文 章 の 一 部 の 協 調 表 示 は 転 載 者 によるものです 米 国 の 太 平 洋 の 世 紀 - クリントン 国 務 長 官 のフォーリン ポリシー 誌 への 寄 稿 * 下 記 の 日 本 語 文 書 は 参 考 のための 仮 翻 訳 で 正 文 は 英 文 です ヒラリー クリントン 国 務 長 官 のフォーリン ポリシー 誌 (2011 年 11 月 号 )への 寄 稿 政 治 の 将 来 を 決 めるのはアフガニスタンでもイラクでもなくアジアであり 米 国 はその 活 動 の 中 心 にいる イラク 戦 争 が 終 わりに 近 づき 米 軍 がアフガニスタンからの 撤 退 を 始 めている 今 米 国 は 重 要 な 局 面 を 迎 えて いる この 10 年 間 米 国 はこの2つの 戦 域 に 膨 大 な 資 源 を 割 り 当 ててきた 今 後 10 年 間 は 米 国 の 指 導 力 の 維 持 国 益 の 確 保 米 国 の 価 値 観 の 推 進 のため 最 も 有 利 な 立 場 に 立 てるように 時 間 とエネルギーの 投 資 先 を 賢 明 かつ 体 系 的 に 判 断 する 必 要 がある 従 って 今 後 10 年 間 の 米 国 の 国 政 における 最 も 重 要 な 目 的 のひとつは 外 交 経 済 戦 略 などの 面 でアジア 太 平 洋 地 域 への 投 資 の 大 幅 な 増 加 を 確 実 にすることである アジア 太 平 洋 地 域 は 国 際 政 治 の 主 要 な 推 進 力 になった インド 亜 大 陸 から 南 北 アメリカ 大 陸 の 西 岸 まで 広 がる この 地 域 には 海 運 と 戦 略 により 結 び 付 きを 強 めている 太 平 洋 とインド 洋 がある この 地 域 には 世 界 の 人 口 のほ ぼ 半 数 が 集 まっており 世 界 経 済 の 主 な 原 動 力 となっている 国 の 多 くや 世 界 有 数 の 温 室 効 果 ガス 排 出 国 もある またこの 地 域 には 米 国 の 主 要 同 盟 国 や 中 国 インド インドネシアのような 重 要 な 新 興 国 も 存 在 する アジア 太 平 洋 地 域 が 安 定 と 繁 栄 の 促 進 に 向 け より 成 熟 した 安 全 保 障 と 経 済 の 枠 組 みを 構 築 しようとしている 今 この 地 域 への 米 国 の 深 い 関 与 が 不 可 欠 である 米 国 の 関 与 はこうした 枠 組 みの 構 築 を 助 け 今 世 紀 も 持 続 す る 米 国 の 指 導 力 にとっても 有 益 であろう それはちょうど 第 2 次 世 界 大 戦 後 さまざまな 機 関 や 関 係 を 網 羅 する 永 続 的 な 大 西 洋 横 断 ネットワークの 構 築 への 米 国 の 関 与 が 何 倍 もの 良 い 結 果 をもたらし それが 現 在 も 続 いてい るのと 同 様 である 米 国 が 太 平 洋 国 家 として 同 様 の 投 資 をする 時 が 来 ている これはバラク オバマ 大 統 領 が 政 権 発 足 当 初 に 定 めた 戦 略 的 方 針 であり すでに 成 果 を 挙 げている イラクとアフガニスタンがまだ 移 行 期 にあり 米 国 内 では 深 刻 な 経 済 的 課 題 に 直 面 している 今 米 国 の 政 界 に は 米 軍 の 再 配 置 ではなく 帰 還 を 求 める 者 もいる 彼 らは 国 内 の 差 し 迫 った 課 題 を 優 先 させ 国 外 への 関 与 の 縮 小 を 求 めている そうした 衝 動 は 理 解 できるが 見 当 違 いである もはや 米 国 には 世 界 に 関 与 する 余 裕 がないと 言 う 人 は 事 実 を 全 く 逆 にとらえている 米 国 は 世 界 に 関 与 しないわけにはいかないのである 米 国 企 業 のための 新 規 市 場 の 開 拓 から 核 拡 散 の 抑 制 通 商 と 航 行 のためのシーレーンの 確 保 まで 米 国 の 国 外 での 取 り 組 みが 国 内 の 繁 栄 と 安 全 の 鍵 を 握 っている 米 国 は 60 年 以 上 にわたり この 帰 還 議 論 が 人 を 引 きつける 力 と こうし た 主 張 に 内 在 するゼロサム 論 理 に 抵 抗 してきた こうした 抵 抗 を 再 び 繰 り 返 さなければならない
国 外 では 人 々が 米 国 の 意 図 すなわち 関 与 と 主 導 を 続 ける 米 国 の 意 欲 について 疑 問 を 抱 いている アジアの 人 々は 米 国 が 本 当 にアジアにとどまり 続 けるのか 他 の 地 域 での 出 来 事 により 再 び 注 意 をそらされる 可 能 性 はな いのか 米 国 は 経 済 戦 略 面 で 信 頼 できる 約 束 をし その 約 束 を 守 れるのか そしてそうした 約 束 を 裏 打 ちする 行 動 が 取 れるのか 疑 問 に 思 っている そうした 疑 問 に 対 してはこう 答 えよう 米 国 には 約 束 を 実 行 する 能 力 と 意 志 がある アジアの 成 長 と 活 力 の 利 用 は 米 国 の 経 済 戦 略 的 利 益 にとって 重 要 であり オバマ 大 統 領 の 主 な 優 先 事 項 のひ とつである アジアにおける 開 かれた 市 場 は 投 資 貿 易 さらには 最 先 端 技 術 へのアクセスという 点 でかつてな い 機 会 を 米 国 に 提 供 する 米 国 内 の 景 気 回 復 は 輸 出 と アジアの 拡 大 する 巨 大 な 消 費 者 基 盤 を 米 国 企 業 が 活 用 で きるかどうかにかかっている 戦 略 面 では 南 シナ 海 の 航 行 の 自 由 の 防 衛 北 朝 鮮 による 核 拡 散 活 動 への 対 抗 地 域 の 主 要 な 国 々の 軍 事 活 動 の 透 明 性 の 確 保 など 手 段 を 問 わずアジア 太 平 洋 地 域 全 体 の 平 和 と 安 全 を 維 持 するこ とが 世 界 の 前 進 のためにますます 重 要 となっている アジアが 米 国 の 将 来 にとって 極 めて 重 要 であるのと 同 様 に 米 国 