沖 縄 振 興 に 関 する 特 別 委 員 会 中 間 報 告 平 成 22 年 10 月 29 日 自 由 民 主 党 政 務 調 査 会 沖 縄 振 興 に 関 する 特 別 委 員 会 はじめに 沖 縄 は 日 本 国 土 のわずか 0.6%を 占 めるにすぎないが そこに 在 日 米 軍 専 用 施 設 の74%が 集 中 している そして この 日 米 安 全 保 障 条 約 に 基 づく 基 地 の 存 在 が 日 本 の 安 全 保 障 の 重 要 な 柱 となっている 先 の 大 戦 末 期 沖 縄 は 国 内 において 唯 一 の 地 上 戦 が 行 われた 土 地 であり そ の 中 で 沖 縄 の 住 民 は 推 計 で 約 94,000 人 が 犠 牲 になったと 言 われている また 戦 後 沖 縄 県 は 27 年 間 米 国 の 施 政 の 下 にあったため 本 土 復 帰 まで 他 の 自 治 体 のように 政 府 から 十 分 な 支 援 を 受 けられない 状 況 が 続 いた この 沖 縄 の 歴 史 は 戦 後 の 沖 縄 の 発 展 に 特 殊 性 を 与 えた しかし この 点 や 沖 縄 が 引 き 続 き 背 負 っている 安 全 保 障 上 の 負 担 について 十 分 な 認 識 を 持 たず に 平 和 と 安 定 を 享 受 している 日 本 国 民 が 尐 なからずいる また 沖 縄 の 歴 史 的 地 理 的 自 然 的 文 化 的 社 会 的 な 多 様 性 を 活 かした 発 展 の 在 り 方 は 我 が 国 21 世 紀 の 成 長 のモデルになると 期 待 される 我 々はこれら 諸 点 について 理 解 を 深 める 必 要 がある 新 たな 沖 縄 振 興 策 の 必 要 性 (1) 本 土 復 帰 後 40 年 近 くの 間 沖 縄 振 興 のために 多 くの 政 策 が 実 施 された それらは 一 定 の 効 果 を 上 げたものの なお 県 民 所 得 は 全 国 47 都 道 府 県 中 最 低 であり 失 業 率 は 最 も 高 い さらに 沖 縄 本 島 が 多 くの 離 島 を 抱 えた 離 島 であるという 地 理 的 条 件 や 全 国 一 律 の 経 済 対 策 が 例 えばエコポイント のように 製 造 業 の 比 率 の 低 い 沖 縄 においては 十 分 な 効 果 をもたらさないな どの 産 業 構 造 の 条 件 が 沖 縄 の 発 展 に 制 約 を 課 している したがって 今 後 とも 引 き 続 き 格 差 是 正 のための 様 々な 施 策 が 必 要 であり その 際 沖 縄 の 特 殊 性 に 対 する 配 慮 が 不 可 欠 である (2) 東 アジアにおける 安 全 保 障 環 境 には 依 然 厳 しいものがあり その 東 アジ アの 中 心 に 広 大 な 経 済 水 域 を 有 する 沖 縄 の 地 理 的 歴 史 的 条 件 により 我 が 1
国 及 び 東 アジアの 平 和 と 安 定 への 役 割 はますます 重 要 になっている 沖 縄 の 振 興 は この 意 味 においても 重 要 な 課 題 である すなわち 発 展 し 安 定 し た 沖 縄 の 存 在 がアジアの 平 和 と 安 定 のために 重 要 であり また アジアの 経 済 の 繁 栄 は 平 和 と 安 定 の 下 でのみ 可 能 である 他 方 で 沖 縄 は 既 に 多 くの 基 地 を 抱 えており 沖 縄 の 負 担 軽 減 は 喫 緊 の 課 題 である 我 が 国 は 国 を 挙 げて 沖 縄 の 振 興 と 負 担 軽 減 のための 各 般 の 取 組 を 行 う 必 要 がある (3) 世 界 経 済 のグローバル 化 の 進 展 と 世 界 の 成 長 センターとしてのアジア の 発 展 は 沖 縄 に 今 までなかった 一 つの 機 会 をもたらしている 沖 縄 は 地 理 的 に 発 展 するアジアの 中 心 に 存 在 している ほとんどのアジアの 主 要 