2012 年 1 月 改 訂 ( 改 訂 第 8 版 ) 日 本 標 準 商 品 分 類 番 号 873999,871319 医 薬 品 インタビューフォーム 日 本 病 院 薬 剤 師 会 のIF 記 載 要 領 2008 に 準 拠 して 作 成 処 方 せん 医 薬 品 剤 形 水 性 注 射 液 製 剤 の 規 制 区 分 処 方 せん 医 薬 品 ( 注 意 - 医 師 等 の 処 方 せんにより 使 用 すること) 規 格 含 量 Ⅳ-1.(1)の 項 参 照 一 般 名 製 造 販 売 承 認 年 月 日 薬 価 基 準 収 載 発 売 年 月 日 開 発 製 造 販 売 ( 輸 入 ) 提 携 販 売 会 社 名 和 名 : 濃 グリセリン 果 糖 注 射 液 洋 名 : 該 当 しない 製 造 販 売 承 認 年 月 日 :1997 年 6 月 12 日 (200mL 300mL 500mL) 薬 価 基 準 収 載 年 月 日 :1998 年 7 月 10 日 (200mL 300mL) 2011 年 11 月 28 日 (500mL) 発 売 年 月 日 :1998 年 7 月 10 日 (200mL) 1998 年 9 月 25 日 (300mL) 2011 年 12 月 8 日 (500mL) 製 造 販 売 元 : 扶 桑 薬 品 工 業 株 式 会 社 医 薬 情 報 担 当 者 の 連 絡 先 問 い 合 わ せ 窓 口 扶 桑 薬 品 工 業 株 式 会 社 研 究 開 発 センター 学 術 部 門 TEL 06-6964-2763 FAX 06-6964-2706 (9:00~17:30/ 土 日 祝 日 を 除 く) 医 療 関 係 者 向 けホームページ http://www.fuso-pharm.co.jp/ 本 IFは 2011 年 11 月 改 訂 の 添 付 文 書 の 記 載 に 基 づき 改 訂 した 最 新 の 添 付 文 書 情 報 は 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページ http://www.info.pmda.go.jp/ にてご 確 認 ください
IF 利 用 の 手 引 きの 概 要 - 日 本 病 院 薬 剤 師 会 - 1. 医 薬 品 インタビューフォーム 作 成 の 経 緯 医 療 用 医 薬 品 の 基 本 的 な 要 約 情 報 として 医 療 用 医 薬 品 添 付 文 書 ( 以 下 添 付 文 書 と 略 す) がある 医 療 現 場 で 医 師 薬 剤 師 等 の 医 療 従 事 者 が 日 常 業 務 に 必 要 な 医 薬 品 の 適 正 使 用 情 報 を 活 用 する 際 には 添 付 文 書 に 記 載 された 情 報 を 裏 付 ける 更 に 詳 細 な 情 報 が 必 要 な 場 合 がある 医 療 現 場 では 当 該 医 薬 品 について 製 薬 企 業 の 医 薬 情 報 担 当 者 等 に 情 報 の 追 加 請 求 や 質 疑 をして 情 報 を 補 完 して 対 処 してきている この 際 に 必 要 な 情 報 を 網 羅 的 に 入 手 するため の 情 報 リストとしてインタビューフォームが 誕 生 した 昭 和 63 年 に 日 本 病 院 薬 剤 師 会 ( 以 下 日 病 薬 と 略 す) 学 術 第 2 小 委 員 会 が 医 薬 品 イ ンタビューフォーム ( 以 下 IFと 略 す)の 位 置 付 け 並 びにIF 記 載 様 式 を 策 定 した その 後 医 療 従 事 者 向 け 並 びに 患 者 向 け 医 薬 品 情 報 ニーズの 変 化 を 受 けて 平 成 10 年 9 月 に 日 病 薬 学 術 第 3 小 委 員 会 においてIF 記 載 要 領 の 改 訂 が 行 われた 更 に 10 年 が 経 過 した 現 在 医 薬 品 情 報 の 創 り 手 である 製 薬 企 業 使 い 手 である 医 療 現 場 の 薬 剤 師 双 方 にとって 薬 事 医 療 環 境 は 大 きく 変 化 したことを 受 けて 平 成 20 年 9 月 に 日 病 薬 医 薬 情 報 委 員 会 において 新 たなIF 記 載 要 領 が 策 定 された 2.IFとは IFは 添 付 文 書 等 の 情 報 を 補 完 し 薬 剤 師 等 の 医 療 従 事 者 にとって 日 常 業 務 に 必 要 な 医 薬 品 の 品 質 管 理 のための 情 報 処 方 設 計 のための 情 報 調 剤 のための 情 報 医 薬 品 の 適 正 使 用 のための 情 報 薬 学 的 な 患 者 ケアのための 情 報 等 が 集 約 された 総 合 的 な 個 別 の 医 薬 品 解 説 書 として 日 病 薬 が 記 載 要 領 を 策 定 し 薬 剤 師 等 のために 当 該 医 薬 品 の 製 薬 企 業 に 作 成 及 び 提 供 を 依 頼 している 学 術 資 料 と 位 置 付 けられる ただし 薬 事 法 製 薬 企 業 機 密 等 に 関 わるもの 製 薬 企 業 の 製 剤 努 力 を 無 効 にするもの 及 び 薬 剤 師 自 らが 評 価 判 断 提 供 すべき 事 項 等 はIFの 記 載 事 項 とはならない 言 い 換 えると 製 薬 企 業 から 提 供 されたIFは 薬 剤 時 自 らが 評 価 判 断 臨 床 適 応 するととも に 必 要 な 補 完 をするものという 認 識 を 持 つことを 前 提 としている [IFの 様 式 ] 1 規 格 はA4 版 横 書 きとし 原 則 として9ポイント 以 上 の 字 体 ( 図 表 は 除 く)で 記 載 し 一 色 刷 りとする ただし 添 付 文 書 で 赤 枠 赤 字 を 用 いた 場 合 には 電 子 媒 体 で はこれに 従 うものとする 2IF 記 載 要 領 に 基 づき 作 成 し 各 項 目 名 はゴシック 体 で 記 載 する 3 表 紙 の 記 載 は 統 一 し 表 紙 に 続 けて 日 病 薬 作 成 の IF 利 用 の 手 引 きの 概 要 の 全 文 を 記 載 するものとし 2 頁 にまとめる [IFの 作 成 ] 1IFは 原 則 として 製 剤 の 投 与 経 路 別 ( 内 用 剤 注 射 剤 外 用 剤 )に 作 成 される 2IFに 記 載 する 項 目 及 び 配 列 は 日 病 薬 が 策 定 したIF 記 載 要 領 に 準 拠 する 3 添 付 文 書 の 内 容 を 補 完 するとのIFの 主 旨 に 沿 って 必 要 な 情 報 が 記 載 される