の 関 与 もアジアの 将 来 にとって 不 可 欠 である この 地 域 は 今 おそらく 近 代 史 上 最 も 強 く 米 国 の 指 導 力 と 関 与 を 望 んでいる この 地 域 に 同 盟 国 との 強 力 なネッ トワークを 備 え 領 土 についての 野 心 を 持 たず 共 通 の 利 益 を 提 供 してきた 長 い 実 績 を 持 つ 唯 一 の 大 国 が 米 国 で ある われわれは 同 盟 国 と 共 にアジアのシーレーンを 巡 回 し 安 定 を 維 持 して 何 十 年 にもわたり 地 域 の 安 全 を 保 障 してきた それがひいては 経 済 成 長 の 環 境 整 備 に 役 立 ってきた 米 国 は 経 済 生 産 性 社 会 的 エンパワーメン ト 人 と 人 とのつながりを 促 進 し アジア 太 平 洋 全 域 の 非 常 に 多 くの 人 々の 世 界 経 済 への 統 合 に 貢 献 している 米 国 は 主 要 な 貿 易 投 資 パートナーであり 太 平 洋 の 両 側 で 労 働 者 や 企 業 に 恩 恵 をもたらすイノベーションを 生 み 出 し 毎 年 アジアから 35 万 人 の 留 学 生 を 受 け 入 れ 開 かれた 市 場 を 支 持 し 普 遍 的 な 人 権 を 擁 護 している 太 平 洋 地 域 での 掛 け 替 えのない 米 国 の 役 割 を 全 面 的 に 受 け 入 れる 米 国 政 府 全 体 の 多 面 的 で 持 続 的 な 取 り 組 み をオバマ 大 統 領 は 主 導 してきた これまでこうした 取 り 組 みは 目 立 たないことが 多 かった その 特 質 ゆえに( 長 期 的 な 投 資 は 目 前 の 危 機 ほど 関 心 を 引 かない) また 世 界 の 他 の 地 域 でトップニュースになるような 出 来 事 が 起 きているがゆえに その 多 くはメディアで 大 きく 報 じられることがなかった 私 は 慣 習 を 破 り 国 務 長 官 として 就 任 後 初 の 公 式 外 国 訪 問 でアジアを 訪 れた それ 以 来 7 回 の 訪 問 で 私 はこ の 地 域 の 急 速 な 変 化 を 直 接 目 にする 機 会 に 恵 まれ 米 国 の 将 来 がアジア 太 平 洋 地 域 の 将 来 といかに 密 接 に 絡 み 合 っているかを 端 的 に 示 してきた この 地 域 への 戦 略 的 方 向 転 換 は 米 国 の 国 際 的 指 導 力 の 確 保 と 維 持 に 向 けた 全 世 界 での 取 り 組 みに 論 理 的 に 合 致 する こうした 転 換 を 成 功 させるには 米 国 の 国 益 に 対 するアジア 太 平 洋 地 域 の 重 要 性 について 超 党 派 の 合 意 を 維 持 し 推 進 する 必 要 がある 何 十 年 にもわたり 党 派 を 問 わず 歴 代 の 大 統 領 や 国 務 長 官 が 実 践 してきた 関 与 という 根 強 い 伝 統 を われわれはさらに 推 し 進 めようとしている 戦 略 的 方 向 転 換 の 成 功 には 米 国 の 選 択 が 世 界 に 及 ぼす 影 響 を 考 慮 した 一 貫 性 のある 地 域 戦 略 を 賢 明 な 形 で 実 施 する 必 要 もあ る それはどのような 地 域 戦 略 だろうか まず 私 が 前 方 展 開 外 交 と 呼 ぶ 活 動 を 維 持 する 必 要 がある 前 方 展 開 外 交 とは 政 府 高 官 開 発 専 門 家 複 数 の 省 庁 で 構 成 されるチーム 常 勤 職 員 など 米 国 のあらゆる 外 交 資 産 をアジア 太 平 洋 地 域 のあらゆる 国 や 地 域 へ 今 後 も 送 り 続 けることである 米 国 の 戦 略 はアジア 各 地 で 起 きている 急 速 かつ 劇 的 な 変 化 を 把 握 し これに 対 応 し 続 けなければならない これを 踏 まえ われわれの 仕 事 は6つの 主 な 行 動 方 針 に 沿 って 進 められる すなわち2 国 間 安 全 保 障 同 盟 の 強 化 中 国 など 新 興 国 との 実 務 関 係 の 深 化 地 域 の 多 国 間 機 関 への 関 与 貿 易 と 投 資 の 拡 大 広 範 囲 に 及 ぶ 軍 の 駐 留 の 実 現 民 主 主 義 と 人 権 の 推 進 である 米 国 はその 地 理 的 な 特 質 により 大 西 洋 国 家 であると 同 時 に 太 平 洋 国 家 でもある われわれはヨーロッパとの パートナーシップとそれがもたらすあらゆる 成 果 を 誇 りとしている 米 国 の 現 在 の 課 題 は 大 西 洋 を 越 えて 築 い
てきたネットワークと 同 様 に さまざまなパートナーシップや 機 関 で 構 成 される 米 国 の 国 益 や 価 値 観 に 合 った 持 続 的 なネットワークを 太 平 洋 を 越 えて 築 くことである これは 全 ての 地 域 における 米 国 の 取 り 組 みの 試 金 石 と なる 米 国 が 日 本 韓 国 オーストラリア フィリピン タイのそれぞれと 結 んだ 条 約 に 基 づく 同 盟 は 米 国 のアジ ア 太 平 洋 地 域 への 戦 略 的 方 向 転 換 の 支 点 である これらの 同 盟 は 半 世 紀 以 上 にわたり 地 域 の 平 和 と 安 全 保 障 を 担 い この 地 域 の 目 覚 ましい 経 済 発 展 を 促 す 環 境 をつくってきた これらの 同 盟 は 安 全 保 障 上 の 課 題 が 変 化 する 時 代 に 米 国 が 地 域 に 及 ぼす 影 響 力 を 利 用 する 一 方 で この 地 域 での 米 国 の 指 導 力 を 強 化 している これらの 同 盟 は 大 きな 成 果 を 挙 げているが 単 にこれを 維 持 するだけでは 足 りず 変 化 する 世 界 に 合 わせて 更 新 していく 必 要 がある その 際 オバマ 政 権 は3つの 主 な 原 則 に 従 っている 第 1に 米 国 はそれぞれの 同 盟 の 中 核 的 な 目 標 について 政 治 的 合 意 を 維 持 する 第 2に 新 しい 課 題 