環 境 影 響 評 価 図 書 のインターネットによる 公 表 に 関 する 基 本 的 な 考 え 方 平 成 24 年 3 月 環 境 省 総 合 環 境 政 策 局 環 境 影 響 評 価 課
目 次 1. 目 的 1 2. 趣 旨 1 3. 実 施 手 順 1 3.1 対 象 とする 図 書 1 3.2 方 法 及 び 期 間 2 3.3 費 用 2 3.4 インターネット 上 での 公 表 に 関 する 留 意 事 項 2 3.4.1 著 作 権 の 取 扱 2 (1) 環 境 影 響 評 価 図 書 と 著 作 権 2 (2) 利 用 の 許 諾 4 (3) 外 部 委 託 と 著 作 権 5 (4) 第 三 者 による 利 用 の 禁 止 5 3.4.2 公 表 に 際 して 留 意 すべき 情 報 への 対 応 6 (1) 希 少 生 物 の 生 息 地 等 に 関 する 情 報 6 (2)その 他 7 3.4.3 データ 改 ざんの 防 止 への 対 応 8 (1)ファイルの 改 ざん 等 8 (2)システムへの 侵 入 8 3.4.4 利 用 者 の 利 便 性 向 上 への 対 応 8 (1) 縦 覧 期 間 後 の 環 境 影 響 評 価 図 書 の 取 扱 8 (2) 利 便 性 への 配 慮 9
1. 目 的 インターネットを 利 用 した 環 境 影 響 評 価 図 書 の 公 表 に 関 する 実 施 手 順 及 び 留 意 事 項 を 整 理 し 事 業 者 による 適 切 な 情 報 提 供 がなされることを 確 保 するとともに 国 民 の 情 報 アクセス の 利 便 性 を 向 上 させることにより 情 報 交 流 の 拡 充 を 図 り 以 て 改 正 法 の 円 滑 な 施 行 に 資 す ることを 目 的 としています 2. 趣 旨 平 成 22 年 2 月 にとりまとめられた 中 央 環 境 審 議 会 答 申 ( 今 後 の 環 境 影 響 評 価 制 度 の 在 り 方 について )では 近 年 のインターネットの 発 達 及 び 行 政 手 続 の 電 子 化 の 進 展 を 踏 まえ 環 境 影 響 評 価 手 続 の 電 子 化 の 必 要 性 が 指 摘 されました これを 受 けて 平 成 23 年 4 月 に 公 布 された 環 境 影 響 評 価 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 以 下 改 正 法 といいます )では これまでの 紙 媒 体 での 環 境 影 響 評 価 図 書 の 縦 覧 に 加 えて インターネットでの 公 表 が 義 務 付 けられました 環 境 影 響 評 価 に 関 する 条 例 を 有 する 地 方 公 共 団 体 の 中 には インターネットで 環 境 影 響 評 価 図 書 を 公 表 する 取 組 を 既 に 行 っているところがあり 中 には 実 施 要 領 を 定 めているとこ ろもありました また 米 国 英 国 オランダ ドイツ 及 びカナダ( 以 下 諸 外 国 といい ます )について 調 査 した 結 果 カナダではインターネットによる 環 境 影 響 評 価 図 書 等 の 情 報 提 供 が 制 度 上 位 置 付 けられているほか その 他 4カ 国 においては 実 態 として 環 境 影 響 評 価 図 書 のインターネットによる 公 表 が 徐 々に 進 められていることが 明 らかになりました これらの 事 例 も 参 考 にしつつ インターネットを 利 用 して 環 境 影 響 評 価 図 書 を 公 表 する 際 の 実 施 手 順 及 び 留 意 事 項 をとりまとめました 3. 実 施 手 順 3.1 対 象 とする 図 書 以 下 の 環 境 影 響 評 価 図 書 は 改 正 法 に 基 づき インターネットの 利 用 による 公 表 が 義 務 付 けられています ( 以 下 これらを 総 称 して 環 境 影 響 評 価 図 書 といいます ) 環 境 影 響 評 価 方 法 書 ( 以 下 方 法 書 といいます ) 及 び 要 約 書 ( 改 正 法 第 7 条 ) 環 境 影 響 評 価 準 備 書 ( 以 下 準 備 書 といいます ) 及 び 要 約 書 ( 改 正 法 第 16 条 ) 環 境 影 響 評 価 書 ( 以 下 評 価 書 といいます ) 要 約 書 及 び 評 価 書 に 対 する 免 許 者 等 の 意 見 の 書 面 ( 以 下 評 価 書 等 といいます )( 改 正 法 第 27 条 ) また 法 定 の 公 表 期 間 後 であっても 対 象 事 業 に 対 する 国 民 の 理 解 や 環 境 保 全 に 関 する 知 見 の 共 有 蓄 積 といった 観 点 から インターネットを 利 用 した 公 表 を 継 続 することが 望 まれ ます 1
