サイエンスカフェ結果報告「『オスとメス』から『男と女』:性差と愛の行動学」



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サイエンスカフェ 結 果 報 告 主 催 : 特 定 非 営 利 活 動 法 人 WEBREIGO 協 力 : 淑 徳 巣 鴨 中 学 高 等 学 校 日 時 : 平 成 28 年 1 月 25 日 ( 月 )15:40~17:00 場 所 : 淑 徳 巣 鴨 中 学 高 等 学 校 6 階 ルンビニーホール テ ー マ : オスとメス から 男 と 女 : 性 差 と 愛 の 行 動 学 講 師 : 長 谷 川 壽 一 さん( 日 本 学 術 会 議 連 携 会 員 第 31 回 国 際 心 理 学 会 議 組 織 委 員 会 副 委 員 長 募 金 委 員 会 委 員 長 公 益 社 団 法 人 日 本 心 理 学 会 理 事 長 東 京 大 学 大 学 院 総 合 文 化 研 究 科 教 授 ) ファシリテーター: 宮 川 智 香 さん( 特 定 非 営 利 活 動 法 人 WEBREIGO 理 事 長 ) 参 加 人 数 :30 人 1. はじめに 恋 愛 (romantic love)はヒトだけのものなのでしょうか 長 谷 川 先 生 は 恋 愛 をするのはヒトであると 考 えています なぜならば, 恋 愛 とはとても 心 理 的 で 複 雑 なものだからです では,その 基 礎 にあるものは 何 でしょうか そ れは 性 愛 (sexual love)や 配 偶 行 動 (mating behavior)と 呼 ばれているもの です この 性 愛 や 配 偶 行 動 は 動 物 界 にも 普 遍 的 に 存 在 しています なぜなら ば, 子 孫 を 残 すことは 生 物 にとって 基 本 的 な 営 みだからです 今 回 は 配 偶, 恋 愛 の 順 に 考 えていきましょう

2. オスとメスの 違 い オスとメスは 同 じような 環 境 で 暮 らし, 同 じような 食 べ 物 を 食 べ 同 じよ うな 外 敵 にさらされているのに オスとメスには 様 々な 違 いが 見 られます 実 際 に 動 物 のオスとメスを 見 て, 違 いを 感 じてみましょう 図 1 はニュー ジーランドアシカのオスとメスです 右 手 側 がオスで 左 手 側 がメスです ニ ュージーランドアシカの 場 合,オスはメスと 比 べて 約 4 倍 も 体 重 が 重 いで す しかし チョウチンアンコウではメスの 方 がはるかに 大 きく,メスの 身 体 に くっついているのがオスです 孔 雀 もグンカンドリも 派 手 なのがオスです 図 2 インドクジャクのオス ( 出 典 ) 長 谷 川 さんご 講 演 資 料 より 図 3 インドクジャクのメス ( 出 典 ) 長 谷 川 さんご 講 演 資 料 より

これまで 見 てきたようにオスとメスには 身 体 の 大 きさや 身 体 の 形 態 ( 角 牙 歯 肉 垂 れ 筋 肉 の 量 と 脂 肪 の 量 色 彩 飾 り 羽 など), 成 長 速 度, 生 存 率 死 亡 率, 行 動 (なわばり 獲 得 求 愛 ディスプレイ 闘 争 渡 りの 時 期 出 生 地 からの 分 散 など)といった 様 々な 違 いがあります これを 性 差 と 呼 び ます 身 近 な 例 を 挙 げてみるとオスゴリラの 体 格 はメスの 2 倍 ほど 大 きい です 他 方 テナガザルではオスとメスの 体 格 差 はほとんどありません ヒトの 体 格 における 性 差 は 男 性 が 女 性 より 約 1.1~1.15 倍 大 きいとされて います この 性 差 がダーウィンの 前 に 立 ちはだかります なぜならばダーウィン の 種 の 起 源 (1859)で 彼 が 述 べた 進 化 理 論 ( 自 然 選 択 説 )では,この 性 差 を 説 明 できないからです 彼 はこの 12 年 後 に 人 間 の 由 来 と 性 淘 汰 ( 性 選 択 ) を 出 版 し, 性 差 の 説 明 を 行 います ダーウィンは 人 間 の 由 来 と 性 淘 汰 ( 性 選 択 ) の 中 で, 雄 と 雌 とで, 繁 殖 をめぐる 競 争 のあり 方 が 異 なるときには, 雄 と 雌 とに 異 なる 性 質 の 選 択 圧 がかかります( 何 が 適 応 的 かは 雄 と 雌 とで 異 なる) その 結 果 として, 雄 と 雌 とでは 異 なる 形 態 や 行 動 を 示 すようにな ると 述 べています 動 物 界 において 一 般 的 には 雄 どうしには, 配 偶 者 の 獲 得 をめぐる 強 い 競 争 が 存 在 します その 結 果, 雄 にはその 闘 争 に 有 利 な 形 質 ( 特 徴 )に 進 化 をします 対 して 雌 どうしには,それほどの 強 い 配 偶 者 獲 得 競 争 は 存 在 しません そこで, 雌 は, 配 偶 相 手 をえり 好 みします その 影 響 も あり, 雄 には 雌 に 選 ばれるように 派 手 で 装 飾 的 な 形 質 が 見 られます 動 物 界 を 広 く 見 渡 し, 雄 と 雌 の 性 質 を 観 察 すると,ダーウィンの 考 察 は 正 しいと 言 えます つまり, 雄 は 争 い 合 い, 求 愛 する 性 であり, 雌 は 選 ぶ 性 ということ ができます しかし 雌 どうしが 雄 の 獲 得 を 巡 って 競 争 する 逆 の 場 合 も 存 在 します な ぜ,このような 例 外 的 なパターンが 出 現 するのでしょうか それを 明 らかに するためには,そもそも 雄 とは 何 か, 雌 とは 何 かを 考 える 必 要 が 有 ります 雌 雄 同 体 の 動 物 がいるため, 外 性 器 では 決 まりません 染 色 体 でも 決 まりま せん なぜなら 環 境 条 件 による 性 決 定 をする 動 物 や 性 転 換 を 行 う 動 物 も 多 いからです 雄 と 雌 は 異 型 配 偶 子 によって 考 えることができます つまり 精 子 と 卵 子 です 精 子 の 特 徴 は より 小 さな 配 偶 子 であること や 栄 養 分 がないこと,