4 製 薬 企 業 の 機 密 等 に 関 するもの 製 薬 企 業 の 製 剤 努 力 を 無 効 にするもの 及 び 薬 剤 師 を はじめ 医 療 従 事 者 自 らが 評 価 判 断 提 供 すべき 事 項 については 記 載 されない 5 医 薬 品 インタビューフォーム 記 載 要 領 2008 ( 以 下 IF 記 載 要 領 2008 と 略 す) により 作 成 されたIFは 電 子 媒 体 での 提 供 を 基 本 とし 必 要 に 応 じて 薬 剤 師 が 電 子 媒 体 (PDF)から 印 刷 して 使 用 する 企 業 での 製 本 は 必 須 ではない [IFの 発 行 ] 1 IF 記 載 要 領 2008 は 平 成 21 年 4 月 以 降 に 承 認 された 新 医 薬 品 から 適 用 となる 2 上 記 以 外 の 医 薬 品 については IF 記 載 要 領 2008 による 作 成 提 供 は 強 制 される ものではない 3 使 用 上 の 注 意 の 改 訂 再 審 査 結 果 又 は 再 評 価 結 果 ( 臨 床 再 評 価 )が 公 表 された 時 点 並 びに 適 応 症 の 拡 大 等 がなされ 記 載 すべき 内 容 が 大 きく 変 わった 場 合 にはIFが 改 訂 される 3.IFの 利 用 にあたって IFの 記 載 要 領 2008 においては 従 来 の 主 にMRによる 紙 媒 体 での 提 供 に 替 え PDFファイルによる 電 子 媒 体 での 提 供 を 基 本 としている 情 報 を 利 用 する 薬 剤 師 は 電 子 媒 体 から 印 刷 して 利 用 することが 原 則 で 医 療 機 関 でのIT 環 境 によっては 必 要 に 応 じ てMRに 印 刷 物 での 提 供 を 依 頼 してもよいこととした 電 子 媒 体 のIFについては 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 の 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホーム ページに 掲 載 場 所 が 設 定 されている 製 薬 企 業 は 医 薬 品 インタビューフォーム 作 成 の 手 引 き に 従 って 作 成 提 供 するが IFの 原 点 を 踏 まえ 医 療 現 場 に 不 足 している 情 報 やIF 作 成 時 に 記 載 し 難 い 情 報 等 につ いては 製 薬 企 業 のMR 等 へのインタビューにより 薬 剤 師 等 自 らが 内 容 を 充 実 させ IFの 利 用 性 を 高 める 必 要 がある また 随 時 改 訂 される 使 用 上 の 注 意 等 に 関 する 事 項 に 関 して は IFが 改 訂 されるまでの 間 は 当 該 医 薬 品 の 製 薬 企 業 が 提 供 する 添 付 文 書 やお 知 らせ 文 書 等 あるいは 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 配 信 サービス 等 により 薬 剤 師 自 らが 整 備 するととも に IFの 使 用 にあたっては 最 新 の 添 付 文 書 を 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページで 確 認 する なお 適 正 使 用 や 安 全 性 の 確 保 の 点 から 記 載 されている 臨 床 成 績 や 主 な 外 国 での 発 売 状 況 に 関 する 項 目 等 は 承 認 事 項 に 関 わることがあり その 取 扱 いには 十 分 留 意 すべ きである 4. 利 用 に 際 しての 留 意 点 IFを 薬 剤 師 等 の 日 常 業 務 において 欠 かすことができない 医 薬 品 情 報 源 として 活 用 し て 頂 きたい しかし 薬 事 法 や 医 療 用 医 薬 品 プロモーションコード 等 による 規 制 により 製 薬 企 業 が 医 薬 品 情 報 として 提 供 できる 範 囲 には 自 ずと 限 界 がある IFは 日 病 薬 の 記 載 要 領 を 受 けて 該 当 医 薬 品 の 製 薬 企 業 が 作 成 提 供 するものであることから 記 載 表 現 には 制 約 を 受 けざるを 得 ないことを 認 識 しておかなければならない また 製 薬 企 業 は IFがあくまでも 添 付 文 書 を 補 完 する 情 報 資 材 であり 今 後 インター ネットでの 公 開 等 も 踏 まえ 薬 事 法 上 の 広 告 規 制 に 抵 触 しないよう 留 意 し 作 成 されている ことを 理 解 して 情 報 を 活 用 する 必 要 がある (2008 年 9 月 )
目 次 Ⅰ. 概 要 に 関 する 項 目 1 Ⅰ-1 開 発 の 経 緯 1 Ⅰ-2 製 品 の 治 療 学 的 製 剤 学 的 特 性 1 Ⅱ. 名 称 に 関 する 項 目 2 Ⅱ-1 販 売 名 2 (1) 和 名 2 (2) 洋 名 2 (3) 名 称 の 由 来 2 Ⅱ-2 一 般 名 2 (1) 和 名 ( 命 名 法 ) 2 (2) 洋 名 ( 命 名 法 ) 2 (3)ステム 2 Ⅱ-3 構 造 式 又 は 示 性 式 2 Ⅱ-4 分 子 式 及 び 分 子 量 2 Ⅱ-5 化 学 名 ( 命 名 法 ) 2 Ⅱ-6 慣 用 名, 別 名, 略 号, 記 号 番 号 2 Ⅱ-7 CAS 登 録 番 号 2 Ⅲ. 有 効 成 分 に 関 する 項 目 3 Ⅲ-1 物 理 化 学 的 性 質 3 (1) 外 観 性 状 3 (2) 溶 解 性 3 (3) 吸 湿 性 3 (4) 融 点 ( 分 解 点 ), 沸 点, 凝 固 点 3 (5) 酸 塩 基 解 離 定 数 3 (6) 分 配 係 数 3 (7)その 他 の 主 な 示 性 値 3 Ⅲ-2 有 効 成 分 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性 3 Ⅲ-3 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 3 Ⅲ-4 有 効 成 分 の 定 量 法 3 Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目 ( 注 射 剤 ) 4 Ⅳ-1 剤 形 4 (1) 剤 形 の 区 別, 規 格 及 び 性 状 4 (2) 溶 液 及 び 溶 解 時 の ph, 浸 透 圧 比, 粘 度, 比 重, 安 定 な ph 域 等 4 (3) 注 射 剤 の 容 器 中 の 特 殊 な 気 体 の 有 無 及 び 種 類 4 Ⅳ-2 製 剤 の 組 成 4 (1) 有 効 成 分 ( 活 性 成 分 )の 含 量 4 (2) 添 加 物 4 (3) 電 解 質 の 濃 度 4 (4) 添 付 溶 解 液 の 組 成 及 び 容 量 4 (5)その 他 4 Ⅳ-3 注 射 剤 の 調 製 法 4 Ⅳ-4 懸 濁 剤, 乳 剤 の 分 散 性 に 対 する 注 意 5 Ⅳ-5 製 剤 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性 5 Ⅳ-6 溶 解 後 の 安 定 性 5 Ⅳ-7 他 剤 との 配 合 変 化 ( 物 理 化 学 的 変 化 ) 5 Ⅳ-8 生 物 学 的 試 験 法 6 Ⅳ-9 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 6 Ⅳ-10 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 定 量 法 6 Ⅳ-11 力 価 6 Ⅳ-12 混 入 する 可 能 性 のある 夾 雑 物 6 Ⅳ-13 治 療 上 注 意 が 必 要 な 容 器 に 関 する 情 報 6 Ⅳ-14 その 他 6 Ⅴ. 