9. 滋 賀 県 虎 姫 町 立 図 書 館 虎 姫 町 立 図 書 館 サービス 充 実 支 援 事 業 ( 平 成 20 年 度 地 域 の 図 書 館 サービス 充 実 支 援 事 業 ) (1) 事 業 の 趣 旨 概 要 現 在 隣 接 する 長 浜 市 等 との 合 併 協 議 が 進 められており 合 併 することになれば 地 域 性 や 地 域 のつながりが 薄 まっていくことが 予 測 される そこで 地 域 住 民 の 協 力 を 得 ながら 町 の 過 去 を 知 るための 地 域 資 料 の 掘 り 起 こしを 行 い 虎 姫 の 歴 史 を 体 系 的 にまとめ あわせて 図 書 館 資 料 を 最 大 限 に 活 用 し 住 民 の 資 料 要 求 に 応 え ニーズの 掘 り 起 こしに 努 めるとともに 資 料 と 人 との 結 びつきを 活 性 化 させ 図 書 館 機 能 の 拡 充 深 化 を 行 う 結 果 として 図 書 の 貸 し 出 しにとどまらない 新 たな 図 書 館 の 利 用 促 進 を 図 る 委 託 先 図 書 館 の 概 要 ( 平 成 20 年 3 月 末 現 在 ) 委 託 先 自 治 体 機 関 名 虎 姫 町 立 図 書 館 所 在 地 529-0112 滋 賀 県 東 浅 井 郡 虎 姫 町 宮 部 3445 連 絡 先 TEL 0749-73-2335 FAX 0749-73-2655 図 書 館 の 概 要 ( 平 成 20 年 3 月 末 現 在 ) URL http://www.town.torahime.shiga.jp/ 職 員 数 4 名 (うち 臨 時 職 員 2 名 / 司 書 3 名 ) 開 館 時 間 火 ~ 金 10:00~18:00 土 日 10:00~17:00 年 間 開 館 日 数 289 日 蔵 書 数 84,218 冊 利 用 登 録 者 数 4,027 人 年 間 利 用 者 数 ( 貸 出 利 用 者 )11,904 人 年 間 貸 出 冊 数 44,090 冊 運 営 状 況 兼 務 の 館 長 を 含 め4 人 の 職 員 ですべての 図 書 館 業 務 にあたっている 館 長 以 外 は 司 書 の 有 資 格 者 である 地 域 の 現 況 特 色 虎 姫 町 は 滋 賀 県 北 部 に 位 置 し 町 の 三 方 を 川 に 挟 まれた 豊 かな 自 然 に 恵 まれている 町 である 旧 北 国 街 道 沿 いの 交 通 の 要 衝 であったことから 国 の 重 要 文 化 財 である 五 村 別 院 をはじめ 歴 史 的 文 化 財 が 豊 富 である 現 在 隣 接 の 長 浜 市 東 浅 井 郡 の 湖 北 町 虎 姫 町 伊 香 郡 の 木 ノ 本 町 高 月 町 西 浅 井 町 余 呉 町 の1 市 6 町 に よる 合 併 任 意 協 議 会 により 21 年 度 中 の 合 併 を 目 指 して 協 議 中 である 虎 姫 町 立 図 書 館 は 教 育 福 祉 ゾーン( 文 化 ホール 福 祉 保 健 センターとの 複 合 施 設 で 幼 稚 園 小 学 校 中 学 校 に 隣 接 )に 設 置 されていることから 授 業 等 における 子 どもの 利 用 や 教 職 員 の 利 用 が 多 い 面 積 :9.45km² 人 口 :5,800 人 (2) 事 業 の 実 施 体 制 事 業 実 施 にあたっては 実 行 委 員 会 とその 下 部 組 織 として 事 業 別 に3つ 部 会 を 組 織 した 1 虎 姫 町 立 図 書 館 サービス 充 実 支 援 事 業 実 行 委 員 会 < 委 員 構 成 > 教 育 長 文 化 協 会 会 長 文 化 財 保 護 委 員 おはなしボランティア 学 芸 員 図 書 館 長 図 書 館 司 書 ( 事 務 局 ) 計 7 名 < 主 な 役 割 > 事 業 全 般 に 関 する 検 討 - 79 -
