胸部領域における癌救急

2016.1.14 高 松 赤 十 字 病 院 モーニングセミナー 胸 部 領 域 における 癌 救 急

癌 救 急 とは oncologic emergency oncogenic emergency 腫 瘍 に 起 因 して 発 生 する 生 命 を 脅 かす 緊 急 的 な 病 態. 癌 の 進 行 または 癌 の 治 療 において 直 ちに 治 療 を 要 するレベルの 有 害 事 象 が 生 じた 状 態 の 総 称.

特 徴 発 症 初 期 から 終 末 期 に 至 るあらゆる 時 期 に 発 生 する 可 能 性 発 症 後 数 日 以 内 場 合 によっては 数 時 間 以 内 に 非 可 逆 的 機 能 障 害 を 起 こし 時 に 致 命 的 となる 可 能 性 非 常 に 幅 広 い 分 野 での 救 急 治 療 が 要 求 され る 3 次 救 急

特 徴 早 期 認 知 早 期 介 入 ( 早 期 診 断 治 療 ). 初 期 症 状 兆 候 を 見 落 とさない 重 症 度 緊 急 度 の 迅 速 かつ 正 確 な 評 価 病 態 の 重 症 化 を 予 防 より 低 侵 襲 な 治 療 で 最 大 の 効 果 を 上 げる 必 要 がある

分 類 1. 進 行 に 伴 う 緊 急 症 増 大 浸 潤 による 空 間 占 拠 病 変 狭 窄 閉 塞 穿 孔 出 血 体 液 貯 留 血 液 凝 固 電 解 質 代 謝 系 の 異 常 感 染 2. 治 療 に 伴 う 緊 急 症 化 学 療 法 放 射 線 治 療 手 術

進 行 に 伴 う 緊 急 症 神 経 ( 中 枢 神 経 脊 髄 ) 肺 縦 隔 心 臓 血 管 消 化 器 泌 尿 器 血 液 代 謝 内 分 泌 感 染 頭 蓋 内 圧 亢 進 症 脊 髄 圧 迫 気 道 閉 塞 喀 血 大 量 胸 水 血 胸 気 管 食 道 廔 肺 血 栓 症 心 タポナーデ 上 大 静 脈 症 候 群 静 脈 血 栓 塞 栓 症 消 化 管 出 血 閉 塞 穿 孔 大 量 腹 水 閉 塞 性 黄 疸 腹 腔 内 出 血 急 性 胆 のう 炎 膵 炎 尿 路 閉 塞 血 尿 急 性 腎 障 害 DIC 過 粘 稠 症 候 群 高 Ca 血 症 高 Na 血 症 乳 酸 アシドーシス 急 性 副 腎 不 全 腫 瘍 随 伴 症 候 群 敗 血 症 各 種 臓 器 の 感 染 症

治 療 に 伴 う 緊 急 症 化 学 療 法 有 害 事 象 放 射 線 治 療 合 併 症 手 術 合 併 症 腫 瘍 崩 壊 症 候 群 発 熱 性 好 中 球 減 少 症 心 毒 性, 急 性 肺 障 害 消 化 管 障 害 ( 下 痢 イレウス) 過 敏 反 応 血 管 外 漏 出 インフュージョンリアクション 肺 臓 炎 心 膜 炎 縫 合 不 全 大 量 出 血 術 後 感 染 症

進 行 に 伴 う 緊 急 症 神 経 ( 中 枢 神 経 脊 髄 ) 肺 縦 隔 心 臓 血 管 消 化 器 泌 尿 器 血 液 代 謝 内 分 泌 感 染 頭 蓋 内 圧 亢 進 症 脊 髄 圧 迫 気 道 閉 塞 喀 血 大 量 胸 水 血 胸 気 管 食 道 廔 肺 血 栓 症 心 タポナーデ 上 大 静 脈 症 候 群 静 脈 血 栓 塞 栓 症 消 化 管 出 血 閉 塞 穿 孔 大 量 腹 水 閉 塞 性 黄 疸 腹 腔 内 出 血 急 性 胆 のう 炎 膵 炎 尿 路 閉 塞 血 尿 急 性 腎 障 害 DIC GVHD 過 粘 稠 症 候 群 高 Ca 血 症 高 Na 血 症 乳 酸 アシドーシス 急 性 副 腎 不 全 腫 瘍 随 伴 症 候 群 敗 血 症 各 種 臓 器 の 感 染 症

緊 急 度 重 症 度 1. 巨 大 前 縦 隔 腫 瘍 2. 窒 息 気 道 狭 窄 閉 塞 喀 血 3. 気 管 食 道 廔 心 タンポナーデ 上 大 静 脈 症 候 群 大 量 胸 水 血 胸 血 栓 症