3.2 方 法 及 び 期 間 環 境 影 響 評 価 図 書 のインターネットによる 公 表 の 方 法 及 び 期 間 は 以 下 のとおりとします 1インターネットによる 公 表 の 方 法 原 則 事 業 者 のウェブサイトにおいて 環 境 影 響 評 価 図 書 の 公 表 を 行 うこととします 事 業 者 のウェブサイトへの 掲 載 が 不 可 能 な 場 合 においては 適 切 な 外 部 サーバを 確 保 す るなど 事 業 者 においてインターネットでの 公 表 が 可 能 な 適 切 なサイトを 確 保 すること とします 地 方 公 共 団 体 の 協 力 が 得 られる 場 合 は 地 方 公 共 団 体 のウェブサイトにおいて 事 業 者 がインターネットで 公 表 を 行 っているウェブサイトへのリンクを 掲 載 するか 環 境 影 響 評 価 図 書 自 体 の 掲 載 を 行 い 利 用 者 の 利 便 性 の 向 上 を 図 ることが 望 まれます なお このような 場 合 は 例 えば 環 境 影 響 評 価 図 書 の 電 子 媒 体 (CD-ROM DVD USB 等 )の 提 出 や ウェブサイトへの 掲 載 について 著 作 権 等 の 観 点 から 問 題 のないことを 確 認 した 旨 を 示 す 書 類 を 添 付 することが 考 えられますが 当 該 地 方 公 共 団 体 とあらかじめよく 相 談 することが 必 要 です 2インターネットによる 公 表 を 行 う 期 間 環 境 影 響 評 価 図 書 のインターネットによる 法 定 の 公 表 期 間 は1か 月 とされています なお 地 方 公 共 団 体 の 中 には インターネット 上 での 公 表 期 間 を 少 なくとも 次 段 階 の 図 書 ( 方 法 書 の 場 合 は 準 備 書 準 備 書 の 場 合 は 評 価 書 )の 縦 覧 が 開 始 されるまでとし ているところがあり このような 運 用 も 参 考 に 適 切 な 情 報 提 供 を 行 うことが 望 まれます 3.3 費 用 インターネットにより 公 表 されている 環 境 影 響 評 価 図 書 の 閲 覧 及 びダウンロードに 要 する 費 用 は 無 料 とします また 法 定 期 間 後 も 継 続 してインターネット 上 で 公 表 する 図 書 など 自 主 的 にインターネットで 公 表 する 図 書 の 閲 覧 及 びダウンロードに 要 する 費 用 も 無 料 とす ることが 望 まれます 3.4 インターネット 上 での 公 表 に 関 する 留 意 事 項 環 境 影 響 評 価 図 書 のインターネット 上 での 公 表 に 当 たっては 著 作 権 その 他 に 関 する 問 題 が 生 じないよう 以 下 の 点 に 留 意 する 必 要 があります 3.4.1 著 作 権 の 取 扱 (1) 環 境 影 響 評 価 図 書 と 著 作 権 改 正 法 に 基 づく 手 続 において 環 境 影 響 評 価 図 書 は 1か 月 の 縦 覧 が 義 務 付 けられていま す 環 境 影 響 評 価 図 書 の 記 載 内 容 は 図 書 の 作 成 者 以 外 の 者 が 作 成 した 地 図 写 真 図 形 な 2
どを 含 むことが 多 く これらはほとんどの 場 合 著 作 権 法 ( 昭 和 45 年 法 律 第 48 号 ) 上 の 著 作 物 に 該 当 します このため 環 境 影 響 評 価 図 書 の 公 表 に 際 しては 他 者 の 著 作 権 法 上 の 権 利 を 侵 害 することのないよう 留 意 する 必 要 があります また 環 境 影 響 評 価 図 書 に 関 する 著 作 権 法 上 の 権 利 は 図 書 の 作 成 者 に 帰 属 するため 作 成 者 以 外 の 者 がこれらの 図 書 やその 記 載 内 容 を 取 り 扱 う 際 にも 著 作 権 法 に 基 づく 対 応 が 必 要 となります 1: 著 作 権 法 とは 知 的 財 産 権 のうちの 一 つ 文 化 的 な 創 作 物 を 保 護 の 対 象 とする 著 作 権 を 保 護 するための 国 内 法 です 文 化 的 な 創 作 物 とは 文 芸 学 術 美 術 音 楽 などのジャンルであり 人 間 の 思 想 感 情 を 創 作 的 に 表 現 したもののことで 著 作 物 といいます また それらを 創 作 した 人 が 著 作 者 です なお 次 の 要 件 を 満 たす 場 合 には 法 人 等 が 著 作 者 となります (1) 法 人 等 の 発 意 に 基 づくもの (2) 法 人 等 の 業 務 に 従 事 する 者 が 職 務 上 作 成 するもの (3) 法 人 等 が 自 己 の 名 義 で 公 表 するもの (4) 作 成 時 の 契 約 勤 務 規 則 に 別 段 の 定 めがないこと 2: 著 作 権 法 上 の 著 作 物 とは 著 作 権 法 では 著 作 物 として 以 下 のものが 例 示 されています 言 語 の 著 作 物 : 論 文 小 説 脚 本 詩 歌 俳 句 講 演 など 音 楽 の 著 作 物 : 楽 曲 及 び 楽 曲 を 伴 う 歌 詞 舞 踊 無 言 劇 の 著 作 物 : 日 本 舞 踊 バレエ ダンスなどの 舞 踊 やパントマイムの 振 り 付 け 美 術 の 著 作 物 : 絵 画 版 画 彫 刻 漫 画 書 舞 台 装 置 など( 美 術 工 芸 品 も 含 む) 建 築 の 著 作 物 : 芸 術 的 な 建 造 物 ( 設 計 図 は 図 形 の 著 作 物 ) 地 図 図 形 の 著 作 物 : 地 図 と 学 術 的 な 図 面 図 表 模 型 など 映 画 の 著 作 物 : 劇 場 用 映 画 テレビ 映 画 ビデオソフト ゲームソフトなど 写 真 の 著 作 物 : 写 真 など プログラムの 著 作 物 :コンピュータ プログラム このほかに 次 のような 著 作 物 もあります 二 次 的 著 作 物 : 上 表 の 著 