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はじめに 数 次 にわたる 入 念 なトライアルを 経 て 平 成 17 年 12 月 から 共 用 試 験 が 正 式 実 施 される この 共 用 試 験 の 目 的 は 臨 床 実 習 前 の 学 生 の 能 力 を 知 識 技 能 能 力 の 面 で 適 正 に 評 価 し 臨 床 実 習 の 充 実 を 図 ると 同 時 に 社 会 的 にも 臨 床 現 場 に 学 生 が 参 画 する 妥 当 性 を 担 保 しようとするものである 共 用 試 験 は 知 識 を 評 価 するためのコンピューター 試 験 (Computer Based Testing: CBT)と 態 度 技 能 を 評 価 するための 客 観 的 臨 床 能 力 試 験 (Objective Structured Clinical Examination: OSCE)からなる これらはいずれもそれ までの 学 習 を 適 正 に 評 価 するための 総 括 的 試 験 と 位 置 づけられている すなわち 共 用 試 験 受 験 前 には 適 正 な 学 習 目 標 内 容 と 学 習 方 略 が 明 示 され それに 沿 った 教 育 が 行 われて いることが 前 提 である 知 識 面 の CBT においては 医 学 教 育 モデル コア カリキュラム が 学 習 目 標 であり 態 度 技 能 面 の OSCE においてはこの 診 療 参 加 型 臨 床 実 習 に 参 加 する 学 生 に 必 要 とされる 技 能 と 態 度 に 関 する 学 習 評 価 項 目 が 学 習 目 標 と 考 えられる これの 初 版 は 平 成 14 年 6 月 に OSCE の 最 初 のトライアルにあわせて 示 された さらに 全 国 からの 種 々の 意 見 を 参 考 に また 多 くの 医 学 教 育 関 係 者 の 努 力 により その 改 正 案 が 平 成 14 年 11 月 に 示 され 平 成 16 年 9 月 には 改 定 第 2 版 としてより 科 学 的 でまた 学 習 を 促 す 形 に 変 えて 示 された 今 回 共 用 試 験 の 正 式 実 施 にあわせて 装 いも 新 たに 正 式 実 施 第 1 版 (Ver.1.0)として 公 表 するにいたった 本 来 学 習 目 標 があり それを 達 成 するために 学 習 内 容 と 方 略 が 計 画 され それに 基 づ く 教 育 活 動 があり 最 後 にそれらを 評 価 し 改 善 に 結 びつけるために 試 験 が 行 われることが 筋 道 と 考 えられる わが 国 においては 不 幸 にも 全 国 の 医 学 部 医 科 大 学 に 共 通 の 態 度 と 技 能 に 関 する 統 一 的 な 学 習 目 標 が 存 在 しなかったため OSCE という 試 験 の 実 施 にあわせて 学 習 目 標 と 内 容 を 定 めるといった 逆 転 したことになった しかし 教 育 活 動 があってそれを 評 価 するための 試 験 があるということにいささかの 変 化 もないと 考 えている すなわち 共 用 試 験 に 出 るから 綻 びを 繕 うように 教 育 をするというのではなく それぞれの 学 校 の 理 念 に 基 づいて 医 師 として 具 有 しておくべき 態 度 と 技 能 が 充 分 に 教 育 され その 中 でも 必 要 最 低 限 の 部 分 だけを 共 用 試 験 OSCE で 評 価 するというのがあるべき 姿 であると 考 えている ここに 示 された 学 習 評 価 項 目 は 必 要 最 低 限 のものと 考 えている また 態 度 に 関 しては 病 める 人 を 思 いやる 心 といった 本 質 的 なことは 充 分 書 き 込 まれておらず 画 一 的 な 教 育 で 教 えることはできないとすら 思 っている 一 方 ここに 示 された 学 習 目 標 は それだけ では 画 餅 に 過 ぎない 適 切 な 学 習 方 略 を 用 いて 教 育 が 実 践 されてはじめて 学 習 者 の 血 肉 に なると 考 える 学 習 方 略 に 関 しても 情 報 交 換 を 重 ねることにより 各 大 学 の 創 意 工 夫 が 多 くの 大 学 で 共 有 されより 効 率 的 で 充 実 したものとなるよう 願 ってやまない 重 ねて 試 験 のための 教 育 学 習 ではなく 各 大 学 で 充 分 な 時 間 と 人 的 資 源 を 費 やして 医 師 として 必 要 な 技 能 と 態 度 を 教 育 することが 最 も 重 要 であり われわれの 願 いであるこ とを 強 調 したい 今 後 とも 学 生 諸 君 も 含 め 皆 様 からのご 意 見 ご 要 望 ご 協 力 を 切 にお 願 いする 平 成 17 年 9 月 28 日 社 団 法 人 医 療 系 大 学 間 共 用 試 験 実 施 評 価 機 構 医 学 系 OSCE 実 施 小 委 員 会 委 員 長 北 村 聖 49/52

改 訂 について 2003 年 3 月 に 医 学 教 育 全 体 の 視 点 からこれまでの 教 育 内 容 を 見 直 し 全 ての 医 学 生 が 履 修 すべき 必 須 の 学 習 内 容 として 医 学 教 育 モデル コア カリキュラム 教 育 内 容 ガイドラ イン (ガイドライン)が 公 表 された このガイドラインには 臨 床 前 医 学 教 育 における 症 候 病 態 からのアプローチとして 基 本 的 診 療 知 識 基 本 的 診 療 技 能 の 到 達 目 標 が 明 示 され ている これらの 目 標 は 医 学 生 が 臨 床 実 習 を 開 始 するにあたって 具 有 すべき 必 須 の 臨 床 能 力 に 相 当 する 今 回 改 訂 された 診 療 参 加 型 臨 床 実 習 に 参 加 する 学 生 に 必 要 とされる 技 能 と 態 度 に 関 する 学 習 評 価 項 目 ( 学 習 評 価 項 目 )は ガイドラインの 基 本 的 診 療 知 識 技 能 の 到 達 目 標 をもとに 実 際 に 必 要 とされる 学 習 項 目 を 加 えた 内 容 となっている こ の 学 習 評 価 項 目 を 修 得 することが 臨 床 実 習 を 開 始 する 医 学 生 にとっては 必 須 の 条 件 で あり それを 評 価 する 方 法 として 共 用 試 験 OSCE が 実 施 されている 平 成 13 年 度 より 平 成 16 年 11 月 末 までの 4 年 間 に 4 回 の 共 用 試 験 OSCE トライアルが 実 施 された 特 に 第 3 回 及 び 最 終 トライアル( 第 4 回 )には ほとんどの 全 国 の 医 科 大 学 大 学 医 学 部 が 参 加 し 共 用 試 験 OSCE が 全 国 レベルで 臨 床 技 能 を 評 価 する 試 験 として 普 及 し てきた 今 回 の 改 訂 作 業 は これらのトライアルの 結 果 に 基 づいて 行 われた 修 正 は 必 要 最 小 限 に 留 めたが( 修 正 された 内 容 は 巻 末 の 別 紙 で 参 照 されたい) 外 科 系 基 本 手 技 などで は 必 要 と 判 断 された 項 目 が 追 加 されている その 他 の 主 な 修 正 点 は 以 下 の2 点 である 1) ステーションごとに 主 要 な 項 目 には 番 号 を 付 けて 階 層 化 し 学 習 評 価 項 目 を 整 理 した 2) 卒 業 時 に 修 得 しておくべき 項 目 として 各 ステーションの 学 習 項 目 ごとに 記 載 されてい た 患 者 さんに 診 察 所 見 を 説 明 する を Ⅰ 診 察 に 関 する 共 通 の 学 習 評 価 項 目 にま とめて 記 載 し ステーションごとの 記 載 を 削 除 した この 改 訂 作 業 は 平 成 17 年 度 ( 社 ) 医 療 系 大 学 間 共 用 試 験 実 施 評 価 機 構 医 学 系 OSCE 事 後 評 価 解 析 小 委 員 会 が 中 心 となって 実 施 された 本 年 8 月 1 日 から 3 日 までの 3 日 間 委 員 が 合 宿 して 集 中 的 に 作 業 が 行 われた 巻 末 に 参 加 された 先 生 方 がリストされているが ご 協 力 いただいたことに 深 く 感 謝 する 次 第 である 改 訂 された 学 習 評 価 項 目 に 基 づいて 作 成 される 課 題 等 により 共 用 試 験 OSCE が 本 年 12 月 から 正 式 実 施 される 学 習 評 価 項 目 はそれに 合 わせて 正 式 実 施 第 1 版 (Ver.1.0)とな る 学 生 が この 学 習 評 価 項 目 を 修 得 し それに 続 く 診 療 参 加 型 臨 床 実 習 を 能 動 的 に 実 践 し 患 者 国 民 から 求 められる 基 本 的 臨 床 能 力 を 担 保 して 卒 業 することが 最 終 的 な 目 標 である 今 後 とも 各 大 学 の 担 当 教 員 の 先 生 方 には 協 力 をお 願 いし この 目 標 達 成 へ 向 けて 努 力 していきたい 平 成 17 年 9 月 26 日 社 団 法 人 医 療 系 大 学 間 共 用 試 験 実 施 評 価 機 構 医 学 系 OSCE 事 後 評 価 解 析 小 委 員 会 委 員 長 田 辺 政 裕 49/52

目 次 Ⅰ. 診 察 に 関 する 共 通 の 学 習 評 価 項 目... 4 Ⅱ. 医 療 面 接... 6 Ⅲ. 頭 頸 部 診 察... 9 Ⅳ. 胸 部 診 察......12 Ⅴ. 腹 部 診 察...16 Ⅵ. 神 経 診 察...22 Ⅶ. 脈 拍 血 圧 の 測 定...33 Ⅷ. 外 科 系 基 本 手 技.....35 Ⅸ. 救 急....40 [ 別 紙 ] 学 習 評 価 項 目 の 範 囲 の 変 更 とその 理 由 について...45 [ 別 紙 2] 平 成 17 年 度 医 学 系 OSCE 事 後 評 価 解 析 小 委 員 会 委 員 名 簿 ( 臨 時 委 員 を 含 む)..52 学 生 が 臨 床 実 習 中 に 学 習 し 卒 業 修 了 時 には 身 につけておくべき 項 目 であるが 臨 床 実 習 開 始 前 には 備 わっていなくてもよいと 判 断 したものについては*を 付 記 した ただしここで *として 示 した 技 能 態 度 が 卒 業 修 了 時 に 身 につけておくものすべてを 網 羅 してはいない 3/52

Ⅰ. 診 察 に 関 する 共 通 の 学 習 評 価 項 目 (1)プライバシーや 苦 痛 への 配 慮 患 者 さんのプライバシーおよび 羞 恥 心 に 配 慮 する 手 および 聴 診 器 を 必 要 に 応 じて 温 める 非 診 察 部 位 をバスタオルなどで 覆 う (2) 身 だしなみ ユニフォーム( 白 衣 )は 洗 濯 済 みで 清 潔 である ユニフォーム( 白 衣 )のボタンをきちんととめ 名 札 をつけて 着 用 している ユニフォーム( 白 衣 )のポケットの 中 のものに 配 慮 する ( 診 察 中 に 落 ちたり 飛 び 出 したりしないように 注 意 する) 聴 診 器 の 扱 いに 配 慮 できる ( 患 者 さんに 不 快 感 を 与 えない だらしなくしない) 華 美 な 服 装 ( 化 粧 アクセサリーなど)でない 全 体 の 印 象 で 不 快 感 がない 全 体 の 印 象 で 清 潔 感 がある 髪 型 頭 髪 が 多 くの 患 者 さんにとって 抵 抗 感 がない ヒゲは 手 入 れされている 不 快 な 口 臭 体 臭 がない 爪 はきちんと 切 ってある マニキュアはしていないか あるいは 派 手 でない ( 淡 色 で 目 立 たない) 履 物 は 動 きやすく 清 潔 感 があり 足 にフィットしている 履 物 の 音 が 大 き 過 ぎない 診 察 前 に 手 および 聴 診 器 を 清 潔 にする (3) 言 葉 遣 い 患 者 さんに 適 した 声 の 大 きさである ( 高 齢 者 にも 聞 こえる/ 小 児 が 驚 くことがない) 患 者 さんがわかり 易 いはやさで 話 す 患 者 さんへの 敬 意 が 感 じられる 言 葉 遣 い( 適 切 な 敬 語 )である 患 者 さんを 気 遣 う 言 葉 を 使 う (4) 挨 拶 や 説 明 挨 拶 自 己 紹 介 患 者 確 認 をする 診 察 をする 旨 を 告 げ 了 承 を 得 る 診 察 の 種 類 に 合 わせて 適 切 に 声 をかけ 不 安 の 軽 減 につとめる 4/52

* 診 察 の 区 切 りで 所 見 を 患 者 さんに 説 明 する 診 察 終 了 後 に 挨 拶 をする 診 察 終 了 後 次 のステップ(どこで 待 っていただくなど)の 説 明 をする 学 生 が 臨 床 実 習 中 に 学 習 し 卒 業 修 了 時 には 身 につけておくべき 項 目 であるが 臨 床 実 習 開 始 前 には 備 わっていなくてもよいと 判 断 したものについては*を 付 記 した ただしこ こで*として 示 した 技 能 態 度 が 卒 業 修 了 時 に 身 につけておくものすべてを 網 羅 しては いない 5/52

Ⅱ. 医 療 面 接 (1) 導 入 部 分 :オープニング 適 切 な 呼 びいれをする ( 失 礼 でない 声 かけ 明 確 な 発 音 次 の 方 どうぞ などでは なく 名 前 で 呼 び 入 れる ) 患 者 さんが 入 室 し 易 いように 配 慮 する (ドアをあける 導 く 荷 物 置 き 場 を 示 すな ど) 患 者 さんに 椅 子 をすすめる ( 必 要 があれば 介 助 する) 同 じ 目 の 高 さで 患 者 さんに 対 して 挨 拶 をする 患 者 さんに 対 して 自 己 紹 介 をする (フルネームないしは 姓 のみ 明 確 な 発 音 難 し い 漢 字 は 名 札 を 示 す) 患 者 さんの 名 前 をフルネームで 確 認 する 患 者 さんに 名 乗 ってもらう 場 合 は 確 認 の ためにという 目 的 を 告 げる 面 接 を 行 うことの 了 承 を 患 者 さんから 得 る *( 症 状 の 強 い 場 合 ) 面 接 を 行 うことが 可 能 かどうかを 患 者 さんに 確 認 する *( 症 状 の 強 い 場 合 ) 患 者 さんが 楽 な 姿 勢 で 面 接 を 行 えるように 配 慮 する 適 切 な 座 り 方 をする ( 患 者 さんとの 距 離 体 の 向 き 姿 勢 メモの 位 置 ) 面 接 の 冒 頭 で 患 者 さんの 訴 えを 十 分 に 聴 く (2) 患 者 さんとの 良 好 な( 共 感 的 )コミュニケーション 患 者 さんにわかり 易 い 言 葉 で 会 話 する 患 者 さんと 適 切 なアイコンタクトを 保 つ ( 質 問 するときだけはなく 患 者 さんの 話 を 聴 くときにも 適 切 なアイコンタクトを 保 つ) 患 者 さんに 対 して 適 切 な 姿 勢 態 度 で 接 する 聴 いている 時 に 相 手 にとって 気 になる 動 作 をしない ( 時 計 を 見 る ペンを 回 す 頬 杖 をつくなど) 患 者 さんの 状 態 にあった 適 切 な 声 の 大 きさ 話 のスピード 声 の 音 調 を 保 つ 積 極 的 な 傾 聴 を 心 がける ( 冒 頭 以 外 でもできるだけ 開 放 型 質 問 を 用 いて 患 者 さんが 言 いたいことを 自 由 に 話 せるように 配 慮 する) コミュニケーションを 促 進 させるような 言 葉 がけ うなずき あいづちを 適 切 に 使 う 相 手 が 話 しをし 易 い 聴 き 方 をする (さえぎらない 過 剰 なあいづちをしないなど) 患 者 さんの 言 葉 を 適 切 にパラフレーズ( 繰 り 返 し)する 聴 きながら 必 要 があれば 適 宜 メモをとる 患 者 さんの 気 持 ちや 患 者 さんのおかれた 状 況 に 共 感 していることを 言 葉 ないし 態 度 で 患 者 さんに 伝 える ( 態 度 と 一 致 しない 言 葉 がけだけでは 不 適 切 ) 患 者 さんの 訴 えやこの 間 の 経 過 について 患 者 さんの 言 葉 を 使 って 適 切 に 要 約 する 6/52

