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Transcription:

医 薬 品 の 副 作 用 チェックと 予 防 のための 機 序 別 分 類 今 日 のお 話 最 後 に 演 習 問 題 をや ります よ Ⅰ. 副 作 用 機 序 別 分 類 Ⅱ. 相 互 作 用 機 序 別 分 類 Ⅲ.DPP-4 阻 害 剤 の 機 序 別 分 類 の 実 際 どんぐり 工 房 菅 野 彊 プロローグ 症 例 77 歳 男 性 高 尿 酸 血 症 月 / 日 (1978 年 ) 2/25 3/31 4/1 4/6 4/15 4/28 症 例 77 歳 男 性 高 尿 酸 血 症 1

症 例 から 薬 剤 師 として 学 んだこと 1アレルギー 性 の 副 作 用 が 予 知 できるとすれば それ 以 外 の 副 作 用 の 予 知 もできるはずである 2そうだとすれば 副 作 用 を 科 学 的 に 分 類 すること が 必 要 である 3アレルギー 以 外 の 副 作 用 をどう 分 類 すればいい のか? 方 法 論 を 探 してみよう 副 作 用 機 序 別 分 類 の 現 在 の 到 達 点 Ⅰ. 副 作 用 機 序 別 分 類 副 作 用 機 序 特 徴 チェック 対 策 薬 理 作 用 1 過 剰 発 現 2 副 次 的 作 用 3 作 用 欠 如 薬 物 毒 性 1 臓 器 毒 性 2 催 奇 形 性 3 発 癌 性 常 用 量 でも 発 現 する 場 合 あり 頻 度 が 大 きい 中 断 症 候 群 あり 投 与 量 投 与 期 間 の 大 きさに 依 存 する 肝 腎 血 液 中 枢 神 経 系 に 負 荷 投 与 期 間 中 は 常 にチェック 副 次 的 作 用 の 発 現 に 注 意 投 与 期 間 中 は 定 期 的 に 検 査 催 奇 形 は 前 臨 床 発 癌 性 は 前 臨 床 および 発 売 後 に 疫 学 調 査 投 与 量 減 量 緩 和 な 他 剤 へ 変 更 段 階 的 に 減 量 様 子 をみながら 投 与 継 続 他 剤 に 変 更 投 与 中 止 薬 物 過 敏 症 1 特 異 体 質 2アレルギー 投 与 量 投 与 期 間 に 依 存 しない 6ヶ 月 以 内 発 現 6ヶ 月 間 は 初 期 症 状 の 発 現 に 気 をつける 即 時 投 与 中 止 同 系 他 剤 注 意 ステロイド 併 用 1 薬 理 作 用 による 副 作 用 を 起 こす くすりの 例 抗 生 物 質 αー 遮 断 剤 カルシウム 剤 ビタミンD 3 製 剤 血 糖 降 下 剤 ループ 系 利 尿 剤 偽 膜 性 大 腸 炎 起 立 性 低 血 圧 高 カルシウム 血 症 低 血 糖 低 カリウム 血 症 2

Prazaxa Blue Letter プラザキサの 薬 理 作 用 2011 年 8 月 症 例 :80 歳 代 女 心 房 細 動 心 房 細 動 の 抗 凝 固 療 法 としてワーファリン(1mg/ 日 ) を3 年 間 服 用 効 果 不 十 分 のためプラザキサに 変 更 12 日 目 血 痰 鼻 出 血 を 認 める 15 日 目 呼 吸 困 難 出 血 傾 向 を 認 め 救 急 外 来 へ 搬 送 入 院 プラザキサ 投 与 中 止 BUN53.8mg/dL S-Cr4.2mg/dL 血 尿 肺 胞 出 血 呼 吸 不 全 タール 便 を 認 める 抗 生 剤 血 液 輸 血 酸 素 投 与 PT-INR7.51. 大 量 の 血 痰 タール 便 血 尿 持 続 し 死 亡 ( 製 薬 会 社 報 告 ) 症 例 :75 歳 男 高 血 圧 心 不 全 心 房 細 動 内 科 処 方 ワーファリン 錠 2.5mg/ 日 皮 膚 科 処 方 プレドニン20mg/ 日 3 日 後 内 科 処 方 変 更 プラザキサカプセル300mg/ 日 1 日 2 回 明 日 は 納 豆 を 食 べてから ワーファリンを 中 止 して プラザ キサに 変 更 して 下 さい と 言 われたとのことである 皮 膚 科 から 出 ているプレドニンの 影 響 でしょう とのこと 患 者 さんからの 聞 き 取 り 調 査 P#1 プラザキサによる 出 血 の 危 険 性 INR 3.42 (ワーファリン 手 帳 ) INRは 状 況 に 応 じて1.6~3.0が 推 奨 されている 75 歳 尿 蛋 白 (-)だが 腎 機 能 の 自 然 低 下 がある 推 測 CLcr 50% 低 下 で50mL/minくらいか? 重 要 な 基 本 的 注 意 ワルファリンから 本 剤 へ 切 り 替 える 際 には ワルフ ァリンを 投 与 中 止 し INRが2.0 未 満 になれば 投 与 可 能 である とされている S 明 日 納 豆 を 食 べてから ワルファリンを 止 めて プラザキサカプセルに 変 えて 下 さい O INR3.2(1.6~2.5) 75 歳 男 性 A ワルファリンの 消 失 半 減 期 約 100 時 間 であり 体 内 消 失 時 間 =100 5 時 間 = 約 20 日 間 P 疑 義 照 会 の 結 果 変 更 を 見 送 りワルファリンを 減 量 7 日 後 にINRが2.0を 切 ったことを 確 認 プラザキサカプセル220mg/ 日 に 減 量 投 与 3