2 部 会 部 会 の 正 副 部 会 長 は 実 行 委 員 が 務 め その 他 の 部 会 員 は 図 書 館 利 用 者 や 公 募 あるいは 実 行 委 員 からの 声 か けで 集 まった 一 般 町 民 である 編 纂 部 会 虎 姫 の 歴 史 の 編 纂 委 員 構 成 : 学 芸 員 文 化 財 保 護 委 員 町 民 6 名 計 8 名 展 示 部 会 展 示 に 関 する 企 画 運 営 委 員 構 成 :おはなしボランティア 図 書 館 長 町 民 3 名 計 5 名 フォーラム 部 会 展 示 に 関 する 企 画 運 営 委 員 構 成 : 文 化 協 会 会 長 図 書 館 司 書 町 民 2 名 計 4 名 (3) 事 業 体 系 実 施 した 事 業 は 下 記 の3つである 1 とらひめのれきし ⅰ とらひめのれきし の 編 纂 2 企 画 展 資 料 が 語 る 虎 姫 の くらし 展 3フォーラム 図 書 館 サービ スにもの 申 す (4) 当 事 業 に 取 り 組 んだ 背 景 経 緯 ⅰ 虎 姫 町 に 関 する 歴 史 的 資 料 の 収 集 ⅱ 企 画 展 資 料 が 語 る 虎 姫 のくらし 展 の 巡 回 展 示 ⅲ 座 談 会 虎 姫 のなつかし 話 しゃべろう 会 の 開 催 ⅰフォーラム 図 書 館 サービスにもの 申 す の 開 催 虎 姫 町 には 町 史 がなく 地 域 資 料 の 収 集 保 管 提 供 を 行 う 図 書 館 としてその 必 要 性 を 感 じていた 現 在 合 併 協 議 が 進 んでいる 中 合 併 後 も 自 分 たちの 地 域 や 郷 土 に 誇 りがもてるように 次 世 代 を 担 う 子 どもたちに 過 去 の 歴 史 が 体 系 的 にわかる 資 料 を 残 したいと 考 えた そのための 方 法 として 現 在 図 書 館 で 所 蔵 している 資 料 と 地 域 住 民 から 提 供 してもらった 資 料 を 活 用 し 子 ども 向 けの 町 史 を 編 纂 することと 町 民 が 町 の 歴 史 を 知 ることが できる 展 示 を 行 うことを 企 画 した そのことを 通 して 地 域 の 情 報 拠 点 である 図 書 館 として 資 料 の 収 集 だけで はなく 必 要 なときに 必 要 な 情 報 が 手 に 入 るしくみを 整 え 地 域 の 利 用 者 に 還 元 したいと 考 えた また 地 域 の 魅 力 を 再 発 見 できる 情 報 拠 点 となることを 目 指 した (5) 各 事 業 の 内 容 と 現 在 までの 取 り 組 み 状 況 1 とらひめのれきし 虎 姫 町 の 歴 史 人 物 地 誌 民 俗 産 業 等 について 概 観 できる 子 ども 向 けの 町 史 を 編 纂 し 子 どもたちの 郷 土 学 習 の 礎 とした ⅰ とらひめのれきし の 編 纂 部 会 員 : 文 化 財 保 護 委 員 虎 姫 の 歴 史 を 知 る 会 宮 部 史 談 会 大 井 城 跡 研 究 会 などから 地 域 の 歴 史 に 詳 し く 関 心 のある 町 民 が 集 まった 表 記 対 象 : 概 ね 小 学 校 4 年 生 ~ 中 学 生 内 容 : 虎 姫 町 の 歴 史 人 物 地 誌 民 俗 産 業 文 化 等 虎 姫 町 について 概 観 できるもので 表 記 は 小 学 校 中 学 年 から 中 学 生 向 きとするが 大 人 の 利 用 にも 耐 えうるものとした 編 纂 期 間 : 平 成 20 年 8 月 ~21 年 3 月 様 式 :A4 判 (モノクロ 一 部 カラー)56 ページ 100 部 方 法 : 図 