流 通 科 学 大 学 付 属 教 学 支 援 センター 紀 要 第 1 号,49-60 (2014) 流 通 科 学 大 学 における 英 語 教 育 フレームワークの 構 築 と 実 践 Development and Application of a Framework for English Language Education at UMDS 住 政 二 郎 * トーマス シャロー** 中 川 典 子 *** 藤 岡 千 伊 奈 ** 濱 田 真 由 美 * * 山 本 勝 巳 Sei Sumi, Thomas Schalow, Noriko Nakagawa, Cheena Fujioka, Mayumi Hamada, Katsumi Yamamoto 本 研 究 の 目 的 は 入 学 時 のプレイスメント テストから 2 年 後 の 到 達 度 テストまで 一 貫 した 英 語 教 育 フ レームワークを 構 築 し 実 践 へと 展 開 することである 少 子 化 と 入 試 制 度 の 柔 軟 化 に 伴 い 多 様 な 英 語 力 を 持 つ 学 生 が 大 学 に 入 学 するようになった こうした 事 態 に 対 応 すべく 本 学 では 2013 年 4 月 より 独 自 の 英 語 教 育 フレームワークを 構 築 し 語 彙 文 法 の 側 面 から 英 語 基 礎 力 の 養 成 を 図 ることにした キーワード : DBR プレイスメント テスト ナーブ ベイズ 分 類 学 習 管 理 システム Ⅰ. はじめに 英 語 教 育 を 取 り 巻 く 外 部 環 境 は 急 速 に 変 化 している 英 語 をコミュニケーション メディアに 経 済 圏 は 世 界 規 模 に 拡 大 し 同 時 に 世 界 は 1 つのマーケットへと 収 斂 されつつある 言 語 を 含 む ルールを 世 界 が 共 有 することは 人 もの ことの 移 動 と 変 化 のスピードを 加 速 させる 企 業 戦 略 において 適 切 な 地 を 世 界 規 模 で 選 び 本 社 機 能 を 海 外 に 移 転 させる 時 代 がすでに 始 まった 1 高 等 教 育 機 関 の 変 化 も 顕 著 だ 高 等 学 校 レベルでは 国 際 バカロレアへの 関 心 が 高 まっている 2 国 際 バカロレアとは 国 際 的 に 認 められる 大 学 入 学 資 格 の 授 与 を 認 定 する 制 度 である 3 大 学 レベル では 半 年 から1 年 の 海 外 留 学 をカリキュラムに 組 み 込 む 大 学 も 増 えている 4 海 外 留 学 やボラン ティアへの 参 加 を 念 頭 に 在 学 中 にギャップ イヤーを 経 験 することを 推 奨 する 動 きも 活 発 化 し ている 5 こうした 動 きを 後 押 しするかのように 文 部 科 学 省 は 2013 年 4 月 に 国 立 大 学 の 抜 本 的 な 教 育 改 革 プランを 発 表 した 6 英 語 教 育 の 改 革 は 重 要 な 役 割 を 占 めている 加 えて 国 家 公 務 * 流 通 科 学 大 学 商 学 部, 651-2188 神 戸 市 西 区 学 園 西 町 3-1 ** 流 通 科 学 大 学 総 合 政 策 学 部 651-2188 神 戸 市 西 区 学 園 西 町 3-1 *** 流 通 科 学 大 学 サービス 産 業 学 部 651-2188 神 戸 市 西 区 学 園 西 町 3-1 (2014 年 1 月 24 日 受 理 ) 2013 Center for the Promotion of Higher Education and Learning
50 住 政 二 郎 トーマス シャロー 中 川 典 子 藤 岡 千 伊 奈 濱 田 真 由 美 山 本 勝 巳 員 の 採 用 試 験 の 一 部 に TOEFL テストなどの 外 部 テストを 採 用 することを 政 府 は 予 定 している 高 等 教 育 機 関 の 英 語 教 育 への 影 響 も 無 視 できない 7 経 済 と 教 育 のグローバル 化 といった 外 部 環 境 の 変 化 を 視 野 に 入 れつつ 内 部 環 境 の 変 化 にも 目 を 向 ける 必 要 がある 少 子 化 と 入 試 制 度 の 柔 軟 化 に 伴 い 多 様 な 英 語 力 を 持 つ 学 生 が 大 学 には 入 学 するようになった 学 生 の 中 には 基 礎 的 な 語 彙 文 法 が 未 定 着 な 学 生 も 在 籍 する 従 来 の 授 業 単 位 の 取 り 組 みでは 多 様 化 する 学 生 の 英 語 力 に 対 応 することはできなくなった 能 力 別 少 人 数 クラス 編 成 リメディアル 教 育 そして 補 習 授 業 の 提 供 など 多 くの 大 学 が 苦 心 している 流 通 科 学 大 学 英 語 教 育 担 当 者 は 2012 年 度 より 英 語 の 流 科 流 科 の 英 語 をスローガンに 多 様 な 取 り 組 みを 進 めてきた 