患 者 さんの 訴 えやこの 間 の 経 過 についての 要 約 に 間 違 いがないかどうかを 確 認 する (3) 患 者 さんに 聞 く( 話 を 聴 く): 医 学 的 情 報 症 状 のある 部 位 を 聞 く 症 状 の 性 状 を 聞 く ( 症 状 の 性 質 頻 度 持 続 時 間 など) 症 状 の 程 度 を 聞 く ( 症 状 の 強 度 頻 度 持 続 時 間 など) 症 状 の 経 過 を 聞 く ( 症 状 の 発 症 時 期 持 続 期 間 頻 度 や 程 度 の 変 化 など) 症 状 の 起 きる 状 況 を 聞 く 症 状 を 増 悪 寛 解 させる 因 子 を 聞 く 症 状 に 随 伴 する 他 の 症 状 を 聞 く 症 状 に 対 する 患 者 さんの 対 応 を 聞 く ( 受 診 行 動 を 含 む) 睡 眠 の 状 況 を 聞 く 排 便 の 状 況 を 聞 く 食 欲 ( 食 思 )の 状 況 を 聞 く 体 重 変 化 を 聞 く ( 女 性 の 場 合 ) 月 経 歴 を 聞 く 症 状 が 患 者 さんの 日 常 生 活 に 及 ぼす 程 度 を 聞 く 既 往 歴 を 聞 く 常 用 薬 を 聞 く 家 族 歴 を 聞 く アレルギー 歴 を 聞 く 嗜 好 ( 飲 酒 喫 煙 など)を 聞 く 生 活 習 慣 ( 一 日 の 過 ごし 方 )を 聞 く 社 会 歴 ( 職 歴 職 場 環 境 など)を 聞 く 生 活 環 境 ( 衛 生 環 境 人 間 関 係 など) 家 庭 環 境 (ペット 家 族 構 成 など)を 聞 く 海 外 渡 航 歴 を 聞 く System review を 行 う (4) 患 者 さんに 聞 く( 話 を 聴 く): 心 理 社 会 的 情 報 患 者 さんの 生 活 や 仕 事 などの 社 会 的 状 況 を 聞 く 患 者 さんの 思 いや 不 安 などの 心 理 的 状 況 を 聞 く 患 者 さんの 病 気 や 医 療 に 関 する 考 えや 理 解 ( 解 釈 モデル )を 聞 く 患 者 さんの 検 査 や 治 療 に 関 する 希 望 や 期 待 好 みなどを 聞 く 患 者 さんの 過 去 の 受 療 行 動 を 聞 く 患 者 さんの 過 去 の 対 処 行 動 を 聞 く 患 者 さんの 特 に 気 になっていること 心 配 していることを 詳 しく 聞 く 7/52

他 医 受 診 ( 代 替 医 療 も 含 む)の 有 無 と 処 方 内 容 を 聞 く (5) 患 者 さんに 話 を 伝 える 患 者 さんにわかり 易 い 言 葉 で 話 をする 患 者 さんが 話 を 理 解 できているかどうか 確 認 する 話 の 途 中 でも 患 者 さんにここまでで 質 問 がないかどうかを 確 認 する 患 者 さんが 質 問 や 意 見 を 話 せるように 配 慮 する ( 雰 囲 気 会 話 の 間 など) ( 患 者 さんとの 診 療 計 画 の 相 談 のプロセスは 省 略 ) (6) 締 めくくり 部 分 : 診 察 への 移 行 /クロージング 聞 き 漏 らしや 質 問 がないか 尋 ねる (まだお 聞 きしていないことや ご 質 問 はござい ますか?) 面 接 終 了 後 患 者 さんが 次 にどうしたら 良 いかを 適 切 に 伝 える ( 身 体 診 察 への 移 行 する 場 合 ) 身 体 診 察 を 始 めることの 同 意 を 得 る (クロージングする 場 合 ) * 何 かあればいつでもコンタクトできることを 患 者 さんに 伝 える 患 者 さんが 退 室 する 際 に 配 慮 する ( 必 要 があれば 介 助 する) 挨 拶 をする (おだいじに お 気 をつけて など) (7) 全 体 をとおして 順 序 立 った 面 接 : 主 訴 の 聞 き 取 り 現 病 歴 その 他 医 学 的 情 報 心 理 社 会 的 情 報 の 聴 取 などが 系 統 的 で あまり 前 後 しすぎずに 順 序 立 って 進 められている 流 れに 沿 った 円 滑 な 面 接 : 患 者 さんの 話 しの 流 れに 沿 って 面 接 が 進 められ 話 題 が 変 わるとき( 特 に 家 族 歴 既 往 心 理 社 会 的 情 報 などの 聴 取 に 移 るとき) 唐 突 でなく 適 切 な 言 葉 がけが 行 われている (たとえば 症 状 と 関 連 することもあるので ご 家 族 の ことについて 伺 わせてください など) 学 生 が 臨 床 実 習 中 に 学 習 し 卒 業 修 了 時 には 身 につけておくべき 項 目 であるが 臨 床 実 習 開 始 前 には 備 わっていなくてもよいと 判 断 したものについては*を 付 記 した ただしこ こで*として 示 した 技 能 態 度 が 卒 業 修 了 時 に 身 につけておくものすべてを 網 羅 しては いない 8/52

Ⅲ. 頭 頸 部 診 察 (1) 診 察 時 の 配 慮 4-5 頁 Ⅰ. 診 察 に 関 する 共 通 の 学 習 評 価 項 目 参 照 (2) 頭 部 の 診 察 1) 頭 顔 貌 を 観 察 する: 浮 腫 ( 特 に 眼 瞼 眼 瞼 周 囲 ) 顔 色 表 情 および 左 右 差 発 汗 過 多 多 毛 など 頭 髪 を 視 診 する: 脱 毛 頭 髪 の 色 調 など 頭 皮 を 視 診 する: 頭 髪 を 掻 き 分 けて 頭 皮 全 体 の 視 診 を 行 う 皮 疹 瘢 痕 腫 瘤 など 頭 皮 頭 蓋 を 触 診 する: 変 形 腫 瘤 圧 痛 など 2) 眼 眼 鏡 をしている 場 合 は 眼 鏡 をはずしてもらって 診 察 する 貧 血 を 観 察 する: 指 で 眼 瞼 を 押 し 下 げて 眼 瞼 結 膜 を 露 出 させ 貧 血 の 有 無 を 観 察 する 黄 疸 を 観 察 する: 指 で 眼 瞼 を 軽 く 押 し 広 げ 眼 球 結 膜 を 十 分 に 露 出 させて 虹 彩 の 上 下 を 含 めて 黄 疸 の 有 無 を 観 察 する 眼 球 突 出 を 観 察 する: 眼 球 を 正 面 から 観 察 し 眼 球 突 出 の 存 在 が 疑 われる 場 合 は 側 面 または 後 上 方 から 確 認 する 瞳 孔 虹 彩 を 視 診 する: 左 右 差 および 色 形 など 直 接 対 光 反 射 を 観 察 する: 神 経 診 察 の 章 参 照 眼 球 運 動 を 観 察 する: 神 経 診 察 の 章 参 照 3) 耳 耳 介 を 視 診 する: 変 形 皮 疹 など 聴 力 を 検 査 する 音 叉 指 時 計 などにより 聞 こえの 検 査 をすることを 伝 え 左 右 差 があるかどう かを 教 えてくれるよう 説 明 する 上 記 の 音 を 交 互 に 左 右 の 耳 から 同 じ 距 離 で 聞 いてもらい 聞 こえ 方 に 左 右 差 が ないかを 尋 ねる * 聴 力 に 左 右 差 がある 場 合 Weber 試 験 を 行 う 耳 鏡 を 使 って 診 察 する 携 帯 用 耳 鏡 使 用 時 に 耳 介 を 後 上 方 に 引 いて 外 耳 道 入 口 部 を 観 察 し 病 変 の 有 無 を 確 認 する 携 帯 用 耳 鏡 を 正 しくセットして 横 から 覗 きながら 外 耳 道 内 へ 耳 鏡 の 先 端 を 挿 入 する 耳 鏡 の 先 端 を 挿 入 後 安 全 確 保 のため 耳 鏡 を 保 持 している 手 の 一 部 を 患 者 さんの 9/52

頭 部 に 当 てて 固 定 し 耳 鏡 を 覗 きながら 痛 みを 生 じないように 注 意 深 く 進 める 携 帯 用 耳 鏡 で 外 耳 道 を 観 察 する 携 帯 用 耳 鏡 で 鼓 膜 を 観 察 する 4) 鼻 鼻 の 全 体 の 形 状 皮 膚 の 所 見 を 観 察 する: 変 形 皮 疹 など * 片 方 ずつ 鼻 翼 を 圧 迫 して 鼻 孔 を 塞 ぎ 呼 気 または 吸 気 で 通 気 を 確 認 する 方 法 や 金 属 板 の 曇 りを 確 認 する 方 法 などにより 鼻 閉 塞 の 有 無 を 確 認 する * 副 鼻 腔 ( 上 顎 洞 前 頭 洞 )の 圧 痛 叩 打 痛 を 確 認 する 5) 口 唇 口 腔 咽 頭 義 歯 を 使 用 している 場 合 は 義 歯 をはずしてもらって 診 察 する 口 唇 を 視 診 する:チアノーゼ 水 疱 色 素 沈 着 潰 瘍 など 歯 を 視 診 する: 欠 損 う 歯 歯 垢 歯 石 や 歯 列 の 所 見 など 歯 肉 を 視 診 する: 発 赤 腫 脹 出 血 色 素 沈 着 など 頬 粘 膜 を 視 診 する: 色 素 沈 着 潰 瘍 白 板 症 出 血 斑 や 耳 下 腺 管 開 口 部 の 所 見 など 舌 を 視 診 する: 舌 を 挺 出 させて 観 察 する 発 赤 腫 瘤 潰 瘍 舌 乳 頭 萎 縮 舌 苔 巨 舌 など 口 腔 底 を 視 診 する: 適 切 な 指 示 により 舌 を 挙 上 してもらい 口 腔 底 を 観 察 する 腫 瘤 舌 小 帯 短 縮 や 顎 下 腺 管 開 口 部 の 所 見 など 口 蓋 を 視 診 する: 口 蓋 を 十 分 に 観 察 できるように 患 者 さんに 頸 部 を 後 屈 してもらう または 観 察 者 が 下 方 から 口 蓋 を 覗 き 上 げる 発 赤 腫 瘤 出 血 斑 など 咽 頭 後 壁 を 視 診 する: 発 赤 腫 瘤 出 血 後 鼻 漏 など 口 蓋 扁 桃 を 視 診 する: 腫 脹 左 右 差 発 赤 白 苔 など ペンライトを 適 切 に 使 用 する: 観 察 部 位 に 的 確 に 光 を 当 て 使 用 する 際 に 不 潔 になら ないように 口 腔 内 に 入 れたり 口 唇 に 触 れたりしないようにする 咽 頭 後 壁 および 口 蓋 扁 桃 を 視 診 する 際 には "あー" または"えー" と 発 声 してもらい ながら 観 察 する 舌 圧 子 を 用 いて 診 察 する 際 咽 頭 後 壁 観 察 時 は 舌 の 中 央 部 を 舌 圧 子 で 軽 く 全 体 的 に 押 し 下 げ 頬 粘 膜 や 歯 歯 肉 の 観 察 時 は 舌 圧 子 で 頬 粘 膜 を 歯 列 から 引 き 離 すようにする 舌 圧 子 は 不 潔 にならないように 操 作 し 使 用 後 は 適 切 に 廃 棄 する 6) 唾 液 腺 耳 下 腺 を 触 診 する: 第 2 4 指 の 指 腹 を 使 って 触 診 する 顎 下 腺 を 触 診 する: 患 者 さんに 軽 く 頸 部 を 前 屈 してもらい 第 2 4 指 の 指 腹 を 使 って 触 診 する 7) 頭 頸 部 リンパ 節 後 頭 部 のリンパ 節 を 触 診 する: 第 2 4 指 の 指 腹 を 使 って 円 を 描 くように 触 診 する 耳 介 後 部 のリンパ 節 を 触 診 する: 第 2 4 指 の 指 腹 を 使 って 円 を 描 くように 触 診 する 10/52

耳 介 前 部 のリンパ 節 を 触 診 する: 第 2 4 の 指 腹 を 使 って 円 を 描 くように 触 診 する 下 顎 角 直 下 のリンパ 節 を 触 診 する : 第 2 4 指 の 指 腹 を 使 って 円 を 描 くように 触 診 する 顎 下 部 のリンパ 節 を 触 診 する: 患 者 さんに 軽 く 頸 部 を 前 屈 してもらい 第 2 4 指 の 指 腹 を 使 って 下 顎 骨 に 向 かって 掘 るように 触 診 する オトガイ 下 部 のリンパ 節 を 触 診 する: 患 者 さんに 軽 く 頸 部 を 前 屈 してもらい 第 2 3 指 の 指 腹 を 使 ってオトガイ 部 に 向 かって 掘 るように 触 診 する 後 頸 三 角 のリンパ 節 を 触 診 する: 僧 帽 筋 前 縁 胸 鎖 乳 突 筋 後 縁 鎖 骨 で 囲 まれた 後 頸 三 角 を 隈 なく 第 2 4 指 の 指 腹 を 使 って 円 を 描 くように 触 診 する 胸 鎖 乳 突 筋 浅 層 のリンパ 節 を 触 診 する: 第 2 4 指 の 指 腹 を 使 って 円 を 描 くように 触 診 する 胸 鎖 乳 突 筋 深 部 のリンパ 節 を 触 診 する: 患 者 さんの 頸 部 を 診 察 している 側 に 傾 けても らい 胸 鎖 乳 突 筋 の 緊 張 をとり 同 筋 を 掴 むようにして 触 診 する 鎖 骨 上 窩 のリンパ 節 を 触 診 する: 第 2-3 指 で 鎖 骨 の 裏 側 を 探 るように 触 診 する (3) 頸 部 の 診 察 1) 甲 状 腺 甲 状 腺 を 視 診 する: 正 面 から 嚥 下 してもらいながら 甲 状 腺 を 視 診 し 腫 大 が 疑 われる 場 合 は 側 面 からも 観 察 する 甲 状 腺 峡 部 を 触 診 する: 輪 状 軟 骨 の 位 置 を 確 認 し 利 き 手 の 第 2 指 指 腹 で 甲 状 腺 峡 部 を 軽 く 触 診 する (または 両 手 で 首 を 挟 むようにして 第 1 指 の 指 腹 で 触 診 する) 甲 状 腺 葉 部 を 触 診 する: 第 1 指 の 指 腹 で 胸 鎖 乳 突 筋 を 押 しながら 指 を 頸 部 に 沿 って 奥 まで 滑 らせるように 片 方 ずつ 触 診 する または 背 部 から 両 第 2 4 指 の 指 腹 を 使 って 甲 状 腺 峡 部 および 両 葉 を 触 診 する 嚥 下 してもらいながら 正 面 から もしくは 背 部 から 甲 状 腺 葉 部 を 触 診 する 2) 気 管 * 気 管 の 視 触 診 : 短 縮 偏 位 など 3) 頸 静 脈 胸 部 診 察 の 章 参 照 学 生 が 臨 床 実 習 中 に 学 習 し 卒 業 修 了 時 には 身 につけておくべき 項 目 であるが 臨 床 実 習 開 始 前 には 備 わっていなくてもよいと 判 断 したものについては*を 付 記 した ただしこ こで*として 示 した 技 能 態 度 が 卒 業 修 了 時 に 身 につけておくものすべてを 網 羅 しては いない 11/52

