基 本 的 な 考 え 方 -4つの 課 題 目 次 1 Ⅰ. 中 小 中 堅 企 業 の 成 長 を 喚 起 後 押 しする 法 人 税 改 革 1. 法 人 実 効 税 率 は 海 外 主 要 国 並 み 20% 台 へ 引 き 下 げるべき 2. 代 替 財 源 課 税 ベースの 拡 大 につ



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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

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所令要綱

40 総 論 41 法 人 課 税 01 租 税 法 概 論 ( 4001 ) 02 税 制 の 動 向 ( 4002 ) 91 事 例 研 究 ( 4091 ) 99 その 他 ( 4099 ) 01 法 人 税 ( 4101 ) 3. 税 務 官 庁 の 組 織 4. 不 服 申 立 て 税 務


●電力自由化推進法案

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第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

 

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10 期 末 現 在 の 資 本 金 等 の 額 次 に 掲 げる 法 人 の 区 分 ごとに それぞれに 定 める 金 額 を 記 載 します 連 結 申 告 法 人 以 外 の 法 人 ( に 掲 げる 法 人 を 除 きます ) 法 第 292 条 第 1 項 第 4 号 の5イに 定 める

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平 成 27 年 度 税 制 改 正 に 関 する 意 見 平 成 26 年 9 月 17 日 日 本 商 工 会 議 所 基 本 的 な 考 え 方 -4つの 課 題 ( 成 長 戦 略 の 担 い 手 である 企 業 の 競 争 力 強 化 による 持 続 的 な 経 済 成 長 の 実 現 ) わが 国 経 済 は 大 胆 な 金 融 政 策 機 動 的 な 財 政 政 策 により 民 間 活 動 が 活 性 化 し 需 要 の 増 加 が 消 費 や 新 たな 投 資 に 結 びつく 好 循 環 が 実 現 しつつある 全 体 として 景 気 回 復 の 道 筋 を 辿 りつつ あり 20 年 近 くに 及 ぶデフレを 脱 却 しつつある 一 方 で 地 域 の 中 小 企 業 は 電 力 ガス 料 金 仕 入 れ 等 のコスト 増 や 人 手 不 足 による 人 件 費 上 昇 等 の 厳 しい 経 営 環 境 に 直 面 しており 中 小 企 業 における 景 況 感 の 回 復 は 力 強 さを 欠 いている 景 気 回 復 を 持 続 的 な 経 済 成 長 に 結 び 付 けるためには 成 長 戦 略 を 着 実 に 実 行 し 企 業 の 競 争 力 強 化 を 実 現 する 必 要 がある 成 長 戦 略 の 実 行 の 担 い 手 は 経 済 の 好 循 環 の 起 点 となる 企 業 とり わけ 地 域 経 済 と 雇 用 を 支 える 中 小 企 業 である 法 人 税 改 革 や 規 制 改 革 を 通 じて 企 業 が 活 動 しや すい 事 業 環 境 を 整 備 するとともに 企 業 自 らがイノベーションを 起 こす 必 要 がある (わが 国 経 済 における 中 小 中 堅 企 業 の 役 割 重 要 性 とその 活 力 の 強 化 ) 中 小 企 業 の 中 には 高 度 な 技 術 を 有 し 海 外 企 業 とも 競 争 する 等 成 長 を 志 向 する 企 業 が 存 在 する 一 方 で 高 い 雇 用 吸 収 力 を 有 し 多 くの 中 小 企 業 を 支 え 地 域 の 中 核 的 な 役 割 を 果 たす 中 堅 企 業 や 地 域 住 民 の 身 近 な 暮 らしや 地 域 コミュニティと 雇 用 を 支 える 小 規 模 企 業 も 存 在 して いる これら 多 様 な 中 小 企 業 の 存 在 が わが 国 経 済 の 成 長 の 基 盤 となっており 地 域 を 支 え る 中 小 企 業 の 成 長 が 日 本 経 済 の 成 長 につながる これは 中 小 企 業 基 本 法 において 中 小 企 業 はわが 国 経 済 の 活 力 の 維 持 及 び 強 化 に 果 たすべき 重 要 な 使 命 を 有 するものである とされて いることからも 明 らかである 中 小 企 業 は 約 3,200 万 人 の 雇 用 を 抱 え 約 12 兆 円 にのぼる 社 会 保 険 料 や 従 業 員 へ 支 払 う 賃 金 から 発 生 する 約 3 兆 円 の 所 得 課 税 の 負 担 をはじめ 法 人 税 の 約 3 割 消 費 税 の 約 5 割 を 担 うなど 雇 用 や 投 資 活 動 を 通 じて 地 域 経 済 や 国 民 生 活 と 財 政 に 大 きく 貢 献 している ( 地 域 経 済 の 活 性 化 と 賑 わいあるまちづくりの 推 進 ) 地 域 の 活 性 化 なくして わが 国 の 持 続 的 な 成 長 は 実 現 できない 大 都 市 への 人 口 流 出 による 地 方 の 人 口 減 少 が 地 域 で 活 動 する 中 小 企 業 の 活 力 を 喪 失 させ 地 域 経 済 の 疲 弊 を 加 速 させている 喫 緊 の 課 題 である 地 域 の 再 生 を 実 現 するため 中 小 企 業 の 活 力 強 化 を 図 り 地 域 経 済 を 活 性 化 し 地 域 における 雇 用 を 創 出 することで 若 者 の 働 く 場 を 確 保 していく 必 要 がある 農 林 水 産 業 観 光 資 源 地 方 大 学 を 核 とした 産 学 連 携 等 地 域 資 源 の 活 用 による 新 たな 付 加 価 値 創 造 を 推 進 する とともに 地 方 自 治 体 地 域 住 民 と 地 域 の 中 小 企 業 が 危 機 意 識 を 共 有 し 行 政 サービスの 集 中 と 経 済 活 動 の 集 約 活 性 化 を 図 り コンパクトなまちづくりを 実 現 すべきである ( 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 ならびに 人 口 急 減 超 高 齢 社 会 の 克 服 ) 17 年 ぶりに 国 民 や 事 業 者 に 大 きな 負 担 を 強 いる 消 費 税 引 き 上 げが 実 施 されたが 持 続 的 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 のためには 社 会 保 障 の 重 点 化 効 率 化 の 徹 底 をはじめ 消 費 税 引 き 上 げの 国 民 理 解 を 得 るための 行 財 政 改 革 の 断 行 等 歳 出 面 での 改 革 が 不 可 欠 である 少 子 化 による 人 口 急 減 超 高 齢 社 会 を 克 服 するため 2020 年 までに 抜 本 的 な 対 策 を 講 じ なければ わが 国 は 労 働 力 人 口 の 減 少 経 済 成 長 の 鈍 化 地 域 社 会 の 縮 小 社 会 保 障 や 国 地 方 財 政 の 破 たんリスクの 高 まりなど 厳 しく 困 難 な 状 況 に 直 面 することになる 1

