今 後 の 検 討 事 項 の 整 理 資 料 4 東 日 本 大 震 災 における 堤 防 被 災 の 特 徴 1. 河 川 堤 防 の 被 災 が 多 数 広 範 囲 に 発 生 ( 照 査 対 象 外 の 区 間 において 多 数 の 被 災 が 発 生 ) 緊 急 復 旧 に 時 間 を 要



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( の 復 旧 ) 3. 南 相 馬 市 エリアの 避 難 指 示 解 除 準 備 区 域 及 び 居 住 制 限 区 域 内 の 路 線 数 ( ) 10 路 線 うち 被 災 した 路 線 ( 工 区 ) 数 10 路 線 52 箇 所 うち 応 急 対 策 を 実 施 した 路 線 ( 工 区

背 景 と 目 的 - 東 日 本 震 災 では の 上 部 構 造 の 流 出 が 多 発 - は 復 旧 に 時 間 を 要 する 一 方 交 通 機 能 の 回 復 は 待 ったなし 活 動 項 目 数 活 動 項 目 数 ( 全 体 ) 全 体 は24hで ピー

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

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佐渡市都市計画区域の見直し

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Microsoft Word - 表紙(正)

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

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Microsoft PowerPoint 資料4-1(真間川【印刷用】).ppt

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

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目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

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目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

目 次 第 1 章 総 則 第 1 節 計 画 の 目 的... 1 第 1 計 画 の 目 的 1 第 2 計 画 の 策 定 1 第 3 計 画 の 構 成 2 第 4 用 語 の 意 義 2 第 2 節 計 画 の 前 提 条 件... 3 第 1 自 然 条 件 3 第 2 社 会 条 件


(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

再 生 可 能 エネルギー 等 導 入 推 進 基 金 事 業 計 画 書 ( 各 年 度 計 画 書 ) ( 事 業 計 画 の 概 要 ) 計 画 の 名 称 京 都 府 地 球 温 暖 化 対 策 等 推 進 基 金 計 画 の 期 間 交 付 対 象 京 都 府 府 内 市 町 村 民 間

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Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

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頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 26 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 副 理 事 長 A 理 事 16,638 10,332 4,446 1,

経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

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3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

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第 2 回 河 川 堤 防 耐 震 対 策 緊 急 検 討 委 員 会 資 料 44 現 状 の 耐 震 照 査 及 び 設 計 の 改 善

今 後 の 検 討 事 項 の 整 理 資 料 4 東 日 本 大 震 災 における 堤 防 被 災 の 特 徴 1. 河 川 堤 防 の 被 災 が 多 数 広 範 囲 に 発 生 ( 照 査 対 象 外 の 区 間 において 多 数 の 被 災 が 発 生 ) 緊 急 復 旧 に 時 間 を 要 した 2. 大 規 模 な 被 災 の 原 因 は 液 状 化 1 1.これまでの 地 震 と 比 較 して かなり 長 い 継 続 時 間 を 記 録 した 地 震 動 が 多 数 の 液 状 化 被 害 を 発 生 させた 1 2. 従 来 から 想 定 されている 基 礎 地 盤 の 液 状 化 によるもの も 多 数 発 生 今 後 の 検 討 事 項 1 今 回 の 地 震 動 の 特 徴 2 現 状 の 耐 震 照 査 及 び 設 計 の 改 善 耐 震 性 能 の 照 査 の 基 本 ( 照 査 において 考 慮 する 外 水 位 の 問 題 ) 耐 震 性 能 の 照 査 方 法 の 妥 当 性 堤 体 の 部 分 液 状 化 に 対 する 照 査 方 法 ( 液 状 化 判 定 及 び 照 査 における 地 下 水 位 設 定 の 妥 当 性 ) 1 3.これまで 照 査 対 策 の 対 象 としてこなかった 堤 体 の 部 分 3 効 果 的 効 率 的 な 耐 震 対 策 手 法 ( 工 法 ) 液 状 化 による 被 災 も 多 数 発 生 耐 震 対 策 実 施 個 所 における 被 災 状 況 従 来 からの 耐 震 点 検 耐 震 対 策 の 課 題 耐 震 点 検 耐 震 対 策 には 大 きな 費 用 を 要 する 照 査 53% 実 施 済 ( 対 象 1,570kmのうち830km 照 査 済 み 照 査 済 み830kmのうち80kmが 要 対 策 区 間 ) 対 策 L1 対 策 としては 約 5 割 程 度 ( 延 長 約 170km) 実 施 L2 対 策 は 未 実 施 堤 防 強 化 工 法 と 耐 震 対 策 工 法 との 関 係 4 耐 震 照 査 及 び 対 策 の 促 進 5 被 災 堤 防 及 び 暫 定 復 旧 堤 防 の 安 全 性 : 本 資 料 で 説 明 している 箇 所 1

現 状 の 耐 震 照 査 及 び 設 計 の 改 善 資 料 4 1. 現 状 の 耐 震 照 査 及 び 設 計 の 改 善 に 関 する 検 証 1-1. 現 状 の 耐 震 照 査 について 1-2 2. 堤 防 被 災 箇 所 についての 静 的 照 査 法 による 検 証 1-3. 地 震 の 発 生 により 生 じる 津 波 や 地 盤 沈 降 の 取 扱 いについて 2. 耐 震 点 検 対 策 の 進 捗 と 費 用 について 3. まとめ 2

1-1. 現 状 の 耐 震 照 査 について 資 料 4 河 川 構 造 物 の 耐 震 性 能 照 査 指 針 ( 案 ) 平 成 19 年 3 月 国 土 交 通 省 河 川 局 治 水 課 盛 土 による 堤 防 について 地 震 による 損 傷 をまったく 許 容 しないことは 不 合 理 である (=ある 程 度 の 損 傷 は 許 容 ) L2 地 震 動 による 液 状 化 に 伴 う 堤 防 沈 下 に 対 して 河 川 の 流 水 の 河 川 外 への 越 流 ( 二 次 災 害 )の 防 止 する 機 能 を 有 するか 確 認 する 液 状 化 判 定 は 基 礎 地 盤 を 対 象 としている 道 路 橋 示 方 書 の 考 え 方 に 準 拠 沖 積 層 の 砂 質 土 層 については レベル2 地 震 動 の 地 盤 面 における 水 平 震 度 を 用 いて 液 状 化 を 判 定 する 液 状 化 判 定 を 行 う 必 要 のある 砂 質 土 層 ( 以 下 の 条 件 全 てに 当 てはまるもの) 地 下 水 位 が 現 地 盤 面 から10m 以 内 かつ 現 時 盤 面 から20m 以 内 の 深 さに 存 在 する 飽 和 土 層 Fc 35% 又 はFc>35%でも 塑 性 指 数 Ip 15 の 土 層 D50 10mm かつD10 1mm の 土 層 液 状 化 に 対 する 抵 抗 率 FL 1.0 の 場 合 は 液 状 化 すると 判 定 する 地 下 水 位 は 出 水 期 ( 多 雨 期 )の 平 均 地 下 水 位 程 度 を 水 平 に 設 定 している 照 査 指 針 Q&A( 国 交 省 HP) 従 来 図 地 下 水 位 の 設 定 3