作 物 ( 原 著 作 物 )を 翻 訳 編 曲 変 形 翻 案 ( 映 画 化 など)し 作 成 したもの 編 集 著 作 物 : 百 科 事 典 辞 書 新 聞 又 は 雑 誌 などにおける 関 連 する 記 事 の 集 合 詩 集 など データベースの 著 作 物 :コンピュータで 検 索 できるように 情 報 を 選 択 して 体 系 化 したデータベース なお 次 にあげるものは 著 作 物 であっても 著 作 権 がありません (1) 憲 法 そのほかの 法 令 ( 地 方 公 共 団 体 の 条 例 規 則 も 含 む ) (2) 国 や 地 方 公 共 団 体 又 は 独 立 行 政 法 人 の 告 示 訓 令 通 達 など (3) 裁 判 所 の 判 決 決 定 命 令 など (4) (1)から(3)の 翻 訳 物 や 編 集 物 で 国 や 地 方 公 共 団 体 又 は 独 立 行 政 法 人 の 作 成 するもの 社 団 法 人 著 作 権 情 報 センターホームページ(http://www.cric.or.jp/)を 参 考 に 作 成 具 体 的 には 著 作 者 の 持 つ 権 利 ( 3)に 対 し 以 下 の 点 を 確 認 する 必 要 があります 著 作 権 法 上 の 引 用 ( 4) に 該 当 するか 引 用 に 該 当 しない 場 合 著 作 権 者 に 利 用 の 許 諾 を 得 ているか 著 作 権 者 から 利 用 に 際 しての 条 件 等 が 提 示 されている 場 合 その 条 件 等 に 合 致 する 記 載 となっているか 紙 媒 体 の 図 書 を 公 表 する 場 合 においても 同 様 の 留 意 が 必 要 になります 3: 著 作 者 の 権 利 とは 著 作 者 の 権 利 は 著 作 権 法 上 人 格 的 な 利 益 を 保 護 する 著 作 者 人 格 権 と 財 産 的 な 利 益 を 保 護 する 著 作 権 ( 財 産 権 )の 二 つに 分 かれます 著 作 者 人 格 権 : 著 作 者 だけが 持 っている 権 利 で 譲 渡 したり 相 続 したりすることはできません( 一 身 専 属 権 ) この 権 利 は 著 作 者 の 死 亡 によって 消 滅 しますが 著 作 者 の 死 後 も 一 定 の 範 囲 で 守 られることに 3
なっています 公 表 権 ( 著 作 権 法 第 18 条 ): 自 分 の 著 作 物 で まだ 公 表 されていないものを 公 表 するかしないか す るとすれば いつ どのような 方 法 で 公 表 するかを 決 めることができる 権 利 氏 名 表 示 権 ( 著 作 権 法 第 19 条 ): 自 分 の 著 作 物 を 公 表 するときに 著 作 者 名 を 表 示 するかしないか するとすれば 実 名 か 変 名 かを 決 めることができる 権 利 同 一 性 保 持 権 ( 著 作 権 法 第 20 条 ): 自 分 の 著 作 物 の 内 容 又 は 題 号 を 自 分 の 意 に 反 して 勝 手 に 改 変 され ない 権 利 著 作 権 :その 一 部 又 は 全 部 を 譲 渡 したり 相 続 したりできます 著 作 権 の 譲 渡 を 受 けた 者 を 著 作 権 者 といいます 複 製 権 ( 著 作 権 法 第 21 条 ): 著 作 物 を 印 刷 写 真 複 写 録 音 録 画 などの 方 法 によって 有 形 的 に 再 製 する 権 利 上 演 権 演 奏 権 ( 著 作 権 法 第 22 条 ): 著 作 物 を 公 に 上 演 したり 演 奏 したりする 権 利 上 映 権 ( 著 作 権 法 第 22 条 の2): 著 作 物 を 公 に 上 映 する 権 利 公 衆 送 信 権 伝 達 権 ( 著 作 権 法 第 23 条 ): 著 作 物 を 自 動 公 衆 送 信 したり 放 送 したり 有 線 放 送 した り また それらの 公 衆 送 信 された 著 作 物 を 受 信 装 置 を 使 って 公 に 伝 達 する 権 利 展 示 権 ( 著 作 権 法 第 24 条 ): 美 術 の 著 作 物 と 未 発 行 の 写 真 著 作 物 の 原 作 品 を 公 に 展 示 する 権 利 頒 布 権 ( 著 作 権 法 第 26 条 ): 映 画 の 著 作 物 の 複 製 物 を 頒 布 ( 販 売 貸 与 など)する 権 利 譲 渡 権 ( 著 作 権 法 第 26 条 の2): 映 画 以 外 の 著 作 物 の 原 作 品 又 は 複 製 物 を 公 衆 へ 譲 渡 する 権 利 貸 与 権 ( 著 作 権 法 第 26 条 の3): 映 画 以 外 の 著 作 物 の 複 製 物 を 公 衆 へ 貸 与 する 権 利 翻 訳 権 翻 案 権 等 ( 著 作 権 法 第 27 条 ): 著 作 物 を 翻 訳 編 曲 変 形 翻 案 等 する 権 利 ( 二 次 的 著 作 物 を 創 作 することに 及 ぶ 権 利 ) 二 次 的 著 作 物 の 利 用 権 ( 著 作 権 法 第 28 条 ): 自 分 の 著 作 物 を 原 作 品 とする 二 次 的 著 作 物 を 利 用 ( 上 記 の 各 権 利 に 係 る 行 為 )することについて 二 次 的 著 作 物 の 著 作 権 者 が 持 つものと 同 じ 権 利 4: 著 作 権 法 上 の 引 用 とは 著 作 権 法 上 の 引 用 とは 一 定 の 条 件 を 満 