Ⅳ. 胸 部 診 察 (1) 診 察 時 の 配 慮 4-5 頁 Ⅰ. 診 察 に 関 する 共 通 の 学 習 評 価 項 目 参 照 (2) 聴 診 器 の 使 用 聴 診 器 のイヤピースを 外 耳 道 の 方 向 にあわせて 装 着 し チェストピースを 適 切 に 把 持 する 目 的 に 応 じて 膜 型 ベル 型 を 使 い 分 ける (3) 肺 の 診 察 ( 前 胸 部 ) 1) 視 診 胸 部 全 体 を 露 出 して 診 察 をする 解 剖 学 的 部 位 ( 胸 骨 角 剣 状 突 起 )を 特 定 する 皮 疹 の 有 無 を 確 認 する 着 色 斑 の 有 無 を 確 認 する 手 術 痕 の 有 無 を 確 認 する 胸 郭 の 変 形 の 有 無 を 確 認 する 呼 吸 数 を 測 定 する (30 秒 以 上 ) 呼 吸 の 異 常 ( 型 リズム 速 さ 深 さ)の 有 無 を 確 認 する 呼 吸 時 の 胸 壁 運 動 の 左 右 差 の 有 無 を 確 認 する 鎖 骨 上 窩 肋 間 の 吸 気 時 の 陥 凹 の 有 無 を 確 認 する 2) 打 診 左 ( 右 ) 手 を 広 げ その 中 指 の 中 節 骨 部 または DIP 関 節 部 を 曲 げた 右 ( 左 ) 中 指 で 弾 むように 2 回 ずつ 叩 き 打 診 する 肺 尖 側 胸 部 を 含 めた 胸 部 全 体 (8ヵ 所 以 上 )を 打 診 する 左 右 交 互 に 上 から 下 へ 打 診 して 左 右 差 を 確 認 する 3) 聴 診 深 呼 吸 をしてもらう 吸 気 と 呼 気 の 両 方 を 聴 診 する 肺 尖 側 胸 部 を 含 めた 胸 部 全 体 (8ヵ 所 以 上 )を 聴 診 する 左 右 を 交 互 に 比 較 して 聴 く (4) 肺 の 診 察 ( 背 部 ) 1) 視 診 患 者 さんの 背 面 に 移 動 する (または 患 者 さんに 背 中 を 向 けてもらう) 解 剖 学 的 部 位 ( 第 7 頸 椎 棘 突 起 ( 隆 椎 )や 肩 甲 骨 下 角 )を 特 定 する 12/52

皮 膚 所 見 ( 皮 疹 着 色 斑 手 術 痕 など)の 有 無 を 判 断 する 胸 郭 の 形 状 輪 郭 ( 変 形 左 右 差 など)を 判 断 する 2) 打 診 背 部 全 体 (8ヵ 所 以 上 )を 打 診 する 前 胸 部 と 比 べてより 下 部 まで 行 う 左 右 交 互 に 打 診 して 左 右 差 を 確 認 する 両 側 の 肺 底 部 の 清 音 と 濁 音 の 境 界 を 示 す ( 片 側 ずつ 肩 甲 線 を 頭 側 より 打 診 し 決 定 す る) * 横 隔 膜 の 呼 吸 性 移 動 を 確 認 する 3) 触 診 * 声 音 振 盪 を 確 認 する 4) 聴 診 深 呼 吸 をしてもらう 聴 診 器 を 密 着 させる 左 右 を 比 較 して 聴 く 背 部 全 体 (8ヵ 所 以 上 )を 聴 診 する 前 胸 部 と 比 べてより 下 部 まで 行 う 吸 気 と 呼 気 の 両 方 を 聴 診 する * 声 音 聴 診 を 確 認 する (5)その 他 背 部 の 診 察 1) 叩 打 痛 背 面 の 叩 打 痛 の 有 無 を 確 認 する 脊 椎 の 叩 打 痛 の 有 無 を 確 認 する (ハンマー 拳 骨 のいずれでもよいが ハンマーの 場 合 は 自 身 の 指 などの 上 からたたき 直 接 叩 打 しない) (6) 心 臓 の 診 察 ( 心 臓 の 診 察 は 基 本 的 に 臥 位 左 側 臥 位 で 行 うことが 推 奨 されているが 状 況 に 応 じ 座 位 で 行 う ) 1) 視 診 心 尖 拍 動 を 確 認 する 胸 壁 拍 動 ( 右 室 隆 起 による 胸 骨 下 部 および 傍 胸 骨 拍 動 大 動 脈 瘤 による 拍 動 など)を 確 認 する 2) 触 診 心 尖 拍 動 の 位 置 と 広 がりを 手 掌 と 指 先 で 確 認 する 前 胸 部 ( 胸 骨 下 部 および 傍 胸 骨 )の 胸 壁 拍 動 を 手 掌 近 位 部 で 確 認 する 振 戦 (スリル)の 有 無 を 手 掌 遠 位 部 で 4 領 域 に 相 当 する 範 囲 を 確 認 する 13/52

3) 聴 診 4 領 域 ( 心 尖 部 三 尖 弁 領 域 肺 動 脈 弁 領 域 大 動 脈 弁 領 域 )を 膜 型 で 聴 診 する (4 領 域 と 表 現 しているが 各 弁 に 相 当 するものではない 聴 診 は 心 基 部 から 心 尖 部 に 向 かっても 心 尖 部 から 心 基 部 に 向 かって 聴 診 しても 良 い なお 聴 診 部 位 として4 領 域 の 他 に 第 3 肋 間 胸 骨 左 縁 Erb の 領 域 も 重 要 である ) 心 尖 部 はベル 型 でも 聴 診 する 聴 診 音 を 同 定 する I 音 と II 音 を 同 定 する II 音 の 分 裂 を 確 認 する ベル 型 で III 音 IV 音 を 確 認 する ( 左 側 臥 位 にてよく 聞 こえる) 収 縮 期 雑 音 か 拡 張 期 雑 音 か 区 別 する (7) 頸 部 血 管 の 診 察 1) 視 診 外 頸 静 脈 を 観 察 する ( 正 常 では 仰 臥 位 で 輪 郭 を 認 めるが 座 位 で 認 めないことが 多 い 息 こらえをすれば 怒 張 し 確 認 できる) * 上 半 身 を 45 に 保 ち 内 頸 静 脈 の 拍 動 を 観 察 する 2) 聴 診 下 顎 角 直 下 約 2cm のところの 頸 動 脈 の 聴 診 をする ( 両 側 ) 3) 触 診 一 側 ずつ 頸 動 脈 を 甲 状 軟 骨 の 高 さで 指 腹 を 使 って 軽 く 触 診 をする ( 聴 診 で 雑 音 がある ときには 行 わない 動 脈 硬 化 が 強 い 患 者 さんでは 行 わない) (8) 乳 房 の 診 察 ( 臨 床 実 習 前 にはシミュレーターを 用 いて 学 習 し 臨 床 実 習 では 指 導 医 の 指 導 のもとで 行 う) 1) 視 診 座 位 で 肢 位 を 変 えながら 視 診 を 行 う 左 右 差 を 確 認 する 皮 膚 の 所 見 ( 発 赤 腫 脹 陥 凹 発 疹 手 術 痕 など)を 確 認 する 変 形 の 有 無 を 確 認 する * 乳 頭 の 異 常 ( 陥 没 異 常 分 泌 びらん 潰 瘍 など)の 有 無 を 確 認 する 2) 触 診 患 者 さんに 適 切 な 体 位 ( 仰 臥 位 )をとってもらう 指 先 と 手 掌 で 乳 房 全 体 を 丁 寧 に 触 診 し 異 常 の 有 無 を 確 認 する * 腋 窩 および 鎖 骨 上 窩 リンパ 節 を 触 診 する 14/52

学 生 が 臨 床 実 習 中 に 学 習 し 卒 業 修 了 時 には 身 につけておくべき 項 目 であるが 臨 床 実 習 開 始 前 には 備 わっていなくてもよいと 判 断 したものについては*を 付 記 した ただしこ こで*として 示 した 技 能 態 度 が 卒 業 修 了 時 に 身 につけておくものすべてを 網 羅 しては いない 15/52

Ⅴ. 腹 部 診 察 (1) 診 察 時 の 配 慮 4-5 頁 Ⅰ. 診 察 に 関 する 共 通 の 学 習 評 価 項 目 参 照 (2) 全 般 的 注 意 事 項 腹 部 を 十 分 に 露 出 させる 心 窩 部 から 恥 丘 ( 鼠 径 部 )までが 見 えるようにする バスタオルなどを 用 いて 羞 恥 心 に 配 慮 する 視 診 - 聴 診 - 打 診 - 触 診 の 順 序 で 診 察 を 進 める 腹 痛 のある 患 者 さんの 場 合 は まずその 場 所 を 聞 いておく 視 診 は 十 分 な 視 野 を 確 保 するために 両 膝 を 伸 ばした 状 態 で 行 う 聴 診 は 鼠 径 部 を 含 めた 十 分 な 診 察 範 囲 を 確 保 するために 両 膝 を 伸 ばした 状 態 で 行 う 触 診 では 腹 壁 の 緊 張 をとるために 膝 を 軽 く 曲 げる(あるいは 膝 の 下 へ 枕 を 挿 入 する) ( 上 肢 を 挙 上 している 場 合 は 体 の 脇 に 下 ろさせる) 打 診 は 触 診 との 協 調 性 や 触 診 への 速 やかな 移 行 を 考 慮 して 同 様 の 手 技 で 腹 壁 の 緊 張 をとっておく (3) 基 本 的 診 察 法 1) 視 診 腹 部 の 輪 郭 形 状 ( 平 坦 膨 隆 陥 凹 )および 腫 瘤 の 有 無 を 判 断 する 形 状 は 胸 郭 レベルまたは 剣 状 突 起 と 恥 骨 結 合 とを 結 ぶ 仮 想 線 を 基 準 にする 皮 疹 着 色 斑 手 術 瘢 痕 静 脈 怒 張 皮 膚 線 条 などの 有 無 を 判 断 する 2) 聴 診 聴 診 への 導 入 聴 診 器 でお 腹 の 音 を 聴 くことを 説 明 する 聴 診 器 が 冷 たくないか 触 って 確 認 する ( 冷 たいときは 暖 める) 聴 診 器 が 冷 たかったら その 旨 を 伝 えるように 話 す 腸 蠕 動 音 の 聴 診 腹 壁 の 一 か 所 に 膜 型 聴 診 器 を 軽 く 当 てて 腸 蠕 動 音 を 聴 診 する 腸 蠕 動 音 の 聴 診 は 充 分 時 間 をかけて 聴 取 して 判 断 する (1~2ヶ 所 で 聴 く) 蠕 動 音 は 頻 度 ( 亢 進 低 下 消 失 )や 音 の 性 状 ( 金 属 性 などの 異 常 音 の 有 無 )を 判 断 する 腹 部 の 血 管 音 の 聴 診 膜 型 聴 診 器 を 押 し 当 てて 左 右 の 腎 動 脈 音 を 直 上 で 聴 診 する 膜 型 聴 診 器 を 押 し 当 てて 大 動 脈 音 を 直 上 で 聴 診 する 16/52

膜 型 聴 診 器 を 押 し 当 てて 左 右 総 腸 骨 動 脈 音 を 直 上 で 聴 診 する * 振 水 音 を 聴 診 する 上 腹 部 に 膜 型 聴 診 器 を 押 し 当 てて 腹 部 全 体 を 両 手 で 強 めに 揺 すって 聴 診 する イレウスが 疑 われる 場 合 には 必 須 の 手 技 3) 打 診 打 診 の 基 本 手 技 お 腹 をたたいて( 打 診 で) 診 察 することを 説 明 する 手 が 冷 たくないことを 確 認 し 必 要 に 応 じて 温 める もし 医 師 の 手 が 冷 たかったら その 旨 を 伝 えるように 話 す 下 半 身 がバスタオルで 覆 われていることを 確 認 する 左 手 ( 右 手 )を 広 げ 中 指 の 中 節 骨 部 または DIP 関 節 部 を 曲 げた 右 ( 左 ) 中 指 で 手 首 のスナップを 効 かせて 弾 むように 2 回 ずつ 叩 き 打 診 する 面 接 情 報 で 痛 みのある 患 者 さんでは 痛 い 部 位 の 打 診 を 最 後 に 行 う 腹 部 全 体 の 打 診 腹 部 の 9 領 域 ( 左 上 中 下 中 央 上 中 下 右 上 中 下 )を 打 診 する 打 診 しながら 痛 みの 有 無 を 口 頭 かアイコンタクトで 確 認 する 打 診 音 の 異 常 の 有 無 を 確 認 する 肝 臓 の 打 診 肝 の 上 界 ( 肺 肝 境 界 )を 右 鎖 骨 中 線 で 頭 側 からの 打 診 で 判 断 する 肝 の 下 界 を 右 鎖 骨 中 線 で 尾 側 からの 打 診 で 判 断 する 脾 臓 の 打 診 Traube 三 角 に 濁 音 界 がない( 鼓 音 である)ことを 判 断 する 4) 叩 打 診 肝 臓 の 叩 打 診 仰 臥 位 で 右 肋 骨 弓 頭 側 に 平 手 をおき 反 対 側 の 手 拳 の 尺 側 面 で 優 しく 叩 き 肝 臓 の 叩 打 痛 の 有 無 を 診 察 する * 脾 臓 の 叩 打 診 仰 臥 位 で 左 肋 骨 弓 頭 側 に 平 手 をおき 反 対 側 の 手 拳 の 尺 側 面 で 優 しく 叩 き 脾 臓 の 叩 打 痛 の 有 無 を 診 察 する 腎 臓 の 叩 打 診 側 臥 位 または 座 位 で CVA(cost-vertebral angle)に 平 手 をおいて 反 対 側 の 手 拳 の 尺 側 面 で 優 しく 叩 き 叩 打 痛 の 有 無 を 診 察 する 平 手 をおかずに 直 接 叩 打 しない こと 両 側 やること 5) 触 診 触 診 の 基 本 手 技 お 腹 を 触 って 診 察 することを 説 明 する 17/52