運 動 すること, 生 産 コストが 低 いこと, 大 量 生 産 が 可 能 なこと が 挙 げられます 一 方 で 卵 子 の 特 徴 は より 大 きな 配 偶 子 であること や 栄 養 分 をもっていること, 運 動 しないこと, 生 産 コストが 高 いこと 少 な い 生 産 数 であること が 挙 げられます これらの 特 徴 から 雄 は 精 子 を 余 剰 生 産 します そ の 結 果, 配 偶 市 場 におい ては 一 般 に 売 り 手 となります 雌 は 卵 子 を 少 数 しか 生 産 しないので, 配 偶 市 場 においては 一 般 に 買 い 手 となります しかし, 子 孫 の 数 を 増 やすには 配 偶 回 数 を 増 やすだけでは 十 分 ではありません 養 育 も 必 要 となります つまり, 配 偶 だけでなく, 養 育 も 同 時 に 考 慮 する 必 要 があります 受 精 卵 が 放 置 され ると 捕 食 されたり, 干 からびたりします ここで 損 失 (コスト)がより 大 きい 性 は 雌 ( 卵 子 の 生 産 コストが 雄 よりも 大 きいため)となります このため, 一 般 に 雌 による 養 育 ( 子 の 世 話 )が 進 化 することになります しかし, 受 精 した 場 所 が 雄 の 縄 張 り 内 にある 場 合 には 雄 による 養 育 もあり 得 ます 図 6 のヒ レアシシギは 性 役 割 の 逆 転 がおきます なぜならば,ヒレアシシギは 北 国 の 寒 いところに 棲 息 しているために 雌 が 自 分 で 育 てるには 限 界 があります そこで 多 くの 雄 の 元 で 産 み, 雄 に 育 ててもらった 方 が 養 育 成 果 が 高 い 可 能 性 があるため, 雌 が 熾 烈 な 競 争 をする 雌 間 競 争 の 強 さと 雄 のえり 好 みが 見 られます 一 方 で 性 差 がほとんどない 動 物 として 一 夫 一 妻 の 動 物 であるゴ マフアザラシやテナガザルが 挙 げられます 先 ほど 配 偶 者 のえり 好 み(mate choice)とありましたが, 何 に 対 するえり 好 みなのでしょうか それは 配 偶 者 の 質 (mate quality)です 配 偶 者 の 質 は 主 に 相 手 の 持 っている 資 源 (resource),つまり 今 回 の 繁 殖 がうまくいくか どうか それと 相 手 の 遺 伝 子 (gene),つまり 子 供 の 適 応 度 です アジサシは 求 愛 給 餌 (きゅうあいきゅうじ)を 行 います これは 雌 が 雄 からの 資 源 提 供 がある 場 合 には,よりよい 資 源 (エサ)を 持 ってくる 雄 を 選 ぶことを 意 味 し ます では, 雌 は 自 由 に 好 きな 雄 を 選 べるのでしょうか 答 えは NO です なぜ ならば, 配 偶 者 防 衛 (mate guard)が 行 われるからです 配 偶 者 防 衛 とは 自 分 の 見 つけた 相 手 が, 他 の 個 体 と 配 偶 しないように, 相 手 の 行 動 を 制 限 するこ とです 配 偶 者 防 衛 が 存 在 する 理 由 としては 相 手 が 自 分 以 外 の 個 体 と 配 偶 したいと 考 えるからです