プラザキサ カプセルの 臨 床 検 査 症 例 :Sさん 21 歳 女 神 経 症 うつ 状 態 薬 症 状 H16 H17 5/ 6/ 1/ 4/15 4/20 6/ デプロメール 錠 パキシル 錠 ジプレキサ 細 粒 50mg 100mg 20mg 30mg 30mg 0.5mg めまい ふらつき 吐 き 気 多 汗 手 のふるえ 不 安 感 P#1パキシル 錠 中 断 による 離 脱 症 候 群 か? S くすりが 変 更 になって2~3 日 経 ったら 汗 が 出 て 震 え ものすごく 違 和 感 があって 変 だった O パキシル 錠 30mgからデプメロール100mg 錠 に 変 更 今 回 パキシル 錠 30mgに 戻 した A 突 然 の 中 断 により パキシル 錠 の 薬 理 作 用 が 欠 如 した 非 線 形 のためか? 効 力 の 違 いか? P パキシル 錠 は 忘 れないで 必 ず 飲 むように 指 導 薬 理 作 用 による 副 作 用 の 服 薬 指 導 主 作 用 の 過 剰 発 現 は 頻 度 が 高 い 副 作 用 なので あ らかじめ 患 者 さんに 伝 えよう 効 いているから 出 てくる 副 作 用 なので やがて 慣 れ てなくなります とお 話 しておこう 飲 むのを 止 める と 困 るから 副 次 的 な 薬 理 作 用 の 過 剰 発 現 は 見 落 としがちである 計 画 的 に 観 察 していきたい くすりを 止 めると 起 きてくる 副 作 用 もあるので 勝 手 に 止 めないで 指 示 を 守 ること を 伝 えよう 2 臓 器 毒 性 を 起 こすくすりの 例 クロフィブラート 剤 アセトアミノフェン アミノグリコシド 系 抗 生 物 質 ビスフォスホネート 剤 抗 がん 剤 筋 肉 障 害 肝 機 能 障 害 腎 機 能 障 害 消 化 器 障 害 白 血 球 減 少 症 4

症 例 Mさん 57 歳 男 慢 性 肝 炎 高 血 圧 Rp) 1.グリチロン 錠 3 錠 毎 食 後 服 用 14 日 分 2.レザルタス 配 合 錠 LD 1 錠 朝 食 後 服 用 14 日 分 Mさんは50 歳 時 に 慢 性 肝 炎 の 既 往 がある オル メティック 錠 で 治 療 中 だが 最 近 血 圧 が 上 がり 今 日 レザルタス 配 合 錠 LDが 加 わった どんな 注 意 が 必 要 か? レザルタス 配 合 錠 LDは 腎 排 泄? 肝 排 泄? 成 分 尿 中 ( 未 変 化 体 ) 排 泄 率 肝 腎 排 泄 型 オルメサル タンメドキソ ミル(オルメ ティック 錠 ) アゼルニジ ピン(カルフ ロック 錠 ) 腸 管 および 肝 臓 あるいは 血 漿 において 加 水 分 解 され 活 性 代 謝 物 オルメサルタンに 代 謝 される オルメサルタンは12. 6%が 尿 中 に77.2%が 糞 中 排 泄 代 謝 物 が 活 性 を もつ 胆 汁 排 泄 型 薬 物 代 謝 物 の 多 くは 胆 嚢 を 経 由 して 糞 中 排 泄 主 な 代 謝 部 位 は 小 腸 および 肝 排 泄 型 薬 物 肝 臓 であり CYP3A4により ジヒドロピリジン 環 が 酸 化 され る 投 与 後 7 日 で26%が 尿 中 63%が 糞 中 排 泄 P#1 肝 炎 既 往 のMさんに 肝 排 泄 型 薬 物 併 用 S 最 近 は 肝 機 能 の 数 値 はいいですよ もう 治 ったような ものですね O グリチロン 錠 を 長 期 服 用 中 A レザルタス 配 合 錠 は 肝 排 泄 型 薬 物 2 種 類 の 合 剤 なので 肝 臓 に 代 謝 負 荷 がかかる 肝 炎 の 再 燃 に 注 意 P 血 圧 が 下 がるといいですね 食 事 気 をつけて 下 さい 塩 分 の 多 いものは 避 けて 鶏 肉 などの 脂 肪 が 少 ない 良 質 の 蛋 白 をとるといいですね 5