8 2013 年 度 には 語 彙 文 法 の 側 面 から 学 生 の 英 語 基 礎 力 を 養 成 し ICT を 活 用 して 入 学 時 のクラス 分 けのプレイスメント テストから 2 年 後 の 到 達 度 テストまで 一 貫 した 英 語 教 育 のフレームワークを 構 築 した 高 等 教 育 機 関 における 英 語 力 の 養 成 は 急 務 の 課 題 であり 各 大 学 は 対 応 を 迫 られている 一 方 では 経 済 と 教 育 のグローバル 化 を 視 野 に 入 れつつ 他 方 では 多 様 化 する 学 生 の 英 語 力 の 底 上 げを 図 る 本 学 独 自 の 取 り 組 みについて 報 告 する Ⅱ. DBR による 設 計 英 語 教 育 のフレームワークの 構 築 は Design-based research( 以 下 DBR)の 枠 組 みを 参 考 に 行 った DBR とは 近 年 外 国 語 教 育 へのテクノロジーを 利 用 する 主 眼 とする Computer-assisted Language Learning の 分 野 で 注 目 されている 研 究 と 実 践 を 統 合 するアプローチである 9 DBR は 4 つのフェーズ 現 状 分 析 設 計 試 用 実 践 で 構 成 され 各 フェーズに 沿 って 研 究 と 実 践 を 連 続 的 且 つ 継 続 的 に 行 うことを 特 徴 としている( 図 1) 10 組 織 経 営 や 商 品 開 発 に 応 用 される PDCA サイクルとの 共 通 点 も 多 い 図 1. Design-base research (adapted from Amiel & Reeves, 2008) 1. 現 状 分 析 第 1 フェーズでは 2012 年 度 まで 実 施 していたプレイスメント テストの 現 状 分 析 を 行 った 本 学 では TOEIC Bridge テストを 使 いプレイスメント テストを 実 施 し 入 学 者 を 上 級 (20%) 中 級 (60%) および 総 合 (20%)の 3 つに 分 け レベル 別 に 授 業 を 提 供 してきた 学 生 は 入 学 時
流 通 科 学 大 学 における 英 語 教 育 フレームワークの 構 築 と 実 践 51 に 割 り 当 てられた 各 レベルで 必 修 英 語 科 目 の 授 業 を 2 年 間 受 講 する TOEIC Bridge テストとは 英 語 によるコミュニケーション 能 力 を 総 合 的 に 評 価 する TOEIC テストよりも 易 しく 初 級 およ び 中 級 英 語 学 習 者 の 英 語 力 を 測 定 するために 開 発 されたものである 11 TOEIC テストや TOEIC Bridge テストなど 専 門 的 に 開 発 された 外 部 テストを 学 生 の 英 語 力 の 測 定 に 使 う 大 学 は 多 い 12 TOEIC テストや TOEIC Bridge テストは 認 知 度 が 高 く プレイス メント テストで 使 うことで 入 学 後 の 英 語 学 習 への 波 及 効 果 を 期 待 できる テストとしての 信 頼 性 も 高 い 13 また 一 定 数 の 受 験 者 を 確 保 できることから 得 点 を 受 験 者 集 団 と 比 較 すること や その 他 の 外 部 テストとの 相 関 を 検 討 することもできる 本 学 では プレイスメント テスト に 加 え 必 修 英 語 科 目 の 履 修 が 終 わる 2 年 生 後 期 にも TOEIC Bridge テストを 使 い 入 学 時 から の 英 語 力 の 伸 長 を 観 察 してきた しかし 現 状 分 析 をとおして さまざまな 問 題 点 が 明 らかになった 大 学 には 多 様 な 英 語 力 を 持 つ 学 生 が 入 学 するようになり 外 部 テストの 難 易 度 の 高 い 問 題 や 不 慣 れなテスト 形 式 は 学 生 にとって 重 い 負 担 であることが 分 かった 加 えて 外 部 テストの 利 用 は 運 営 側 にとっても 重 い 負 担 であることが 分 かった 毎 年 プレイスメント テストを 実 施 する 3 月 末 大 学 は 繁 忙 期 にあ る プレイスメント テストの 実 施 には 多 くの 人 手 と 時 間 を 要 する もちろん 多 額 の 予 算 も 必 要 である また テストの 実 施 から 結 果 の 返 却 まで 最 短 でも 数 日 を 要 し 返 却 後 は 即 座 にクラス 分 けをする 必 要 があった さらに 本 学 がプレイスメント テストで 利 用 していた 外 部 テストは テスト 項 目 が 非 公 開 であるため テスト 結 果 を 得 ても 受 験 者 の 弱 点 を 具 体 的 に 把 握 することや テストの 結 果 を 入 学 後 の 教 育 内 容 に 活 用 することが 困 難 であった 他 にも 潜 在 的 な 問 題 が TOEIC