への 取 り 組 みを 成 功 させ 新 たな 機 会 をとら えられるよう わが 国 が 結 んでいる 同 盟 が 機 敏 に 状 況 に 順 応 できるようにする 第 3に 同 盟 の 防 衛 能 力 と 通 信 インフラが 作 戦 面 でも 物 質 面 でも あらゆる 国 家 や 非 国 家 主 体 による 挑 発 を 抑 止 する 能 力 を 備 えていることを 保 証 する オバマ 政 権 がこれらの 原 則 をどのように 実 践 しているかは この 地 域 の 平 和 と 安 定 の 基 盤 である 日 本 との 同 盟 を 見 れば 明 らかだ 日 米 両 国 は 航 行 の 自 由 から 開 かれた 市 場 や 公 正 な 競 争 まで 明 確 な 規 則 を 持 つ 安 定 した 地 域 の 秩 序 という 理 想 を 共 有 している また 日 本 での 米 軍 駐 留 の 継 続 を 確 実 にする 一 方 で 地 域 の 安 全 保 障 上 の 問 題 を 抑 止 し 迅 速 に 対 応 するための 合 同 の 情 報 監 視 偵 察 活 動 や サイバー 攻 撃 の 脅 威 に 対 処 するための 情 報 交 換 を 拡 大 する 新 しい 取 り 決 めに 同 意 している この 取 り 決 めには 日 本 政 府 からの 50 億 ドル 以 上 の 資 金 拠 出 も 含 ま れる 企 業 によるアクセスや 人 と 人 とのつながりを 強 化 するオープンスカイ 協 定 を 締 結 し アジア 太 平 洋 地 域 に ついての 戦 略 対 話 を 開 始 し アフガニスタンでは2 大 援 助 国 として 協 力 している 同 様 に 韓 国 との 同 盟 も 強 化 と 作 戦 面 での 統 合 が 進 んでおり 北 朝 鮮 の 挑 発 行 為 に 対 する 抑 止 と 対 応 に 向 け 共 同 能 力 の 開 発 を 続 ける 米 韓 は 戦 時 作 戦 統 制 権 の 円 滑 な 移 行 を 確 実 にする 計 画 について 合 意 しており 米 韓 自 由 貿 易 協 定 の 成 立 を 見 込 んでいる G20 および 核 安 全 保 障 サミットでの 協 力 や ハイチとアフガニスタンでの 共 同 活 動 を 通 じ 米 韓 同 盟 は 世 界 規 模 になっている 米 国 はオーストラリアとの 同 盟 も 太 平 洋 地 域 のパートナーシップからインド 太 平 洋 地 域 のパートナーシップ へ さらには 世 界 規 模 のパートナーシップへと 拡 大 している サイバーセキュリティーからアフガニスタン ア ラブの 目 覚 め アジア 太 平 洋 地 域 の 地 域 的 枠 組 みの 強 化 に 至 るまで オーストラリアの 助 言 と 関 与 が 不 可 欠 で あった 東 南 アジアでは 米 国 はフィリピンおよびタイとの 同 盟 を 再 確 認 強 化 しており 例 えばフィリピンに 寄 港 する 船 舶 の 数 を 増 やしたり ミンダナオでの 統 合 特 殊 作 戦 任 務 部 隊 によるフィリピンのテロ 対 策 部 隊 の 訓 練 を 確 実 に 成 功 させようと 努 力 している アジアにおける 米 国 の 最 も 古 い 条 約 相 手 国 であるタイでは 地 域 の 人 道 お よび 災 害 救 援 活 動 の 拠 点 構 築 に 努 めている 米 国 は 新 たな 必 要 性 に 応 じて 既 存 の 同 盟 を 更 新 すると 同 時 に 共 通 の 問 題 の 解 決 に 向 け 新 たなパートナーシッ プも 構 築 中 である 中 国 インド インドネシア シンガポール ニュージーランド マレーシア モンゴル ベトナム ブルネイ そして 太 平 洋 諸 島 の 国 々への 米 国 の 働 きかけはいずれも この 地 域 における 米 国 の 戦 略 と 関 与 に 関 し より 包 括 的 な 手 法 を 取 れるようにするためのより 広 範 な 取 り 組 みの 一 環 である 米 国 はこうした 新 たなパートナー 諸 国 に われわれと 共 に 規 則 に 基 づく 地 域 および 国 際 秩 序 を 構 築 し これに 参 加 するよう 求 めて いる
これらの 新 たなパートナーの 中 でも 最 も 際 立 つ 存 在 のひとつは 言 うまでもなく 中 国 である これまでの 多 く の 国 々と 同 様 中 国 も 米 国 が 構 築 に 貢 献 し 維 持 に 努 めている 開 かれた 規 則 に 基 づく 制 度 の 一 員 として 繁 栄 し てきた 対 中 関 係 は 現 在 米 国 がこれまでに 対 処 しなければならなかった2 国 間 関 係 の 中 で 最 も 困 難 で 重 要 なも ののひとつである この 関 係 は 慎 重 に 落 ち 着 いて しかも 精 力 的 に 取 り 組 む 必 要 がある これは 現 実 に 基 づき 結 果 を 重 視 した 中 国 への 対 処 法 であり わが 国 の 原 則 と 国 益 に 即 している 周 知 の 通 り 太 平 洋 の 両 側 には 今 も 恐 怖 心 と 誤 解 が 残 っている 米 国 には 中 国 の 進 歩 を 米 国 への 脅 威 と 見 る 人 がいる 中 国 には 米 国 が 中 国 の 成 長 を 抑 圧 しようとしていると 懸 念 する 人 がいる われわれはこうした 見 方 をい ずれも 否 定 する 実 際 には 繁 栄 する 米 国 は 中 国 の 利 益 になり 繁 栄 する 中 国 は 米 国 の 利 益 になる 米 国 も 中 国 も 対 立 より 協 力 からはるかに 多 くを 得 られる しかし 願 望 だけでは 関 係 を 構 築 できない 前 向 きな 言 葉 を 効 果 的 な 協 力 へとより 堅 実 に 転 換 できるか そして 極 めて 重 要 なこととして それぞれの 国 際 的 な 責 任 と 義 務 を 果 た せるかどうかは 米 中 両 国 次 第 である こうした 要 因 により 今 後 米 中 関 係 がその 可 能 性 を 実 現 できるかどうか が 決 まる また 両 国 は 意 見 の 相 違 についても 正 直 でなければならない われわれは 協 力 して 取 り 組 