都 市 は 那 覇 から 4 時 間 圏 内 にあり これは 日 本 やアジアの 他 のどの 都 市 も 追 従 できない 沖 縄 の 持 つ 絶 対 的 強 みである また 沖 縄 はアジアの 国 からは 日 本 への 入 口 であり アジアの 人 たちに 親 近 感 を 抱 いてもらえる 土 地 柄 でもあ る しかしながら 沖 縄 がこの 機 会 を 十 二 分 に 活 用 するためには アジアの 国 並 みの 競 争 的 環 境 を 持 つ 必 要 がある 復 帰 後 沖 縄 は 特 に 遅 れをとってい た 社 会 資 本 整 備 の 格 差 是 正 を 中 心 に 他 の 地 域 よりも 手 厚 い 支 援 を 受 けてき たが 今 後 はこれに 加 えて グローバルな 競 争 に 勝 ち 抜 くための 支 援 が 必 要 である 我 が 国 は 全 体 として 高 コストであり 規 制 も 厳 しいので コスト 面 や 規 制 面 で 沖 縄 がより 自 由 にアジアにおける 競 争 に 参 加 できるような 税 制 及 び 規 制 改 革 等 の 支 援 が 必 要 である 強 く 自 立 した 沖 縄 に 向 けた 施 策 の 考 え 方 沖 縄 の 発 展 の 方 向 は 県 民 によって 決 定 されるべきである 沖 縄 県 は 本 年 3 月 県 民 の 総 意 を 集 約 した 沖 縄 21 世 紀 ビジョン を 発 表 している 本 委 員 会 の 中 間 報 告 書 は この 沖 縄 県 民 の 考 えを 十 分 に 尊 重 し その 実 現 化 を 支 援 するもの である 沖 縄 振 興 の 施 策 は 今 一 つの 分 岐 点 にさしかかっている 一 つは 日 本 の 厳 しい 財 政 事 情 である 今 後 必 要 な 財 源 の 確 保 を 前 提 とし 2
た 上 で 民 間 資 金 外 資 等 を 適 切 に 活 用 することによって 財 源 を 確 保 し 保 護 ではなく 自 立 した 振 興 を 図 る 仕 組 みを 考 える 必 要 がある 二 つ 目 は 経 済 のグローバル 化 や 日 本 全 体 の 経 済 のソフト 化 に 伴 い ハード なインフラからソフトなインフラへ 国 内 から 国 際 へ と 振 興 の 軸 足 を 変 える 必 要 があることである 今 後 の 振 興 の 枞 組 み 財 源 施 策 執 行 の 在 り 方 を 考 える 際 に これらのこと を 踏 まえることが 重 要 である 施 策 の 概 要 (1) 振 興 策 の 新 たな 枞 組 みの 設 定 ア) 強 く 自 立 した 沖 縄 のための 特 別 措 置 法 ( 仮 称 ) の 制 定 沖 縄 の 米 軍 基 地 は 現 在 の 沖 縄 の 振 興 策 の 枞 組 みとなっている 沖 縄 振 興 特 別 措 置 法 は 平 成 23 年 度 で 期 限 切 れとなる これに 代 わる 新 たな 法 的 枞 組 みが 必 要 であり 切 れ 目 なく 振 興 事 業 が 実 施 できるよう 自 民 党 は 他 の 野 党 の 意 見 も 踏 まえ 新 法 を 議 員 立 法 で 提 案 し 沖 縄 21 世 紀 ビジョン のもと 県 が 策 定 す る 基 本 計 画 を 法 律 に 位 置 付 け 支 援 する イ) 新 たな 跡 地 利 用 法 の 制 定 普 天 間 飛 行 場 の 移 設 に 伴 う 返 還 土 地 汚 染 の 除 去 不 発 弾 の 処 理 等 の 諸 問 題 に 対 応 するための 新 法 ( 現 軍 転 特 措 法 及 び 現 沖 振 法 7 章 の 一 元 化 並 びに 拡 充 ) の 制 定 が 必 要 である このうち 普 天 間 飛 行 場 返 還 後 の 跡 地 利 用 については 沖 縄 県 の 県 土 構 造 の 再 編 につながる 大 きなチャンスである 一 方 事 業 主 体 ( 地 元 の 関 与 国 の 関 与 ) 手 法 等 具 体 的 にどのようにしていくか 大 きな 課 題 が 存 在 する