平 成 25 年 度 大 学 連 携 による 新 たな 教 育 プログラム 開 発 実 施 事 業 ( 広 島 県 補 助 事 業 ) 国 際 経 営 を 理 解 する 人 材 の 育 成 と 備 後 企 業 の 取 り 組 み 10 月 19 日 から 11 月 2 日 までに 第 3 回 から 第 8 回 までの 講 義 を 実 施 してまいりました その 内 容 についてご 報 告 致 します 第 3 回 は 国 際 経 営 の 組 織 というテーマで 梅 野 巨 利 兵 庫 県 立 大 学 教 授 から 国 際 経 営 の 組 織 の 基 礎 知 識 国 際 化 と 組 織 構 造 の 変 化 組 織 文 化 の 浸 透 と 変 革 について 説 明 が 行 わ れました グローバル 経 営 と 組 織 文 化 に 関 しては 各 国 の 分 散 経 営 を 取 りまとめる 精 神 的 支 柱 となっているため 世 界 的 な 多 国 籍 企 業 は みな 強 い 組 織 文 化 企 業 理 念 をもち 浸 透 を 図 っていること また 企 業 理 念 にコミットすることでトラブル 発 生 時 に 被 害 拡 大 防 止 が 可 能 であった 企 業 例 に 関 する 説 明 が 行 われました 国 際 経 営 の 組 織 について 説 明 される 梅 野 巨 利 兵 庫 県 立 大 学 教 授 第 4 回 は( 株 )シギヤ 精 機 製 作 所 の 高 橋 宗 信 次 長 より 企 業 説 明 ならびに SHIGIYA のも のづくり に 関 する 説 明 が 行 われました 同 社 が 海 外 では 生 産 をしていないことの 理 由 として 現 地 の 素 材 が 良 くないこと また 技 術 の 流 出 を 懸 念 しているからという 説 明 が 行 われました 同 社 の 製 品 が 1/1000 の 精 度 で 円 筒 を 研 削 する 研 削 機 であること 円 建 て なので 為 替 レート 変 化 を 受 けないこと タイでは 日 本 人 1 名 に 対 して 現 地 雇 用 4 名 のル ールがあるので 現 在 日 本 人 2 名 タイ 人 8 名 合 計 10 名 で 営 業 していること またタ 1 / 7
イでは 資 本 規 制 があるから シギヤ 49% タイ 51%の 合 弁 企 業 であること その 他 に 中 国 での 商 習 慣 についての 説 明 も 行 われました グローバル 人 材 対 策 として 海 外 出 張 社 内 英 会 話 留 学 生 受 け 入 れ 積 極 的 最 後 まで 自 分 で 判 断 指 示 できる 人 材 を 育 成 している 日 本 製 品 は 高 価 格 高 品 質 であるが ボリュームゾーンをターゲットとして 安 くて 良 いものを 製 造 することが 目 標 である ( 株 )シギヤ 精 機 製 作 所 高 橋 宗 信 次 長 第 5 回 は グローバルマーケティング 新 興 国 市 場 を 開 拓 し グローバル 競 争 に 勝 ち 抜 くための 戦 略 とマーケティング というテーマで 神 戸 大 学 大 学 院 経 営 学 研 究 科 の 黄 磷 (コ ウリン) 教 授 による 講 義 がありました 講 義 は 日 本 企 業 の 戦 略 とビジネスシステム 日 本 企 業 韓 国 企 業 中 国 企 業 の 比 較 と 国 際 化 プロセスとグローバル 競 争 力 について 日 本 企 業 がいかに 世 界 で 競 争 力 を 維 持 向 上 させるのか 中 小 企 業 の 国 際 化 が 成 功 するため にはという 内 容 でした 多 岐 にわたる 内 容 のポイントは 韓 国 のサムソン 収 益 率 は 30% 対 する 日 本 の 家 電 メーカーは 1% 未 満 であること これに 対 する 理 論 的 説 明 がスマイル 曲 線 の 概 念 を 使 っ て 行 われました 東 レのように 炭 素 繊 維 素 材 のような 部 品 等 の 上 流 やユニクロのようなブ ランド 力 をもつ 下 流 は 高 い 利 益 率 であるが 組 み 立 てなどの 中 流 では 利 益 率 が 低 くなって いるということでした また 日 中 韓 の 企 業 の 意 思 決 定 の 違 いが 何 に 由 来 するのか 文 化 等 の 比 較 論 による 説 明 がありました 2 / 7