書 館 の 所 蔵 資 料 に 加 え 新 たな 資 料 も 収 集 し それらの 資 料 をもとに 体 系 的 に 編 纂 する 配 布 先 : 小 学 校 中 学 校 時 遊 館 公 民 館 等 主 に 郷 土 学 習 に 役 立 てる < 作 業 手 順 > 内 容 についての 話 し 合 い 基 本 的 な 編 纂 方 針 の 決 定 様 々な 資 料 に 断 片 的 に 書 かれている 基 本 的 事 項 をわかりやすくまとめる 新 たにわかった 事 実 を 付 け 加 える 子 ども 向 けであることから 郷 土 への 誇 りと 将 来 に 希 望 がもてるような 事 項 を 優 先 する 原 稿 の 分 担 を 決 め 各 部 会 員 が 各 々 執 筆 事 務 局 で 執 筆 された 原 稿 を 子 ども 向 け( 小 学 校 4 年 生 以 上 )に 表 記 を 変 更 易 しい 言 いまわしに 変 更 - 80 -
漢 字 をひらがなやルビ 表 記 に 変 更 原 稿 を 印 刷 用 に 編 集 レイアウト 表 紙 画 の 作 成 依 頼 多 くの 人 に 関 わってもらうことを 意 図 し 部 会 員 以 外 の 町 民 に 水 墨 画 の 作 成 を 依 頼 し た 工 夫 のポイント 写 真 を 多 用 し 見 やすく わかりやすいものとした 子 ども 向 けであることを 考 慮 し 郷 土 への 誇 りと 将 来 に 希 望 がもてるような 記 述 となるよう 心 がけた 53 項 目 を5つの 大 分 類 に 分 け 各 項 目 が 約 1ページとなるようにまとめた 大 分 類 Ⅰ.れきしのまちとらひめ Ⅱ.しぜんのまちとらひめ Ⅲ.ぶんかのまちとらひめ Ⅳ.み ずのまちとらひめ V.ひとびとのくらし 表 紙 は 素 朴 な 味 わいを 出 すために 趣 味 で 水 墨 画 を 描 いている 町 民 に 依 頼 した 町 民 の 目 から 見 た 虎 姫 の 魅 力 が 描 かれ 多 くの 人 の 関 心 を 引 いた 表 紙 中 のページ 2 企 画 展 資 料 が 語 る 虎 姫 のくらし 展 ~ 川 と 人 のかかわり~ 図 書 館 所 蔵 の 資 料 や 町 民 から 集 まった 資 料 を 展 示 し 町 内 の 公 共 施 設 学 校 等 で 巡 回 展 示 した ⅰ 虎 姫 町 に 関 する 歴 史 的 資 料 の 収 集 部 会 員 : 町 内 広 報 紙 図 書 館 内 ポスター 等 で 公 募 した 町 民 < 作 業 手 順 > テーマについての 話 し 合 い 虎 姫 町 は 三 方 を 姉 川 などの 川 に 囲 まれ 川 と 人 々の 暮 らしは 切 り 離 せないという 理 由 から 川 と 水 をテーマにした A4サイズに 拡 大 し ラ ミネート 加 工 した 写 真 部 会 員 作 成 の 井 堰 マップ 川 をテーマにした 関 連 資 料 収 集 の 呼 びかけ 部 会 員 の 所 蔵 やその 関 係 者 への 声 かけにより 町 民 から 写 真 を 中 心 とする 多 くの 貴 重 な 資 料 が 集 る 収 集 した 資 料 の 内 容 : 養 蚕 田 川 改 修 大 水 姉 川 地 震 井 堰 等 この 資 料 収 集 の 過 程 で 町 民 の 記 憶 想 い 出 という 情 報 を 集 めることも 有 効 だということで 座 談 会 の 企 画 が 立 ち 上 がった 井 堰 ( 水 を 田 へ 引 いたり 流 量 を 調 節 したりするため 川 水 を せきとめる 所 )の 写 真 撮 影 町 民 から 井 堰 の 場 所 を 聞 き 現 状 の 写 真 を 撮 りにいった 展 示 用 資 料 の 作 成 部 会 員 により 手 づくりの 井 堰 マップが 作 成 された - 81 -