1-1. 現 状 の 耐 震 照 査 について 資 料 4 静 的 照 査 法 ( 実 務 にはALID 利 用 )により 沈 下 量 を 算 出 している 対 策 不 要 照 査 外 水 位 照 査 外 水 位 要 対 策 沈 下 前 沈 下 後 沈 下 前 沈 下 後 図 静 的 照 査 法 の 結 果 と 評 価 液 状 化 が 生 じると 判 定 された 砂 質 土 に 対 し FLとの 関 係 で 剛 性 ( 土 質 定 数 )を 低 減 させる ( 但 し FL0.4~0.7 の 範 囲 は 逆 解 析 結 果 のものであり また FL<0.4は 外 挿 による ) 耐 震 性 能 の 照 査 において 考 慮 する 外 水 位 ( 照 査 外 水 位 )は 原 則 として 平 常 時 の 最 高 水 位 (14 日 1/10) 波 浪 津 波 のうち 最 も 高 いものとしている 平 常 時 の 最 高 水 位 堤 防 の 地 震 後 の 緊 急 復 旧 が 概 ね14 日 間 で 完 了 している 事 を 考 慮 し て14 日 間 に 発 生 する 確 率 が1/10 の 水 位 としている HWL 照 査 外 水 位 照 査 対 象 照 査 対 象 外 堤 内 地 盤 高 照 査 外 水 位 が 堤 内 地 盤 高 よりも 低 い 場 合 図 照 査 外 水 位 と 堤 内 地 盤 高 の 関 係 4

1-1. 参 考 資 料 緊 急 復 旧 に 要 した 期 間 資 料 4 過 去 の 大 規 模 な 地 震 により 被 災 した 地 震 後 の 堤 防 緊 急 復 旧 は 概 ね14 日 で 完 了 しているが 今 回 は 長 期 にわたった た 今 回 の 地 震 被 害 は 広 域 かつ 同 時 被 害 であり かつ 津 波 による 被 害 も 同 時 に 発 生 したこともあり 緊 急 復 旧 開 始 日 数 が 従 来 よ り 要 しているのが 特 徴 である 緊 急 復 旧 工 事 開 始 から 完 了 までをみると 概 ね14 日 程 度 で 完 了 している 震 災 から 緊 急 復 旧 完 了 までに 要 した 日 数 進 捗 率 (%) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 関 東 東 北 過 去 の 地 震 における 緊 急 復 旧 に 要 した 日 数 地 震 名 表 1 過 去 の 地 震 時 の 緊 急 復 旧 に 要 した 日 数 対 象 河 川 名 被 害 総 延 長 (m) 被 災 日 から 復 旧 までの 概 ねの 日 数 北 海 道 南 西 沖 地 震 (H5.7.12) 後 志 利 別 川 尻 別 川 8,915 9~10 盛 土 土 のう 工 0 7 14 21 28 35 42 49 56 63 70 77 出 典 ) 平 成 15 年 度 河 川 管 理 施 設 等 の 技 術 基 準 に 関 する 検 討 業 務 報 告 書 H16.3 ( 財 ) 国 土 開 発 技 術 研 究 センター 3/11 3/18 3/25 4/1 4/8 4/15 4/22 4/29 5/6 5/13 5/20 5/27 平 成 15 年 7 月 26 日 宮 城 県 北 部 を 震 源 とする 地 震 記 録 ( 概 要 版 ) H17.3 国 土 交 通 省 東 北 地 方 整 備 局 北 上 川 下 流 河 川 事 務 所 震 災 日 から 完 了 までの 日 数 ( 日 ) 地 震 発 生 から 復 旧 まで( 信 濃 川 河 川 事 務 所 )H17.10 新 潟 県 中 越 地 震 における 信 濃 川 河 川 事 務 所 管 内 の 被 害 状 況 と 復 旧 方 針 ( 信 濃 川 河 川 事 務 所 )H17.6 主 な 工 法 兵 庫 県 南 部 地 震 (H7.1.17) 淀 川 猪 名 川 派 川 藻 川 2,900 9~14 盛 土 土 のう 工 シート 張 り 宮 城 県 北 部 地 震 (H15.7.26) 鳴 瀬 川 吉 田 川 7,127 5~28 盛 土 および 連 節 フ ロック 張 り 新 潟 県 中 越 地 震 (H16.10.23) 信 濃 川 10,936 2~14 盛 土 土 のう 工 シート 張 り ) 累 計 復 旧 延 長 (m) 9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 関 東 東 北 関 東 復 旧 全 体 東 北 復 旧 全 体 1,000 0 0 7 14 21 28 35 42 49 56 63 70 77 3/11 3/18 3/25 4/1 4/8 4/15 4/22 4/29 5/6 5/13 5/20 5/27 震 災 日 から 完 了 までの 日 数 ( 日 ) 緊 急 復 旧 工 事 実 施 箇 所 53 箇 所 ( 関 東 地 整 24 箇 所 + 東 北 地 整 29 箇 所 )のうち 関 東 地 整 の 水 門 被 害 1 箇 所 東 北 地 整 の 水 門 等 被 害 3 箇 所 津 波 被 害 箇 所 4 箇 所 鋼 矢 板 二 重 締 切 箇 所 7 箇 所 を 除 いた38 箇 所 ( 関 東 地 整 23 箇 所 + 東 北 地 整 15 箇 所 )について 整 理 6/12 18:00 現 在 緊 急 復 旧 を 完 了 した 箇 所 は 関 東 地 整 :8,027mすべて 完 了 東 北 地 整 :4,571mすべて 完 了 図 1 震 災 日 から 完 了 までの 日 数 と 進 捗 率 累 計 復 旧 延 長 との 関 係 (6/12 18:00 現 在 治 水 課 調 べ) 5