いずれにしても まず 沖 縄 県 において 検 討 を 進 めることが 必 要 であ り その 提 案 に 基 づき 国 は 対 応 すべきである ウ) 沖 縄 に 対 する 自 由 度 の 高 い 財 政 措 置 振 興 事 業 の 実 施 に 当 たっては 沖 縄 県 の 創 意 が 生 かされるように 自 由 度 の 高 い 財 政 措 置 予 算 の 一 括 交 付 金 化 が 必 要 である その 際 全 国 一 律 の 基 準 ではなく 沖 縄 県 の 特 殊 性 に 配 慮 した 基 準 例 えば 外 洋 離 島 や 海 域 面 積 なども 基 準 とすべきである また 国 全 体 として 財 政 が 厳 しい 状 況 にある が 従 来 の 一 括 計 上 分 については 約 3000 億 円 ( 過 去 10 年 間 の 平 均 値 )を 3
確 保 すべきである エ) 税 制 国 内 外 から 企 業 誘 致 等 投 資 を 呼 び 込 み 様 々な 産 業 が 沖 縄 に 根 を 張 る 環 境 を 整 備 する 観 点 から 企 業 が 沖 縄 で 事 業 展 開 できる 税 制 上 の 優 遇 措 置 例 えば 法 人 税 の 軽 減 措 置 等 具 体 的 に 検 討 すべきである また 地 場 産 業 の 育 成 の 観 点 から 酒 税 や 揮 発 油 税 の 軽 減 措 置 については 引 き 続 き 実 行 していく さらに 観 光 振 興 につながる 航 空 機 燃 料 税 等 について も さらなる 軽 減 が 必 要 である オ) 沖 縄 への 投 資 促 進 策 国 内 だけではなく 世 界 の 投 資 家 が 投 資 したくなる 沖 縄 の 潜 在 力 をいかん なく 発 揮 できるような 制 度 設 計 環 境 の 整 備 などの 戦 略 的 な 投 資 誘 導 策 を 検 討 する 例 えば 美 ら 島 ファンド( 仮 称 ) などの 基 金 を 民 間 主 導 で 創 設 し 沖 縄 の 発 展 につながる 投 資 を 呼 び 込 んでいくことも 検 討 する その 際 外 国 人 に 対 する 土 地 リース 制 度 を 検 討 する カ) 政 策 金 融 の 活 用 地 域 産 業 の 振 興 や 新 たな 産 業 分 野 の 創 出 離 島 の 振 興 基 地 返 還 跡 地 の 開 発 など 今 後 とも 多 額 の 資 金 需 要 が 見 込 まれる 沖 縄 振 興 開 発 金 融 公 庫 は 現 在 においても 沖 縄 県 において 各 種 プロジェ クト 中 小 企 業 に 対 するセーフティーネット さらには 民 間 金 融 機 関 の 補 完 を 行 うなど 大 きな 役 割 を 担 っている 今 後 の 安 定 的 な 政 策 金 融 公 庫 の 在 り 方 に 対 する 沖 縄 県 の 懸 念 に 十 分 配 慮 す る 必 要 がある キ) 単 独 州 創 設 を 見 通 した 一 国 二 制 度 的 な 沖 縄 特 区 の 導 入 沖 縄 の 振 興 のためにはグローバルな 基 準 にのっとった 他 のアジア 諸 国 に 劣 後 しない 競 争 環 境 が 必 要 である このため 沖 縄 に 対 しては 現 在 と 比 しても 更 に 深 堀 りした 一 国 二 制 度 的 な 支 援 及 び 規 制 の 緩 和 が 必 要 である そのために 将 来 的 に 道 州 制 導 入 に 際 しては 沖 縄 を 単 独 で 州 とし それまでの 間 は 沖 縄 特 区 を 創 設 し 韓 国 と 同 じレベルの 規 制 緩 和 措 置 をとることを 検 討 する ク) 総 合 事 務 局 の 在 り 方 の 見 直 し 沖 縄 総 合 事 務 局 は 従 来 の 振 興 の 経 緯 から 社 会 保 障 教 育 文 化 科 学 技 術 等 の 部 局 が 入 っていない これら 分 野 について 沖 縄 県 と 国 との 連 携 を 深 める 4