集 まった 写 真 はスキャナーで 取 り 込 み A4サイズに 拡 大 してプリントアウトし 表 面 をラミネート 加 工 した 工 夫 のポイント 展 示 に 使 用 した 写 真 は 全 写 真 をそのままA4 判 2 穴 ファイルに 綴 じて 閲 覧 用 郷 土 資 料 とし 展 示 終 了 後 に 図 書 館 にていつでも 手 に 取 り 閲 覧 できるようにした 展 示 期 間 だけでは 見 る 人 が 限 られるため 最 初 から 後 の 利 用 を 考 えて 全 写 真 をA4サイズに 統 一 した 掲 載 の 写 真 は 以 前 に 別 の 展 示 で 使 用 した もの ラミネート 加 工 して 展 示 した 写 真 をそのままファイルに 綴 じ 図 書 館 資 料 として 閲 覧 できるようにした ⅱ 企 画 展 資 料 が 語 る 虎 姫 のくらし 展 の 巡 回 展 示 会 場 は 人 の 出 入 りが 多 い 公 共 施 設 を 選 定 し 各 会 場 のスペースに 応 じたレイアウトで 展 示 した 広 報 PR:チラシ ポスター 町 内 広 報 紙 の 図 書 館 だよりのページ 町 内 行 政 防 災 無 線 主 な 展 示 物 : 虎 姫 町 の 主 な 井 堰 マップ 田 川 新 旧 比 較 図 大 水 写 真 東 浅 井 郡 各 村 絵 図 伊 香 郡 字 餅 ノ 井 堰 下 郷 村 ヨリ 切 落 一 件 養 蚕 具 虎 姫 小 学 校 11 月 13 日 ~11 月 19 日 ( 学 校 の 参 観 日 が 含 まれる 期 間 を 設 定 ) 対 象 : 児 童 教 職 員 保 護 者 など( 約 260 人 ) 時 遊 館 ( 町 立 のサロン 的 文 化 施 設 ) 12 月 2 日 ~12 月 19 日 対 象 : 時 遊 館 来 館 者 等 (シニア 層 の 利 用 が 多 い)( 約 70 人 ) 図 書 館 1 月 10 日 ~1 月 27 日 (フォーラム 開 催 日 が 含 まれる 期 間 を 設 定 ) 対 象 : 図 書 館 来 館 者 フォーラム 参 加 者 福 祉 保 健 センターデイサービス 利 用 者 ( 約 600 人 ) 生 きがいセンター( 複 合 施 設 の 名 称 )エントランスホールで 開 催 図 書 館 利 用 者 以 外 も 気 軽 に 観 覧 できた 公 民 館 2 月 3 日 ~2 月 13 日 対 象 : 公 民 館 来 館 者 ( 約 200 人 ) 学 校 での 展 示 風 景 時 遊 館 での 展 示 風 景 ( 養 蚕 具 ) - 82 -
公 民 館 での 展 示 風 景 図 書 館 での 展 示 風 景 工 夫 のポイント 展 示 会 場 ごとに 観 覧 対 象 者 が 異 なるため 同 じテーマでも 対 象 によって 表 記 を 易 しくしたり 展 示 物 を 変 えるなどの 工 夫 をした 展 示 会 場 ごとに 当 該 施 設 の 行 事 や 他 部 会 の 事 業 の 予 定 と 関 連 づけて 展 示 効 果 を 高 める 期 間 設 定 をした ⅲ 座 談 会 虎 姫 のなつかし 話 しゃべろう 会 の 開 催 日 時 :12 月 18 日 会 場 : 時 遊 館 対 象 : 虎 姫 の 昔 の 話 を 語 れる 町 民 ( 参 加 者 18 名 ) 内 容 : 自 分 がもっている 写 真 資 料 を 持 参 し それを 見 ながら 気 軽 に 昔 話 をした 水 に 関 する 想 い 出 等 を 語 り 合 ったが 集 落 ごとに 習 慣 が 異 なることなどもわかり 内 容 の 濃 い 座 談 会 に なった 後 日 座 談 会 の 内 容 をまとめた 記 録 集 を 作 成 する 予 定 である 座 談 会 の 様 子 取 り 組 みのヒント 町 民 の 記 憶 想 い 出 