1-1. 参 考 資 料 緊 急 復 旧 に 要 した 期 間 資 料 4 緊 急 復 旧 の 着 手 が 遅 れた 背 景 には 被 害 が 広 域 かつ 膨 大 であることや 燃 料 資 機 材 の 不 足 等 が 考 えられる 緊 急 復 旧 工 事 開 始 後 概 ね14 日 程 度 で 完 了 していること 工 事 開 始 の 遅 れた 理 由 が 燃 料 資 機 材 の 不 足 にあることから 照 査 外 水 位 の 設 定 については 現 在 の 指 針 通 り14 日 間 で 発 生 する 水 位 とする 緊 急 復 旧 の 着 手 が 遅 れた 理 由 ( 上 位 3つ+その 他 の 主 要 因 ) 緊 急 復 旧 工 事 実 施 箇 所 の 他 関 東 地 整 における 大 規 模 な 被 災 が 発 生 した25 箇 所 を 加 えた 計 78 箇 所 ( 関 東 地 整 49 箇 所 + 東 北 地 整 29 箇 所 )のうち 14 日 以 内 で 緊 急 復 旧 を 完 了 した20 箇 所 ( 関 東 地 整 16 箇 所 東 北 地 整 4 箇 所 ) 鋼 矢 板 二 重 締 切 箇 所 8 箇 所 を 除 いた50 箇 所 ( 関 東 地 整 3 3 箇 所 + 東 北 地 整 17 箇 所 )について 整 理 関 東 地 方 整 備 局 回 答 数 1 道 路 等 の 寸 断 により 物 資 の 輸 送 ができなかった 12 2 燃 料 が 不 足 し 調 達 ができなかった 7 2 緊 急 資 材 が 不 足 し 調 達 ができなかった 7 2 重 機 が 不 足 し 調 達 ができなかった 7 その 他 (15) 被 災 箇 所 が 甚 大 であり 緊 急 復 旧 工 事 箇 所 の 選 定 に 不 測 の 時 間 を 要 した (12) 燃 料 不 足 を 伝 える 新 聞 記 事 給 油 所 の 開 店 休 業 相 次 ぐ 重 油 や 軽 油 も 逼 迫 ガソリン 価 格 高 騰 は 回 避? (2011.3.16 産 経 新 聞 ) 東 日 本 大 震 災 で 多 くの 製 油 所 が 火 災 や 操 業 停 止 に 追 い 込 まれたことでガソリンや 重 油 などの 品 薄 状 態 が 深 刻 化 し 家 計 や 企 業 の 活 動 への 影 響 が 拡 大 している ( 中 略 ) 石 油 元 売 り 各 社 は 在 庫 があっても 物 流 網 が 寸 断 されて 供 給 できない 東 日 本 大 震 災 : 製 油 所 続 々 操 業 再 開 燃 料 不 足 は 首 都 圏 緩 和 へ 被 災 地 はまだ (2011.3.24 毎 日 新 聞 ) 石 油 連 盟 によれば 燃 料 不 足 は 関 東 地 方 では 今 週 中 にほぼ 解 消 し 東 北 地 方 も 営 業 再 開 できた スタンドでの 不 足 は 今 月 中 に 解 消 する 見 通 しだ しかし 営 業 再 開 できていないスタンドも 多 く 被 災 地 に 十 分 に 行 き 渡 るにはまだ 時 間 がかかりそうだ ( 中 略 ) 業 界 団 体 の 宮 城 県 石 油 商 業 協 同 組 合 幹 部 は 油 は 東 北 に 来 るようにはなった しかし 壊 滅 的 被 害 を 受 け 再 開 が 難 しいス タンドが 県 内 全 体 の3 割 に 上 っており スタンドの 絶 対 数 が 足 りない 平 常 化 にはしばらくかかる だろう と 話 す 東 北 地 方 整 備 局 回 答 数 1 燃 料 が 不 足 し 調 達 ができなかった 5 2 緊 急 資 材 が 不 足 し 調 達 ができなかった 3 3 道 路 等 の 寸 断 により 物 資 の 輸 送 ができなかった 1 その 他 (12) 余 震 による 増 破 のため (7) 物 資 輸 送 人 命 救 助 に 必 要 な 他 の 箇 所 を 優 先 したため (1) 6

1-2. 堤 防 被 災 箇 所 についての 静 的 照 査 法 による 検 証 資 料 4 堤 防 被 災 箇 所 についての 検 証 計 算 検 証 計 算 は 耐 震 性 能 照 査 指 針 に 示 される 静 的 照 査 法 ( 静 的 解 析 ALID)に 基 づき 実 施 する 被 災 箇 所 近 傍 に 強 震 計 が 設 置 されている 箇 所 3 箇 所 を 対 象 とする ( 江 合 川 福 沼 利 根 川 下 流 小 見 川 吉 田 川 山 崎 ) 堤 体 モデルの 作 成 江 合 川 福 沼 : 被 災 後 の 土 質 調 査 によって 得 られた 結 果 を 用 いた ( 被 災 箇 所 断 面 ) 利 根 川 下 流 小 見 川 : 浸 透 に 対 する 詳 細 点 検 (26.5k)における 土 質 調 査 によって 得 られた 結 果 を 用 いた 吉 田 川 山 崎 ( 被 災 箇 所 近 傍 断 面 ) : 強 震 計 設 置 断 面 における 土 質 調 査 によって 得 られた 結 果 を 用 いた ( 被 災 箇 所 近 傍 断 面 ) 土 質 条 件 の 設 定 江 合 川 福 沼 : 被 災 箇 所 のボーリング 調 査 結 果 (N 値 Fc)をもとに 設 定 利 根 川 下 流 小 見 川 : 詳 細 点 検 時 のボーリング 調 査 結 果 (N 値 )をもとに 設 定 吉 田 川 山 崎 : 強 震 計 設 置 断 面 のボーリング 調 査 結 果 (N 値 Fc)をもとに 設 定 初 期 条 件 の 設 定 と 剛 性 低 下 地 下 水 位 の 設 定 江 合 川 福 沼 : 土 質 調 査 によって 得 られた 結 果 を 用 いて 堤 体 内 の 地 下 水 位 を 設 定 利 根 川 下 流 小 見 川 : 詳 細 点 検 時 のボーリングで 確 認 されている 孔 内 水 位 をもとに 堤 内 地 盤 高 相 当 に 設 定 堤 内 地 が 田 畑 であることからも 妥 当 と 判 断 吉 田 川 山 崎 : 堤 内 側 ボーリング 調 査 時 の 孔 内 水 位 をもとに 堤 内 地 盤 高 相 当 に 設 定 堤 内 地 が 田 畑 であることからも 妥 当 と 判 断 液 状 化 層 の 剛 性 低 下 については 解 析 プログラム 内 の 自 動 計 算 により 設 定 し 液 状 化 層 の 上 位 の 非 液 状 化 層 の 剛 性 低 下 については 非 液 状 化 層 の 下 部 に 引 張 応 力 が 発 生 しないように 試 行 錯 誤 により 設 定 した 7

1-2. 参 考 資 料 被 災 箇 所 における 堤 体 の 地 下 水 位 の 観 測 事 例 資 料 4 堤 体 の 部 分 液 状 化 が 生 じた 箇 所 においては 基 礎 地 盤 に 凹 型 に 堤 体 がめり 込 んでおり そこに 地 下 水 位 があることを 確 認 江 合 川 右 岸 26.6k+120m~26.8k+120m( 福 沼 地 区 ) 観 測 孔 による 水 位 (2011.4.29 観 測 ) 地 下 水 以 深 の 堤 体 土 ( 砂 質 土 )が 液 状 化 したと 推 察 される 阿 武 隈 川 右 岸 30.6k+34m~31.4k+160m( 枝 野 地 区 ) 観 測 孔 による 水 位 (2011.4.29 観 測 ) 8

