震 災 の 経 済 効 果 2

東 日 本 大 震 災 からの 経 済 復 興 の 課 題 と 提 言 佐 藤 主 光 一 橋 大 学 1

震 災 の 経 済 効 果 2

震 災 の3つの 影 響 第 1 次 災 害 第 2 次 災 害 第 3 次 災 害 インフラ 住 宅, 工 場 等 の 震 災 の 直 接 的 被 害 内 閣 府 の 試 算 ( 平 成 23 年 3 月 23 日 ) 約 16 兆 円 ~ 最 大 25 兆 円 GDPの 約 3%~5% 被 災 地 外 への 影 響 の 波 及 -サプライチェーンの 断 絶 - 電 力 不 足 被 災 地 からの 企 業 の 流 出 競 争 力 の 喪 失 風 評 被 害 = 海 外 からの 投 資 減 3

日 本 経 済 のリスク 復 旧 復 興 の 期 間 計 画 停 電 のコスト 日 本 の 震 災 からの 復 興 には 少 なくとも5 年 かかるとの 見 方 が 海 外 の 専 門 家 からでてい る 世 銀 の 東 アジア 災 害 リスク 管 理 部 門 の プログラムリーダー Abhas Jha 氏 は 阪 神 淡 路 大 震 災 時 の 復 興 は5 年 弱 かかった 今 回 は 少 なくとも5 年 はかかるだろう と 述 べた ロイター:2011 年 03 月 16 日 東 京 電 力 <9501.T>が14 日 から 実 施 に 踏 み 切 った 計 画 停 電 による 経 済 損 失 は 年 間 GDPを1% 超 押 し 下 げるとの 試 算 も 出 てきた 1 都 8 県 の 対 象 地 区 が3 時 間 の 停 電 を4 月 末 まで 続 けた 場 合 5.4 兆 円 1 年 間 のGDPの1.04%が 失 わ れる ロイター:2011 年 03 月 15 日 4

日 本 経 済 のリスク(その2) 震 災 の 影 響 長 期 化 + 広 域 化 日 本 経 済 への 構 造 的 打 撃 原 発 事 故 電 力 不 足 サプライチェーンの 断 絶 企 業 投 資 の 流 出 ( 円 高 地 震 リ スクの 忌 避 ) 市 場 国 際 競 争 力 の 喪 失 第 2 次 3 次 災 害 ( 長 期 化 広 域 化 構 造 問 題 化 )を 回 避 するための 迅 速 な 復 旧 復 興 対 策 が 不 可 欠 震 災 の 影 響 を 抑 える 努 力 ( 自 律 的 作 用 )が 必 要 5

震 災 の 影 響 : 二 つのシナリオ シナリオ1: 危 機 の 収 束 復 旧 復 興 が 速 やかに 進 み 日 本 の 経 済 構 造 に 変 化 がない( 震 災 前 の 実 力 を 維 持 ) 震 災 がマクロ 経 済 に 及 ぼす 効 果 は 限 定 的 シナリオ2: 危 機 復 旧 復 興 の 長 期 化 で 日 本 経 済 の 構 造 に 打 撃 震 災 の 影 響 は 不 透 明 甚 大 になるリスク 第 2のシナリオの 回 避 するためには (1) 迅 速 な 危 機 収 束 (2) 復 旧 復 興 計 画 の 作 成 と 実 施 (3) 財 政 危 機 に 連 鎖 しない 復 興 財 源 確 保 ( 赤 字 国 債 で 調 達 するときは 償 還 財 源 を 明 確 化 )が 不 可 欠 6

復 興 の 課 題 7

復 興 の 課 題 (1) 復 興 のマスター プランの 作 成 (2) 迅 速 かつメリハリのある 被 災 者 支 援 (3)インフラ 生 産 能 力 の 回 復 (4) 復 興 財 源 確 保

復 興 の 原 則 原 形 復 旧 ではなく, 既 存 産 業 企 業 の 競 争 力 の 強 化 再 編 成, 新 興 産 業 企 業 の 育 成 経 済 政 策 と 社 会 政 策 の 区 分 - 経 済 政 策 = 新 興 産 業 企 業 の 育 成 - 社 会 政 策 = 災 害 弱 者 の 救 済 社 会 政 策 は 復 興 期 間 中, 平 時 のシステム( 生 活 保 護 等 )とは 別 途, 整 備 自 立 可 能 な 被 災 者 の 自 立 を 支 援 衰 退 産 業 企 業 の 速 やかな 撤 退 とその 後 の 生 活 支 援, 地 域 の 再 編 撤 退 も 視 野 に 9