も 貴 重 な 地 域 資 料 であることに 気 づき それを 音 声 で 記 録 し 文 字 に 書 き 起 こす ことで 新 たな 地 域 資 料 になるという 新 しい 図 書 館 の 取 り 組 みの 開 拓 にもなった 3フォーラム 図 書 館 サービスにもの 申 す 地 域 住 民 の 役 に 立 つ 図 書 館 を 目 指 し 資 料 の 貸 し 出 しをベースに 様 々なサービスを 行 っているが それ が 住 民 にどれだけ 認 知 されているか あるいは 図 書 館 サービスがどこまで 住 民 の 生 活 の 深 部 に 入 り 込 むこと ができるのかということを 郷 土 を 知 る という 観 点 から 利 用 者 の 意 見 を 聴 取 し 今 後 の 方 向 性 を 探 っ た 部 会 員 : 図 書 館 利 用 者 と 普 段 あまり 図 書 館 と 関 わりのない 町 民 も 含 めて 構 成 した ⅰ フォーラム 図 書 館 サービスにもの 申 す の 開 催 日 時 :1 月 25 日 13:30~15:15 会 場 : 虎 姫 町 文 化 ホール 対 象 : 一 般 住 民 ( 参 加 者 50 名 ) 広 報 PR:チラシの 全 戸 配 布 関 係 施 設 でのポスター 掲 示 町 内 行 政 防 災 無 線 - 83 -
第 1 部 講 演 演 題 : 虎 姫 の 歴 史 概 観 ~ 眠 らせておいてはもったいない あんな 資 料 こんな 資 料 ~ 講 師 : 元 長 浜 城 歴 史 博 物 館 館 長 内 容 : 古 代 から 近 代 までの 虎 姫 町 の 歴 史 を 概 観 した 郷 土 の 未 来 を 考 えるためには 過 去 の 歴 史 を 知 らなければならない そのために 図 書 館 が 果 たす 役 割 に ついての 話 があり 歴 史 学 習 と 図 書 館 の 役 割 との 関 係 が 明 確 にされた 第 2 部 パネルディスカッション パネルディスカッションの 様 子 テーマ: 図 書 館 って 本 を 借 りる 以 外 に 何 ができるの? パネリスト: 元 虎 姫 町 教 育 委 員 会 教 育 長 図 書 館 利 用 者 代 表 とらひめ 幼 稚 園 PTA 役 員 虎 姫 中 学 校 生 徒 会 長 助 言 者 : 上 記 講 演 会 講 師 内 容 : 様 々な 立 場 の 住 民 パネリストにより 実 際 の 図 書 館 利 用 を 通 しての 意 見 交 換 を 行 った 調 べもののため 趣 味 の 読 書 のため 子 どもとの 憩 いの 時 間 をもつためなど パネリストの 生 活 に 即 した 図 書 館 の 様 々な 利 用 の 仕 方 について 話 された 図 書 館 側 の 情 報 発 信 が 利 用 者 に 届 いていないことがわかると ともに 利 用 者 側 から 見 た 図 書 館 の 問 題 点 などがフロアからの 意 見 も 含 めて 出 され 活 発 な 議 論 とな った 図 書 館 利 用 者 ではない 人 の 参 加 もあり 利 用 者 も 含 め 住 民 に 図 書 館 の 活 用 の 可 能 性 に 気 づい てもらうよい 機 会 となった 工 夫 のポイント パネリストの 人 選 にあたって 年 代 性 別 利 用 法 等 が 異 なるようにし 多 様 な 角 度 から 意 見 が 出 るよ うにした 講 演 会 とパネルディスカッションの2 本 立 てにし 専 門 的 意 見 と 住 民 利 用 者 の 一 般 的 な 意 見 の 両 方 から 図 書 館 の 利 用 について 考 える 機 会 とした (6) 事 業 の 成 果 効 果 と 事 業 実 施 後 の 取 り 組 み 1 事 業 の 成 果 効 果 事 業 の 主 な 成 果 効 果 は 次 