Microsoft Word レポート（最終）

景 気 動 向 指 数 からみる 消 費 税 増 税 後 の 県 内 景 気 < はじめに > 26 4 月 に 消 費 税 が5%から8%へと 引 き 上 げられた 本 県 経 済 は 増 税 直 後 か ら 一 部 で 増 税 に 伴 う 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 減 がみられるなど 全 体 として 弱 い 動 きが 続 き 増 税 から2 近 くたった 現 在 においても 直 接 的 な 影 響 こそ 薄 れたものの 踊 り 場 の 様 相 を 呈 している 状 況 にある しかし 増 税 後 の 動 きを 個 別 にみると 消 費 では 弱 い 動 きが 続 いている 一 方 で 雇 用 はおおむね 改 善 基 調 がみられるなど 経 済 活 動 に 濃 淡 があり 個 別 の 動 向 を 把 握 するこ とも 重 要 である そこで 本 レポートは 各 経 済 活 動 に 敏 感 に 反 応 する 指 標 を 統 合 した 景 気 指 標 である 新 潟 県 景 気 動 向 指 数 及 びその 採 用 系 列 並 びにそれと 関 連 する 経 済 指 標 の 動 向 を 分 析 することで 消 費 税 増 税 後 の 県 内 景 気 の 動 向 及 び 増 税 の 各 経 済 活 動 への 影 響 を 確 認 し 今 後 の 動 向 について 考 察 することを 目 的 とする ポイント 景 気 動 向 指 数 ( 一 致 指 数 )でみると 県 内 経 済 は 弱 い 動 きが 続 く 増 税 後 26 央 まで 景 気 は 悪 化 一 時 持 ち 直 すも 27 3 月 以 降 再 び 下 降 傾 向 となり 最 近 の 景 気 は 弱 い 動 きを 示 す 主 な 採 用 系 列 から 各 経 済 活 動 別 の 動 向 をみると 投 資 雇 用 は 増 税 以 降 も 比 較 的 堅 調 に 推 移 生 産 は 増 税 直 後 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 減 の 影 響 を 受 け 大 きく 低 下 し 以 後 弱 い 動 きが 続 く 消 費 は 27 第 Ⅱ 四 半 以 降 プラスで 推 移 するも 継 続 して 弱 い 動 き 貿 易 は 27 第 Ⅰ 四 半 以 降 原 油 安 により 減 少 傾 向 が 続 く 今 後 の 見 通 しを 景 気 動 向 指 数 ( 先 行 指 数 )でみると 下 降 トレンドが 形 成 されて いる 原 油 価 格 下 落 や 実 質 賃 金 のプラス 転 化 による 家 計 への 好 影 響 に 待 1 景 気 動 向 指 数 ( 一 致 指 数 )からみる 増 税 以 降 の 県 内 景 気 (26 央 にかけて 下 降 後 27 始 めにかけて 回 復 したが それ 以 降 再 び 下 降 傾 向 ) まず 県 内 景 気 の 量 感 やテンポを 示 す 景 気 動 向 指 数 ( 一 致 指 数 )をみると 25 から 増 税 直 前 の 26 3 月 までは 安 定 して 上 昇 傾 向 にあったが 増 税 時 の 26 4 月 から 8 月 まで 下 降 に 転 じ その 後 27 始 めにかけて 緩 やかな 回 復 基 調 にあったが 3 月 以 降 は 再 び 下 降 傾 向 にある 足 元 の 基 調 を 示 す3か 月 後 方 移 動 平 均 基 調 が 定 着 しつつある ことを 確 認 する7か 月 後 方 移 動 平 均 でみても 下 降 傾 向 が 続 いており 増 税 以 