むべき 緊 急 の 仕 事 を 進 めるに 当 たり 意 見 の 相 違 に 毅 然 (きぜん)と 断 固 たる 態 度 で 対 処 する 非 現 実 的 な 期 待 は 避 けなけれ ばならない 過 去 2 年 半 の 私 の 最 優 先 事 項 は 共 通 の 利 害 のある 分 野 を 見 極 め 拡 大 すること 中 国 と 協 力 して 相 互 の 信 頼 を 築 くこと そして 世 界 的 な 問 題 解 決 に 積 極 的 に 取 り 組 むよう 中 国 を 促 すことであった そのためティモシー ガ イトナー 財 務 長 官 と 私 は 戦 略 経 済 対 話 を 開 始 した これは 米 中 の 政 府 間 協 議 の 中 でも 最 も 集 約 的 かつ 包 括 的 で あり 両 国 の 多 くの 政 府 機 関 が 集 まり 安 全 保 障 からエネルギー 人 権 まで 米 中 の 最 も 喫 緊 の 課 題 を 話 し 合 う われわれは 米 中 の 軍 隊 間 の 透 明 性 の 向 上 と 判 断 ミスや 間 違 いのリスクの 軽 減 に 努 めている 米 国 と 国 際 社 会 は 中 国 による 軍 の 近 代 化 および 拡 張 の 取 り 組 みに 注 目 し 中 国 の 意 図 を 明 らかにしようとしてきた 透 明 性 を 高 め るような 継 続 的 実 質 的 な 軍 隊 間 の 関 与 は 双 方 にとって 有 益 である 従 ってわれわれは 中 国 政 府 が 時 には 不 本 意 な 気 持 ちを 抑 え 米 国 と 共 に 永 続 的 な 軍 隊 間 の 対 話 を 構 築 していくことを 期 待 する 軍 民 の 指 導 者 たちが 海 上 の 安 全 保 障 やサイバーセキュリティーなどの 慎 重 を 要 する 問 題 を 話 し 合 う 戦 略 安 全 保 障 対 話 の 強 化 に 向 け 両 国 が 協 力 する 必 要 もある 米 中 が 共 に 信 頼 を 築 いていく 中 米 国 は 中 国 と 協 力 し 地 域 および 世 界 における 極 めて 重 要 な 安 全 保 障 上 の 問 題 に 取 り 組 む 決 意 である そのため 私 は 頻 繁 に しばしば 非 公 式 の 場 で 中 国 側 の 戴 秉 国 国 務 委 員 および 楊 潔 篪 外 相 と 会 い 北 朝 鮮 アフガニスタン パキスタン イラン そして 南 シナ 海 の 情 勢 などの 重 要 課 題 について 率 直 な 話 し 合 いをしてきた 経 済 面 では 米 国 と 中 国 は 将 来 的 に 強 固 で 持 続 的 かつバランスの 取 れた 世 界 的 経 済 成 長 を 確 保 するため 協 力 す る 必 要 がある 世 界 金 融 危 機 の 後 米 国 と 中 国 は 瀬 戸 際 にあった 世 界 経 済 を 救 うため G20 を 通 じて 効 果 的 に 活 動 した 両 国 はその 時 の 協 力 関 係 を 基 盤 として 前 進 しなければならない 米 国 企 業 は 成 長 する 中 国 市 場 への 公 平 な 輸 出 機 会 を 求 めている これは 米 国 内 で 雇 用 を 生 み 出 す 重 要 な 要 因 になるとともに 中 国 に 投 資 された 500 億 ドルの 米 国 資 本 が 世 界 的 な 競 争 力 を 支 える 新 しい 市 場 と 投 資 機 会 の 強 固 な 基 盤 を 作 る 保 証 にもなりうる 一 方 中 国 企 業 は 米 国 からのハイテク 製 品 の 輸 入 や 対 米 投 資 を 増 やし 市 場 経 済 が 享 受 するのと 同 じアクセス 条 件 の 付 与 を 望 んでいる 米 中 両 国 はこうした 目 標 に 向 かって 協 力 できるが 中 国 は 今 もなお 改 革 に 向 け 重 要 な 措 置 を 取 る 必 要 がある 特 にわれわれは 米 国 をはじめとする 外 国 企 業 とその 革 新 的 技 術 に 対 する 不 公 正 な 差 別 の 撤 廃 国 内 企 業 優 遇 策 の 廃 止 外 国 の 知 的 財 産 権 に 損 害 を 与 えたり 盗 用 したりする 措 置 の 廃 止 に 向 け 中 国 と 協 力 してい る さらにドルや 中 国 の 他 の 主 な 貿 易 相 手 国 の 通 貨 に 対 し 中 国 が 自 国 通 貨 の 切 り 上 げを 加 速 する 措 置 を 取 るこ
とを 期 待 している こうした 改 革 は 米 中 両 国 のためになる( 事 実 国 内 主 導 型 の 経 済 成 長 を 目 指 す 中 国 の5カ 年 計 画 の 目 標 を 支 援 する)だけでなく 世 界 経 済 の 均 衡 予 測 可 能 性 より 広 範 囲 に 及 ぶ 繁 栄 に 貢 献 できる 言 うまでもなく 米 国 は 公 式 に また 非 公 式 な 形 で 人 権 に 関 する 深 刻 な 懸 念 を 極 めて 明 確 に 表 明 してきた 公 益 活 動 をする 弁 護 士 作 家 芸 術 家 といった 人 たちが 拘 留 されたり 行 方 不 明 になったりしたという 報 告 があれ ば 米 国 は 公 式 にも 非 公 式 にも 人 権 に 関 する 懸 念 をはっきりと 主 張 する われわれは 中 国 の 政 府 関 係 者 に 対 し 中 国 が 国 際 法 を 深 く 尊 重 し より 開 かれた 政 治 体 制 を 採 用 すれば はるかに 大 きな 安 定 と 成 長 の 基 盤 を 得 られる とともに パートナー 諸 国 の 信 頼 を 高 められると 主 張 する そうしなければ 中 国 は 自 らの 発 展 に 不 要 な 制 約 を 加 えていることになる 究 極 的 には 進 化 する 米 中 関 係 の 指 針 となる 手 引 書 はない しかし われわれにとって 失 敗 するにはリスクが 高 すぎる われわれは 前 進 するに 当 たり 安 全 保 障 同 盟 経 済 ネットワーク そして 社 会 的 つながりという よ り 広 範 な 地 域 の 枠 組 みの 中 に 引 き 続 き 対 中 関 係 を 組 み 込 んでいく 今 後 われわれが 緊 密 に 協 力 していく 主 な 新 