誰 にとっての 復 興 か? 復 興 の 基 準 手 段 は 企 業 被 災 地 ( 東 北 経 済 ) 国 家 ( 日 本 経 済 )の 間 では 異 なる 企 業 被 災 地 日 本 経 済 復 興 の 基 準 収 益 の 回 復 被 災 地 の 雇 用 の 回 復 住 民 の 生 経 済 成 長 安 定 化 活 の 安 定 化 手 段 被 災 地 の 生 産 拠 点 の 回 復 O O O 他 地 域 への 生 産 拠 点 の 移 転 海 外 への 生 産 シフトを 含 む X 西 日 本 シフト であればO 10

復 興 ビジョンの 共 有? 新 しい 東 北 経 済 の 発 展 経 済 構 造 改 革 を 伴 う 復 興 = 経 済 政 策 全 ての 被 災 者 企 業 が 共 有 できるビジョンではない ビジョンから 外 れる 被 災 者 企 業 に 対 する 支 援 = 社 会 政 策 撤 退 残 留 参 入 措 置 対 象 政 策 所 得 支 援 新 しい 雇 用 の 斡 旋 投 資 資 金 の 低 利 融 資 人 材 の 育 成 技 術 支 援 ( 産 学 連 携 等 ) 規 制 緩 和 税 の 減 免 高 齢 者 零 細 農 家 企 業 競 争 力 のある 中 小 企 業 農 家 大 企 業 の 関 連 企 業 事 業 所 新 興 企 業 新 規 参 入 企 業 ( 外 資 を 含 む) 社 会 政 策 経 済 政 策 11

参 考 : 復 興 の 位 置 づけ 社 会 政 策 経 済 政 策 位 置 づけ 再 分 配 投 資 志 向 救 済 構 造 改 革 対 象 主 に 災 害 弱 者 - 高 齢 者 等 被 災 地 経 済 - 企 業 を 含 む 財 政 の 機 能 再 分 配 資 源 配 分 ( 公 共 財 ) 財 源 累 進 課 税 広 く 薄 い 課 税 ( 再 分 配 的 ) 税 目 所 得 税 消 費 税 比 例 的 所 得 税 (フ ラット タックス) 12

危 機 を 機 会 へ 危 機 原 発 事 故 電 力 不 足 震 災 による 被 災 地 の 損 害 機 会 エネルギー 政 策 の 転 換 安 全 技 術 の 開 発 電 力 自 由 化 と 電 力 の 新 規 事 業 者 の 参 入 省 エネルギー 技 術 社 会 の 構 築 新 しい 産 業 企 業 の 育 成, 既 存 企 業 の 再 編 競 争 力 向 上 13

復 興 財 源 の 在 り 方 14

復 興 財 源 財 源 震 災 国 債 歳 出 の 見 直 し 増 税 課 題 国 債 に 対 する 市 場 の 信 認 の 確 保 財 政 危 機 (ソブリン リスク)へ の 連 鎖 の 回 避 聖 域 なき 優 先 順 位 付 け 切 り 易 いところから 切 る 経 済 への 影 響 負 担 の 公 平 十 分 な 税 収 の 確 保 15

我 が 国 の 置 かれた 状 況 国 地 方 の 財 政 悪 化 ー 国 債 への 信 認 ( 格 付 け)の 低 下 ー 財 政 再 建 の 要 請 ( 財 政 運 営 戦 略 ) 社 会 の 高 齢 化 ー 社 会 保 障 費 の 増 加 ー 税 と 社 会 保 障 の 一 体 改 革 経 済 のグローバル 化 ー 日 本 経 済 はもはや 一 流 ではない ー 国 際 的 租 税 競 争 ( 法 人 税 引 き 上 げの 要 請 ) 財 政 的 経 済 的 余 裕 はない 16

2011 年 度 補 正 予 算 東 北 関 東 大 震 災 震 災 関 連 予 算 阪 神 淡 路 大 震 災 第 1 次 補 正 予 算 =3 兆 円 超 1 年 間 で10 兆 円 以 上 の 見 込 み 3 兆 4 千 億 円 (94-95 年 度 予 算 ) 17

参 考 : 復 興 財 源 推 計 東 日 本 大 震 災 の 建 物 や 道 路 などの 直 接 被 害 額 は 阪 神 淡 路 大 震 災 の 約 2 倍 の20 兆 円 に 達 し 復 興 資 金 は 当 初 5 年 で26 兆 円 に 上 る 林 敏 彦 同 志 社 大 学 大 学 院 教 授 ( 公 共 政 策 ) が 過 去 の 大 規 模 災 害 の 被 害 を 踏 まえて 推 計 した 復 興 には 当 初 5 年 間 で 公 共 部 門 18 兆 円 民 間 部 門 8 兆 円 の 計 26 兆 円 が 必 要 になるとし た 神 戸 新 聞 2011 年 3 月 20 日 18