1-2. 参 考 資 料 堤 体 内 の 地 下 水 形 成 についての 試 計 算 資 料 4 基 礎 地 盤 が 粘 性 土 堤 体 が 砂 質 土 の 場 合 における 降 雨 を 与 えた 時 の 地 下 水 位 の 変 化 について 解 析 を 実 施 した その 結 果 地 下 水 位 が 堤 体 内 を 上 昇 することを 確 認 基 礎 地 盤 が 粘 性 土 の 場 合 堤 体 内 のかなりの 高 さまで 地 下 水 面 が 達 するため 堤 体 の 部 分 液 状 化 が 生 じる 可 能 性 が 高 い 解 析 モデルの 概 要 降 雨 は(0.5mm/hr)を 与 え 浸 透 流 解 析 ( 定 常 計 算 )を 行 った 堤 体 は 砂 質 土 (k=1.0 10^-3) 基 礎 地 盤 は 粘 性 土 (k=1.0 10^-5)として 解 析 を 行 った 初 期 地 下 水 位 は 堤 内 地 盤 高 -05mで 0.5mで 与 えた 基 礎 地 盤 は 圧 密 沈 下 の 影 響 を 考 慮 して 堤 体 を 凹 型 にめりこませたモデルとした 解 析 の 結 果 基 礎 地 盤 が 粘 性 土 の 場 合 地 下 水 位 が 堤 体 内 地 盤 高 (GL)から1.39m 上 昇 した GL GL+1.39m GL-0.50m( 初 期 水 位 ) 9

1-2. 堤 防 被 災 箇 所 についての 静 的 照 査 法 による 検 証 資 料 4 検 証 1: 江 合 川 右 岸 26.6k+115m~26.8k+120m( 福 沼 )の 事 例 ( 大 規 模 被 災 基 礎 地 盤 及 び 堤 体 の 部 分 液 状 化 ) 被 災 箇 所 の 位 置 図 状 況 写 真 等 検 証 用 断 面 図 江 合 川 右 岸 26.8k 写 真 1 天 端 には 深 度 2.0m 以 上 のクラック K-NET 古 川 ( 裏 法 は 形 状 を 保 っている) 自 然 堤 防 氾 濫 平 野 緊 急 災 区 間 江 合 川 旧 河 道 自 然 堤 防 27k 新 江 合 川 26k 被 災 時 の 変 状 スケッチ 図 検 討 断 面 の 土 質 構 成 モデル 江 合 川 右 岸 26.8k 土 層 区 分 1 単 位 体 積 重 量 γ t (kn/m 3 ) 2 平 均 N 値 N As0 As1 2 原 位 置 有 効 1 上 載 荷 重 σ' v Bsc1 Ac1 Ac1 Acs Ag1 Bs2 Ac1 A1 As1 地 中 梁 基 礎 置 換 土 Ac2 As2 Ac2 Scale 0 15 30 3 変 形 係 数 E 4 初 期 ポアソン 比 ν 0 地 震 前 の 5 せん 断 剛 性 G 0 地 震 後 の 6 せん 断 剛 性 G 1 7 相 対 密 度 8 液 状 化 強 度 Bsc1 15.60 3.0-8400 0.333 3200 32 - - 下 水 15.60 2.0 5600 0.333 2100 ごとに Bsc1( 地 位 以 深 ) 62.46 要 素 自 動 計 算 26 0.11 Bs2 15.60 6.0 16800 0.333 6300 63 ー ー ー Dr (%) R L20 Bs2( 地 下 水 位 以 深 ) 15.60 6.0 36.11 16800 0.333 6300 要 素 ごとに 自 動 計 算 50 0.22 As11 19.40 9.0 52.71 25200 0.333 9500 要 素 ごとに 自 動 計 算 57 0.31 Ac1 15.40 3.0 8400 0.333 3200 3200 ー ー ー As0 19.40 3.0 8400 0.333 3200 動 計 算 70.26 要 素 ごとに 自 31 0.17 As12 19.40 5.0 88.06 14000 0.333 5300 要 素 ごとに 自 動 計 算 37 0.20 Acs 19.40 9.0 111.66 25200 0.333 9500 要 素 ごとに 自 動 計 算 47 0.30 Ag1 20.00 31.0 131.54 8400 0.333 3200 要 素 ごとに 自 動 計 算 82 0.49 Ac2 15.40 4.0 ー 11200 0.333 4200 4200 ー ー As2 19.60 10.0 162.79 28000 0.333 10500 動 計 算 要 素 ごとに 自 44 0.20 1 既 存 調 査 結 果 を 基 に 設 定 した 2 既 存 調 査 結 果 を 基 に 設 定 した 3 E=2800Nを 基 に 設 定 した 4 地 震 前 のポアソン 比 は 一 律 0.333とした 5 G 0=E/{2(1+ν)}を 基 に 設 定 した 6 液 状 化 層 より 上 部 の 非 液 状 化 層 については 引 張 応 力 が 発 生 しないような 値 を 試 行 錯 誤 により 設 定 した 6 液 状 化 層 は FL RL20の 関 係 から プログラム 内 で 液 状 化 層 の 全 ての 要 素 に 対 して 自 動 的 に 計 算 した 7 21{N 100/(σ' v+70)} 0.5 (Meyerhofの 式 )を 用 いて 設 定 した 8 N 値 Fcおよび 上 載 荷 重 から 求 めたRLの 層 毎 の 平 均 値 とした 地 下 水 位 : 被 災 後 の 調 査 ボーリング 孔 で 確 認 された 水 位 をもとに 設 定 した なお 川 表 のり 尻 付 近 の 水 位 は 確 認 されていないが 計 算 上 は 地 表 付 近 にあるものと 仮 定 した 液 状 化 層 : 地 下 水 位 以 下 の 堤 体 土 (Bsc1 Bs2)および 沖 積 砂 質 土 層 (As0 層 As1 層 )とした 10

