 を 与 えるためリスクもある モニター A-line 循 環 動 態 が 耐 えうるかつ 肺 病 変 の 把 握 CT 上 RM で 改 善 が 期 待 できそうな 画 像 など もし 必 要 と 判 断 した 場 合 病 状 が 悪 化 してからより 早 い 段 階 で RM 施 行 する Open lung! 引 き 続 き 開 いた 状 態 を 維 持 し 虚 脱 予 防 を 行 う Keep opened! 維 持 するには 十 分 な PEEP が 必 要 高 ければ 虚 脱 予 防 効 果 はあるが 圧 損 傷 や 循 環 動 態 の 悪 化 をはじめと 知 る 人 工 呼 吸 関 連 の 合 併 症 が 増 える 再 虚 脱 を 予 防 できる 最 小 限 の PEEP が 理 想 的 だが 設 定 は 困 難 至 適 PEEP の 設 定 ( 動 画 閲 覧 )
low constant flow inflation 法 による P-V loop を 用 い 10L/min の slow flow ( 準 静 的 )で 大 体 の PMC(point of maximum curvature)を 見 付 け 2-5cmH2O を 付 加 した PEEP を PEEP ( or Plow )とする (Intensive Care Med(2002)28:990-994) LIP (lower inflection point) : 吸 期 初 期 から 圧 を 増 やしていくと 虚 脱 した 肺 胞 が 開 き 始 める 点 (PV-loop 吸 期 から 呼 期 に 転 ずるまでの 最 初 の 変 曲 点 ) UIP (upper inflection point) : 吸 期 の 後 の 変 曲 点 呼 期 に 転 ずるまで これ より 先 は 肺 胞 が 過 伸 展 を 起 こす PMC (point of maximum curvature) : 呼 期 でこの 点 から 急 に 肺 胞 が 閉 じ 始 め 容 量 が 減 少 する 点 別 名 P-flex どんな 換 気 法 を 選 択 するか( 個 人 的 な 見 解 ) PEEP12-15 以 下 で 管 理 可 能 なら 自 発 呼 吸 でCPAP or Bilevelどちらか 選 択 同 程 度 の 圧 で 管 理 可 能 だが 毎 回 呼 吸 がバラバラで 自 発 が 活 かせない:PAV 高 いPEEPまたはMAP( 平 均 気 道 内 圧 )が 必 要 :APRV APRVでも 管 理 困 難 な 循 環 動 態 肥 満 :IRV 特 にPAVとAPRV APRV ( Airway Pressure Releasing Ventilation ) Nader M. Habashi. Crit Care Med 2005 ; 33 : s228-240 吸 気 時 間 を 長 くする 事 で 平 均 気 道 内 圧 を 高 く 維 持 高 いCPAPの 元 自 発 呼 吸 を 温 存 できる
肺 保 護 換 気 に 最 適 重 力 の 影 響 を 受 けやすい 背 側 など 虚 脱 しやすい 部 位 にも 圧 がかかり 再 開 通 や 虚 脱 防 止 に 効 果 を 発 揮 PS + PEEPでは PS 圧 を 大 きくかけても 肺 胞 を 開 いて 閉 じての 繰 り 返 し Cyclic opening and closing 再 開 通 するために 高 圧 を 要 する ( 最 高 気 道 内 圧 の 割 に) 再 虚 脱 するため 平 均 気 道 内 圧 は 高 く 維 持 できない higher risk of overdistension PS + PEEP vs APRV (スライド 動 画 閲 覧 ) APRVの 設 定 で 重 要 なのは 以 下 を 適 時 微 調 節 すること 必 要 最 低 限 のMAP( 平 均 気 道 内 圧 )の 設 定 心 拍 出 量 の 許 容 できるP high T high の 設 定 T low の 設 定 重 要 なのはT-PEFR ( peak expiratory flow rate termination point )の 決 定