たすことで 著 作 権 者 に 特 に 断 りなく 掲 載 を 行 なうことが 出 来 る 方 法 のことです 著 作 権 者 の 許 可 を 得 ない 代 わりに 掲 載 に 関 して 厳 しい 条 件 が 設 けられています ( 著 作 権 法 第 32 条 ) 報 道 批 評 研 究 その 他 の 引 用 の 目 的 上 正 当 な 範 囲 内 で 行 われるものであること 引 用 される 部 分 が 従 で 自 ら 作 成 する 著 作 物 が 主 であるというような 内 容 的 な 主 従 関 係 があ ること かぎ 括 弧 を 付 けるなどして 引 用 部 分 を 明 示 すること 著 作 者 名 題 名 などを 明 らかにする 出 所 の 明 示 をすること 社 団 法 人 著 作 権 情 報 センターホームページ(http://www.cric.or.jp/)を 参 考 に 作 成 インターネット 上 で 環 境 影 響 評 価 図 書 の 公 表 を 行 う 場 合 は 上 記 に 加 え 著 作 権 者 から インターネット 利 用 特 有 の 権 利 である 自 動 公 衆 送 信 権 ( 5) についても 許 諾 を 得 る 必 要 があります 5: 自 動 公 衆 送 信 権 とは 著 作 権 の 一 つで 著 作 物 を 様 々なメディアを 通 して 多 数 の 人 に 伝 達 する 権 利 である 公 衆 送 信 権 のひとつ です ウェブサイトに 掲 載 して 利 用 者 の 求 めに 応 じて 送 信 する 行 為 は 公 衆 送 信 のうちの 自 動 公 衆 送 信 に 該 当 します 自 動 公 衆 送 信 の 場 合 実 際 の 送 信 の 有 無 にかかわらず 送 信 可 能 になった 時 点 で 当 該 権 利 が 働 きます 例 えば ダウンロードした 環 境 影 響 評 価 図 書 を 一 般 の 方 々からアクセス 可 能 な 状 態 でサーバ 上 に 保 管 することは 送 信 可 能 化 の 行 為 に 当 たり 著 作 権 者 の 許 諾 を 得 ない 場 合 は 自 動 公 衆 送 信 権 を 侵 害 す ることとなります (2) 利 用 の 許 諾 環 境 影 響 評 価 図 書 に 記 載 することの 多 い 他 者 の 著 作 物 ( 6)の 一 つに 地 図 があります 国 土 地 理 院 や 地 方 公 共 団 体 が 測 量 法 ( 昭 和 24 年 法 律 第 188 号 )に 基 づき 作 成 した 地 図 は 別 途 測 量 法 によって 複 製 等 に 関 する 承 認 が 義 務 付 けられているため 地 図 利 用 の 許 諾 を 得 る 手 続 ( 7)が 定 められています 一 方 で 測 量 法 に 基 づき 作 成 された 地 図 以 外 の 著 作 物 に ついては 利 用 に 関 する 許 諾 の 手 続 が 明 確 に 定 められていないものも 多 く また 著 作 者 と 著 作 権 者 が 別 である 場 合 も 想 定 されます 4
利 用 に 関 する 許 諾 は 許 諾 契 約 書 等 の 文 書 によるほか 口 頭 で 行 うことも 有 効 とされていま すが 確 実 性 という 観 点 から 文 書 の 形 式 の 方 が 望 ましいと 考 えられます また 利 用 に 関 す る 許 諾 を 得 るために 要 する 期 間 を 考 慮 して 環 境 影 響 評 価 図 書 の 作 成 を 行 う 必 要 があります これらについては 紙 媒 体 の 図 書 を 公 表 する 場 合 においても 同 様 の 留 意 が 必 要 になりま す 6 環 境 影 響 評 価 図 書 に 記 載 することの 多 い 他 者 の 著 作 物 の 例 電 子 縦 覧 を 実 施 した 条 例 対 象 事 業 法 対 象 事 業 の 事 業 者 に 対 して 実 施 したアンケート 調 査 では 他 者 の 著 作 物 として 対 応 を 行 ったものとして 以 下 の 回 答 がありました 国 土 地 理 院 地 勢 図 地 形 図 基 本 計 画 図 空 中 写 真 委 託 業 者 撮 影 写 真 平 成 22 年 度 環 境 影 響 評 価 法 施 行 状 況 等 調 査 業 務 報 告 書 ( 平 成 22 年 3 月 ) 7 地 図 の 利 用 に 関 する 許 諾 等 の 例 例 えば 国 土 地 理 院 作 成 の 地 図 については 同 院 の 少 量 の 地 図 を 挿 入 の 判 断 に 該 当 する 場 合 を 除 いて 測 量 法 に 基 づく 複 製 承 認 申 請 が 必 要 となります また 地 方 公 共 団 体 が 地 図 会 社 とともに 作 成 した 地 形 図 データの 例 では 測 量 法 に 基 づく 地 方 公 共 団 体 の 承 認 著 作 権 法 に 基 づく 地 図 会 社 の 許 諾 が 必 要 となり 条 件 によっては 著 作 権 使 用 料 を 支 払 う 必 要 があ る 場 合 も 見 られます 国 土 地 理 院 ホームページ(http://www.gsi.go.jp/LAW/2930-index.html) 東 京 都 都 市 整 備 局 ホームページ(http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/sinsei/si03.htm)を 参 考 に 作 成 (3) 外 部 委 託 と 著 作 権 外 