荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 基 本 構 想 中 間 報 告 書 平 成 24 年 7 月 荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 検 討 委 員 会
目 次 1.はじめに... 1 1.1 背 景... 1 1.2 委 員 会 の 設 置 目 的 や 役 割... 1 2. 跡 地 概 要... 2 2.1 跡 地 の 経 緯 及 び 地 勢... 2 2.2 跡 地 の 資 産 概 要... 5 2.3 平 成 24 年 度 の 跡 地 利 用 状 況... 6 3. 跡 地 活 用 に 関 係 する 荒 尾 市 の 各 種 計 画... 7 3.1 第 5 次 荒 尾 市 総 合 計 画... 7 3.2 国 土 利 用 計 画 ( 荒 尾 市 計 画 )... 9 3.3 荒 尾 市 都 市 計 画 マスタープラン... 10 3.4 荒 尾 市 住 宅 マスタープラン... 12 3.5 各 種 計 画 のまとめ... 13 4. 跡 地 活 用 の 基 本 コンセプトとまちづくりの 方 向 性... 14 4.1 近 年 の 社 会 情 勢... 14 4.2 荒 尾 市 の 地 域 特 性... 15 4.3 荒 尾 市 の 主 要 課 題... 16 4.4 跡 地 活 用 へ 向 けた 基 本 コンセプトと 活 用 の 方 向 性... 17 5. 今 後 の 進 め 方... 22 参 考 資 料... 23
1.はじめに 1.1 背 景 昭 和 3 年 の 設 立 以 来 荒 尾 市 を 代 表 するレジャー 施 設 であった 荒 尾 競 馬 は これまで 地 域 のシ ンボル 的 な 存 在 として 県 内 外 の 多 くの 人 々に 健 全 娯 楽 として 親 しまれてきた 昭 和 23 年 の 新 競 馬 法 施 行 を 踏 まえ 昭 和 30 年 には 熊 本 県 と 荒 尾 市 による 一 部 事 務 組 合 として 荒 尾 競 馬 組 合 が 設 立 さ れ 以 後 荒 尾 競 馬 組 合 による 事 業 運 営 が 行 われることとなった 競 馬 事 業 が 果 たした 役 割 としては 雇 用 や 消 費 による 地 域 経 済 への 波 及 効 果 や 競 馬 事 業 の 収 益 配 分 による 地 方 財 政 への 寄 与 など が 挙 げられ 荒 尾 市 には 累 積 で 約 87 億 5 千 万 円 の 繰 り 出 しが 行 われてきた しかしながら 平 成 9 年 の 三 井 三 池 炭 鉱 の 閉 山 や 景 気 の 低 迷 レジャーの 多 様 化 等 によって 競 馬 事 業 の 売 上 は 大 幅 に 減 少 し 平 成 10 年 度 には 単 年 度 収 支 が 赤 字 となるなど 以 後 厳 しい 経 営 状 況 が 続 くこととなった これまで 売 上 向 上 や 経 費 削 減 を 通 じた 経 営 健 全 化 を 図 るため 荒 尾 競 馬 短 期 自 主 経 営 健 全 化 計 画 や 荒 尾 競 馬 あり 方 検 討 会 の 提 言 内 容 などに 基 づく 取 り 組 みが 行 わ れてきたが 競 馬 事 業 の 将 来 性 や 荒 尾 市 の 財 政 への 影 響 などから 荒 尾 市 は 平 成 23 年 9 月 議 会 にて 競 馬 事 業 の 廃 止 を 表 明 し 同 年 12 月 をもって 競 馬 事 業 が 終 了 したところである 競 馬 事 業 の 廃 止 に 伴 い 生 じる 主 な 課 題 としては 約 13 億 6 千 万 円 の 累 積 赤 字 の 解 消 や 競 馬 事 業 関 係 者 の 離 職 による 再 就 職 支 援 が 存 在 するが もう 一 つの 大 きな 課 題 として 約 26 ヘクタールに 及 ぶ 競 馬 場 跡 地 ( 以 下 跡 地 という )の 効 果 的 な 活 用 が 挙 げられる 平 成 23 年 度 末 で 荒 尾 競 馬 組 合 が 解 散 することにより 荒 尾 競 馬 組 合 が 所 有 する 土 地 や 建 物 等 の 財 産 は 全 て 荒 尾 市 へ 継 承 されることとなったため 荒 尾 市 は 平 成 24 年 1 月 に 荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 検 討 委 員 会 ( 以 下 委 員 会 という ) を 設 置 し 外 部 有 識 者 などによる 多 角 的 な 視 点 から 活 用 方 法 を 検 討 することとした 1.2 委 員 会 の 設 置 目 的 や 役 割 委 員 会 は 荒 尾 市 長 の 委 嘱 任 命 によって 組 織 された 機 関 であり 委 員 は 学 識 経 験 者 経 済 団 体 市 民 団 体 行 政 機 関 職 員 ら 合 計 10 名 によって 構 成 されており その 任 期 は 平 成 25 年 3 月 31 日 までとなっている 委 員 会 の 主 な 検 討 事 項 としては 跡 地 に 係 る 利 活 用 の 可 能 性 検 証 や 土 地 整 理 手 法 などを 取 り 扱 うこととしており 今 回 の 中 間 報 告 書 策 定 に 至 るまでに 計 5 回 の 審 議 を 重 ね 跡 地 や 荒 尾 市 の 地 域 特 性 に 関 する 意 見 交 換 や 跡 地 活 用 の 方 向 性 について 検 討 を 行 ってきたところであ る 1
2. 跡 地 概 要 2.1 跡 地 の 経 緯 及 び 地 勢 経 緯 跡 地 は 荒 尾 市 の 北 西 部 に 位 置 する 干 拓 事 業 によって 安 政 3 年 ( 西 暦 1856 年 )に 完 成 した 土 地 であり 当 時 は 農 耕 地 として 用 いられていた この 地 で 正 式 に 競 馬 事 業 が 開 始 されたのは 昭 和 3 年 の 競 馬 施 行 法 認 可 後 であり 以 後 競 馬 事 業 が 廃 止 される 平 成 23 年 までの 83 年 の 間 健 全 娯 楽 の 提 供 による 交 流 の 場 調 教 師 騎 手 厩 務 員 等 の 競 馬 関 係 者 の 就 労 の 場 及 び 居 住 の 場 としての 役 割 を 担 うこととなる 競 馬 事 業 開 始 当 時 は 競 馬 場 と 農 地 が 混 在 する 利 用 状 況 であったが 昭 和 46 年 ~49 年 の 第 1 第 2 スタンド 完 成 昭 和 50 年 の 厩 舎 団 地 整 備 昭 和 56 年 の 野 球 場 完 成 平 成 7 年 の 駐 車 場 舗 装 等 の 各 種 施 設 整 備 を 経 て 現 在 の 形 態 となっている 図 1. 昭 和 45 年 の 航 空 写 真 図 2. 昭 和 61 年 の 航 空 写 真 駐 車 場 厩 舎 団 地 厩 舎 団 地 駐 車 場 馬 場 スタンド 馬 場 スタンド 図 3. 平 成 20 年 の 航 空 写 真 と 現 地 写 真 ( 平 成 24 年 撮 影 ) 2
位 置 及 び 用 途 地 域 跡 地 が 位 置 する 地 域 は JR 荒 尾 駅 に 近 接 した 店 舗 や 事 業 所 住 宅 などが 集 積 する 荒 尾 市 の 中 心 市 街 地 であり 隣 接 する 福 岡 県 大 牟 田 市 と 一 体 となった 市 街 地 が 形 成 されている 跡 地 は 東 は 国 道 389 号 線 に 接 し 西 は 海 岸 堤 防 を 挟 んで 有 明 海 に 面 しており 東 西 距 離 約 300 メートル 南 北 距 離 約 800 メートルの 合 計 地 積 約 26 ヘクタールによって 構 成 される 平 坦 な 土 地 である 跡 地 は 全 域 が 都 市 計 画 区 域 内 に 位 置 しており その 用 途 区 分 は 準 工 業 地 域 ( 建 ぺい 率 60% 容 積 率 200%) となっている 準 工 業 地 域 には 危 険 性 や 環 境 悪 化 の 恐 れが 大 きい 工 場 など 以 外 は 住 宅 や 店 舗 事 務 所 公 共 施 設 工 場 など 様 々な 用 途 の 建 物 が 建 設 可 能 である 新 大 牟 田 駅 南 関 IC 有 明 海 沿 岸 道 九 州 自 動 車 道 三 池 港 IC 三 池 港 荒 尾 競 馬 場 跡 地 JR 西 鉄 大 牟 田 駅 JR 荒 尾 駅 九 州 新 幹 線 菊 水 IC 新 玉 名 駅 長 洲 港 JR 鹿 児 島 本 線 図 4. 跡 地 の 位 置 図 荒 尾 競 馬 場 跡 地 図 5. 跡 地 周 辺 の 都 市 計 画 図 3