第 1 次 補 正 予 算 原 案 2006 年 4 月 6 日 規 模 は3 兆 円 超 とし がれき 撤 去 や 仮 設 住 宅 建 設 などに 充 てる 補 正 予 算 の 財 源 = 埋 蔵 金 とマニフェスト 予 算 の 見 直 し ー 基 礎 年 金 国 庫 負 担 率 を2 分 の1に 維 持 する 臨 時 財 源 として 予 定 していた 鉄 道 建 設 運 輸 施 設 整 備 支 援 機 構 の 剰 余 金 など 埋 蔵 金 計 2.5 兆 円 ー 子 ども 手 当 や 高 速 無 料 化 など 民 主 党 マニフェ ストの 主 要 政 策 見 直 し 市 場 の 信 認 を 確 保 するため 国 債 は 財 源 とせず 追 加 発 行 しない 19

国 の 借 金 の 累 積 1995 年 度 2011 年 度 ( 見 込 み) 225 兆 円 668 兆 円 対 GDP 比 45% 対 GDP 比 140% 震 災 復 興 は 将 来 の 世 代 も 受 益 復 興 を 国 債 で 賄 うことは 妥 当? 既 に 我 が 国 は 多 額 の 借 金 = 将 来 世 代 へのつけ 回 し 市 場 からの 信 認 の 低 下 = 震 災 前 から 格 付 けは 引 き 下 げ 方 向 20

二 つの 財 源 不 足 震 災 による 税 収 の 落 ち 込 み 成 長 軌 道 に 戻 れば 増 収 一 時 的 な 赤 字 国 債 で 埋 め 合 わせ= 課 税 の 平 準 化 震 災 復 興 に 伴 う 歳 出 の 増 加 将 来 見 合 いの 歳 出 減 ( 歳 出 の 平 準 化 )がない 限 り 赤 字 国 債 以 外 の 財 源 確 保 の 要 請 歳 出 税 収 財 政 赤 字 21

震 災 国 債 の 同 床 異 夢 片 山 総 務 大 臣 は NHKの 日 曜 討 論 で 増 税 には 経 済 学 者 からも 異 論 が 出 ている 多 かれ 少 なかれ 国 債 に 頼 るということはあると 思 う と 述 べ 赤 字 国 債 の 発 行 を 容 認 する 考 えを 示 しました NHK ニュース 平 成 23 年 4 月 4 日 解 釈 その1 解 釈 その2 当 面 は 赤 字 国 債 ( 震 災 国 債 )を 財 源 に 充 て るが 後 年 度 元 利 償 還 のために 増 税 ( 復 興 税 )することが 前 提 赤 字 国 債 で 賄 い 他 の 国 債 同 様 元 利 償 還 の 財 源 問 題 は 将 来 に 先 送 り 自 律 的 財 政 再 建 は 担 保 されていない 22

復 興 財 源 提 言 大 和 総 研 日 本 経 済 研 究 セン ター 財 源 東 日 本 大 震 災 復 興 基 金 の 創 設 復 興 基 金 債 の 調 達 償 還 財 源 = 復 興 連 帯 税 (3~5 年 間 消 費 税 率 1%) 平 成 23 年 度 予 算 の 組 み 替 え= 子 ども 手 当 高 校 無 償 化 等 の 廃 止 復 興 税 = 化 石 燃 料 課 税 (2012 年 ~) 規 模 7~14 兆 円 3 年 =7 兆 円 5 年 =12 兆 円 5 兆 円 5 兆 円 規 模 関 西 経 済 同 友 会 災 害 復 興 支 援 税 ( 仮 称 ) = 例 えば2 年 間 程 度 消 費 税 に 上 乗 せ 財 源 の 一 部 については 子 ども 手 当 や 高 速 道 路 無 料 化 などの 見 直 し 新 たな 国 債 発 行 には 反 対 23

参 考 : 平 成 23 年 度 予 算 項 目 一 般 会 計 歳 出 ( 国 債 費 を 除 く) 民 主 党 マニ 子 ども 手 当 3 歳 未 満 上 積 み フェスト 高 校 無 償 化 戸 別 所 得 補 償 高 速 道 路 無 料 化 暫 定 税 率 ( 重 量 税 ) 減 収 経 済 危 機 対 応 地 域 活 性 化 予 備 費 予 備 費 金 額 71 兆 円 2000 億 円 4000 億 円 6000 億 円 1000 億 円 2000 億 円 8100 億 円 3500 億 円 参 考 事 項 : 平 成 22 年 度 税 制 改 正 ( 平 成 23 年 分 以 降 ) 一 般 の 扶 養 親 族 のうち 年 齢 が16 歳 未 満 の 人 に 対 する 扶 養 控 除 (38 万 円 )が 廃 止 特 定 扶 養 親 族 のうち 年 齢 が16 歳 以 上 19 歳 未 満 の 人 に 対 する 扶 養 控 除 について 上 乗 せ 部 分 (25 万 円 )が 廃 止 扶 養 控 除 の 額 が38 万 円 24