部 委 託 により 環 境 影 響 評 価 図 書 を 作 成 する 場 合 特 別 の 定 めがなければ 基 本 的 に 著 作 権 は 外 部 委 託 先 に 帰 属 します このため 著 作 権 の 権 利 帰 属 について 仕 様 書 契 約 書 にあ らかじめ 明 確 に 規 定 しておくことが 望 まれます これは 紙 媒 体 の 図 書 を 公 表 する 場 合 においても 同 様 です (4) 第 三 者 による 利 用 の 禁 止 電 子 媒 体 としてインターネット 上 に 公 表 される 情 報 は 従 来 の 紙 媒 体 による 縦 覧 と 比 較 し て 複 製 や 加 工 が 極 めて 容 易 かつ 安 価 であり 送 信 による 移 転 行 為 が 極 めて 容 易 であるとい う 特 性 を 有 します 事 業 者 等 はこれらの 特 性 に 留 意 し 公 表 された 環 境 影 響 評 価 図 書 に 関 す る 複 製 情 報 が 第 三 者 によって 無 断 で 加 工 されたり インターネット 上 の 別 のサイトで 公 開 さ れたりすることがないように 注 意 を 促 すことが 必 要 です( 8) 例 えば 公 表 時 に 公 衆 送 信 の 禁 止 改 変 利 用 の 禁 止 を 公 表 サイトのトップページ 等 最 も 目 にするページに 明 記 すること 可 能 な 限 り 個 々の 著 作 物 が 表 示 されている 箇 所 に 著 作 権 者 を 明 記 することが 推 奨 されます( 9) 8: 第 三 者 への 注 意 喚 起 の 例 環 境 影 響 評 価 図 書 のインターネット 上 での 公 表 を 行 っている 地 方 公 共 団 体 における 第 三 者 への 注 意 喚 起 の 例 を 以 下 に 示 します 大 阪 府 電 子 縦 覧 のトップページに 利 用 上 の 留 意 事 項 として 以 下 の 情 報 を 掲 載 方 法 書 準 備 書 評 価 書 などの 著 作 権 は 事 業 者 等 が 所 有 しています 著 作 権 者 の 許 諾 を 得 ないで 複 製 販 売 貸 与 他 のホームページへの 掲 載 等 を 行 うと 著 作 権 法 違 反 に なる 場 合 がありますので ご 留 意 ください 著 作 権 法 に 関 する Q&A 5
著 作 権 法 ( 総 務 省 の 法 令 データ 提 供 システムへ) 大 阪 府 の 環 境 アセスメントホームページ (http://www.pref.osaka.jp/kankyohozen/assess/jigyou.html)を 参 考 に 作 成 横 浜 市 各 図 書 のダウンロードを 行 うことのできる 画 面 に 以 下 の 情 報 を 掲 載 以 下 のファイル 内 の 文 章 写 真 図 などは 著 作 権 の 対 象 となっております 私 的 使 用 のための 複 製 や 引 用 など 著 作 権 上 認 められた 場 合 を 除 き 無 断 で 複 製 転 用 すること はできません 横 浜 市 環 境 創 造 局 環 境 アセスメントホームページ (http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/mamoru/asesu/)を 参 考 に 作 成 9: 著 作 権 者 明 示 の 例 写 真 の 著 作 権 者 明 示 の 一 例 を 右 に 示 します 写 真 と 一 体 とな って 著 作 権 者 を 示 すことにより 無 断 複 製 や 二 次 加 工 の 抑 制 効 果 が 働 くことが 期 待 されます 10: 諸 外 国 における 著 作 権 への 対 応 の 状 況 米 国 英 国 オランダ ドイツ 及 びカナダの5カ 国 すべて において 電 子 縦 覧 の 際 の 著 作 権 は 環 境 影 響 評 価 制 度 関 連 法 (C)2011 著 作 権 者 令 等 で 定 められておらず 一 般 的 な 著 作 権 に 関 連 する 法 律 に 基 づくものとされていました なお ドイツでは 通 常 環 境 影 響 評 価 を 実 施 する 者 はコンサルタントとの 間 で 成 果 物 は 実 施 者 に 帰 属 する 旨 を 含 む 契 約 を 結 ぶことが 一 般 的 であるとされており カナダでは 公 衆 参 加 ガイドラインにおいて 知 的 所 有 権 は 所 有 者 の 許 可 なしに 使 用 してはならないとされています 3.4.2 公 表 に 際 して 留 意 すべき 情 報 への 対 応 (1) 希 少 生 物 の 生 息 地 等 に 関 する 情 報 希 少 生 物 の 生 息 生 育 地 等 に 関 する 情 報 については 環 境 影 響 評 価 法 第 4 条 第 9 項 の 規 定 による 主 務 大 臣 及 び 国 土 交 通 大 臣 が 定 めるべき 基 準 並 びに 同 法 第 11 条 第 3 項 及 び 第 12 条 第 2 項 の 規 定 による 主 務 大 臣 が 定 めるべき 指 針 に 関 する 基 本 的 事 項 ( 平 成 9 年 環 境 庁 告 示 第 87 号 )において 必 要 に 応 じ 公 開 に 当 たって 種 及 び 場 所 を 特 定 できない 形 で 整 理 する 等 の 配 慮 が 行 われるものとすること とされています これは 環 境 影 響 評 価 図 書 に 掲 載 された 位 置 情 報 等 をもとに 例 