降 それま での 景 気 回 復 の 足 取 りが 弱 まり 景 気 がやや 後 退 局 面 となっていることが 推 察 される ( 図 1-1) 次 に 四 半 ごとの 指 数 の 変 化 幅 と 各 系 列 の 寄 与 度 をみると 生 産 関 連 の3 系 列 ( 生 産 指 数 出 荷 指 数 大 口 電 力 使 用 量 )では 増 税 後 の 26 第 Ⅱ 四 半 に 大 きく 落 ち 込 ん で 以 降 一 致 指 数 に 対 してプラス 寄 与 となった 時 がみられるものの おおむね 弱 い 動 きが 続 いている 消 費 ( 百 貨 店 スーパー 販 売 額 (1m2 当 たり 実 質 ))は 駆 け 込 み 需 要 の 反 動 減 の 影 響 で 26 第 Ⅱ 四 半 に 大 きな 落 ち 込 みをみせた 第 Ⅲ 四 半 以 降 はやや 回 復 したものの 27 第 Ⅰ 四 半 では 再 びマイナスとなった 第 Ⅱ 第 Ⅲ 四 半 は 寄 与 度 1

がプラスとなっており 回 復 の 動 きもみられるものの 全 体 として 弱 い 動 きが 続 いてい る 投 資 ( 建 築 着 工 床 面 積 投 資 財 生 産 指 数 )をみると 増 税 直 後 の 26 第 Ⅱ 四 半 に マイナス 寄 与 となった 以 降 はプラス 寄 与 が 続 き 他 の 経 済 活 動 が 停 滞 する 中 で 企 業 が 投 資 に 積 極 的 であった 様 子 がうかがえる しかし 27 第 Ⅲ 四 半 以 降 はマイナス 寄 与 と なっており 先 行 きが 懸 念 される 雇 用 ( 有 効 求 人 倍 率 ( 新 規 学 卒 を 除 く 全 数 ))は 増 税 後 も 改 善 傾 向 が 続 いたものの 26 第 Ⅱ 四 半 以 降 伸 び 率 が 鈍 化 したためマイナス 寄 与 が 目 立 つ 状 況 となった 27 第 Ⅳ 四 半 では 寄 与 がプラスに 転 じ 持 ち 直 しの 動 きも みられる 貿 易 ( 輸 入 額 )については 増 税 以 降 も 26 第 Ⅳ 四 半 までは 堅 調 であった が 27 に 入 ってからは 弱 い 動 きが 続 いている ( 表 1-1) 次 項 から 各 経 済 活 動 の 景 況 を 主 な 採 用 系 列 及 びその 関 連 指 標 を 用 いて 確 認 した 後 景 気 動 向 指 数 ( 先 行 指 数 ) 等 を 用 いて 今 後 の 動 向 を 推 察 する 180 170 160 150 140 図 1-1 景 気 動 向 指 数 ( 一 致 指 数 )の 推 移 一 致 指 数 同 3か 月 後 方 移 動 平 均 ( 22 =100) 130 120 110 100 同 7か 月 後 方 移 動 平 均 消 費 税 増 税 ( 26 4 月 ) 90 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 資 料 : 県 統 計 課 新 潟 県 景 気 動 向 指 数 月 平 成 25 26 27 四 半 生 産 指 数 出 荷 指 数 ( 製 造 工 業 ) ( 製 造 工 業 ) 表 1-1 一 致 指 数 系 列 別 寄 与 度 百 貨 店 スー 建 築 着 工 単 位 労 働 輸 入 額 大 口 電 力 パー 販 売 額 投 資 財 有 効 求 人 倍 床 面 積 コスト ( 新 潟 税 関 使 用 量 生 産 指 数 率 ( 全 数 ) (1m2 当 たり 実 質 ) ( 非 居 住 用 ) ( 常 用 製 造 業 ) 支 署 管 内 ) Ⅰ 2.61 0.20 0.10 7 1.37 0.97 7 2.49 0.66 Ⅱ -5 