3 薬 物 毒 性 の 服 薬 指 導 投 与 初 期 から 発 現 することは 少 ないので 最 初 か ら 伝 えることはしない 投 与 量 が 多 いほど 投 与 期 間 が 長 いほど 発 現 しや すいので 後 になればなるほど 注 意 する 必 要 がある くすりの 通 過 点 である 肝 臓 と 腎 臓 には 負 荷 が 避 けら れないことを 理 解 して 貰 う 肝 腎 血 液 障 害 は 検 査 をして 見 つかることが 多 いの で 定 期 的 検 査 を 提 案 する 薬 物 過 敏 症 を 起 こすくすりの 例 無 顆 粒 球 症 の 発 症 時 期 抗 生 物 質 抗 てんかん 剤 抗 甲 状 腺 製 剤 合 成 抗 菌 剤 消 炎 鎮 痛 剤 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 中 毒 性 表 皮 壊 死 症 無 顆 琉 球 症 急 性 腎 不 全 重 篤 な 肝 機 能 障 害 黄 疸 美 甘 義 夫 ら; 医 原 性 疾 患 ;1969 薬 物 検 査 11/24 12/7 12/10 12/13 12/16 * 12/20 症 例 :Sさん 49 歳 男 性 高 血 圧 頸 肩 部 痛 しばらく 治 療 中 断 していたが 頸 肩 部 痛 がひどく 治 療 を 再 開 した Rp) 1.アロフト20mg 3 錠 1 日 3 回 毎 食 後 14 日 分 2.テグレトール 錠 100mg 2 錠 1 日 2 回 朝 夕 食 後 14 日 分 3.アムロジン 錠 5mg 0.5 錠 1 日 1 回 朝 食 後 14 日 分 アロフト テグレトール アムロジン ミノマイシン プレドニン ステロイド 軟 膏 ト ラ ン ス ア ミ ナ ー ゼ 800 600 400 200 0 60mg 200mg 120mg 2.5mg 300mg ( 肝 炎 ウイルス 陰 性 ) 200mg 症 例 Sさん 49 歳 男 性 高 血 圧 頸 肩 部 痛 30mg γ-gtp ALT AST * 皮 膚 科 受 診 6

P#1 テグレトールによる 薬 剤 過 敏 性 症 候 群 の 疑 い S 一 旦 軽 快 した 肝 機 能 が 再 び 悪 化 入 院 O 顔 に 紅 斑 拡 大 デルモベート 軟 膏 キンダベート 軟 膏 投 与 肝 機 能 数 値 不 明 A 薬 剤 性 副 作 用 ではないだろうか? P テグレトールによる 薬 剤 過 敏 性 症 候 群 の 病 状 経 過 と 一 致 する 症 例 :62 歳 男 急 性 間 質 性 腎 炎 H17 年 12 月 胸 痛 発 作 心 筋 梗 塞 にてステント 挿 入 H18 年 1 月 パナルジン 錠 にて 薬 疹 が 出 現 し プラビックス 錠 に 変 更 H18 年 2 月 S-クレアチニン 上 昇 造 影 剤 の 腎 障 害 と 診 断 H18 年 2 月 当 院 腎 臓 内 科 紹 介 され 初 診 好 酸 球 27.4% S-Cr3.52 mg/dl BUN46mg/dLで 薬 剤 性 ア レ ルギー 性 間 質 性 腎 炎 と 診 断 された プラビッ クス 錠 中 止 プレタール 錠 200mg プレドニン 錠 25mgで 治 療 開 始 H19 年 1 月 S-クレアチニン1.58mg/dL BUN21mg/dL 好 酸 球 1.2%と 腎 機 能 障 害 は 軽 快 した ( 千 葉 大 学 上 田 志 郎 先 生 より) パナルジンとプラビックスの 化 学 構 造 の 違 い パナルジン プラビックス ( 主 にCYP2C19で 代 謝 ) ( 主 にCYP3A4で 代 謝 ) P#1 パナルジンで 薬 疹 出 現 の 患 者 に プラビックス 錠 投 与 S 胸 痛 発 作 後 心 筋 梗 塞 発 症 O バルーン 使 用 しステント 挿 入 血 栓 溶 解 剤 と してパナルジン 投 与 で 薬 疹 発 現 プラビック ス 錠 に 変 更 後 腎 障 害 発 現 A プラビックス 錠 によるアレルギー 性 腎 障 害 では ないか? 化 学 構 造 活 性 相 関 の 可 能 性 あり P プラビックス 錠 中 止 し プレタール 錠 に 変 更 プレドニン 錠 投 与 腎 障 害 消 失 アレルギー 性 肝 障 害 と 肝 毒 性 の 区 別 項 目 アレルギー 性 肝 障 害 肝 毒 性 出 現 時 期 投 与 開 始 後 数 日 ~4 週 位 投 与 開 始 後 数 ヶ 月 位 初 発 症 状 発 熱 発 疹 掻 痒 感 食 欲 不 振 吐 き 気 検 査 値 急 激 なAST ALT 上 昇 AST ALT 上 昇 末 梢 血 液 像 好 酸 球 白 血 球 増 加 変 化 なし 感 受 性 試 験 陽 性 の 率 が 高 い 陰 性 薬 剤 再 投 与 すぐに 肝 障 害 発 現 すぐには 出 ない 薬 物 過 敏 症 と 薬 物 毒 性 の 区 別 ー 腎 障 害 を 例 に 項 目 薬 物 過 敏 性 腎 障 害 腎 毒 性 出 現 時 期 投 与 開 始 後 数 日 ~4 週 位 投 与 開 始 後 数 ヶ 月 位 初 発 症 状 尿 量 減 小 浮 腫 ( 特 に 顔 ) 検 査 値 急 激 なS-cr BUN 上 昇 血 清 K 上 昇 Na 低 下 末 梢 血 液 像 好 酸 球 白 血 球 増 加 変 化 なし 感 受 性 試 験 陽 性 の 率 が 高 い 陰 性 尿 量 減 小 浮 腫 胸 水 腹 水 貯 留 蛋 白 尿 S-cr BU N SーK 値 上 昇 薬 剤 再 投 与 すぐに 腎 障 害 発 現 すぐには 出 ない 7