手 が 冷 たくないことを 確 認 し 必 要 に 応 じて 温 める もし 冷 たかったらその 旨 を 伝 えるように 話 す 手 首 をしなやかに 手 掌 と 指 を 使 い 分 けて 触 診 する 腹 部 の 9 領 域 ( 左 上 中 下 中 央 上 中 下 右 上 中 下 )を 触 診 する 面 接 情 報 または 打 診 で 痛 みがある 部 位 は 最 後 に 触 診 する 触 診 しながら 口 頭 やアイコンタクトで 痛 みを 確 認 する 浅 い 触 診 腹 部 全 体 を 浅 く さするように 触 診 する 深 呼 吸 をしてもらいながら 吸 気 時 に 腹 壁 が 上 がる 分 だけ 手 が 沈 む 程 度 に 触 診 する 腹 壁 を 1cm 以 上 圧 迫 しない 程 度 に 行 う 圧 痛 や 腫 瘤 の 有 無 を 判 断 する 深 い 触 診 片 手 または 両 手 を 重 ねて( 片 手 を 腹 壁 におき 反 対 の 手 で 力 を 加 える) 十 分 深 く 探 るように 腹 部 全 体 を 触 診 する 手 を 押 し 下 げ 少 し 手 前 に 引 くように 触 診 する 圧 痛 や 腫 瘤 の 有 無 を 判 断 する 肝 の 触 診 打 診 で 推 定 した 肝 の 下 縁 よりも 充 分 に 尾 側 の 右 鎖 骨 中 線 上 に 右 ( 左 ) 手 をおく 左 ( 右 ) 手 を 背 部 におき 肝 を 持 ち 上 げながら 触 診 を 進 める ( 肝 を 持 ち 上 げない で 片 手 で あるいは 両 手 を 腹 部 に 重 ねるように 添 えて 触 診 してもよい) 患 者 さんに 腹 式 呼 吸 をしてもらい 呼 気 時 に 右 ( 左 ) 手 の 指 を 深 く 入 れる 次 の 吸 気 時 の 腹 壁 の 上 がりよりも 少 し 遅 れて 右 ( 左 ) 手 が 上 がるようにして また 少 しずつ 頭 側 に 移 動 しながら 肝 の 下 縁 を 触 れる 第 2 3 指 先 (やや 第 1 指 側 面 )または 肋 骨 弓 に 平 行 に 置 いた 第 2 指 の 第 1 指 側 面 で 触 れる 手 を 置 く 部 位 を 少 しずつ 頭 側 へ 近 づけながら 触 診 を 繰 り 返 す 脾 の 触 診 患 者 さんに 右 側 臥 位 になってもらう 胸 郭 / 肋 骨 籠 (rib cage)を 後 ろから 支 える 気 持 ちで 左 ( 右 ) 手 を 背 部 にあてる 右 ( 左 ) 手 を 左 肋 骨 弓 の 尾 側 に 置 く 患 者 さんに 腹 式 呼 吸 をしてもらい 呼 気 時 に 右 ( 左 ) 手 の 指 を 深 く 入 れる 次 の 吸 気 時 に 腹 壁 の 上 がりよりも 少 し 遅 れて 右 ( 左 ) 手 が 上 がるようにして 脾 を 触 診 する * 腎 の 触 診 左 ( 右 ) 手 を 背 部 の 第 12 肋 骨 の 尾 側 に 平 行 に 置 き 指 先 が 肋 骨 脊 柱 角 (CVA)に 届 くようにする 18/52

右 腎 を 腹 側 ( 上 方 )に 持 ち 上 げるようにする 右 ( 左 ) 手 を 上 腹 部 腹 直 筋 の 外 側 に 平 行 になるように 置 く 患 者 さんに 腹 式 呼 吸 をしてもらう 最 吸 気 時 に 腹 壁 の 上 がりよりも 少 し 遅 れて 右 ( 左 ) 手 が 上 がるようにする 次 の 呼 気 時 に 腎 を 両 手 で 捕 獲 する 気 持 ちで 腎 下 極 を 挟 み 込 むように 触 診 する ( 腎 は 上 方 に 滑 る) 右 腎 と 同 様 に 左 腎 を 触 診 する ( 可 能 であれば 患 者 さんの 左 側 に 移 動 する) (4) 病 態 に 応 じた 精 密 診 察 法 1) 腹 水 の 有 無 * 看 護 師 または 患 者 さん 自 身 の 手 の 側 面 を 腹 部 正 中 線 に 縦 に 立 ててもらい 側 腹 部 を 手 指 で 軽 く 叩 いて 衝 撃 を 加 え 対 側 の 側 腹 部 に 置 いた 別 の 手 に 波 動 を 感 じとる *Shifting dullness によって 腹 水 の 有 無 を 判 断 する 患 者 さんに 仰 臥 位 または 半 側 臥 位 になってもらい 打 診 音 が 変 化 する 部 をマーク する 側 臥 位 に 移 行 してもらいながら 打 診 音 が 変 化 する 部 ( 濁 音 界 )をマークし 比 較 する 2) 圧 痛 の 触 診 痛 みのある 場 所 の 触 診 は 最 後 にする 圧 痛 の 触 診 に 際 し 患 者 さんに 配 慮 して 痛 かったら 教 えてくださいという 圧 痛 の 触 診 に 際 し 患 者 さんに 配 慮 して 静 かに ソフトに 触 診 する 一 本 の 指 の 末 節 掌 側 を 使 って 限 局 した 圧 痛 点 を 探 り 確 認 する ( 最 強 点 以 外 にも 数 箇 所 で 確 認 ) * 虫 垂 炎 が 疑 われる 場 合 McBurney の 圧 痛 点 を 同 定 し 痛 みの 有 無 を 確 認 する * 急 性 胆 嚢 炎 が 疑 われる 場 合 Murphy の 徴 候 ( 右 肋 弓 下 の 圧 痛 による 吸 気 の 途 絶 )を 確 認 する * 消 化 性 潰 瘍 が 疑 われる 場 合 心 窩 部 ~ 右 季 肋 部 に 限 局 した 圧 痛 の 有 無 を 確 認 する 3) 腹 膜 刺 激 徴 候 片 手 で 腹 壁 をそっと 押 し 腹 壁 筋 の 随 意 不 随 意 の 緊 張 の 有 無 を 確 認 する ( 筋 性 防 御 板 状 硬 ) 筋 性 防 御 が 不 明 瞭 の 場 合 左 右 を 比 較 するなどの 工 夫 をする 数 本 の 指 の 末 節 手 掌 側 で 圧 痛 の 有 無 を 確 認 し ゆっくり 押 し 付 けて(2-3 秒 くらいの イメージ) 急 に 圧 を 抜 く(0.5 秒 くらいのイメージ) 押 し 付 けた 痛 みと 離 した 瞬 間 の 痛 みを 比 較 して 質 問 し 痛 みの 増 強 の 有 無 を 確 認 する ( 反 跳 痛 ;rebound tenderness) 反 跳 痛 は 最 強 点 以 外 にも 数 箇 所 ( 近 傍 でも 対 側 でもよい) 確 認 する * 患 者 さんにベッドを 降 りてもらい つま 先 立 ちから 急 に 踵 をおろした 際 に 腹 部 に 響 19/52

くかを 確 認 する ( 踵 落 し 衝 撃 試 験 ) * 腹 膜 刺 激 徴 候 の 所 見 を 患 者 さんに 説 明 する ( 臨 床 実 習 では 指 導 医 の 指 導 のもとに 行 う) 4) 腹 部 腫 瘤 の 触 診 * 浅 い 触 診 と 深 い 触 診 とにより 腫 瘤 の 有 無 を 判 断 する * 腫 瘤 がある 場 合 L~T を 観 察 して 表 現 する L:Location M:Mobility N:Nodularity O:relationship to Other organs P:Pulsatility Q:Quality R:Respiratory mobility S:Size & Shape T:Tenderness 位 置 可 動 性 表 面 の 性 状 他 臓 器 との 関 係 拍 動 の 有 無 硬 さ 呼 吸 性 移 動 の 有 無 大 きさと 形 圧 痛 の 有 無 5) 直 腸 診 ( 臨 床 実 習 前 にはシミュレーターを 用 いて 学 習 し 臨 床 実 習 では 指 導 医 の 指 導 のもとで 行 う) 直 腸 診 の 目 的 を 患 者 さんに 説 明 する 直 腸 診 の 方 法 の 概 略 を 患 者 さんに 説 明 する 直 腸 診 をすることについて 患 者 さんの 承 諾 を 得 る 看 護 師 (または 他 の 医 療 職 )が 陪 席 していることを 確 認 する 患 者 さんに 適 切 な 診 察 体 位 ( 左 側 臥 位 または 切 石 位 )になってもらう タオルで 直 腸 診 に 必 要 な 部 位 以 外 は 覆 う 直 腸 診 の 途 中 で 患 者 さんに 適 切 に 声 をかける 笠 つき 指 サックまたは 処 置 用 手 袋 を 着 用 する 笠 つき 指 サック または 手 袋 の 示 指 に 潤 滑 剤 をつける 潤 滑 剤 をつける 際 に チューブの 口 または 容 器 内 に 触 れない 肛 門 周 囲 を 視 診 する 肛 門 周 囲 を 触 診 することを 患 者 さんに 説 明 する 肛 門 周 囲 を 触 診 する 肛 門 内 指 診 を 行 うことを 患 者 さんに 説 明 する 肛 門 内 指 診 を 適 切 に 行 う 直 腸 内 指 診 を 適 切 に 行 う 指 先 に 付 着 した 便 の 性 状 を 観 察 する 使 用 後 の 用 具 を 適 切 に 処 理 する 20/52

学 生 が 臨 床 実 習 中 に 学 習 し 卒 業 修 了 時 には 身 につけておくべき 項 目 であるが 臨 床 実 習 開 始 前 には 備 わっていなくてもよいと 判 断 したものについては*を 付 記 した ただしこ こで*として 示 した 技 能 態 度 が 卒 業 修 了 時 に 身 につけておくものすべてを 網 羅 しては いない 21/52

Ⅵ. 神 経 診 察 (1) 診 察 時 の 配 慮 4-5 頁 Ⅰ. 診 察 に 関 する 共 通 の 学 習 評 価 項 目 参 照 (2) 診 察 の 順 序 脳 神 経 系 ( 座 位 )- 上 肢 の 運 動 系 ( 座 位 )- 起 立 歩 行 ( 立 位 )- 下 肢 の 運 動 系 ( 腹 臥 位 臥 位 )- 感 覚 系 ( 臥 位 )- 反 射 ( 臥 位 )の 順 序 で 診 察 を 進 める ( 注 ) 系 統 的 であれば 診 察 の 順 序 は 上 記 以 外 でもよい ( 注 ) 以 下 の 文 章 は 右 利 きの 検 者 を 想 定 して 説 明 してあるので 左 利 きの 場 合 には 適 宜 読 み 替 えて 行 う 認 知 機 能 や 言 語 については 医 療 面 接 の 段 階 で 大 まかに 判 定 しておく 同 様 に 視 力 や 聴 力 についても 医 療 面 接 の 段 階 で 詳 細 な 検 査 が 必 要 かどうかを 判 断 しておく 病 歴 から 筋 力 低 下 が 疑 われる 場 合 には 四 肢 の 徒 手 筋 力 検 査 を 追 加 する 髄 膜 刺 激 徴 候 の 有 無 が 問 題 になる 場 合 には 必 要 な 検 査 を 追 加 する (3) 脳 神 経 系 の 診 察 ( 座 位 ) 1) 眼 裂 瞳 孔 / 対 光 反 射 患 者 さんの 前 方 を 手 で 示 しながら 遠 くを 見 ているよう 指 示 する 眼 裂 ( 眼 瞼 下 垂 や 左 右 差 の 有 無 など)を 視 診 する 瞳 孔 の 形 大 きさ( 正 円 かどうか 縮 瞳 散 瞳 瞳 孔 不 同 の 有 無 )を 視 診 する ペンライトを 見 せながら 光 で 眼 を 照 らすことを 患 者 さんに 告 げる 患 者 さんの 視 線 の 外 側 から 光 をあてる 光 をあてた 側 の 瞳 孔 ( 直 接 対 光 反 射 )と 反 対 側 の 眼 の 瞳 孔 ( 間 接 対 光 反 射 )の 収 縮 を 観 察 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 2) 調 節 輻 輳 反 射 * 患 者 さんの 眼 の 前 方 50-60cm のあたりに 第 2 指 をかざし 指 先 を 見 ているよう 指 示 する * 患 者 さんの 眼 前 15-20cm 位 まで 指 先 をゆっくり 近 づけて 両 側 眼 球 の 内 転 瞳 孔 の 収 縮 を 観 察 する 3) 視 野 自 分 で 見 本 を 見 せながら 片 側 の 眼 を 手 で 覆 ってもらう 視 線 を 動 かさず 検 者 の 眼 を 見 ているように 指 示 する 見 本 を 見 せながら 検 者 の 指 が 動 くのが 見 えたら 教 えてくれるよう 伝 える 22/52

検 者 は 上 腕 を 伸 ばした 位 置 で 検 査 する 検 者 の 指 は 患 者 さんとのほぼ 中 間 地 点 にあるようにする 検 者 も 患 者 さんに 合 わせて 片 目 を 閉 じる 視 野 の 右 上 右 下 左 上 左 下 計 4 か 所 を 調 べる 必 ず 両 眼 を 検 査 する ( 注 ) 患 者 さんの 視 線 を 固 定 するために 検 者 の 指 を 注 視 させる 方 法 もある 4) 眼 球 運 動 眼 振 指 標 ( 検 者 の 右 第 2 指 など)を 患 者 さんの 眼 前 に 示 し 顔 を 動 かさずに 眼 で 指 標 を 追 ってくれるよう 伝 える 指 標 が 患 者 さんの 眼 に 近 すぎないように 注 意 する ( 眼 前 50cm 程 度 ) 指 標 はゆっくりと 円 滑 に 動 かす 上 下 左 右 4 方 向 への 動 きを 検 査 する 上 下 左 右 4 方 向 の 最 終 地 点 で 指 標 の 動 きを 止 め 眼 振 の 有 無 を 観 察 する 同 時 に 複 視 の 有 無 を 尋 ねる 5) 眼 底 眼 底 鏡 を 見 せながら 眼 の 奥 を 見 る 検 査 を 行 うことを 告 げて 了 承 を 得 る 眼 を 動 かさず 前 方 を 見 ていてほしいことを 告 げる 患 者 さんの 右 眼 は 検 者 の 右 眼 で 左 眼 は 検 者 の 左 眼 で 検 査 する 頭 に 触 ることを 断 った 上 で 検 者 の 空 いた 手 で 患 者 さんの 頭 部 を 支 える 眼 底 鏡 が 患 者 さんと 離 れすぎないようにする (5cm 以 内 ) * 乳 頭 ( 萎 縮 浮 腫 など) 網 膜 ( 出 血 など) 動 静 脈 ( 径 交 叉 など)の 異 常 の 有 無 を 観 察 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 6) 顔 面 の 感 覚 検 査 器 具 を 見 せながら 顔 の 痛 みや 触 った 感 じを 検 査 することを 告 げる 3 枝 の 各 領 域 を 区 別 して 検 査 する 各 領 域 について 左 右 差 を 確 認 する 7)* 角 膜 反 射 8)* 咬 筋 と 側 頭 筋 の 筋 収 縮 9) 顔 面 筋 の 筋 力 両 眼 をギューと 固 く 閉 じてもらい まつげ 徴 候 の 有 無 を 観 察 する 眼 を 開 けてもらった 後 自 分 で 見 本 を 見 せながら 歯 を 見 せて イー と 言 ってもら う ( 口 を 固 く 閉 じてもらってもよい) 口 角 の 偏 位 鼻 唇 溝 の 左 右 差 などを 観 察 する ( 注 ) 顔 面 神 経 麻 痺 が 疑 われた 場 合 は 額 のしわ 寄 せを 検 査 する ( 上 方 への 眼 球 運 動 をみ る 要 領 ) 23/52