1.19 0.85-0.37-0.21-0.92 3.81 0.16-1.40 Ⅲ 0.73 1.61-0.95-1.48 0.26 1.27 3.62 0.40 1.07 Ⅳ 1.39 0.50 1.43 0.10-2.98-0.49 5.47 1.51 2.73 Ⅰ 0.89 1.97 1.99 4.32 0.31 0.39 0.13 1.23-0.36 Ⅱ -3.32-4.29-2.86 6-2.45-0.18-0.98-3.17 0.30 Ⅲ 1.47-8 1.02 1.82 1.36 0.53-3.05 1.84 0.82 Ⅳ -0.52-0.37-0.80 0.24-2 1.61 0.30-0.10 1.23 Ⅰ -0.73-0.18-0.87-2.89-0.20 0.60-1.75-1.40-2.41 Ⅱ 0.92 1.92-1.99 0.98 0.95 0.34-1.57 0.13-0.19 Ⅲ -1.43 0.22 0.25 2.52-2.74-0.74-3.91-0.98 0.76 Ⅳ -0.63-2.88-1.22-0.21-0.29-1.28 0.65-0.49-2.71 単 位 :ポイント 資 料 : 県 統 計 課 新 潟 県 景 気 動 向 指 数 2

2 生 産 (26 央 以 降 回 復 傾 向 も 27 から 弱 い 動 き) 生 産 分 野 の 動 向 について 生 産 指 数 出 荷 指 数 の 財 別 推 移 からみる 主 に 企 業 等 が 設 備 投 資 に 利 用 する 財 である 資 本 財 の 推 移 をみると 25 第 Ⅲ 四 半 からプラス 寄 与 に 転 化 した 後 消 費 税 増 税 後 も 安 定 してプラスを 維 持 している 特 に 27 前 半 は 26 後 半 と 比 較 して 大 幅 な 伸 びをみせていることから 景 気 が 停 滞 してい る 中 でも 企 業 の 設 備 投 資 需 要 は 増 税 以 降 も 旺 盛 であることが 推 察 される しかし 27 第 Ⅰ 四 半 をピークにプラス 寄 与 が 縮 小 し 第 Ⅳ 四 半 にはゼロ 近 傍 となっており 今 後 も 伸 びが 続 くのか 懸 念 される 生 産 工 程 において 再 投 入 される 財 である 鉱 工 業 用 生 産 財 の 推 移 をみると 増 税 直 前 の 26 第 Ⅰ 四 半 に 増 加 のピークを 迎 えた 後 生 産 指 数 出 荷 指 数 ともにマイナス 寄 与 と なっていることから 企 業 の 生 産 活 動 製 品 需 要 の 弱 さが 続 いていると 推 察 される ( 図 2-1 図 2-2) 主 要 業 種 別 の 推 移 をみても 生 産 指 数 は 27 第 Ⅱ 四 半 から 電 子 部 品 デバイスが 3 連 続 で 上 昇 に 転 じているものの それ 以 外 の 業 種 では 総 じて 増 税 以 降 弱 い 動 きが 続 いている 出 荷 指 数 は 27 第 Ⅱ 四 半 には 電 子 部 品 デバイス 工 業 に 加 えてはん 用 生 産 用 業 務 用 機 械 工 業 がプラスとなったことで 指 数 全 体 は 前 同 比 プラスとなった ものの 鉱 工 業 全 体 でみるとやや 増 税 からの 回 復 は 鈍 く 弱 い 動 きが 続 いている ( 図 2-3 図 2-4) 6.0 4.0-6.0 図 2-1 生 産 指 数 ( 原 指 数 前 同 比 )の 財 別 寄 与 度 の 推 移 1 1 - -1 図 2-2 出 荷 指 数 ( 原 指 数 前 同 比 )の 財 別 寄 与 度 の 推 移 資 本 財 建 設 財 耐 久 消 費 財 非 耐 久 消 費 財 鉱 