参 考 : 揮 発 油 税 等 平 成 23 年 度 税 率 税 収 ( 億 円 ) ( 予 算 ベース) 揮 発 油 税 国 1キロリットル=48,600 円 26,340 地 方 1キロリットル= 5,200 円 2,818 石 油 ガス 税 国 1キログラム=17 円 50 銭 120 地 方 120 航 空 機 燃 料 国 1キロリットル=26,000 円 460 税 地 方 131 石 油 石 炭 税 原 油 輸 入 石 油 製 品 1キロリットル= 2,040 円 天 然 ガス 石 油 ガス 等 1t=1,080 円 石 炭 1t=700 円 5,120 電 源 開 発 促 進 税 千 キロワット 時 =75 円 3460 合 計 ( 国 税 分 ) 3,5500 25

参 考 : 法 人 税 減 税 改 正 事 項 平 成 23 年 度 税 制 改 正 案 ( 原 案 ) 平 成 23 年 度 税 制 改 正 + 法 人 税 2% 分 付 加 税 上 乗 せ ( 実 質 引 下 げ 幅 は 4.5% 2.5%) 法 人 課 税 法 人 税 の 基 本 税 率 の 引 下 げ 8,076 4,487 課 税 ベースの 拡 大 等 減 価 償 却 制 度 の 見 直 し 欠 損 金 の 繰 越 控 除 制 度 の 見 直 し 貸 倒 引 当 金 制 度 の 見 直 し 研 究 開 発 税 制 の 見 直 し その 他 政 策 減 税 等 中 小 企 業 等 の 軽 減 税 率 の 引 下 げ 雇 用 促 進 税 制 環 境 関 連 投 資 促 進 税 制 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し( 中 小 企 業 関 係 ) 等 4,386 1,164 1,430 440 371 981 594 4,386 1,164 1,430 440 371 981 594 法 人 課 税 合 計 4,284 695 出 所 : 経 済 産 業 省 26

首 都 直 下 地 震 の 復 興 対 策 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 平 成 22 年 3 月 被 災 地 内 及 び 国 内 外 の 経 済 への 影 響 も 考 慮 した 財 源 確 保 ( 資 金 調 達 )や 復 旧 復 興 需 要 を 抑 制 す るための 財 政 措 置 の 優 先 順 位 付 け 等 の 議 論 が 必 要 となることも 考 えられる 被 災 後 になって 初 めて 財 源 確 保 のための 国 民 負 担 を 提 案 することは 国 民 感 情 や 経 済 への 悪 影 響 を 考 えれば 必 ずしも 適 切 ではなく 円 滑 な 財 源 確 保 の ためには 被 災 時 に 特 別 な 国 民 負 担 を 強 いる 可 能 性 があることを 事 前 に 広 く 周 知 しておくことも 考 えられる 私 見 =アドホックな 臨 時 増 税 ではなく 構 造 改 革 ( 新 たな 日 本 の 構 築 )として 位 置 づける 必 要 あり 27

提 言 : 復 興 から 改 革 へ 28

何 故 構 造 改 革 か? 震 災 に 便 乗? 現 行 制 度 の 不 備 をそのままに 迅 速 持 続 的 な 復 興 はできない 既 得 権 益 を 擁 護 した 一 部 国 民 への 負 担 の 押 し 付 けは 復 興 への 政 治 的 支 持 を 失 わせる 日 本 経 済 は 回 復 しても じり 貧 であることに 変 わりはない 未 来 の 震 災 災 害 に 備 えた 体 力 づくり 閉 そく 感 を 打 破 して 希 望 を 与 える 29

参 考 : 震 災 が 顕 在 化 させる 現 行 制 度 の 欠 陥 例 : 二 重 ローンと 地 震 保 険 住 宅 が 倒 壊 した 被 災 者 の 住 宅 ローンの 免 除 軽 減 金 融 機 関 の 負 担 になるため 困 難 我 が 国 の 住 宅 ローンはリコース 型 被 災 後 の 住 宅 ローンがそのまま 高 齢 者 では 新 たに 住 宅 ローンを 組 めない 本 来 あるべき 制 度 : - 住 宅 ローンをノン リコース 型 に ー 融 資 の 際 地 震 保 険 への 加 入 を 義 務 付 け ー 耐 震 性 立 地 など 住 宅 の 安 全 性 を 金 融 機 関 が 調 査 30

危 機 を 機 会 に 歳 出 税 制 対 症 療 法 的 機 会 マニフェスト 予 算 の 見 歳 出 改 革 = 優 先 直 し 順 位 付 け アドホックな 臨 時 増 税 抜 本 的 税 制 改 革 削 りやすいところを 削 り 取 りやすいところから 取 る 31