テストや TOEIC Bridge テストなど 英 語 圏 で 開 発 された 学 部 テストにはあることが 分 かった 例 えば TOEIC テストは ビジネスの 場 面 を 主 とし ア メリカでの 日 常 生 活 を 想 定 して 開 発 されている テストが 想 定 している 社 会 は 英 語 を 母 語 とす る 英 語 圏 の 社 会 であり 英 語 ができなければ 日 常 生 活 に 支 障 が 生 じる 社 会 である しかし 英 語 は 英 語 圏 だけで 使 用 されているのではない 非 英 語 圏 でも 英 語 は 使 われている アジアの 国 々は 顕 著 な 例 である 非 英 語 圏 の 社 会 は 英 語 ができなければ 日 常 生 活 に 支 障 が 生 じる 社 会 ではない 日 本 で 英 語 ができなくとも 日 常 生 活 に 支 障 が 生 じないのと 同 義 である 非 英 語 圏 で 求 められる 英 語 は 場 面 や 状 況 に 応 じた 部 分 的 な 英 語 である ならば 大 半 の 学 生 が 日 本 国 内 で 英 語 を 学 び 卒 業 後 も 日 本 で 働 く 中 で 英 語 圏 の 社 会 とネイティブ スピーカーの 使 う 標 準 的 な 英 語 を 前 提 とし 英 語 圏 で 開 発 されたテストをプレイスメント テストで 使 い その 波 及 効 果 を 期 待 して 大 学 の 英 語 教 育 を 実 施 し 同 じく 英 語 圏 で 開 発 されたテストを 使 って 到 達 度 テストを 行 うことに 十 分 な 妥 当 性 があるのだろうか これは 使 える 英 語 への 有 効 な 接 近 法 といえるのだろうか 非 英 語 圏 で 英 語 をどのように 教 え そして 評 価 するのかという 点 については EU の 施 策 に 学 ぶ 点 が 多 い EU の 加 盟 国 には 非 英 語 圏 の 国 の 方 が 多 い 公 用 語 とする 言 語 も 多 様 だ そのため EU
52 住 政 二 郎 トーマス シャロー 中 川 典 子 藤 岡 千 伊 奈 濱 田 真 由 美 山 本 勝 巳 は 複 言 語 主 義 (Plurilingualism)を 採 用 している 多 言 語 環 境 を 前 提 としながらも スムーズな 労 働 力 の 移 動 を 可 能 にするために EU では Common European Framework of Reference for Languages ( 以 下 CEFR)を 定 めている CEFR は 英 語 を 含 む 外 国 語 教 育 の 成 果 を 測 る 指 標 である CEFR の 特 徴 は 言 語 能 力 を 能 力 別 指 標 で 定 めている 点 である 14 各 能 力 別 指 標 は ~することができ る という 文 言 で Can-Do のリスト 形 式 で 表 現 されている 英 語 を 例 にあげれば CEFR で 求 めら れている 英 語 力 とは 英 語 圏 の 社 会 を 前 提 としたネイティブ スピーカーの 使 う 標 準 的 な 英 語 で はなく 多 様 な 場 面 や 状 況 に 対 応 可 能 な 部 分 的 な 英 語 である 国 内 でも CEFR の 考 え 方 を 踏 襲 する 動 きが 活 発 化 している 国 内 では CEFR に 準 拠 した CEFR-J が 開 発 された 15 日 本 英 語 検 定 協 会 は 英 検 Can-do リスト を 定 め 16 大 学 教 育 を 念 頭 に 置 いてはアカデミック 英 語 能 力 判 定 試 験 (Test of English for Academic Purposes) 17 を 開 発 した 文 部 科 学 省 も 外 国 語 教 育 に Can-do リ ストを 活 用 して 学 習 到 達 目 標 を 明 示 する 取 り 組 みを 推 進 している 18 このように 国 内 外 の 英 語 教 育 は 英 語 圏 の 社 会 とネイティブ スピーカーの 使 う 標 準 的 な 英 語 だけを 前 提 とするものから 第 二 言 語 としての 英 語 を 念 頭 に 場 面 や 状 況 に 応 じて 必 要 とされる 部 分 的 な 英 語 を 総 合 的 に 教 育 し 評 価 する 方 向 へと 移 行 しつつある 19 学 習 者 側 の 負 担 運 営 側 の 負 担 そして 国 内 外 の 英 語 教 育 と 評 価 指 標 の 変 化 などを 総 合 的 に 判 断 し 入 学 者 を 3 つのレベルに 分 けるためだけに 多 額 の 予 算 と 人 的 コストをかけて TOEIC Bridge テストをプレイスメント テストと 到 達 度 テストに 利 用 することの 妥 当 性 が 本 学 では 疑 問 視 され ていることが 明 らかになった 本 学 のプレイスメント テストの 目 的 は 入 学 者 を 上 級 中 級 および 総 合 の 3 つのレベルに 分 けることである そして より 重 要 なことは テストの 結 果 を 入 学 後 の 教 育 内 容 に 活 用 することであり 教 育 内 容 と 連 動 した 成 果 を 到 達 度 テストで 測 定 すること である この 目 的 と 趣 旨 に 立 ち 返 り プレイスメント テストと 到 達 度 テストの 見 直 しと 多 様 な 学 生 の 英 語 力 に 対 応 できる 英 語 教 育 フレームワークの 構 築 の 必 要 性 が 現 状 分 析 をとおして 明 ら かになった 2. 