工 業 用 生 産 財 その 他 用 生 産 財 鉱 工 業 資 料 : 県 統 計 課 新 潟 県 鉱 工 業 指 数 図 2-3 生 産 指 数 ( 原 指 数 前 同 比 )の 主 要 業 種 別 寄 与 度 の 推 移 7.0 6.0 4.0 3.0 1.0-1.0-3.0 資 料 : 県 統 計 課 新 潟 県 鉱 工 業 指 数 食 料 品 工 業 はん 用 生 産 用 業 務 用 機 械 工 業 化 学 工 業 電 子 部 品 デバイス 工 業 輸 送 機 械 工 業 金 属 製 品 工 業 その 他 鉱 工 業 3

図 2-4 出 荷 指 数 ( 原 指 数 前 同 比 )の 主 要 業 種 別 寄 与 度 の 推 移 14.0 1 1 8.0 6.0 4.0-6.0 資 料 : 県 統 計 課 新 潟 県 鉱 工 業 指 数 食 料 品 工 業 はん 用 生 産 用 業 務 用 機 械 工 業 化 学 工 業 電 子 部 品 デバイス 工 業 輸 送 機 械 工 業 金 属 製 品 工 業 その 他 鉱 工 業 3 消 費 (27 第 Ⅱ 四 半 以 降 プラスが 続 くも 弱 い 動 き) 消 費 分 野 の 指 標 の 推 移 をみてみる まず 百 貨 店 スーパー 販 売 額 (1m2 当 たり 実 質 )の 前 同 比 の 推 移 をみると 平 成 25 第 Ⅳ 四 半 まではマイナス 基 調 が 続 いていたものの 駆 け 込 み 需 要 により 販 売 額 が 伸 びたことなどにより 26 第 Ⅰ 四 半 にはプラスに 転 じた しかし 増 税 以 降 は 反 動 減 により 販 売 額 が 落 ち 込 んだことで 再 びマイナスになった 27 第 Ⅱ 四 半 以 降 は プラスとなっているが 面 積 要 因 が 大 きくプラスに 寄 与 しており 消 費 の 回 復 は 弱 い 状 況 であると 考 えられる ( 図 3-1) 百 貨 店 スーパー 販 売 額 ( 全 店 )の 前 同 比 の 推 移 を 品 目 別 にみると 26 第 Ⅱ 四 半 以 降 衣 料 品 飲 食 料 品 ともにマイナス 寄 与 が 続 いている 両 品 目 とも 物 価 指 数 は 前 比 プラス(26 新 潟 市 平 均 : 食 料 +4.4% 被 服 及 び 履 物 +2.2%)であったが 物 価 上 昇 以 上 に 販 売 量 が 落 ち 込 んだことが 要 因 であり 増 税 を 受 けて 家 計 が 節 約 志 向 を 強 めたことが 推 察 される 27 に 入 ると 第 Ⅰ 四 半 は 前 同 に 増 税 前 の 駆 け 込 み 需 要 があった 影 響 で 衣 料 品 飲 食 料 品 ともにマイナス 寄 与 となった 衣 料 品 では 第 Ⅲ 第 Ⅳ 四 半 でもマイナス 寄 与 となるなど 引 き 続 き 弱 い 動 きをみせている 飲 食 料 品 は 第 Ⅱ 四 半 以 降 プラスとなったが 食 料 の 物 価 が 上 昇 したことが 大 きな 要 因 と 考 えられ( 第 Ⅱ 四 半 :+3.0% 第 Ⅲ 四 半 :+1.7% 第 Ⅳ 四 半 :+3.2%) 本 格 的 に 消 費 が 回 復 しているとは 言 いがたい ( 図 3-2) 次 に 需 要 側 から 消 費 を 捉 えるため 家 計 調 査 の 家 計 消 費 支 出 ( 新 潟 市 二 人 以 上 の 世 帯 )の 推 移 をみると 25 第 Ⅲ 四 半 から 前 同 比 で 増 加 が 続 き 増 税 直 前 の 26 第 Ⅰ 四 半 で 増 加 のピークを 迎 えた 第 Ⅱ 四 半 以 降 は 減 少 傾 向 が 続 き 増 税 の 反 動 減 の 影 響 が 大 