方 策 を 検 討 するとともに 権 限 を 順 次 県 に 委 譲 する さらに 沖 縄 総 合 事 務 局 の 在 り 方 についても 事 務 権 限 を 精 査 し 引 き 続 き 国 において 担 うべき 以 外 の 事 務 は 県 に 移 管 して 効 率 的 な 行 政 と 議 会 のガバナンスの 確 保 を 図 る ケ) 戦 後 処 理 問 題 住 民 を 巻 き 込 んだ 大 規 模 な 地 上 戦 が 行 われた 沖 縄 戦 に 起 因 する 不 発 弾 対 策 遺 骨 収 集 所 有 者 不 明 土 地 の 解 消 等 戦 後 の 諸 課 題 について 真 摯 に 取 り 組 みを 行 い 着 実 に 解 消 していく コ) 過 重 な 基 地 負 担 軽 減 のための 取 組 沖 縄 県 は 戦 後 65 年 を 経 た 現 在 でも 基 地 に 起 因 する 事 件 事 故 騒 音 環 境 汚 染 等 の 負 担 を 背 負 い 続 けている 沖 縄 県 民 の 基 地 負 担 は 大 変 重 い 今 後 振 興 の 実 を 上 げていくためにも 負 担 の 軽 減 について 政 治 がしっかり 取 り 組 む (2) 沖 縄 にしかない 強 みを 活 かす 振 興 策 ア) 物 流 産 業 の 育 成 と 付 加 価 値 向 上 沖 縄 は 那 覇 から 主 要 なアジアの 都 市 まで 4 時 間 で 行 けるというアジアの 中 心 に 位 置 している 那 覇 空 港 は 24 時 間 稼 働 しているので ここを 物 流 の 結 節 点 と すれば 物 品 をアジアから 日 本 に あるいは 日 本 からアジアへ 翌 朝 使 用 可 能 な 形 で 輸 送 することが 可 能 であり これは 本 土 のどこにもない 強 みである 今 後 この 機 能 を 更 に 強 化 するとともに 保 税 区 域 内 での 組 み 立 て 加 工 機 能 を 拡 大 し 例 えば 生 鮮 食 品 のリパケージのような B to B や 生 鮮 食 品 宅 配 のための リパケージなどの B to C 等 アジアと 日 本 の 間 の 双 方 向 のビジネスモデルを 確 立 することが 可 能 である これは 我 が 国 の 農 林 水 産 品 の 輸 出 拡 大 にも 資 する このための 那 覇 港 地 区 の 整 備 保 税 地 域 の 拡 張 動 植 物 検 疫 の 24 時 間 稼 働 手 続 の 簡 素 化 及 び 本 土 やアジアにおける 集 荷 機 能 の 充 実 などの 取 組 が 必 要 であ る さらに 離 発 着 陸 料 及 び 航 空 機 燃 料 税 等 の 更 なる 軽 減 が 必 要 である イ) 医 療 介 護 産 業 の 育 成 沖 縄 は 気 候 温 暖 の 地 であり 医 療 介 護 産 業 のポテンシャルが 高 い 花 粉 症 等 アレルギー 患 者 への 長 期 滞 在 型 医 療 も 可 能 である また スポーツが 盛 んで あることから スポーツ 医 学 の 可 能 性 も 高 い アジアの 人 も 滞 在 しやすいこと から 外 国 の 人 材 も 含 む 介 護 人 材 の 訓 練 センターの 設 立 と 訓 練 実 施 も 有 望 であ ると 考 えられる また アジアからのリハビリや 高 度 医 療 を 求 めての 来 日 需 要 に 対 応 するために リハビリについては 中 国 を 含 むアジアにおける 窓 口 の 設 立 が 必 要 である 高 度 先 進 医 療 ( 例 えば 重 粒 子 線 ガン 治 療 等 )については 沖 5