設 計 第 2 フェーズでは 第 1フェーズの 現 状 分 析 の 結 果 を 踏 まえ (1) 入 学 者 が 受 験 する プレイ スメント テストの 設 計 (2)プレイスメント テストの 結 果 から 上 級 中 級 および 総 合 のレ ベル 判 定 をする クラス 分 けレベル 判 定 手 法 の 設 計 そして (3) 英 語 教 育 フレームワークと 授 業 の 設 計 を 行 った 以 下 各 設 計 プロセスについて 述 べる a. プレイスメント テストの 設 計 プレイスメント テストの 設 計 は 本 学 入 試 過 去 問 題 を 再 利 用 して 行 った 手 順 は 2004 年 か ら 2012 年 までの 本 学 入 試 過 去 問 題 を 電 子 化 し 約 1,000 問 のアイテムバンクを 構 築 することから 始 めた さらに 構 築 されたアイテムバンクの 語 彙 文 法 セクションの 問 題 を 正 答 率 順 に 並 べ 替 え 正 答 率 10% 刻 みで 100 問 を 抜 粋 し β 版 のプレイスメント テストを 作 成 した
流 通 科 学 大 学 における 英 語 教 育 フレームワークの 構 築 と 実 践 53 入 試 過 去 問 題 をプレイスメント テストに 再 利 用 することには いくつかのメリットがある 入 試 問 題 は 本 学 が 求 める 最 低 限 の 英 語 力 を 代 表 するものである 各 テスト 項 目 の 語 彙 および 文 法 レベルは 本 学 が 求 める 英 語 力 に 準 じて 統 制 されている 毎 年 同 じプレイスメント テストを 利 用 することで 学 生 の 英 語 力 の 経 年 的 変 化 を 本 学 の 基 準 に 則 して 観 察 することができる また テスト 項 目 が 明 らかであるため 学 生 の 英 語 力 の 弱 点 を 個 人 および 集 団 のレベルで 詳 細 且 つ 具 体 的 に 把 握 することができ 指 導 にも 活 用 することができる b. クラス 分 けレベル 判 定 手 法 の 設 計 プレイスメント テストの 結 果 からクラス 分 けをするには いくつかの 方 法 がある 最 もシン プルな 方 法 は 素 点 によるクラス 分 けである しかし この 方 法 では 同 点 の 得 点 の 差 を 判 別 するこ とができない 例 えば 100 点 満 点 のテストを 実 施 し 学 生 A と B の 得 点 が 共 に 50 点 だったと する しかし 学 生 A は 難 易 度 の 高 い 問 題 に 多 く 正 解 し 学 生 B は 難 易 度 の 低 い 問 題 に 多 く 正 解 していた 場 合 両 者 を 同 じクラスに 分 けることは 公 正 なクラス 分 けとは 言 い 難 い この 問 題 を 解 決 するために クラス 分 けレベル 判 定 にはナイーブベイズ 分 類 の 手 法 を 利 用 する ことにした ナイーブベイズ 分 類 とは 確 率 モデルに 基 づきデータを 分 類 する 手 法 である 身 近 な ところでは 迷 惑 メールの 分 類 などに 利 用 されている ナイーブベイズ 分 類 の 手 法 を 利 用 すること で 素 点 ではなく 回 答 の 正 誤 パターンからクラス 分 けレベル 判 定 を 行 うことができる プレイスメント テストの 結 果 から 受 験 者 を 上 級 中 級 および 総 合 の 3 つのレベルに 分 類 する 公 式 は ベイズの 定 理 ( 式 1) 展 開 することで 得 られる( 上 級 : 式 2 中 級 : 式 3 総 合 : 式 4) (1) (2) (3) (4) P(H 1 )は 上 級 P(H 2 )は 中 級 および P(H 3 )は 総 合 の 事 前 確 率 である 事 前 確 率 とは この 場 合 各 レベルの 学 生 の 正 答 確 率 である 事 前 確 率 の 設 定 は 各 レベルのクラス 比 テスト 実 施 側 の 期 待 値 およびテストの 難 易 度 などを 考 慮 して 主 観 的 に 設 定 できる 主 観 を 確 率 モデルの 設 計 に 活 用 できるのがベイズの 特 徴 である P(D j H i )は 問 題 項 目 の 尤 度 である これは 問 題 項 目 j に 対 する レベル i の 学 生 の 正 答 確 率 を 表 す 事 前 確 率 と 問 題 項 目 の 尤 度 から 設 計 された 確 率 モデルは 訓 練 と 学 習 を 繰 り 返 すことによって