きかった 27 第 Ⅱ 四 半 こそ 前 同 比 で 増 加 となったが 第 Ⅲ 四 半 は 減 少 しており 需 要 側 からみても 消 費 の 弱 さがみられる 第 Ⅳ 四 半 では 増 加 している ものの 上 述 のように 物 価 上 昇 による 影 響 も 考 えられ 今 後 の 動 きを 注 視 する 必 要 があ る 主 要 項 目 別 にみると 食 料 は 26 第 Ⅱ 四 半 以 降 マイナス 寄 与 が 続 くが 27 第 Ⅱ 四 半 以 降 はプラスに 転 じており 百 貨 店 スーパー 販 売 額 の 飲 食 料 品 と 同 様 物 価 上 昇 が 大 きな 要 因 と 考 えられる また 家 具 家 事 用 品 も 27 第 Ⅱ 四 半 を 除 4

いてマイナスが 続 いている これは 主 に 家 庭 用 耐 久 財 の 減 少 によるマイナス 寄 与 が 大 き く 高 額 な 耐 久 消 費 財 の 購 入 を 手 控 えていると 考 えられる 交 通 通 信 も 主 に 自 動 車 等 購 入 費 の 減 少 により 26 第 Ⅲ 四 半 を 除 き 27 第 Ⅲ 四 半 まではマイナス 寄 与 が 続 いており 弱 い 動 きがみられた 消 費 税 増 税 に 加 え 27 4 月 からの 軽 自 動 車 税 増 税 が 影 響 したものと 考 えられる 実 際 乗 用 車 新 規 登 録 届 出 台 数 の 推 移 をみても 27 度 以 降 は 減 少 しており 軽 自 動 車 のマイナス 寄 与 が 大 きい しかし 第 Ⅳ 四 半 では 自 動 車 等 購 入 費 の 増 加 によりプラスに 転 じており 今 後 も 回 復 が 続 くか 注 視 する 必 要 がある ( 図 3-3) 1 1 - -1 図 3-1 百 貨 店 スーパー 販 売 額 (1m2 当 たり 実 質 )の 前 同 比 と 項 目 別 寄 与 度 消 費 者 物 価 指 数 要 因 名 目 販 売 額 要 因 店 舗 面 積 要 因 前 比 注 : 実 質 化 は 新 潟 市 消 費 者 物 価 指 数 ( 持 家 の 帰 属 家 賃 を 除 く 総 合 )により 行 っている 資 料 : 経 済 産 業 省 商 業 動 態 統 計 県 統 計 課 新 潟 市 消 費 者 物 価 指 数 図 3-2 百 貨 店 スーパー 販 売 額 ( 全 店 ) の 前 同 比 と 品 目 別 寄 与 度 1 - 衣 料 品 飲 食 料 品 その 他 合 計 -1 資 料 : 経 済 産 業 省 商 業 動 態 統 計 図 3-3 家 計 調 査 の 前 同 比 と 分 類 別 寄 与 度 2 2 1 1 - -1-1 -2 資 料 : 総 務 省 家 計 調 査 食 料 住 居 光 熱 水 道 家 具 家 事 用 品 被 服 及 び 履 物 保 健 医 療 交 通 通 信 教 育 教 養 娯 楽 その 他 の 消 費 支 出 合 計 4 投 資 ( 増 税 以 降 も 堅 調 な 動 き 投 資 意 欲 の 減 退 に 懸 念 ) 投 資 水 準 の 推 移 について 増 税 直 前 の 26 第 Ⅰ 四 半 を100とし て 投 資 財 生 産 指 数 と 建 築 着 工 床 面 積 ( 非 居 住 用 )の 推 移 をみると 増 税 後 は 26 第 Ⅲ 四 半 を 底 に 27 第 Ⅱ 四 半 まで 順 調 に 伸 びており 企 業 の 投 資 活 動 が 活 発 であったことが 140 130 120 110 100 90 80 70 図 4-1 投 資 関 係 指 標 の 推 移 H26 第 Ⅰ 四 半 =100 投 資 財 生 産 指 数 消 費 税 増 税 ( 26 4 月 ) 建 築 着 工 床 面 積 ( 非 居 住 用 ) 資 料 : 県 統 計 課 新 潟 県 鉱 工 業 指 数 県 建 築 住 宅 課 新 潟 県 建 築 統 計 月 報 5

