1 第 2 回 那 覇 空 港 技 術 検 討 委 員 会 資 料 3 費 用 便 益 分 析 の 手 法 平 成 20 年 10 月 24 日 内 閣 府 沖 縄 総 合 事 務 局
2 費 用 便 益 分 析 の 実 施 方 針 費 用 便 益 分 析 は 空 港 整 備 事 業 の 費 用 対 効 果 分 析 マニュアルVer.4 ( 国 土 交 通 省 航 空 局, 平 成 18 年 3 月 )の 考 えに 基 づき 配 置 案 の 比 較 検 討 のために 実 施 ( 補 足 ) 費 用 便 益 分 析 とは 費 用 便 益 分 析 とは 事 業 に 必 要 な 建 設 費 等 の 費 用 に 対 する 便 益 等 の 効 果 を 社 会 経 済 的 効 率 性 という 観 点 から 分 析 するもの 便 益 と 費 用 との 差 分 ( 純 現 在 価 値 ) 又 は 便 益 と 費 用 の 比 率 ( 費 用 便 益 比 ) 収 益 率 ( 経 済 的 内 部 収 益 率 ) を 算 出 し 事 業 の 効 率 性 を 評 価 事 業 費 事 業 費 図 費 用 便 益 分 析 のイメージ 効 果 を 貨 幣 換 算 し 事 業 費 と 比 較 効 果 ( 便 益 )
費 用 便 益 分 析 の 前 提 条 件 前 提 条 件 計 算 期 間 : 建 設 期 間 +50 年 間 基 準 年 度 : 評 価 年 度 (2008 年 度 ) 社 会 的 割 引 率 :4% 将 来 航 空 需 要 : 構 想 段 階 の 計 画 値 ( 構 想 段 階 ケース2) ( 2030 年 度 以 降 は 一 定 と 仮 定 ) 便 益 の 計 測 項 目 利 用 者 便 益 : 一 般 化 費 用 削 減 便 益 運 航 頻 度 増 加 便 益 供 給 者 便 益 : 空 港 管 理 者 の 収 益 増 加 便 益 費 用 の 計 測 項 目 建 設 費 用 地 費 維 持 改 良 再 投 資 費 残 存 価 値 の 計 測 評 価 期 間 終 了 後 に 発 生 する 純 便 益 3
4 便 益 計 測 対 象 項 目 一 般 化 費 用 削 減 便 益 (= 旅 行 輸 送 費 用 の 低 減 ) 空 港 容 量 制 約 が 緩 和 され 供 給 量 が 増 加 し 航 空 運 賃 が 低 下 することで 利 用 者 の 旅 行 費 用 が 低 減 する 効 果 運 航 頻 度 増 加 便 益 既 存 路 線 の 増 便 や 新 規 路 線 の 就 航 が 可 能 となることで 行 きた い 時 に 行 きたい 時 間 帯 の 便 が 存 在 する 効 果 機 会 損 失 の 削 減 供 給 者 便 益 ( 空 港 管 理 者 の 収 益 増 加 便 益 ) 空 港 管 理 者 の 収 支 の 変 化 分 空 港 発 着 回 数 が 増 加 することで 着 陸 料 空 港 使 用 料 等 の 収 入 増 加 が 見 込 まれる 一 方 空 港 の 運 営 費 や 維 持 修 繕 費 などの 支 出 増 加 も 見 込 まれる
5 便 益 計 測 方 法 : 一 般 化 費 用 削 減 便 益 一 般 化 費 用 削 減 便 益 需 要 潜 在 需 要 運 賃 上 昇 の 場 合 航 空 運 賃 低 下 航 空 需 要 増 加 この 関 係 を 利 用 して 溢 れた 需 要 容 量 航 空 運 賃 上 昇 航 空 需 要 減 少 溢 れた 需 要 がゼロになるまで 航 空 運 賃 が 上 昇 すると 仮 定 wihou 時 の 航 空 運 賃 の 上 昇 率 を 需 要 予 測 モデル を 用 いて 逆 算 年 マニュアルとの 整 合 Wihou 設 定 の 考 え 課 題 算 定 方 法 この 便 益 の 算 出 方 法 はマニュアルに 記 載 されていない 注 1) 航 空 運 賃 は 旅 客 が 多 い 繁 忙 期 に 高 く 設 定 されることに 着 目 し 運 賃 と 需 要 のバランスに 着 目 マニュアルの 考 えに 基 づいて 今 回 新 たに 考 え 出 した 算 定 方 法 である 溢 れた 潜 在 需 要 が 消 失 するまで 那 覇 空 港 = 本 土 空 港 間 の 路 線 の 航 空 運 賃 が 上 昇 すると 考 え る 具 体 的 には 那 覇 空 港 = 本 土 空 港 間 の 路 線 のみ 航 空 運 賃 が+5% +10% +20% +30% +50% 等 上 昇 した 場 合 について 需 要 予 測 モデルを 用 いて 感 度 分 析 を 行 い 航 空 運 