標 高 跡 地 の 標 高 は 海 抜 約 1m~3m 程 度 であり 跡 地 と 有 明 海 との 間 には 堤 防 が 設 けられている この 高 さは 約 6mであり 既 往 最 高 潮 位 とは 約 2.6mの 開 きがある 堤 防 +6.15m 既 往 最 高 潮 位 +3.52m 朔 望 平 均 満 潮 位 +2.45m +2.63m 跡 地 +1.35m~+2.55m 平 均 水 位 +0.33m 東 京 湾 平 均 海 面 ±0m 朔 望 平 均 干 潮 位 -3.13m 図 6. 跡 地 の 堤 防 断 面 図 地 質 跡 地 の 地 質 調 査 (ボーリング 調 査 )については 過 去 に 施 設 を 建 設 する 際 などに 実 施 されており この 内 平 成 2 年 1 月 ~2 月 に 行 われた 跡 地 中 央 付 近 ( 厩 舎 団 地 南 端 付 近 )と 跡 地 南 西 付 近 (パトロー ル 塔 付 近 )の 調 査 結 果 は 次 のとおりである 表 1. 跡 地 の 地 質 調 査 結 果 跡 地 中 央 付 近 跡 地 南 西 付 近 深 度 土 質 相 対 稠 度 密 度 N 値 土 質 相 対 稠 度 密 度 N 値 -1m 埋 土 極 硬 12 埋 土 極 軟 2-2m 0 0 沖 積 粘 性 土 極 軟 -3m 沖 積 粘 性 土 極 軟 ~ 軟 0~5-4m 4 5~9-5m 15~25 18~25-6m 25~35 25-7m 洪 積 砂 質 土 中 位 ~ 密 25~38 26~35 洪 積 粘 性 土 硬 い~ 固 結 -8m 38~50-9m 35~50 50-10m 50 22~50-11m 洪 積 粘 性 土 固 結 31~50-12m 32~50-13m 32~45 26~50 洪 積 砂 質 土 密 ~ 極 密 -14m 洪 積 砂 質 土 中 位 ~ 極 密 45~50-15m 50 50 4
2.2 跡 地 の 資 産 概 要 跡 地 は 市 有 地 と 民 有 地 によって 構 成 されており 筆 数 及 び 地 積 は 次 のとおりである なお 民 有 地 の 地 権 者 数 は 全 体 で 97 名 となっている また 図 7 のとおり 跡 地 は 市 有 地 と 民 有 地 が 混 在 してい る 状 況 である 表 2. 土 地 の 所 有 状 況 荒 尾 市 民 有 地 合 計 筆 数 ( 筆 ) 267 150 417 地 積 (m2) 173,266.44 85,570.21 258,836.65 跡 地 所 有 割 合 66.94% 33.06% 100.0% : 市 有 地 : 民 有 地 図 7. 跡 地 の 所 有 区 分 図 跡 地 に 所 在 する 主 な 建 物 の 構 造 建 築 年 次 床 面 積 は 次 のとおりである 跡 地 に 所 在 する 施 設 の 多 くが 建 築 物 の 耐 震 基 準 が 改 正 された 昭 和 56 年 以 前 に 建 設 されており その 後 の 耐 震 補 強 等 は 特 に 実 施 されていないため 耐 震 性 能 については 不 明 である 表 3. 跡 地 に 所 在 する 主 な 建 物 名 称 構 造 建 築 年 次 床 面 積 第 1 第 2スタンド 鉄 筋 コンクリート 造 S46 年 (S50 年 増 築 ) 10,554.56 m2 競 馬 組 合 管 理 棟 鉄 筋 コンクリート 造 S49 年 1,351.00 m2 厩 舎 団 地 住 宅 アパート 鉄 筋 コンクリート 造 S54 年 1,792.00 m2 馬 房 (27 棟 ) 鉄 骨 造 S47 年 ~H8 年 12,651.00 m2 調 教 師 厩 務 員 住 宅 木 造 S47 年 ~H8 年 3,114.00 m2 5
2.3 平 成 24 年 度 の 跡 地 利 用 状 況 跡 地 に 所 在 する 騎 手 厩 務 員 住 宅 などの 厩 舎 団 地 には 平 成 24 年 6 月 末 時 点 で 20 世 帯 49 名 が 居 住 している ( 荒 尾 市 住 民 基 本 台 帳 より) 荒 尾 市 では 競 馬 事 業 の 廃 止 に 伴 う 競 馬 関 係 者 の 生 活 支 援 策 の 一 つとして 住 居 部 分 については 平 成 24 年 12 月 末 まで 引 き 続 き 競 馬 関 係 者 の 住 宅 として 供 用 することとしている また スタンド 部 分 や 駐 車 場 などを 日 本 中 央 競 馬 会 (JRA) 及 び 株 式 会 社 日 本 レーシングサービス(NRS)に 平 成 24 年 度 の 単 年 度 契 約 で 貸 し 付 けが 行 われており 中 央 競 馬 や 地 方 競 馬 の 場 外 発 売 が 行 われている なお 平 成 24 年 10 月 には NRS が 地 方 競 馬 共 同 ト ータリゼータシステムを 導 入 し 新 たな 発 売 システムが 稼 働 する 予 定 である 厩 舎 団 地 駐 車 場 駐 車 場 場 外 発 売 駐 車 場 図 8. 跡 地 の 施 設 配 置 及 び 平 成 24 年 度 利 用 範 囲 凡 番 号 名 称 番 号 名 称 番 号 名 称 1 ゴール 14 厩 舎 (27 棟 ) 27 発 走 員 詰 所 2 勝 馬 投 票 券 発 売 票 数 15 検 病 厩 舎 28 騎 手 食 堂 3 スタンド 及 び 投 票 払 戻 所 16 ゲート 倉 庫 (2 棟 ) 29 厩 舎 団 地 内 食 堂 4 下 見 所 17 食 堂 30 機 械 室 5 掲 示 板 18 入 場 口 31 砂 置 場 6 管 理 棟 19 駐 車 場 32 児 童 公 園 7 検 量 所 20 パトロール 塔 (5 基 ) 33 歩 道 橋 8 装 鞍 所 (2 棟 ) 21 馬 運 動 場 34 愛 馬 館 9 着 順 枠 (6 枠 ) 22 馬 診 療 所 35 国 旗 掲 揚 台 10 騎 手 調 整 ルーム 23 表 彰 台 36 外 向 場 外 発 売 所 11 採 尿 所 24 厩 舎 管 理 事 務 所 37 臨 時 入 場 券 売 場 12 装 蹄 所 (3 棟 ) 25 調 教 監 視 所 38 予 想 新 聞 販 売 所 13 倉 庫 26 騎 手 厩 務 員 住 宅 例 6
3. 跡 地 活 用 に 関 係 する 荒 尾 市 の 各 種 計 画 跡 地 の 効 果 的 な 活 用 を 検 討 するためには 荒 尾 市 の 政 策 目 標 や 跡 地 周 辺 地 域 の 土 地 利 用 計 画 などと 一 定 の 整 合 を 取 る 必 要 がある そのためにも 荒 尾 市 の 長 期 的 なまちづくりの 指 針 である 第 5 次 荒 尾 市 総 合 計 画 や 都 市 計 画 の 基 本 方 針 を 示 した 荒 尾 市 都 市 計 画 マスタープラン などの 内 跡 地 活 用 に 関 係 すると 見 込 まれる 項 目 の 整 理 を 行 う 必 要 がある なお これらの 計 画 については 荒 尾 競 馬 事 業 が 開 催 されていた 時 期 若 しくは 競 馬 事 業 廃 止 と 並 行 した 時 期 に 策 定 されているた め 今 後 の 跡 地 活 用 方 針 や 導 入 機 能 の 検 討 結 果 によっては これらの 計 画 に 見 直 しが 生 じることも 考 えられる 3.1 第 5 次 荒 尾 市 総 合 計 画 策 定 年 次 平 成 24 年 3 月 計 画 の 性 質 荒 尾 市 におけるまちづくりの 長 期 ビジョンであり 同 市 の 最 上 位 計 