基 本 的 な 考 え 方 -4つの 課 題 目 次 1 Ⅰ. 中 小 中 堅 企 業 の 成 長 を 喚 起 後 押 しする 法 人 税 改 革 1. 法 人 実 効 税 率 は 海 外 主 要 国 並 み 20% 台 へ 引 き 下 げるべき 2. 代 替 財 源 課 税 ベースの 拡 大 について 3. 赤 字 法 人 の 多 い 理 由 が 法 人 成 りした 小 規 模 企 業 であるとの 指 摘 について 3 3 5 Ⅱ. 消 費 税 引 き 上 げに 伴 う 課 題 1. 社 会 保 障 税 一 体 改 革 の 着 実 な 実 行 2. 消 費 税 率 10%への 引 き 上 げの 判 断 3. 複 数 税 率 の 導 入 は 社 会 保 障 財 源 が 大 きく 失 われ 国 民 に 別 の 形 で 負 担 を 強 いることから 断 固 反 対 4. 円 滑 な 価 格 転 嫁 の 実 現 5. 二 重 課 税 の 見 直 し 6. 国 境 を 超 えた 役 務 の 提 供 等 に 対 する 消 費 税 制 度 の 見 直 し 6 6 6 8 8 8 Ⅲ. 円 滑 な 事 業 承 継 に 向 けた 抜 本 的 な 見 直 し 1. 事 業 承 継 税 制 の 抜 本 的 な 見 直 し 2. 分 散 した 株 式 の 集 中 化 を 図 る 税 制 措 置 3. 取 引 相 場 のない 株 式 の 評 価 方 法 の 見 直 し 4. 事 業 承 継 税 制 の 活 用 に 向 けた 改 善 5. 担 保 提 供 している 個 人 の 事 業 用 資 産 の 評 価 方 法 の 見 直 し 6. 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 見 直 し 7. 個 人 事 業 主 の 事 業 用 建 物 等 についての 特 例 の 創 設 9 10 10 10 11 11 11 Ⅳ. 中 小 中 堅 企 業 の 活 力 強 化 に 資 する 税 制 1. 企 業 の 成 長 を 後 押 しする 税 制 の 拡 充 本 則 化 2. 新 規 創 業 促 進 ならびにベンチャーを 後 押 しする 税 制 3.イノベーションの 促 進 に 向 けた 税 制 措 置 の 拡 充 4. 企 業 の 前 向 きな 投 資 を 阻 害 する 税 制 の 廃 止 5. 中 小 企 業 の 国 際 化 を 支 援 する 税 制 措 置 の 拡 充 6. 人 材 投 資 を 促 進 する 税 制 措 置 7. 企 業 の 活 力 強 化 を 促 す 税 制 8. 事 業 再 生 再 編 を 支 援 する 税 制 措 置 の 拡 充 9. 中 小 企 業 や 地 域 を 牽 引 する 中 核 企 業 の 成 長 を 後 押 しする 税 制 措 置 12 12 13 14 14 15 16 17 18 Ⅴ. 内 需 拡 大 地 域 活 性 化 に 資 する 税 制 措 置 1. 内 需 拡 大 に 資 する 税 制 措 置 2. 地 方 の 自 主 自 立 に 向 けた 地 方 税 改 革 20 22 Ⅵ. 納 税 環 境 整 備 の 充 実 1. 中 小 企 業 の 納 税 負 担 軽 減 措 置 の 創 設 手 続 きの 簡 素 化 2. 復 興 特 別 所 得 税 の 源 泉 徴 収 事 務 負 担 を 軽 減 すべき 3. 社 会 保 障 税 番 号 導 入 時 の 納 税 協 力 負 担 を 軽 減 すべき 4. 不 納 付 加 算 税 の 軽 減 5. 租 税 教 育 の 充 実 6. 地 域 再 生 や 産 業 振 興 に 取 り 組 む 商 工 会 議 所 等 に 対 する 寄 附 金 制 度 の 拡 充 24 24 25 25 25 25 経 済 活 動 国 民 生 活 に 資 する 税 制 26 2

Ⅰ. 中 小 中 堅 企 業 の 成 長 を 喚 起 後 押 しする 法 人 税 改 革 1. 法 人 実 効 税 率 は 海 外 主 要 国 並 み 20% 台 へ 引 き 下 げるべき わが 国 経 済 の 持 続 的 な 成 長 を 実 現 するためには 高 い 技 術 力 を 保 有 し 世 界 的 に 高 い 市 場 シェ アを 有 するなど 海 外 市 場 で 競 争 する 中 堅 中 小 企 業 の 競 争 力 強 化 や 地 域 の 中 小 企 業 を 支 え 高 い 雇 用 吸 収 力 を 有 するなど 地 域 経 済 に 大 きな 貢 献 をしている 地 域 の 中 核 企 業 の 成 長 の 喚 起 が 必 要 である グローバル 競 争 が 進 展 する 中 諸 外 国 が 法 人 実 効 税 率 を 引 き 下 げており わが 国 の 法 人 実 効 税 率 ( 約 35.6%)は 国 際 的 に 見 て 未 だ 高 い 水 準 にある 企 業 の 国 際 競 争 力 の 強 化 や 対 日 投 資 を 拡 大 するため 諸 外 国 との 競 争 条 件 のイコールフッティングの 実 現 は 急 務 である 安 倍 総 理 が 提 唱 する 企 業 人 が 最 も 仕 事 をしやすい 国 を 実 現 し 経 済 の 好 循 環 を 確 立 する ため 法 人 実 効 税 率 を 海 外 主 要 国 並 みの 20% 台 へ 引 き 下 げるべきである 法 人 所 得 800 万 円 以 下 の 中 小 企 業 は 50 万 社 に 達 し 海 外 製 品 サービスとの 競 争 に 晒 されて いることから 中 小 法 人 の 軽 減 税 率 についても 海 外 との 競 争 に 打 ち 勝 てる 水 準 の 10%まで 引 き 下 げ 適 用 所 得 金 額 を 拡 大 すべきである 2. 代 替 財 源 課 税 ベースの 拡 大 について 法 人 実 効 税 率 引 き 下 げの 代 替 財 源 は 単 年 度 の 法 人 課 税 の 枠 内 で 税 収 中 立 を 図 るのではなく 徹 底 した 歳 出 削 減 に 取 り 組 むことはもとより 予 算 全 体 の 中 での 財 源 確 保 や 複 数 年 度 における 経 済 成 長 の 果 実 を 活 用 すべきである そのため 今 後 の 経 済 財 政 運 営 においては 成 長 産 業 への 集 中 的 な 投 資 による 民 間 投 資 の 拡 大 や 創 業 促 進 新 市 場 開 拓 など 成 長 競 争 力 重 視 の 政 策 の 実 行 により 歳 入 増 を 図 り 中 長 期 的 な 財 政 健 全 化 を 進 めていくことを 基 本 とすべきである 課 税 ベースの 拡 大 については 単 なる 財 源 確 保 といった 観 点 での 検 討 は 適 切 ではない 地 域 を 含 めた 経 済 への 影 響 国 際 的 な 整 合 性 企 業 の 成 長 への 後 押 し 中 小 企 業 の 経 営 への 影 響 制 度 の 簡 素 化 や 公 平 性 等 のさまざまな 視 点 から 慎 重 に 検 討 すべきである (1) 中 小 企 業 は 雇 用 を 通 じて 地 域 と 財 政 に 大 きく 貢 献 地 方 税 も 応 分 負 担 厳 しい 経 済 状 況 の 中 中 小 企 業 は 赤 字 法 人 であっても 雇 用 を 通 じて 地 域 と 財 政 に 大 きく 貢 献 し 地 方 税 も 応 分 負 担 している 中 小 企 業 は 全 体 の 雇 用 の7 割 を 抱 え 社 会 保 険 料 の 事 業 主 負 担 分 は 民 間 事 業 主 拠 出 分 の 約 5 割 の 約 12 兆 円 を 負 担 している また 中 小 企 業 が 従 業 員 に 支 払 った 給 与 から 発 生 する 所 得 税 は 全 法 人 の 約 4 割 の3 兆 円 に 達 し 地 方 税 においても 約 4 割 を 負 担 している (2) 外 形 標 準 課 税 の 適 用 拡 大 は 雇 用 や 地 域 経 済 に 甚 大 な 影 響 を 及 ぼし ひいてはわが 国 経 済 社 会 の 発 展 を 阻 害 することから 断 固 反 対 外 形 標 準 課 税 ( 法 人 事 業 税 の 付 加 価 値 割 )は 賃 金 への 課 税 が 中 心 であり 人 を 雇 用 す るほど 税 負 担 が 増 すことから 雇 用 の 維 持 創 出 に 悪 影 響 をもたらす 政 府 の 賃 金 引 き 上 げの 政 策 にも 逆 行 し 経 済 の 好 循 環 の 実 現 を 阻 害 するものであり 外 形 標 準 課 税 の 適 用 拡 大 には 断 固 反 対 する とりわけ 労 働 分 配 率 が8 割 にも 達 し 損 益 分 岐 点 比 率 が9 割 を 超 える 中 小 企 業 への 適 用 拡 大 は 赤 字 法 人 177 万 社 が 増 税 になるなどその 影 響 は 甚 大 であり 断 固 反 対 する 特 に 三 大 都 市 圏 以 外 の 地 域 においては 中 小 企 業 が 雇 用 する 従 業 員 の 割 合 が 高 く 中 小 企 業 が 雇 用 を 支 えている 外 形 標 準 課 税 が 導 入 されることになれば 地 方 の 中 小 企 業 は 雇 用 を 抑 制 3