提 言 災 害 復 興 所 得 税 対 象 = 総 合 課 税 所 得 ( 給 与 年 金 等 ) 拡 大 課 税 所 得 = 課 税 対 象 収 入 から 人 的 控 除 給 与 所 得 (65 万 円 )のみを 控 除 税 率 =1.5% 税 収 ( 平 成 22 年 度 予 算 ベース)= 約 2.5 兆 円 適 用 期 間 = 平 成 24 年 度 以 降 災 害 復 旧 復 興 事 業 期 間 (5~10 年 ) 徴 収 = 給 与 所 得 者 年 金 受 給 者 は 源 泉 徴 収 被 災 地 居 住 者 は 当 面 適 用 外 32

政 府 税 制 調 査 会 専 門 委 員 会 資 料 平 成 22 年 度 予 算 ベース 33

何 故 所 得 税 改 革 か? 所 得 税 率 課 税 ベース ( 所 得 ) 現 行 拡 大 現 行 水 準 引 き 上 げ 不 十 分 な 税 収 一 部 の 納 税 者 に 大 き な 負 担 経 済 活 動 への 歪 み 災 害 復 興 所 得 税 34

所 得 税 増 税? 選 択 肢 最 高 税 率 (40%)の 引 き 上 げ 定 率 増 税 (10%) 現 行 課 税 所 得 に1%のフラット 税 増 収 額 350 億 円 1.2 兆 円 1 兆 円 参 考 : 消 費 税 率 1% 2 兆 4~5 千 億 円 35

復 興 税 の 比 較 負 担 の 公 平 税 収 国 民 参 加 消 費 税 逆 進 的 1%=2.5 兆 円 広 く 薄 く 所 得 税 加 算 ( 上 乗 せ) 累 進 的 10%=1.2 兆 円 限 定 的 災 害 復 興 所 得 税 概 ね 比 例 的 1.5% =2.5 兆 円 広 く 薄 く 相 続 税 累 進 的 不 十 分 限 定 的 物 品 税? 逆 進 的? 不 十 分 一 部 の 納 税 者 に 負 担 が 偏 り 36

所 得 税 改 革 合 わせて 抜 本 的 税 制 改 革 として 現 行 の 所 得 税 の 課 税 所 得 の 見 直 し 各 種 所 得 控 除 の 縮 減 = 課 税 所 得 の 拡 大 所 得 控 除 から 給 付 付 き 税 額 控 除 への 移 行 寄 付 金 控 除 の 拡 大 = 善 意 を 排 除 しない 災 害 復 興 所 得 税 とのバランス= 金 融 所 得 税 の 税 率 20% ( 課 税 の 一 体 化 ) 復 興 所 得 税 による 低 所 得 者 負 担 増 への 配 慮 は 現 行 の 所 得 税 の 見 直 しを 通 じて( 税 収 中 立 の 下 ) 実 施 = 給 付 付 き 税 額 控 除 37

復 興 財 源 の 確 保 平 成 23 年 度 - 震 災 国 債 を 起 債 - 予 算 配 分 を 見 直 して 財 源 をねん 出 無 駄 な 歳 出 是 正 の 契 機 - 電 力 消 費 特 別 税 = 節 電 促 進 平 成 24 年 度 ~29 年 度 (5 年 間 ) - 災 害 復 興 所 得 税 を 創 設 (2.5 兆 円 規 模 ) 所 得 税 改 革 の 契 機 復 旧 復 興 期 毎 年 の 財 源 確 保 - 復 旧 復 興 事 業 被 災 者 支 援 - 復 興 国 債 の 元 利 償 還 費 に 充 当 38

税 財 政 文 化 の 転 換 点 従 前 震 災 後 財 政 赤 字 総 論 賛 成 各 論 反 対 税 自 分 以 外 の 誰 かが 負 担 自 分 が 増 税 = 不 公 平 財 政 赤 字 は 買 いだめ と 同 じ 権 益 の 既 得 化 が 財 源 不 足 の 原 因 税 は 皆 が 広 く 薄 く 負 担 すべきもの 社 会 参 加 の 会 費 無 駄 自 分 の 既 得 権 益 は 聖 域 化 ゼロベースで 精 査 帰 結 当 事 者 意 識 の 欠 如 当 事 者 意 識 政 治 財 政 への 無 関 心 政 府 への 監 視 39

税 財 政 文 化 の 転 換 点 その2 従 前 震 災 後 政 策 既 存 の 法 律 の 活 特 別 立 法 が 必 要 用 解 釈 アナウンスメント 相 手 を 煙 にまく 明 確 なメッセージ 利 害 の 対 立 玉 虫 色 の 解 決 = 都 合 のよい 解 釈 の 余 地 を 残 す 超 党 派 的 協 定 予 算 の 財 源 既 得 権 益 と 波 風 を 起 こすことなく 細 かくかき 集 める 既 得 権 益 の 見 直 し 納 税 者 市 場 との 対 話 40