興 国 の 中 にインドとインドネシアがある この2カ 国 はアジアでも 有 数 の 活 力 ある 重 要 な 民 主 主 義 国 であり オバマ 政 権 はこの 両 国 との 間 に より 広 く 深 く 意 義 深 い 関 係 を 求 めてきた インド 洋 からマラッカ 海 峡 経 由 で 太 平 洋 に 至 る 海 には 世 界 で 最 も 活 発 な 貿 易 およびエネルギー 輸 送 の 航 路 がある インドとインドネシアの 人 口 を 合 わせると すでに 世 界 人 口 の4 分 の1 近 くを 占 める この2カ 国 は 世 界 経 済 の 主 要 な 推 進 力 米 国 の 重 要 なパートナーであり 地 域 の 平 和 と 安 全 への 貢 献 にますます 中 心 的 な 役 割 を 果 たしている この2カ 国 の 重 要 性 は 今 後 さらに 増 す 可 能 性 が 高 い オバマ 大 統 領 は 昨 年 インド 議 会 で 演 説 し 米 印 関 係 は 共 通 の 価 値 観 と 利 害 を 基 盤 とする 21 世 紀 を 特 徴 付 ける 協 力 関 係 のひとつであると 述 べた まだ 乗 り 越 えるべき 障 害 や 答 えを 出 すべき 問 題 が 双 方 にあるが 米 国 は 戦 略 上 インドの 将 来 に 賭 けている インドが 国 際 舞 台 でより 大 きな 役 割 を 果 たすことが 平 和 と 安 全 保 障 の 強 化 につな がり インドの 市 場 を 世 界 に 開 放 することが 地 域 と 世 界 の 繁 栄 拡 大 への 道 を 開 き インドの 科 学 技 術 の 発 展 が 世 界 中 で 生 活 の 改 善 と 人 間 の 知 識 の 進 歩 を 実 現 し インドの 活 気 ある 多 元 的 な 民 主 主 義 がインド 国 民 に 多 大 な 成 果 と 改 善 をもたらし 他 の 国 々にも 同 様 の 開 放 と 寛 容 の 道 を 進 むよう 促 すことになる そこでオバマ 政 権 は 米 印 2 国 間 のパートナーシップを 拡 大 し インド 日 本 との 新 たな3カ 国 対 話 などを 通 じインドの ルック イースト 活 動 を 積 極 的 に 支 援 し インドを 要 とする 経 済 的 統 合 と 政 治 的 安 定 が 進 んだ 南 中 央 アジアという 新 たな 構 想 を 描 いている われわれはインドネシアとも 新 しいパートナーシップを 構 築 中 である 同 国 は 民 主 主 義 国 家 としては 世 界 で3 番 目 イスラム 国 家 としては 最 も 人 口 が 多 く G20 参 加 国 でもある 米 国 はインドネシア 特 殊 部 隊 との 合 同 訓 練 を 再 開 し 医 療 教 育 交 流 科 学 技 術 防 衛 の 各 分 野 で 多 くの 協 定 を 締 結 している 今 年 はインドネシア 政 府 の 招 きによるオバマ 大 統 領 の 東 アジアサミット 出 席 で 米 国 が 初 めて 同 サミットに 参 加 する しかし 前 途 にはまだ 長 い 道 のりがある 米 国 とインドネシアは 官 僚 主 義 の 障 害 今 も 残 る 歴 史 的 な 不 信 感 相 互 の 考 え 方 や 利 害 につ いての 理 解 の 相 違 を 乗 り 越 えるために 協 力 しなければならない 米 国 はこれらの2 国 間 関 係 を 強 化 しながらも 多 国 間 の 協 力 の 重 要 性 を 強 調 してきた アジアが 今 直 面 してい るような 国 境 を 越 えた 複 雑 な 課 題 に 取 り 組 むには 協 調 した 行 動 を 取 ることができる 諸 機 関 が 必 要 と 考 えるから である アジアにより 堅 固 で 統 一 の 取 れた 枠 組 みができれば 知 的 財 産 権 の 保 護 から 航 行 の 自 由 の 確 保 まで 効 果 的 な 国 際 秩 序 の 基 盤 となる 規 則 と 責 任 のシステムを 強 化 できる 多 国 間 の 場 では 責 任 ある 行 動 を 取 れば 正 当
性 を 認 められ 尊 敬 を 得 られるとともに 協 力 して 平 和 と 安 定 と 繁 栄 を 損 なう 者 の 責 任 を 問 うことができる 従 って 米 国 は 地 域 機 関 との 協 力 は2 国 間 関 係 に 代 わるものではなく 補 完 するものであるという 点 を 念 頭 に 置 いて 東 南 アジア 諸 国 連 合 (ASEAN) アジア 太 平 洋 経 済 協 力 会 議 (APEC)などこの 地 域 の 多 国 間 機 関 への 全 面 的 な 関 与 を 始 めている こうした 機 関 の 行 動 計 画 の 設 定 に 米 国 が 積 極 的 な 役 割 を 果 たすことをこの 地 域 は 望 み またこれらの 機 関 が 効 果 的 に 機 能 し 迅 速 な 対 応 を 取 れば 米 国 の 利 益 にもなる オバマ 大 統 領 が 11 月 に 初 めて 東 アジアサミットに 出 席 するのはそのためである その 下 地 を 作 るために 米 国 はジャカルタに ASEAN 代 表 部 を 新 設 し 東 南 アジア 友 好 協 力 条 約 の 締 約 国 となった より 結 果 を 重 視 する 行 動 計 画 の 策 定 に 力 を 入 れる 米 国 の 姿 勢 は 南 シナ 海 での 紛 争 への 対 処 に 貢 献 してきた 2010 年 にハノイで 開 か れた ASEAN 地 域 フォーラムで 米 国 は 南 シナ 海 への 自 由 なアクセスと 航 行 の 自 由 を 保 護 し 南 シナ 海 における 領 海 権 の 主 張 を 規 定 する 主 要 国 際 規 則 を 支 持 する 地 域 全 体 の 取 り 組 みの 具 体 化 を 支 援 した 全 世 界 の 商 船 トン 数 の 半 分 がこの 海 域 を 通 過 することを 考 えると これは 重 要 な 取 り 組 みであった この1 年 間 に 米 国 は 航 行 の 安 定 と 自 由 に 関 する 米 国 の 極 めて 重 要 な 利 益 を 守 るという 点 で 大 きく 前 進 するとともに 南 シナ 海 で 権 利 