54 住 政 二 郎 トーマス シャロー 中 川 典 子 藤 岡 千 伊 奈 濱 田 真 由 美 山 本 勝 巳 改 善 することができ(ベイズ 更 新 ) 教 育 機 関 独 自 のルールとしてクラス 分 けレベル 判 定 のみなら ず カリキュラム 設 計 や 教 材 開 発 など 多 方 面 に 活 用 することができる 期 待 値 や 経 験 知 を 活 用 しながら 事 前 確 率 を 設 定 し 訓 練 と 学 習 を 繰 り 返 すことで 確 率 モデルを 向 上 できるナイーブベイ ズ 分 類 の 手 法 は 研 究 と 実 践 を 統 合 し 現 状 分 析 設 計 試 用 および 実 践 の 各 フェーズに 沿 っ て 研 究 と 実 践 を 連 続 的 且 つ 継 続 的 に 行 い 改 善 を 図 る DBR の 設 計 思 想 とも 合 致 する c. 英 語 教 育 フレームワークと 授 業 の 設 計 英 語 教 育 フレームワークと 授 業 の 設 計 では プレイスメント テストから 2 年 後 の 到 達 度 テス トまで 一 貫 した 英 語 教 育 のフレームワークを 構 築 し 電 子 化 した 入 試 過 去 問 題 を 2 年 間 の 必 修 英 語 科 目 の 授 業 で 活 用 することを 目 指 した この 目 的 を 実 現 するために まず 電 子 化 した 入 試 過 去 問 題 の 約 1,000 問 を 正 答 率 順 に 並 べ 替 え 20 問 ずつを 1 セットに 分 割 し 合 計 48 セットの 問 題 群 を 作 成 した さらに 48 セットの 問 題 群 を 12 セットずつに 4 分 割 し セット 1からセット 12 までを 基 礎 問 題 ( 正 答 率 99.1% 66.4%) セット 13 からセット 24 までを 標 準 問 題 ( 正 答 率 66.4% 52.7%) セット 25 からセット 36 ま でを 応 用 問 題 ( 正 答 率 52.6% 39.5%) セット 37 からセット 48 までを 発 展 問 題 ( 正 答 率 39.5% 3.2%)とした そして 1 年 生 前 期 の 配 当 科 目 である 英 語 Ⅰでは 基 礎 問 題 に 1 年 生 後 期 の 配 当 科 目 である 英 語 Ⅱでは 標 準 問 題 に 2 年 生 前 期 の 配 当 科 目 である 英 語 Ⅲでは 応 用 問 題 に そして 2 年 生 後 期 の 配 当 科 目 の 英 語 Ⅳでは 発 展 問 題 に 必 修 英 語 科 目 の 授 業 時 間 を 使 って 取 り 組 むことにした 授 業 内 で 問 題 に 取 り 組 む 時 間 は 20 分 から 30 分 とし 翌 週 には 前 週 分 の 問 題 の 小 テストを 行 う 授 業 サイクルを 授 業 の 円 環 20 を 参 考 にガイドラインとして 定 めた 問 題 項 目 は すべて 英 語 科 が 運 用 する 学 習 管 理 システム(Moodle)に 配 置 した 21 図 2 は 学 習 管 理 システム 上 に 配 置 された 基 礎 問 題 である 学 習 管 理 システム 上 には 入 試 過 去 問 題 の 他 に 語 学 研 修 プログラムの 動 画 独 自 に 開 発 した 動 画 文 法 教 材 外 部 の 単 語 学 習 問 題 および 多 読 用 の 動 画 へのリンクが 提 供 されている これらの 教 材 は インターネットに 接 続 された 端 末 であれば 学 外 からも 利 用 することができる 取 り 組 みの 成 果 は 各 学 年 の 前 期 および 後 期 の 最 終 授 業 のテストで 測 ることにした つまり 学 生 は プレイスメント テストの 受 験 を 含 め 2 年 間 の 必 修 英 語 科 目 履 修 期 間 合 計 5 回 のテ ストを 受 験 し 英 語 基 礎 力 の 伸 長 確 認 を 受 けることになる すべてのテストは 学 習 管 理 システム で 行 い テスト 結 果 は 学 年 別 学 部 別 レベル 別 クラス 別 そして 担 当 者 別 に 集 計 すること ができる 受 験 結 果 は テスト 項 目 教 材 そして 授 業 方 針 の 見 直 しなどに 活 用 する 方 針 である