し 地 域 の 疲 弊 に 拍 車 がかかり 地 域 経 済 が 衰 退 し ひいては 日 本 経 済 の 成 長 に 悪 影 響 を 与 える また 諸 外 国 においても 賃 金 課 税 は 稀 な 税 制 であり 雇 用 や 中 小 企 業 に 悪 影 響 を 与 える ことから 近 年 は 廃 止 している 国 が 多 い なお 全 国 知 事 会 の 要 望 ( 法 人 実 効 税 率 見 直 しに 関 する 提 案 平 成 26 年 5 月 )においても 中 小 法 人 への 外 形 標 準 課 税 への 拡 大 については 慎 重 に 検 討 すべきとの 提 言 がなされている (3) 中 小 企 業 の 欠 損 金 繰 越 控 除 は 制 限 すべきではない 欠 損 金 の 繰 越 控 除 制 度 は 企 業 活 動 が 期 間 を 定 めず 継 続 して 行 われる 一 方 で 法 人 税 の 課 税 所 得 は 事 業 年 度 を 定 めて 計 算 されることから 法 人 税 負 担 の 平 準 化 を 図 るために 設 けられてい る 制 度 である 中 小 企 業 は 損 益 分 岐 点 比 率 が9 割 にのぼり 景 気 変 動 や 売 上 の 増 減 が 直 ちに 収 支 に 直 結 し 税 引 き 前 利 益 で 赤 字 黒 字 を 繰 り 返 しているのが 実 態 である 国 際 的 にも 多 くの 国 では 中 小 企 業 の 欠 損 金 繰 越 控 除 を 制 限 しておらず 中 小 企 業 の 経 営 の 安 定 性 に 重 要 な 役 割 を 果 たしている 約 92 万 社 の 利 用 企 業 が 増 税 になるなど 中 小 企 業 の 経 営 の 安 定 性 を 損 なうことから 欠 損 金 繰 越 控 除 は 制 限 すべきではない (4) 中 小 企 業 の 成 長 を 後 押 しする 租 税 特 別 措 置 等 は 制 限 すべきではない 大 企 業 並 みの 所 得 を 得 ている 企 業 が 租 税 特 別 措 置 を 利 用 しているとの 指 摘 があるが 大 企 業 の 平 均 所 得 が 約 15 億 円 であるのに 対 し 所 得 が 10 億 円 を 超 える 中 小 企 業 は 1 万 社 に3 社 全 体 で 約 750 社 程 度 と 推 計 され 僅 かの 数 である 毎 年 同 規 模 の 所 得 を 得 ているわけではなく 利 益 の 額 は 変 動 するため 単 年 度 の 所 得 をもっ て 租 税 特 別 措 置 法 等 の 利 用 制 限 を 行 った 場 合 中 長 期 での 税 制 適 用 の 見 通 しを 不 確 実 なもの とし 予 見 可 能 性 が 損 なわれる 中 長 期 的 な 経 営 判 断 が 必 要 な 設 備 投 資 や 人 材 投 資 雇 用 の 増 加 等 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼすことから 中 小 企 業 の 成 長 を 後 押 しする 租 税 特 別 措 置 等 の 適 用 に 所 得 制 限 を 設 けるべきではない (5) 減 価 償 却 方 法 の 見 直 しについて IFRS( 国 際 会 計 基 準 )の 導 入 や 事 業 のグローバル 化 に 伴 う 会 計 の 統 一 化 などを 背 景 に 減 価 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 すべきとの 意 見 があるが 中 小 企 業 は 国 際 会 計 を 採 用 していな いうえ 大 多 数 が 定 率 法 を 選 択 している 減 価 償 却 方 法 が 定 額 法 に 統 一 された 場 合 には キャ ッシュフローが 減 少 し 再 投 資 が 困 難 になる 返 済 余 力 が 縮 小 し 金 融 機 関 からの 借 り 入 れ 枠 が 減 少 する 等 中 小 企 業 の 経 営 に 与 える 影 響 は 大 きい 償 却 期 間 が 企 業 の 設 備 投 資 サイクルに 適 合 していない 等 の 問 題 点 が 指 摘 されており 減 価 償 却 方 法 の 見 直 しにあたっては こうした 中 小 企 業 の 設 備 投 資 の 実 態 を 踏 まえたうえで 慎 重 に 検 討 すべきである (6) 中 小 企 業 の 成 長 の 基 盤 となる 資 本 の 蓄 積 を 阻 害 する 留 保 金 課 税 の 拡 大 には 反 対 激 しい 経 済 変 動 に 対 応 し 安 定 した 経 営 を 行 うためには 優 秀 な 人 材 の 確 保 や 育 成 設 備 投 資 技 術 開 発 や 研 究 開 発 等 の 将 来 に 向 けた 投 資 が 必 要 である 企 業 が 厳 しい 競 争 を 勝 ち 抜 き 成 長 するため 投 資 の 源 泉 となる 利 益 の 蓄 積 と 自 己 資 本 の 充 実 による 財 務 基 盤 の 強 化 は 極 めて 重 要 である 留 保 金 課 税 の 中 小 企 業 への 適 用 拡 大 は 中 小 企 業 基 本 法 の 国 は 中 小 企 業 の 自 己 資 本 の 充 実 を 図 り その 経 営 基 盤 の 強 化 に 資 するため 租 税 負 担 の 適 正 化 その 他 必 要 な 施 策 を 講 ずる( 第 26 条 ) に 反 しているものである 自 己 資 本 の 充 実 を 抑 制 し 企 業 の 成 長 を 阻 害 する 4

留 保 金 課 税 の 拡 大 は 断 固 反 対 であり むしろ 廃 止 すべきである (7) 地 方 税 の 損 金 算 入 の 見 直 しについて 法 人 事 業 税 や 固 定 資 産 税 は 事 業 に 関 連 して 発 生 する 税 であり 費 用 性 があることから 損 金 算 入 が 認 められているところであるが 地 方 自 治 体 による 超 過 課 税 や 減 免 制 度 により 国 税 の 課 税 ベースや 他 の 地 域 の 税 収 に 影 響 を 与 えるため 地 方 税 を 損 金 不 算 入 とすることが 検 討 され ている 地 方 税 の 損 金 不 算 入 措 置 は 課 税 ベースを 拡 大 し 法 人 実 効 税 率 を 引 き 上 げることから 法 人 実 効 税 率 の 引 き 下 げとあわせて 議 論 が 必 要 である 一 方 で 地 方 税 を 損 金 不 算 入 とし 法 人 実 効 税 率 のみ 引 き 下 げた 場 合 中 小 法 人 の 軽 減 税 率 を 適 用 している 所 得 800 万 未 満 の 中 小 法 人 や 赤 字 法 人 には 減 税 効 果 がなく 税 負 担 が 増 加 することになる そのため 法 人 事 業 税 をは じめ 地 方 税 の 損 金 不 算 入 措 置 については 課 税 所 得 の 少 ない 中 小 企 業 に 負 担 が 偏 らないように 中 小 法 人 の 軽 減 税 率 の 引 き 下 げとあわせて 議 論 すべきである 3. 赤 字 法 人 の 多 い 理 由 が 法 人 成 りした 小 規 模 企 業 であるとの 指 摘 について 欠 損 法 人 数 が 多 い 原 因 として 節 税 目 的 で 法 人 成 りした 個 人 事 業 主 と 同 規 模 程 度 の 小 規 模 企 業 の 存 在 が 指 摘 されているが もともと 法 人 制 度 は 経 済 活 動 を 円 滑 に 行 うために 作 られた 極 めて 優 れた 制 度 であり 法 人 形 態 を 選 択 すること 自 体 は 何 ら 問 題 ない 法 人 形 態 を 選 択 する 理 由 は 金 融 機 関 や 取 引 先 からの 要 請 など 継 続 的 な 取 引 の 観 点 から 社 会 的 信 用 の 向 上 を 求 められる 点 にある 国 の 政 策 においても 平 成 18 年 5 月 の 会 社 法 施 行 により 最 低 資 本 金 制 度 が 撤 廃 され 資 本 金 1 円 でも 会 社 を 設 立 することができるようになるなど 法 人 化 を 支 援 する 方 向 で 法 整 備 が 行 われてきた 節 税 目 的 で 法 人 成 りを 選 択 しているのではないかという 点 については 1そもそも 小 規 模 企 業 の 平 均 役 員 数 は 1.8 人 平 均 役 員 給 与 は 約 500 万 円 と 極 めて 低 い 水 準 にあり 過 大 に 役 員 報 酬 を 得 ていない 2 役 員 給 与 は 事 前 に 税 務 署 に 届 出 を 行 っており 収 益 状 況 によって 役 員 給 与 を 期 中 に 変 更 することはできない 仕 組 みになっており 仮 に 過 大 な 役 員 報 酬 を 計 上 した 場 合 は 税 務 当 局 による 取 り 締 まりなど 税 務 執 行 面 で 対 応 する 問 題 である 3 個 人 事 業 主 と 企 業 の 比 較 につい ては 給 与 所 得 控 除 を 含 めた 税 負 担 だけでなく 社 会 保 険 料 負 担 申 告 記 帳 の 負 担 会 計 の 透 明 性 の 差 異 などを 含 め 総 合 的 に 検 討 すべきである なお 中 小 企 業 は 毎 年 9 万 社 を 超 える 登 記 がありながら 企 業 数 自 体 は 横 ばいで 推 移 してお り 新 陳 代 謝 が 相 応 に 進 んでいると 考 えられる また 個 人 事 業 主 で 将 来 の 法 人 成 りを 予 定 して いる 事 業 者 は 総 務 省 の 調 査 によると 約 1%であり ごく 一 部 の 企 業 のケースを 取 り 上 げて 全 体 の 制 度 の 変 更 を 図 ろうとすることは 不 適 切 である 5