縄 科 学 技 術 大 学 院 大 学 との 連 携 を 前 提 に 検 討 する ウ) 伝 統 的 文 化 の 新 たな 発 展 を 支 援 歌 踊 り サンシンなどの 沖 縄 独 特 の 文 化 をうまく 現 代 大 衆 文 化 に 融 合 させ 商 品 として 魅 力 あるものにする 沖 縄 の 食 文 化 酒 文 化 に 着 目 した 各 地 の 特 産 品 料 理 等 に 付 加 価 値 をつける 取 組 も 有 望 であり これら 取 組 の 広 報 や 支 援 を 行 う 沖 縄 において 各 アーチストがバラバラに 存 在 していることから 産 業 に 結 びつきにくく 全 体 を 捉 える 司 令 塔 が 重 要 であり 育 成 のための 支 援 が 必 要 で ある また 知 的 財 産 の 保 護 が 重 要 であるので 現 在 ある 沖 縄 地 域 知 的 財 産 戦 略 本 部 の 強 化 が 必 要 である エ) 環 境 エネルギー 産 業 の 育 成 沖 縄 では 現 在 宮 古 島 においてバイオエタノールの 実 証 事 業 及 びマイクログリ ッド 実 証 事 業 が 行 われている また 昨 年 6 月 沖 縄 とハワイとの 間 でクリー ンエネルギーに 関 するタスクフォースの 合 意 がされた このように 沖 縄 は ク リーン エネルギー 研 究 の 拠 点 となり 得 るほか 豊 富 な 海 水 を 活 用 するエネル ギーの 研 究 開 発 実 証 事 業 等 可 能 性 が 大 きい 島 しょ 性 から 循 環 型 社 会 構 築 太 平 洋 諸 島 への 技 術 移 転 アジアをも 視 野 に 入 れた 都 市 鉱 山 産 業 の 発 展 等 も 有 望 である オ) 起 業 家 の 支 援 これら 産 業 分 野 での 起 業 を 志 す 人 材 育 成 を 行 うなど 起 業 を 支 援 を 行 うため 各 種 講 座 の 実 施 に 加 え 国 内 外 の 先 進 企 業 研 究 機 関 への 研 修 派 遣 を 行 い それぞれの 分 野 の 専 門 技 術 の 習 得 経 営 販 売 サービス 等 のスキルを 身 に 付 けた 人 材 の 育 成 を 図 る また ファンドの 創 設 や 専 門 家 による 指 導 など 研 究 開 発 から 事 業 化 まで の 技 術 面 資 金 面 経 営 面 の 総 合 的 な 創 業 支 援 体 制 の 整 備 を 行 う 必 要 がある (3) 交 流 の 結 節 点 であることを 活 かす 振 興 策 ア) 観 光 産 業 の 育 成 近 年 沖 縄 を 訪 れる 観 光 客 は 増 加 の 一 途 にあるが 更 なる 増 加 が 期 待 される そのポテンシャルを 現 実 のものとするためには 那 覇 空 港 国 際 ターミナルの 増 改 築 2 本 目 滑 走 路 の 建 設 ビザを 不 要 とする 範 囲 の 拡 大 ( 中 国 からのビジネス 客 など)が 必 要 である また 本 島 内 の 交 通 利 便 性 向 上 と 低 炭 素 社 会 実 現 のた め 鉄 軌 道 を 含 む 公 共 交 通 システムの 改 善 を 図 る 那 覇 港 において 国 際 観 光 リゾート 産 業 の 振 興 に 資 する 国 際 クルーズに 対 6
応 した 旅 客 ターミナルの 早 期 整 備 を 推 進 する また フェリーターミナルの 整 備 を 推 進 する さらに 沖 縄 の 道 路 沿 いの 樹 枝 と 雑 草 の 繁 茂 が 観 光 客 や 交 通 の 妨 げになって いる 現 状 にかんがみ 樹 木 等 の 手 入 れのための 支 援 について 必 要 な 予 算 の 確 保 を 行 う イ) 情 報 通 信 関 連 産 業 の 高 度 化 多 様 化 コールセンターを 始 めとする 多 くの 企 業 が 県 内 に 進 出 し 情 報 通 信 関 連 産 業 は 観 光 産 業 に 次 ぐリーディング 産 業 として 成 長 している 今 後 も 一 層 の 企 業 集 積 を 図 り 雇 用 の 場 を 確 保 するとともに ソフトウェア 開 発 業 等 の 高 度 化 多 様 化 を 進 めなければならない そのため 現 行 の 特 区 制 度 に 関 する 要 件 の 緩 和 やソフトウェア 業 等 の 対 象 業 種 への 追 加 高 度 情 報 人 材 の 確 保 に 必 要 な 制 度 の 創 設 等 が 必 要 である また 沖 縄 の 地 理 的 優 位 性 を 活 かしたGIXの 構 築 や 沖 縄 