10) 軟 口 蓋 咽 頭 後 壁 の 動 き 口 を 大 きく 開 けて アー と 少 し 長 く 声 を 出 してもらう 軟 口 蓋 の 動 き 偏 位 の 有 無 カーテン 徴 候 の 有 無 を 観 察 する 観 察 しにくい 場 合 には 舌 圧 子 やペンライトを 使 用 するなど 工 夫 する 11) 舌 の 観 察 舌 を 見 たいことを 告 げ 口 を 大 きく 開 けて 楽 にしてもらいながら 舌 の 萎 縮 と 線 維 束 性 収 縮 の 有 無 を 観 察 する 検 者 が 見 本 を 示 した 上 で 舌 をまっすぐに 出 してもらい 舌 の 偏 位 の 有 無 を 観 察 する 12) 胸 鎖 乳 突 筋 首 の 筋 肉 の 検 査 を 行 うことを 告 げ 手 で 方 向 を 示 しながら 側 方 を 向 いてもらう 顎 に 手 をあてることを 告 げ 患 者 さんの 顔 を 向 けた 側 の 顎 に 検 者 の 手 掌 をあてがう 検 者 の 手 で 顔 を 押 すので 負 けないように 頑 張 って 力 を 入 れてほしいことを 告 げる 胸 鎖 乳 突 筋 の 筋 力 を 判 定 する 反 対 側 の 手 で 収 縮 した 胸 鎖 乳 突 筋 を 触 診 する 必 ず 両 側 を 検 査 する (4) 上 肢 の 運 動 系 の 診 察 ( 座 位 ) 1) 上 半 身 の 不 随 意 運 動 手 を 膝 においてゆったりと 座 ってもらう 安 静 時 の 振 戦 その 他 の 不 随 意 運 動 ( 頭 部 の 振 戦 舞 踏 様 運 動 など)の 有 無 を 観 察 す る 両 上 肢 を 前 方 に 伸 ばして 指 を 少 し 広 げてもらい 手 指 の 姿 勢 時 振 戦 の 有 無 を 観 察 する 2)Barré 徴 候 ( 上 肢 ) 検 者 の 手 をそえて 良 い 肢 位 をガイドしながら 両 手 を 前 に 伸 ばして 手 掌 を 上 に 向 け てもらう 両 眼 を 閉 じてもらい そのまま 手 を 下 ろさずに 頑 張 ってもらう 一 側 上 肢 の 降 下 回 内 の 有 無 を 判 定 する 3) 筋 トーヌス( 肘 関 節 ) 検 者 が 患 者 さんの 手 を 動 かすが 患 者 さんは 力 を 抜 いて 自 分 では 手 を 動 かさないよ うにしてほしい 旨 を 伝 える (2-3 回 の 練 習 で 力 を 抜 くことを 理 解 してもらう) 左 手 で 患 者 さんの 肘 関 節 伸 側 を 軽 く 持 ち 右 手 で 患 者 さんの 手 を 持 って 肘 関 節 を 動 かす 筋 トーヌスの 異 常 ( 固 縮 痙 縮 など)の 有 無 を 判 定 する 必 ず 両 側 を 検 査 する ( 注 ) 筋 トーヌスの 異 常 には 固 縮 ( 強 剛 ) 以 外 に 痙 縮 もあるが 臨 床 実 習 前 の 段 階 では 固 縮 の 有 無 を 検 査 できればよい なお 固 縮 は 手 関 節 でも 評 価 できる 24/52

4) 鼻 指 鼻 試 験 検 者 の 右 第 2 指 を 出 して 見 せ 患 者 さんにも 同 じように 指 を 出 してもらう 左 手 で 相 手 の 指 のつけねあたりを 持 ち 自 分 の 右 第 2 指 の 指 尖 と 相 手 の 鼻 のあたまと の 間 を 行 ったり 来 たりする 動 作 を 練 習 するように 2-3 回 ガイドする (してほしいこと が 相 手 に 理 解 されているかどうかを 確 認 ) 患 者 さんが 手 を 伸 ばすと 指 に 届 く 程 度 の 距 離 で 検 査 を 行 う 検 者 の 指 は 少 しずつ 位 置 を 変 える 運 動 の 円 滑 さ 振 戦 や 測 定 異 常 の 有 無 などを 観 察 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 5) 手 回 内 回 外 試 験 検 者 が 見 本 を 見 せながら 両 手 を 上 げて 手 の 回 内 と 回 外 を 反 復 してもらう ( 片 手 ずつ 行 ってもよい) 反 復 拮 抗 運 動 不 能 (dysdiadochokinesis)の 有 無 を 判 定 する ( 注 ) 病 歴 から 四 肢 の 筋 力 低 下 が 疑 われる 場 合 には ここでまず 上 肢 の 握 力 検 査 と 徒 手 筋 力 検 査 を 行 う 徒 手 筋 力 検 査 は6 段 階 で 評 価 する さらに 上 半 身 を 露 出 してもら い 上 肢 体 幹 の 筋 萎 縮 線 維 束 性 収 縮 の 有 無 を 観 察 する (5) 上 肢 の 握 力 と 徒 手 筋 力 検 査 1) 問 いかけるなどして 利 き 手 を 確 認 する 2) 握 力 検 査 握 力 計 を 渡 し 握 る 場 所 を 指 示 して 片 手 で 強 く 握 ってもらう 必 ず 両 側 を 検 査 する 3) 三 角 筋 検 者 が 見 本 を 見 せて 両 上 肢 を 外 転 位 で 90 挙 上 してもらう 患 者 さんの 腕 を 上 から 押 すが それに 負 けないよう 頑 張 ってほしい 旨 を 伝 える 肘 関 節 のやや 上 部 を 両 手 で 押 して 筋 力 を 判 定 する 4)* 上 腕 二 頭 筋 検 者 が 力 こぶを 作 るように 見 本 を 見 せて 片 側 の 腕 を 曲 げてもらう 患 者 さんの 腕 を 伸 ばそうとするが それに 負 けないよう 頑 張 ってほしい 旨 を 伝 える 被 検 者 の 肩 口 を 左 手 で 押 さえ 右 手 で 患 者 さんの 手 首 を 握 り 肘 関 節 を 伸 展 させて 抵 抗 する 筋 力 を 判 定 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 5)* 上 腕 三 頭 筋 検 者 が 上 腕 の 屈 側 を 上 にして 腕 を 伸 ばすように 見 本 を 示 し 片 側 の 腕 を 伸 ばしてもら う 25/52

患 者 さんの 腕 を 曲 げようとするが それに 負 けないよう 頑 張 ってほしい 旨 を 伝 える 患 者 さんの 上 腕 を 肘 関 節 のやや 上 で 上 から 左 手 で 押 さえ 右 手 で 下 から 患 者 さんの 手 首 を 持 ち 肘 関 節 を 屈 曲 させて 抵 抗 する 筋 力 を 判 定 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 6)* 手 関 節 の 背 屈 検 者 が 指 を 握 った 状 態 で 手 首 を 背 屈 する 見 本 を 示 し 片 側 の 手 首 を 背 屈 してもらう 患 者 さんの 手 首 を 曲 げようとするが それに 負 けないよう 頑 張 ってほしい 旨 を 伝 える 左 手 で 患 者 さんの 前 腕 を 手 首 の 近 くで 握 り 右 手 の 掌 側 を 患 者 さんの 手 背 にあてがい 手 関 節 を 掌 屈 させて 抵 抗 する 筋 力 を 判 定 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 7)* 手 関 節 の 掌 屈 検 者 が 指 を 握 った 状 態 で 手 首 を 掌 屈 する 見 本 を 示 し 片 側 の 手 首 を 掌 屈 してもらう 患 者 さんの 手 首 を 伸 ばそうとするが それに 負 けないよう 頑 張 ってほしい 旨 を 伝 える 左 手 で 患 者 さんの 前 腕 を 手 首 の 近 くで 握 り 右 手 の 掌 側 を 患 者 さんの 掌 側 にあてがい 手 関 節 を 背 屈 させて 抵 抗 する 筋 力 を 判 定 する 必 ず 両 側 を 検 査 する (6) 起 立 歩 行 の 観 察 ( 立 位 ) 1) 通 常 歩 行 診 察 室 内 の 空 いた 場 所 を 示 し 立 ち 上 がって 普 段 どおりに 歩 いてもらう ( 可 能 であれ ば 廊 下 などを 使 用 することが 望 ましい) 歩 行 の 異 常 (Parkinson 歩 行 失 調 性 歩 行 動 揺 歩 行 鶏 歩 など)の 有 無 を 観 察 する 2)つぎ 足 歩 行 検 者 が 足 の 先 と 踵 が 離 れないようにしながら まっすぐ 歩 く 動 作 を 見 本 として 示 し そのように 歩 いてもらう ( 下 手 な 場 合 には 慣 れるまで 何 度 か 試 みる) 歩 行 の 異 常 (ふらつき よろめきなど)の 有 無 を 観 察 する 危 険 のないよう 患 者 さんの 近 くにいて 見 守 る 3)Romberg 試 験 検 者 が つま 先 をそろえて 立 つ 姿 勢 を 見 本 として 示 し そのように 立 ってもらう 体 が 動 揺 しないか しばらく 観 察 する (5-10 秒 ) そばにいて 支 えるので 体 がふらついても 心 配 がないことを 説 明 した 上 で 患 者 さん に 眼 を 閉 じてもらう 閉 眼 による 体 の 大 きな 動 揺 がないかしばらく 観 察 して Romberg 徴 候 の 有 無 を 判 定 する (5-10 秒 ) 危 険 のないよう 患 者 さんのそばにいて 見 守 る (いつでも 抱 えられる 体 勢 ) 26/52

(7) 下 肢 の 運 動 系 の 検 査 ( 臥 位 ) 1) 体 位 や 衣 服 の 準 備 寝 た 位 置 での 診 察 を 行 うことを 説 明 する 四 肢 体 幹 が 露 出 しにくいような 衣 服 の 場 合 には 診 察 に 適 した 状 態 になるよう 適 宜 工 夫 してもらう (バスタオルや 病 衣 の 使 用 が 必 要 になる 場 合 もある) 靴 下 をぬいで 診 察 ベッドにうつ 伏 せになって 寝 てもらう 2)Barré 徴 候 ( 下 肢 ) 検 者 の 手 をそえて 良 い 肢 位 をガイドしながら 両 膝 関 節 を 90 曲 げてもらう そのまま 両 足 が 接 しないように 膝 を 曲 げた 状 態 を 維 持 してもらう 一 側 下 肢 の 下 降 の 有 無 を 判 定 する ( 注 ) 膝 関 節 の 角 度 は 45 でもよい ( 注 ) 続 いて 腹 臥 位 から 仰 臥 位 に 体 位 を 変 えてもらう 3) 踵 膝 試 験 手 で 患 者 さんの 下 肢 を 持 ち 次 のようにガイドする 足 関 節 を 少 し 背 屈 した 状 態 で 踵 を 反 対 側 の 膝 に 正 確 にのせて すねに 沿 って 足 首 までまっすぐに 踵 をすべらせる 患 者 さんが 理 解 したところで 実 際 にこの 動 作 を1-2 回 行 ってもらい 運 動 の 円 滑 さ 足 のゆれや 測 定 異 常 の 有 無 などを 観 察 する 必 ず 両 側 を 検 査 する ( 注 ) 同 様 の 検 査 が 様 々な 名 称 手 技 で 行 われているので 必 ずしも 上 記 の 方 法 と 同 一 で ある 必 要 はない 4)*すね 叩 き 試 験 検 者 の 右 踵 で 左 すねを 反 復 して 叩 く 動 作 を 見 せ このような 動 作 を 行 ってほしいこと を 伝 える 手 で 患 者 さんの 下 肢 を 持 ち 足 関 節 を 少 し 背 屈 した 状 態 で 10-20cm の 距 離 から 踵 で 反 対 側 のすねを 反 復 して 叩 く 動 作 を 2-3 回 ガイドする 患 者 さんが 理 解 したところで 実 際 にすね 叩 きの 動 作 を 行 ってもらい 運 動 の 円 滑 さ や 測 定 異 常 の 有 無 などを 観 察 する 必 ず 両 側 を 検 査 する ( 注 ) 病 歴 から 四 肢 の 筋 力 低 下 が 疑 われる 場 合 には 下 肢 の 徒 手 筋 力 検 査 を 追 加 する さ らに 下 半 身 を 露 出 してもらい 下 肢 体 幹 の 筋 萎 縮 線 維 束 性 収 縮 の 有 無 を 観 察 する なお 下 肢 の 徒 手 筋 力 検 査 を 詳 細 に 行 うためには 腹 臥 位 座 位 立 位 を 適 宜 併 用 する 必 要 があるが ここでは 学 生 が 検 査 を 円 滑 に 行 うために 仰 臥 位 でのスクリー ニング 検 査 法 を 記 載 した 27/52

(8) 下 肢 の 徒 手 筋 力 検 査 ( 臥 位 ) 1)* 大 腿 四 頭 筋 検 者 が 膝 関 節 をピーンと 伸 ばすように 見 本 を 示 し 片 側 の 下 肢 を 伸 ばしてもらう 患 者 さんの 足 を 曲 げようとするが それに 負 けないよう 頑 張 ってほしい 旨 を 伝 える 患 者 さんの 大 腿 部 を 左 手 で 下 から 支 え 右 手 で 足 関 節 の 上 方 を 上 から 握 り 膝 関 節 を 屈 曲 させようとして 抵 抗 する 筋 力 を 判 定 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 2) 腸 腰 筋 検 者 が 股 関 節 を 曲 げるように 見 本 を 示 し 患 者 さんの 大 腿 部 が 腹 部 につくような 方 向 に 股 関 節 を 屈 曲 してもらう ( 膝 は 曲 げたまま) 患 者 さんの 屈 曲 を 戻 そうとするが それに 負 けないよう 頑 張 ってほしい 旨 を 伝 える 患 者 さんの 大 腿 伸 側 に 手 をあて 股 関 節 を 伸 ばそうとして 抵 抗 する 筋 力 を 判 定 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 3)* 大 腿 屈 筋 群 両 膝 を 軽 く 立 ててもらい 患 者 さんの 下 腿 下 部 ( 足 関 節 の 上 )を 屈 側 から 右 手 で 握 る 患 者 さんの 足 を 伸 ばそうとするが それに 負 けないよう 頑 張 ってほしい 旨 を 伝 える 下 肢 を 伸 展 させるように 引 っ 張 り 抵 抗 する 筋 力 を 判 定 する 必 ず 両 側 を 検 査 する ( 注 )この 検 査 は 腹 臥 位 になってもらい 膝 関 節 90 屈 曲 位 で 行 うのが 望 ましいが 大 腿 四 頭 筋 や 腸 腰 筋 とともに 下 肢 近 位 筋 群 のおおまかな 筋 力 測 定 を 行 うことを 重 点 とし た 4) 前 脛 骨 筋 検 者 が 手 首 を 背 屈 して 見 本 を 示 し それをまねて 両 側 の 足 首 を 背 屈 してもらう 患 者 さんの 足 首 を 伸 ばそうとするが それに 負 けないよう 頑 張 ってほしい 旨 を 伝 える 患 者 さんの 足 背 に 両 手 をあてがい 足 関 節 を 押 して 抵 抗 する 筋 力 を 判 定 する ( 片 側 ず つでもよい) 必 ず 両 側 を 検 査 する 5)* 下 腿 三 頭 筋 ( 腓 腹 筋 を 含 む) 検 者 が 手 首 を 伸 ばして 見 本 を 示 し それをまねて 両 側 の 足 首 を 伸 展 してもらう 患 者 さんの 足 首 を 曲 げようとするが それに 負 けないよう 頑 張 ってほしい 旨 を 伝 える 患 者 さんの 足 の 裏 の 上 半 部 に 両 手 をあてがい 足 関 節 を 背 屈 させようとして 抵 抗 する 筋 力 を 判 定 する ( 片 側 ずつでもよい) 必 ず 両 側 を 検 査 する ( 注 )この 検 査 を 精 密 に 行 うためには 立 位 での 検 査 が 必 要 であるが 前 脛 骨 筋 とともに 下 肢 遠 位 筋 群 のおおまかな 筋 力 測 定 を 行 うことを 重 点 とした 28/52