1-2. 堤 防 被 災 箇 所 についての 静 的 照 査 法 による 検 証 資 料 4 検 証 1: 江 合 川 右 岸 26.6k+115m~26.8k+120m( 福 沼 )の 事 例 ( 大 規 模 被 災 基 礎 地 盤 及 び 堤 体 の 部 分 液 状 化 ) 近 傍 のK-Net 観 測 所 ( 古 川 )で 観 測 された 最 大 加 速 度 586galと 400galの2 種 類 の 外 力 にて 沈 下 計 算 を 実 施 被 災 断 面 と 計 算 結 果 との 比 較 をしたところ どちらもほぼ 同 様 の 結 果 が 得 られた 堤 体 の 部 分 液 状 化 による 堤 防 被 災 についても 現 行 指 針 に 準 じた 変 形 解 析 で 概 ね 再 現 できた 計 算 結 果 ( 地 表 面 最 大 水 平 加 速 度 =400galの 場 合 ) 変 形 図 3.13m 節 点 1 節 点 2 節 点 3 成 分 水 平 2.09 1.98 1.80 1.96 鉛 直 1.09 1.27 0.65 1.00 1.11m 変 位 量 (δd+δu)(m) 節 点 1 節 点 2 節 点 3 平 均 計 算 結 果 ( 地 表 面 最 大 水 平 加 速 度 =586galの 場 合 ) 変 形 図 節 点 1 節 点 2 節 点 3 成 分 3.22m 1.18m 変 位 量 (δd+δu)(m) 節 点 1 節 点 2 節 点 3 平 均 水 平 2.19 2.11 1.95 2.08 鉛 直 1.17 1.38 0.69 1.08 20 0.062 20 0.062 63.295 FL 値 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 63.295 FL 値 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 20.062 20.062 63.295 63.295 堤 防 断 面 図 ( 被 災 前 後 比 較 ) 堤 防 断 面 図 ( 被 災 前 後 比 較 ) 25 25 標 高 (m) 20 標 高 (m) 20 地 表 面 形 状 被 災 断 面 地 表 面 形 状 被 災 断 面 Case1 Case4 15 15-45 -40-35 -30-25 -20-15 -10-5 0 5 10 15 20 25 30 35-45 -40-35 -30-25 -20-15 -10-5 0 5 10 15 20 25 30 35 変 位 量 の 比 較 ( 被 災 実 測 値 と 計 算 値 の 比 較 ) 実 測 値 計 算 値 天 端 沈 下 量 (m) 川 表 法 尻 側 方 変 位 量 (m) 0.71 4.76 400gal 1.00 3.13 586gal 1.08 3.22 注 ) 天 端 沈 下 量 の 実 測 値 は 天 端 部 の 沈 下 土 量 を 天 端 幅 で 除 して 求 めた 11

1-2. 堤 防 被 災 箇 所 についての 静 的 照 査 法 による 検 証 資 料 4 検 証 2: 利 根 川 下 流 右 岸 27k+80m~27k+150m( 小 見 川 )の 事 例 ( 中 規 模 被 災 ) 被 災 箇 所 の 位 置 図 状 況 写 真 等 検 証 用 断 面 図 検 討 断 面 の 土 質 構 成 モデル AsF Bc As Ac2 Bs Ac1 As 国 総 研 小 見 川 Ac3 Scale 小 見 川 2 0 15 30 土 層 区 分 1 単 位 体 積 重 量 γ t (kn/m 3 ) 2 平 均 N 値 N 2 原 位 置 有 効 1 上 載 荷 重 σ' v 被 災 時 の 変 状 スケッチ 図 Bs 19.00 7.0 ー 19600 0.333 7400 370 - - 3 変 形 係 数 E 4 初 期 ポアソン 比 ν 0 地 震 前 の 5 せん 断 剛 性 G 0 地 震 後 の 6 せん 断 剛 性 G 1 7 相 対 密 度 Dr (%) 8 液 状 化 強 度 R L20 Bs( 地 下 水 以 深 ) 19.00 7.0 30.00 19600 0.333 7400 要 素 ごとに 自 動 計 算 56.0 0.23 Bc 18.00 1.0 2800 0.333 1100 55 ー ー ー HWL YP=3.772 1:4.2 As 18.00 4.0 50.0 11200 0.333 4200 要 素 ごとに 自 動 計 算 38.0 0.16 Ac 17.00 1.0 ー 2800 0.333 1100 1100 ー ー 自 転 車 道 国 道 356 号 1 既 存 調 査 結 果 を 基 に 設 定 した 沈 下 量 1.2m 堤 防 陥 没 3m 1:1.8 市 道 2 既 存 調 査 結 果 の 平 均 値 を 用 いた 3 E=2800Nを 基 に 設 定 した 4 地 震 前 のポアソン 比 は 一 律 0.333とした 5 G 0=E/{2(1+ν)}を 基 に 設 定 した 6 液 状 化 層 より 上 部 の 非 液 状 化 層 については 引 張 応 力 が 発 生 しないような 値 を 試 行 錯 誤 により 設 定 した 6 堤 体 内 水 位 がある 場 合 には 無 い 場 合 と 同 程 度 の 値 (1/20)を 採 用 した 6 液 状 化 層 は F L R L20の 関 係 から プログラム 内 で 液 状 化 層 の 全 ての 要 素 に 対 して 自 動 的 に 計 算 した 7 21{N 100/(σ' v+70)} 0.5 (Meyerhofの 式 )を 用 いて 設 定 した 8 N 値 Fcおよび 上 載 荷 重 から 求 めたRLの 層 毎 の 平 均 値 とした なお As 層 はFc<10と 仮 定 した 地 下 水 位 :のり 尻 付 近 にあるものと 仮 定 した 液 状 化 層 : YP-5m 以 浅 に 分 布 する 沖 積 砂 質 土 層 (As 層 )とした 12

1-2. 堤 防 被 災 箇 所 についての 静 的 照 査 法 による 検 証 資 料 4 検 証 2: 利 根 川 下 流 右 岸 27k+80m~27k+150m( 小 見 川 )の 事 例 ( 中 規 模 被 災 ) 近 傍 の 国 総 研 観 測 所 ( 小 見 川 )で 観 測 された 最 大 加 速 度 188galを 用 いて 沈 下 計 算 を 実 施 被 災 断 面 と 計 算 結 果 との 比 較 をしたところ ほぼ 同 様 の 結 果 が 得 られた 計 算 結 果 ( 地 表 面 最 大 水 平 加 速 度 =188gal) 変 位 量 (δd+δu)(m) 変 形 図 変 位 量 の 比 較 ( 被 災 実 測 値 と 計 算 値 の 比 較 ) 成 分 節 点 1 節 点 2 節 点 3 平 均 水 平 0.54 0.09 1.31 0.65 鉛 直 1.93 1.53 0.43 1.30 節 点 1 節 点 2 節 点 3 1.99m 1.46m 16.181 変 位 スケール 300(cm) 天 端 沈 下 量 (m) 川 表 法 尻 側 方 変 位 量 (m) 実 測 値 1.20 計 算 値 1.30 1.99 注 ) 天 端 沈 下 量 の 実 測 値 は 天 端 部 の 沈 下 土 量 を 天 端 幅 で 除 して 求 めた 69.695 FL 値 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 16.181 69.695 堤 防 断 面 図 ( 被 災 前 後 比 較 ) 8 地 表 面 形 状 被 災 断 面 Case1 標 高 (m) 6 4 2-30 -25-20 -15-10 -5 0 5 10 15 20 25 30 35 40 13