IT 津 梁 パーク の 活 用 等 を 通 じて アジアの 国 際 情 報 通 信 ハブの 形 成 を 目 指 す ウ) 金 融 関 連 業 務 の 集 積 促 進 沖 縄 には 国 内 唯 一 の 金 融 特 区 があるにもかかわらず 従 業 員 要 件 の 厳 しさ 等 か ら 制 度 の 活 用 と 企 業 の 集 積 が 十 分 とは 言 えない 現 行 制 度 を 抜 本 的 に 見 直 すと ともに キャプティブ 保 険 会 社 設 立 等 に 関 する 金 融 規 制 の 緩 和 や 高 度 金 融 人 材 の 確 保 に 必 要 な 制 度 創 設 が 必 要 である また 成 長 著 しいアジア 地 域 への 投 資 を 促 進 するため 国 内 唯 一 の 特 区 を 活 かした 投 資 窓 口 としての 機 能 追 加 等 を 検 討 する エ) 学 術 面 での 国 際 交 流 と 人 材 育 成 ( 教 育 ) 沖 縄 科 学 技 術 大 学 院 大 学 構 想 を 当 初 の 理 念 (ベスト イン ザ ワールド) に 沿 って 国 際 スタンダードのセンターにする 県 内 の 小 中 高 校 で 英 語 に 加 えて 複 数 の 外 国 語 教 育 を 推 進 し 特 に 実 際 の 生 活 や ビジネスの 場 で 使 える 外 国 語 教 育 を 推 進 し アジアを 始 めとする 諸 外 国 との 教 育 交 流 の 抜 本 的 拡 充 により グローバルな 視 点 を 持 った 教 育 の 実 現 を 図 る また 沖 縄 の 子 供 たちの 学 力 増 進 策 を 検 討 し 学 力 テスト 最 下 位 に 見 られるよ うな 教 育 格 差 の 解 消 を 図 る 一 方 教 員 の 指 導 方 針 保 護 者 の 意 識 改 革 など 生 徒 を 取 り 巻 く 環 境 の 検 証 IT 等 の 活 用 など 教 育 インフラ 環 境 整 備 を 行 う 一 方 離 島 在 住 者 の 高 校 進 学 のための 離 島 会 館 の 設 立 を 検 討 する 7
さらに 特 色 ある 教 育 を 理 念 として 沖 縄 の 多 様 な 教 育 の 機 会 を 提 供 している 私 学 に 対 する 振 興 を 図 る (4) 発 展 基 盤 の 強 化 ア) 離 島 の 発 展 基 盤 の 強 化 沖 縄 は 本 島 のほかに39もの 有 人 離 島 が 存 在 し 離 島 人 口 が 減 尐 しつつある 離 島 の 経 済 基 盤 の 強 化 は 我 が 国 の 安 全 保 障 の 観 点 からも 重 要 である このた め 本 島 との 間 の 交 通 料 金 の 補 助 学 業 のために 島 を 離 れざるを 得 ない 子 供 た ちへの 帰 省 旅 費 の 補 助 を 行 う イ) 本 土 離 島 間 の 鉄 道 道 路 航 路 の 一 体 化 本 土 奄 美 群 島 沖 縄 本 島 離 島 を 結 ぶ 航 路 を 海 の 鉄 道 国 道 として 鉄 道 及 び 道 路 と 一 体 のものと 考 え それらに 適 用 される 各 種 制 度 や 補 助 等 を 各 般 の 施 策 に 活 用 し 交 通 ネットワークの 格 差 是 正 を 図 る ウ) 農 業 及 び 水 産 業 の 振 興 沖 縄 には サトウキビやパイナップル シークヮーサーなど 優 位 性 のある 農 産 物 が 多 く 存 在 する 一 方 中 国 や 台 湾 シンガポールなどアジア 各 国 は 経 済 発 展 が 著 しく こうした 地 域 に 高 付 加 価 値 な 農 水 産 物 を 売 り 込 むことは 沖 縄 県 の 経 済 的 自 立 につながることである 実 際 にニーズのある 美 味 しい 農 産 物 魅 力 的 な 農 産 加 工 品 の 開 発 支 援 輸 送 コスト 支 援 等 いかに 農 水 産 物 に 高 付 加 価 値 をつけ それをどう 売 り 込 んでいくのかについて 地 域 資 源 の 発 掘 開 発 売 り 込 みに 関 する 具 