3. ヒトの 配 偶 行 動 次 にヒトの 配 偶 行 動 について 見 ていきましょう ギネスブックによると 残 した 子 どもの 数 の 世 界 記 録 は 男 性 が 888 人, 女 性 が 69 人 となっています また,ヒトの 配 偶 行 動 は 狩 猟 採 集 社 会 と 農 耕 牧 畜 社 会 を 含 む 伝 統 社 会 では 違 いが 見 られます 狩 猟 採 集 社 会 においては, 男 性 の 残 す 子 の 数 の 方 が, 女 性 のそれよりも 分 散 (ばらつき)が 大 きいです 基 本 的 には 一 夫 一 妻 ですが, 一 夫 多 妻 も 許 容 されます 離 婚 も 普 通 に 行 われます 一 方 で, 農 耕 牧 畜 社 会 を 含 む 伝 統 社 会 では 一 夫 多 妻 を 許 容 する 社 会 が 非 常 に 多 いことが 特 徴 です しかし, 現 実 には 一 夫 一 妻 の 方 が 多 いと 言 われています 結 婚 という 制 度 に ついて 焦 点 を 当 てたいと 思 います レヴィ=ストロースによると 結 婚 とは 男 性 どうしが 互 いに 女 性 を 分 配 する 取 り 決 めである とされています ま た, 結 婚 は, 当 の 男 女 の 心 の 問 題 だけではなく, 家 の 存 続 と 継 承 ( 財 産, 子 ども)の 問 題,なので 複 雑 になると 言 われています つまり, 結 婚 制 度 と 恋 愛 心 理 は 別 ものであるということができます 通 文 化 的 に 見 られる 殺 人 のパターンを 見 ていきましょう 殺 人 の 頻 度 は, 男 性 男 性 > 男 性 女 性 > 女 性 男 性 > 女 性 女 性 の 順 に 高 いことが 明 ら かとなっています 男 性 間 の 殺 人 が 多 い 理 由 として, 男 性 間 の 競 争 心, 意 地 の 張 り 合 い,メンツ, 自 己 評 価 に 関 わるものが 多 いです また, 男 性 が 女 性 を 殺 すときのもっとも 多 い 理 由 は, 性 的 嫉 妬 です Buss らは 研 究 で 嫉 妬 の 性 質 の 性 差 を 明 らかにしようと 試 みました 彼 らは 被 験 者 に あなたの 大 好 きなパートナーが, 誰 か 他 の 異 性 を 好 きになり,かつ, 肉 体 関 係 を 持 ったよ うです あなたは, 以 下 の 設 定 のどちらにおいて,より 強 く 嫉 妬 (または 苦 悩 )を 感 じますか と 聞 きました 結 果 は 図 4のようになりました

80 70 60 50 40 30 20 10 0 男 性 女 性 アメリ カ 図 4 肉 体 的 な 関 係 に 嫉 妬 すると 答 えた 人 の 比 率 ( 出 典 ) 長 谷 川 さんご 講 演 資 料 より ヒトにおける 配 偶 者 防 衛 にはどのようなものがあるのでしょうか 女 性 の 割 礼 ( 女 性 の 外 部 生 殖 器 の 一 部 切 除, 縫 合 ) やベール, 纏 足, 女 性 の 行 動 範 囲 の 制 限, 世 間 からの 隔 離, 貞 節, 女 らしさなどの 概 念 などが 例 として 挙 げられます 最 後 に 性 的 魅 力 の 話 をしたいと 思 います 性 的 魅 力 は 決 して 一 つでは 測 れません 顔 の 美 しさ( 対 称 性 +アルファ),からだ( 女 性 の WHR, 男 性 の 肩 幅 ),なんらかの 技 (ジョーク,ユーモア, 競 技, 芸 術, 技 術, 他 人 にできな いこと), 人 間 的 なよさ,セックス アピール( 個 人 的 に 異 なる 表 現 しようの ないもの)が 合 わさったものです ********************************************** ファシリティターより 俗 に 恋 愛 と 結 婚 は 別 と 形 容 されますが 動 物 における 科 学 的 な 研 究 に 基 づく 配 偶 者 行 動 にも 該 当 される 見 解 としり 少 なからずショックを 受 けたのは 大 人 だけだったのでしょうか? さらに 子 育 ての 役 割 分 担 をメスが 行 うことが 多 いという 見 解 の 1 つに 精 子 の 数 に 比 して 卵 子 の 数 が 少 ないため 子 供 を 失 うとメスの 方 に 損 失 が 高 くなる そのためメスが 養 育 をすることが 多 くなるのではないかと 考 察 されているとい うくだりにもショックを 受 けました 生 物 の 世 界 は 合 理 的 で コストを 追 及 していることを 深 く 伺 い 知 ることが 出

来 きました 長 谷 川 先 生 の 講 義 は 丁 寧 で 楽 しく 先 生 とチンパンジー そして 奥 様 の 3 シ ョットは 多 くの 人 の 記 憶 に 残 る 心 温 まる 画 像 であったことを 付 記 し 一 同 講 座 の 開 講 に 心 から 感 謝 しました ありがとうございました