(9) 感 覚 系 の 検 査 ( 臥 位 ) 1) 四 肢 の 感 覚 検 査 ヨウジなどを 見 せながら 四 肢 の 痛 みの 感 覚 を 検 査 することを 告 げる 左 右 の 前 腕 下 腿 などに 痛 み 刺 激 を 加 え 痛 みを 普 通 に 感 じるかどうか 左 右 差 や 上 下 肢 での 差 がないかどうかを 確 認 する ( 必 要 があれば 同 一 肢 の 近 位 部 と 遠 位 部 に 差 が ないかどうかも 確 認 する) ティッシュペーパーなどを 用 いて 触 覚 についても 同 様 に 検 査 する ( 注 ) 病 歴 から 単 ニューロパチーや 多 発 ニューロパチー レベルを 持 った 感 覚 障 害 などが 疑 われる 場 合 には 必 要 に 応 じて 同 一 肢 の 近 位 部 と 遠 位 部 での 差 末 梢 神 経 支 配 や 髄 節 支 配 を 念 頭 においた 検 査 を 行 う 2) 下 肢 の 振 動 覚 検 査 音 叉 を 見 せて これを 振 動 させて 検 査 することを 伝 える 音 叉 に 強 い 振 動 を 与 え 患 者 さんの 胸 骨 や 手 背 などで 振 動 の 感 じを 体 験 してもらう 振 動 する 感 じが 分 かったことを 確 認 した 後 音 叉 を 叩 き 患 者 さんの 外 果 などに 押 し 当 てる 音 叉 の 振 動 は 徐 々に 弱 まって 消 失 することを 説 明 して 振 動 を 感 じなくなったら は い というなど 合 図 してくれるように 伝 える 合 図 があった 時 点 で 検 者 の 手 に 感 じる 振 動 の 大 小 で 振 動 覚 障 害 の 有 無 を 判 定 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 3)* 下 肢 の 関 節 覚 の 検 査 指 の 関 節 の 感 覚 の 検 査 ( 足 の 指 が 上 か 下 かどちらに 動 いたかをあててもらう 検 査 )を 行 う 旨 を 説 明 する 患 者 さんに 閉 眼 してもらう 検 者 の 左 手 で 患 者 さんの 第 1 趾 を 第 2 趾 と 離 れるように 拡 げ 右 第 1 指 と 第 2 指 で 患 者 さんの 第 1 趾 の 側 面 をつまみ 水 平 位 から 上 または 下 に 動 かし どちらに 動 いたか 答 えてもらう ( 第 2 趾 で 行 ってもよい) 動 かす 時 には これから 動 かすことを 患 者 さんに 告 げる 関 節 覚 異 常 の 有 無 を 判 定 する 必 ず 両 側 を 検 査 する (10) 反 射 ( 臥 位 ) ( 注 ) 反 射 の 検 査 法 には 様 々な 方 法 があり ここでは 代 表 的 なものを 示 した 1) 検 査 法 ハンマーを 見 せながら これで 顎 や 手 足 を 軽 く 叩 く 反 射 の 検 査 を 行 うことを 説 明 する 手 足 の 検 査 をするため 手 は 肘 の 上 まで 足 は 膝 の 上 まで 露 出 できるように シャツ 29/52

やズボンを 用 意 してもらうよう 説 明 する 肩 や 手 足 の 力 を 抜 いて リラックスしてくれるよう 告 げる ハンマーで 前 腕 などの 柔 らかい 部 分 を 軽 く 叩 いて 見 せて 大 体 の 感 じをつかんでもら う ハンマーを 握 りしめずに バランスのよい 部 分 を 持 つ 適 切 な 強 さとスピードでハンマーを 振 る 手 首 のスナップをきかせてスムーズにハンマーを 振 る 反 射 の 正 常 低 下 消 失 亢 進 について 判 定 する 2) 下 顎 反 射 口 を 半 分 くらい 開 けて 楽 にしてもらう 患 者 さんの 下 顎 の 真 ん 中 に 検 者 の 左 第 2 指 の 指 先 掌 側 を 水 平 にあてがい この 場 所 を 叩 くことを 告 げる 指 の DIP 関 節 付 近 をハンマーで 叩 く 3) 上 腕 二 頭 筋 反 射 検 者 がガイドしつつ 両 上 肢 を 軽 く 外 転 し 肘 を 曲 げて 両 手 がお 腹 の 上 に 乗 るような 肢 位 などをとってもらう 肘 関 節 の 屈 側 で 上 腕 二 頭 筋 の 腱 を 検 者 の 左 第 1 指 または 第 2 指 の 掌 側 で 押 さえ 腱 の 真 上 を 叩 くように 指 をハンマーで 叩 く 必 ず 両 側 を 検 査 する 4) 上 腕 三 頭 筋 反 射 検 者 がガイドしつつ 肘 関 節 を 約 90 屈 曲 し 前 腕 屈 側 が 腹 部 に 乗 るような 肢 位 など をとってもらう 肘 関 節 の 約 3cm 上 部 の 伸 側 をハンマーで 叩 く 必 ず 両 側 を 検 査 する 5) 橈 骨 反 射 検 者 がガイドしつつ 両 上 肢 を 軽 く 外 転 し 肘 を 曲 げて 手 掌 が 腹 部 に 乗 るような 肢 位 などをとってもらう 手 関 節 の 2-3cm 上 部 で 橈 骨 下 端 をハンマーで 叩 く 必 ず 両 側 を 検 査 する 6) 膝 蓋 腱 反 射 両 膝 を 約 120-150 屈 曲 してもらう 片 膝 を 立 てて 膝 を 組 んでもらうなど 適 切 な 方 法 で 膝 関 節 を 屈 曲 した 肢 位 をとってもらう 膝 蓋 腱 を 左 手 で 確 認 し その 部 位 をハンマーで 叩 く 必 ず 両 側 を 検 査 する 7)アキレス 腱 反 射 下 肢 を 軽 く 外 転 して 膝 関 節 を 軽 く 曲 げる 肢 位 下 肢 を 膝 関 節 で 軽 く 曲 げて 対 側 下 肢 の 30/52

下 腿 前 面 に 乗 せる 肢 位 片 膝 を 立 てて 膝 を 組 んでもらう 肢 位 などをとってもらう 検 査 する 下 肢 の 足 蹠 を 左 手 で 持 ち 足 関 節 を 屈 曲 した 位 置 にして アキレス 腱 をハン マーで 叩 く この 際 足 関 節 を 被 動 的 に 2-3 回 屈 伸 し 力 が 抜 けていることを 確 認 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 8)Hoffmann 反 射 検 者 の 左 第 1 指 と 第 2または 第 3 指 で 患 者 さんの 第 3 指 のつけねを 手 背 側 から 包 む ように 持 ち 手 関 節 をやや 背 屈 させる 検 者 の 右 第 2 指 と 第 3 指 DIP 関 節 付 近 で 患 者 さんの 第 3 指 をはさみ 検 者 の 第 1 指 の 掌 側 を 患 者 さんの 第 3 指 の 爪 にあて 下 方 に 向 かって 弾 くように 刺 激 する 第 1 指 が 屈 曲 するかどうかを 観 察 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 9)Babinski 徴 候 ( 反 射 ) ヨウジなどの 器 具 を 見 せ 足 の 裏 をこすることを 説 明 する 患 者 さんの 足 を 左 手 で 固 定 して 足 蹠 の 外 側 を 踵 側 から 上 にゆっくりと 第 5 趾 のつけ ね 付 近 までこすりあげる さらに 内 側 に 向 けて 曲 げてもよいが 第 1 趾 のつけねまで はこすらない 第 1 趾 の 背 屈 がみられるかどうかを 観 察 する 必 ず 両 側 を 検 査 する 10)* 腹 壁 反 射 ( 注 ) 錐 体 路 障 害 が 疑 われる 場 合 必 要 に 応 じて 腹 壁 反 射 を 追 加 する (11) 髄 膜 刺 激 徴 候 ( 臥 位 ) 1) 項 部 硬 直 首 の 動 きを 検 査 することを 告 げ 枕 をはずしてもらう 頭 部 に 触 ることを 告 げ 患 者 さんの 後 頭 部 を 両 手 でかかえる 検 者 が 患 者 さんの 頭 を 動 かすので 自 分 では 首 を 曲 げたり 頭 を 動 かしたりしないよう に 説 明 する はじめに 左 右 に 回 してみて 力 が 入 っていないことを 確 認 した 後 ゆっくりと 頭 部 を 前 屈 させ 項 部 硬 直 の 有 無 を 判 定 する ( 注 ) 患 者 さん 自 身 に あごが 胸 につくように 頭 部 を 前 屈 してもらい 髄 膜 刺 激 徴 候 の 有 無 を 検 査 する 方 法 もある この 方 法 は 坐 位 でも 臥 位 でも 行 える 2)*Kernig 徴 候 足 を 曲 げたり 伸 ばしたりする 検 査 を 行 うこと もし 痛 みがある 場 合 には すぐに 言 っ てもらいたい 旨 を 説 明 する 検 者 の 手 でガイドしながら 患 者 さんの 片 側 の 股 関 節 を 90 屈 曲 してもらい さらに 31/52

膝 関 節 も 90 屈 曲 してもらう 患 者 さんの 大 腿 伸 側 を 膝 関 節 のやや 上 を 左 手 でつかみ 右 手 で 患 者 さんの 踵 を 下 から 押 して 膝 関 節 をゆっくりと 伸 展 させていき Kernig 徴 候 の 有 無 を 判 定 する (12) 認 知 機 能 の 検 査 ( 注 ) 病 歴 聴 取 の 段 階 で 認 知 機 能 の 異 常 が 疑 われたら 他 の 診 察 の 前 に 下 記 の 検 査 を 行 う 1) 見 当 識 時 間 場 所 人 に 対 する 見 当 識 を 問 う 2) 記 憶 生 年 月 日 出 生 地 出 身 小 学 校 などについて 尋 ねる ( 遠 隔 記 憶 ) 朝 の 食 事 内 容 昨 日 の 天 気 などについて 尋 ねる ( 近 時 記 憶 ) 数 字 の 順 唱 と 逆 唱 を 適 切 な 方 法 で 行 う(1 秒 に 1 つのスピードで) ( 即 時 記 憶 ) 3) 計 算 100 から7を 順 に 引 いてもらう 4) 常 識 総 理 大 臣 の 名 前 テレビで 話 題 の 事 件 などについて 尋 ねる 学 生 が 臨 床 実 習 中 に 学 習 し 卒 業 修 了 時 には 身 につけておくべき 項 目 であるが 臨 床 実 習 開 始 前 には 備 わっていなくてもよいと 判 断 したものについては*を 付 記 した ただしこ こで*として 示 した 技 能 態 度 が 卒 業 修 了 時 に 身 につけておくものすべてを 網 羅 しては いない 32/52

Ⅶ. 脈 拍 血 圧 の 測 定 (1) 診 察 時 の 配 慮 4-5 頁 Ⅰ. 診 察 に 関 する 共 通 の 学 習 評 価 項 目 参 照 (2) 上 肢 の 脈 拍 血 圧 測 定 ( 座 位 ) 1) 脈 拍 椅 子 に 座 ってもらい リラックスするように 声 をかける 両 腕 の 橈 骨 動 脈 に 検 者 の 3 本 の 指 ( 第 2 3 4 指 先 )をあてる 左 右 差 の 有 無 を 確 認 する 不 整 の 有 無 を 確 認 する 3 本 の 指 を 使 って 緊 張 度 を 診 る 左 右 差 がないのを 確 認 してから 片 方 の 腕 で 脈 拍 数 を 数 える (15 秒 数 えて 4 倍 する) 脈 拍 数 を 数 えたらその 結 果 を 述 べる ( 毎 分 回 です) 2) 血 圧 測 定 の 準 備 これから 血 圧 を 測 定 する 旨 を 告 げリラックスしてもらう 血 圧 計 を 使 用 できる 状 態 にセットする マンシェットの 大 きさが 適 切 であることを 確 認 する 枕 や 支 持 台 を 利 用 して 上 腕 の 位 置 が 心 臓 の 高 さとなるように 調 節 する 十 分 に 上 腕 を 露 出 する 肘 が 曲 がらないようにする 上 腕 動 脈 を 触 診 して 位 置 を 同 定 する マンシェットのゴム 嚢 の 中 央 が 上 腕 動 脈 の 真 上 にくるように 巻 く (ゴム 管 は 上 でも 下 でもよい) マンシェットの 下 端 と 肘 窩 との 間 隔 は 約 2cm あけて 巻 く マンシェットは 腕 にぴったりと 巻 き 指 が 1-2 本 入 ることを 確 認 する 3) 血 圧 ( 触 診 法 ) 橈 骨 動 脈 を 適 切 に 触 れる ( 肘 窩 上 腕 動 脈 でもよい) 水 銀 柱 を 70mmHg まで 速 やかに 上 昇 させその 後 10mmHg ずつ 上 げてゆく 橈 骨 動 脈 の 脈 が 触 れなくなった 圧 からさらに 20-30mmHg 上 まで 速 やかに 上 昇 させる その 後 1 秒 間 に 2mmHg ずつ 内 圧 を 下 げる 脈 が 触 れ 始 める 値 を 確 認 し 報 告 する 触 診 法 で 収 縮 期 血 圧 値 が 決 定 した 後 は 急 速 に 内 圧 を 下 げる 4) 血 圧 ( 聴 診 法 ) 聴 診 器 のイヤピースを 外 耳 道 の 方 向 にあわせて 装 着 し チェストピースを 適 切 に 把 持 する 33/52