うかがわれる しかし 第 Ⅲ 四 半 以 降 投 資 財 生 産 指 数 は 堅 調 であるものの 建 築 着 工 床 面 積 で 落 ち 込 みをみせ 26 第 Ⅰ 四 半 の 水 準 (=100)を 下 回 っており 今 後 も 投 資 活 動 が 継 続 するか 注 目 される 建 築 着 工 床 面 積 ( 非 居 住 用 )の 主 要 業 種 別 の 推 移 をみると 25 第 Ⅲ 四 半 をピーク として 全 体 としては 減 少 傾 向 にあったが 26 第 Ⅳ 四 半 には 医 療 福 祉 用 が 大 きくプ ラスに 寄 与 したことなどから 持 ち 直 し 27 第 Ⅱ 四 半 まで 連 続 して 前 同 比 増 加 を 維 持 した しかし 医 療 福 祉 用 の 投 資 が 鈍 化 したことで 再 び 前 同 比 で 減 少 に 転 じ ている 総 じてみると 投 資 分 野 は 投 資 財 の 動 きは 堅 調 であるものの 建 築 着 工 の 動 きは 鈍 っており 先 行 きが 懸 念 される ( 図 4-1 図 4-2) 5 4 3 2 1-1 -2-3 -4 5 雇 用 図 4-2 建 築 着 工 床 面 積 ( 非 居 住 用 原 数 値 )の 前 同 比 と 主 要 業 種 別 寄 与 度 資 料 : 県 建 築 住 宅 課 新 潟 県 建 築 統 計 月 報 医 療 福 祉 卸 売 業 小 売 業 製 造 業 教 育 学 習 支 援 業 用 その 他 のサービス 業 用 その 他 ( 増 税 以 降 も 上 昇 傾 向 で 推 移 しかし 27 第 Ⅱ 四 半 以 降 は 高 水 準 ながら 改 善 鈍 化 ) 有 効 求 人 倍 率 は 増 税 以 降 も 上 昇 傾 向 で 推 移 したが 27 第 Ⅱ 四 半 以 降 高 水 準 ながら 改 善 の 鈍 化 が 続 いている 有 効 求 人 倍 率 の 上 昇 低 下 要 因 を 求 職 者 数 要 因 求 人 数 要 因 に 分 解 すると 有 効 求 職 者 数 は 増 税 以 降 も 減 少 傾 向 にあり 有 効 求 人 倍 率 の 改 善 要 因 となっている 一 方 有 効 求 人 数 は 26 第 Ⅲ 四 半 以 降 27 第 Ⅳ 四 半 まで 一 進 一 退 の 動 きを 続 けており 有 効 求 人 倍 率 の 伸 びが 鈍 化 した 要 因 となっている 求 人 数 の 増 減 の 要 因 について 分 析 するため 新 規 求 人 数 の 前 同 比 と 主 要 業 種 別 寄 与 度 の 推 移 をみる 全 体 としては 26 第 Ⅳ 四 半 に 19 四 半 ぶりに 減 少 に 転 じ てから 27 第 Ⅰ 四 半 を 除 いてマイナスが 続 いており 積 極 的 な 求 人 の 動 きに 陰 りがみ 合 計 1.40 1.30 1.20 1.10 1.00 0.90 0.80 0.70 0.60 倍 図 5-1 有 効 求 人 倍 率 と 前 差 の 求 人 数 求 職 者 数 別 寄 与 度 求 職 者 数 寄 与 度 ( 右 目 盛 ) 求 人 数 寄 与 度 ( 右 目 盛 ) 有 効 求 人 倍 率 資 料 : 新 潟 労 働 局 労 働 市 場 月 報 6 ポイント 0.15 0.1 5 0-5 -0.1