1-2. 堤 防 被 災 箇 所 についての 静 的 照 査 法 による 検 証 資 料 4 検 証 3: 吉 田 川 左 岸 14.6k+70m~14.8k+20m( 大 崎 市 鹿 島 台 )の 事 例 ( 中 規 模 被 災 ) 被 災 箇 所 の 位 置 図 状 況 写 真 等 検 証 用 断 面 図 L14.6 L14.8 写 真 3 亀 裂 写 真 4 写 真 1 L15.0 写 真 2 亀 裂 はらみだし 写 真 4 凡 例 起 点 (14.6k+70m) 緊 急 災 区 間 終 点 (14.8k+20m) 噴 砂 亀 裂 はらみだし トレンチ 試 料 採 取 既 往 Bor 既 往 SW 検 討 断 面 の 土 質 構 成 モデル 吉 田 川 吉 田 川 被 災 箇 所 Bs Ac1 As Ac2 東 北 地 方 太 平 洋 沿 岸 地 震 : 堤 防 護 岸 氾 濫 状 況 踏 査 報 告 (その2): 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所,H23.3.14 国 総 研 山 崎 土 層 区 分 1 単 位 体 積 重 量 γ t (kn/m 3 ) 2 平 均 N 値 N 2 原 位 置 有 効 1 上 載 荷 重 σ' v 3 変 形 係 数 E Scale m 0 15 30 4 初 期 ポアソン 比 ν 0 地 震 前 の 5 せん 断 剛 性 G 0 地 震 後 の 6 せん 断 剛 性 G 1 7 相 対 密 度 Dr (%) 8 液 状 化 強 度 R L20 被 災 時 の 変 状 スケッチ 図 Bs 18.00 3.0-8400 0.333 3200 320 - - Ac1 16.00 1.0-2800 0.333 1100 110 - - As 18.00 6.0 44.00 16800 0.333 6300 要 素 ごとに 自 動 計 算 48 0.24 凡 例 Ac2 16.00 1.0-2800 0.333 1100 1100 - - Ap 16.00 3.0-8400 0.333 3200 3200 - - 被 災 前 断 面 被 災 後 断 面 水 位 推 定 ライン H=1.5m BR 20.00 50.0 ー 140000 0.333 52500 52500 ー ー 1 一 般 的 な 値 を 用 いた 2 既 存 調 査 結 果 を 基 に 設 定 した Bs 層 はN=3と 仮 定 した 3 E=2800Nを 基 に 設 定 した 4 地 震 前 のポアソン 比 は 一 律 0.333とした 5 G 0=E/{2(1+ν)}を 基 に 設 定 した 6 液 状 化 層 より 上 部 の 非 液 状 化 層 については 引 張 応 力 が 発 生 しないような 値 を 試 行 錯 誤 により 設 定 した 6 液 状 化 層 は F L R L20の 関 係 から プログラム 内 で 液 状 化 層 の 全 ての 要 素 に 対 して 自 動 的 に 計 算 した 7 21{N 100/(σ' v+70)} 0.5 (Meyerhofの 式 )を 用 いて 設 定 した 8 N 値 Fcおよび 上 載 荷 重 から 求 めたRLの 層 毎 の 平 均 値 とした 地 下 水 位 : 柱 状 図 を 参 考 にAc1 層 上 面 に 設 定 した 液 状 化 層 : 沖 積 砂 質 土 層 (As 層 )とし 既 往 の 調 査 結 果 に 基 づき N 値 は5 細 粒 分 含 有 率 26%と 設 定 した 14

1-2. 堤 防 被 災 箇 所 についての 静 的 照 査 法 による 検 証 資 料 4 検 証 3: 吉 田 川 左 岸 14.6k+70m~14.8k+20m( 大 崎 市 鹿 島 台 )の 事 例 ( 中 規 模 被 災 ) 近 傍 の 国 総 研 観 測 所 ( 山 崎 )で 観 測 された 最 大 加 速 度 440galを 用 いて 沈 下 計 算 を 実 施 被 災 断 面 と 計 算 結 果 との 比 較 をしたところ ほぼ 同 様 の 結 果 が 得 られた 計 算 結 果 ( 地 表 面 最 大 水 平 加 速 度 =440gal) 変 位 量 (δd+δu)(m) 成 分 節 点 1 節 点 2 節 点 3 平 均 変 形 図 変 位 量 の 比 較 ( 被 災 実 測 値 と 計 算 値 の 比 較 ) 水 平 0.14 0.16 0.17 0.16 20.868 鉛 直 2.04 2.12 2.11 2.09 節 点 1 節 点 2 節 点 3 208m 2.08m 2.33m 天 端 沈 下 量 (m) 川 裏 法 尻 側 方 変 位 量 (m) 実 測 値 1.50 計 算 値 2.09 2.33 注 ) 天 端 沈 下 量 の 実 測 値 は 天 端 部 の 沈 下 土 量 を 天 端 幅 で 除 して 求 めた FL 値 86.462 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 20.868 86.462 堤 防 断 面 図 ( 被 災 前 後 比 較 ) 14 地 表 面 形 状 被 災 断 面 Case1 12 10 標 高 (m) 8 6 4 2 0-30 -20-10 0 10 20 30 40 15

1-3. 地 震 の 発 生 により 生 じる 津 波 や 地 盤 沈 降 の 取 扱 いについて 資 料 4 地 震 の 発 生 により 生 じる 津 波 の 取 扱 いについて 河 口 部 付 近 では 平 常 時 の 最 高 水 位 として 波 浪 の 影 響 を 考 慮 しない 水 位 ( 自 己 流 ) と 波 浪 の 影 響 を 考 慮 した 水 位 のうち 高 い 方 をとるが 津 波 の 遡 上 が 予 想 される 場 合 には 津 波 高 についても 考 慮 している 河 口 部 付 近 において 津 波 によって 照 査 外 水 位 が 決 定 しているものは 約 74%を 占 める 河 口 部 付 近 における 照 査 外 水 位 の 決 定 要 因 ( 津 波 波 浪 ) 全 国 関 東 東 北 北 海 道 209.64 25% 620.07 75% 津 波 波 浪 北 陸 中 部 近 畿 中 国 四 国 九 州 津 波 波 浪 単 位 (km) 0 50 100 150 200 単 位 (km) レベル2 照 査 対 象 区 間 の 内 照 査 外 水 位 が 津 波 波 浪 で 決 定 されているものを 抽 出 し それらを 母 数 として 集 計 した 関 東 東 北 北 海 道 97.4 85.3 90.8 北 陸 92.99 中 部 99.9 津 波 近 畿 92.3 波 浪 中 国 74.8 四 国 100.0 九 州 20.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% 単 位 (km) 16