薬 物 過 敏 症 の 服 薬 指 導 発 熱 発 疹 そう 痒 感 などがあらわれたら 必 ず 教 えてください と 伝 えておく 特 異 体 質 による 過 敏 症 は 比 較 的 早 く 現 れるし 薬 物 アレルギーでは6ヶ 月 以 内 に 現 れるので 6ヶ 月 間 は 副 作 用 チェックを 厳 重 に 行 う 必 要 がある もし 発 現 したら 速 やかにくすりを 中 止 するのが 原 則 である SGD 演 習 問 題 1 誰 でも 今 までの 仕 事 中 や 個 人 的 な 経 験 でくすりの 副 作 用 を 経 験 していると 思 います それでは SGD で 経 験 した 副 作 用 を 発 表 し そのくすりの 副 作 用 は 1) 薬 理 作 用 によるものか? 2) 薬 物 毒 性 によるもの か? それとも 3) 薬 物 過 敏 症 によりものか? を 判 断 して 下 さい そして OOOによる の 副 作 用 を 経 験 した この 副 作 用 は 機 序 別 分 類 をすると に 分 類 さ れる 副 作 用 だと 思 います という 報 告 をして 下 さい Ⅱ. 相 互 作 用 機 序 別 分 類 薬 物 相 互 作 用 機 序 別 分 類 1. 薬 物 相 互 作 用 により 発 現 する 薬 物 過 敏 症 はない 2. 相 互 作 用 には 1 薬 理 作 用 の 相 加 相 乗 相 殺 と 2 薬 物 毒 性 の 相 加 相 乗 による 相 互 作 用 がある 3. 薬 物 相 互 作 用 は1 相 互 作 用 の 症 例 がある 相 互 作 用 と 2 相 互 作 用 の 発 現 を 予 測 することから 発 せら れる 相 互 作 用 がある 1 臨 床 的 に 発 現 する 可 能 性 が 少 ない 相 互 作 用 ラニラビット 錠 に 併 用 されたVD 剤 Ca 剤 の 併 用 症 例 :Sさん 74 歳 女 発 作 性 心 房 細 動 A 医 院 処 方 1.ワーファリン 錠 1.5mg ラニラピッド 錠 0.1mg 1 錠 1 日 1 回 朝 食 後 服 用 14 日 分 2.サンリズムカプセル50mg 2C 1 日 2 回 朝 夕 食 後 服 用 14 日 分 M 病 院 処 方 1. カルシタロール 0.25μg 2C アスパラカルシウム 2 錠 1 日 2 回 朝 夕 食 後 服 用 28 日 分 2.アクトネル 17.5mg 1 錠 起 床 時 服 用 4 日 分 8

P#1 ラニラピッド 服 用 患 者 にVD 剤 Ca 剤 の 併 用 投 与 による 相 互 作 用 の 心 配 S ラニラピッドを 飲 んでいるのですが 他 病 院 からVD 剤 と Ca 剤 が 出 ています 飲 んでもいいですか? O Ca 注 射 は 原 則 禁 忌 VD 製 剤 Ca 経 口 剤 は 併 用 注 意 A 血 清 Ca 濃 度 は9.3mg/dL( 基 準 値 8.2~10.0mg/dL) 相 乗 効 果 の 相 互 作 用 は 起 きにくいと 思 われる P VD 製 剤 Ca 経 口 剤 の 服 薬 を 薦 めた その 後 ラニラピッド 錠 は 0.1mg 錠 から0.05mg 錠 に 変 更 になった 両 剤 を 服 用 して3 か 月 経 つが 異 常 なく ラニラピッド 錠 は 良 く 効 いている 2 臨 床 的 に 発 現 することがあり 得 る 相 互 作 用 クロピドグレルとオメプラゾールの 併 用 クロピドグレル(プラビックス 錠 )は 体 内 に 入 りCYP 2C19で 代 謝 され 活 性 代 謝 物 H4に 変 換 されて 抗 凝 固 作 用 を 発 揮 する しかし オメプラゾールはクロピド グレルの 代 謝 酵 素 であるCYP2C19を 阻 害 する 従 って 血 栓 予 防 のためクロピドグレルを 使 用 して いる 患 者 では オメプラゾールを 併 用 すると 代 謝 が 阻 害 され クロピドグレルの 薬 効 が 十 分 に 得 られなく なる (2009 年 3 月 19 日 米 国 FDA 発 表 ) 3 種 類 のPPIにおけるAUC(0-12h ng hr/ml)の 違 い (Aoyana Nobuo.et al Gastroenterology 2000) 疑 義 照 会 に 対 する 医 療 機 関 の 反 応 の 違 い 内 科 開 業 医 オメプラゾールを 相 互 作 用 が 起 こりにくい PPI への 変 更 を 推 薦 したところ 直 ぐに 応 じてくれた ( 菅 野 彊 Credentials 2010 February) 病 院 薬 剤 部 米 国 のことなので 日 本 の 厚 労 省 や 製 薬 会 社 の 正 式 見 解 が 出 ない 限 り こちらからは 動 けませんが もし 機 会 があれば 医 師 に 伝 えておきます プラビックス 錠 添 付 文 書 改 訂 と 厚 労 省 安 全 性 情 報 添 付 文 書 の 改 訂 (2010 年 4 月 ) 相 互 作 用 の 併 用 注 意 オメプラゾールが 本 剤 の 作 用 を 減 弱 させ プラビックス 錠 の 活 性 代 謝 物 の 血 中 濃 度 が 低 下 する 厚 労 省 安 全 性 情 報 No.269(2010 年 5 月 ) 1)CYP2C19のPoor Metabolizer 群 においてクロピドグレル の 血 小 板 凝 集 抑 制 作 用 が 低 下 した 2)CYP2C19のPoor MetabolizerもしくはImideate Metaboli zerでは クロピドグレル 投 与 後 の 心 血 管 系 イベント 発 症 率 の 増 加 が 警 告 されている Ⅲ.DPP-4 阻 害 剤 の 機 序 別 分 類 の 実 際 9