画 として 位 置 付 けられている 市 の 将 来 像 である しあわせ 優 都 あらお の 実 現 へ 向 けて 基 本 方 針 の 健 康 で 笑 顔 が 輝 く 市 民 優 都 活 力 あふれる 産 業 優 都 快 適 でゆとりある 生 活 優 都 に 基 づき 各 分 野 の 施 策 を 体 系 化 し 各 部 門 相 互 の 連 携 を 図 る 総 合 的 な 計 画 である 跡 地 活 用 との 関 係 性 健 康 で 笑 顔 が 輝 く 市 民 優 都 ( 保 健 医 療 の 充 実 ) 市 民 病 院 は 地 域 中 核 病 院 としての 医 療 水 準 及 び 療 養 環 境 の 向 上 を 図 るため 早 期 の 建 替 えを 検 討 する ( 高 齢 者 の 自 立 と 社 会 参 加 の 推 進 ) 高 齢 者 の 交 流 の 場 としての 拠 点 整 備 や 地 域 におけるサロン 活 動 等 の 拡 充 を 促 進 する 高 齢 者 が 自 立 した 生 活 を 送 るために その 状 況 に 応 じた 介 護 予 防 サービスの 充 実 を 図 る 各 種 在 宅 福 祉 サービスの 充 実 により 高 齢 者 が 安 心 して 暮 らせる 体 制 づくりに 努 める ( 社 会 教 育 の 推 進 ) 社 会 教 育 の 拠 点 施 設 として 図 書 館 と 公 民 館 機 能 を 備 えた 新 たな 施 設 を 検 討 する (スポーツの 推 進 ) スポーツ 及 び 健 康 づくりの 拠 点 としての 体 育 館 の 建 替 えを 検 討 する 活 力 あふれる 産 業 優 都 ( 商 業 の 振 興 ) 地 域 ニーズに 対 応 できる 商 店 づくりや 賑 わいのある 商 店 街 づくりを 促 進 する 荒 尾 地 域 商 業 近 代 化 地 域 計 画 を 改 定 し 都 市 構 造 や 商 業 構 造 を 分 析 するとともに 7
各 地 区 各 商 店 街 で 特 色 ある 具 体 的 な 事 業 を 展 開 する ( 農 水 産 業 の 振 興 ) 農 水 産 物 観 光 等 の 情 報 発 信 機 能 を 一 元 的 に 取 り 扱 う 複 合 施 設 として 特 産 品 販 売 観 光 交 流 拠 点 の 整 備 について 検 討 する ( 地 域 の 魅 力 づくり) 福 岡 や 佐 賀 長 崎 と 連 携 し 宮 崎 兄 弟 に 代 表 される 日 中 友 好 を 軸 とした 訪 日 教 育 旅 行 の コースづくりや 商 品 化 を 推 進 する ( 誘 客 の 促 進 ) 市 民 や 来 訪 者 が 自 由 に 利 用 できる 休 憩 設 備 や 地 域 情 報 を 提 供 する 地 域 拠 点 を 整 備 し 地 域 内 交 流 や 地 域 間 の 連 携 を 促 進 する 相 互 交 流 の 場 づくりを 図 る 快 適 でゆとりある 生 活 優 都 ( 有 明 海 の 保 全 と 環 境 改 善 ) 荒 尾 干 潟 のラムサール 湿 地 登 録 へ 向 けた 推 進 活 動 を 行 い 市 民 と 連 携 して 干 潟 の 保 全 を 行 う ( 防 災 体 制 の 拡 充 ) 高 潮 等 の 津 波 被 害 から 市 民 の 生 命 財 産 を 守 るため 荒 尾 海 岸 堤 防 の 補 強 工 事 に 取 り 組 む ( 計 画 的 な 土 地 利 用 ) 緑 ケ 丘 地 区 周 辺 や 四 ッ 山 JR 荒 尾 駅 周 辺 を 中 心 拠 点 として 環 状 骨 格 道 路 や 公 共 交 通 ネットワークを 形 成 する 環 状 骨 格 道 路 のエリア 内 に 都 市 機 能 を 集 約 させ コンパクトなまちづくりを 推 進 する 荒 尾 競 馬 場 跡 地 は 本 市 の 発 展 に 寄 与 する 活 用 策 を 検 討 する JR 荒 尾 駅 前 周 辺 は 民 間 の 活 力 を 利 用 した 整 備 等 による 賑 わいの 創 出 を 図 る 老 朽 化 した 公 共 施 設 の 建 替 えや 適 正 配 置 など 公 共 施 設 全 体 のあり 方 や 整 備 方 針 を 検 討 する ( 住 環 境 の 整 備 ) 老 朽 化 した 市 営 住 宅 のストック 改 善 や 建 替 え 等 を 計 画 的 に 推 進 する 高 齢 社 会 に 対 応 するため 民 間 活 力 を 活 かして 高 齢 者 向 け 住 宅 の 供 給 や 質 の 向 上 を 図 る ( 道 路 ネットワークの 整 備 充 実 ) 地 域 高 規 格 道 路 である 有 明 海 沿 岸 道 路 の 延 伸 及 び 計 画 路 線 への 格 上 げを 目 指 す ( 地 域 公 共 交 通 の 充 実 ) JR 荒 尾 駅 前 広 場 やプロローグ 広 場 は 利 用 者 の 利 便 性 を 図 るとともに 各 種 イベントを 実 施 し 有 効 活 用 に 努 める JR 荒 尾 駅 の 利 便 性 向 上 のため 九 州 旅 客 鉄 道 へ 要 望 活 動 を 実 施 するとともに 老 朽 化 が 進 む JR 荒 尾 駅 の 駅 舎 建 替 えについて 検 討 する 8
3.2 国 土 利 用 計 画 ( 荒 尾 市 計 画 ) 策 定 年 次 平 成 14 年 9 月 計 画 の 性 質 国 土 利 用 計 画 法 第 8 条 第 1 項 に 基 づき 定 められた 計 画 であり 策 定 に 当 たっては 国 土 利 用 計 画 ( 熊 本 県 計 画 )を 基 本 としている 利 用 区 分 別 の 市 土 利 用 として 農 用 地 森 林 原 野 河 川 水 路 水 面 道 路 宅 地 等 の 地 目 毎 に 基 本 方 向 が 設 けられており 地 域 別 の 区 分 は 市 土 における 自 然 的 社 会 的 経 済 的 及 び 文 化 的 条 件 を 勘 案 して 6 種 類 に 分 かれている 図 9. 国 土 利 用 計 画 ( 荒 尾 市 計 画 )における 地 域 区 分 図 跡 地 との 関 係 性 ( 荒 尾 駅 周 辺 地 域 の 概 要 ) 行 政 交 通 商 業 業 務 地 域 を 要 する 本 市 の 中 心 市 街 地 であり 将 来 ともにこの 機 能 を 維 持 し より 高 度 な 本 市 の 顔 として 成 熟 させる そのために 中 心 市 街 地 としての 活 性 化 を 図 っていく ( 臨 海 地 域 の 概 要 ) 各 種 公 共 施 設 の 点 在 と 住 商 工 が 混 在 しているが 臨 海 部 特 有 の 良 好 な 景 観 を 保 全 しながら 海 岸 部 については 工 業 及 び 流 通 機 能 の 拡 大 に 努 めるとともに 海 岸 保 全 機 能 と 漁 業 資 源 の 維 持 拡 大 に 努 める 9
3.3 荒 尾 市 都 市 計 画 マスタープラン 策 定 年 次 平 成 17 年 8 月 計 画 の 性 質 都 市 計 画 法 第 18 条 の 2 第 1 項 に 基 づく 荒 尾 市 の 都 市 計 画 に 関 する 基 本 的 な 方 針 を 定 め た 計 画 平 成 16 年 7 月 に 行 われた 都 市 計 画 の 区 域 区 分 の 廃 止 ( 線 引 き 廃 止 )を 踏 まえて 策 定 されており 土 地 利 用 の 基 本 方 針 等 と 合 わせて 地 区 別 構 想 を 定 めている 7 区 域 の 地 区 別 構 想 の 内 跡 地 周 辺 は 荒 尾 地 区 に 該 当 する 跡 地 との 関 係 性 ( 荒 尾 地 区 における 整 備 方 針 ) 整 備 項 目 整 備 方 針 商 業 及 び 各 種 公 共 公 益 施 設 の 集 積 があることから 今 後 はマンションや 福 祉 型 の 集 合 住 宅 など 都 市 型 住 宅 や 商 業 福 祉 施 設 導 入 により 既 土 地 利 用 存 の 社 会 資 本 の 有 効 活 用 や 土 地 の 高 度 利 用 を 進 める 炭 鉱 住 宅 跡 地 の 有 効 利 用 を 街 路 整 備 と 関 連 付 けて 進 める 万 田 坑 周 辺 跡 地 などの 