を 主 張 す る 多 くの 当 事 者 間 で 多 国 間 外 交 を 維 持 するための 道 を 開 いて 確 立 した 原 則 と 国 際 法 にのっとる 平 和 的 な 紛 争 解 決 を 実 現 しようと 努 力 してきた また APEC を 太 平 洋 全 域 の 経 済 統 合 と 貿 易 上 のつながりの 推 進 を 重 視 する 各 国 首 脳 が 参 加 する 重 要 な 機 関 として 強 化 する 努 力 をしてきた 昨 年 APEC はアジア 太 平 洋 自 由 貿 易 圏 という 大 胆 な 提 案 をした 今 年 11 月 に は オバマ 大 統 領 が 議 長 を 務 め ハワイで 首 脳 会 議 が 開 催 される われわれはアジア 太 平 洋 地 域 の 筆 頭 地 域 経 済 機 関 としての APEC の 地 位 を 固 めるため 尽 力 しており 開 かれた 貿 易 と 投 資 の 促 進 能 力 開 発 および 規 制 制 度 の 強 化 に 向 け 先 進 国 地 域 と 新 興 国 地 域 を 団 結 させるような 形 で 経 済 面 の 行 動 計 画 を 設 定 する APEC とその 活 動 は 米 国 の 輸 出 の 拡 大 および 国 内 における 質 の 高 い 雇 用 の 創 出 と 維 持 に 貢 献 すると 同 時 に 地 域 全 体 の 成 長 を 促 進 する また APEC は 経 済 成 長 を 促 す 女 性 の 潜 在 的 な 力 を 発 揮 させる 幅 広 い 行 動 計 画 を 推 進 するための 主 要 な 手 段 を 提 供 する これに 関 し 米 国 はパートナー 諸 国 と 協 力 し 参 加 の 時 代 の 到 来 を 加 速 させる 意 欲 的 な 措 置 を 取 る 決 意 である 参 加 の 時 代 とは 性 別 その 他 の 特 性 に 関 係 なく すべての 個 人 が 世 界 市 場 の 価 値 ある 一 員 として 貢 献 する 時 代 である これらのより 広 範 な 多 国 間 機 関 への 関 与 に 加 え 米 国 は 多 くの 少 数 国 間 (ミニラテラル) 会 合 の 設 立 発 足 を 目 指 し 多 大 な 努 力 をしてきた これは 少 数 の 当 事 国 が 具 体 的 な 課 題 に 取 り 組 む 集 まりである その 例 としてカ ンボジア ラオス タイ ベトナムでの 教 育 医 療 環 境 プログラムの 支 援 のために 発 足 させたメコン 河 下 流 域 開 発 や 気 候 変 動 から 魚 の 乱 獲 や 航 行 の 自 由 までさまざまな 課 題 に 取 り 組 む 加 盟 国 地 域 を 米 国 が 支 援 している 太 平 洋 諸 島 フォーラムなどが 挙 げられる また 米 国 はモンゴル インドネシア 日 本 カザフスタン 韓 国 とい った 多 様 な 国 々と 新 たに3カ 国 で 連 携 する 機 会 も 追 求 し 始 めている さらにアジア 太 平 洋 地 域 の3 大 国 である 中 国 インド 米 国 の 連 携 と 関 与 の 強 化 も 目 指 している われわれはこのようなさまざまな 方 法 で 即 応 性 に 優 れ 柔 軟 で 効 果 的 な 地 域 的 枠 組 みを 構 築 し 参 加 するとと もに その 枠 組 みが 世 界 の 安 定 と 通 商 を 保 護 するだけでなくわれわれの 価 値 観 を 推 進 する より 広 範 囲 に 及 ぶ 世 界 的 な 枠 組 みとも 確 実 につながるよう 努 めている APEC の 経 済 面 での 活 動 に 重 点 を 置 くことは 経 済 政 策 を 重 視 し 米 国 の 外 交 政 策 のひとつの 柱 に 据 える 米 国 の より 広 範 な 取 り 組 みと 一 致 する 経 済 の 進 展 が 強 力 な 外 交 関 係 に 依 存 し 外 交 の 進 展 が 強 力 な 経 済 関 係 に 依 存 す
る 傾 向 がますます 強 まっている 当 然 のことながら 米 国 の 繁 栄 の 促 進 に 重 点 を 置 くことは アジア 太 平 洋 地 域 における 貿 易 と 経 済 の 開 放 をより 重 視 することを 意 味 する この 地 域 はすでに 世 界 の 生 産 の 半 分 以 上 世 界 の 貿 易 の 半 分 近 くを 占 めている 2015 年 までに 輸 出 を 倍 増 するというオバマ 大 統 領 の 目 標 を 達 成 すべく 努 力 する 中 米 国 はアジアでの 事 業 をさらに 拡 大 する 機 会 を 求 めている 昨 年 の 環 太 平 洋 地 域 への 米 国 の 輸 出 総 額 は 3200 億 ドルで 米 国 の 85 万 の 雇 用 を 支 えた 従 ってこの 戦 略 の 転 換 には 米 国 にとって 多 くの 恩 恵 がある 私 がアジア 各 国 の 外 務 大 臣 たちと 話 す 際 必 ず 取 り 上 げられる 話 題 がある それは 米 国 がこの 地 域 の 繁 栄 する 貿 易 および 金 融 取 引 に 深 く 関 与 する 創 造 性 に 富 んだパートナーであることを 彼 らが 今 も 望 んでいるということ である また 米 国 各 地 の 財 界 指 導 者 たちと 話 をした 時 に 聞 かされるのは 米 国 によるアジアの 活 力 ある 市 場 への 輸 出 と 投 資 の 機 会 の 拡 大 がいかに 重 要 かということだ 3 月 にワシントンで 開 催 された APEC 関 連 会 合 でも そして7 月 には 香 港 でも 私 は 健 全 な 経 済 競 争 に 見 られ る4つの 特 徴 を 挙 げた 開 放 性 自 由 透 明 性 そして 公 正 である 米 国 はアジア 太 平 洋 地 域 への 関 与 を 通 じ これらの 原 則 の 具 体 化 に 貢 献 するとともに その 重 要 性 を 世 界 に 示 している 米 国 は 新 たな 市 場 を 開 放 しながら 公 正 競 争 の 基 準 を 引 き 上 げる 新 しい 最 先 端 の 貿 易 協 定 を 追 求 している 例 えば 米 韓 自 由 貿 易 協 定 は 5 年 以 内 に 米 国 から 