賃 と 潜 在 需 要 との 関 係 を 定 量 的 に 把 握 する 注 1) 一 般 化 費 用 削 減 便 益 は 代 替 交 通 経 路 が 存 在 することを 前 提 とした 便 益 算 出 方 法 であるが 那 覇 空 港 が 離 島 県 沖 縄 の 拠 点 空 港 であるという 特 異 性 を 有 するため 代 替 交 通 経 路 の 設 定 が 難 しいことより マニュアルと 異 なる 算 出 手 法 を 用 いることとした また 離 島 県 沖 縄 の 特 異 性 を 考 慮 した 場 合 マニュアルに 基 づいた 方 法 では 代 替 交 通 経 路 の 選 択 の 現 実 性 が 低 くなるので より 現 実 性 の 高 い 方 法 としてこの 方 法 を 採 用 した なお 便 益 の 計 算 結 果 についてはマニュアルに 基 づいて 計 算 した 結 果 より 低 い 値 となっている
6 便 益 計 測 方 法 : 運 航 頻 度 増 加 便 益 運 航 頻 度 増 加 便 益 運 航 頻 度 増 加 便 益 は マニュアルに 従 って 次 式 により 計 測 する なお 運 航 頻 度 効 果 原 単 位 は マニュアルに 基 づく2004 年 度 価 格 の 原 単 位 3,461 円 に 2004~2008 年 度 のGDPデフレーター 変 化 率 (0.976)を 乗 じて2008 年 度 価 格 に 換 算 した3,378 円 を 用 いた 運 航 頻 度 の 増 加 に 係 る 便 益 = 0 Fr 1 Fr A Fr ln Fr 0 : wihouケースの 運 航 頻 度 : wihケースの 運 航 頻 度 : 運 航 頻 度 効 果 原 単 位 3,378( 円 2008 年 度 価 格 ) A 1
便 益 計 測 方 法 : 供 給 者 便 益 ( 空 港 管 理 者 の 収 益 増 加 便 益 ) 7 供 給 者 便 益 ( 空 港 管 理 者 の 収 益 増 加 便 益 ) 供 給 者 便 益 ( 空 港 管 理 者 の 収 益 増 加 便 益 )は 空 港 管 理 者 の 収 入 の 変 化 分 から 支 出 の 変 化 分 を 差 し 引 いた 額 であり 各 収 入 支 出 項 目 ごとの 金 額 はマニュアルに 従 って 計 測 する 着 陸 料 等 収 入 滑 走 路 増 設 により 航 空 機 の 着 陸 回 数 が 増 加 することで 着 陸 料 等 収 入 の 増 加 が 見 込 まれる 収 入 航 行 援 助 施 設 利 用 料 収 入 滑 走 路 増 設 により 航 空 機 の 運 航 回 数 の 増 加 長 距 離 路 線 の 運 航 回 数 が 増 加 する ことで 航 行 援 助 施 設 利 用 料 収 入 の 増 加 が 見 込 まれる 支 出 航 空 機 燃 料 税 収 入 飛 行 場 管 制 等 業 務 に 係 る 費 用 その 他 の 維 持 補 修 費 滑 走 路 増 設 により 空 港 に 発 着 する 航 空 機 が 増 加 することで 使 用 燃 料 が 増 加 し 航 空 機 燃 料 税 収 入 の 増 加 が 見 込 まれる (なお 国 際 線 については 航 空 機 燃 料 税 法 第 8 条 によ り 航 空 機 燃 料 税 が 課 されないため 計 測 対 象 外 ) 滑 走 路 増 設 により 発 着 回 数 が 増 加 した 場 合 飛 行 場 管 制 等 業 務 に 従 事 する 人 員 及 び 関 連 する 経 費 等 の 増 加 が 見 込 まれる 滑 走 路 増 設 により 維 持 補 修 すべき 滑 走 路 総 延 長 が 増 加 することや 航 空 機 の 発 着 回 数 が 増 加 すること 等 により 滑 走 路 修 繕 費 等 の 経 費 ( 管 制 業 務 気 象 等 業 務 以 外 に 関 する 維 持 補 修 費 )の 増 加 が 見 込 まれる