有 効 活 用 によって 都 市 機 能 の 充 実 を 進 める 都 市 施 設 及 び 基 本 的 な 都 市 インフラの 整 備 は 終 えており そのストックを 活 かし さらに 都 市 機 能 整 備 今 後 の 少 子 高 齢 化 や 環 境 問 題 への 対 応 も 図 っていく 環 状 骨 格 道 路 の 一 環 となる 都 市 計 画 道 路 万 田 下 井 手 線 の 整 備 を 促 進 する 交 通 施 設 整 備 中 心 部 にふさわしい 高 齢 者 障 がい 者 にもやさしいまちづくりの 象 徴 とし て 歩 道 や 公 共 空 間 店 舗 等 のユニバーサルデザイン 化 など 歩 行 環 境 整 備 を 進 める 安 全 安 心 のまちづくりにおいてはハード 面 の 整 備 に 加 え 近 隣 のコミュニ ティや 各 種 ボランティア 活 動 の 充 実 も 不 可 欠 である そのため コミュニ 暮 らしの 場 づくり ティやボランティア 活 動 を 支 える 市 街 地 環 境 整 備 に 住 民 と 共 に 取 り 組 ん でいく 土 地 区 画 整 理 事 業 が 行 われており 整 然 とした 街 並 みが 形 成 されている が その 中 でも 本 市 域 に 特 徴 的 な 白 壁 しっくいの 住 宅 も 多 く 建 設 されて 景 観 環 境 形 成 いる また 洋 風 的 な 建 物 も 随 所 に 散 見 され 本 市 及 び 周 辺 の 景 観 風 土 をうかがわせている このような 特 性 を 活 かした 市 街 地 景 観 整 備 を 進 めていく 大 牟 田 市 の 市 街 地 との 一 体 的 なまちづくりとして 空 き 店 舗 を 福 祉 的 に 住 民 まちづくり 利 用 するなど 市 街 地 居 住 の 利 便 性 を 活 かしていく 10
図 10. 荒 尾 市 都 市 計 画 マスタープランの 荒 尾 地 区 整 備 構 想 11
3.4 荒 尾 市 住 宅 マスタープラン 策 定 年 次 平 成 21 年 2 月 計 画 の 性 質 荒 尾 市 の 住 環 境 整 備 住 宅 供 給 の 方 針 を 示 す 計 画 であり 荒 尾 市 市 営 住 宅 ストック 総 合 活 用 計 画 の 上 位 計 画 と 位 置 付 けられている 同 市 の 住 宅 地 の 形 成 経 緯 に 基 づき 6つに 類 型 を 区 分 しており 跡 地 は 既 成 市 街 地 に 位 置 する 図 11. 荒 尾 市 住 宅 マスタープランにおける 地 区 区 分 図 既 成 市 街 地 の 概 要 ( 目 標 とする 住 宅 地 像 ) 商 軽 工 業 施 設 住 多 様 な 公 共 公 益 施 設 の 集 積 する 混 在 型 住 宅 地 歩 いて 暮 らせるまち ( 住 宅 施 策 の 方 針 ) 公 共 用 地 の 用 地 転 換 を 活 かし 市 営 住 宅 の 配 置 遊 休 地 や 建 物 上 層 部 を 活 かした 定 住 人 口 の 増 加 促 進 1 階 店 舗 等 上 層 階 住 宅 ( 民 営 公 営 )の 市 街 地 住 宅 の 供 給 ( 地 主 との 共 同 事 業 ) 12
3.5 各 種 計 画 のまとめ 以 上 荒 尾 市 が 策 定 した 各 種 計 画 の 内 跡 地 活 用 に 関 係 すると 見 込 まれる 施 策 や 跡 地 周 辺 地 域 の 土 地 利 用 計 画 を 整 理 した この 内 国 土 利 用 計 画 ( 荒 尾 市 計 画 ) や 荒 尾 市 都 市 計 画 マスタ ープラン などには その 上 位 計 画 となる 熊 本 県 の 計 画 が 別 途 存 在 し また 熊 本 県 としても 政 令 指 定 都 市 誕 生 後 の 県 内 各 地 域 の 将 来 像 ( 平 成 23 年 12 月 策 定 ) にて 荒 尾 市 を 含 む 県 北 地 域 の 将 来 像 を 定 めている これらの 各 種 計 画 を 総 合 的 に 考 慮 すると 跡 地 周 辺 地 域 の 性 質 や 期 待 されて いる 役 割 または 今 後 のまちづくりの 課 題 として 以 下 の 項 目 が 挙 げられる 中 心 市 街 地 としての 交 流 居 住 機 能 の 強 化 跡 地 周 辺 の JR 荒 尾 駅 前 や 県 境 付 近 といった 地 域 は 石 炭 産 業 が 盛 んであった 時 期 に 隣 接 する 福 岡 県 大 牟 田 市 と 一 体 的 な 発 展 を 遂 げた 経 緯 がある 近 年 は 大 型 商 業 施 設 の 撤 退 など の 影 響 により 商 業 機 能 が 低 下 しつつあるが 交 通 の 利 便 性 は 高 く また 公 共 公 益 施 設 も 一 定 程 度 集 積 している このような 特 性 を 活 かし 中 心 市 街 地 としての 機 能 強 化 や 高 齢 化 社 会 を 見 据 えた 福 祉 型 の 集 合 住 宅 の 整 備 また 歩 いて 暮 らせるまち などが 期 待 されている 更 に 広 域 的 な 観 点 からは 熊 本 県 北 地 域 の 玄 関 口 として 福 岡 都 市 圏 等 をターゲットとした 移 住 定 住 の 促 進 や 観 光 振 興 などの 方 向 性 が 挙 げられている 公 共 施 設 の 老 朽 化 と 施 設 配 置 第 5 次 荒 尾 市 総 合 計 画 では 様 々な 施 策 において 公 共 施 設 の 建 替 え 検 討 が 定 められている 主 な 施 設 としては 荒 尾 市 民 病 院 や 図 書 館 と 公 民 館 市 民 体 育 館 市 営 住 宅 などが 挙 げられ るが これらの 施 設 は 昭 和 40 年 代 に 整 備 されたものが 多 く 今 後 一 斉 に 改 修 時 期 を 迎 えるこ とが 見 込 まれる 公 共 施 設 の 建 替 えを 行 う 場 合 には 現 在 の 位 置 に 建 て 替 えるか または 別 の 場 所 に 建 てるかの 検 討 を 行 う 必 要 があるが 仮 に 跡 地 などの 大 規 模 未 利 用 地 へ 移 設 を 行 う 際 には 荒 尾 市 全 体 の 公 共 施 設 の 配 置 バランスや 土 地 利 用 の 方 針 移 設 後 に 生 じる 土 地 の 活 用 方 法 などを 併 せて 整 理 する 必 要 がある 市 街 地 の 2 極 化 と 都 市 機 能 の 集 積 荒 尾 市 の 発 展 の 歴 史 を 辿 ると まず 石 炭 産 業 の 隆 盛 に 併 せて 跡 地 周 辺 といった 北 部 地 域 が 発 展 し また 同 市 中 央 部 への 炭 鉱 住 宅 の 整 備 に 伴 い 都 市 機 能 が 集 積 していった 経 緯 がある その 後 昭 和 40 年 代 に 桜 山 団 地 や 八 幡 台 団 地 などの 郊 外 型 住 宅 団 地 が 整 備 され 平 成 9 年 の 三 井 三 池 炭 鉱 閉 山 以 降 は 緑 ケ 丘 地 区 の 炭 鉱 住 宅 跡 地 を 商 業 居 住 機 能 を 有 する 荒 尾 市 の 副 都 心 として 整 備 が 行 われた 荒 尾 市 の 土 地 利 用 の 方 針 としては 跡 地 周 辺 の 中 心 市 街 地 と 緑 ケ 丘 地 区 の 副 都 心 とを 環 状 骨 格 道 路 で 結 び このエリア 内 に 都 市 機 能 を 集 積 すること を 目 指 しているが 今 後 どのようにして 効 率 的 な 都 市 運 営 を 行 っていくかが 課 題 である 13