副 作 用 機 序 別 分 類 のStep Step1. 薬 理 作 用 を 確 実 に 捉 える(1 主 要 な 作 用 2 副 次 的 な 作 用 3 作 用 欠 如 のとき) Step2. 重 大 な 副 作 用 の 機 序 別 分 類 を 行 う Step3.その 他 の 副 作 用 の 気 になる 点 を 探 す Step4. 最 後 に 総 合 的 に 広 く 検 証 する( 薬 理 作 用 が 標 的 臓 器 以 外 の 場 所 に 影 響 しないか? 未 知 な 副 作 用 が 現 れる 可 能 性 はないか?) グラクティブ 錠 を 例 にとり Step1: 薬 理 作 用 を 確 実 に 捉 える 薬 効 薬 理 の 作 用 機 序 GLP-1およびGIPはグルコース 恒 常 性 維 持 に 関 わるホルモンである シタグリプチンは DPP ー4 酵 素 を 阻 害 し インクレチンのDPPー4による 分 解 を 抑 制 する 活 性 型 インクレチン 濃 度 を 上 昇 させることにより 血 糖 依 存 性 にインスリン 分 泌 促 進 作 用 並 びにグルカゴン 濃 度 低 下 作 用 を 増 強 し 血 糖 コントロールを 改 善 する DPP-4 グラクティブ グラクティブの 作 用 機 序 グラクティブ 非 投 与 消 化 管 症 状 は 副 次 的 な 薬 理 作 用 グラクティブ 投 与 インスリン GLP1には 消 化 管 の 蠕 動 運 動 を 抑 制 し 幽 門 筋 の 収 縮 力 を 高 め 経 口 摂 取 された 食 物 の 十 二 指 腸 への 流 入 を 遅 延 させる 働 きがある そのためGLP1 濃 度 が 高 くなると 吐 き 気 腹 部 膨 満 便 秘 などの 消 化 管 症 状 が 起 こりやすくなる これらはGLP1アナログ 製 剤 で はよく 知 られた 副 作 用 だが GLP1の 分 解 を 阻 害 する DPP4 阻 害 薬 でも 起 こる 可 能 性 は 十 分 ある いずれも 症 状 は 軽 微 で 飲 み 続 けると 消 失 するが 不 快 な 症 状 であるために 勝 手 に 服 薬 を 止 めないように 事 前 に 伝 え るておいたほうがいい Step2: 重 大 な 副 作 用 の 機 序 別 分 類 を 行 う 1.アナフィラキシー 反 応 薬 物 過 敏 症 2. 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 剥 奪 性 皮 膚 炎 薬 物 過 敏 症 3. 低 血 糖 症 薬 理 作 用 4. 肝 機 能 障 害 横 断? 5. 急 性 腎 不 全? 6. 急 性 膵 炎? 7. 間 質 性 腎 炎? 4. 肝 機 能 障 害 黄 疸 薬 物 過 敏 症 1. 重 大 な 副 作 用 は 死 亡 するか 後 遺 症 が 残 る 副 作 用 である 従 って 重 大 な 肝 毒 性 を 持 つ 場 合 には 承 認 されることは 少 ない 2.エクア 錠 は1 年 間 は 少 なくても3カ 月 毎 その 後 も 定 期 的 に 検 査 を 求 めらていることから 代 謝 負 荷 による 肝 毒 性 の 可 能 性 があるが グラクティ ブは ALT ASTの 著 しい 上 昇 を 認 めたら 投 与 を 中 止 という 薬 物 過 敏 症 を 示 唆 する 注 意 のみの 起 債 である 10