輸 出 される 消 費 財 および 生 産 財 の 95%について 関 税 を 撤 廃 し 推 定 7 万 の 米 国 の 雇 用 を 支 える 関 税 引 き 下 げだけでも 米 国 製 品 の 輸 出 額 を 100 億 ドル 以 上 増 やし 韓 国 経 済 を 6% 成 長 させる 可 能 性 がある また 米 国 の 自 動 車 メーカーとその 従 業 員 に 公 平 な 競 争 条 件 を 提 供 する 従 って 米 国 の 機 械 メーカーにとっても 韓 国 の 化 学 製 品 の 輸 出 企 業 にとっても この 協 定 は 新 たな 顧 客 開 拓 の 障 壁 を 低 減 する 効 果 を 持 つ またわれわれは 先 進 国 途 上 国 を 問 わず 太 平 洋 全 域 の 国 地 域 の 経 済 を 集 めてひとつの 貿 易 圏 をつくる 環 太 平 洋 パートナーシップ 協 定 (TPP)でも 前 進 している われわれの 目 標 は より 大 きな 成 長 だけでなく より 質 の 高 い 成 長 の 実 現 である 貿 易 協 定 には 労 働 者 環 境 知 的 財 産 権 イノベーションを 保 護 する 強 力 な 規 定 が 必 要 と 考 える また 情 報 技 術 の 自 由 な 流 れとグリーン 技 術 の 普 及 に 加 え 規 制 制 度 の 一 貫 性 とサプライチェーン の 効 率 性 を 促 進 すべきである 最 終 的 には われわれが 前 進 したかどうかは 人 々の 生 活 の 質 によって 測 られる つまり 男 性 も 女 性 も 尊 厳 を 持 って 働 き 相 応 の 賃 金 を 得 て 健 康 な 家 庭 を 築 き 子 どもたちを 教 育 し 自 らと 次 世 代 の 生 活 を 向 上 させる 機 会 をとらえられるかどうかである 質 の 高 いTPPが 今 後 の 協 定 の 基 準 となり より 広 範 な 地 域 の 交 流 そして 最 終 的 にはアジア 太 平 洋 自 由 貿 易 圏 の 基 盤 としての 役 割 を 果 たすようになることを 願 っている 貿 易 関 係 で 均 衡 を 達 成 するには 双 方 の 深 い 関 与 が 必 要 である 均 衡 とはそういう 性 質 のものであり 一 方 的 に 押 し 付 けられない 従 ってわれわれは APEC G 20 2 国 間 関 係 を 通 じ より 開 放 された 市 場 輸 出 に 対 する 規 制 の 削 減 透 明 性 の 向 上 公 正 さを 実 現 する 総 合 的 な 取 り 組 みを 推 進 している 知 的 財 産 権 から 自 主 創 新 まで あらゆることについて 予 測 可 能 な 規 則 にのっとり 公 正 な 競 争 条 件 で 事 業 活 動 をしていると 米 国 の 企 業 と 労 働 者 が 確 信 を 持 てなければならない 過 去 10 年 間 のアジアの 目 覚 ましい 経 済 成 長 そして 将 来 も 継 続 して 成 長 する 可 能 性 は 日 本 と 韓 国 に 駐 留 す る5 万 人 以 上 の 米 軍 兵 士 をはじめとする 米 軍 が 長 年 にわたり 保 証 してきた 安 全 保 障 と 安 定 に 依 存 している 領 土 や 領 海 権 をめぐる 紛 争 から 航 行 の 自 由 に 対 する 新 たな 脅 威 自 然 災 害 による 影 響 の 増 大 まで 今 日 の 急 速 に 変 化 するアジア 地 域 の 課 題 に 対 処 するには より 地 理 的 に 分 散 し 作 戦 面 で 弾 力 性 があり 政 治 的 に 持 続 可 能 な 米 国
の 軍 事 態 勢 が 必 要 である 米 国 は 北 東 アジアにおける 従 来 の 同 盟 諸 国 との 基 地 に 関 する 取 り 決 めを 近 代 化 しようとしており 固 い 決 意 で これに 臨 んでいる 一 方 で 東 南 アジアからインド 洋 での 駐 留 態 勢 も 強 化 しつつある 例 えばシンガポールに 沿 岸 戦 闘 艦 を 配 備 する 予 定 であり その 他 にも 米 国 とシンガポールの 軍 隊 が 合 同 で 訓 練 作 戦 を 実 施 する 方 法 を 検 討 している またオーストラリアとは 今 年 合 同 訓 練 演 習 の 機 会 を 増 やすため 同 国 に 駐 留 する 米 軍 の 規 模 の 拡 大 を 検 討 することで 合 意 した さらに 東 南 アジアおよびインド 洋 への 軍 事 アクセスを 拡 大 し 同 盟 国 やパートナー 諸 国 との 交 流 を 深 める 手 段 も 検 討 している インド 洋 と 太 平 洋 の 結 び 付 きの 強 まりを 軍 事 上 の 概 念 にどう 転 換 するかは われわれがこの 地 域 の 新 たな 課 題 に 対 応 するために 答 えを 出 さなければならない 問 題 である こうした 状 況 の 中 では 軍 の 駐 留 を 地 域 全 体 により 広 く 配 置 すれば 大 きな 効 果 がある 米 国 は 人 道 的 任 務 への 支 援 がしやすくなる また 同 じくらい 重 要 なことに より 多 くの 同 盟 国 やパートナー 諸 国 と 協 力 することで 地 域 の 平 和 と 安 定 を 損 なう 脅 威 や 活 動 に 対 する 防 衛 を 強 化 できる しかし 米 国 の 軍 事 力 あるいは 経 済 規 模 以 上 に 国 家 としての 米 国 の 最 も 有 効 な 資 産 はわれわれの 価 値 観 の 力 中 でも 民 主 主 義 と 人 権 への 確 固 たる 支 持 である これはわれわれの 中 に 最 も 深 く 刻 まれた 国 民 性 であり アジア 太 平 洋 地 域 への 戦 略 的 方 向 転 換 も 含 め 米 国 の 外 交 政 策 の 中 核 となっている こうした 問 題 で 意 見 を 異 にするパートナー 諸 国 との 関 与 を 深 める 中 で 米 国 は 統 治 の 改 善 人 権 の 保 護 政 治 の 自 由 の 推 進 をもたらす 改 革 を 支 持 するよう こうした 国 々に 引 き 続 き 求 めていく 例 えばベトナムに 対 しては われわれが 望 む 戦 