胸 腺 癌 67 歳 男 性 右 頸 部 の 腫 脹 疼 痛 急 性 腸 炎 と 診 断. 5 日 後 顔 面 腫 脹 ふらつ き 出 現. 近 医 耳 鼻 科 で 縦 隔 腫 瘍 を 指 摘 され 再 度 当 院 紹 介

右 頸 部 鎖 骨 上 窩 にリンパ 節 腫 大 上 縦 隔 に5cm 大 の 腫 瘤 気 管 食 道 の 圧 排

頸 部 リンパ 節 ABC: 未 分 化 癌 頭 部 CT: 浮 腫 を 伴 う1cm 大 の 腫 瘤 上 大 静 脈 症 候 群 脳 転 移 を 伴 う 胸 腺 癌

放 射 線 治 療

照 射 終 了 時 には 多 数 の 肺 内 転 移 をみとめ 急 速 に 呼 吸 不 全 が 進 行 し 化 学 療 法 を 施 行 する 間 もなく 死 亡 される

上 大 静 脈 症 候 群 病 態 と 原 因 腫 瘍 やリンパ 節 の 腫 大 浸 潤 に 伴 う 上 大 静 脈 の 狭 窄 閉 塞 により 静 脈 環 流 が 障 害 される 臨 床 徴 候 である 原 疾 患 は 肺 癌 悪 性 リンパ 腫 縦 隔 腫 瘍 転 移 性 腫 瘍 が 多 く 頻 度 は 肺 癌 が70~80%を 占 める 肺 癌 症 例 の2.4~4.2%にみら れる

緩 和 的 胸 部 放 射 線 治 療 推 奨 肺 門 部 縦 隔 病 変 における 気 道 狭 窄 上 大 静 脈 狭 窄 など 胸 部 で の 腫 瘍 増 大 に 伴 う 症 状 緩 和 の 目 的 で 胸 部 放 射 線 治 療 は 行 うよ う 勧 められる (グレードB) 肺 癌 治 療 においては 根 治 照 射 が 不 能 でも 症 状 の 緩 和 や 延 命 を 目 的 と した 胸 部 への 放 射 線 治 療 の 役 割 は 大 きく 対 症 的 に 放 射 線 治 療 を 行 い よう 勧 められる 肺 癌 診 療 ガイドライン 2014 年 版

セミノーマ 23 歳 男 性 胸 痛 呼 吸 困 難 HCG:12 IU/L AFP: 正 常 CEA: 正 常

一 部 Cysticな 部 分 を 伴 う16cm 大 の 腫 瘍

内 部 は 大 部 分 均 一 に 造 影 され 肺 動 脈 気 管 支 は 高 度 に 圧 排

T1 強 調 像 T2 強 調 像

経 過 エコー 下 針 生 検 精 上 皮 腫 BEP 療 法 4 回 ブレオマイシン 30U weekly エトポシド 100mg/m2 day1-5 シスプラチン 20mg/m2 day1-5

化 学 療 法 前 化 学 療 法 後

悪 性 リンパ 腫 15 歳. 女 性 頸 部 リンパ 節 腫 大

化 学 療 法 後 両 側 頸 部 上 前 縦 隔 多 数 のリンパ 節 がみられ 塊 状 となって 気 管 を 圧 迫 狭 窄 を 来 す sil-2r:4258u/ml 頸 部 リンパ 節 生 検 :Hodgkin lymphoma

卵 黄 嚢 腫 瘍 18 歳 男 性 胸 痛 AFP:5900ng/ml

前 縦 隔 に 不 均 一 に 造 影 される 巨 大 腫 瘤 左 腕 頭 静 脈 から 上 大 静 脈 は 高 度 に 圧 排

大 動 脈 心 臓 との 境 界 は 不 明 瞭 右 肺 門 部 への 浸 潤 も 疑 われた

エコー 下 生 検 では 組 織 型 の 同 定 に 至 らないが 悪 性 と 診 断 AFP 高 値 より 卵 黄 嚢 腫 瘍 と 診 断

化 学 療 法 BEP 療 法 5 回 ブレオマイシン エトポシド シスプラチン AFP59000 630 1700ng/ml 末 梢 血 幹 細 胞 移 植 併 用 超 大 量 ICE 療 法 イフォマイド 2g/m2 day1-5 カルボプラチン 200mg/m2 day1-5 エトポシド 200mg/m2 day1-5 AFP 8200 8500ng/ml