4. 跡 地 活 用 の 基 本 コンセプトとまちづくりの 方 向 性 これまで 跡 地 の 地 域 特 性 や 跡 地 活 用 に 関 係 すると 見 込 まれる 荒 尾 市 の 各 種 計 画 の 整 理 を 行 ったが 本 章 では 近 年 の 社 会 情 勢 や 荒 尾 市 の 地 域 特 性 と 課 題 を 踏 まえ 荒 尾 市 の 地 域 振 興 に 繋 がると 見 込 まれる 跡 地 活 用 の 基 本 コンセプトや これを 実 現 するための 方 向 性 を 提 案 する 荒 尾 市 が 抱 える 行 政 課 題 には 様 々な 種 類 があり これらを 全 て 跡 地 活 用 のみで 解 決 することは 困 難 だが 跡 地 が 一 つの 先 進 的 なモデル 地 域 としての 役 割 を 担 い 跡 地 活 用 を 契 機 として 将 来 的 な 荒 尾 市 の 発 展 をリードすることを 期 待 するものである 4.1 近 年 の 社 会 情 勢 (1) 人 口 構 造 の 変 化 平 成 22 年 国 勢 調 査 における 日 本 の 総 人 口 は 約 1 億 2,800 万 人 で この 内 65 歳 以 上 の 人 口 が 占 める 割 合 ( 高 齢 化 率 )は 23.0%となっており 今 後 人 口 減 少 や 高 齢 化 が 進 展 すると 見 込 まれる 国 立 社 会 保 障 人 口 問 題 研 究 所 が 平 成 24 年 1 月 に 推 計 した 結 果 によると 西 暦 2060 年 の 人 口 は 8,674 万 人 高 齢 化 率 は 39.9%となることが 予 測 されている (2)グローバル 化 の 進 展 と 東 アジアの 経 済 発 展 社 会 的 経 済 的 なグローバル 化 が 進 展 しており 国 内 製 造 業 の 生 産 拠 点 の 海 外 移 転 や 外 国 企 業 が 日 本 国 内 に 置 いていたアジア 本 社 開 発 拠 点 等 を 他 のアジア 諸 国 に 移 転 させるなど 産 業 構 造 が 大 きく 変 化 している また アジア 諸 国 は 高 い 経 済 成 長 率 により 今 後 世 界 有 数 規 模 の 経 済 圏 に 成 長 することが 見 込 まれており 特 に 中 国 の 経 済 発 展 は 著 しく 2010 年 に は 日 本 と 中 国 の GDP が 逆 転 し 世 界 第 2 位 の 経 済 大 国 となっている (3) 地 球 環 境 問 題 とエネルギー 政 策 の 転 換 地 球 温 暖 化 の 進 行 に 伴 い 世 界 各 地 で 気 温 海 水 面 が 上 昇 することが 予 測 されており 世 界 の 人 口 経 済 の 拡 大 により 経 済 社 会 活 動 による 地 球 環 境 への 負 荷 が 増 加 すると 見 込 まれ ている そこで 世 界 各 国 では 低 炭 素 社 会 の 実 現 へ 向 け 省 エネルギー 化 や 再 生 可 能 エネ ルギーを 活 用 する 取 り 組 みが 行 われており 特 に 日 本 でも 東 日 本 大 震 災 による 原 子 力 発 電 所 の 事 故 を 契 機 として エネルギー 政 策 の 大 きな 転 換 期 を 迎 えている (4)コンパクトな 都 市 づくりと 公 共 インフラの 老 朽 化 高 度 経 済 成 長 期 における 住 宅 地 の 郊 外 開 発 やモータリゼーションの 進 展 全 国 規 模 の 大 型 店 の 進 出 などの 影 響 により 中 心 市 街 地 の 空 洞 化 が 大 きな 課 題 となり 中 心 市 街 地 の 活 性 化 に 関 する 法 律 といった 通 称 まちづくり 三 法 が 制 定 されるなど コンパクトなまちづくりへ 向 けた 取 組 みが 行 われている また 高 度 経 済 成 長 期 に 急 速 に 整 備 された 道 路 橋 梁 上 下 水 道 公 共 施 設 等 の 各 種 公 共 インフラが 今 後 一 斉 に 改 修 時 期 を 迎 えるため 計 画 的 な 維 持 補 修 による 管 理 更 新 費 の 平 準 化 を 図 る 必 要 がある 14
(5) 安 心 安 全 な 暮 らしへの 関 心 の 高 まり 阪 神 淡 路 大 震 災 や 新 潟 県 中 越 地 震 東 日 本 大 震 災 といった 大 規 模 な 地 震 や 大 型 台 風 や 竜 巻 集 中 豪 雨 による 浸 水 や 土 砂 崩 れなどの 自 然 災 害 に 対 する 危 機 意 識 が 高 まっており 防 災 力 の 強 化 を 通 じた 安 心 安 全 な 暮 らしを 実 現 するため 建 物 の 耐 震 化 や 防 災 拠 点 の 整 備 治 水 対 策 要 援 護 者 の 支 援 強 化 地 域 自 治 組 織 の 繋 がりの 強 化 による 自 主 的 な 防 災 活 動 などが 取 り 組 まれている 4.2 荒 尾 市 の 地 域 特 性 (1) 地 理 的 優 位 性 と 交 通 の 利 便 性 の 高 さ 九 州 自 動 車 道 や 有 明 海 沿 岸 道 路 JR 鹿 児 島 本 線 三 池 港 長 洲 港 などが 近 くにあり 九 州 各 都 市 とのアクセス 条 件 に 恵 まれている また 平 成 24 年 度 から 新 たに 政 令 指 定 都 市 となっ た 熊 本 都 市 圏 や 九 州 最 大 のマーケットである 福 岡 都 市 圏 の 中 間 に 位 置 する 県 境 のまちで 交 通 機 関 や 高 速 道 路 等 を 利 用 して 通 勤 通 学 が 容 易 で 定 住 人 口 や 交 流 人 口 が 増 加 する 潜 在 能 力 を 有 している そして 中 国 や 韓 国 などの 東 アジア 諸 国 とも 近 く 文 化 や 観 光 による 交 流 を 通 して 国 際 的 に 発 展 する 可 能 性 を 秘 めている (2) 豊 富 な 観 光 資 源 西 日 本 有 数 の 遊 園 地 を 中 心 に 温 泉 施 設 やテーマパークなどの 観 光 レジャー 施 設 が 集 積 し ており 国 の 重 要 文 化 財 史 跡 の 指 定 を 受 け 世 界 遺 産 候 補 の 一 つである 万 田 坑 や 中 国 の 国 父 である 孫 文 の 成 し 遂 げた 辛 亥 革 命 を 支 えた 宮 崎 兄 弟 の 生 家 資 料 館 などの 歴 史 文 化 的 施 設 が 存 在 する また 日 本 における 渡 り 鳥 のオアシスである 荒 尾 干 潟 があり 平 成 24 年 7 月 に は 国 際 的 に 貴 重 な 湿 地 の 保 全 を 定 めたラムサール 条 約 に 登 録 されている 荒 尾 市 は これら 豊 富 な 観 光 資 源 に 恵 まれており 年 間 240 万 人 の 観 光 客 が 同 市 を 訪 れている (3) 災 害 の 少 なさと 充 実 した 生 活 環 境 荒 尾 市 は 市 域 面 積 57.15k m2に 人 口 約 5 万 5 千 人 が 暮 らす 熊 本 県 下 では 人 口 密 度 が 高 いコンパクトな 都 市 であり 荒 尾 市 民 病 院 を 始 めとした 医 療 機 関 や 福 祉 施 設 総 合 文 化 センタ ーや 運 動 公 園 などの 文 化 スポーツ 施 設 買 い 物 などの 生 活 環 境 が 充 実 している また 気 候 が 温 暖 で 大 きな 災 害 も 少 なく 安 全 で 暮 らしやすいまちである 15