えば 希 少 植 物 の 盗 掘 希 少 動 物 の 密 猟 の 危 険 性 が 高 まるおそれ( 11)があるためです 特 に インターネット 上 で 公 表 される 場 合 は 紙 媒 体 での 公 表 と 比 較 して より 多 くの 人 の 目 に 触 れやすくなるため このようなリスクがさらに 高 まる 可 能 性 が あります そのため 環 境 影 響 評 価 図 書 の 作 成 に 当 たっては 希 少 生 物 の 種 名 確 認 位 置 等 の 情 報 の 取 扱 を 検 討 する 必 要 があります たとえば 希 少 生 物 の 確 認 位 置 等 が 改 変 地 域 内 にあるか 否 か 人 の 立 入 りができる 区 域 なのか 否 かを 踏 まえ 生 物 の 特 性 に 応 じて 事 業 ごとに 配 慮 の 対 象 方 法 を 検 討 することが 必 要 です 特 に 国 や 都 道 府 県 のレッドデータブック 等 におい て 絶 滅 危 険 性 の 主 な 要 因 が 違 法 捕 獲 や 園 芸 採 取 とされている 場 合 は 確 認 位 置 の みならず 種 名 自 体 の 公 開 の 是 非 について 十 分 検 討 する 必 要 があります なお 希 少 生 物 に 関 する 生 息 情 報 等 の 公 開 内 容 を 検 討 するに 当 たっては 都 道 府 県 で 作 成 しているレッドデータブック 等 の 既 存 資 料 での 公 表 状 況 を 確 認 するとともに レッドデータ ブック 作 成 に 関 与 した 有 識 者 や 環 境 情 報 等 を 有 する 地 方 公 共 団 体 の 助 言 指 導 を 得 ることも 有 効 と 考 えられます 6
11: 希 少 生 物 情 報 を 公 開 したことにより 問 題 が 生 じた 事 例 環 境 影 響 評 価 手 続 において 希 少 生 物 の 生 息 地 等 に 関 する 情 報 を 公 開 したことにより 問 題 が 生 じたと 報 告 のあった 事 例 は 以 下 のとおりです 盗 掘 のおそれのある 希 少 植 物 種 の 生 育 場 所 を 図 示 しない 配 慮 を 行 ったにも 関 わらず 希 少 植 物 種 が 消 失 した 明 らかに 人 為 的 に 掘 られた 穴 があり 地 下 を 調 べたところ バルブ( 地 下 茎 の 部 分 の 呼 称 )まで 全 て 持 ち 去 られていたため 盗 掘 と 判 断 される 事 業 予 定 区 域 内 にイヌワシが 生 息 しているとの 情 報 が 漏 れ 写 真 撮 影 を 目 的 とする 事 業 区 域 内 への 立 ち 入 りがあり イヌワシの 営 巣 等 へ 影 響 が 懸 念 される 状 況 となった 地 方 公 共 団 体 の 中 には 希 少 生 物 に 関 し 必 要 に 応 じて 環 境 影 響 評 価 審 査 会 での 審 議 を 非 公 開 としているところもあります( 12) このように 審 議 を 非 公 開 とする 場 合 事 業 者 等 は 公 表 可 能 な 環 境 影 響 評 価 図 書 を 作 成 するとともに 環 境 影 響 評 価 に 関 する 審 査 の 参 照 と なるような 当 該 希 少 生 物 の 生 息 生 育 地 等 に 関 する 情 報 をまとめる 必 要 があります 事 業 者 等 及 び 関 係 機 関 が 環 境 影 響 評 価 の 手 続 を 外 部 の 第 三 者 機 関 等 へ 依 頼 するなど 他 の 機 関 が 関 与 する 場 合 は このような 非 公 表 情 報 の 流 出 を 防 ぐため 外 部 機 関 等 への 守 秘 義 務 に 係 る 契 約 の 締 結 などによる 情 報 管 理 を 適 切 に 行 うよう 十 分 に 配 慮 する 必 要 があります 特 に 複 数 年 にわたる 調 査 を 複 数 の 外 部 機 関 が 関 与 して 行 うような 場 合 は このような 情 報 が 漏 洩 拡 散 する 危 険 性 がより 高 くなるおそれがありますので 守 秘 義 務 契 約 の 締 結 など 十 分 な 情 報 の 漏 洩 拡 散 防 止 策 を 講 じる 必 要 があります このような 配 慮 は 紙 媒 体 の 図 書 を 公 表 する 場 合 においても 同 様 に 必 要 です 12: 地 方 公 共 団 体 における 希 少 生 物 等 の 情 報 に 対 する 配 慮 例 例 えば 岩 手 県 では 絶 滅 のおそれのある 野 生 動 植 物 の 種 の 保 存 に 関 する 法 律 ( 以 下 種 の 保 存 法 とい います ) における 国 内 希 少 野 生 動 植 物 種 緊 急 指 定 種 県 レッドデータブックで 絶 滅 危 惧 ランクの 上 位 に 位 置 する 種 等 が 審 議 の 対 象 となった 場 合 必 要 に 応 じて 審 議 を 非 公 開 としています これは 情 報 を 公 開 することにより 希 少 生 物 の 生 息 生 育 が 脅 かされるおそれがある 場 合 は 岩 手 県 情 報 公 開 条 例 における 非 開 示 情 報 ( 県 の 機 関 国 の 機 関 独 立 行 政 法 人 等 県 以 外 の 地 方 公 共 団 体 地 方 独 立 行 政 法 人 又 は 岩 手 県 土 地 開 発 公 社 が 行 う 事 務 又 は 事 業 に 関 する 情 報 であって 公 にすることにより 当 該 事 