体 的 な 方 策 を 検 討 していく さらに 漁 業 者 が 操 業 を 安 心 安 全 に 行 えるよう 対 策 を 講 ずる エ) 渇 水 対 策 及 び 水 技 術 移 転 沖 縄 本 島 においてはこれまでのダム 建 設 により 水 資 源 の 確 保 については ある 程 度 充 足 しつつある 今 後 は 財 政 基 盤 が 脆 弱 な 小 規 模 離 島 の 自 治 体 にお ける 財 政 負 担 や 渇 水 時 の 対 応 を 進 めて 全 県 的 に 安 定 的 に 水 の 供 給 をするため 水 道 事 業 の 広 域 化 等 の 対 策 が 必 要 であるまた ローコストで 小 規 模 な 海 水 淡 水 化 の 技 術 を 確 立 し アジア 太 平 洋 地 域 の 島 嶼 国 への 支 援 等 国 際 貢 献 の 取 組 を 進 める オ)アジア 太 平 洋 地 域 の 災 害 援 助 の 拠 点 形 成 災 害 ( 台 風 ) 対 策 沖 縄 の 地 理 的 特 性 を 活 かし 我 が 国 の 防 災 医 療 分 野 の 組 織 人 材 技 術 施 設 を 集 約 し アジア 太 平 洋 地 域 の 災 害 援 助 の 拠 点 を 形 成 し アジア 太 平 8
洋 地 域 の 平 和 と 安 全 に 貢 献 する 地 域 とする 台 風 の 通 り 道 である 沖 縄 県 は 今 後 も 災 害 に 強 いまちづくりを 進 めていかな くてはならない 先 日 発 生 した 奄 美 群 島 における 豪 雨 災 害 は 島 しょ 部 災 害 対 策 に 大 きな 課 題 を 残 した こうした 島 における 災 害 対 策 について 改 めて 問 題 点 を 検 証 し 安 心 安 全 の 県 づくりにつなげていくべきである (5)その 他 ア) 沖 縄 に 対 する 認 識 強 化 のための 国 民 への 働 き 掛 け 国 民 の 沖 縄 に 対 する 理 解 を 深 めるためには 多 くの 国 民 が 沖 縄 を 見 触 れる 機 会 が 必 要 である 例 えば 大 小 の 国 際 会 議 や 国 内 会 議 などを 沖 縄 で 開 催 する このため 学 習 指 導 要 領 における 沖 縄 関 連 記 述 ( 歴 史 安 全 保 障 等 )の 増 加 や 内 閣 府 沖 縄 振 興 局 にある 沖 縄 戦 関 係 資 料 閲 覧 室 への 訪 問 者 の 増 大 に 努 めるほか 沖 縄 に 関 する 政 府 広 報 を 含 めたマスコミからの 情 報 発 信 を 強 化 する また 沖 縄 の 歴 史 や 重 要 性 を 日 本 の 子 供 たちに 正 しく 認 識 してもらうため に 沖 縄 への 修 学 旅 行 を 推 進 する イ)2000 円 札 の 活 用 平 成 12 年 の 九 州 沖 縄 サミットを 機 に2000 円 札 が 発 行 された しかし ATMやレジにおける 使 用 の 煩 わしさ 等 により 市 場 に 流 通 することはほとん どない 現 状 となっている 2000 円 札 の 流 通 を 沖 縄 への 国 民 の 関 心 を 高 める ことにつなげるため 流 通 が 進 む 方 策 を 具 体 的 に 検 討 していくべきであり ま ず 自 民 党 ホームページにおいて 活 用 策 を 公 募 する また 流 通 に 取 り 組 む 団 体 等 を 支 援 する 9
自 由 民 主 党 沖 縄 振 興 に 関 する 特 別 委 員 会 新 たな 沖 縄 振 興 策 中 間 報 告 国 民 の 理 解 を 深 める 必 要 性 先 の 大 戦 遅 れた 本 土 復 帰 等 の 歴 史 的 経 緯 安 全 保 障 上 の 負 担 軽 減 21 世 紀 のわが 国 の 成 長 モデルになり 得 る 沖 縄 の 発 展 新 たな 振 興 策 の 必 要 性 経 済 格 差 の 是 正 日 本 アジアの 平 和 維 持 地 理 的 優 位 性 の 活 用 国 民 の 沖 縄 理 解 強 化 2000 円 札 の 活 用