4.3 荒 尾 市 の 主 要 課 題 (1) 荒 尾 市 の 人 口 動 向 と 将 来 の 目 標 人 口 平 成 22 年 国 勢 調 査 における 荒 尾 市 の 人 口 は 55,321 人 と 平 成 17 年 国 勢 調 査 時 の 55,960 人 から 若 干 減 少 している しかし 荒 尾 市 近 隣 の 自 治 体 は 同 市 より 高 い 減 少 率 となっており 荒 尾 市 の 人 口 減 少 率 が 低 い 要 因 としては 緑 ケ 丘 地 区 や 東 屋 形 地 区 などの 宅 地 開 発 を 通 じ た 住 宅 政 策 により 良 好 な 居 住 環 境 を 創 出 したことなどが 挙 げられる しかしながら 将 来 的 に は 荒 尾 市 の 人 口 も 減 少 することが 見 込 まれ 平 成 33 年 頃 には 約 52,600 人 となることが 予 測 されている そこで 第 5 次 荒 尾 市 総 合 計 画 では この 人 口 減 少 を 食 い 止 め 活 気 あるまち を 目 指 すため 平 成 33 年 度 の 目 標 人 口 を 56,000 人 と 定 めている (2) 働 く 場 やまちの 活 気 公 共 交 通 機 関 の 利 便 性 など 荒 尾 市 が 平 成 22 年 8 月 に 実 施 した 市 民 まちづくりアンケート の 調 査 結 果 によると 今 後 のま ちづくりの 方 向 性 については 安 全 なまち 福 祉 のまち 産 業 のまち 子 育 てしやすい まち などが 上 位 に 挙 げられており また 関 心 が 高 い 市 政 分 野 は 福 祉 対 策 産 業 の 振 興 生 活 環 境 の 整 備 少 子 化 対 策 などとなっている 特 に 重 要 度 が 高 く 満 足 度 が 低 い 項 目 ( 重 点 改 善 項 目 )としては 働 く 場 保 健 や 医 療 体 制 高 齢 者 や 障 がい 者 の 施 設 やサービス 体 制 まちの 活 気 子 育 てのための 支 援 体 制 公 共 交 通 機 関 の 利 便 性 が 挙 げられており これらの 項 目 については 最 優 先 で 取 り 組 む 必 要 がある 5.0 4.5 重 4.0 要 度 ( 平 3.5 均 値 3.66 ) 3.0 重 要 改 善 領 域 ( 市 が 最 優 先 で 行 うべき 項 目 の 領 域 ) 働 く 場 公 共 交 通 機 関 まちの 活 気 保 健 や 医 療 高 齢 者 等 サービス 子 育 て 支 援 まちの 景 観 公 園 や 広 場 文 化 的 環 境 重 点 維 持 領 域 ( 今 後 も 重 点 的 に 継 続 する 項 目 の 領 域 ) 教 育 環 境 防 災 防 犯 買 い 物 物 価 自 然 環 境 上 下 水 道 ごみ 収 集 住 宅 状 況 幹 線 道 路 整 備 教 養 スポーツの 場 男 女 共 同 参 画 娯 楽 の 場 2.5 ウォッチング 領 域 (このまま 推 移 を 見 守 る 項 目 の 領 域 ) 維 持 領 域 (このまま 状 況 を 保 つ 項 目 の 領 域 ) 2.0 2.0 2.5 3.0 3.5 満 足 度 ( 平 均 値 2.87) 図 12. 満 足 度 と 重 要 度 の 分 布 グラフ 16
4.4 跡 地 活 用 へ 向 けた 基 本 コンセプトと 活 用 の 方 向 性 委 員 会 では これまでに 述 べた 近 年 の 社 会 情 勢 や 荒 尾 市 の 地 域 特 性 や 課 題 などを 踏 まえながら 長 期 的 な 展 望 に 立 ち 荒 尾 市 の 地 域 振 興 や 将 来 的 な 発 展 に 繋 がると 見 込 まれる 跡 地 活 用 の 検 討 を 行 ってきた 跡 地 周 辺 は 近 年 は 商 店 の 減 少 などにより まちの 賑 わいが 低 下 しつつあるものの 以 前 から 荒 尾 市 の 中 心 市 街 地 として 発 展 してきた 地 域 であり 跡 地 は JR 荒 尾 駅 や 市 役 所 などの 公 共 公 益 施 設 に 近 接 する 交 通 の 利 便 性 が 高 い 様 々な 利 用 の 可 能 性 を 持 った 広 大 で 平 坦 な 土 地 であ る また ラムサール 条 約 に 登 録 された 荒 尾 干 潟 が 跡 地 南 側 に 隣 接 するなど 自 然 環 境 に 恵 まれて おり 競 馬 事 業 を 通 じた 娯 楽 や 賑 わいの 拠 点 であった 歴 史 を 有 している 跡 地 活 用 を 起 点 としたまちづくりの 波 及 効 果 としては JR 荒 尾 駅 周 辺 地 域 の 発 展 誘 導 や 熊 本 県 の 北 の 玄 関 口 として 交 流 定 住 の 拠 点 的 役 割 を 担 うことが 期 待 され 更 に 将 来 的 に 跡 地 周 辺 への 有 明 海 沿 岸 道 路 の 整 備 が 実 現 すれば 高 速 道 路 のインターチェンジが 存 在 しない 荒 尾 市 における 交 通 の 新 たな 動 脈 として JR 鹿 児 島 本 線 と 連 携 した 産 業 流 通 観 光 定 住 機 能 の 拠 点 となりうる 可 能 性 を 有 している そこで 跡 地 が 有 する 交 通 の 利 便 性 という 潜 在 的 価 値 の 高 さや 荒 尾 市 の 中 心 市 街 地 という 都 市 機 能 の 集 積 状 況 を 最 大 限 に 活 かし 将 来 に 亘 ってあらゆる 世 代 が 暮 らしやすく 交 流 が 盛 んな 賑 わ いのあるまちづくりを 実 現 するため 次 のとおり 跡 地 活 用 へ 向 けた 基 本 コンセプトと 方 向 性 を 定 める 跡 地 活 用 の 基 本 コンセプト 人 が 集 まり 賑 わいがあふれ 自 然 豊 かな 環 境 で 安 心 して 暮 らすことができる 良 質 の 都 市 空 間 の 創 造 人 自 然 未 来 をつなぐ あらお 再 生 拠 点 基 本 コンセプトの 意 図 跡 地 は 江 戸 時 代 後 期 に 農 地 として 干 拓 が 行 われ 以 後 地 元 有 志 による 競 馬 倶 楽 部 設 置 を 経 て 昭 和 3 年 から 競 馬 事 業 が 正 式 に 開 始 されることなった 競 馬 事 業 が 行 われていた 跡 地 は 地 方 財 政 への 寄 与 健 全 娯 楽 の 提 供 就 業 の 場 の 創 出 など 様 々な 役 割 を 持 ちながら 荒 尾 市 のシンボ ルとして 長 年 に 亘 って 地 域 発 展 に 貢 献 してきた 場 所 である 将 来 の 社 会 情 勢 を 展 望 すると 地 方 都 市 の 人 口 減 少 は 大 きな 課 題 であり また 自 然 環 境 資 源 エネルギー 財 政 面 など 様 々な 観 点 から 持 続 可 能 性 が 求 められている 状 況 にある 時 代 の 変 化 により 荒 尾 競 馬 事 業 は 役 割 を 終 えることとなったが これまで 跡 地 が 築 いてきた 歴 史 を 受 け 継 ぎ 次 の 時 代 に 応 じた 役 割 を 見 据 えながら 新 たな 発 展 に 繋 げることが 重 要 である また 跡 地 が 持 つ 可 能 性 を 最 大 限 活 かすためには 行 政 のみならず 市 民 や 地 権 者 企 業 などの 民 間 が 共 に 連 携 する 協 働 が 不 可 欠 である よって 跡 地 が 荒 尾 市 再 生 の 拠 点 となり この 地 で 新 たな 価 値 が 創 造 され これを 次 世 代 へ 引 き 継 ぐ 新 しいシンボルとなることを 期 待 して 本 コンセプトを 定 めることとした 17
地 域 特 性 や 課 題 荒 尾 市 における 跡 地 の 位 置 付 け 社 会 情 勢 (1) 人 口 減 少 や 高 齢 化 の 進 展 2 (2)グローバル 化 東 アジアの 経 済 発 展 1 (3) 地 球 環 境 問 題 エネルギー 政 策 の 転 換 3 (4)コンパクトな 都 市 づくり 2 (5) 安 心 安 全 な 暮 らしへの 関 心 の 高 まり 2 各 種 計 画 の 関 連 性 (1) 定 住 人 口 の 増 加 2 (2) 中 心 市 街 地 としての 成 熟 化 1 2 (3) 歩 いて 暮 らせるまちづくり 2 地 域 特 性 (1) 交 通 アクセスの 利 便 性 の 高 さ 福 岡 熊 本 都 市 圏 の 中 間 に 位 置 する 地 理 的 優 位 性 1 2 (2) 豊 富 な 観 光 資 源 と 交 流 人 口 の 多 さ 1 3 (3) 災 害 の 少 なさや 生 活 環 境 の 充 実 2 3 主 な 課 題 (1) 雇 用 の 場 の 確 保 1 (2) 公 共 施 設 の 老 朽 化 2 (3) 市 街 地 の2 極 化 と 都 市 機 能 の 点 在 1 2 (1)JR 荒 尾 駅 に 近 く 市 役 所 等 の 公 益 施 設 に 隣 接 する 交 通 利 便 性 が 高 い 種 地 1 2 ( 有 明 海 沿 岸 道 路 の 整 備 も 視 野 ) (2) 新 たに 生 まれる 広 大 で 平 坦 な 種 地 1 2 3 ( 高 齢 者 の 移 動 に 便 利 様 々な 土 地 利 用 の 可 能 性 ) (3) 自 然 環 境 に 恵 まれた 種 地 3 (ラムサール 条 約 に 登 録 された 荒 尾 干 潟 が 南 側 に 隣 接 ) (4) 娯 楽 ( 競 馬 )や 賑 わいの 拠 点 であった 歴 史 を 持 つ 種 地 1 ( 万 田 坑 や 宮 崎 兄 弟 の 生 家 など 市 内 の 観 光 地 にも 隣 接 ) ただし 跡 地 内 には 約 1/3 の 民 有 地 が 点 在 している 基 本 コンセプトと 跡 地 活 用 の 方 向 性 人 が 集 まり 賑 わいがあふれ 自 然 豊 かな 環 境 で 安 心 して 暮 らすことができる 良 質 の 都 市 空 間 の 創 造 人 自 然 未 来 をつなぐ あらお 再 生 拠 点 方 向 性 1 交 通 アクセスの 利 便 性 や 地 域 資 源 を 活 かした 交 流 のまち 方 向 性 2 快 適 で 安 全 な 生 活 を 実 現 する 暮 らしのまち 方 向 性 3 自 然 を 大 切 にして 新 たなエネルギーを 活 かす 環 境 共 生 のまち 図 13. 基 本 コンセプトと 活 用 の 方 向 性 18 1 2 3は 方 向 性 との 関 連 を 示 している