Ⅱ. 消 費 税 引 き 上 げに 伴 う 課 題 1. 社 会 保 障 税 一 体 改 革 の 着 実 な 実 行 社 会 保 障 制 度 は 社 会 を 安 定 化 させ 経 済 の 活 力 を 強 化 する 基 盤 である 将 来 世 代 に 負 担 を 先 送 りせず 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 のため 社 会 保 障 給 付 の 重 点 化 効 率 化 の 徹 底 を 図 り 消 費 税 率 10%の 範 囲 内 で 一 定 期 間 は 持 続 可 能 となる 全 体 をパッケージとした 改 革 の 断 行 が 必 要 不 可 欠 である 今 回 の1 年 半 という 短 期 間 で 二 度 にわたる 消 費 税 率 の 引 き 上 げは 国 民 事 業 者 に 大 きな 負 担 を 強 いることになる 他 方 労 働 力 人 口 が 減 少 し 団 塊 の 世 代 がすべて 前 期 高 齢 者 に 入 る 時 代 を 目 前 に 控 える 中 引 き 続 き 重 点 化 効 率 化 を 軸 とした 年 金 医 療 介 護 等 の 各 制 度 の 改 革 を 着 実 に 実 行 するとともに 消 費 税 引 き 上 げへの 国 民 の 理 解 を 深 めるため 行 財 政 改 革 の 断 行 な ど 歳 出 面 の 抑 制 に 取 り 組 むことが 強 く 求 められる 2. 消 費 税 率 10%への 引 き 上 げの 判 断 消 費 税 率 8%への 引 き 上 げに 際 し 約 5 兆 円 規 模 の 経 済 対 策 パッケージの 策 定 による 経 済 の 下 支 えや 消 費 税 転 嫁 対 策 特 別 措 置 法 の 制 定 等 による 円 滑 な 価 格 転 嫁 に 向 けた 取 り 組 みにより 日 本 商 工 会 議 所 が 本 年 5 月 に 行 った 調 査 では 6 割 を 超 える 中 小 企 業 が8%への 引 き 上 げ 分 を 全 て 価 格 転 嫁 できたと 回 答 しており 平 成 9 年 の5%への 引 き 上 げ 時 に 比 べ 円 滑 に 転 嫁 が 進 んでい る 一 方 で なお1 割 の 中 小 企 業 が 全 く 価 格 転 嫁 できていない 状 況 にある とりわけ 対 消 費 者 取 引 の 事 業 者 は 全 て 価 格 転 嫁 できたと 回 答 した 割 合 が5 割 と 低 い 結 果 にとどまっており 売 上 規 模 が 小 さな 事 業 者 ほど 転 嫁 が 困 難 であると 回 答 している 消 費 税 率 10%への 引 き 上 げは 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 に 向 けて わが 国 にとって 重 要 な 判 断 となる 平 成 26 年 7-9 月 期 以 降 の 景 気 の 持 続 的 な 回 復 軌 道 の 維 持 が 不 可 欠 であり 経 済 状 況 の 推 移 や 価 格 転 嫁 の 実 現 状 況 を 詳 細 に 分 析 し 経 済 の 環 境 整 備 に 万 全 を 期 すべきである 消 費 税 率 10%の 引 き 上 げにあたっては 円 滑 な 価 格 転 嫁 に 向 けた 取 り 組 みを 継 続 するととも に 持 続 的 な 経 済 成 長 を 実 現 するための 成 長 戦 略 の 着 実 な 実 行 による 企 業 の 競 争 力 強 化 はもとよ り 消 費 税 引 き 上 げ 後 の 景 気 の 下 振 れをカバーする 景 気 経 済 対 策 の 実 施 が 必 要 である 3. 複 数 税 率 の 導 入 は 社 会 保 障 財 源 が 大 きく 失 われ 国 民 に 別 の 形 で 負 担 を 強 いることから 断 固 反 対 消 費 税 の 複 数 税 率 については 平 成 26 年 度 与 党 税 制 改 正 大 綱 において 必 要 な 財 源 を 確 保 し つつ 関 係 事 業 者 を 含 む 国 民 の 理 解 を 得 た 上 で 税 率 10% 時 に 導 入 する とされ 与 党 税 制 協 議 会 より 線 引 きについての 考 え 方 8つの 線 引 き 案 4つの 区 分 経 理 案 が 提 示 されているが 以 下 の 理 由 により 複 数 税 率 制 度 は 導 入 せず 単 一 税 率 を 維 持 すべきである (1) 複 数 税 率 は 社 会 保 障 制 度 の 持 続 可 能 性 を 損 なう 複 数 税 率 は 高 所 得 者 ほど 大 きな 恩 恵 を 受 けるため 逆 進 性 対 策 としては 非 効 率 である 一 方 大 幅 に 社 会 保 障 財 源 の 減 収 を 招 き 社 会 保 障 制 度 の 持 続 可 能 性 を 損 なう 失 われた 社 会 保 障 財 源 を 新 たに 補 うためには 社 会 保 障 給 付 の 削 減 や 消 費 税 率 の 再 引 き 上 げが 必 要 となる 赤 字 国 債 を 発 行 することになれば 国 民 や 将 来 世 代 に 別 の 形 で 負 担 を 強 いる ことになる 低 所 得 者 対 策 としては 真 に 必 要 なものに 対 して きめ 細 かな 現 金 給 付 で 対 応 すべきである 6