のとおりである ⅰ とらひめのれきし の 発 行 について 住 民 から 大 きな 反 響 があった とらひめのれきし 発 行 の 際 中 日 新 聞 びわこ 版 に 大 きく 掲 載 されたことで 住 民 からの 問 い 合 わせが 殺 到 し 関 心 の 高 さが 実 証 された 印 刷 部 数 が 少 ないため3 冊 を 貸 出 し 用 に 設 置 したが よく 利 用 されてい る また 住 民 から 新 たな 情 報 が 寄 せられるなど 自 分 たちの 歴 史 は 自 分 たちで 残 していくという 機 運 が 高 まり そのコーディネーター 役 としての 図 書 館 の 機 能 も 認 知 された 小 中 学 校 への 配 布 は 新 年 度 に 入 ってか らの 予 定 で 今 後 子 どもたちの 郷 土 学 習 などにおいて 様 々な 効 果 が 期 待 できる ⅱ 企 画 展 資 料 が 語 る 虎 姫 のくらし 展 について 身 近 なテーマ 設 定 内 容 の 展 示 で 一 般 町 民 にも 関 心 をもってもらえた 部 会 員 が 専 門 家 ではなかったため 川 水 という 虎 姫 町 民 にとってはより 身 近 なテーマ 設 定 内 容 で の 展 示 となり 一 般 町 民 にも 関 心 をもってもらうことができた 観 覧 者 から 寄 せられた 感 想 : 今 まで 井 堰 というものがあることすら 知 らなかった 大 水 や 井 落 しなど 話 には 聞 いていたが 写 真 で 見 たのははじめてだった 全 体 を 俯 瞰 できる 地 図 があってわかりやすい 他 に も 井 堰 あるので 自 分 の 字 の 井 堰 も 載 せてほしかった - 84 -
収 集 した 写 真 が 図 書 資 料 として 活 用 されている 住 民 から 収 集 し 展 示 に 使 用 した 写 真 は そのままA4 判 ファイルに 綴 じて 図 書 資 料 として 一 般 への 貸 し 出 しを 開 始 した 身 近 な 郷 土 資 料 として 住 民 に 利 用 されている 住 民 の 自 立 的 な 動 きが 生 まれた 部 会 員 を 中 心 に 住 民 同 士 の 声 かけ 口 コミで 予 想 以 上 に 様 々な 資 料 が 集 まった この 流 れで 当 初 予 定 さ れていなかった 座 談 会 が 住 民 の 企 画 により 開 催 されるなど 住 民 自 らが 地 域 の 歴 史 を 残 していこうという 自 立 的 な 動 きが 生 まれた ⅲ フォーラム 図 書 館 サービスにもの 申 す について 図 書 館 利 用 者 の 情 報 発 信 の 場 となった それまでは 図 書 館 利 用 者 が 住 民 に 対 して 情 報 発 信 する 機 会 がなかったが 利 用 者 同 士 が 様 々な 利 用 法 につ いて 意 見 交 換 する 中 で 一 般 参 加 者 も 含 め 図 書 館 をうまく 利 用 することによって 自 分 たちの 生 活 がより 豊 かなものになるということや 一 方 的 に 図 書 館 からのサービスを 享 受 するだけではなく 自 分 たちが 声 を 上 げることによって 図 書 館 が 自 分 たちのものになっていくということへの 気 づきの 場 となった 参 加 者 から 寄 せられた 感 想 : 自 分 とは 違 う 図 書 館 の 利 用 法 を 知 った パネリストの 人 選 がバランス 的 に よかった もっと 多 くの 人 に 聞 いてもらいたい 内 容 だった( 各 自 治 体 の 総 会 等 と 重 なる 日 程 だったので 残 念 ) 会 場 参 加 者 として 私 も 発 言 したかった 成 功 のキーポイント 3 事 業 を 展 開 する 中 で 図 らずも 将 来 を 考 えるために 