流 通 科 学 大 学 における 英 語 教 育 フレームワークの 構 築 と 実 践 55 図 2. 学 習 管 理 システムの 教 材 一 例 3. 試 用 第 3 フェーズでは 全 学 の 英 語 Ⅱ Ⅳおよび 再 履 修 科 目 受 講 者 を 対 象 に β 版 の 試 用 を 行 った (2013 年 1 月 ) テスト 結 果 の 分 析 は 受 験 者 の 延 べ 人 数 (N = 1,489 名 )から 複 数 科 目 を 受 講 する 学 生 と 再 履 修 の 学 生 のスコアを 除 いて 行 った(n = 945 M = 41.19 SD = 9.31 図 3) 問 題 項 目 は ラッシュモデルを 使 って 分 析 した その 結 果 受 験 者 能 力 値 の 平 均 は-0.47 標 準 偏 差 は 0.54 受 験 者 能 力 値 の 信 頼 性 は.78 であった 項 目 難 度 の 平 均 は 0 標 準 偏 差 は 1.32 項 目 難 度 推 定 値 の 信 頼 性 は.97 であった 図 4 は 能 力 値 と 項 目 難 度 を 対 応 させたものである 図 4 より 能 力 値 との 対 応 において 項 目 難 度 の 低 い 問 題 群 と 高 い 問 題 群 とで フィットがあまり 良 くない ことが 分 かる 難 易 度 の 低 い 問 題 には 再 検 討 を 加 える 必 要 があるものの 難 易 度 の 高 い 問 題 に 関 しては 2 年 間 の 必 修 英 語 の 授 業 をとおして 確 実 に 身 に 付 けて 欲 しい 語 彙 と 文 法 項 目 なので 純 粋 な 意 味 でのミスフィットとは 言 い 難 い 全 体 として 極 端 なミスフィット(infit MSNQ 0.75 以 下 1.3 以 上 ) 22 は 確 認 されなかったことから β 版 の 100 問 を 採 用 し プレイスメント テスト ver. 1.0 とした
56 住 政 二 郎 トーマス シャロー 中 川 典 子 藤 岡 千 伊 奈 濱 田 真 由 美 山 本 勝 巳 図 3. β 版 の 結 果 図 4. β 版 の 能 力 値 と 項 目 難 度 の 対 応
流 通 科 学 大 学 における 英 語 教 育 フレームワークの 構 築 と 実 践 57 4. 実 践 第 4 フェーズでは プレイスメント テスト ver. 1.0 を 使 って 2013 年 度 入 学 者 の 内 英 語 専 修 の 学 生 653 名 を 対 象 に クラス 別 レベル 判 定 の 実 践 を 行 った(M = 37.31 SD = 11.45) ラッシ ュモデルによる 分 析 の 結 果 受 験 者 能 力 値 の 平 均 は-0.62 標 準 偏 差 は 0.60 受 験 者 能 力 値 の 信 頼 性 は.84 であった 項 目 難 度 の 平 均 は 0 標 準 偏 差 は 0.90 項 目 難 度 推 定 値 の 信 頼 性 は.99 であっ た 図 5 は 能 力 値 と 項 目 難 度 を 対 応 させたものである 図 5 より 難 易 度 の 低 い 問 題 のフィッ トが 改 善 されていることが 分 かる 全 体 としては 極 端 なミスフィットは 確 認 されなかったこと から プレイスメント テスト ver. 1.0 の 結 果 を 利 用 して クラス 別 レベル 判 定 を 行 った 図 6 は 2013 年 度 1 年 生 のプレイスメント テストと 2013 前 期 の 到 達 度 の 結 果 から 2 つのテ ストで 重 複 する 31 問 を 抜 粋 して 比 較 したものである(n = 451) 図 6 より 語 彙 文 法 項 目 が 授 業 をとおして 定 着 傾 向 にあることが 分 かる 図 5. PT ver. 1.0 の 能 力 値 と 項 目 難 度 の 対 応
58 住 政 二 郎 トーマス シャロー 中 川 典 子 藤 岡 千 伊 奈 濱 田 真 由 美 山 本 勝 巳 M = 19.04 SD = 6.25 M = 22.41 SD = 5.86 図 6. プレイスメントテストと 前 期 到 達 度 テストの 比 較 Ⅲ. 成 果 と 課 題 本 研 究 の 成 果 として 以 下 の 3 つをあげることができる 1 プレイスメント テスト ver. 1.0 を 開 発 したこと 2 クラス 分 けレベル 判 定 のための 確 率 モデルを 構 築 したこと 3 2 年 間 を 一 貫 した 英 語 教 育 フレームワークを 全 学 規 模 で 構 築 したこと 上 記 1によって 大 幅 な 人 的 コストおよび 予 算 の 削 減 を 実 現 した 2014 年 度 からはプレイスメ ント テストをコンピュータで 実 施 する 予 定 である 現 在 開 発 中 のクラス 分 けレベル 判 定 システ ムが 完 成 すれば プレイスメント テストからクラス 分 けまでの 作 業 をほぼ 自 動 化 することがで きる 上 記 2によって 教 育 実 践 に 即 した 形 でのクラス 分 けレベル 判 定 が 可 能 になった 確 率 モデル は 訓 練 と 学 習 を 繰 り 返 すことで 精 度 を 向 上 させることができる 構 築 された 確 率 モデルを 活 用 して 今 後 はコンピュータ 適 合 型 テスト(computer adaptive testing)の 開 発 に 取 り 組 む 予 定 である このシステムが 完 成 すれば より 簡 易 なクラス 分 けと 日 常 的 な 授 業 支 援 が 可 能 になる 上 記 3によって 授 業 をとおして 基 礎 英 語 力 を 養 成 し 定 点 的 且 つ 経 年 的 に 基 礎 英 語 力 を 客 観 的 な 指 標 で 測 定 できるようになった これは 学 生 だけではなく カリキュラムや 授 業 設 計 を 担 う 教 員 にとっても 大 きなメリットとなった 一 方 で 課 題 も 明 らかになった 構 築 された 英 語 教 育 フレームワークは 英 語 基 礎 力 の 養 成 を