参 考 : 国 債 増 発 対 増 税 説 明 責 任 対 象 中 身 残 余 請 求 権 = 成 長 からの 利 益 国 債 増 発 市 場 ( 債 権 者 ) 元 利 償 還 の 確 実 性 特 になし 増 税 納 税 者 負 担 の 公 平 経 済 の 回 復 国 民 全 体 ( 将 来 世 代 を 含 む)が 享 受 備 考 債 権 者 納 税 者 ( 国 民 )= 株 主 増 税 は 投 資 41

対 話 としての 復 興 政 策 政 府 の 政 策 に メッセージ 性 を 持 たせる メッセージは 具 体 性 と 信 頼 性 によって 裏 付 けられなけ ればならない 対 話 ポピュリズム 対 象 対 話 信 頼 性 の 担 保 市 場 ( 投 資 国 債 の 信 認 償 還 財 源 の 明 確 化 家 ) 納 税 者 ( 国 民 ) 被 災 者 復 興 は 国 民 全 員 参 加 の 事 業 新 しい 東 北 経 済 の 誕 生 聖 域 なき 歳 出 カット 薄 く 広 い 税 負 担 復 興 ビジョンと 工 程 表 42

参 考 : 再 分 配? 所 得 税 を 含 む 税 制 の 再 分 配 機 能 の 回 復 強 化 の 要 請 ( 最 高 税 率 の 引 き 上 げ) 再 分 配 は 課 税 で 自 己 完 結 しない 支 出 ( 被 災 者 生 活 再 建 支 援 )を 通 じた 災 害 弱 者 への 再 分 配 公 共 支 出 ( 給 付 ) 普 遍 給 付 限 定 給 付 課 税 累 進 的 例 : 所 得 税 と 子 ども 手 当 の 組 み 合 わせ 強 く 再 分 配 的 広 く 薄 く 課 税 再 分 配 機 能 は 弱 い 災 害 弱 者 への 重 点 的 給 付 43

復 興 財 源 の 捻 出 復 旧 復 興 がなければ 上 がらない 税 収 は 減 免 被 災 に 立 地 復 旧 した 企 業 の 固 定 資 産 税 (+ 法 人 税 )を 操 業 再 開 後 5 年 間 免 除 PFIの 活 用 - 道 路 = 道 の 駅 の 収 益 権 道 路 周 辺 の 開 発 権 の 付 与 - 学 校 病 院 =コンセッション 方 式 収 益 事 業 ( 例 :マンション 等 )との 一 体 化 開 発 - 空 港 港 湾 =コンセッション 方 式 ( 事 業 運 営 権 付 与 ) - 免 税 対 象 企 業 にPFIへの 出 資 を 奨 励 公 費 ( 税 金 )を 投 入 する 分 野 地 域 を 精 査 44

復 興 財 源 の 捻 出 (その2) 港 湾 の 復 旧 - 入 港 料 港 湾 施 設 使 用 料 等 を 担 保? 被 災 者 支 援 - 被 災 者 の 土 地 を 買 い 上 げ 住 宅 生 活 再 建 資 金 - 買 い 上 げ 資 金 の 調 達 - 土 地 の 再 開 発 による 収 益 から 資 金 回 収 - 民 間 譲 渡 (PFI)による 一 体 開 発 復 旧 復 興 からの 経 済 収 益 を 活 用 ポイント: (1) 復 興 収 益 はプラス (2) 政 府 は 復 興 収 益 を 見 越 した 借 金 をする 余 地 は 乏 しい(デット ハングオーバー) 45

未 来 への 投 資 徹 底 将 来 の 大 規 模 震 災 ( 首 都 直 下 等 )に 備 えた 防 災 の 徹 底 高 度 防 災 技 術 の 開 発 と 海 外 への 輸 出 展 開 省 エネルギー 技 術 の 開 発 高 度 な 技 術 開 発 経 営 を 担 う 人 材, 企 業 の 育 成 世 界 に 先 駆 けて, 災 害 に 強 く, 省 エネルギーの 経 済 社 会 を 構 築 10 年 後 に 再 び 日 本 の 時 代 が 来 ることを 期 待 46

他 の 改 革 との 整 合 性 他 の 抜 本 的 制 度 改 革 と 復 興 プランとの 整 合 性 を 図 る 相 互 補 完 性 の 徹 底 税 と 社 会 保 障 の 一 体 改 革 地 域 主 権 改 革 新 成 長 戦 略 TPP 震 災 復 興 との 補 完 性 復 興 負 担 を 合 わせた 世 代 間 格 差 の 是 正 被 災 地 の 医 療 介 護 提 供 体 制 の 回 復 被 災 地 以 外 ( 西 日 本 )の 自 治 体 の 自 立 の 促 進 ( 国 の 財 政 負 担 の 軽 減 ) 復 興 庁 の 将 来 州 政 府 化 東 北 を 日 本 の 新 しい 成 長 センターとし ての 構 造 改 革 農 業 の 大 規 模 化 近 代 化 先 端 産 業 の 誘 致 育 成 47