1-3. 地 震 の 発 生 により 生 じる 津 波 や 地 盤 沈 降 の 取 扱 いについて 資 料 4 東 北 地 方 整 備 局 では 津 波 河 道 内 遡 上 計 算 を 行 い 照 査 外 水 位 を 設 定 している 対 象 外 力 は 宮 城 県 沖 地 震 やチリ 津 波 等 より 危 険 側 を 設 定 現 在 土 木 学 会 において 海 岸 保 全 施 設 の 設 計 で 用 いる 津 波 の 高 さとして 数 十 年 から 百 数 十 年 に1 度 の 津 波 ( 津 波 レベル1 ( 仮 称 ))を 対 象 とすることが 議 論 されている 今 後 河 口 部 付 近 における 照 査 外 水 位 の 設 定 にあたっては 上 記 議 論 を 踏 まえるものとする 鳴 瀬 川 最 高 水 位 分 布 図 (1960 年 チリ 津 波 ) 旧 北 上 川 最 高 水 位 分 布 図 (1960 年 チリ 津 波 ) 阿 武 隈 川 最 高 水 位 分 布 図 (1933 年 昭 和 三 陸 ) 北 上 川 最 高 水 位 分 布 図 ( 宮 城 県 沖 波 源 B 単 独 ) 名 取 川 最 高 水 位 分 布 図 ( 宮 城 県 沖 波 源 B 単 独 ) 出 典 ) 平 成 15 年 度 北 上 川 鳴 瀬 川 津 波 解 析 検 討 業 務 報 告 書 平 成 16 年 3 月 平 成 16 年 度 阿 武 隈 川 名 取 川 及 び 直 轄 海 岸 津 波 解 析 検 討 業 務 報 告 書 平 成 17 年 3 月 17

1-3. 地 震 の 発 生 により 生 じる 津 波 や 地 盤 沈 降 の 取 扱 いについて 資 料 4 地 震 の 発 生 により 生 じる 地 盤 沈 降 の 取 扱 いについて 現 在 照 査 外 水 位 の 設 定 にあたっては 地 盤 沈 下 等 を 考 慮 していないが 地 震 に 伴 う 沈 降 ( 地 殻 変 動 による 沈 下 )によって 河 口 部 付 近 の 堤 防 の 照 査 外 水 位 は 相 対 的 に 上 昇 する 耐 震 照 査 に 際 して 地 盤 沈 降 を 考 慮 するかどうかについては 土 木 学 会 等 の 動 向 を 踏 まえるものとする 1) 地 震 に 伴 う 沈 降 ( 地 殻 変 動 による 沈 下 )が 外 水 位 に 与 える 2) 地 震 に 伴 う 沈 降 ( 地 殻 変 動 による 沈 下 )が 外 水 位 に 与 える 影 響 が 少 ない 区 間 影 響 が 大 きい 区 間 河 口 より 上 流 で 波 浪 や 津 波 遡 上 の 影 響 が 少 ない 部 分 については 堤 防 堤 内 地 と 共 に 外 水 位 も 沈 下 する 堤 防 堤 内 地 高 さと 外 水 位 の 相 対 高 さは 変 わらない 従 来 通 りの 沈 下 量 の 設 定 方 法 でよいと 考 える 河 口 部 付 近 で 波 浪 や 津 波 遡 上 の 影 響 が 大 きい 部 分 につ いては 堤 防 堤 内 地 が 沈 下 するものの 外 水 位 は 変 化 し ない 堤 防 堤 内 地 が 沈 降 するため 外 水 位 の 相 対 高 さ が 増 加 する( 見 かけ 上 外 水 位 が 上 がる) 新 たに 地 震 に 伴 う 沈 降 を 考 慮 した 設 定 が 必 要 か? 外 水 位 は 変 化 しない 堤 内 地 堤 防 堤 内 地 堤 防 土 層 土 層 : 沈 下 前 18

2. 耐 震 点 検 対 策 の 進 捗 と 費 用 について 資 料 4 河 口 部 における 河 川 堤 防 のレベル2 耐 震 点 検 実 施 状 況 照 査 対 象 延 長 (1570.84km): 照 査 完 了 は 830.72km(53%) 照 査 未 了 は 740.12km(47%) 照 査 対 象 延 長 の 内 河 口 部 の 延 長 (829.71km): 照 査 完 了 は 385.04km(46%) 照 査 未 了 は 444.67km(54%) 照 査 対 象 延 長 全 体 の 場 合 河 口 部 の 照 査 対 象 延 長 の 場 合 全 国 全 国 1 1 79 5% 2 61 7% 2 752 48% 740 47% 3 324 39% 445 54% 3 延 長 (km) 延 長 (km) 凡 例 1: 照 査 未 了 延 長 2: 照 査 済 延 長 のうち 対 策 不 要 延 長 3: 照 査 済 延 長 のうち 要 対 策 延 長 照 査 対 象 延 長 : 堤 内 地 盤 高 が 照 査 外 水 位 より 低 い 区 間 照 査 外 水 位 : 平 常 時 の 最 高 水 位 河 口 部 付 近 では 朔 望 平 均 満 潮 水 位 及 び 波 浪 の 影 響 を 考 慮 地 震 時 の 津 波 遡 上 が 予 想 される 場 合 には 津 波 高 を 考 慮 平 成 23 年 5 月 7 日 時 点 河 川 局 治 水 課 調 べ 19

2. 耐 震 点 検 対 策 の 進 捗 と 費 用 について 資 料 4 堤 防 の 耐 震 対 策 は 沈 下 を 完 全 に 抑 制 できないものの 一 定 の 沈 下 低 減 効 果 が 見 込 める( 動 的 遠 心 模 型 実 験 の 結 果 より) 対 策 工 間 の 間 隔 が 狭 いほど 沈 下 抑 制 効 果 が 高 くなり 堤 防 直 下 の 場 合 最 も 効 果 が 高 くなるがコストが 大 きくなる (SCPを 例 に 動 的 解 析 手 法 を 用 いて 試 算 した 事 例 より) 既 設 堤 防 に 対 する 耐 震 対 策 では 堤 防 直 下 を 改 良 することは 難 しく 法 尻 付 近 の 片 側 ( 一 部 両 側 )で 実 施 される 事 例 が 多 い レベル2 耐 震 点 検 ( 耐 震 照 査 )のコストは 調 査 解 析 を 含 め 約 150 万 円 レベル2 耐 震 対 策 工 のコストは 机 上 検 討 で1m 当 たり 約 100~500 万 円 動 的 遠 心 模 型 実 験 による 堤 防 沈 下 抑 制 効 果 の 検 証 締 固 め 工 法 による 対 策 ) 動 的 解 析 手 法 を 用 いた 対 策 効 果 分 析 SCP6m+SCP6m SCP SCP 6m 22.7m 6m 対 策 効 果 小 コスト 施 工 性 大 普 通 SCP6m+SCP6m( 離 隔 15m) SCP 6m 15m SCP 6m SCP6m+SCP6m( 離 隔 7.5m) SCP SCP 6m 7.5m 6m 固 結 工 法 による 対 策 ) SCP12m SCP 12m 大 極 大 困 難 未 対 策 の 河 川 堤 防 ) 離 隔 距 離 (m) 0 5 10 15 20 25 30 0.0 0.5 出 典 ) 第 9 回 堤 防 委 員 会 資 料 河 川 堤 防 の 液 状 化 対 策 工 法 の 設 計 等 について 平 成 22 年 12 月 独 立 行 政 法 人 土 木 研 究 所 堤 防 天 端 沈 下 量 m) 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 木 曽 川 左 岸 4k000 SCP6m 両 側 改 良 ( 無 対 策 時 沈 下 量 :2.0m) 出 典 ) 木 曽 三 川 下 流 部 河 川 堤 防 地 震 対 策 工 ガイドライン( 案 ) 平 成 20 年 3 月 ( 財 ) 国 土 技 術 研 究 センター レベル2 耐 震 対 策 工 におけるコスト( 机 上 検 討 例 ) 対 策 工 延 長 1m 当 たりのコスト 締 め 固 め 鋼 矢 板 固 結 工 法 など 約 100~500 万 円 /m ) 両 法 面 を 対 策 とした 場 合 の 概 略 工 事 費 より 算 定 ) 現 場 の 条 件 に 応 じて コストには 開 きがある 20