流 通 科 学 大 学 における 英 語 教 育 フレームワークの 構 築 と 実 践 59 目 的 に 語 彙 文 法 の 設 問 で 構 成 されている 語 彙 文 法 の 設 問 だけでは 入 学 後 の 英 語 力 向 上 に 十 分 な 波 及 効 果 を 期 待 することは 難 しい 使 える 英 語 への 接 近 としても 不 十 分 である 語 彙 文 法 力 を 基 礎 としながらも 実 学 を 掲 げる 本 学 の 求 める 英 語 力 を 定 め そこに 接 近 し さらにそ の 成 果 を 測 定 できる 仕 組 み 作 りが 必 要 である 目 指 すのはネイティブ スピーカーの 英 語 ではな い この 認 識 に 基 づき 英 語 科 では 2015 年 度 の 初 年 次 改 革 に 向 けて 先 行 事 例 に 習 い 独 自 の Can-Do リストと 評 価 指 標 を 現 在 開 発 している 今 後 は 語 彙 文 法 力 を 養 成 しながら 授 業 と 連 動 し 実 学 を 掲 げる 本 学 の 求 める 英 語 力 に 接 近 し 得 るカリキュラム 開 発 に 取 り 組 む 予 定 である 流 通 科 学 大 学 英 語 科 では 本 実 践 をとおして 2 年 間 を 一 貫 した 英 語 教 育 フレームワークを 構 築 した 未 だ 課 題 も 多 く 残 されているが 実 践 をとおして 定 点 的 且 つ 経 年 的 に 学 生 の 英 語 力 を 客 観 的 に 測 定 できる 体 制 を 整 えた また 問 題 項 目 を 分 析 し その 結 果 をクラス 分 けレベル 判 定 に 活 用 する 手 法 も 新 たに 開 発 した 一 方 ではグローバル 化 に 伴 う 外 部 環 境 の 変 化 と 他 方 では 多 様 化 する 学 生 の 英 語 力 といった 内 部 環 境 の 変 化 への 対 応 を 迫 られる 軋 轢 の 中 で 本 実 践 をとおして 構 築 した 英 語 教 育 フレームワークは 本 学 における 英 語 教 育 をさらに 発 展 させるための 支 柱 にな るであろう 謝 辞 本 研 究 の 一 部 は JSPS 科 研 費 25870967 の 助 成 を 受 けたものである また 多 井 剛 准 教 授 ( 総 合 政 策 学 部 )にはシステム 環 境 設 定 のお 力 添 えを 頂 いた 引 用 文 献 注 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10) 西 井 泰 之 (2013, 6 月 3 日 ) ( 限 界 にっぽん) 第 3 部 超 国 家 企 業 と 雇 用 :7 海 外 まず 自 分 が 出 よう 朝 日 新 聞 東 京 都 教 育 委 員 会 報 告 書 (2013). 国 際 バカロレア 検 討 委 員 会 報 告 書 http://www.metro.tokyo.jp/inet/oshirase/2013/03/data/20n3s602.pdf 文 部 科 学 省 資 料 (2013). 国 際 バカロレアについて http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/ib/ 山 田 礼 子 (2008). 海 外 の 大 学 における 教 育 の 国 際 化 戦 略 カレッジマネジメント 148, 54 57. http://souken.shingakunet.com/college_m/2008_rcm148_54.pdf NHK (2013, 5 月 12 日 ). 人 生 に 寄 り 道 を~ 今 注 目 される ギャップイヤー NHK クローズアップ 現 代 文 部 科 学 省 資 料 (2013). 人 材 力 強 化 のための 教 育 改 革 プラン 国 立 大 学 改 革 グローバル 人 材 育 成 学 び 直 し 中 心 として http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/skkkaigi/dai7/siryou07.pdf グローバル 人 材 育 成 推 進 会 議 (2012). グローバル 人 材 育 成 戦 略 グローバル 人 材 育 成 推 進 会 議 報 告 書 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/global/ 山 本 勝 巳 東 淳 一 住 政 二 郎 (2012). ブレンド 型 英 語 学 習 環 境 の 構 築 と 実 践 流 通 科 学 大 学 論 集 人 間 社 会 自 然 編 24(2), 33 