られる 主 要 業 種 別 にみると 主 にマイナスに 寄 与 したのは 卸 売 業 小 売 業 や 建 設 業 で 前 者 は 前 同 に 大 型 店 舗 の 新 規 出 店 があったことも 影 響 しているが 増 税 以 降 消 費 が 低 迷 し 後 者 は 公 共 工 事 も 横 ばい 又 は 減 少 傾 向 にあ ることなどが 影 響 している 可 能 性 がある 医 療 福 祉 は 安 定 して プラス 寄 与 しているものの 最 近 ではプラス 寄 与 が 小 さくなってお り 今 後 も 増 勢 が 続 くか 注 視 する 必 要 がある ( 図 5-1 図 5-2) 1 1 8.0 6.0 4.0-6.0 図 5-2 新 規 求 人 数 の 前 同 比 と 主 要 業 種 別 寄 与 度 医 療 福 祉 卸 売 業 小 売 業 サービス 業 製 造 業 建 設 業 その 他 合 計 注 :サービス 業 = サービス 業 ( 他 に 分 類 されないもの) 資 料 : 新 潟 労 働 局 労 働 市 場 月 報 6 貿 易 (27 以 降 減 少 傾 向 原 油 安 に 伴 うLNG 価 格 低 下 が 影 響 ) 輸 入 額 ( 原 数 値 )の 推 移 をみると 増 税 以 降 も 増 加 傾 向 であったが 増 加 幅 は 縮 小 傾 向 となり 27 以 降 は 減 少 に 転 じている 減 少 の 主 な 要 因 は 鉱 物 性 燃 料 の 減 少 で ある 新 潟 県 内 の 港 で 輸 入 されている 鉱 物 性 燃 料 のほとんどを 占 める 液 化 天 然 ガス(L NG)は 27 第 Ⅰ 四 半 以 降 前 同 比 で 減 少 している その 増 減 と 要 因 をみると 価 格 要 因 が 大 きくマイナス 寄 与 となっており このところの 原 油 価 格 の 下 落 によりLN G 価 格 が 低 下 したことで 輸 入 額 が 低 下 したことがわかる ( 図 6-1 図 6-2) 原 油 価 格 の 下 落 やLNG 価 格 の 低 下 は 企 業 収 益 の 増 加 に 寄 与 すると 考 えられる ま た 原 油 価 格 の 下 落 はガソリン 灯 油 などの 価 格 下 落 やLNG 価 格 の 低 下 を 通 して 電 気 ガス 料 金 の 値 下 げにつながり 家 計 の 負 担 感 が 緩 和 されているとみられる 図 6-1 輸 入 額 の 前 同 比 と 主 要 品 目 別 寄 与 度 5 4 3 2 1-1 -2-3 -4 鉱 物 性 燃 料 原 料 別 製 品 化 学 製 品 機 械 類 食 料 品 原 料 品 その 他 総 額 注 1: 機 械 類 = 一 般 機 械 + 電 気 機 械 + 輸 送 用 機 器 注 2: 新 潟 税 関 支 署 管 内 4 港 の 合 計 値 を 利 用 資 料 : 東 京 税 関 貿 易 統 計 図 6-2 LNG 輸 入 額 の 増 減 と その 要 因 分 解 8 6 4 2-2 -4-6 -8 輸 入 量 要 因 交 差 項 資 料 : 東 京 税 関 貿 易 統 計 価 格 要 因 輸 入 額 前 同 比 7 今 後 の 動 き ( 今 後 も 下 降 傾 向 賃 金 上 昇 原 油 価 格 下 落 の 好 影 響 に 待 ) 今 後 の 景 気 について 数 か 月 景 気 に 先 行 して 動 く 景 気 動 向 指 数 の 先 行 指 数 をみてみる 先 行 指 数 は 25 12 月 にピークを 迎 えてから 一 貫 して 下 降 傾 向 にあり 直 近 値 (27 7