(2) 対 象 品 目 の 線 引 きが 不 明 確 で 国 民 事 業 者 に 大 きな 混 乱 を 招 く 与 党 税 制 協 議 会 において 対 象 範 囲 として 8 種 類 のパターンが 提 示 されているが いずれ の 場 合 も 軽 減 税 率 の 対 象 品 目 となるか 線 引 きが 不 明 確 であり 国 民 事 業 者 双 方 に 大 きな 混 乱 を 与 えることになる 線 引 きによって 類 似 の 品 目 でありながら 公 平 な 取 扱 いをすることが 困 難 となる 事 例 が 多 く 発 生 し 国 民 の 不 満 を 招 くとともに 事 業 者 間 の 競 争 を 阻 害 する EU 諸 国 等 では 大 きな 混 乱 が 生 じており レポート 等 で 数 多 くの 問 題 点 が 指 摘 されている (3) 新 たな 区 分 経 理 の 事 務 や インボイスの 導 入 により 大 きく 事 務 負 担 が 増 加 する 1 区 分 経 理 の 事 務 の 発 生 による 負 担 の 増 加 約 8 割 の 小 規 模 企 業 は 帳 簿 を 税 込 価 格 で 記 帳 ( 税 込 経 理 )し 売 上 高 仕 入 高 の 年 間 合 計 額 に 8/108 を 乗 じて 消 費 税 の 計 算 申 告 をしている 複 数 税 率 が 導 入 されると 品 目 別 に 税 率 を 判 断 して 記 帳 する 区 分 経 理 の 事 務 が 新 たに 発 生 する 与 党 税 制 協 議 会 において 区 分 経 理 の 仕 組 みとして4パターンが 提 示 されているが 請 求 書 等 保 存 方 式 インボイス 方 式 どちらの 方 式 を 採 用 しても 品 目 毎 に 税 率 が 異 なることから 見 積 りから 納 品 請 求 に 至 る 取 引 の 各 段 階 記 帳 から 納 税 事 務 まで 現 行 に 比 べて 大 きく 事 務 負 担 が 増 加 する とりわけ 規 模 の 小 さい 事 業 者 ほど 経 理 事 務 でITを 利 用 していない 実 態 ( 売 上 高 1 千 万 円 以 下 で 約 6 割 )があり 新 たな 区 分 経 理 に 対 応 することは 困 難 である 請 求 書 等 保 存 方 式 を 採 用 し 請 求 書 の 発 行 を 義 務 付 けた 場 合 は 対 消 費 者 向 けの 現 金 取 引 等 において 現 在 は 発 行 を 求 められていない 帳 票 類 についても 作 成 管 理 保 存 が 必 要 と なり 事 務 負 担 が 大 きく 増 加 する 2インボイス 導 入 は 企 業 に 極 めて 重 い 事 務 負 担 を 強 いる インボイス 方 式 を 導 入 した 場 合 には インボイスに 記 載 された 税 額 を 記 帳 しなければなら ず 税 込 経 理 方 式 による 消 費 税 の 経 理 事 務 が 困 難 となるため 税 抜 きの 記 帳 が 必 要 となる また 納 税 時 においては 売 上 と 仕 入 のインボイスに 記 載 された 税 額 をそれぞれ 積 み 上 げ その 差 額 を 納 税 することになるため 現 在 の 法 人 税 所 得 税 の 帳 簿 による 計 算 とは 別 に 消 費 税 の 税 額 計 算 を 行 わなければならなくなる そのため インボイスを 導 入 した 場 合 請 求 書 等 保 存 方 式 に 比 べて 極 めて 重 い 事 務 負 担 を 強 いられることになる 3インボイスが 導 入 されると 500 万 を 超 す 免 税 事 業 者 が 取 引 から 排 除 され 課 税 事 業 者 を 選 択 することを 強 いられる インボイスが 導 入 されると 免 税 事 業 者 は 税 額 欄 にゼロを 記 載 する 必 要 があるため 取 引 先 は 仕 入 れ 税 額 控 除 ができなくなる 一 方 で 免 税 点 制 度 への 誤 解 から 消 費 者 から 消 費 税 率 分 の 不 当 な 値 引 き 要 求 等 を 受 ける 懸 念 がある そのため 500 万 を 超 える 免 税 事 業 者 は 取 引 から 排 除 され 課 税 事 業 者 を 選 択 せざるをえなくなる 4インボイスが 導 入 されると 徴 税 側 の 事 務 負 担 も 増 加 する インボイスは 仕 入 れ 税 額 控 除 のための 証 書 であるため 欧 州 等 では 偽 造 インボイスを 利 用 した 国 境 を 跨 ぐ 不 正 事 件 が 横 行 し 税 務 当 局 による 取 り 締 まり 強 化 等 により 徴 税 側 の 事 務 負 担 が 増 加 している 5 複 数 税 率 が 導 入 されると 事 務 負 担 の 軽 減 という 簡 易 課 税 制 度 の 意 義 が 失 われる 簡 易 課 税 制 度 においては みなし 仕 入 れ 率 を 設 定 する 際 に 業 種 区 分 を 細 分 化 することが 想 定 される(ドイツでは 40 区 分 ) 制 度 が 複 雑 化 すると 事 務 負 担 の 軽 減 という 簡 易 課 税 制 度 の 意 義 が 失 われる 7

4. 円 滑 な 価 格 転 嫁 の 実 現 (1) 価 格 転 嫁 対 策 特 別 措 置 法 に 基 づく 実 効 性 の 高 い 価 格 転 嫁 対 策 商 工 会 議 所 では 円 滑 な 価 格 転 嫁 の 実 現 に 向 け 転 嫁 対 策 特 別 措 置 法 に 基 づく 実 効 性 の 高 い 対 策 の 実 行 や 政 府 が 事 業 者 や 国 民 に 対 して 消 費 税 は 価 格 に 転 嫁 されるものである と 強 い メッセージを 発 信 すべきと 主 張 してきた 全 国 の 商 工 会 議 所 では 消 費 税 引 き 上 げ 前 後 におい て 60 万 を 超 す 事 業 者 からの 相 談 に 応 じるなど 円 滑 な 価 格 転 嫁 の 実 現 に 取 り 組 んできた 公 正 取 引 委 員 会 中 小 企 業 庁 の 指 導 勧 告 により 対 事 業 者 間 取 引 における 転 嫁 拒 否 等 の 行 為 は 一 定 の 抑 止 効 果 が 効 いていると 考 えられるが 一 方 で 対 消 費 者 取 引 や 規 模 の 小 さな 事 業 者 ほど 転 嫁 が 困 難 であることが 実 態 であり 商 工 会 議 所 には 転 嫁 拒 否 等 の 行 為 についての 相 談 が 引 き 続 き 寄 せられている 政 府 は 引 き 続 き 国 民 に 対 する 徹 底 した 広 報 をはじめ 転 嫁 拒 否 の 取 り 締 まりを 推 進 する 等 の 転 嫁 対 策 特 別 措 置 法 に 基 づく 実 効 性 の 高 い 価 格 転 嫁 対 策 を 行 うべきである (2) 価 格 転 嫁 に 効 果 の 高 い 外 税 表 示 選 択 の 恒 久 化 消 費 税 の 価 格 転 嫁 の 調 査 結 果 において 4 割 を 超 える 事 業 者 が 外 税 取 引 や 外 税 表 示 のため 税 額 を 引 き 上 げることが 可 能 であった と 回 答 するなど 外 税 表 示 や 税 抜 き 価 格 の 強 調 表 示 が 有 効 な 転 嫁 対 策 であったとの 声 が 寄 せられている 一 方 で 外 税 表 示 の 選 択 は 時 限 措 置 であることから 事 業 者 は 平 成 29 年 3 月 31 日 までに 税 抜 き 表 示 から 総 額 表 示 に 切 り 替 える 必 要 がある 消 費 者 に 対 して 価 格 を 一 気 に 10% 引 き 上 げたかのような 印 象 を 与 えるため 売 上 を 維 持 するためには 税 込 価 格 を 引 き 下 げなければなら なくなり 消 費 税 の 価 格 転 嫁 に 影 響 するとの 懸 念 の 声 が 小 売 業 や 卸 売 業 の 事 業 者 を 中 心 に 商 工 会 議 所 へ 寄 せられている 消 費 税 引 き 上 げ 後 も 消 費 者 の 消 費 税 への 認 識 を 高 め 円 滑 な 価 格 転 嫁 を 実 現 するために 転 嫁 対 策 特 別 措 置 法 の 期 限 切 れとなる 平 成 29 年 4 月 以 降 においても 外 税 表 示 を 認 め 事 業 者 が 表 示 方 法 を 選 択 できるようにすべきである 5. 二 重 課 税 の 見 直 し わが 国 の 税 制 において 消 費 税 と 印 紙 税 揮 発 油 税 自 動 車 取 得 税 酒 税 等 との 二 重 課 税 の 問 題 があり 今 回 の 消 費 税 の 引 き 上 げの 機 会 に 以 下 に 掲 げる 二 重 課 税 の 解 消 を 図 ることはもと より 多 岐 多 重 に 課 税 される 消 費 課 税 を 抜 本 的 に 見 直 すべきである 1 印 紙 税 2 石 油 に 課 せられる 税 ( 揮 発 油 税 地 方 揮 発 油 税 石 油 ガス 税 石 油 石 炭 税 等 ) 3 自 動 車 に 課 せられる 税 ( 自 動 車 取 得 税 の 着 実 な 廃 止 自 動 車 重 量 税 ) 自 動 車 重 量 税 は 自 動 車 税 との 二 重 課 税 4 嗜 好 品 に 課 せられる 税 ( 酒 税 等 ) 5その 他 の 税 (ゴルフ 場 利 用 税 建 物 に 係 る 不 動 産 取 得 税 入 湯 税 等 ) 6. 国 境 を 超 えた 役 務 の 提 供 等 に 対 する 消 費 税 制 度 の 見 直 し 現 在 海 外 からのインターネット 等 を 通 じた 役 務 提 供 には 消 費 税 が 課 せられておらず 同 様 の 役 務 を 提 供 している 国 内 企 業 は 不 利 な 競 争 環 境 に 置 かれている 国 境 を 超 えた 消 費 税 制 度 は 早 急 に 見 直 し 国 内 取 引 と 同 様 に 消 費 税 を 課 税 すべきである 制 度 の 見 直 しにあたっては 中 小 企 業 に 過 度 の 事 務 負 担 を 強 いることのないように 配 慮 すべきである 8