呼 気 時 に 再 虚 脱 が 発 生 しない 最 小 限 の 呼 気 時 間 後 に 吸 気 に 転 換 させる(このポイント がT-PEFR ) 必 要 がある 呼 気 時 間 はP high と 肺 のコンプライアンスによって 決 まる( 個 々の 症 例 で 異 なる) ARDSでは 短 く( %PEFR=75% 前 後 COPDでは 長 く(%PEFR=50% 前 後 )なるが 基 礎 疾 患 に 加 え 肺 の 病 態 の 変 化 (CTやレントゲン エコー 聴 診 )に 合 わせて 再 調 節 する 必 要 が ある 一 般 的 にT low は 一 秒 以 内 で コンプライアンスの 低 下 しているARDSでは< 0.7 秒 が 殆 ど Phighの 設 定 前 設 定 のMAP( 平 均 気 道 内 圧 )よりも 通 常 :2-3cmH2O 高 く 設 定 高 度 肥 満 胸 膜 癒 着 など 肺 外 からの 強 い 拘 束 性 障 害 :4-5cmH2O 高 く 気 胸 歴 高 度 気 腫 ステロイド 長 期 患 者 など 気 胸 縦 隔 気 腫 の 高 リスク:-3~0cmH20 ( 前 設 定 が 何 かで 大 きく 変 わる) Aacn Clinical Issues (2001) (12), Issue: 2, 234-246; 328-329P Frawley, N. Habashi Crit Care Med 2005 Vol. 33, No. 3 (Suppl.) APRVは 基 本 的 にはrelease 相 のあるCPAPと 同 じ 高 圧 相 (P high ) で 自 発 呼 吸 無 ければ 効 果 半 減
PSでは 同 調 せず 自 発 効 果 が 減 弱 するためATC (automatic tube compensation)を 使 用 目 標 平 均 気 道 内 圧 (MAP)を 常 に 考 えて P high,t low を 設 定 自 発 呼 吸 温 存 の 利 点 背 側 (dependent lung) 換 気 量 を 増 やす 横 隔 膜 の 生 理 的 運 動 で 背 側 無 気 肺 予 防 改 善 換 気 血 流 不 均 衡 を 改 善 循 環 動 態 を 改 善 最 高 平 均 気 道 内 圧 の 上 昇 を 抑 えられる Wrigge, Putensen : Crit Care. 2005 ; 9 (6) : R780-9 Peter Neumann ; Crit Care Med 2005 ; 33 : 1090 weaningについて Phigh 減 圧 は 2-4cmH2O/ 日 位 にしておく 少 しのPEEP 低 下 でもSpO2は 急 激 に 低 下 (PMC 再 評 価 ) 最 終 的 段 階 はCPAP 16-18 cmh2o 最 後 まで 自 発 呼 吸 を 温 存 する 鎮 静 管 理 FiO2を 早 めに 下 げてからPhighを 下 げる 戦 略 ( 逆 は 駄 目 )
腹 臥 位 について 連 日 6 時 間 を10 日 間 Crit Care Med 2003;31:2727-33 連 日 6 時 間 以 上 を 平 均 5 日 間 (PS Ⅰ study) NEJM 2001;345:568-73 連 日 18 時 間 以 上 を 平 均 8 日 (PS Ⅱ study) JAMA. 2009;302(18):1977-1984. 共 に 酸 素 化 は 換 気 中 改 善 したが 戻 すと 元 に 戻 る 予 後 改 善 なし しかし 最 近 後 述 するPROSEVA Sudyの 様 な 長 時 間 の 腹 臥 位 が 有 効 とする 報 告 あり 長 時 間 (48 時 間 以 上 )の 腹 臥 位 換 気 で 仰 臥 位 に 戻 しても 呼 吸 状 態 は 改 善 維 持 Romero CM, et al.. J Crit Care. 2009;24:81-88. 16 時 間 以 上 の 腹 臥 位 を 経 過 中 平 均 4 回 繰 り 返 した 結 果 28 日 死 亡 率 ( 腹 臥 位 23.6% vs 背 臥 位 32.8%)90 日 死 亡 率 (23.6% vs 41.0%) と 腹 臥 位 群 が 有 意 に 少 ない Claude Guerin. NEJM 2013;368:2159-2168 (PROSEVA Study) 腹 臥 位 は 単 に 虚 脱 無 気 肺 の 解 除 だけが 目 的 で 無 く VALI 予 防 という 観 点 でも 注 目 されている しかしやり 慣 れた 施 設 でないと 寧 ろチューブトラブルの 元 となる 施 設 間 の 積 極 性 と 安 全 性 に 左 右 される あとがき: 今 回 の 発 表 で 使 用 した 人 工 呼 吸 器 は 当 院 ( 生 長 会 府 中 病 院 )ではEvita XL Infinity V500 Hamilton C1 前 勤 務 地 (NHO 近 畿 中 央 胸 部 疾 患 センター)で はPuritan Benette840を 中 心 に 一 部 Hamilton G5を 使 用 して 肺 保 護 換 気 を 行 った. 機 種 が 変 わるとリクルートメントの 方 法 やモードが 異 なるため 自 施 設 で 個 々の 人 工 呼 吸 器 の 最 適 なリクルートメントや 肺 保 護 換 気 を 行 う 事 が 重 要 と 考 えます.