37. Sumi, S., & Takeuchi, O. (2013). The Cyclic Model of Learning: An Attempt Based on the DBR in an EFL context. In J. C. Rodriguez & C. Pardo-Ballester (Eds.), Design-based research in CALL (pp. 157 181). Texas: CALICO. Amiel, T., & Reeves, T. C. (2008). Design-based research and educational technology: Rethinking technology and the research agenda. Educational Technology & Society, 11(4), 29 40.
60 住 政 二 郎 トーマス シャロー 中 川 典 子 藤 岡 千 伊 奈 濱 田 真 由 美 山 本 勝 巳 11) 12) 13) 14) 15) 16) 17) 18) 19) 20) 21) 22) 一 般 財 団 法 人 国 際 ビジネスコミュニケーション 協 会 (2013). TOEIC Bridge とは http://www.toeic.or.jp/bridge/about/what/ 地 域 科 学 研 究 会 高 等 教 育 センター (2013). TOEFL テスト グローバル 人 材 育 成 を 目 指 す 大 学 における 活 用 大 学 社 会 の 求 める 英 語 力 /グローバル 人 材 のインフラ 学 力 担 保 としての 検 定 試 験 活 用 編 / 英 語 編 3-01 3-09. 信 頼 性 が 高 いことと 良 いテストは 同 義 ではない ( 参 照 : 靜 哲 人 (2002). 英 語 テスト 作 成 の 達 人 マニ ュアル 大 修 館 ) Morrow, K. (Ed.) (2004). Insights from the common European Framework. Oxford: Oxford University Press. 投 野 由 起 夫 ( 編 )(2013). CAN-DO リスト 作 成 活 用 英 語 到 達 度 指 標 CEFR-J ガイドブック 大 修 館 公 益 財 団 法 人 日 本 英 語 検 定 協 会 (2013). 英 検 Can-do リスト http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/cando/ 公 益 財 団 法 人 日 本 英 語 検 定 協 会 (2013). TEAP http://www.eiken.or.jp/teap/ 文 部 科 学 省 初 等 中 等 教 育 局 報 告 書 (2013). 各 中 高 等 学 校 の 外 国 語 教 育 における CAN-DO リスト の 形 での 学 習 到 達 目 標 設 定 のための 手 引 き http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/ icsfiles/afieldfile/2013/05/08/1332306_4.pdf 航 空 英 語 能 力 証 明 (http://www.japa.or.jp/topics/2007/0322/no99.pdf)の 取 り 組 みも 興 味 深 い これは 国 際 民 間 航 空 機 構 (http://www.icao.int)の 定 める 国 際 評 価 基 準 に 準 じて 国 内 で 開 発 されものである この 試 験 では 発 音 文 構 造 語 彙 流 暢 さ 理 解 力 および 対 応 力 の 6 項 目 が 測 定 される 各 項 目 に 対 しては レベル 1( 準 初 級 ) レベル 2( 初 級 ) レベル 3( 準 実 用 ) レベル 4( 実 用 ) レベル 5( 上 級 ) およびレベル 6( 専 門 家 )の 習 熟 度 別 レベル 判 定 がなされる すべての 項 目 でレベル 4 以 上 の 判 定 が 求 められ 1 つでもレ ベル 4 未 満 と 判 定 された 場 合 は 不 合 格 となる Sumi, S., & Takeuchi, O. (2008). Using an LMS for foreign teaching/learning: An attempt based on the Cyclic Model of Learning, The Journal of Information and System in Education, 7, 59 66. http://moodle.umds.ac.jp/ Bond, T., & Fox, C. (2007). Applying the Rash model: Fundamental measurement in the human sciences (2nd ed.). Mahwh, NJ:Lawrence Erlbaum Associates.