Ⅲ. 円 滑 な 事 業 承 継 に 向 けた 抜 本 的 な 見 直 し 60 歳 以 上 の 経 営 者 の 割 合 は 20 年 前 の 29.8%に 対 して 2012 年 には 51.8%にまで 増 えており 経 営 者 の 高 齢 化 が 進 んでいる 経 営 者 の 平 均 引 退 年 齢 は 中 規 模 企 業 で 67.7 歳 小 規 模 事 業 者 では 70.5 歳 となっており 今 後 10 年 間 で 5 割 を 超 える 現 経 営 者 が 平 均 引 退 年 齢 にさしかかり 事 業 承 継 のタイミングを 迎 えることと 予 想 される 一 方 円 滑 な 事 業 承 継 が 進 まず 高 度 な 技 術 等 競 争 力 を 有 しながらも 廃 業 や 海 外 企 業 への 株 式 売 却 を 検 討 する 中 小 企 業 も 少 なくない 中 小 企 業 は 地 域 経 済 の 中 核 を 担 い 雇 用 の 受 け 皿 として 重 要 な 役 割 を 果 たしており わが 国 の 経 済 成 長 の 実 現 のためには 中 小 企 業 が 事 業 を 継 続 し 保 有 する 経 営 資 源 を 次 代 に 繋 ぎ 成 長 してい くことが 必 要 不 可 欠 である 経 営 者 の 経 営 努 力 で 企 業 を 成 長 させればさせるほど 非 上 場 株 式 の 評 価 が 高 くなり 中 小 企 業 の 事 業 承 継 を 困 難 にしている 経 営 者 が 交 代 する 際 非 上 場 株 式 を 売 却 することなく 代 表 者 に 承 継 し 実 態 として 交 代 前 と 変 わらないにも 関 わらず 多 額 の 相 続 税 贈 与 税 負 担 が 課 せられるこ とは 適 切 でない 既 に 分 散 している 株 式 の 集 中 化 や 後 継 者 以 外 の 経 営 に 係 らない 相 続 人 への 事 業 用 資 産 の 分 散 の 防 止 等 事 業 承 継 にあたって 中 小 企 業 が 乗 り 越 える 課 題 は 多 岐 にわたっている そのため 中 小 企 業 の 多 様 なニーズ 急 激 に 進 む 経 営 者 の 高 齢 化 労 働 力 人 口 の 減 少 等 雇 用 環 境 の 変 化 事 業 承 継 の 形 態 の 多 様 化 といった 経 営 承 継 円 滑 化 法 施 行 時 からの 状 況 の 変 化 に 対 応 す べく 事 業 承 継 税 制 の 抜 本 的 な 見 直 しを 早 急 に 図 る 必 要 がある 中 長 期 的 には 中 小 企 業 が 事 業 用 資 産 を 損 なうことなく 十 分 な 形 で 次 世 代 に 事 業 を 承 継 でき るよう わが 国 の 事 業 用 資 産 の 承 継 に 係 る 非 課 税 措 置 を 実 現 する 必 要 がある 1. 事 業 承 継 税 制 の 抜 本 的 な 見 直 し (1) 発 行 済 議 決 権 株 式 の 総 数 等 の 2/3 要 件 の 100%への 拡 充 納 税 猶 予 の 対 象 となる 自 社 株 式 について 相 続 等 により 取 得 した 議 決 権 株 式 等 と 相 続 開 始 前 から 保 有 していた 議 決 権 株 式 等 を 合 わせて 発 行 済 議 決 権 株 式 の 総 数 の3 分 の2までとする 上 限 があるが これを 撤 廃 し 全 ての 株 式 を 対 象 とすべきである 相 続 時 に 実 質 的 に 売 却 困 難 である3 分 の2を 超 える 株 式 は 相 続 税 負 担 がかかるため 事 業 の 円 滑 な 承 継 が 困 難 となってい る (2) 相 続 税 の 納 税 猶 予 割 合 の 100%への 引 き 上 げ 経 営 承 継 円 滑 化 法 成 立 時 の 付 帯 決 議 において 検 討 課 題 とされた 相 続 税 の 納 税 猶 予 割 合 の 100%への 引 き 上 げについて 早 急 に 実 現 すべきである 発 行 済 議 決 権 株 式 の 総 数 等 の3 分 の 2までとする 上 限 かつ 80%の 納 税 猶 予 では 結 果 として 猶 予 効 果 は 半 分 ( 約 53%)にとどま り 効 果 が 薄 いことが 利 用 の 進 まない 原 因 の1つとなっている (3) 兄 弟 等 複 数 人 での 承 継 の 対 象 化 人 材 が 限 られる 中 小 企 業 においては 兄 弟 等 で 経 営 を 行 っている 場 合 が 少 なくない 現 行 制 度 では 後 継 者 を1 人 に 選 定 しなければ 納 税 猶 予 制 度 を 利 用 することは 出 来 ないが 後 継 者 の 選 定 を 税 制 で 歪 めるべきではない 他 方 経 営 資 源 としての 議 決 権 株 式 の 分 散 を 防 止 し 安 定 的 な 経 営 を 継 続 することは 重 要 で ある このため 納 税 猶 予 制 度 の 特 例 として 兄 弟 等 で 経 営 を 行 っている 場 合 は 猶 予 対 象 とな る 後 継 者 を 常 勤 で 代 表 権 のある 者 まで 拡 大 し 複 数 人 での 承 継 を 認 めるべきである 9