神 戸 大 学 経 営 学 部 黄 磷 教 授 第 6 回 は ハヤカワイースタンラバーとタイ 市 場 というテーマで 早 川 ゴム 株 式 会 社 の 井 垣 正 則 部 長 の 講 義 が 行 われました 生 産 品 の 説 明 防 震 防 音 素 材 等 を 生 産 する 早 川 ゴム 株 式 会 社 の 概 要 早 川 イースタンラバー 株 式 会 社 の 概 要 タイの 現 状 とアセアンでの タイの 位 置 づけ タイのダイナミックな 国 土 整 備 網 の 進 展 状 況 タイ 経 済 の 概 略 賃 金 と 購 買 力 為 替 の 関 係 耐 久 消 費 財 の 普 及 率 自 動 車 市 場 家 電 市 場 住 宅 市 場 の 動 向 タ イのゴム 生 産 状 況 についての 説 明 が 行 われました 最 後 に 同 社 では 福 山 大 学 卒 のタイ 人 女 性 が 活 躍 されていることの 紹 介 がされました 早 川 ゴム( 株 ) 伊 垣 正 則 部 長 3 / 7
第 7 回 は ものづくりの 国 際 経 営 戦 略 新 興 国 市 場 開 拓 の 戦 略 と 課 題 というテーマで 東 京 大 学 経 済 学 部 研 究 科 ものづくり 経 営 研 究 センターの 新 宅 純 二 郎 教 授 が 講 義 をされまし た 内 容 は 新 興 国 市 場 の 発 展 海 外 生 産 における 日 本 企 業 のコスト 構 造 深 層 の 現 地 化 新 興 国 市 場 向 け 製 品 戦 略 です 深 層 の 現 地 化 について 説 明 されている 東 京 大 学 新 宅 純 二 郎 教 授 自 動 車 産 業 を 中 心 として 動 向 を 整 理 検 討 した 報 告 内 容 をしていただきました 中 国 が 経 済 発 展 をすると 鉄 の 需 要 が 増 大 それには 水 が 大 量 に 必 要 となるが 中 国 は 水 不 足 なので 不 可 能 であるが 指 摘 されました そこで 将 来 的 にはブラジルで 鉄 生 産 の 可 能 性 があること 自 動 車 産 業 がバブル 崩 壊 後 に 成 長 できたのは 海 外 販 売 を 伸 ばしたからであるという 説 明 に 続 いて 新 興 国 における 日 本 車 シェアについて インドネシアは 90% タイ 70% 中 国 20% インド 50%と 高 いこと これに 対 して 家 電 業 界 では 特 に 液 晶 テレビは 買 い 替 え 需 要 が 地 デジとエコポイントで 発 生 し 2010 年 に 終 了 したが これはバブル 崩 壊 と 同 じ 現 象 であるという 説 明 がありました 企 業 の 海 外 進 出 二 大 要 因 は コスト 競 争 力 ( 生 産 性 + 賃 金 )と 為 替 レート 円 高 であるこ と 海 外 生 産 における 部 品 調 達 は 現 地 調 達 と 海 外 調 達 であるが 前 者 の 現 地 調 達 に 実 は 日 本 からの 部 品 供 給 部 分 が 相 当 にあること これを 深 層 の 現 地 化 と 呼 ぶこと 深 層 の 現 地 化 により 日 本 付 加 価 値 率 は 低 下 するが 販 売 量 増 加 により 販 売 額 は 低 下 しない 4 / 7