3. まとめ 資 料 4 耐 震 性 能 の 照 査 の 基 本 ( 照 査 において 考 慮 する 外 水 位 の 問 題 ) 耐 震 照 査 における 照 査 外 水 位 は 堤 防 の 地 震 後 の 緊 急 復 旧 が 概 ね14 日 間 で 完 了 している 事 を 考 慮 し て14 日 間 に 発 生 する 確 率 が1/10 の 水 位 としている また 津 波 の 遡 上 が 予 想 される 場 合 には 津 波 高 についても 考 慮 することとしている 今 回 の 地 震 においては 震 後 緊 急 復 旧 完 了 までの 期 間 は14 日 を 大 幅 に 上 回 っているが 工 事 開 始 後 は 概 ね14 日 で 緊 急 復 旧 を 完 了 している 工 事 開 始 が 遅 れた 理 由 としては 燃 料 不 足 や 資 機 材 の 不 足 に よるものである 従 って 照 査 外 水 位 の 設 定 については 現 在 の 指 針 通 り14 日 間 で 発 生 する 水 位 とする また 津 波 や 地 盤 沈 降 については 土 木 学 会 等 の 動 向 を 踏 まえるものとする なお 緊 急 復 旧 の 工 事 開 始 が 迅 速 円 滑 に 行 えるよう 復 旧 シミュレーションや 資 機 材 の 備 蓄 等 の ソフト 的 対 応 策 の 充 実 を 図 る 耐 震 性 能 の 照 査 方 法 の 妥 当 性 堤 体 の 部 分 液 状 化 に 対 する 照 査 方 法 現 行 の 耐 震 性 能 照 査 方 法 では 長 時 間 に 及 ぶ 地 震 動 の 継 続 時 間 や 堤 体 の 部 分 液 状 化 につい ては 厳 密 には 考 慮 されていない 被 災 箇 所 に 強 震 計 が 設 置 されている3 箇 所 ( 江 合 川 福 沼 利 根 川 下 流 小 見 川 吉 田 川 山 崎 )を 対 象 と して 静 的 解 析 による 沈 下 計 算 を 行 った 結 果 実 沈 下 量 とほぼ 同 等 もしくは 解 析 の 沈 下 量 がやや 大 きい 安 全 側 の 結 果 を 得 た 従 って わずかな 検 証 事 例 からの 誘 導 ではあるが 緊 急 的 に 実 施 する 必 要 がある 河 川 堤 防 の 耐 震 性 照 査 は 当 面 現 在 の 指 針 を 準 用 しても 対 策 必 要 区 間 の 見 落 としは 少 ない( 安 全 側 の 照 査 となってい る)ものと 考 える なお 地 震 動 の 継 続 時 間 が 液 状 化 に 及 ぼす 影 響 堤 体 内 の 部 分 液 状 化 に 係 る 地 下 水 位 の 設 定 手 法 や 液 状 化 層 の 剛 性 低 下 等 については 学 会 等 の 研 究 動 向 を 踏 まえ 引 き 続 き 検 討 すべき 事 項 と 考 える 21

3. まとめ 参 考 資 料 資 料 4 実 測 計 算 地 表 面 最 大 河 川 名 地 先 名 実 沈 下 量 計 算 沈 下 量 液 状 化 層 の 液 状 化 層 の 水 平 加 速 度 (m) (m) RL 値 の 範 囲 FL 値 の 範 囲 (gal: 観 測 記 録 ) 江 合 川 福 沼 586 0.71 1.08 0.11~0.32 0.27~0.57 利 根 川 下 流 小 見 川 188 120 1.20 130 1.30 0.16~0.23 0 0.32~0.66 0 吉 田 川 山 崎 440 1.50 2.09 0.24 0.22~0.50 せん 断 剛 性 比 図 2 逆 解 析 断 面 における 実 沈 下 量 と 計 算 値 の 比 較 繰 返 しねじりせん 断 試 験 の 結 果 では FL 0. 8のデータしか 得 られておらず データを 得 る ための 試 験 法 も 確 立 されていない FL0.4~0.7の 範 囲 については 1995 兵 庫 県 南 部 地 震 や 1994 北 海 道 南 西 沖 地 震 などで 沈 下 した 河 川 堤 防 を 逆 解 析 することによって せ ん 断 剛 性 の 推 定 を 行 っており これによってせ てせ ん 断 剛 性 比 とFL RLの 関 係 が 得 られている ( 図 1 参 照 ) 上 記 の 関 係 に 基 づいてALIDで 逆 解 析 断 面 の 検 証 計 算 を 行 った 結 果 RL0.15~0.20の 範 囲 の 断 面 は 実 沈 下 量 と 差 異 が 見 られた ( 計 算 沈 下 量 実 沈 下 量 で 安 全 側 )( 図 2 参 照 ) 指 針 は 図 1に 基 づき 剛 性 低 下 を 判 定 している 今 回 の 計 算 では RLが0.11~0.32 FLが0.27 ~0.57の 範 囲 で 図 1に 基 づき 剛 性 低 下 を 判 断 しており 実 沈 下 量 と 計 算 値 に 差 異 を 生 じる 可 能 性 があるが 安 全 側 の 照 査 結 果 になってい ると 考 えられる 図 1 せん 断 剛 性 比 とFL RLの 関 係 出 典 ) 河 川 堤 防 の 地 震 被 害 事 例 に 基 づく 液 状 化 地 盤 の 剛 性 に 関 する 検 討 2005 日 本 地 震 工 学 会 大 会 22