2. 分 散 した 株 式 の 集 中 化 を 図 る 税 制 措 置 商 法 上 株 式 会 社 の 発 起 人 が7 人 以 上 必 要 とされた 時 代 があり 実 質 的 な 創 業 者 以 外 の 他 の 発 起 人 が 株 式 を 分 散 保 有 している 会 社 も 多 い これらの 株 式 を 経 営 者 が 取 得 する 場 合 当 該 非 上 場 株 式 が 高 く 評 価 され 買 い 戻 しが 極 めて 困 難 になっている また 先 代 経 営 者 が 社 員 に 株 式 を 贈 与 または 額 面 負 担 で 譲 渡 している 場 合 や 株 主 の 相 続 等 で 株 式 が 分 散 している 場 合 にも 同 様 の 問 題 が 生 じている 安 定 的 な 事 業 継 続 を 確 保 する 観 点 から 分 散 した 株 式 の 集 中 化 を 図 るため 特 例 的 評 価 方 式 ( 配 当 還 元 方 式 )での 買 い 取 りを 認 めるとともに 発 行 会 社 が 買 い 取 る 場 合 の 譲 渡 株 主 ( 個 人 )のみ なし 配 当 課 税 および 譲 渡 者 から 残 存 株 主 へのみなし 贈 与 課 税 の 適 用 停 止 等 の 措 置 を 講 じる 必 要 がある 将 来 的 には 事 業 用 資 産 を 後 継 者 へ 集 中 させるため 相 続 税 の 課 税 方 式 のあり 方 も 併 せて 検 討 が 必 要 である 3. 取 引 相 場 のない 株 式 の 評 価 方 法 の 見 直 し 取 引 相 場 のない 株 式 の 評 価 については 中 小 企 業 経 営 者 が 経 営 努 力 により 企 業 価 値 を 向 上 させ るほど 評 価 額 が 高 くなり 相 続 税 負 担 が 重 くなるという 弊 害 が 生 じている 後 継 者 が 価 値 ある 企 業 の 経 営 資 源 を 円 滑 に 承 継 し 雇 用 や 投 資 を 通 じて 企 業 の 成 長 を 図 る 観 点 から 配 当 還 元 方 式 や DCF(ディスカウント キャッシュ フロー) 方 式 収 益 還 元 方 式 類 似 業 種 比 準 方 式 など 多 様 な 評 価 方 法 を 検 討 し 事 業 の 継 続 を 前 提 として 財 産 評 価 基 本 通 達 における 取 引 相 場 のない 株 式 の 評 価 方 法 を 抜 本 的 に 見 直 すべきである また 同 族 株 主 判 定 の 際 に 基 準 となる 6 親 等 内 の 血 族 3 親 等 内 の 姻 族 は 親 族 関 係 が 希 薄 化 した 現 在 では 馴 染 まないため 早 急 にその 範 囲 を 縮 小 すべきである 4. 事 業 承 継 税 制 の 活 用 に 向 けた 改 善 (1) 贈 与 税 猶 予 制 度 の 見 直 し 贈 与 税 の 納 税 猶 予 制 度 については 贈 与 者 ( 先 代 )の 死 亡 後 に 相 続 税 の 納 税 猶 予 制 度 へ 切 り 替 えて 納 税 猶 予 を 継 続 させる 仕 組 みである しかし 先 代 が 健 在 でいる 間 に2 代 目 後 継 者 の 高 齢 化 も 進 み 3 代 目 に 事 業 承 継 した 方 が 事 業 の 安 定 的 な 継 続 に 資 する 場 合 であっても 現 行 制 度 では 先 代 が 存 命 の 場 合 には 3 代 目 に 譲 り 渡 した 時 点 で 贈 与 税 の 納 税 猶 予 が 打 ち 切 りと なる 2 代 目 後 継 者 が5 年 間 の 事 業 継 続 期 間 において 各 種 要 件 を 満 たした 場 合 については 先 代 の 死 亡 を 待 たずに3 代 目 へ 生 前 贈 与 し 贈 与 税 の 納 税 猶 予 の 適 用 を3 代 目 に 引 き 継 ぐことを 可 能 とすべきである (2) 事 前 確 認 制 度 の 利 用 促 進 に 向 けた 措 置 平 成 25 年 度 税 制 改 正 において 経 済 産 業 大 臣 の 事 前 確 認 が 不 要 となったことから 中 小 事 業 者 が 制 度 の 詳 細 内 容 を 認 識 しておらず 相 続 開 始 時 に 要 件 を 満 たしていないことを 理 由 に 制 度 を 利 用 できないという 事 態 が 生 じている 相 続 開 始 前 に 事 業 承 継 に 向 けた 取 り 組 みを 促 進 させるため 事 前 確 認 制 度 利 用 者 に 対 し イ ンセンティブを 与 えるような 措 置 を 講 じるべきである (3) 贈 与 税 の 納 税 猶 予 の 認 定 取 り 消 し 時 に 相 続 時 精 算 課 税 制 度 を 選 択 可 能 とする 措 置 贈 与 税 の 納 税 猶 予 の 認 定 が 取 り 消 された 場 合 に 暦 年 課 税 制 度 による 贈 与 税 の 負 担 に 加 え 5 年 以 内 の 取 消 しは 納 税 猶 予 開 始 後 5 年 経 過 後 の 取 消 しは5 年 経 過 後 の 期 間 について 利 子 税 10

が 付 加 されるため 事 業 承 継 が 極 めて 困 難 になる 認 定 取 消 し 時 のリスク 軽 減 を 図 る 観 点 から 相 続 時 精 算 課 税 制 度 を 選 択 可 能 とする 措 置 を 講 じるべきである (4) 民 法 特 例 の 見 直 し 平 成 25 年 度 税 制 改 正 により 平 成 27 年 1 月 からは 親 族 外 承 継 についても 事 業 承 継 税 制 の 対 象 とされたところであるが 経 営 承 継 円 滑 化 法 の 遺 留 分 に 関 する 民 法 特 例 については 後 継 者 は 現 経 営 者 の 推 定 相 続 人 であることとされており 親 族 外 の 第 三 者 が 後 継 者 となる 場 合 の 事 業 承 継 については 本 特 例 の 適 用 を 受 けることができない 親 族 外 承 継 が 増 加 する 中 親 族 外 承 継 に 対 する 支 援 措 置 を 拡 充 することにより 中 小 企 業 の 事 業 の 継 続 を 図 り 雇 用 の 維 持 創 出 に 繋 げることが 重 要 であるため 親 族 外 承 継 についても 民 法 特 例 を 適 用 すべきである (5) 雇 用 要 件 の 緩 和 日 本 の 人 口 は 減 少 局 面 を 迎 えており 労 働 力 人 口 割 合 も 減 少 を 続 けている 中 雇 用 を 維 持 し 続 けることは 今 後 一 層 厳 しくなることが 予 測 される 現 在 常 時 使 用 する 従 業 員 は 厚 生 年 金 保 険 の 被 保 険 者 とされているところであるが 業 種 や 規 模 によっては 要 件 を 満 たすことが 困 難 であることから 従 業 員 の 算 定 基 礎 を 柔 軟 に 検 討 すべ きである (6) 信 託 を 活 用 した 株 式 の 納 税 猶 予 制 度 の 適 用 化 事 業 承 継 の 選 択 肢 を 増 やす 観 点 から 株 式 の 信 託 を 活 用 した 場 合 について 納 税 猶 予 制 度 の 適 用 を 認 めるべきである 5. 担 保 提 供 している 個 人 の 事 業 用 資 産 の 評 価 方 法 の 見 直 し 中 小 企 業 経 営 者 の 個 人 資 産 に 占 める 事 業 用 資 産 の 割 合 は6 割 を 超 え 所 有 と 経 営 が 一 体 である 中 小 企 業 は 事 業 資 金 の 借 入 のために 個 人 資 産 を 担 保 提 供 している 場 合 が 多 い 法 人 経 営 のため に 提 供 した 個 人 資 産 は 債 権 者 の 承 諾 なしには 処 分 できず 資 産 価 値 としては 大 きな 制 約 を 受 けて いる 法 人 経 営 のために 担 保 提 供 した 個 人 資 産 は 事 業 用 資 産 に 準 ずるものとして 扱 い 担 保 付 き 個 人 資 産 の 評 価 額 の 一 定 割 合 を 減 額 する 特 例 の 創 設 ( 減 額 は 担 保 に 入 っている 借 入 金 の 総 額 を 上 限 ) 等 相 続 税 の 評 価 方 法 の 見 直 しを 検 討 すべきである 6. 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 見 直 し 相 続 時 精 算 課 税 制 度 を 利 用 することにより 事 業 用 資 産 を 後 継 者 に 集 中 させることが 可 能 であ るが 相 続 時 精 算 課 税 に 係 る 贈 与 によって 取 得 した 宅 地 等 について 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 の 適 用 を 認 められていない そのため 事 業 承 継 に 相 続 時 精 算 課 税 制 度 を 利 用 した 場 合 においても 小 規 模 宅 地 等 の 特 例 の 適 用 を 認 めるべきである 7. 個 人 事 業 主 の 事 業 用 建 物 等 についての 特 例 の 創 設 個 人 事 業 主 については 小 規 模 宅 地 の 特 例 があり 有 効 に 活 用 されてきたところであるが 地 方 においては 資 産 における 建 物 の 割 合 が 高 く 個 人 事 業 主 の 事 業 承 継 の 大 きな 阻 害 要 因 となっ ている そのため 小 規 模 企 業 の 約 6 割 を 占 める 個 人 事 業 主 に 係 る 事 業 承 継 の 円 滑 化 のため 個 人 事 業 主 の 事 業 用 建 物 に 係 る 相 続 税 を 軽 減 する 措 置 を 講 じるべきである 11