務 又 は 事 業 の 性 質 上 当 該 事 務 又 は 事 業 の 適 正 な 遂 行 に 支 障 を 及 ぼすおそれがあるもの)に 該 当 し 非 公 開 とすることが 認 められているためです 13: 諸 外 国 における 希 少 生 物 等 の 情 報 に 対 する 配 慮 状 況 米 国 英 国 オランダ ドイツ 及 びカナダの5カ 国 すべてにおいて 希 少 生 物 の 生 息 地 等 に 関 する 情 報 公 開 の 規 定 は 見 られませんでしたが ほとんどの 国 で 希 少 生 物 や 絶 滅 危 惧 種 の 生 息 地 の 正 確 な 位 置 等 が 分 かる 情 報 を 一 般 的 に 環 境 影 響 評 価 図 書 内 で 公 開 していませんでした なお カナダ 環 境 評 価 法 第 35 条 4.1 は 公 開 することで 環 境 に 悪 影 響 を 及 ぼしうる 情 報 であると 審 査 委 員 会 (review panel)が 判 断 した 場 合 そのような 情 報 を 入 手 したいかなる 者 も それを 公 開 してはい けない と 規 定 しており 運 用 上 希 少 種 などの 生 息 地 に 関 する 詳 細 な 情 報 は 審 査 委 員 会 により 公 開 することで 環 境 に 悪 影 響 を 及 ぼしうる 情 報 と 判 断 されるため 電 子 縦 覧 環 境 影 響 評 価 書 にも 一 般 の 縦 覧 に 供 する 環 境 影 響 評 価 書 にも 記 載 されていません (2) その 他 事 業 種 によっては 環 境 影 響 評 価 図 書 の 内 容 に 企 業 秘 密 となり 得 る 事 項 や 安 全 保 障 に 関 する 事 項 が 含 まれることも 想 定 されます 環 境 影 響 評 価 手 続 における 意 見 提 出 を 行 う 上 で 必 要 な 情 報 等 は 公 表 することが 原 則 ですが 企 業 秘 密 となり 得 る 事 項 などが 含 まれる 場 合 は 関 係 機 関 と 協 議 を 行 い 掲 載 の 要 否 掲 載 内 容 やその 方 法 等 詳 細 を 決 めていくことが 必 要 となります このような 配 慮 は 紙 媒 体 の 図 書 を 公 表 する 場 合 においても 同 様 に 必 要 です 7
3.4.3 データ 改 ざんの 防 止 への 対 応 (1)ファイルの 改 ざん 等 環 境 影 響 評 価 図 書 をインターネット 上 で 公 表 するに 当 たっては 公 表 期 間 中 の 不 正 アクセ スにより 環 境 影 響 評 価 図 書 が 改 ざん 減 失 棄 損 するなどの 脅 威 に 対 し リスク 管 理 を 行 い 必 要 に 応 じて 適 切 なセキュリティ 対 策 を 講 じる 必 要 があります また ファイルの 更 新 日 時 を 適 切 に 管 理 し 公 表 用 のデータのバックアップを 保 管 しておくなどにより 不 正 な 改 ざん 等 が 行 われた 場 合 には 検 知 復 旧 できるように 配 慮 することが 重 要 です 改 ざん 防 止 のための 具 体 的 な 対 策 は 想 定 するリスクの 大 きさにより 異 なりますが 例 え ば ダウンロード 後 に 改 変 されないよう 変 更 不 可 能 な 参 照 用 文 書 ファイル 形 式 などにファイ ルを 変 換 して 掲 載 するなどの 方 法 が 考 えられます 一 方 環 境 影 響 評 価 図 書 のインターネット 上 での 公 表 にあたっては 利 便 性 を 向 上 させる ため 各 図 書 へのアクセスしやすさの 確 保 が 不 可 欠 です そのため 特 異 なファイル 形 式 や 閲 覧 に 特 定 のソフトウェアのインストールが 必 要 なファイル 形 式 等 を 用 いることは できる だけ 避 ける 必 要 があります リスクを 勘 案 しつつ できる 限 り 広 くサポートされているよう な 形 式 での 公 表 を 行 うよう 留 意 する 必 要 があります (2) システムへの 侵 入 ファイルが 直 接 改 ざんされるのではなく ウイルスを 送 り 込 まれることで ファイルが 破 壊 される 脅 威 も 想 定 されます これに 対 しては システムへの 侵 入 を 防 ぐ 対 策 が 必 要 であり ファイアーウォールの 設 置 やウイルス スパイウエア 等 の 監 視 及 び 駆 除 ソフトウエアの 導 入 などの 技 術 的 な 対 応 が 考 えられます 3.4.4 利 用 者 の 利 便 性 向 上 への 対 応 (1) 縦 覧 期 間 後 の 環 境 影 響 評 価 図 書 の 取 扱 事 業 者 は 改 正 法 に 基 づく 縦 覧 期 間 中 環 境 影 響 評 価 図 書 を 公 表 することが 義 務 付 けられ ています 縦 覧 期 間 終 了 後 は 環 境 影 響 評 価 図 書 の 内 容 の 継 続 性 ( 準 備 書 にはその 前 段 階 の 方 法 書 の 内 容 が 評 価 書 にはその 前 段 階 の 準 備 書 が 含 まれていること)を 勘 案 すると 少 な くとも 同 一 の 案 件 に 対 する 環 境 影 響 評 価 手 続 が 終 了 するまでは 引 き 続 き 公 開 することが 望 ましいと 考 えられます また 対 象 事 業 の 工 事 が 着 手 された 場 合 でも 当 該 事 業 等 の 環 境 影 響 