DPP-4 阻 害 薬 グラクティブ 錠 は 腎 排 泄? 肝 排 泄? 比 較 項 目 グラクティブ 錠 エクア 錠 尿 中 未 変 化 体 排 泄 率 油 水 分 配 係 数 P Log P 肝 排 泄 型 腎 排 泄 型 投 与 間 隔 消 失 半 減 期 投 与 間 隔 / 消 失 半 減 期 定 常 状 態 の 有 無 定 常 状 態 到 達 時 間 累 積 率 AUC 7 日 目 / 初 日 0.79~0.88 腎 排 泄 型 24hr 11.4±2.4hr 2.1 有 2.4 日 間 0.227 1.255 0.098 肝 排 泄 型 12hr 2.41±0.7hr 4.98 無 1.01±0.114 5. 急 性 腎 不 全 薬 物 過 敏 症 症 例 :78 歳 女 糖 尿 病 オイグルコンからシタグリプ チンに 変 更 した1カ 月 後 浮 腫 と 尿 閉 が 生 じ HbA 1cは6.4から8.1に 上 昇 オイグルコンとラシックス を 追 加 したが 改 善 見 られず 急 性 腎 不 全 の 診 断 で 入 院 BUN 48.1mg/dL 血 清 クレアチニン 0.63 mg/dl シタグリプチン 中 止 急 性 腎 不 全 は 軽 快 ( 製 薬 会 社 資 料 ) * 腎 不 全 発 症 までの 期 間 が 短 いことから アレル ギー 性 副 作 用 と 思 われる 6. 急 性 膵 炎 は 薬 物 毒 性? 7. 間 質 性 腎 炎 薬 物 過 敏 症 症 例 :50 代 男 性 グリメピリドにシタグリプチン 50mgが 追 加 投 与 された 投 与 6か 月 目 に 腰 痛 が 発 現 し 救 急 外 来 を 受 診 急 性 膵 炎 と 診 断 され 入 院 した グリメピリドは 継 続 シタグリプ チンは 中 止 された 中 止 の3 日 後 から 症 状 が 改 善 し 始 め 9 日 目 には 症 状 が 軽 快 退 院 した ( 使 用 上 の 注 意 2011 年 1 月 ) *DPP4 阻 害 剤 は 終 局 的 な 作 用 点 は 膵 臓 であること から 膵 臓 に 負 荷 をかけていることが 考 えられる 症 例 :60 代 女 性 シタグリプチン50mgの 使 用 開 始 から 数 日 後 に 呼 吸 困 難 を 自 覚 徐 々に 進 行 し 33 日 目 に 検 査 のために 入 院 した CTで 肺 野 に 明 らかな 間 質 性 肺 炎 の 像 が 認 められた ため ステロイドによる 治 療 を 開 始 し シタグリプチンを 中 止 し た 中 止 40 日 後 に 軽 快 した 他 に 降 圧 薬 や 漢 方 薬 など3 剤 を 服 用 していた( 使 用 上 の 注 意 改 訂 のお 知 らせ 2011 年 6 月 ) * 症 状 の 発 現 が 早 く ステロイドが 奏 功 し 比 較 的 早 く 回 復 していることから 薬 物 過 敏 症 と 考 えられる Step2: 重 大 な 副 作 用 の 機 序 別 分 類 を 行 う Step3: その 他 の 副 作 用 の 気 になる 点 を 探 す 1.アナフィラキシー 反 応 薬 物 過 敏 症 2. 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 (Stevens-Johnson 症 候 群 ) 剥 奪 性 皮 膚 炎 薬 物 過 敏 症 3. 低 血 糖 症 薬 理 作 用 4. 肝 機 能 障 害 横 断 薬 物 過 敏 症 5. 急 性 腎 不 全 薬 物 過 敏 症 6. 急 性 膵 炎 薬 物 毒 性 7. 間 質 性 腎 炎 薬 物 過 敏 症 11

血 管 浮 腫 はアレルギー 性? DPPー4はサイトカイン(サブスタンスPなど)の 分 解 に 関 与 DPPー4 阻 害 サブスタンスP 濃 度 の 上 昇 血 管 透 過 性 亢 進 血 管 浮 腫 サブスタンスPはACEで 分 解 ACE 阻 害 サブスタ ンスP 濃 度 の 上 昇 血 管 透 過 性 亢 進 血 管 浮 腫 * 名 城 大 学 大 津 史 先 生 :サイトカインのバランスが 関 与 する 副 作 用 としては Stevenson-Johnson 症 候 群 剥 脱 性 皮 膚 炎 蕁 麻 疹 などがあり 投 与 開 始 3カ 月 ごろまでに 起 こりやすい DPP4 阻 害 薬 副 作 用 機 序 別 分 類 の 結 論 薬 理 作 用 薬 物 毒 性 薬 物 過 敏 症 主 作 用 ; 低 血 糖 副 次 的 な 作 用 : 胃 腸 障 害 ( 吐 気 腹 部 膨 満 便 秘 下 痢 など) 急 性 膵 炎 アナフィラキシ- 反 応 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 肝 機 能 障 害 黄 疸 急 性 腎 不 全 間 質 性 肺 炎 血 管 浮 腫 赤 は 重 大 な 副 作 用 Step4: 最 後 に 総 合 的 に 広 く 検 証 する 身 体 の 至 る 所 にあるDPP-4を 阻 害 してしまう ことで 何 か 不 都 合 なことが 起 きないのだろう か? 当 分 の 間 未 知 の 副 作 用 の 発 現 に 注 意 する 必 要 がある 例 えば サイトカインの 分 解 を 抑 制 することで アレルギー 性 副 作 用 が 発 現 しやすくならない か? 免 疫 系 に 影 響 し 感 染 症 が 発 現 しやすく ならないか? などなど エピローグ 症 例 Oさん73 歳 男 性 高 血 圧 脳 梗 塞 後 遺 症 夕 方 になると 足 が ぱんぱん に 浮 腫 んでくる くすりのせいかなあ? と 思 っている Oさんの 処 方 Rp) 内 科 1.アダラートL 錠 20mg 2 錠 パナルジン 錠 2 錠 内 服 1 日 2 回 朝 夕 食 後 14 日 整 形 外 科 1.テルネリン 錠 1mg 3 錠 内 服 1 日 3 回 毎 食 後 14 日 2.セルタッチ 42 枚 外 用 1 日 2 回 12