過 去 をしっかり 知 ろう という 共 通 認 識 ができ その 方 向 で 事 業 に 組 むことができた 地 域 のマンパワーをネットワークし 活 かすことができた とらひめのれきし の 編 纂 にあたっては 行 政 主 導 ではなく 町 民 自 らの 手 による 編 纂 だったため 個 人 的 な 思 いが 強 くなり 過 ぎないかという 懸 念 があったが 部 会 員 に 学 芸 員 という 専 門 家 が 入 っていたこと により 客 観 的 な 視 点 での 歴 史 の 記 述 をすることができた 滋 賀 夕 刊 ( 町 民 がよく 読 んでいる 地 元 紙 ) 中 日 新 聞 びわこ 版 に 事 業 の 告 知 や 開 催 の 様 子 が 大 きく 掲 載 さ れたことにより 事 業 について 町 民 にアピールできた 2 事 業 実 施 後 の 取 り 組 み 平 成 20 年 度 委 託 事 業 のため 省 略 (7) 課 題 と 今 後 の 展 望 1 課 題 主 な 課 題 としては 次 のことが 挙 げられる ⅰ フォーラムで 指 摘 された 問 題 点 等 の 改 善 フォーラムでパネリストや 参 加 者 から 指 摘 された 問 題 点 を 地 域 住 民 と 共 有 し 改 善 を 図 りたい そのため には 日 常 の 図 書 館 業 務 の 中 でも 利 用 者 が 要 望 を 気 軽 に 言 いやすい 雰 囲 気 づくりや 職 員 がそれをきちんと 受 け 止 めてくれるという 信 頼 関 係 づくりが 必 要 である また 様 々なサービスが 町 民 に 知 られていない 実 態 があるため 待 つだけでなく 図 書 館 側 からも 発 信 していく 必 要 がある ⅱ 町 民 の 記 憶 想 い 出 という 形 の 郷 土 資 料 の 収 集 が 急 務 高 齢 の 方 が 多 いため 情 報 収 集 は 急 ぐ 必 要 がある ⅲ 活 動 の 広 がりと 職 員 体 制 の 問 題 地 域 の 情 報 収 集 発 信 などにおいて 様 々な 活 動 の 広 がりが 期 待 できるが その 活 動 を 継 続 発 展 させてい くためには 現 在 の 職 員 体 制 ( 兼 務 の 館 長 を 除 くと3 名 の 職 員 )では 難 しい 部 分 がある 地 域 のマンパワーと 連 携 協 働 していく 具 体 的 な 方 策 を 考 える 必 要 がある - 85 -
2 今 後 の 展 望 今 後 は 次 のことに 取 り 組 んでいく 予 定 である ⅰ 当 委 託 事 業 で 収 集 された 資 料 等 の 活 用 展 示 で 作 成 した 井 堰 マップは 小 学 校 に 寄 贈 し 郷 土 学 習 で 活 用 してもらう 予 定 である 収 集 した 写 真 を 整 理 し 冊 子 にまとめたい とらひめのれきし に 掲 載 できなかった 項 目 を 別 冊 にまとめたい 視 覚 に 訴 えるものは 効 果 があることがわかったので 図 書 館 で 定 期 的 に 様 々なテーマで 展 示 を 継 続 してい きたい 過 去 の 新 聞 記 事 も 地 域 資 料 になるので 整 理 して 利 用 できるしくみづくりを 行 っていきたい ⅱ 当 委 託 事 業 で 構 築 できたネットワークの 活 用 今 後 も 情 報 を 収 集 し 資 料 の 拡 充 を 図 る 必 要 があるが その 際 当 委 託 事 業 で 広 がった 人 的 ネットワークを 活 用 し 住 民 と 協 働 で 進 めていきたい また 住 民 から 収 集 した 情 報 は それを 形 にして 住 民 にフィードバッ クしていく 必 要 がある これを 繰 り 返 していくことが 郷 土 資 料 の 充 実 につながると 考 えている - 86 -