略 的 パートナーシップの 構 築 には ベトナムが 人 権 保 護 と 政 治 的 自 由 を 推 進 する 措 置 を 取 る 必 要 があると 明 確 に 伝 えている またビルマに 対 しては 人 権 侵 害 の 責 任 を 追 及 する 決 意 である 首 都 ネピドー(の 政 府 )の 動 きや 増 加 するアウン サン スー チー 氏 と 政 府 指 導 層 との 接 触 を 注 意 深 く 見 守 っている 米 国 は ビルマ 政 府 に 対 し 政 治 囚 の 釈 放 政 治 的 自 由 と 人 権 の 推 進 過 去 の 政 策 からの 脱 却 を 強 く 訴 えてきた 北 朝 鮮 に 関 しては 平 壌 政 権 は 自 国 民 の 権 利 を 無 視 し 続 けており われわれは 北 朝 鮮 政 権 がこの 地 域 や 世 界 に 及 ぼす 脅 威 を 強 く 非 難 し 続 ける 米 国 は 自 国 の 制 度 を 他 国 に 強 制 できないし またそれを 望 んでもいないが ある 一 定 の 価 値 観 は 普 遍 であり アジアを 含 む 世 界 中 のあらゆる 国 の 人 々がこの 価 値 観 を 尊 び 安 定 した 平 和 で 繁 栄 する 国 家 にはこの 価 値 観 が 本 来 備 わっていると 信 じている これまでも 世 界 中 の 人 々がそうしてきたように 最 終 的 には 自 らの 権 利 と 目 標 を 追 求 するかどうかはアジアの 人 々が 決 めることである この 10 年 間 米 国 の 外 交 政 策 は 冷 戦 後 の 平 和 の 配 当 への 対 応 から イラクとアフガニスタンへの 難 しい 関 与 へと 移 行 してきた これらの 戦 争 が 終 わりに 近 付 く 中 われわれは 世 界 の 新 たな 現 実 への 対 応 に 向 け 政 策 を 転 換 する 努 力 を 加 速 する 必 要 がある こうした 新 たな 現 実 が 新 たな 形 で 革 新 し 競 争 し 主 導 することを 米 国 に 求 めているとわれわれは 認 識 してい る 米 国 は 世 界 の 出 来 事 から 手 を 引 くのではなく 前 に 出 て 新 たな 指 導 力 を 発 揮 する 必 要 がある 資 源 の 乏 しい 時 には 利 益 を 最 大 化 できるところに 資 源 を 賢 く 投 資 する 必 要 があることに 疑 いはない だからこそアジア 太 平 洋 は 21 世 紀 に 米 国 に 絶 好 の 機 会 する 地 域 となる
もちろん 他 の 地 域 も 非 常 に 重 要 であることに 変 わりはない 米 国 の 従 来 の 同 盟 国 の 大 半 を 擁 するヨーロッパは 今 も 頼 りになるパートナーであり 喫 緊 の 国 際 的 課 題 のほとんどについて 米 国 と 連 携 しており われわれは 同 盟 の 機 構 の 更 新 に 向 け 投 資 している 中 東 および 北 アフリカの 人 々は 新 たな 進 路 を 定 めつつある 彼 らが 歩 む 道 は すでに 世 界 的 に 大 きな 影 響 を 及 ぼしており この 地 域 が 変 革 する 中 米 国 は 積 極 的 かつ 持 続 的 なパートナーシッ プを 約 束 している アフリカは 今 後 経 済 政 治 的 に 発 展 するための 大 きな まだ 手 つかずの 可 能 性 を 持 ってい る また 西 半 球 の 近 隣 諸 国 は 米 国 にとって 最 大 の 輸 出 相 手 国 であるだけでなく 国 際 的 な 政 治 経 済 問 題 でも その 役 割 を 拡 大 している これらの 地 域 はいずれも 米 国 の 関 与 と 指 導 力 を 求 めている 米 国 は 指 導 力 を 発 揮 する 用 意 がある 世 界 中 に 米 国 が 力 を 持 ち 続 けられるか 疑 いを 持 つ 人 々がいることはよく 承 知 している そのような 意 見 は 以 前 にも 聞 いたことがある ベトナム 戦 争 が 終 わった 時 米 国 が 後 退 期 にある という 見 方 を 世 界 中 の 評 論 家 が 盛 んに 言 い 立 てた そしてそのテーマは 数 十 年 ごとに 繰 り 返 されている しかし 米 国 は 挫 折 を 経 験 しても 必 ず 改 革 と 革 新 により 乗 り 越 えてきた さらに 強 くなってよみがえる 米 国 の 力 は 近 代 史 上 他 に 類 を 見 ない それは 自 由 な 民 主 主 義 と 自 由 企 業 という 米 国 の 規 範 から 生 まれるものであり その 規 範 は 今 も 変 わらず 人 類 が 知 る 中 で 最 も 力 強 い 繁 栄 と 進 歩 を 生 み 出 す 源 泉 である 私 がどこへ 行 っても 聞 か されるのは 世 界 は 今 も 米 国 の 指 導 力 を 求 めているということである 米 軍 の 強 さと 米 国 経 済 の 規 模 は 世 界 でも 群 を 抜 いている 米 国 の 労 働 者 は 世 界 で 最 も 生 産 性 が 高 い 米 国 の 大 学 は 世 界 中 で 高 い 名 声 を 得 ている 従 って 20 世 紀 と 同 様 21 世 紀 も 米 国 に 国 際 的 指 導 力 を 確 保 し 維 持 する 力 があることは 疑 うべくもない 今 後 60 年 間 のアジア 太 平 洋 地 域 への 関 与 に 向 けて 準 備 を 進 めるに 際 し 米 国 は 過 去 60 年 間 にわたりわが 国 の 関 与 を 方 向 付 けてきた 超 党 派 の 伝 統 を 忘 れていない われわれは 国 外 での 米 国 の 指 導 力 の 確 保 と 維 持 のために 国 内 で 取 るべき 措 置 すなわち 貯 蓄 の 増 加 金 融 制 度 の 改 革 借 入 れへの 依 存 の 低 減 党 派 間 の 対 立 の 克 服 とい った 措 置 に 重 点 を 置 いている このような 政 策 の 転 換 は 容 易 ではないが われわれは 過 去 2 年 半 にわたりその 準 備 を 整 えてきた 現 代 の 最 も 重 要 な 外 交 への 取 り 組 みのひとつとして これを 最 後 までやり 遂 げる 覚 悟 である