テルネリン 錠 で 下 肢 浮 腫 が 発 現 するか? 1)テルネリンは 中 枢 性 アドレナリンα 2 受 容 体 刺 激 が 薬 理 作 用 の 本 質 である 2) 従 って α 1 受 容 体 遮 断 効 果 を 有 し 末 梢 血 管 を 拡 張 し 血 圧 を 下 げる 3)その 結 果 として 薬 理 作 用 の 過 剰 発 現 として 下 肢 浮 腫 が 起 きることはあり 得 る 4) 承 認 時 に 下 腿 浮 腫 1 例 顔 面 浮 腫 1 例 市 販 後 に 下 肢 浮 腫 1 例 顔 面 浮 腫 1 例 が 報 告 されている まとめ: 疑 わしきは 罰 する という 薬 物 副 作 用 相 互 作 用 文 化 の 提 案 医 療 チームの 中 で 患 者 さんに 対 す る 薬 の 副 作 用 の 番 人 は 薬 剤 師 しかい ません 薬 剤 師 として 組 織 的 に 副 作 用 相 互 作 用 を 見 張 りましょう 疑 わ しきは 罰 する を 合 言 葉 にして 機 序 別 分 類 の 演 習 問 題 問 題 :プラビックス 錠 を 例 にして 実 際 に 副 作 用 機 序 別 分 類 を 行 って 下 さい Fresh Leaf2010 年 夏 号 に 寄 稿 プラビックス 錠 添 付 文 書 副 作 用 の 記 載 項 目 4. 副 作 用 (1) 重 大 な 副 作 用 1) 出 血 ( 頭 蓋 内 出 血 胃 腸 出 血 等 の 出 血 吐 血 下 血 眼 底 出 血 他 ) 2) 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 (*2011.9) 3) 肝 機 能 障 害 黄 疸 4) 血 栓 性 血 小 板 減 少 性 紫 斑 病 (TTP) 5) 間 質 性 肺 炎 6) 血 小 板 減 少 無 顆 粒 球 症 再 生 不 良 性 貧 血 を 含 む 汎 血 球 減 少 症 7) 中 毒 性 表 皮 壊 死 融 解 症 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 多 形 滲 出 性 紅 班 8) 横 紋 筋 融 解 症 (2)その 他 の 副 作 用 血 液 肝 臓 消 化 器 代 謝 異 常 過 敏 症 皮 膚 感 覚 器 精 神 神 経 系 循 環 器 腎 臓 呼 吸 器 その 他 Step1: 薬 理 作 用 を 確 実 に 捉 える 1 出 血 傾 向 は 薬 理 作 用 の 過 剰 発 現 1. 硫 酸 クロピドグレルの 活 性 代 謝 物 が 不 可 逆 的 に 血 小 板 のADP 受 容 体 に 作 用 し ADPの 結 合 を 阻 害 することにより 血 小 板 の 活 性 化 に 基 づく 血 小 板 凝 集 を 抑 制 する その 結 果 抗 血 栓 効 果 を 発 揮 する 2.この 作 用 が 過 剰 に 発 揮 されるとどうなるのか? 当 然 出 血 傾 向 が 現 れることになる 13