第 4 次 災 害 復 興 における 誤 った 判 断 - 事 態 の 過 少 評 価 ( 自 律 的 回 復 への 期 待 ) - 対 症 療 法 ( 場 当 たり ) 的 対 応 震 災 危 機 が 経 済 危 機 財 政 危 機 へ と 連 鎖 日 本 経 済 の 復 興 が 立 ち 遅 れることの 最 大 の 被 災 者 将 来 の 世 代 48

復 興 に 向 けた8カ カ 条 49

第 1 条 : 国 民 市 場 との 対 話 政 府 は 震 災 復 興 プランの 立 案 実 施 復 興 財 源 の 確 保 において 被 災 者 納 税 者 市 場 との 対 話 ( シグナ ル )を 意 識 して 努 める 被 災 者 には 多 様 なニーズに 応 じた 支 援 の 内 容 復 旧 復 興 の 工 程 表 を 明 らかにし 彼 等 の 生 活 住 宅 再 建 における 予 見 可 能 性 を 高 めるとともに 過 度 な 期 待 不 安 を 煽 らない(できることできないことを 明 確 化 ) 納 税 者 に 対 しては 復 興 財 源 の 確 保 に 伴 う 増 税 の 趣 旨 を 明 らかにして 理 解 を 求 める - 震 災 復 興 は 国 民 全 員 参 加 の 事 業 - 復 興 の 負 担 は 公 平 市 場 に 対 して 震 災 が 財 政 の 規 律 を 弛 緩 させないこと 復 興 事 業 に 伴 う 国 債 の 元 利 償 還 費 は 手 当 されている 旨 を 説 明 国 債 への 市 場 の 信 認 を 損 なわない 配 慮 をする 50

第 2 条 : 復 興 から 新 しい 日 本 へ 震 災 復 興 のグランド ビジョンは 被 災 地 の 復 興 のみな らず 我 が 国 の 新 しい 形 を 示 す - 現 在 の 危 機 への 理 解 を 国 民 と 共 有 するともに 長 く 続 くであろう 復 興 への 努 力 負 担 を 通 じた 将 来 への 希 望 ( 新 たな 日 本 像 )を 示 す - 復 興 のビジョンと 工 程 表 を 明 らかにする( 実 効 性 の ある 希 望 を 与 える) 震 災 の 危 機 を 経 済 危 機 財 政 危 機 に 連 鎖 させないため の 措 置 を 講 じる ー 危 機 を 機 会 に 転 じる 経 済 財 政 構 造 改 革 に 着 手 する - 復 興 を 契 機 に 経 済 のグローバル 化 社 会 の 高 齢 化 地 球 環 境 問 題 という 新 たな 経 済 社 会 環 境 に 対 応 すべ く 震 災 復 興 を 経 済 財 政 の 構 造 改 革 に 繋 げる 51

第 3 条 : 復 興 庁 の 設 立 と 地 方 分 権 一 国 一 制 度 から 一 国 多 制 度 ( 東 西 間 で 異 なる 分 権 化 を 許 容 )への 転 換 を 図 る 全 国 一 律 な 地 方 分 権 改 革 を 転 換 する - 直 接 に 被 災 の 影 響 を 被 らない 中 部 西 日 本 において 広 域 自 治 体 の 形 成 等 道 州 制 に 向 けた 地 方 分 権 ( 地 域 主 権 )を 進 めることで 当 該 地 域 の 自 主 自 立 を 促 す - 平 時 ではなく 非 常 時 に 対 応 として 被 災 地 における 国 の 支 援 関 与 を 強 化 徹 底 する - 国 の 機 関 として 東 北 復 興 庁 を 設 け 復 興 の 財 源 権 限 の 一 元 化 ( 集 権 化 ) 被 災 地 自 治 体 を 東 北 復 興 庁 に 組 み 込 む ー 東 北 復 興 庁 の 管 轄 財 源 権 限 を 将 来 的 に 東 北 州 政 府 の 基 礎 とする 52

第 4 条 : 被 災 地 の 構 造 改 革 復 旧 復 興 は 原 形 復 旧 ではなく 競 争 力 と 発 展 性 創 造 性 を 有 した 地 域 経 済 への 転 換 を 図 る ー 復 旧 復 興 事 業 においては 地 元 の 雇 用 を 拡 大 し 人 材 の 流 出 を 抑 える - 自 立 できる 被 災 者 には 自 立 の 機 会 ( 雇 用 融 資 )を 与 える 一 方 長 期 的 支 援 を 要 する 災 害 弱 者 への 支 援 を 徹 底 する ー 既 存 産 業 農 業 の 近 代 化 効 率 化 を 進 め 競 争 力 を 高 める ー 新 規 企 業 新 規 産 業 の 育 成 を 図 る ー 今 後 とも 災 害 リスクの 高 い 過 疎 の 進 んだ 地 域 から の 撤 退 を 含 め 地 域 ( 居 住 地 域 )の 再 編 成 を 行 う ー 被 災 地 を 構 造 改 革 特 区 に 指 定 するなど 規 制 緩 和 税 の 減 免 を 行 い 新 たな 成 長 センターを 支 援 する 53