方 向 性 1 交 通 アクセスの 利 便 性 や 地 域 資 源 を 活 かした 交 流 のまち 跡 地 は 国 道 389 号 に 接 し JR 荒 尾 駅 に 近 接 しているなど 自 動 車 鉄 道 の 交 通 の 利 便 性 が 高 い 地 域 である また 長 洲 港 や 三 池 港 の 港 湾 九 州 自 動 車 道 南 関 インターチェンジや 菊 水 インターチェン ジ そして 平 成 23 年 3 月 に 全 線 開 業 した 九 州 新 幹 線 新 玉 名 駅 や 新 大 牟 田 駅 など 各 種 交 通 機 関 へのアクセスに 恵 まれている 更 に 平 成 24 年 1 月 には 跡 地 から 北 へ 約 3 キロメートルの 位 置 に 地 域 高 規 格 道 路 である 有 明 海 沿 岸 道 路 の 三 池 港 インターチェンジが 開 設 しており 将 来 的 に 本 市 に おいても 整 備 が 実 現 すれば 新 たな 動 脈 としての 効 果 が 期 待 される 荒 尾 市 には 西 日 本 有 数 の 遊 園 地 を 始 めとしたレジャー 施 設 や 万 田 坑 や 宮 崎 兄 弟 生 家 といった 文 化 施 設 など 交 流 施 設 が 多 数 存 在 しており 跡 地 から 臨 む 有 明 海 など 自 然 環 境 も 豊 かな 土 地 で ある また 競 馬 事 業 が 好 況 であった 昭 和 50 年 代 には 年 間 の 競 馬 場 入 場 人 員 数 は 50 万 人 を 超 えるなど 跡 地 は 荒 尾 市 の 交 流 施 設 として 大 きな 役 割 を 果 たしてきたところである そこで 跡 地 が 有 する 交 通 アクセスの 利 便 性 の 高 さや 荒 尾 市 の 自 然 環 境 歴 史 文 化 レジャー 施 設 等 の 地 域 資 源 を 最 大 限 活 かし 市 内 外 や 福 岡 熊 本 都 市 圏 を 始 め 中 国 や 韓 国 など 東 アジア 地 域 からの 外 国 人 観 光 客 も 視 野 に 入 れながら 人 が 集 まる 賑 わいあふれるまちを 目 指 すことを 提 案 する 特 性 現 状 交 通 の 利 便 性 が 高 く レジャー 文 化 などの 各 種 交 流 施 設 が 存 在 している 跡 地 活 用 の 方 向 性 交 通 アクセスの 利 便 性 や 地 域 資 源 を 活 かした 交 流 のまち 目 指 す 姿 人 が 集 まり 賑 わいが あふれるまち 19
方 向 性 2 快 適 で 安 全 な 生 活 を 実 現 する 暮 らしのまち 跡 地 は 水 道 下 水 等 の 生 活 に 必 要 な 公 共 インフラが 整 備 されており 保 育 園 幼 稚 園 小 学 校 中 学 校 高 校 等 の 子 育 て 教 育 機 関 や 生 活 関 連 の 商 業 施 設 に 近 接 した 暮 らしに 便 利 な 地 域 であ る また 方 向 性 1で 述 べた 通 り 交 通 アクセスが 優 れていることから 福 岡 熊 本 都 市 圏 への 通 勤 通 学 にも 適 している 跡 地 はこれまで 競 馬 関 係 者 の 居 住 の 場 としての 役 割 も 果 たしてきたが 平 成 25 年 以 後 は 跡 地 の 居 住 者 が 不 在 となることから 跡 地 の 人 口 数 を 増 加 させることは 跡 地 活 用 に 限 らず 荒 尾 駅 周 辺 を 始 めとした 地 域 全 体 の 活 性 化 の 観 点 からも 重 要 な 要 素 である 第 5 次 荒 尾 市 総 合 計 画 でも 今 後 の 人 口 減 少 は 大 きな 課 題 と 捉 えており 平 成 33 年 度 の 目 標 人 口 である 56,000 人 を 達 成 するため 住 環 境 の 整 備 など 定 住 促 進 に 繋 がる 施 策 が 重 視 されている また 今 後 の 人 口 構 成 は 高 齢 化 が 進 展 し 保 健 福 祉 医 療 サービスに 対 するニーズが 増 大 すること が 見 込 まれており 誰 もが 快 適 に 暮 らすことが 出 来 るユニバーサルデザインの 視 点 や 近 年 の 自 然 災 害 に 対 する 安 全 意 識 の 高 まりに 応 えるためにも 防 災 機 能 の 強 化 を 図 ることが 重 要 となる そこで 跡 地 の 居 住 環 境 を 活 かし 定 住 人 口 の 増 加 を 図 るため 安 心 して 暮 らすことが 出 来 るまち を 目 指 すことを 提 案 する 特 性 現 状 交 通 の 利 便 性 が 高 く 通 勤 や 通 学 に 適 して おり 生 活 関 連 施 設 にも 近 接 している 跡 地 活 用 の 方 向 性 快 適 で 安 全 な 生 活 を 実 現 する 暮 らしのまち 目 指 す 姿 安 心 して 暮 らすことが 出 来 るまち 20
方 向 性 3 自 然 を 大 切 にして 新 たなエネルギーを 活 かす 環 境 共 生 のまち 跡 地 南 側 の 荒 尾 干 潟 は 国 内 有 数 の 渡 り 鳥 の 飛 来 地 として 有 名 であり 平 成 24 年 6 月 に 国 の 特 別 保 護 地 区 の 指 定 を 受 け 同 年 7 月 には 湿 地 の 保 存 に 関 する 国 際 条 約 であるラムサール 条 約 に 登 録 されている このような 荒 尾 干 潟 などの 豊 かな 自 然 を 後 世 に 末 永 く 受 け 継 ぐためにも 環 境 に 配 慮 した 持 続 性 の 高 いまちづくりを 行 うことが 重 要 である また 東 日 本 大 震 災 以 降 自 然 エネルギ ーへの 関 心 が 高 まっており 国 のエネルギー 政 策 も 大 きな 転 換 期 を 迎 えている 荒 尾 市 はこれまで 三 井 三 池 炭 鉱 を 中 心 とした 石 炭 のまち として 発 展 を 築 いてきたが 炭 鉱 閉 山 後 は 荒 尾 市 に 所 在 する 万 田 坑 が 国 の 重 要 文 化 財 指 定 を 受 け 更 には 九 州 山 口 の 近 代 化 産 業 遺 産 群 として 世 界 遺 産 暫 定 リストに 登 録 されるなど 文 化 のまち としての 様 相 に 変 貌 しつつあ る また 跡 地 北 部 に 位 置 する 大 島 適 地 には 大 規 模 太 陽 光 発 電 施 設 の 建 設 が 計 画 されており 石 炭 から 再 生 可 能 エネルギーへの 転 換 による エネルギーのまち としての 性 質 を 持 つことが 期 待 され る そこで 荒 尾 市 の 自 然 や 文 化 などの 資 源 を 活 かし 自 然 環 境 や 再 生 可 能 エネルギー を 荒 尾 市 の 新 たな 都 市 像 とする 跡 地 をモデル 地 域 とした 自 然 環 境 に 配 慮 した 持 続 可 能 なまちを 目 指 す ことを 提 案 する 特 性 現 状 石 炭 のまちとして 発 展 してきた 歴 史 を 持 ち 大 島 適 地 にはメガ ソーラー 発 電 施 設 が 計 画 されている 荒 尾 干 潟 がラムサール 条 約 に 登 録 された 跡 地 活 用 の 方 向 性 自 然 を 大 切 にして 新 たな エネルギーを 活 かす 環 境 共 生 のまち 目 指 す 姿 自 然 環 境 に 配 慮 した 持 続 可 能 なまち 21