こと 深 層 の 現 地 化 は 日 本 に 残 る 少 数 の 事 業 と 新 たな 海 外 進 出 が 必 要 な 大 多 数 の 事 業 を ふるいにかける 作 用 を 促 すこと 海 外 展 開 は 直 接 効 果 と 間 接 効 果 があるから 積 極 的 に 海 外 展 開 を 志 向 すべきであることが 説 明 された 第 8 回 は ( 株 ) 北 川 鉄 工 所 の 海 外 展 開 について というテーマで ( 株 ) 北 川 鉄 工 所 の 石 橋 正 文 次 長 が 講 義 をされました ( 株 ) 北 川 鉄 工 所 石 橋 正 文 次 長 タイに 進 出 した 理 由 は 第 一 に 親 日 的 であること 例 えば 大 震 災 時 に 翌 日 募 金 活 動 が 行 われていた 第 二 に 仏 教 国 であり 価 値 観 共 有 が 可 能 であること 第 三 に インフラ 整 備 が 良 い 点 特 に 電 気 が 同 社 生 産 にとって 必 需 であること また 工 業 水 が 必 須 である 第 四 に 流 通 面 が 整 備 されていること 港 と 道 路 が 整 備 されている 第 五 に タイは 王 国 で 政 変 リスクが 少 ないこと 過 去 の 政 治 混 乱 は 国 王 が 収 拾 してきたこと 最 近 の 赤 シャツ と 黄 シャツの 政 治 対 立 があり 戒 厳 令 も 実 施 されたがそれほど 影 響 はなかった 労 務 費 に 関 しては 2003 年 には 日 本 との 格 差 が 1/30 2013 年 には 1/15 まで 縮 小 してい る マツダには 扇 動 者 が 外 部 から 侵 入 してロックアウトに 至 り 賃 上 げ 要 求 が 2 か 月 続 い た 労 働 組 合 は 労 使 間 の 仲 裁 者 機 能 と 労 働 者 権 利 擁 護 機 能 の 二 面 性 を 持 つが 最 初 から 日 本 式 の 親 企 業 的 労 組 にしておくべきで 従 業 員 のことを 考 えたやり 方 が 必 要 だった 原 材 料 は 日 本 からの 輸 入 であるがこれは タイでの 非 生 産 品 には 関 税 ゼロのルールを 利 用 している タイの 自 動 車 状 況 の 劇 的 変 化 について 以 前 は 中 古 のトラックしかなかった が 最 近 ではトヨタの 牙 城 でハイブリッド 車 が 走 っている 5 / 7
インタビュー 社 会 人 社 会 人 栗 濱 さん 海 外 事 業 を 展 開 してきた 会 社 を 退 職 し 今 まで 培 ってきたノウハウや 自 分 の 経 験 を 整 理 し たどってきた 道 を 確 認 するという 意 味 も 踏 まえて これまでを 振 り 返 ってみたくなり 参 加 しました そういう 面 で 自 分 は 他 の 受 講 生 の 皆 さんとは 少 し 違 ったスタンスで 受 講 し ていると 思 います 大 学 教 授 や 他 の 企 業 の 方 のお 話 学 生 や 社 会 人 の 意 見 をお 聞 きして 自 分 の 意 見 や 考 えと 照 らし 合 わせてみたりしています 個 人 の 意 見 としては また 別 の 機 会 に 希 望 者 のみ 集 めて ワークショップ 形 式 で 話 し 合 いの 場 を 設 ければ より 深 く 意 見 交 換 ができるのではないかと 思 いました 6 / 7
インタビュー 学 生 そうしんよう 福 山 大 学 経 済 学 部 国 際 経 済 学 科 宋 晨 陽 さん( 中 国 出 身 の 留 学 生 ) パンフレットにある 講 義 と 企 業 について 興 味 が 湧 きましたので 参 加 しました 実 際 に 授 業 に 出 てみると 講 義 は 説 明 が 分 かりやすく 面 白 いと 思 います 企 業 がなぜ 海 外 へ 進 出 す るか どのようにして 海 外 事 業 を 立 ち 上 げたかについてもっと 学 びたいです 私 の 将 来 の 夢 は 日 本 企 業 で 仕 事 をして 中 国 へ 出 張 するなどして 働 くことです 講 義 の テーマがグローバル 人 材 育 成 ということですから 質 問 の 時 間 には 積 極 的 に 手 をあげて 参 加 するようにしています 7 / 7