治 療 に 関 する 項 目 7 Ⅴ-1 効 能 又 は 効 果 7 Ⅴ-2 用 法 及 び 用 量 7 Ⅴ-3 臨 床 成 績 7 (1) 臨 床 データパッケージ 7 (2) 臨 床 効 果 7 (3) 臨 床 薬 理 試 験 : 忍 容 性 試 験 7 (4) 探 索 的 試 験 : 用 量 反 応 探 索 試 験 7 (5) 検 証 的 試 験 7 1) 無 作 為 化 並 行 用 量 反 応 試 験 7 2) 比 較 試 験 7 3) 安 全 性 試 験 7 4) 患 者 病 態 別 試 験 7 (6) 治 療 的 使 用 8 1) 使 用 成 績 調 査 特 定 使 用 成 績 調 査 ( 特 別 調 査 ) 製 造 販 売 後 臨 床 試 験 ( 市 販 後 臨 床 試 験 ) 8 2) 承 認 条 件 として 実 施 予 定 の 内 容 又 は 実 施 した 試 験 の 概 要 8 Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目 9 Ⅵ-1 薬 理 学 的 に 関 連 ある 化 合 物 又 は 化 合 物 群 9 Ⅵ-2 薬 理 作 用 9 (1) 作 用 部 位 作 用 機 序 9 (2) 薬 効 を 裏 付 ける 試 験 成 績 9 (3) 作 用 発 現 時 間 持 続 時 間 9 Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目 10 Ⅶ-1 血 中 濃 度 の 推 移 測 定 法 10 (1) 治 療 上 有 効 な 血 中 濃 度 10 (2) 最 高 血 中 濃 度 到 達 時 間 10 (3) 臨 床 試 験 で 確 認 された 血 中 濃 度 10 (4) 中 毒 域 10 (5) 食 事 併 用 薬 の 影 響 10 (6) 母 集 団 (ポピュレーション) 解 析 により 判 明 した 薬 物 体 内 動 態 変 動 要 因 10 Ⅶ-2 薬 物 速 度 論 的 パラメータ 10 (1)コンパートメントモデル 10 (2) 吸 収 速 度 定 数 10 (3)バイオアベイラビリティ 10 (4) 消 失 速 度 定 数 10 (5)クリアランス 10 (6) 分 布 容 積 10 (7) 血 漿 蛋 白 結 合 率 10 Ⅶ-3 吸 収 10 Ⅶ-4 分 布 10 (1) 血 液 - 脳 関 門 通 過 性 10 (2) 血 液 - 胎 盤 関 門 通 過 性 10 (3) 乳 汁 への 移 行 性 10 (4) 髄 液 への 移 行 性 10 (5)その 他 の 組 織 への 移 行 性 10 Ⅶ-5 代 謝 11 (1) 代 謝 部 位 及 び 代 謝 経 路 11
(2) 代 謝 に 関 与 する 酵 素 (CYP450 等 )の 分 子 種 11 (3) 初 回 通 過 効 果 の 有 無 及 びその 割 合 11 (4) 代 謝 物 の 活 性 の 有 無 及 び 比 率 11 (5) 活 性 代 謝 物 の 速 度 論 的 パラメータ 11 Ⅶ-6 排 泄 11 (1) 排 泄 部 位 及 び 経 路 11 (2) 排 泄 率 11 (3) 排 泄 速 度 11 Ⅶ-7 透 析 等 による 除 去 率 11 Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目 12 Ⅷ-1 警 告 内 容 とその 理 由 12 Ⅷ-2 禁 忌 内 容 とその 理 由 ( 原 則 禁 忌 を 含 む) 12 Ⅷ-3 効 能 又 は 効 果 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由 12 Ⅷ-4 用 法 及 び 用 量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由 12 Ⅷ-5 慎 重 投 与 内 容 とその 理 由 12 Ⅷ-6 重 要 な 基 本 的 注 意 とその 理 由 及 び 処 置 方 法 12 Ⅷ-7 相 互 作 用 13 (1) 併 用 禁 忌 とその 理 由 13 (2) 併 用 注 意 とその 理 由 13 Ⅷ-8 副 作 用 13 (1) 副 作 用 の 概 要 13 (2) 重 大 な 副 作 用 と 初 期 症 状 13 (3)その 他 の 副 作 用 14 (4) 項 目 別 副 作 用 発 現 頻 度 及 び 臨 床 検 査 値 異 常 一 覧 14 (5) 基 礎 疾 患, 合 併 症, 重 症 度 及 び 手 術 の 有 無 等 背 景 別 の 副 作 用 発 現 頻 度 14 (6) 薬 物 アレルギーに 対 する 注 意 及 び 試 験 法 14 Ⅷ-9 高 齢 者 への 投 与 14 Ⅷ-10 妊 婦, 産 婦, 授 乳 婦 等 への 投 与 14 Ⅷ-11 小 児 等 への 投 与 14 Ⅷ-12 臨 床 検 査 結 果 に 及 ぼす 影 響 14 Ⅷ-13 過 量 投 与 14 Ⅷ-14 適 用 上 の 注 意 15 Ⅷ-15 その 他 の 注 意 15 Ⅷ-16 その 他 15 Ⅹ-3 貯 法 保 存 条 件 17 Ⅹ-4 薬 剤 取 扱 い 上 の 注 意 点 17 (1) 薬 局 での 取 り 扱 いについて 17 (2) 薬 剤 交 付 時 の 注 意 ( 患 者 等 に 留 意 すべき 必 須 事 項 等 ) 17 Ⅹ-5 承 認 条 件 等 17 Ⅹ-6 包 装 17 Ⅹ-7 容 器 の 材 質 17 Ⅹ-8 同 一 成 分 同 効 薬 17 Ⅹ-9 国 際 誕 生 年 月 日 18 Ⅹ-10 製 造 販 売 承 認 年 月 日 及 び 承 認 番 号 18 Ⅹ-11 薬 価 基 準 収 載 年 月 日 18 Ⅹ-12 効 能 又 は 効 果 追 加, 用 法 及 び 用 量 変 更 追 加 等 の 年 月 日 及 びその 内 容 18 Ⅹ-13 再 審 査 結 果, 再 評 価 結 果 公 表 年 月 日 及 びその 内 容 18 Ⅹ-14 再 審 査 期 間 18 Ⅹ-15 投 薬 期 間 制 限 医 薬 品 に 関 する 情 報 18 Ⅹ-16 各 種 コード 18 Ⅹ-17 保 険 給 付 上 の 注 意 18 ⅩⅠ. 文 献 19 ⅩⅠ-1 引 用 文 献 19 ⅩⅠ-2 その 他 の 参 考 文 献 19 ⅩⅡ. 参 考 資 料 20 Ⅻ -1 主 な 外 国 での 発 売 状 況 20 Ⅻ-2 海 外 における 臨 床 支 援 情 報 20 ⅩⅢ. 備 考 21 その 他 の 関 連 資 料 21 Ⅸ. 非 臨 床 試 験 に 関 する 項 目 16 Ⅸ-1 薬 理 試 験 16 (1) 薬 効 薬 理 試 験 ( Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目 参 照 ) 16 (2) 副 次 的 薬 理 試 験 16 (3) 安 全 性 薬 理 試 験 16 (4)その 他 の 薬 理 試 験 16 Ⅸ-2 毒 性 試 験 16 (1) 単 回 投 与 毒 性 試 験 16 (2) 反 復 投 与 毒 性 試 験 16 (3) 生 殖 発 生 毒 性 試 験 16 (4)その 他 の 特 殊 毒 性 16 Ⅹ. 管 理 的 事 項 に 関 する 項 目 17 Ⅹ-1 規 制 区 分 17 Ⅹ-2 有 効 期 間 又 は 使 用 期 限 17