聴 診 器 を 肘 窩 の 上 腕 動 脈 の 上 に 置 く ( 膜 式 でもベル 式 でもよい) 触 診 法 で 決 定 した 収 縮 期 血 圧 から 20-30mmHg 上 まで 内 圧 を 速 やかに 上 げる その 後 1 秒 間 に 2mmHg ずつ 内 圧 を 下 げる Korotkoff 音 が 聞 こえ 始 めた 値 を 収 縮 期 血 圧 とする Korotkoff 音 が 聞 こえ 始 めても 同 じスピードで 内 圧 を 下 げる Korotkoff 音 が 聞 こえなくなった 値 を 拡 張 期 血 圧 とする ただし Korotkoff 音 が 聞 こ えなくなっても 10mmHg はゆっくり 内 圧 を 下 げ 再 度 聞 こえることがないのを 確 認 する ( 聴 診 間 隙 の 確 認 ) それ 以 後 は 急 速 に 内 圧 を 下 げる 30 秒 おいてもう1 回 測 定 し 2 回 の 平 均 値 をとって 患 者 さんの 血 圧 とする 同 様 に 反 対 側 の 血 圧 を 測 定 する ( 初 診 の 患 者 では 必 ず 両 側 で 測 定 する) 血 圧 値 を 正 しく 述 べる ( 単 位 mmhg をつけて 収 縮 期 血 圧 / 拡 張 期 血 圧 の 順 に 述 べる 血 圧 値 は 原 則 として 偶 数 で 読 む ) (3) 下 肢 の 脈 拍 血 圧 測 定 ( 仰 臥 位 ) 1) 脈 拍 仰 臥 位 になってもらう 後 脛 骨 動 脈 足 背 動 脈 (* 膝 窩 動 脈 )で 左 右 差 の 有 無 を 確 認 する 2) 血 圧 ( 触 診 法 ) 仰 臥 位 になってもらう 後 脛 骨 動 脈 を 触 診 する ( 足 背 動 脈 でも 良 い) ゴム 嚢 の 中 央 が 後 脛 骨 動 脈 の 真 上 にくるように 上 腕 用 のマンシェットを 巻 く マンシェットの 下 端 が 内 顆 の 直 上 にあるように 巻 く 上 腕 の 血 圧 測 定 と 同 じ 手 順 で 触 診 法 により 血 圧 を 測 定 する * 脈 拍 と 血 圧 の 測 定 結 果 を 患 者 さんに 説 明 する ( 臨 床 実 習 では 指 導 医 の 指 導 のもとで 行 う) * 上 肢 と 下 肢 の 血 圧 から Ankle-Brachial Index(ABI)を 計 算 する 3)* 膝 窩 動 脈 での 血 圧 測 定 * 腹 臥 位 になってもらう * 膝 窩 動 脈 を 触 れ 位 置 を 同 定 する * 大 腿 用 マンシェットをゴム 嚢 中 央 が 大 腿 後 面 で 大 腿 の 下 1/3 が 覆 われるように 巻 く * 上 肢 の 血 圧 測 定 ( 聴 診 法 )と 同 じ 手 順 で 血 圧 を 測 定 する 学 生 が 臨 床 実 習 中 に 学 習 し 卒 業 修 了 時 には 身 につけておくべき 項 目 であるが 臨 床 実 習 開 始 前 には 備 わっていなくてもよいと 判 断 したものについては*を 付 記 した ただしこ こで*として 示 した 技 能 態 度 が 卒 業 修 了 時 に 身 につけておくものすべてを 網 羅 しては いない 34/52

Ⅷ. 外 科 系 基 本 手 技 ( 注 ) 臨 床 実 習 開 始 前 に 必 須 の 学 習 項 目 であるが 各 施 設 により 実 情 が 異 なるので ここ では 例 を 示 す 各 大 学 は 例 示 に 準 拠 した 学 習 評 価 項 目 を 作 成 する 手 技 が 確 実 に 行 われるなら 左 右 は 問 わない 臨 床 実 習 前 の 学 習 および 評 価 はシミュレーターを 用 いて 行 う (1) 診 察 時 の 配 慮 4-5 頁 Ⅰ. 診 察 に 関 する 共 通 の 学 習 評 価 項 目 参 照 (2) 病 棟 手 洗 い( 衛 生 的 手 洗 い) 1) 速 乾 性 アルコール 手 指 消 毒 薬 による 衛 生 的 手 洗 い 目 に 見 える 汚 れがないことを 確 認 する アルコール 含 有 速 乾 性 擦 式 消 毒 剤 の 十 分 量 (15 秒 以 内 に 乾 燥 しない 程 度 )を 取 る 両 手 の 指 先 に 擦 り 込 む 手 掌 に 良 く 擦 り 込 む 手 の 甲 反 対 側 に 良 く 擦 り 込 む 指 の 間 にも 良 く 擦 り 込 む 第 1 指 手 首 にも 良 く 擦 り 込 む 2) 流 水 + 医 療 用 石 鹸 による 衛 生 的 手 洗 い 爪 を 短 く 切 ってあることを 確 認 する 着 衣 の 袖 などが 邪 魔 にならぬよう 前 腕 を 十 分 に 露 出 する 水 道 水 で 手 全 体 を 洗 う 石 鹸 を 手 掌 に 必 要 量 を 取 る 手 掌 と 手 背 と 指 間 を 丁 寧 に 洗 う 左 右 の 第 1 指 を 対 側 の 手 指 で 握 り 丁 寧 に 洗 う 手 掌 で 指 先 爪 部 を 丁 寧 に 洗 う 手 関 節 の 頭 側 まで 洗 い 洗 い 残 しがないことを 確 認 する 流 水 でしっかり 石 鹸 を 洗 い 落 とす 蛇 口 を 直 接 手 で 触 れないように 水 を 止 める ペーパータオルを 使 用 して 十 分 に 水 分 を 拭 き 取 る ( 洗 い 始 めから 1 分 間 程 度 を 費 やして 丁 寧 に 洗 う) (3) 手 術 時 手 洗 い ガウンテクニック 1) 準 備 爪 を 短 く 切 ってあることを 確 認 する 手 術 着 に 着 替 える 35/52

手 術 用 帽 子 を 頭 髪 が 露 出 しないように 着 用 する 手 術 用 マスクを 口 鼻 を 完 全 に 覆 うように 着 用 する 2) 術 前 の 手 洗 い(ブラシを 使 う 場 合 ) ( 注 )ブラシを 使 わない 手 洗 いを 指 導 することも 可 手 指 前 腕 を 流 水 で 洗 い 流 す 手 洗 い 用 消 毒 液 (7.5%ポピドンヨード 4%クロルヘキシジンなど)により 指 間 指 先 に 注 意 を 払 いながら 手 指 から 肘 まで 手 もみ 洗 いする 流 水 で 消 毒 液 が 中 枢 側 へ 流 れるように 手 指 から 肘 までを 洗 い 流 す ブラシを 用 い 手 洗 い 用 消 毒 液 による 摩 擦 洗 浄 を 左 右 交 互 に 手 指 前 腕 末 梢 1/2 前 腕 中 枢 側 から 肘 部 の 3 部 に 分 けて 行 う 流 水 で 消 毒 液 が 中 枢 側 へ 流 れるように 手 指 から 肘 までを 洗 い 流 す ブラシを 替 えて 同 様 の 摩 擦 洗 浄 流 水 による 洗 い 流 しをもう 一 度 行 う 滅 菌 タオルで 指 先 から 中 枢 側 へ 肘 部 まで 拭 く アルコール 含 有 速 乾 性 擦 式 消 毒 剤 を 手 指 爪 に 擦 り 込 む ( 省 略 可 ) 3) 滅 菌 ガウンの 装 着 滅 菌 ガウンを 無 菌 的 に 取 り 出 す 滅 菌 ガウンを 周 囲 に 触 れないように 手 を 伸 ばして 広 げる 滅 菌 ガウンが 周 囲 に 触 れないように 注 意 しながら 介 助 者 へ 右 肩 紐 の 端 を 渡 す 介 助 者 に 右 肩 紐 を 持 ってもらい 左 手 で 左 肩 紐 を 持 ってガウンを 広 げながら 介 助 者 に 触 れないように 注 意 して 袖 口 へ 向 かって 右 手 を 挿 入 する 介 助 者 に 左 肩 紐 を 持 ってもらい 介 助 者 に 触 れないように 注 意 しながら 袖 口 へ 向 かっ て 左 手 を 挿 入 する 介 助 者 が 後 で 肩 と 腰 の 紐 を 結 んでいる 間 に 正 面 の 紐 の 結 び 目 をほどく 左 手 が 背 部 に 触 れないように 注 意 して 紐 を 左 から 右 に 回 し それを 右 手 で 受 ける 身 体 の 前 面 で 紐 を 結 びガウンで 全 身 を 被 う 4) 手 袋 装 着 右 手 で 左 手 袋 の 折 り 返 し 部 分 ( 裏 面 にあたる 部 分 )を 持 って 取 り 上 げる 左 手 に 清 潔 かつスムーズに 手 袋 を 装 着 する ( 手 袋 の 表 側 が 手 指 などに 触 れてはな らない) 左 手 の 4 本 の 指 を 反 対 側 手 袋 の 折 り 返 しの 部 分 ( 表 面 に 当 たる 部 分 )に 入 れて 取 り 上 げる 右 手 に 清 潔 かつスムーズに 手 袋 を 装 着 する 手 袋 の 折 り 返 しを 延 ばし 手 袋 を 手 に 十 分 にフィットさせる 5)* 手 術 準 備 滅 菌 したピンセットまたは 鉗 子 により 皮 膚 消 毒 薬 (7.5%ポピドンヨードなど)の 十 分 にしみ 込 んだ 綿 球 を 容 器 から 取 り 出 す 36/52

手 術 野 の 中 心 より 外 側 へ 向 かい 同 心 円 を 描 きながら 手 術 野 より 広 範 に 消 毒 薬 を 皮 膚 に 塗 り 込 む 消 毒 薬 の 乾 燥 後 もう 一 度 同 様 の 消 毒 を 行 う 消 毒 薬 の 乾 燥 後 滅 菌 シーツで 手 術 野 の 周 囲 を 被 う 6) 手 術 後 針 をシャープス コンテナへ 血 液 などで 汚 染 されたゴミ( 感 染 性 医 療 廃 棄 物 )を 感 染 性 廃 棄 物 入 れなどの 専 用 のゴミ 箱 へ 分 別 して 廃 棄 する ( 例 : 縫 合 に 使 用 した 手 袋 抜 糸 した 糸 消 毒 後 の 綿 球 針 など) 手 袋 をはずした 後 は 流 水 で 手 を 洗 う (4) 縫 合 1) 手 袋 装 着 前 の 配 慮 爪 を 短 く 切 ってあることを 確 認 する よけいな 装 飾 品 や 腕 時 計 をはずす 袖 が 邪 魔 にならないように 配 慮 する ( 例 えば 袖 まくり 両 前 腕 を 充 分 に 露 出 する) 2) 手 袋 の 装 着 以 下 の 項 目 は 状 況 により 省 略 可 とする 1. 手 術 用 帽 子 を 頭 髪 が 露 出 しないように 着 用 する 2. 手 術 用 マスクを 口 鼻 を 完 全 に 覆 うように 着 用 する 3. 手 指 前 腕 を 流 水 で 洗 い 流 す 4. 滅 菌 タオルで 指 先 から 中 枢 側 へ 肘 部 まで 拭 く 5. アルコール 含 有 速 乾 性 擦 式 消 毒 剤 を 手 指 に 擦 り 込 む 右 手 で 左 手 袋 の 折 り 返 し 部 分 ( 裏 面 にあたる 部 分 )を 持 って 取 り 上 げる 左 手 に 清 潔 かつスムーズに 手 袋 を 装 着 する ( 手 袋 の 表 側 が 手 指 白 衣 などに 触 れ てはならない) 左 手 の 4 本 の 指 を 反 対 側 手 袋 の 折 り 返 しの 部 分 ( 表 面 に 当 たる 部 分 )に 入 れて 取 り 上 げる 右 手 に 清 潔 かつスムーズに 手 袋 を 装 着 する 手 袋 の 折 り 返 しを 延 ばし 手 袋 を 手 指 に 十 分 にフィットさせる 3) 消 毒 ( 臨 床 実 習 では 指 導 医 の 指 導 のもとで 行 う) 消 毒 することを 患 者 さんへ 告 げる 清 潔 なピンセットで 消 毒 薬 のついた 綿 球 などを 介 助 者 から 受 け 取 る 創 周 囲 の 皮 膚 を 中 心 から 外 側 に 向 かい 同 心 円 状 に 必 要 十 分 な 範 囲 で2 回 以 上 消 毒 す る 消 毒 剤 の 乾 燥 後 に 穴 開 きシーツ(ドレープ)で 創 周 囲 を 覆 い 清 潔 術 野 を 作 る 4) 局 所 麻 酔 ( 実 際 は 省 略 臨 床 実 習 では 指 導 医 の 指 導 のもとで 行 う) 37/52

5)* 創 の 観 察 ( 汚 染 異 物 出 血 無 痛 域 ) 6) 縫 合 ( 臨 床 実 習 では 指 導 医 の 指 導 のもとで 行 う) 持 針 器 を 選 択 し 針 の 先 端 から 3/4 程 度 の 部 分 を 針 先 が 向 かって 左 に 位 置 するように 持 針 器 の 先 端 近 くで 把 持 する ( 右 利 きの 場 合 ) 針 に 糸 を 折 り 返 し 適 切 な 長 さで 装 着 する ピンセットを 選 択 し 鉛 筆 を 持 つように 左 手 の 第 1 指 と 第 2 指 第 3 指 で その 基 軸 を 手 背 に 向 かわせるように 把 持 する 持 針 器 を 器 種 にあわせて 適 切 に 把 持 する 患 者 さんに 声 をかけながら 手 技 をすすめる 創 縁 から 針 の 半 径 よりやや 短 い 長 さに 針 を 皮 膚 及 び 創 縁 に 対 して 直 角 に 挿 入 する 針 の 湾 曲 にそって 針 先 を 進 める 創 縁 を 軽 く 持 ち 上 げるなどピンセットを 補 助 的 に 使 用 する 刺 入 部 と 対 称 になるように 反 対 側 に 針 先 を 出 す 反 対 側 に 出 た 針 を 針 先 を 損 傷 しないように 持 針 器 で 把 持 する 針 の 湾 曲 にそって 針 を 皮 膚 から 抜 く 針 を 安 全 な 場 所 に 置 く ( 廃 棄 するときは 針 捨 て 用 のシャープス コンテナへ) 7) 結 紮 ( 臨 床 実 習 では 指 導 医 の 指 導 のもとで 行 う) 結 紮 を 適 切 に 行 う ( 外 科 結 紮 など) 剪 刀 のリングに 第 1 指 と 第 4 指 を 挿 入 し 第 2 指 を 軽 く 曲 げてその 柄 にそえて 把 持 す る 結 び 目 から 5mm~1cm 程 度 残 して 余 分 な 糸 を 切 る 8)ドレッシング( 臨 床 実 習 では 指 導 医 の 指 導 のもとで 行 う) 創 部 を 消 毒 する 清 潔 操 作 によりガーゼなどでドレッシングする 患 者 さんに 処 置 が 終 了 したことを 告 げる 9) 抜 糸 ( 臨 床 実 習 では 指 導 医 の 指 導 のもとで 行 う) 抜 糸 することを 患 者 さんに 告 げ 了 承 を 得 る 創 に 張 力 が 加 わらないようにガーゼなどを 除 去 する 創 部 を 消 毒 する ピンセットと 剪 刀 を 正 しく 把 持 する ピンセットで 糸 の 断 端 を 把 持 し 皮 下 に 埋 没 していた 糸 を 露 出 させる 糸 を 埋 没 していた 部 で 切 る 創 部 を 消 毒 しドレッシングする 患 者 さんに 処 置 が 終 了 したことを 告 げる 10) 処 置 後 針 をシャープス コンテナへ 血 液 などで 汚 染 されたゴミ( 感 染 性 医 療 廃 棄 物 )を 感 38/52

染 性 廃 棄 物 入 れなどの 専 用 のゴミ 箱 へ 分 別 して 廃 棄 する ( 例 : 縫 合 に 使 用 した 手 袋 抜 糸 した 糸 消 毒 後 の 綿 球 針 など) 手 袋 をはずした 後 は 流 水 で 手 を 洗 う 学 生 が 臨 床 実 習 中 に 学 習 し 卒 業 修 了 時 には 身 につけておくべき 項 目 であるが 臨 床 実 習 開 始 前 には 備 わっていなくてもよいと 判 断 したものについては*を 付 記 した ただしこ こで*として 示 した 技 能 態 度 が 卒 業 修 了 時 に 身 につけておくものすべてを 網 羅 しては いない 39/52