評 価 図 書 を 含 む 資 料 がその 後 の 事 業 の 参 考 となる 可 能 性 があるため 特 段 の 理 由 がない 限 り 引 き 続 きインターネット 上 で 公 表 することが 望 まれます このような 対 応 は 紙 媒 体 の 図 書 を 公 表 する 際 にも 留 意 する 必 要 があります 16: 地 方 公 共 団 体 における 公 表 期 間 設 定 状 況 平 成 22 年 度 に 11 地 方 公 共 団 体 に 対 して 実 施 したアンケート 調 査 では 環 境 影 響 評 価 図 書 のインターネ ット 上 での 公 表 について 原 則 期 間 なし としている 団 体 は7 団 体 であり 縦 覧 期 間 中 のみ としてい る 団 体 は1 団 体 でした 2 団 体 については 次 段 階 の 環 境 影 響 評 価 図 書 が 公 表 されるまで ( 方 法 書 の 場 合 は 準 備 書 が 公 表 されるまで 準 備 書 の 場 合 は 評 価 書 が 公 表 されるまで)とされていましたが 評 価 書 の 公 表 期 間 については 団 体 によって 差 異 がみられました また 1 団 体 については 事 後 調 査 手 続 終 了 まで とされていました 8
(2) 利 便 性 への 配 慮 インターネット 上 で 公 表 される 環 境 影 響 評 価 図 書 は 利 用 者 が 情 報 にアクセスした 際 に 直 ちに 整 然 とした 形 式 及 び 明 瞭 な 状 態 でコンピュータ 上 に 表 示 されるようなものとして 作 成 され そのアクセスしやすさが 確 保 される 必 要 があります そのため 公 表 するファイル 形 式 はできるだけ 広 くサポートされている 形 式 であること 読 み 込 みに 特 別 なツールが 必 要 な 場 合 は 無 償 で 容 易 に 入 手 利 用 できるような 措 置 を 行 うこ となどの 対 応 が 必 要 です さらに 各 図 書 におけるウェブ 上 でのテキスト 検 索 を 可 能 にする など 利 用 者 の 利 便 性 を 高 めるような 工 夫 が 必 要 です また 利 用 者 のコンピュータ 環 境 の 違 い( 利 用 ソフトウェアの 違 い 回 線 速 度 の 違 い 等 ) により 利 便 性 への 著 しい 差 異 が 生 じないよう 例 えば 環 境 影 響 評 価 図 書 の 内 容 を 章 立 てし た 形 式 で HTML 文 書 として 表 示 することや 分 割 ダウンロードできるようにするなど 通 信 情 報 量 を 小 さくするような 配 慮 が 必 要 です 環 境 影 響 評 価 図 書 の 内 容 に 地 図 や 写 真 などの 画 像 ファイルが 数 多 く 含 まれる 場 合 は 必 要 に 応 じて 画 像 の 解 像 度 を 下 げる 色 数 を 減 らす などにより 画 像 データのサイズを 小 さくする( 圧 縮 する)ような 配 慮 が 重 要 です さらに インターネット 上 での 公 表 に 当 たっては 利 用 者 の 使 いやすさを 考 慮 したファイ ル 構 成 にする 必 要 があります 縦 覧 ページの 構 成 としては トップページ( 目 次 ページ)で 各 章 毎 に 本 文 のファイルがリンク 情 報 として 設 定 されている 形 式 が 一 般 的 と 考 えられます リンク 先 の 本 文 ファイルは 章 レベルでまとめるのが 一 般 的 ですが 大 きなファイル 容 量 とな る 場 合 には 章 より 細 かい 項 番 などでさらに 細 分 化 する 必 要 があります 一 方 利 用 者 によっては 図 表 を 含 め 環 境 影 響 評 価 図 書 を 一 括 してダウンロードするこ とが 必 要 な 場 合 も 想 定 されるため 各 図 書 の 用 途 や 利 用 者 の 要 望 等 を 踏 まえ 図 書 全 体 が 一 括 ダウンロードができるような 措 置 を 行 うなど 適 切 に 対 応 していく 必 要 があります 17: 地 方 公 共 団 体 における 利 用 者 の 利 便 性 に 配 慮 した 事 例 5つの 地 方 公 共 団 体 において 利 用 者 の 利 便 性 の 配 慮 に 関 して 事 業 者 への 指 導 を 行 った 事 例 がみられま した これらの 団 体 においては いずれもダウンロード 可 能 なデータファイルのサイズを 必 要 に 応 じて 分 割 することとしている 内 容 となっており その 目 安 となる 容 量 は1MB~5MBまでと 地 方 公 共 団 体 によ り 差 異 がみられました 18: 利 用 者 の 利 便 性 の 観 点 からの 要 望 があった 事 例 ダウンロード 用 のファイルを 分 割 して 掲 載 したところ 利 用 者 から 一 括 でダウンロードできるようにし てほしいとの 要 望 があったため 一 括 でのダウンロードもできるようにした 事 例 があります オリジナル bmp 形 式 2,560 1,920ドット 14MB 画 質 の 解 像 度 を 下 げる bmp 形 式 400 300 ドット 351KB 色 数 を 減 らす bmp 形 式 2,560 1,920ドット 4.5MB 画 像 ファイル 圧 縮 の 例 ファイル 形 式 を 変 更 する jpeg 形 式 2,560 1,920ドット 997KB 9