Ⅰ. 概 要 に 関 する 項 目 1. 開 発 の 経 緯 脳 梗 塞 脳 内 出 血 くも 膜 下 出 血 などの 脳 卒 中 更 に 脳 腫 瘍 頭 部 外 傷 を 含 めた 頭 蓋 内 病 変 では 急 性 期 にしばしば 頭 蓋 内 圧 (ICP) 亢 進 脳 浮 腫 などを 伴 う 1961 年 Virno らは グリセロールに 脱 水 作 用 があることを 見 出 し 高 張 グリセロールが 実 験 的 脳 浮 腫 に 有 効 であることを 認 めた 1963 年 彼 らはこれを 眼 圧 降 下 剤 として 経 口 的 に 患 者 に 投 与 して 好 結 果 を 報 告 し わが 国 でも 1967 年 内 服 眼 圧 降 下 剤 が 発 売 された 1964 年 Cantore らによって 脳 浮 腫 に 対 する 臨 床 応 用 が 試 みられ グリセロールの ICP 下 降 作 用 が 優 れていることが 報 告 された 1971 年 Meyer らはこの 作 用 に 注 目 し 本 格 的 臨 床 検 討 を 行 った わが 国 に も 彼 の 業 績 が 紹 介 され 臨 床 治 験 が 開 始 されたが 溶 血 作 用 に 基 づく 一 過 性 の 血 色 素 尿 がときに 出 現 した そこで 溶 血 防 止 の 基 礎 研 究 が 行 われ 糖 類 に 血 色 素 尿 防 止 効 果 のあることが 発 見 された そして 安 全 性 糖 尿 病 合 併 患 者 への 適 用 という 面 が 考 慮 されて fructose が 選 択 され 5%fructose 加 10%glycerol 生 理 食 塩 液 が 開 発 された 当 初 の 効 能 効 果 は 1 頭 蓋 内 圧 亢 進 頭 蓋 内 浮 腫 の 治 療 2 頭 蓋 内 圧 亢 進 頭 蓋 内 浮 腫 の 改 善 による 下 記 疾 患 に 伴 う 意 識 障 害 神 経 障 害 自 覚 症 状 の 改 善 : 脳 梗 塞 ( 脳 血 栓 脳 梗 塞 ) 脳 内 出 血 くも 膜 下 出 血 頭 部 外 傷 脳 腫 瘍 脳 髄 膜 炎 3 脳 外 科 手 術 後 の 後 療 法 4 脳 外 科 手 術 時 の 脳 容 積 縮 小 であったが 1982 年 5 眼 内 圧 下 降 を 必 要 とする 場 合 眼 科 手 術 時 の 眼 容 積 縮 小 の 効 能 が 追 加 された グリポーゼ 注 は 後 発 医 薬 品 として 開 発 し 1997 年 6 月 に 承 認 を 取 得 200mL 300mL は 1998 年 7 月 に 500mL は 2011 年 11 月 に 上 市 した 2. 製 品 の 治 療 学 的 製 剤 学 的 特 性 本 剤 は 10%グリセリン 5% 果 糖 加 生 理 食 塩 液 である 血 液 の 浸 透 圧 を 上 昇 させることにより 組 織 から 脱 水 して 脳 圧 降 下 眼 圧 降 下 作 用 を 発 揮 する 脳 外 科 領 域 ( 脳 血 管 障 害 の 急 性 期 など)や 眼 科 領 域 ( 眼 科 手 術 時 など)で 繁 用 されている - 1 -
Ⅱ. 名 称 に 関 する 項 目 1. 販 売 名 (1) 和 名 グリポーゼ 注 (2) 洋 名 Glypose Injection (3) 名 称 の 由 来 グリセリンとレボーゼ よりの 造 語 (レボーゼ:Levulose( 果 糖 )より グリポーゼ 注 承 認 時 における 当 社 果 糖 注 射 液 の 販 売 名 現 在 の 販 売 名 は 果 糖 注 5%,20% フソ ー ) 2. 一 般 名 (1) 和 名 ( 命 名 法 ) 濃 グリセリン 果 糖 注 射 液 (2) 洋 名 ( 命 名 法 ) 該 当 しない (3)ステム 該 当 しない 3. 構 造 式 又 は 示 性 式 濃 グリセリン 果 糖 4. 分 子 式 及 び 分 子 量 濃 グリセリン C 3 H 8 O 3 果 糖 C 6 H 12 O 6 92.09 180.16 5. 化 学 名 ( 命 名 法 ) 濃 グリセリン Concentrated Glycerin 果 糖 Fructose 6. 慣 用 名, 別 名, 略 号, 記 号 番 号 該 当 しない 7.CAS 登 録 番 号 濃 グリセリン 56-81-5 果 糖 57-48-7-2 -
Ⅲ. 有 効 成 分 に 関 する 項 目 1. 物 理 化 学 的 性 質 (1) 外 観 性 状 (2) 溶 解 性 (3) 吸 湿 性 (4) 融 点 ( 分 解 点 ), 沸 点, 凝 固 点 (5) 酸 塩 基 解 離 定 数 (6) 分 配 係 数 (7)その 他 の 主 な 示 性 値 外 観 性 状 溶 解 性 吸 湿 性 濃 グリセリン 無 色 澄 明 の 粘 性 の 液 で 味 は 甘 い 水 又 はエタノール(99.5)と 混 和 する 吸 湿 性 である 果 糖 無 色 ~ 白 色 の 結 晶 又 は 結 晶 性 の 粉 末 で においはなく 味 は 甘 い 水 に 極 めて 溶 けやすく エタノー ル(95)にやや 溶 けにくく ジエ チルエーテルにほとんど 溶 けな い 水 :1g 1.05mL(96w/v%) エタノール(95):1g 40mL (2.4w/v%) 吸 湿 性 である 温 度 15 湿 度 70%で 1 時 間 放 置 すると 質 量 は 0.24% 増 すとい うデータがある 融 点 18 (グリセリン) 102~104 ( 分 解 ) 酸 塩 基 解 離 定 数 分 配 係 数 その 他 の 主 な 示 性 値 屈 折 率 n 20 D :1.470 以 上 比 重 d 20 20 :1.258 以 上 4.0g を 水 20mL に 溶 かした 液 の ph は 4.0~6.5 である 2. 有 効 成 分 の 各 種 条 件 下 に おける 安 定 性 3. 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 濃 グリセリン: 赤 外 吸 収 スペクトル 測 定 法 果 糖 :(1)フェーリング 反 応 (2) 赤 外 吸 収 スペクトル 測 定 法 4. 有 効 成 分 の 定 量 法 濃 グリセリン: 中 和 滴 定 果 糖 : 旋 光 度 測 定 法 - 3 -
Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目 ( 注 射 剤 ) 1. 剤 形 (1) 剤 形 の 区 別, 規 格 及 び 性 状 (2) 溶 液 及 び 溶 解 時 の ph, 浸 透 圧 比, 粘 度, 比 重, 安 定 な ph 域 等 (3) 注 射 剤 の 容 器 中 の 特 殊 な 気 体 の 有 無 及 び 種 類 剤 形 の 区 別 : 水 性 注 射 液 規 格 :1ポリアル(プラスチックボトル) 中 次 の 成 分 分 量 を 含 む 200mL 300mL 500mL 濃 グリセリン 20g 30g 50g 果 糖 10g 15g 25g 添 加 物 注 ) 塩 化 ナトリウム 1.8g 2.7g 4.5g ph 調 節 剤 注 ) 塩 化 ナトリウム 0.9w/v%を 含 有 する Ⅷ.の 項 参 照 性 状 : 無 色 澄 明 の 水 性 注 射 液 で 甘 く 弱 い 塩 味 がある ph:3.0 ~ 6.0 浸 透 圧 比 :6.5 ~ 7.5 該 当 しない 2. 製 剤 の 組 成 (1) 有 効 成 分 ( 活 性 成 分 )の 含 量 (2) 添 加 物 Ⅳ-1.(1)の 項 参 照 200mL 300mL 500mL 等 張 化 剤 塩 化 ナトリウム 1.8g 2.7g 4.5g ph 調 節 剤 塩 酸 ph 調 節 剤 水 酸 化 ナトリウム 適 量 適 量 適 量 (3) 電 解 質 の 濃 度 (4) 添 付 溶 解 液 の 組 成 及 び 容 量 (5)その 他 該 当 しない 特 になし 3. 注 射 液 の 調 製 法 該 当 しない - 4 -
Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目 ( 注 射 剤 ) 4. 懸 濁 剤, 乳 剤 の 分 散 性 に 対 する 注 意 該 当 しない 5. 製 剤 の 各 種 条 件 下 におけ る 安 定 性 長 期 保 存 試 験 製 品 保 存 条 件 保 存 期 間 保 存 形 態 結 果 200mL 300mL 500mL 室 温 3 年 最 終 包 装 変 化 なし 加 速 試 験 製 品 保 存 条 件 保 存 期 間 保 存 形 態 結 果 200mL 300mL 40±1 75±5%RH 3 ヵ 月 最 終 包 装 変 化 なし 6. 溶 解 後 の 安 定 性 該 当 しない 7. 他 剤 との 配 合 変 化 ( 物 理 化 学 的 変 化 ) 以 下 の 薬 剤 との 配 合 は 不 可 である 1) フェニトインナトリウム カンレノ 酸 カリウム デカン 酸 ナン ドロロン アムホテリシン B エナント 酸 メテノロン 濃 グリセリンは 酸 化 剤 の 配 合 は 不 可 である 果 糖 は 弱 酸 ~ 微 酸 性 で 不 安 定 な 注 射 剤 との 混 合 には 注 意 を 要 する 2) <ph 変 動 スケール> グリポーゼ 200mL ph 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 10mL (0.1mol/L HCl) 10mL (0.1mol/L NaOH) 1.35 3.55( 試 料 ph) 11.56 グリポーゼ 300mL ph 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 10mL (0.1mol/L HCl) 10mL (0.1mol/L NaOH) 1.34 3.84( 試 料 ph) 11.61 グリポーゼ 500mL ph 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 10mL (0.1mol/L HCl) 10mL (0.1mol/L NaOH) 1.34 3.72( 試 料 ph) 11.61-5 -
Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目 ( 注 射 剤 ) 8. 生 物 学 的 試 験 法 該 当 しない 9. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 濃 グリセリン: (1) 硫 酸 水 素 カリウムとの 脱 水 によるアクロレインの 刺 激 臭 発 生 (2) 薄 層 クロマトグラフィー 果 糖 : (1)フェーリング 反 応 (2)レソルシノールとフルフラール 誘 導 体 による 呈 色 反 応 (3) 薄 層 クロマトグラフィー 10. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 定 量 法 濃 グリセリン 果 糖 : 液 体 クロマトグラフィー 11. 力 価 該 当 しない 12. 混 入 する 可 能 性 のある 夾 雑 物 13. 治 療 上 注 意 が 必 要 な 容 器 に 関 する 情 報 特 になし 14.その 他 本 剤 の 容 量, 及 び 本 容 器 の 混 注 可 能 液 量 全 満 量 ( 平 均 値 ) 容 器 の 規 格 に 基 づいたおおよその 値 を 示 す 単 位 :ml 容 器 容 量 混 注 可 能 液 量 全 満 量 200 約 9 約 340 ポリアル 300 約 20 約 670 500 約 20 約 680 混 注 可 能 液 量 : 容 器 内 の 空 気 は 残 したまま 混 注 できる 薬 液 量 全 満 量 : 表 示 量 + 空 気 を 抜 いて 混 注 できる 最 大 量 なお 空 気 を 抜 いて 混 注 した 場 合 投 与 の 際 に 通 気 針 が 必 要 とな る - 6 -
Ⅴ. 治 療 に 関 する 項 目 1. 効 能 又 は 効 果 頭 蓋 内 圧 亢 進 頭 蓋 内 浮 腫 の 治 療 頭 蓋 内 圧 亢 進 頭 蓋 内 浮 腫 の 改 善 による 下 記 疾 患 に 伴 う 意 識 障 害 神 経 障 害 自 覚 症 状 の 改 善 脳 梗 塞 ( 脳 血 栓 脳 塞 栓 ) 脳 内 出 血 くも 膜 下 出 血 頭 部 外 傷 脳 腫 瘍 脳 髄 膜 炎 脳 外 科 手 術 後 の 後 療 法 脳 外 科 手 術 時 の 脳 容 積 縮 小 眼 内 圧 下 降 を 必 要 とする 場 合 眼 科 手 術 時 の 眼 容 積 縮 小 2. 用 法 及 び 用 量 通 常 成 人 1 回 200~500mL を 1 日 1~2 回 500mL あたり 2~3 時 間 かけて 点 滴 静 注 する 投 与 期 間 は 通 常 1~2 週 とする なお 年 齢 症 状 により 適 宜 増 減 する 脳 外 科 手 術 時 の 脳 容 積 縮 小 の 目 的 には 1 回 500mL を 30 分 かけて 点 滴 静 注 する 眼 内 圧 下 降 及 び 眼 科 手 術 時 の 眼 容 積 縮 小 の 目 的 には 1 回 300~ 500mL を 45~90 分 かけて 点 滴 静 注 する 3. 臨 床 成 績 (1) 臨 床 データパッケージ 該 当 しない (2) 臨 床 効 果 (3) 臨 床 薬 理 試 験 : 忍 容 性 試 験 (4) 探 索 的 試 験 : 用 量 反 応 探 索 試 験 (5) 検 証 的 試 験 1) 無 作 為 化 並 行 用 量 反 応 試 験 2) 比 較 試 験 3) 安 全 性 試 験 4) 患 者 病 態 別 試 験 - 7 -
Ⅴ. 治 療 に 関 する 項 目 (6) 治 療 的 使 用 1) 使 用 成 績 調 査 特 定 使 用 成 績 調 査 ( 特 別 調 査 ) 製 造 販 売 後 臨 床 試 験 ( 市 販 後 臨 床 試 験 ) 2) 承 認 条 件 として 実 施 予 定 の 内 容 又 は 実 施 した 試 験 の 概 要 - 8 -
Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目 1. 薬 理 学 的 に 関 連 ある 化 合 物 又 は 化 合 物 群 D-マンニトール 2. 薬 理 作 用 (1) 作 用 部 位 作 用 機 序 (2) 薬 効 を 裏 付 ける 試 験 成 績 本 剤 は 脳 圧 降 下 作 用 のあるグリセリン(グリセロール)に 溶 血 防 止 作 用 のある 果 糖 (フルクトース)を 配 合 した 製 剤 である 本 剤 には 脳 圧 降 下 作 用 及 び 眼 圧 降 下 作 用 がある 脳 圧 降 下 作 用 頭 蓋 内 圧 に 対 する 作 用 3) 脳 圧 迫 による 頭 蓋 内 圧 亢 進 イヌ 及 び cold injury による 脳 浮 腫 イ ヌにおいて 点 滴 静 注 後 頭 蓋 内 圧 の 低 下 が 認 められている 4) 眼 圧 降 下 作 用 ウサギを 用 いて 点 滴 静 注 後 の 眼 圧 を 測 定 した 実 験 で 血 圧 を 下 降 させることなく 眼 圧 の 下 降 が 認 められている (3) 作 用 発 現 時 間 持 続 時 間 - 9 -
Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目 1. 血 中 濃 度 の 推 移 測 定 法 (1) 治 療 上 有 効 な 血 中 濃 度 (2) 最 高 血 中 濃 度 到 達 時 間 (3) 臨 床 試 験 で 確 認 された 血 中 濃 度 (4) 中 毒 域 (5) 食 事 併 用 薬 の 影 響 (6) 母 集 団 (ポピュレーション) 解 析 により 判 明 した 薬 物 体 内 動 態 変 動 要 因 2. 薬 物 速 度 論 的 パラメ-タ (1)コンパートメントモデル (2) 吸 収 速 度 定 数 (3)バイオアベイラビリティ (4) 消 失 速 度 定 数 (5)クリアランス (6) 分 布 容 積 (7) 血 漿 蛋 白 結 合 率 3. 吸 収 4. 分 布 (1) 血 液 - 脳 関 門 通 過 性 (2) 血 液 - 胎 盤 関 門 通 過 性 (3) 乳 汁 への 移 行 性 (4) 髄 液 への 移 行 性 (5)その 他 の 組 織 への 移 行 性 - 10 -
Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目 5. 代 謝 (1) 代 謝 部 位 及 び 代 謝 経 路 濃 グリセリン: 門 脈 系 を 経 て 肝 臓 で 代 謝 され 一 部 は 腸 の 細 胞 で 代 謝 される 10) グリセリンは glycerol kinase の 作 用 でグリセリン 3-リン 酸 に なり 次 いで glycerol 3-phosphate dehydrogenase によりジヒ ドロキシアセトンリン 酸 となり 解 糖 系 に 入 る 6) 果 糖 6) : 肝 臓 でケトへキソキナーゼによって ATP からリン 酸 をと り 果 糖 -1-リン 酸 になる これは 更 に 特 異 的 なフルクトースア ルドラーゼによってジヒドロキシアセトンリン 酸 グリセルア ルデヒドに 変 化 する グリセルアルデヒドは NADPH でグリセロ ールへ 還 元 され これが ATP によりリン 酸 化 を 受 けてから NAD + で 再 酸 化 されて ジヒドロキシアセトンリン 酸 になる こうし て 通 常 の 解 糖 系 に 入 る (2) 代 謝 に 関 与 する 酵 素 (CYP450 等 )の 分 子 種 (3) 初 回 通 過 効 果 の 有 無 及 びその 割 合 (4) 代 謝 物 の 活 性 の 有 無 及 び 比 率 (5) 活 性 代 謝 物 の 速 度 論 的 パラメータ 6. 排 泄 (1) 排 泄 部 位 及 び 経 路 濃 グリセリン 10) : 肝 臓 腎 臓 大 量 投 与 の 場 合 大 部 分 尿 中 にそ のまま 排 泄 される 果 糖 5,6) : 炭 酸 ガスと 水 にまで 分 解 されるため 尿 中 にはほとん ど 排 泄 されず 主 に 呼 気 中 に 排 泄 フルクトキナーゼを 欠 如 し たヒトは 摂 取 した 果 糖 の 大 部 分 を 尿 中 に 排 泄 する (2) 排 泄 率 濃 グリセリン 10) 肝 臓 で 80~90% 腎 臓 で 10~20% (3) 排 泄 速 度 7. 透 析 等 による 除 去 率 - 11 -
Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目 1. 警 告 内 容 とその 理 由 添 付 文 書 に 記 載 なし 2. 禁 忌 内 容 とその 理 由 ( 原 則 禁 忌 を 含 む) (1) 先 天 性 のグリセリン 果 糖 代 謝 異 常 症 の 患 者 7,8) (Ⅷ-6.の 項 参 照 ) ( 解 説 ) 重 篤 な 低 血 糖 症 が 発 現 することがある (2) 成 人 発 症 Ⅱ 型 シトルリン 血 症 の 患 者 (Ⅷ-6.の 項 参 照 ) 3. 効 能 又 は 効 果 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由 4. 用 法 及 び 用 量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由 5. 慎 重 投 与 内 容 とその 理 由 添 付 文 書 に 記 載 なし 添 付 文 書 に 記 載 なし (1) 心 臓 循 環 器 系 機 能 障 害 のある 患 者 ( 解 説 ) 循 環 血 液 量 を 増 すことから 心 臓 に 負 担 をかけ 症 状 が 悪 化 するおそれがある (2) 腎 障 害 のある 患 者 ( 解 説 ) 水 分 塩 化 ナトリウムの 過 剰 投 与 に 陥 りやすく 症 状 が 悪 化 するおそれがある (3) 尿 崩 症 の 患 者 ( 解 説 ) 本 症 には 適 切 な 水 分 電 解 質 管 理 が 必 要 であり 本 剤 の 投 与 により 電 解 質 等 に 影 響 を 与 え 症 状 が 悪 化 するおそれ がある (4) 糖 尿 病 の 患 者 ( 解 説 ) 非 ケトン 性 高 浸 透 圧 性 昏 睡 があらわれることがある 6. 重 要 な 基 本 的 注 意 とその 理 由 及 び 処 置 方 法 (1)フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ(FBPase) 欠 損 症 の 新 生 児 乳 児 幼 児 に 対 して 脳 浮 腫 あるいは 代 謝 不 全 か ら 誘 発 される 脳 浮 腫 予 防 のために 本 剤 を 投 与 して 神 経 障 害 ( 痙 攣 頻 呼 吸 嗜 眠 等 )があらわれ 死 亡 したとの 報 告 がある 9) (ⅩⅢ.の 項 参 照 ) 新 生 児 等 の 脳 浮 腫 原 因 不 明 の 意 識 障 害 に 対 し 本 剤 を 投 与 する 際 には 血 糖 値 血 中 乳 酸 値 を 測 定 し 糖 新 生 系 の 異 常 特 に FBPase 欠 損 症 の 可 能 性 が 疑 われる 場 合 には 投 与 しない こと さらに 本 剤 投 与 中 投 与 後 においては 血 糖 低 下 傾 - 12 -
Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目 向 がないこと 及 び 意 識 障 害 に 代 表 される 神 経 症 状 脳 浮 腫 の 悪 化 が 生 じないことを 確 認 し 悪 化 がみられた 場 合 は こ のような 患 者 への 本 剤 の 投 与 は 中 止 すること (2) 成 人 発 症 Ⅱ 型 シトルリン 血 症 の 患 者 に 対 して 脳 浮 腫 治 療 の ために 本 剤 を 投 与 して 病 態 が 悪 化 し 死 亡 したとの 報 告 があ る 成 人 発 症 Ⅱ 型 シトルリン 血 症 ( 血 中 シトルリンが 増 加 す る 疾 病 で 繰 り 返 す 高 アンモニア 血 症 による 異 常 行 動 意 識 障 害 等 を 特 徴 とする)が 疑 われた 場 合 には 本 剤 を 投 与 しな いこと(ⅩⅢ.の 項 参 照 ) (3) 急 性 の 硬 膜 下 硬 膜 外 血 腫 が 疑 われる 患 者 には 出 血 源 を 処 理 し 再 出 血 のおそれのないことを 確 認 してから 本 剤 を 投 与 すること( 血 腫 の 存 在 を 確 認 することなく 本 剤 を 投 与 する と 頭 蓋 内 圧 の 下 降 により 一 時 止 血 していたものが 再 び 出 血 することがある) (4) 本 剤 には 塩 化 ナトリウムが 含 まれているので 食 塩 摂 取 制 限 の 必 要 な 患 者 に 投 与 する 場 合 には 注 意 すること (5) 乳 酸 アシドーシスがあらわれることがあるので 注 意 するこ と (ⅩⅢ.の 項 参 照 ) 7. 相 互 作 用 添 付 文 書 に 記 載 なし (1) 併 用 禁 忌 とその 理 由 (2) 併 用 注 意 とその 理 由 8. 副 作 用 (1) 副 作 用 の 概 要 本 剤 は 使 用 成 績 調 査 等 の 副 作 用 発 現 頻 度 が 明 確 となる 調 査 を 実 施 していない (2) 重 大 な 副 作 用 と 初 期 症 状 アシドーシス: 乳 酸 アシドーシスがあらわれることがあるので 症 状 があらわれた 場 合 には 炭 酸 水 素 ナトリウム 注 射 液 等 を 投 与 するなど 適 切 な 処 置 を 行 うこと(ⅩⅢ.の 項 参 照 ) - 13 -
Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目 (3)その 他 の 副 作 用 副 作 用 が 認 められた 場 合 には 投 与 を 中 止 するなど 適 切 な 処 置 を 行 うこと 頻 度 不 明 泌 尿 器 尿 潜 血 反 応 陽 性 血 色 素 尿 血 尿 尿 意 消 化 器 悪 心 嘔 吐 低 カリウム 血 症 高 ナトリウム 血 症 非 ケトン 代 謝 異 常 性 高 浸 透 圧 性 高 血 糖 その 他 頭 痛 口 渇 腕 痛 血 圧 上 昇 倦 怠 感 (4) 項 目 別 副 作 用 発 現 頻 度 及 び 臨 床 検 査 値 異 常 一 覧 (5) 基 礎 疾 患, 合 併 症, 重 症 度 及 び 手 術 の 有 無 等 背 景 別 の 副 作 用 発 現 頻 度 (6) 薬 物 アレルギーに 対 す る 注 意 及 び 試 験 法 添 付 文 書 に 記 載 なし 9. 高 齢 者 への 投 与 一 般 に 高 齢 者 では 生 理 機 能 が 低 下 していることが 多 いので 本 剤 投 与 に 際 しては 水 電 解 質 異 常 に 留 意 し 慎 重 に 投 与 するこ と 10. 妊 婦, 産 婦, 授 乳 婦 等 へ の 投 与 添 付 文 書 に 記 載 なし 11. 小 児 等 への 投 与 添 付 文 書 に 記 載 なし 12. 臨 床 検 査 結 果 に 及 ぼす 影 響 添 付 文 書 に 記 載 なし 13. 過 量 投 与 添 付 文 書 に 記 載 なし - 14 -
Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目 14. 適 用 上 の 注 意 投 与 前 : 1) 眼 科 手 術 中 に 尿 意 を 催 すことがあるので 術 前 に 排 尿 してお くことが 望 ましい 2) 投 与 に 際 しては 感 染 に 対 する 配 慮 をすること( 患 者 の 皮 膚 や 器 具 消 毒 ) 3) 体 温 程 度 に 温 めて 使 用 すること 4) 開 封 後 直 ちに 使 用 し 残 液 は 決 して 使 用 しないこと 15.その 他 の 注 意 添 付 文 書 に 記 載 なし 16.その 他 特 になし - 15 -
Ⅸ. 非 臨 床 試 験 に 関 する 項 目 1. 薬 理 試 験 (1) 薬 効 薬 理 試 験 ( Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目 参 照 ) (2) 副 次 的 薬 理 試 験 (3) 安 全 性 薬 理 試 験 (4)その 他 の 薬 理 試 験 2. 毒 性 試 験 5,10) (1) 単 回 投 与 毒 性 試 験 ラットにおける LD 50 濃 グリセリン 経 口 投 与 :25,000 静 脈 内 投 与 :5,000~6,000 (mg/kg) 50% 果 糖 液 静 脈 内 投 与 : 雄 13.0, 雌 12.8 腹 腔 内 投 与 : 雄 14.5, 雌 12.6 (g/kg) (2) 反 復 投 与 毒 性 試 験 (3) 生 殖 発 生 毒 性 試 験 (4)その 他 の 特 殊 毒 性 - 16 -
Ⅹ. 管 理 的 事 項 に 関 する 項 目 1. 規 制 区 分 製 剤 : 処 方 せん 医 薬 品 ( 注 意 医 師 等 の 処 方 せんにより 使 用 するこ と) 2. 有 効 期 間 又 は 使 用 期 限 使 用 期 限 :3 年 ( 安 定 性 試 験 結 果 に 基 づく) 3. 貯 法 保 存 条 件 室 温 保 存 4. 薬 剤 取 扱 い 上 の 注 意 点 ポリアル 製 品 : 1) 通 気 針 は 不 要 ( 混 注 量 等 により 通 気 針 が 必 要 な 場 合 もある) 2) 連 結 管 による 連 続 投 与 は 行 わないこと 連 続 投 与 を 行 う 場 合 には Y 型 タイプのセットを 使 用 すること ( 理 由 :ソフトバッグ 製 品 (ポリアル 製 品 を 含 む)は 連 結 管 で 複 数 の 製 品 をつないで 投 与 するタンデム 方 式 には 適 していない 内 容 液 が 少 なくなった 際 に 輸 液 セット 内 に 容 器 内 の 空 気 が 流 入 す る 危 険 性 がある) 3) 内 容 液 の 漏 出 又 は 混 濁 などが 認 められた 場 合 は 使 用 しないこと 4)オーバーシール(ゴム 栓 部 の 汚 染 防 止 のためのシール)が 万 一 は がれているときは 使 用 しないこと 5)ゴム 栓 への 針 刺 は ゴム 栓 面 に 垂 直 に ゆっくりと 行 うこと 斜 めに 刺 すと ゴム 片 (コア)が 薬 液 中 に 混 入 したり ポート 部 を 傷 つけて 液 漏 れを 起 こすおそれがある 6) 容 器 の 目 盛 はおよその 目 安 として 使 用 すること (1) 薬 局 での 取 り 扱 いについて 該 当 しない (2) 薬 剤 交 付 時 の 注 意 ( 患 者 等 に 留 意 すべき 必 須 事 項 等 ) 該 当 しない 5. 承 認 条 件 等 該 当 しない 6. 包 装 200mL 20ポリアル 300mL 20ポリアル 500mL 20ポリアル 7. 容 器 の 材 質 ポリエチレン 8. 同 一 成 分 同 効 薬 同 一 成 分 :グリセオール 注 ( 中 外 ) 等 同 効 薬 :D-マンニトール 注 射 液 等 - 17 -