化 学 療 法 前 化 学 療 法 後

化 学 療 法 前 化 学 療 法 後

手 術 心 膜 合 併 切 除 上 大 静 脈 浸 潤 部 切 除 心 膜 パッチ 再 建 腫 瘍 右 上 中 葉 切 除 手 術 時 間 :7 時 間 20 分 出 血 :800g

壊 死 に 陥 った 部 分 の 組 織 型 は 同 定 できない 卵 黄 嚢 癌 と 化 学 療 法 によく 反 応 した 腫 瘍 との 混 合 型 と 思 われた 縦 隔 側 黄 白 色 部 は 壊 死 に 陥 った 部 分 その 周 囲 の 肺 内 に 浸 潤 する 灰 白 色 部 はviableな 卵 黄 嚢 癌. 切 除 断 端 に 腫 瘍 は 認 めない

気 道 狭 窄

小 細 胞 癌 気 管 転 移 87 歳 男 性 咳 嗽 と 喀 痰 を 主 訴 に 近 医 を 受 診 し 右 肺 異 常 陰 影 と 気 管 内 腫 瘤 を 指 摘 された. 窒 息 の 危 険 あり 紹 介 の2 週 間 後 にステント 留 置 最 終 診 断 : 右 上 葉 小 細 胞 癌 気 管 転 移 ステント 留 置 後 VP-16 経 口 投 与 205 日 の 予 後 をえた

左 主 気 管 支 が 確 認 できる 程 度 まで レーザー 焼 灼

Dumon stent

ステント 療 法 シリコンステント Dumon stent TM stent 金 属 ステント Ultraflex stent cavered type bear type Spiral Z stent ハイブリッドステント Silmet stent Niti stent アルヘ オラステント

Silicone stent Dumon stent TM stent 耐 久 性 形 状 保 持 力 が 高 い 抜 去 可 能 全 身 麻 酔 硬 性 気 管 支 鏡 が 必 要

Metallic stent Ultraflex stent covered type Spiral Z stent 拡 張 力 が 高 い. 留 置 手 技 は 比 較 的 容 易 抜 去 再 留 置 が 不 可 能 長 期 留 置 例 で 破 損

Hybrid stent Silmet stent ニチノール 素 材 のステント 金 属 にシリコンコーティングが 施 され ポリエステルでフルカバーしたステント 金 属 ステントの 欠 点 を 補 い シリコンステントの 特 性 を 兼 ね 備 える 抜 去 可 能 拡 張 力 高 度 で 壊 れにくい 留 置 が 容 易

金 属 ステント 挿 入 法 透 視 下 にBFSで 狭 窄 部 を マーキング ガイドワイヤー 挿 入 イントロデューサー 挿 入 マーキング 部 で 展 開 Ultraflexは 短 縮 に 注 意

硬 性 鏡 1.2 内 視 鏡 ( 直 視 30 度 斜 視 ) 3.4 気 管 支 用 硬 性 鏡 5.6 気 管 用 硬 性 鏡 7 スコープヘッド シリコンキャップ 8 イントロデューサープッシャー 9 シリコンステント 挿 入 キット 10 デュモンステント

シリコンステント 挿 入 法 透 視 下 に 硬 性 鏡 にて 狭 窄 部 両 端 をマーキング. 硬 性 鏡 を 狭 窄 部 末 梢 ま で 挿 入. ステントを 充 填 したイン トロデューサーを 挿 入. プッシャーを 固 定 し 硬 性 鏡 とイントロデューサー を 抜 いてステントを 留 置. 微 調 整.

合 併 症 術 中 出 血 組 織 の 脱 落 による 気 道 閉 塞 気 道 損 傷 穿 孔 留 置 後 肉 芽 腫 瘍 によるステント 内 外 での 再 狭 窄 ステント 移 動 逸 脱 喀 痰 排 出 障 害 感 染 悪 臭 廔 孔 形 成 ステント 損 傷 術 中 死 診 療 報 酬 点 数 9360 点 金 属 ステントにみられ 穿 孔 出 血 などの 致 死 的 合 併 症 をきたす

食 道 癌 40 歳 女 性 呼 吸 苦 咳 嗽 嚥 下 障 害 喀 痰 排 出 困 難 を 主 訴 に 土 曜 日 の 当 院 救 急 外 来 を 受 診 した. 食 道 癌 気 管 浸 潤 と 診 断 され 緊 急 入 院 した. 緊 急 のステント 留 置 に 対 応 できずPCPS 下 の 気 管 内 挿 管 で 対 応 した. 第 2 病 日 デュモンステント 挿 入 PCPS 離 脱. ステント 留 置 後 化 学 放 射 線 治 療 施 行. 第 30 病 日 大 量 の 吐 血?きたし 死 亡 された.