12 月 分 )において3か 月 後 方 移 動 平 均 は5か 月 連 続 で 下 降 し 7か 月 後 方 移 動 平 均 も 下 降 傾 向 であり 景 気 は 下 降 トレンドが 形 成 されつつある このように 景 気 の 先 行 きが 懸 念 されるが 名 目 賃 金 が 前 比 で 増 加 傾 向 にあること 生 鮮 食 品 を 始 めとする 物 価 の 上 昇 傾 向 が 一 服 していることから 実 質 賃 金 (きまって 支 給 する 給 与 )はようやくプラスに 転 じた また 最 近 の 原 油 価 格 の 下 落 により ガソリ ンや 軽 油 価 格 が 下 落 しており 電 気 料 金 やガス 料 金 の 値 下 げにも 波 及 していくと 待 さ れ 家 計 にプラスの 影 響 を 与 えると 見 込 まれる ( 図 7-1 図 7-2 表 7-1) 110 105 100 先 行 指 数 図 7-1 景 気 動 向 指 数 ( 先 行 指 数 )の 推 移 同 3か 月 後 方 移 動 平 均 ( 22 =100) 95 90 85 同 7か 月 後 方 移 動 平 均 80 75 70 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 < おわりに > 資 図 料 7-2 : 県 統 計 課 実 質 新 賃 潟 県 金 景 の 気 前 動 向 同 指 数 比 と 寄 与 度 3.0 1.0-1.0-3.0 - Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ 物 価 要 因 賃 金 要 因 実 質 賃 金 注 : 名 目 賃 金 は きまって 支 給 する 給 与 (5 人 以 上 調 査 産 業 計 )を 利 用 している 資 料 : 県 統 計 課 毎 月 勤 労 統 計 調 査 新 潟 市 消 費 者 物 価 指 数 消 費 税 増 税 後 の 県 内 景 気 を 景 気 動 向 指 数 ( 一 致 指 数 )からみると 消 費 税 増 税 後 に 一 旦 落 ち 込 んだものの 27 初 めにかけて 回 復 傾 向 にあった しかし それ 以 降 は 再 び 下 降 傾 向 となり 県 内 景 気 は 弱 い 状 況 が 続 いていることを 確 認 した また 一 致 指 数 を 構 成 する 採 用 系 列 及 びその 関 連 指 標 を 用 いて 各 経 済 活 動 の 景 況 を 確 認 した 表 7-1 原 油 価 格 下 落 の 影 響 27 ガソリン 灯 油 ガソリン 灯 油 購 入 数 量 559.258 295.863 平 均 価 格 130.17 78.89 115 63.4 支 出 金 額 72,801 23,342 64,314 18,757 (27 との 差 ) 28 最 後 に 景 気 動 向 指 数 ( 先 行 指 数 ) 等 を 用 いて 今 後 の 景 気 動 向 について 推 察 した 県 内 景 気 は 下 降 トレンドを 形 成 しているものの 賃 金 上 昇 や 原 油 価 格 の 下 落 など 一 部 に 明 るい 兆 しもみられる これらの 影 響 により 家 計 が 改 善 し 消 費 の 拡 大 につながり それ が 企 業 収 益 の 拡 大 や 更 なる 賃 上 げを 促 すことが 待 される しかしながら 中 国 をはじ めとする 海 外 経 済 情 勢 への 懸 念 もあり 今 後 の 経 済 動 向 を 注 意 深 くみていく 必 要 がある 月 (27 と 同 値 と 仮 定 ) 8,486 4,584 注 : 購 入 数 量 の 単 位 はリットル 平 均 価 格 は 円 /リット ル 支 出 金 額 は 円 28 の 平 均 価 格 は2 月 8 日 調 査 までの 平 均 値 資 料 : 総 務 省 家 計 調 査 経 済 産 業 省 石 油 製 品 価 格 調 査 8