Ⅹ. 管 理 的 事 項 に 関 する 項 目 9. 国 際 誕 生 年 月 日 不 明 10. 製 造 販 売 承 認 年 月 日 及 び 承 認 番 号 製 造 販 売 承 認 年 月 日 :1997 年 6 月 12 日 承 認 番 号 :20900AMZ00480 11. 薬 価 基 準 収 載 年 月 日 薬 価 基 準 収 載 年 月 日 :1998 年 7 月 10 日 (200mL 300mL) 2011 年 11 月 28 日 (500mL) 12. 効 能 又 は 効 果 追 加, 用 法 及 び 用 量 変 更 追 加 等 の 年 月 日 及 びその 内 容 該 当 しない 13. 再 審 査 結 果, 再 評 価 結 果 公 表 年 月 日 及 びその 内 容 該 当 しない 14. 再 審 査 期 間 該 当 しない 15. 投 薬 期 間 制 限 医 薬 品 に 関 する 情 報 本 剤 は 投 薬 (あるいは 投 与 ) 期 間 に 関 する 制 限 は 定 められていな い 16. 各 種 コード 販 売 名 グリポーゼ 注 200mL グリポーゼ 注 300mL グリポーゼ 注 500mL HOT 番 号 薬 価 基 準 収 載 医 薬 品 コード レセプト 電 算 コード 103676301 2190501A1085 640422034 103682401 2190501A2081 640422035 121324901 2190501A3096 622132401 17. 保 険 給 付 上 の 注 意 本 剤 は 保 険 診 療 上 の 後 発 医 薬 品 である - 18 -
ⅩⅠ. 文 献 1. 引 用 文 献 1) 病 棟 で 役 立 つ 混 注 ハンドブック, 医 薬 ジャーナル 社,147(1999) 2) 注 射 剤 の 配 合 変 化,エフ コピント 富 士 書 院,616,1300(2002) 3) 林 成 之 ほか, 新 薬 と 臨 牀,26,1817(1977) 4) 古 暮 弘 之 ほか, 眼 科 臨 床 医 報,74,521(1980) 5)JPDI 2006,じほう,377(2006) 6) 第 十 六 改 正 日 本 薬 局 方 解 説 書,C-1060,1337,1342(2011) 7) 別 冊 日 本 臨 牀 領 域 別 症 候 群 シリーズ No.18 先 天 代 謝 異 常 症 候 群, 376(1998) 8) 別 冊 日 本 臨 牀 領 域 別 症 候 群 シリーズ No.18 先 天 代 謝 異 常 症 候 群, 85(1998) 9)Hasegawa,Y. et al., Pediatrics International, 45,5(2003) 10)JPDI 2001,じほう,706(2001) 2.その 他 の 参 考 文 献 - 19 -
ⅩⅡ. 参 考 資 料 1. 主 な 外 国 での 発 売 状 況 該 当 しない 2. 海 外 における 臨 床 支 援 情 報 - 20 -
ⅩⅢ. 備 考 その 他 の 関 連 資 料 1.アシドーシス 本 剤 の 投 与 によるアシドーシス 発 生 の 機 序 としては 以 下 のように 考 えられる( 引 用 文 献 より 一 部 改 変 ) グリセロール 製 剤 の 投 与 高 張 液 の 投 与 フルクトース( 果 糖 )の 負 荷 細 胞 内 液 より 水 分 を 引 く フルクトース( 果 糖 )-1-リン 酸 産 生 細 胞 外 液 の 希 釈 肝 ATPの 減 少 希 釈 性 アシドーシス 乳 酸 の 蓄 積 代 謝 性 アシドーシスの 発 生 高 張 液 の 投 与 により 細 胞 内 液 が 移 動 し 細 胞 外 液 が 希 釈 され 希 釈 性 のアシドーシスをきたす 機 序 がある 一 方 フルクトースは 速 やかに 肝 で 代 謝 され フルクトース-1-リ ン 酸 (F-1-P)を 産 生 するが この 際 に 肝 ATP を 消 費 する(Ⅶ-5.の 項 参 照 ) 肝 ATP の 減 少 と F-1-P の 上 昇 は fructolysis の 律 速 段 階 である phosphoenolpyruvate pyruvate の 活 性 化 および 乳 酸 代 謝 抑 制 をき たし 乳 酸 アシドーシスを 生 じることになる ( 参 考 文 献 : 宇 波 厚 彦 ほか, 救 急 医 学,12,913(1988)/グリセオー ル 投 与 による 乳 酸 アシドーシスの 1 症 例 ) 2.フルクトース-1,6-ビス ホスファターゼ(FBPase) 9) 欠 損 症 への 投 与 ( 文 献 概 要 ) FBPase 欠 損 症 患 児 20 例 の 医 療 記 録 に 基 づくレトロスペクティブな 調 査 の 結 果 グリセロール 液 非 投 与 の 14 例 は 正 常 に 発 育 したが グ リセロール 液 を 投 与 した 6 例 のうち 腹 膜 透 析 を 実 施 しなかった 4 例 中 2 例 が 死 亡 2 例 が 重 度 神 経 障 害 となり またグリセロール 液 投 与 に 加 えて 腹 膜 透 析 を 受 けた 残 り 2 例 中 1 例 でも 軽 度 精 神 遅 滞 を 示 し FBPase 欠 損 患 者 に 対 するグリセロール 液 投 与 が 予 後 に 影 響 を 及 ぼす 可 能 性 が 示 唆 された したがって 血 糖 値 血 中 乳 酸 値 測 定 などにより FBPase 欠 損 症 で ないことが 確 認 できるまでは 患 者 の 脳 浮 腫 の 予 防 治 療 にグリセロ ール 液 を 用 いるべきではない - 21 -
ⅩⅢ. 備 考 3. 成 人 発 症 II 型 シトルリ ン 血 症 (CTLN2)への 投 与 ( 文 献 概 要 ) [ 目 的 ]CTLN2 患 者 の 脳 浮 腫 治 療 におけるグリセロール 投 与 の 危 険 性 とマンニトール 単 独 投 与 の 有 効 性 について 本 症 患 者 3 名 の 治 療 経 験 から 考 察 する [ 方 法 ] 本 症 患 者 3 名 ( 患 者 1:40 歳 女 性 患 者 2:31 歳 男 性 患 者 3:40 歳 男 性 )の 脳 浮 腫 に 対 する 治 療 経 験 を 検 討 した 患 者 1, 2 は 脳 浮 腫 発 症 後 グリセロール 投 与 開 始 後 マンニトール 投 与 を 追 加 患 者 3 では 脳 浮 腫 発 生 後 マンニトール 単 独 で 治 療 を 行 った [ 結 果 ] 患 者 1,2 ではグリセロール 投 与 後 マンニトール 投 与 を 追 加 しても 脳 浮 腫 は 改 善 せず 両 患 者 とも 死 亡 された 患 者 3 ではマン ニトール 投 与 後 脳 浮 腫 の 明 らかな 改 善 が 認 められ 救 命 し 得 た [ 考 察 ] 本 症 における 脳 浮 腫 治 療 には グリセロールよりマンニト ールが 有 効 である 可 能 性 がある シトリンはミトコンドリア 膜 上 にお いて 細 胞 質 内 NADH をミトコンドリア 内 へ 移 送 する 機 能 を 有 してい るが グリセロール 自 体 の 代 謝 により 細 胞 質 内 NADH の 蓄 積 を 促 進 さ せ 本 症 の 病 態 を 更 に 悪 化 させる 可 能 性 がある ( 参 考 文 献 : 矢 崎 正 英 ほか, 第 45 回 日 本 神 経 学 会 総 会 プログラム 抄 録 集,229(2004)/ 成 人 型 シトルリン 血 症 (CTLN2) 患 者 の 脳 浮 腫 におけるグリセロール 投 与 の 危 険 性 ) - 22 -