食 道 癌 と 縦 隔 リンパ 節 が 一 塊 となり 大 きなMassを 形 成

最 狭 窄 部 4mm

膜 様 部 に 突 出 する 腫 瘍 を 認 める

Dumon stent

肺 癌 66 歳. 男 性 呼 吸 困 難 SqCC ct3n2m0 CBDCA+PTX 4コース RT60Gy 腫 瘍 縦 隔 リンパ 節 が 一 塊 下 葉 の 含 気 が 残 存

右 主 気 管 支 はほぼ 閉 塞 左 主 気 管 支 は 分 岐 下 の Massにより 狭 窄 しつつある

1 右 主 気 管 支 1 2 3 主 気 管 支 2 分 岐 部 3 左 主 気 管 支

Core outとステント 留 置

肺 癌 術 後 気 管 転 移 77 歳 女 性. 咳 嗽 喘 鳴. 1か 月 前 より 上 記 あり 喘 息 として 加 療 するも 改 善 せず 紹 介 右 上 葉 切 除 術 /ND2a-1 施 行 肺 腺 扁 平 上 皮 癌 pt1an0m0 stage1a

CT 分 岐 部 直 上 の 気 管 右 側 壁 より 進 展 する16mm 大 のポリープ 状 腫 瘤 を 認 める.

CT 分 岐 部 直 上 の 気 管 右 側 壁 の 有 茎 性 のポリープと 診 断

3D CT 気 管 をほぼ 占 拠 し 窒 息 死 の 危 険 性 があり 同 日 緊 急 に 全 身 麻 酔 による 気 管 支 鏡 下 切 除 術 を 施 行 した.

高 周 波 スネア 気 管 分 岐 部 直 上 に 吸 気 呼 気 に 合 わせて 上 下 する ポリープ 状 腫 瘤 を 認 め 末 梢 への 気 管 支 鏡 挿 入 は 比 較 的 容 易 で 気 管 右 側 壁 に 細 い 茎 を 有 する ポリープ 状 腫 瘤 と 診 断 した.

術 後 経 過 気 管 右 主 気 管 支 に50Gyの 放 射 線 照 射 を 追 加 した. 現 在 再 発 の 兆 候 を 認 めず 慎 重 に 経 過 観 察 中 である.

気 道 狭 窄 所 見 病 態 中 枢 気 道 の70% 以 上 の 狭 窄 を 認 めると 気 流 制 限 による 呼 吸 困 難 が 生 ずる. 症 状 咳 喘 鳴 低 酸 素 血 症 呼 吸 困 難 血 痰 検 査 胸 部 X 線 胸 部 CT により 狭 窄 閉 塞 部 位 範 囲 を 評 価 緊 急 の 気 管 支 鏡 を 検 討 する. CTによる 仮 想 気 管 支 鏡 画 像 で 情 報 を 得 ることもある.

治 療 進 行 が 比 較 的 緩 徐 な 場 合 や 小 細 胞 肺 がんなどの 化 学 療 法 放 射 線 療 法 に 感 受 性 が 高 い 腫 瘍 に 対 して はそれらが 選 択 される 重 症 急 速 進 行 例 ではレーザー 治 療 気 道 ステント 留 置 などの 気 道 内 インターベンションを 検 討 する

心 タンポナーデ 73 歳. 男 性 呼 吸 苦 食 欲 不 振 心 膜 悪 性 中 皮 腫

心 嚢 ドレナージ 心 嚢 ドレナージ 後 排 液 の 減 少 見 られず 胸 腔 鏡 下 心 膜 開 窓 術 を 施 行

胸 腔 鏡 下 心 膜 切 開

癌 性 心 膜 炎 心 囊 液 貯 留 推 奨 a. 心 囊 液 貯 留 を 認 め 症 状 を 伴 う 癌 性 心 膜 炎 に 対 しては 心 囊 ドレ ナージを 行 うよう 勧 められる (グレードA) b. 心 囊 ドレナージ 後 には 心 膜 癒 着 術 が 考 慮 されるが 行 うよう 勧 め られる 明 確 な 根 拠 はない (グレードB) 心 囊 ドレナージ 後 に 心 膜 癒 着 術 を 行 う 意 義 について 検 討 した 臨 床 試 験 では BLMを 使 用 した 比 較 試 験 (JCOG9811)が 存 在 する 心 膜 癒 着 術 の 有 用 性 は 症 例 数 の 問 題 から 有 意 差 は 認 めなかったと 結 論 されたが BLMを 用 いて 心 膜 癒 着 術 を 施 行 することにより 癌 性 心 膜 炎 発 症 後 の 生 存 期 間 の 延 長 効 果 (ドレナージ 単 独 群 30 日 BLM 使 用 群 57 日 )が 示 唆 されたため 推 奨 グレードをBとした 心 膜 癒 着 術 に 使 用 する 薬 剤 としては 各 種 薬 剤 について 検 討 されている 癌 性 心 膜 炎 発 症 後 の 生 存 期 間 はBLM(125.3 日 ) MMC(80 日 ) CBDCA(69 日 )と 報 告 されている 肺 癌 診 療 ガイドライン 2014 年 版