第 5 条 : 財 政 悪 化 への 歯 止 め 震 災 復 興 がソブリン リスク( 財 政 危 機 )に 繋 がるこ とを 回 避 すべく 国 債 に 対 する 市 場 からの 信 認 の 確 保 に 努 める ー 国 債 の 日 銀 引 受 会 計 操 作 など 市 場 から 財 政 規 律 の 弛 緩 を 疑 われる 事 態 は 回 避 する ー 復 興 国 債 を 既 存 の 国 債 と 区 分 経 理 し その 元 利 償 還 財 源 を 予 め 明 らかにする ー 直 接 復 興 に 関 わらない 予 算 については 財 政 運 営 戦 略 に 即 して 財 政 再 建 を 進 める ー 復 興 のコストを 長 く 担 っていく 若 年 世 代 将 来 世 代 に 配 慮 すべく 財 政 再 建 に 係 る 世 代 間 格 差 を 是 正 する 54

第 6 条 : 税 財 政 改 革 の 実 施 無 駄 な 歳 出 の 削 減 に 際 して 費 用 対 効 果 に 従 い 政 策 の 優 先 順 位 を 明 らかにした 予 算 の 配 分 ルールを 定 め る - 子 ども 手 当 等 に 限 らず 年 金 を 含 む 社 会 保 障 公 共 事 業 交 付 税 など 聖 域 化 することなく 無 駄 の 削 減 に 努 める ー 歳 出 の 費 用 対 効 果 の 検 証 を 徹 し 予 算 に 反 映 させる ルールを 作 る 合 わせて 震 災 復 興 のための 増 税 と 抜 本 的 税 制 改 革 を 実 施 する ー 増 税 は 消 費 税 ( 課 税 所 得 を 拡 大 した) 所 得 税 など 国 民 が 広 く 薄 く 負 担 する 税 目 とする ー 臨 時 増 税 を 契 機 に 課 税 ベースの 見 直 し 税 収 確 保 再 分 配 機 能 の 充 実 など 税 制 の 抜 本 改 革 に 繋 げていく 55

第 7 条 : 民 間 資 金 の 活 用 震 災 復 興 においてはPFI 等 民 間 資 金 を 積 極 的 に 活 用 する ー 復 興 可 能 な 被 災 地 について 国 が 被 災 者 の 土 地 を 買 い 上 げ 当 該 被 災 者 の 生 活 再 建 資 金 にするとともに 一 体 的 な 再 開 発 を 実 施 することを 選 択 肢 として 持 つ ー 再 開 発 は 自 治 体 住 民 等 関 係 者 が 参 加 する 協 議 会 を 設 置 地 元 の 意 向 をくみ 取 りつつ 民 間 開 発 事 業 者 が 政 府 からの 事 業 運 営 権 (コンセッション 方 式 ) 等 で 実 施 する ー 道 路 公 共 施 設 の 復 旧 においては 周 辺 の 収 益 事 業 ( 例 : 道 の 駅 )と 事 業 を 一 体 化 民 間 事 業 者 (コン ソーシアム)にその 実 施 を 委 託 する - 再 開 発 地 域 に 対 して 政 府 自 治 体 は 税 の 減 免 を 行 う など 財 政 的 に 支 援 をする 56

第 8 条 : 未 来 の 震 災 への 備 え 将 来 予 想 される 首 都 直 下 地 震 東 海 地 震 東 南 海 南 海 地 震 など 新 たな 自 然 災 害 の 驚 異 に 備 える ー 自 治 体 による 防 災 対 策 を 徹 底 する -インフラ 更 新 地 域 の 再 編 成 を 含 めて 災 害 に 強 い 国 土 の 発 展 に 努 める ー 自 助 努 力 事 前 の 備 えとして 住 宅 の 耐 震 化 地 震 保 険 の 加 入 率 向 上 を 図 る ーサプライチェーンの 断 絶 に 備 えた 企 業 のBCMの 普 及 に 努 める ー 東 北 関 東 大 震 災 の 経 験 を 生 かした 新 たな 安 全 技 術 の 開 発 を 進 める - 被 災 時 の 電 力 等 エネルギー 確 保 のため 電 力 市 場 等 の 規 制 改 革 に 着 手 する( 市 場 原 理 の 活 用 なしに 安 定 供 給 はありえない) ー 災 害 に 強 いインフラ 技 術 を 将 来 日 本 の 輸 出 分 野 とし て 育 成 していく 57