Step 2: 重 大 な 副 作 用 の 機 序 別 分 類 1TTP 無 顆 粒 球 症 重 篤 な 肝 障 害 等 は 薬 物 過 敏 症 1. 添 付 文 書 では 重 大 な 副 作 用 として これらの 血 栓 性 血 小 板 減 少 性 紫 斑 病 (TTP) 無 顆 粒 球 症 重 篤 な 肝 障 害 等 は 投 与 開 始 2ヶ 月 以 内 の 早 期 に 発 現 しており2ヶ 月 間 は2 週 間 以 内 の 投 与 と2 週 間 毎 の 血 液 検 査 を 求 めている 2.つまり 発 現 が 比 較 的 早 期 に 現 れ 2ヶ 月 以 後 のチェックに ついては 言 及 されていないので 薬 物 過 敏 症 性 副 作 用 であ ることが 推 測 される 2 間 質 性 肺 炎 および 血 小 板 減 少 以 下 の 血 液 障 害 はアレルギー 性 副 作 用 1. 間 質 性 肺 炎 は 最 初 はその 他 の 副 作 用 にあって 偶 然 入 っ た 副 作 用 と 位 置 づけられていたが その 後 症 例 の 発 現 がい くつかあり 重 大 な 副 作 用 にあげられた 2.プラビックス 錠 は 薬 理 的 な 血 球 障 害 および 薬 物 毒 性 である 骨 髄 抑 制 は 証 明 されていない 従 って 血 小 板 減 少 無 顆 粒 球 症 再 生 不 良 性 貧 血 以 下 の 血 液 障 害 は 薬 物 過 敏 性 副 作 用 である 3. 中 毒 性 表 皮 壊 死 融 解 症 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 多 形 滲 出 性 紅 班 は 薬 物 過 敏 性 副 作 用 であると 言 われている 最 近 の 知 見 ではHLA 遺 伝 子 多 型 が 示 唆 される 報 告 もある 3 横 紋 筋 融 解 症 (2010 年 4 月 )は 副 作 用 機 序 不 明 [ 製 薬 会 社 提 示 症 例 ] 80 代 女 心 筋 虚 血 狭 心 症 でPCI( 経 皮 的 冠 動 脈 形 術 )を 予 定 し プラビックス 錠 300mgを 負 荷 し 以 後 75mg/ 日 を15 日 間 投 与 投 与 4 日 目 PCI 施 行 投 与 16 日 目 頸 部 ~ 両 肩 および 下 肢 筋 肉 痛 強 く 入 院 CPK 3396IU/L トロポニンT(-)より 横 紋 筋 融 解 症 と 診 断 本 剤 投 与 中 止 中 止 11 日 後 以 後 自 然 に 軽 快 CPK49IU/L 代 用 としてシロスタゾール200mg/ 日 サルポグレラート300mg/ 日 開 始 4 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 は 薬 物 毒 性 & 薬 理 作 用 発 売 当 初 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 はその 他 の 副 作 用 に 分 類 されていたが 2011 年 9 月 に 出 血 を 伴 う 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 として 重 大 な 副 作 用 に 記 載 された 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 は 長 期 投 与 による 薬 物 毒 性 だが 出 血 を 伴 う は 薬 理 作 用 の 血 小 板 凝 集 抑 制 作 用 の 影 響 である 重 大 な 副 作 用 機 序 別 分 類 の 結 論 1 出 血 は 薬 理 作 用 による 副 作 用 であり 常 に 注 意 すること 2 出 血 を 伴 う 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 は 薬 物 毒 性 と 薬 理 作 用 の 合 併 であり 投 与 が 長 期 にわたる 場 合 は 症 状 の 発 現 に 注 意 する こと 3 薬 物 過 敏 症 である 肝 機 能 障 害 黄 疸 TTP 無 顆 粒 球 症 の 発 現 に 注 意 し 2ヶ 月 間 は2 週 間 に1 回 血 液 検 査 をする 4 間 質 性 肺 炎 汎 血 球 減 少 症 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群 多 形 滲 出 性 紅 班 中 毒 性 表 皮 壊 死 症 は 薬 物 過 敏 症 であり 6ヶ 月 間 は 厳 重 なチェックを 行 う 5 横 紋 筋 融 解 症 は 機 序 不 明 だが 使 用 中 は 常 にチェックする 必 要 がある Step 3.その 他 の 副 作 用 の 気 になる 点 の 検 索 1. 血 液 に 関 する 副 作 用 が 多 く 主 に 出 血 傾 向 であり 薬 理 作 用 によるものである 2. 次 いで 多 いのは 血 球 減 少 であるが その 他 の 副 作 用 との 位 置 づけからみて 十 分 薬 剤 耐 性 があるのだろう 3. 肝 臓 の 副 作 用 は 代 謝 負 荷 であり 比 較 的 軽 度 である 4. 血 清 脂 質 血 糖 上 昇 がみられる 高 脂 質 血 症 糖 尿 病 患 者 には 要 観 察 が 必 要 である 14

Step 4. 最 後 に 広 く 検 証 する 副 作 用 機 序 別 分 類 をして 見 えてくること 1. 重 大 な 副 作 用 が 多 いので 怖 い 薬 という 印 象 あり 1) 薬 理 作 用 による 副 作 用 の 出 血 傾 向 は 症 状 検 査 で 対 処 2) 重 大 な 副 作 用 である 肝 機 能 障 害 黄 疸 はアレルギー 性 の 副 作 用 であり2か 月 以 内 に 発 現 している 3)その 他 の 重 大 な 副 作 用 もアレルギー 性 の 副 作 用 であり 6カ 月 を 過 ぎるとチェックフリーになる 2. 以 上 から プラビックス 錠 は6ヶ 月 間 の 副 作 用 チェックを 終 えると 出 血 傾 向 と 出 血 を 伴 う 胃 十 二 指 腸 潰 瘍 横 紋 筋 融 解 症 のチェックのみで 済 み 比 較 的 副 作 用 管 理 がし 易 いく すりに 変 わる 副 作 用 機 序 別 分 類 を 終 えて 気 がついたこと 1. 出 血 傾 向 をもつくすりとの 併 用 には 注 意 が 必 要 だろう 2.オメプラゾールとの 併 用 は 要 注 意 特 にCYP2C19のPoor metabolizer( 日 本 人 20%)は 代 謝 が 阻 害 されるプラビッ クスが 効 き 難 くなるので 要 注 意 3. 肝 機 能 低 下 者 はプラビックスの 代 謝 が 遅 れ 効 き 難 くなる ものと 思 われる 4. 横 紋 筋 融 解 症 は 機 序 不 明 である 投 与 されている 限 り 要 注 意 機 序 別 分 類 を 応 用 して 副 作 用 から 患 者 さんを 守 りましょう 15