大 量 胸 水 貯 留 83 歳. 女 性 労 作 時 呼 吸 苦 胸 水 細 胞 診 クラスⅤ Adenocarcinoma 胸 水 中 CEA 66.2

ドレナージ 後 OK432 癒 着 療 法 後

癌 性 胸 膜 炎 の 治 療 推 奨 a. 胸 水 貯 留 を 認 め 症 状 を 伴 う 癌 性 胸 膜 炎 に 対 しては 胸 腔 ドレ ナージを 行 うよう 勧 められる (グレードA) b. 胸 腔 ドレナージ 後 に 胸 膜 癒 着 術 を 行 うよう 勧 められる (グレー ドA) 本 邦 ではBLM OK-432 CDDP+VP-16(PE)の3 療 法 を 比 較 する 無 作 為 化 比 較 第 Ⅱ 相 試 験 が 行 われ BLM 群 (68.6%) OK-432 群 (75.8%)およびPE 群 (70.6%)と 3 群 間 に 有 意 差 は 認 めなかったものの OK-432が 最 も 胸 水 コントロール 率 が 高 かった 抗 生 剤 (TC)よりも 抗 癌 剤 (BLM)のほうが 優 れており BLEよりもTacのほうが 胸 水 コントロールが 良 好 であったと 報 告 されている 本 邦 でもOK-432に 加 え Tacが 使 用 可 能 となった 肺 癌 診 療 ガイドライン 2014 年 版

気 道 出 血 病 態 と 原 因 大 量 喀 血 とは24 時 間 に100 600ml 以 上 の 出 血. 癌 病 巣 の 血 管 の 壊 死 炎 症 肺 内 血 管 への 直 接 浸 潤. 検 査 胸 部 X 線 胸 部 CT で 出 血 部 位 原 因 の 推 定. 可 能 であれば 気 管 支 鏡 検 査.

治 療 出 血 側 を 下 にした 側 臥 位 酸 素 吸 入 止 血 剤 投 与 可 及 的 気 道 内 の 血 液 喀 出 気 管 内 健 側 挿 管 気 管 支 鏡 下 エピネフリンやトロンビンの 局 所 投 与. レーザー 焼 灼 凝 固 ステント 留 置 気 管 支 充 填 術 気 管 支 動 脈 塞 栓 術.

肺 癌 穿 孔 による 気 胸 89 歳. 男 性 肝 癌 Follow up 中 に 右 気 胸 を 発 症

発 症 時 CT 肺 尖 部 に 典 型 的 な 薄 壁 ブラなし 両 側 肺 底 部 に 気 腫 性 変 化

ドレナージ 後 CT

胸 腔 鏡 下 下 葉 部 分 節

CT 後 の 閉 塞 性 肺 炎 66 歳. 男 性 検 診 症 例 腺 癌 ct1bn2m1b(bra)

初 診 時 CT

頭 部 MRI

化 学 療 法 後 XP.CT

手 術 所 見

病 理 所 見 Adenocarinoma with mixed subtypes br(-).pa(-).v(-).cw(-).pl0.pm0.ly1.v1 #4R:3/3.Ef1a ypt1bn2m1b(bra)

BFS 生 検 後 の 膿 瘍 66 歳. 男 性 検 診 症 例 腺 癌 ct1bn0m0

生 検 後 XP.CT 穿 孔 膿 胸 への 進 展 が 危 惧 され 準 緊 急 で 手 術 を 施 行 する

手 術 所 見

病 理 所 見 Adenocarcinoma 22mm br(-).pa(-).v(-).pl0.pm0. ly0.v0. n0(0/20) pt1bn0m0 stage1a

まとめ 胸 部 XPの 読 影 は 慎 重 に. 迅 速 で 正 確 な 診 断 重 症 度 緊 急 度 評 価. 期 を 逸 することなく 検 査 処 置 を 行 う.