5. 今 後 の 進 め 方 今 回 の 中 間 報 告 書 では 跡 地 の 地 域 特 性 や 社 会 情 勢 を 踏 まえながら 委 員 会 における 審 議 内 容 等 に 基 づき 荒 尾 市 の 発 展 に 資 すると 見 込 まれる 跡 地 が 目 指 す 基 本 的 な 方 向 性 について 提 案 を 行 った これらの 方 向 性 をより 多 角 的 な 視 点 から 審 議 し 跡 地 活 用 について 市 民 の 理 解 を 得 るためにも 荒 尾 市 には 地 域 住 民 や 関 係 団 体 等 からのヒアリングや 市 民 を 対 象 としたアンケート 調 査 跡 地 の 地 権 者 に 対 する 説 明 会 等 の 様 々な 機 会 を 通 じて 意 見 集 約 やニーズの 把 握 に 努 めることを 望 むもので ある 今 後 委 員 会 では 中 間 報 告 書 の 内 容 に 対 する 民 意 等 を 考 慮 しながら 方 向 性 の 更 なる 具 体 化 に 向 けた 審 議 を 重 ね 土 地 の 整 理 手 法 や 導 入 機 能 の 配 置 案 跡 地 活 用 の 全 体 スケジュール 等 につい て 整 理 を 行 い 本 年 末 を 目 処 に 荒 尾 市 長 へ 提 言 書 を 提 出 することを 目 指 すものである 22
参 考 資 料 荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 検 討 委 員 会 設 置 要 綱 平 成 24 年 1 月 30 日 告 示 第 12 号 ( 設 置 ) 第 1 条 荒 尾 競 馬 場 跡 地 ( 以 下 跡 地 という )の 活 用 方 法 を 検 討 するため 荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 検 討 委 員 会 ( 以 下 委 員 会 という )を 設 置 する ( 所 掌 事 務 ) 第 2 条 委 員 会 は 跡 地 の 活 用 方 法 に 関 して 必 要 な 事 項 について 検 討 する ( 組 織 ) 第 3 条 委 員 会 は 委 員 12 人 以 内 をもって 組 織 する 2 委 員 は 次 に 掲 げる 者 のうちから 市 長 が 委 嘱 し 又 は 任 命 する (1) 学 識 経 験 を 有 する 者 (2) 経 済 団 体 を 代 表 する 者 (3) 地 域 住 民 を 代 表 する 者 (4) 関 係 行 政 機 関 の 職 員 (5) 市 職 員 (6) 前 各 号 に 掲 げる 者 のほか 市 長 が 必 要 と 認 める 者 ( 任 期 ) 第 4 条 委 員 の 任 期 は 平 成 25 年 3 月 31 日 までとする ( 会 長 及 び 副 会 長 ) 第 5 条 委 員 会 に 会 長 及 び 副 会 長 をそれぞれ1 人 置 き 委 員 の 互 選 により 定 める 2 会 長 は 委 員 会 を 代 表 し 会 務 を 総 理 する 3 副 会 長 は 会 長 を 補 佐 し 会 長 に 事 故 あるとき 又 は 会 長 が 欠 けたときは その 職 務 を 代 理 する ( 会 議 ) 第 6 条 委 員 会 の 会 議 は 会 長 が 招 集 し 会 長 がその 議 長 となる 2 委 員 会 は 委 員 の 半 数 以 上 が 出 席 しなければ 会 議 を 開 くことができない 3 会 長 は 必 要 に 応 じ 委 員 以 外 の 者 に 会 議 への 出 席 を 求 め 意 見 を 聴 取 し 又 は 必 要 な 資 料 等 の 提 出 を 求 めることができる ( 庶 務 ) 第 7 条 委 員 会 の 庶 務 は 総 務 部 政 策 企 画 課 において 処 理 する (その 他 ) 第 8 条 この 要 綱 に 定 めるもののほか 委 員 会 の 運 営 に 関 し 必 要 な 事 項 は 会 長 が 委 員 会 に 諮 って 定 める 附 則 ( 施 行 期 日 ) 1 この 告 示 は 告 示 の 日 から 施 行 する (この 告 示 の 失 効 ) 2 この 告 示 は 平 成 25 年 3 月 31 日 限 り その 効 力 を 失 う 23
荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 検 討 委 員 会 委 員 名 簿 平 成 24 年 7 月 時 点 ( 敬 称 略 順 不 同 ) 所 属 氏 名 備 考 熊 本 学 園 大 学 経 済 学 部 教 授 荒 井 勝 彦 荒 尾 市 総 合 計 画 審 議 会 会 長 崇 城 大 学 工 学 部 准 教 授 秋 元 一 秀 荒 尾 市 都 市 計 画 審 議 会 会 長 荒 尾 商 工 会 議 所 会 頭 那 須 良 介 社 団 法 人 荒 尾 青 年 会 議 所 副 理 事 長 溝 脇 潤 平 女 性 ネットワーク 荒 尾 代 表 熊 本 県 企 画 振 興 部 地 域 文 化 振 興 局 地 域 振 興 課 長 熊 本 県 玉 名 地 域 振 興 局 土 木 部 長 荒 尾 市 副 市 長 荒 尾 市 総 務 部 長 荒 尾 市 建 設 経 済 部 長 坂 田 尚 子 津 森 洋 介 宮 部 静 夫 山 﨑 史 郎 宮 里 信 雄 小 柳 健 一 平 成 24 年 4 月 から 委 員 就 任 前 任 は 佐 藤 伸 之 氏 平 成 24 年 4 月 から 委 員 就 任 前 任 は 松 永 信 弘 氏 平 成 24 年 4 月 から 委 員 就 任 前 任 は 山 﨑 史 郎 ( 現 副 市 長 ) : 会 長 : 副 会 長 合 計 10 名 24
荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 基 本 構 想 中 間 報 告 書 の 策 定 に 関 する 経 過 年 月 日 内 容 平 成 24 年 1 月 30 日 平 成 24 年 3 月 16 日 平 成 24 年 5 月 18 日 第 1 回 荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 検 討 委 員 会 ( 検 討 委 員 会 の 進 め 方 跡 地 の 概 要 荒 尾 市 の 地 域 特 性 跡 地 活 用 の 検 討 方 法 及 び 参 考 事 例 現 地 視 察 など) 第 2 回 荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 検 討 委 員 会 ( 荒 尾 市 の 主 要 課 題 及 びまちづくりの 方 向 性 跡 地 活 用 の 基 本 方 向 に 対 する 意 見 交 換 など) 第 3 回 荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 検 討 委 員 会 ( 跡 地 活 用 方 法 に 関 する 意 見 交 換 など) 平 成 24 年 6 月 29 日 平 成 24 年 7 月 23 日 平 成 24 年 7 月 31 日 第 4 回 荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 検 討 委 員 会 ( 跡 地 活 用 基 本 構 想 中 間 報 告 書 ( 素 案 )の 審 議 など) 第 5 回 荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 検 討 委 員 会 ( 跡 地 活 用 基 本 構 想 中 間 報 告 書 ( 修 正 案 )の 審 議 市 民 アンケート( 案 )の 検 討 など) 荒 尾 市 長 へ 荒 尾 競 馬 場 跡 地 活 用 基 本 構 想 中 間 報 告 書 を 提 出 25