Ⅸ. 救 急 ( 注 ) 学 習 項 目 は 院 内 で 倒 れた 患 者 さんへの 対 応 として 設 定 されている ( 注 ) 学 習 および 評 価 は 模 擬 患 者 さん シミュレーター(マネキン 人 形 ) トレーナー( 訓 練 用 AED)などを 用 いて 行 う (1) 意 識 障 害 患 者 への 初 期 対 応 1) 安 全 を 確 認 する 周 囲 を 見 渡 し 危 険 や 汚 染 ( 車 鋭 利 なもの 体 液 など)がないことを 口 に 出 して 確 認 す る 手 袋 などを 装 着 する (スタンダードプレコーションに 配 慮 する) 2) 意 識 を 確 認 する 患 者 さんに 大 きな 声 をかけながら 頸 椎 が 動 揺 しない 程 度 に 肩 を 軽 く 叩 くか 揺 すっ て 意 識 を 確 認 する 3) 応 援 や 資 器 材 を 依 頼 する 反 応 がなければ 助 けを 求 める ( 病 室 内 ではナースコールを 使 ってもよい) 連 絡 がついたら 人 が 倒 れて 意 識 がありません! など 状 況 を 手 短 に 報 告 する 応 援 の 人 ( 医 師 看 護 師 )を 集 める ( 院 内 救 急 コールでも 可 ) 除 細 動 器 (または AED) および 救 急 カートなど 資 器 材 を 持 ってくるよう 依 頼 する 4) 気 道 を 確 保 し 呼 吸 を 確 認 する 頭 部 後 屈 あご 先 挙 上 を 行 い 軟 部 組 織 を 圧 迫 しないように 気 道 を 確 保 する 項 部 挙 上 ではない (* 頸 部 損 傷 が 疑 われる 場 合 は 下 顎 挙 上 のみを 行 う) 患 者 さんの 口 もとに 頬 を 近 づけ 胸 部 の 動 きを 見 て 呼 吸 音 を 聴 き 頬 で 呼 気 を 感 じ ながら( 見 て 聴 いて 感 じて) 10 秒 以 内 に 自 発 呼 吸 が 十 分 にあるかどうかを 確 認 す る (あえぎ 呼 吸 は 十 分 な 呼 吸 ではないと 判 断 する) 5) 循 環 を 観 察 する 十 分 な 自 発 呼 吸 があれば 循 環 や 意 識 を 観 察 する 末 梢 循 環 の 観 察 には 顔 面 や 手 の 蒼 白 冷 感 湿 潤 の 有 無 を 確 認 する 橈 骨 動 脈 の 脈 拍 を 観 察 する( 脈 拍 の 有 無 や 強 弱 速 いか 遅 いか 例 : 脈 は 弱 くて 速 い 強 くて 遅 い など) 明 らかな 外 出 血 がないか 全 身 を 観 察 する 外 出 血 があればスタンダードプレコーショ ンに 配 慮 しつつ 直 接 圧 迫 止 血 する 6) 意 識 レベルを 評 価 し 麻 痺 の 有 無 を 観 察 する 患 者 さんに 大 きな 声 で 呼 びかけて 眼 を 開 けたり 閉 じたり 手 を 握 ったり 開 いたりの 指 示 に 従 えるかどうかを 観 察 する 患 者 さんが 指 示 に 従 えない 場 合 は 痛 み 刺 激 ( 胸 骨 40/52

中 央 を 拳 などで 強 く 圧 迫 するなど)に 対 する 反 応 を 観 察 する 意 識 レベルを JCS (Japan Coma Scale) GCS (Glasgow Coma Scale) AVPU (Alert, Verbal response, Pain response, Unresponsive)などで 表 現 する 表 情 の 左 右 差 や 眼 を 開 けたり 閉 じたり 手 を 握 ったり 開 いたり 足 を 動 かしたりの 指 示 に 従 えるかどうかを 観 察 し 顔 面 や 四 肢 の 麻 痺 の 有 無 をおおまかに 評 価 する 7) 気 道 を 維 持 する 意 識 レベルが 悪 く 気 道 確 保 が 必 要 で かつ 自 発 呼 吸 が 十 分 あって 循 環 が 安 定 して いれば 回 復 体 位 で 気 道 確 保 を 継 続 する ( 救 急 対 応 の 環 境 が 整 っていれば 回 復 体 位 に しないこともある) (* 頸 椎 損 傷 が 疑 われる 場 合 は 体 位 変 換 をせず 下 顎 挙 上 法 のみを 行 う) ( 仰 臥 位 から 側 臥 位 への 回 復 体 位 の 取 らせ 方 の 例 : 患 者 さんの 横 にひざまずき 患 者 さ んの 両 下 肢 を 伸 ばす 手 前 側 の 患 者 上 肢 を 概 ね 90 度 外 転 させ 反 対 側 の 患 者 手 背 を 手 前 側 の 頬 に 付 けさせる 反 対 側 の 膝 を 立 てさせる 膝 や 腰 に 手 を 当 てて 患 者 さんの 体 を 手 前 側 に 転 がし 側 臥 位 にさせる 上 になった 膝 を 曲 げたまま 手 前 側 に 置 き 側 臥 位 を 安 定 させる 頭 部 を 少 し 後 屈 させて 気 道 が 開 放 された 状 態 を 維 持 させる) 体 位 変 換 後 にも 気 道 が 維 持 され 自 発 呼 吸 が 十 分 あるかどうか 観 察 する 8) 体 温 を 適 正 に 維 持 し 環 境 に 配 慮 する ネクタイやベルトなど 患 者 さんの 体 を 締 め 付 けている 着 衣 を 緩 め 安 静 を 維 持 する 体 が 冷 える 可 能 性 があれば 毛 布 などによる 保 温 を 行 う 高 体 温 の 疑 いがあれば 着 衣 の 除 去 や 送 風 などで 冷 却 を 図 る 患 者 さんの 安 全 を 確 保 し 気 道 呼 吸 循 環 意 識 の 状 態 を 継 続 的 に 観 察 し 変 化 が あればそれに 対 応 する (2)バイタルサインの 測 定 ( 臥 位 ) 1) 体 温 呼 吸 数 脈 拍 数 血 圧 ( 聴 診 法 )を 観 察 する ( 患 者 さんの 状 態 に 応 じた 体 位 で 行 う) 腋 下 体 温 計 の 場 合 は 感 温 部 を 腋 の 下 に 挿 ませて 腋 を 締 めさせ 体 温 を 測 定 する 鼓 膜 体 温 計 の 場 合 は プローブカバーを 感 温 部 に 装 着 し 外 耳 道 に 挿 入 して 測 定 する 呼 吸 を 観 察 する (Ⅳ 章 参 照 )30 秒 以 上 観 察 して 1 分 間 の 呼 吸 数 に 換 算 する 脈 拍 を 観 察 する (Ⅶ 章 参 照 )15 秒 以 上 観 察 して 1 分 間 の 脈 拍 数 に 換 算 する 血 圧 を 測 定 する (Ⅶ 章 参 照 ) (3) 心 肺 蘇 生 法 ( 注 )2005 年 末 の 国 際 コンセンサス 改 訂 に 基 づいて 内 容 が 修 正 される 可 能 性 がある 1) 安 全 を 確 認 する 周 囲 を 見 渡 し 危 険 や 汚 染 ( 車 鋭 利 なもの 体 液 など)がないことを 口 に 出 して 確 認 す 41/52

る 手 袋 などを 装 着 する (スタンダードプレコーションに 配 慮 する) 2) 意 識 を 確 認 する 患 者 さんに 大 きな 声 をかけながら 頸 椎 が 動 揺 しない 程 度 に 肩 を 軽 く 叩 くか 揺 すっ て 意 識 を 確 認 する 3) 応 援 や 資 器 材 を 依 頼 する 反 応 がなければ 助 けを 求 める ( 病 室 内 ではナースコールを 使 ってもよい) 連 絡 がついたら 人 が 倒 れて 意 識 がありません! など 状 況 を 手 短 に 報 告 する 応 援 の 人 ( 医 師 看 護 師 )を 集 める ( 院 内 救 急 コールでも 可 ) 除 細 動 器 (または AED) および 救 急 カートなど 資 器 材 を 持 ってくるよう 依 頼 する 4) 気 道 を 確 保 し 呼 吸 を 確 認 する 頭 部 後 屈 あご 先 挙 上 を 行 い 軟 部 組 織 を 圧 迫 しないように 気 道 を 確 保 する 項 部 挙 上 ではない (* 頸 部 損 傷 が 疑 われる 場 合 は 下 顎 挙 上 のみを 行 う) 患 者 さんの 口 もとに 頬 を 近 づけ 胸 部 の 動 きを 見 て 呼 吸 音 を 聴 き 頬 で 呼 気 を 感 じ ながら( 見 て 聴 いて 感 じて) 10 秒 以 内 に 十 分 な 自 発 呼 吸 の 有 無 を 評 価 する (あえ ぎ 呼 吸 は 十 分 な 呼 吸 ではないと 判 断 する) 5) 口 対 口 人 工 呼 吸 を 行 う 十 分 な 自 発 呼 吸 がないと 判 断 したら 人 工 呼 吸 で 呼 吸 を 補 助 する フェイスシールドまたはポケットフェイスマスクなどの 感 染 予 防 器 具 を 患 者 さんの 口 にあてる 前 額 部 に 当 てている 手 の 第 1 指 と 第 2 指 で 患 者 さんの 鼻 をつまみ(ポケットフェイスマ スクの 場 合 は 鼻 をつままない) 大 きく 空 気 を 吸 い 込 んだのち 患 者 さんの 口 を 自 分 の 口 で 漏 れがないように 十 分 に 覆 う 胸 部 の 動 きを 目 視 確 認 しながら 1 回 に 2 秒 かけて 約 10 ml/kg ( 胸 部 が 軽 く 膨 らむ 程 度 )の 呼 気 を 2 回 吹 き 込 む 1 回 ごとに 患 者 さんの 呼 気 を 確 認 する 胸 部 の 動 きがない 場 合 は 気 道 確 保 し 直 して 頭 部 後 屈 あご 先 挙 上 や 口 の 覆 い 方 などを 修 正 し 再 度 呼 気 吹 込 みを 行 う 6) 脈 拍 と 他 の 循 環 のサイン( 自 発 呼 吸 咳 体 動 )を 確 認 する 呼 気 吹 き 込 みの 後 に 頭 部 後 屈 を 保 ったまま あご 先 を 挙 上 していた 指 2~3 本 を 甲 状 軟 骨 の 高 さで 手 前 にずらし 甲 状 軟 骨 と 胸 鎖 乳 突 筋 の 間 に 軽 く 押 し 当 て 頸 動 脈 の 拍 動 の 有 無 を 確 認 する 脈 拍 の 確 認 と 同 時 に 患 者 さんの 胸 部 を 見 ながら 口 元 に 頬 を 寄 せた 姿 勢 で 十 分 な 自 発 呼 吸 の 再 開 ( 息 ) 呼 気 吹 込 みに 誘 発 された 咳 き 込 み( 咳 )の 有 無 を 観 察 し ときに 全 身 を 見 渡 し 体 動 ( 動 き)の 有 無 を 確 認 する 10 秒 以 内 に 循 環 の 有 無 を 評 価 する 7) 心 臓 マッサージを 開 始 する 循 環 が 無 いと 判 断 したら 心 臓 マッサージを 開 始 する 42/52

心 臓 マッサージする 手 の 位 置 は 胸 骨 正 中 の 尾 側 2 分 の 1 である 剣 状 突 起 や 肋 骨 肋 軟 骨 を 圧 迫 しないように 注 意 する ( 心 臓 マッサージで 圧 迫 する 手 の 位 置 決 めの 例 : 患 者 さんの 尾 側 にある 自 分 の 第 3 指 を 患 者 さんの 肋 骨 縁 に 沿 って 手 前 から 正 中 部 に 移 動 させて 剣 状 突 起 の 位 置 を 同 定 し 剣 状 突 起 を 圧 迫 しないように 1~2 横 指 離 した 頭 側 に 心 臓 マッサージする 手 を 置 く 左 右 の 乳 頭 を 結 ぶ 線 の 中 点 に 心 臓 マッサージする 手 を 置 く 方 法 もある) 胸 骨 に 置 いた 手 に 他 方 の 手 を 組 み 合 わせ 手 掌 基 部 のみで 圧 迫 する 肘 を 伸 ばし 患 者 さんの 真 上 から 垂 直 に 3.5-5.0cm の 深 さに 沈 むまで 1 分 間 に 100 回 程 度 の 速 さで 胸 骨 の 尾 側 2 分 の 1 を 圧 迫 する 圧 迫 解 除 の 際 手 が 前 胸 部 から 離 れて 位 置 がずれることのないように また 圧 迫 解 除 が 不 十 分 にならないように 注 意 する 8) 心 臓 マッサージと 人 工 呼 吸 を 繰 り 返 す 心 臓 マッサージ 15 回 と 人 工 呼 吸 2 回 の 組 み 合 わせで 繰 り 返 す ( 注 ) 回 数 が 多 少 異 なっても 15:2 を 意 識 していればよい この 回 数 は 2005 年 末 の 国 際 コンセンサスで 改 訂 される 可 能 性 がある 心 臓 マッサージと 人 工 呼 吸 の 切 り 替 えは 迅 速 に 行 う 9) 循 環 のサイン 自 発 呼 吸 の 有 無 意 識 を 再 確 認 する 4 サイクルの 心 臓 マッサージと 人 工 呼 吸 の 組 み 合 わせの 後 に 循 環 のサインを 確 認 する (1-3 分 ごとに 循 環 のサインを 再 確 認 する) 循 環 のサインがなければ 心 臓 マッサージと 人 工 呼 吸 を 繰 り 返 す 循 環 があれば 気 道 を 確 保 して 自 発 呼 吸 の 確 認 を 行 う 循 環 があっても 自 発 呼 吸 が 十 分 でない 場 合 には 1 分 間 に 10-20 回 程 度 の 呼 気 吹 き 込 み を 繰 り 返 し 呼 吸 を 補 助 する (あえぎ 呼 吸 は 十 分 な 呼 吸 ではないので 呼 吸 の 補 助 が 必 要 である) 循 環 があって 自 発 呼 吸 も 十 分 であれば 末 梢 循 環 と 意 識 レベルを 確 認 する 意 識 が 無 く 自 発 呼 吸 が 十 分 で 循 環 が 安 定 していれば 患 者 さんを 回 復 体 位 にして 気 道 を 維 持 する (Ⅸ 章 意 識 障 害 患 者 への 初 期 対 応 参 照 ) (* 頸 部 損 傷 が 疑 われる 場 合 は 下 顎 挙 上 のみを 行 う) 10)AED( 自 動 体 外 式 除 細 動 器 )を 使 用 する 最 初 に 電 源 を 入 れる(フタを 開 けたら 電 源 が 入 る 機 種 もある) 電 源 を 入 れる と 音 声 指 示 や 記 録 が 始 まるので 最 初 に 電 源 を 入 れることが 大 切 である 電 極 パッドの 一 方 を 患 者 さんの 右 上 部 ( 右 乳 頭 と 鎖 骨 の 間 )に 他 方 を 左 乳 頭 の 外 側 に 貼 る 電 極 パッド 装 着 部 位 に 経 皮 的 薬 剤 があれば 除 去 し 胸 部 が 濡 れていたらふき 取 り 埋 め 込 みペースメーカーや 除 細 動 器 がれば 2.5cm 以 上 離 れた 部 位 に 電 極 パッドを 装 着 する AED による 解 析 と 放 電 の 際 には 周 囲 の 全 員 に 患 者 さんから 離 れるように 指 示 し 安 全 43/52