マニュアルに 記 載 さ れている 主 たる 効 果 項 目 ( 例 )をもとに 比 較 的 正 確 に 計 測 できる 項 目 のみを 計 測 対 象 とした 本 検 討 では 黒 抜 き の 便 益 項 目 を 対 象 と した 便 益 計 測 対 象 項 目 マニュアルで 記 載 されている 項 目 区 分 主 たる 効 果 項 目 ( 例 ) 費 用 対 効 果 分 析 で 備 考 の 取 り 扱 い 旅 行 輸 送 時 間 の 短 縮 利 用 者 旅 行 輸 送 費 用 の 低 減 一 般 化 費 用 削 減 便 益 ( 旅 客 貨 物 ) 定 時 性 の 向 上 就 航 率 の 向 上 効 果 運 航 頻 度 の 増 加 安 全 性 の 向 上 空 港 管 理 者 の 収 益 増 加 供 給 者 効 果 ターミナルビル 管 理 者 の 収 益 等 増 加 ( ) アクセス 交 通 機 関 事 業 者 の 収 益 増 加 ( ) エアラインの 収 益 増 加 ( ) 観 光 入 込 み 客 の 増 加 空 港 来 訪 者 の 増 加 地 域 企 業 雇 用 機 会 の 拡 大 住 民 効 果 地 域 所 得 の 増 大 企 業 生 産 の 増 大 法 人 税 所 得 税 土 地 関 連 税 等 の 税 収 上 昇 空 港 周 辺 の 土 地 利 用 の 促 進 空 港 跡 地 の 有 効 活 用 資 産 価 値 の 増 大 騒 音 等 の 変 化 均 衡 のとれた 国 土 形 成 への 寄 与 ( 離 島 等 の 振 興 ) 地 域 シンボルの 形 成 地 域 安 全 性 の 向 上 : 基 本 的 に 便 益 として 取 り 扱 う 項 目 ( 他 の 便 益 との 重 複 は 許 されない) : 便 益 として 取 り 扱 うことが 可 能 な 項 目 ( 比 較 的 正 確 に 計 測 できるものに 限 る 但 し 他 の 便 益 との 重 複 計 上 は 許 されない ) ( ): 原 則 として 計 測 対 象 外 とするが 事 業 の 特 性 を 踏 まえ 必 要 に 応 じて 便 益 として 取 り 扱 うこ とが 可 能 な 項 目 ( 比 較 的 正 確 に 計 測 できるものに 限 る 但 し 他 の 便 益 との 重 複 は 許 されな い ) : 定 量 的 定 性 的 に 取 り 扱 う 項 目 8
費 用 計 測 対 象 項 目 マニュアルに 示 され る 項 目 に 沿 って 事 業 費 を 工 種 別 に 割 り 振 った 費 用 項 目 詳 細 費 用 項 目 対 象 施 設 工 種 耐 用 年 数 建 設 費 用 地 費 土 木 工 事 費 建 築 工 事 費 その 他 施 設 費 護 岸 工 舗 装 工 排 水 工 50 年 15 年 40 年 上 記 以 外 1-2 仮 設 工 再 投 資 なし 上 記 以 外 2-2 - - 照 明 無 線 気 象 その 他 15 年 13 年 10 年 10 年 上 記 以 外 3-2 - - その 他 費 用 事 務 費 諸 経 費 4 設 計 調 査 再 投 資 なし 用 地 造 成 費 空 港 用 地 5イ 埋 土 再 投 資 なし 用 地 取 得 費 空 港 用 地 5ロ - - 補 償 費 滑 走 路 誘 導 路 エプロン 等 ターミナルビル ( 民 間 除 く) 庁 舎 など 無 線 照 明 気 象 施 設 など 改 良 再 投 資 が 必 要 な 資 産 分 改 良 再 投 資 が 必 要 な 資 産 分 改 良 再 投 資 が 必 要 な 資 産 分 移 転 漁 業 環 境 騒 音 対 策 1-1 2-1 3-1 5ハ 管 制 塔 漁 業 補 償 費 西 側 施 設 移 転 38 年 再 投 資 なし 再 投 資 なし 維 持 改 良 再 投 資 費 改 良 再 投 資 費 6 1-1 2-1 3-1の 改 良 再 投 資 額 運 営 費 維 持 修 繕 費 ( 維 持 補 修 費 ) 維 持 補 修 費 7 管 制 等 業 務 に 係 る 費 用 気 象 等 業 務 に 係 る 費 用 123の 維 持 修 繕 補 修 この 費 用 は 供 給 者 便 益 のマ イナス 便 益 として 計 上 9
10 費 用 便 益 分 析 の 評 価 指 標 NPV(Ne Presen Value: 純 現 在 価 値 ) NPV = B C = n = 1 (1 + r) B C NPV>0のとき 社 会 経 済 的 にみて 効 率 的 な 事 業 と 評 価 することが 可 能 CBR(Cos Benefi Raio: 費 用 便 益 比 率 ) CBR B C n = 1 = = n = 1 B C (1 + r) (1 + r) CBR>1とき 社 会 経 済 的 にみて 効 率 的 な 事 業 と 評 価 することが 可 能 EIRR(Economic Inernal Rae of Reurn: 経 済 的 内 部 収 益 率 ) n B C (1 + r = 1 0 ) = 0 EIRR>4%( 基 準 となる 社 会 的 割 引 率 )よりも 高 いときには 社 会 経 済 的 にみて 効 率 的 な 事 業 とみなすことが 可 能