Ⅳ. 中 小 中 堅 企 業 の 活 力 強 化 に 資 する 税 制 < 中 小 中 堅 企 業 の 成 長 を 喚 起 後 押 しする 税 制 の 拡 充 本 則 化 > 1. 企 業 の 成 長 を 後 押 しする 税 制 の 拡 充 本 則 化 (1) 商 業 サービス 業 活 性 化 税 制 の 拡 充 本 則 化 消 費 税 の 10%への 引 き 上 げが 予 定 される 中 商 業 サービス 業 を 営 む 中 小 企 業 等 の 経 営 改 善 に 資 する 設 備 投 資 を 後 押 しするため 償 却 率 (30%)および 税 額 控 除 率 (7%)の 大 幅 な 引 き 上 げを 行 った 上 で 本 則 化 すべきである (2) 中 小 企 業 等 の 貸 倒 引 当 金 の 特 例 の 延 長 売 掛 金 等 の 債 権 が 貸 倒 れた 場 合 のリスク 軽 減 に 寄 与 していることから 中 小 企 業 等 の 貸 倒 引 当 金 については 適 用 期 限 を 延 長 すべきである (3) 軽 油 引 取 税 の 課 税 免 除 の 特 例 措 置 の 延 長 エネルギーコストの 軽 減 を 通 じて 中 小 企 業 の 経 営 の 安 定 地 域 経 済 の 発 展 に 寄 与 している ことから 軽 油 引 取 税 の 課 税 免 除 の 特 例 措 置 については 適 用 期 限 を 延 長 すべきである (4) 信 用 保 証 協 会 が 受 ける 抵 当 権 の 設 定 登 記 等 の 税 率 の 軽 減 措 置 の 延 長 中 小 企 業 の 担 保 保 証 費 用 の 負 担 を 軽 減 し 資 金 繰 りの 円 滑 化 に 寄 与 していることから 信 用 保 証 協 会 が 受 ける 抵 当 権 の 設 定 登 記 等 の 税 率 の 軽 減 措 置 については 適 用 期 限 を 延 長 すべきである (5) 環 境 新 エネルギー 等 への 取 り 組 み 促 進 に 資 する 税 制 措 置 エネルギーの 安 定 供 給 確 保 が 急 がれる 中 企 業 のグリーン 投 資 のさらなる 活 発 化 を 図 るため に 即 時 償 却 の 対 象 範 囲 を 拡 大 するなど グリーン 投 資 減 税 の 拡 充 延 長 を 図 るべきである また エネルギーの 安 定 供 給 の 確 保 の 観 点 から コージェネレーションに 係 る 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 の 特 例 措 置 については 適 用 期 限 を 延 長 すべきである (6) 個 人 事 業 者 の 税 負 担 の 軽 減 個 人 事 業 者 は 地 域 社 会 に 根 付 き 雇 用 を 支 える 存 在 として 重 要 な 役 割 を 果 たしている 個 人 事 業 者 の 経 営 基 盤 の 強 化 を 図 るため 中 小 法 人 の 軽 減 税 率 の 引 き 下 げにあわせて 事 業 主 報 酬 の 損 金 算 入 化 青 色 申 告 控 除 (65 万 円 )や 個 人 事 業 税 の 事 業 主 控 除 (290 万 円 )の 拡 充 等 個 人 事 業 者 の 税 負 担 の 軽 減 を 図 るべきである 2. 新 規 創 業 促 進 ならびにベンチャーを 後 押 しする 税 制 開 業 率 が 廃 業 率 を 下 回 る 状 況 が 続 いており わが 国 の 企 業 数 は 2009 年 からの3 年 間 で 約 35 万 社 が 減 少 している 企 業 数 の 減 少 に 歯 止 めをかけ 経 済 活 力 を 維 持 するためには 創 業 の 促 進 が 不 可 欠 である 創 業 は 産 業 の 新 陳 代 謝 をもたらし 経 済 活 力 を 増 大 するのみならず 雇 用 の 増 加 にも 大 きく 貢 献 するものである 開 業 率 10% 台 の 目 標 達 成 に 向 け 創 業 マインドの 醸 成 や 創 業 準 備 段 階 から 強 力 なサポートを 実 施 するとともに 税 制 面 から 強 力 に 支 援 していくことが 必 要 である とりわけ 創 業 時 においては 会 社 設 立 の 資 金 をはじめ 初 期 の 設 備 投 資 や 運 転 資 金 顧 客 開 拓 資 金 等 に 多 額 の 資 金 が 必 要 な 一 方 創 業 後 は 十 分 な 資 金 を 調 達 することが 困 難 なケースが 多 い 果 敢 にチャレンジする 企 業 が 苦 難 を 乗 り 越 えて 成 長 していけるよう 以 下 の 措 置 が 必 要 である 12

(1) 創 業 後 5 年 間 の 法 人 税 社 会 保 険 料 の 減 免 措 置 創 業 する 中 小 企 業 の 経 営 基 盤 を 強 化 し 企 業 の 拡 大 発 展 を 強 力 に 後 押 しするため 創 業 後 5 年 間 の 法 人 税 免 税 社 会 保 険 料 の 減 免 措 置 を 図 るべきである (2) 創 業 者 の 親 族 等 から 贈 与 された 創 業 資 金 に 係 る 贈 与 税 非 課 税 枠 (1,000 万 円 )の 創 設 創 業 者 の 親 族 等 から 贈 与 された 創 業 資 金 に 係 る 贈 与 税 について 1,000 万 円 の 非 課 税 枠 を 創 設 し 新 規 創 業 を 支 援 すべきである (3)エンジェル 税 制 の 利 用 促 進 に 向 けた 運 用 改 善 適 用 要 件 の 拡 充 1エンジェル 税 制 の 利 用 促 進 に 向 けた 運 用 改 善 成 長 途 上 にある 企 業 へのリスクマネーの 供 給 を 増 加 させるためには 適 用 件 数 が 低 迷 して いるエンジェル 税 制 の 利 用 促 進 が 不 可 欠 である まずは ベンチャーキャピタルをはじめ 金 融 機 関 や 専 門 家 と 連 携 し エンジェル 税 制 適 用 企 業 の 事 前 確 認 制 度 の 周 知 や 事 前 確 認 企 業 の 投 資 家 への 広 報 を 強 化 するなど 運 用 面 の 改 善 が 求 められる 2エンジェル 税 制 の 適 用 要 件 の 拡 充 ベンチャー 企 業 への 投 資 拡 大 の 観 点 より 適 用 企 業 要 件 である 売 上 高 成 長 率 (25% 超 )の 引 き 下 げや 創 業 3 年 以 内 を5 年 以 内 に 延 長 する 等 の 要 件 緩 和 を 図 るとともに 農 業 や 環 境 等 の 成 長 産 業 への 投 資 促 進 を 図 る 措 置 を 講 じるべきである 一 方 で 個 人 投 資 家 の 投 資 意 欲 を 喚 起 する 観 点 から 投 資 額 の 所 得 控 除 の 上 限 額 ( 総 所 得 金 額 の 40%もしくは 1,000 万 円 のいずれか 低 い 方 )を 引 き 上 げるとともに ベンチャー 企 業 の 株 式 損 失 における 他 の 所 得 との 損 益 通 算 の 実 現 を 図 るべきである 3.イノベーションの 促 進 に 向 けた 税 制 措 置 の 拡 充 競 争 力 の 強 化 に 向 け 自 らの 強 みや 特 性 を 最 大 限 に 活 かして 行 う 独 自 技 術 の 確 立 や 市 場 ニー ズをとらえた 製 品 開 発 など 中 小 企 業 のイノベーションの 促 進 に 向 けた 取 り 組 みを 大 胆 に 支 援 す ることが 必 要 である (1) 研 究 開 発 投 資 促 進 税 制 の 拡 充 本 則 化 わが 国 のものづくりを 支 える 中 小 企 業 の 技 術 開 発 や 研 究 開 発 を 後 押 しし グローバル 競 争 に 打 ち 勝 つために 研 究 開 発 投 資 促 進 税 制 について 以 下 に 掲 げる 措 置 を 講 じるべきである 1 研 究 開 発 投 資 の 底 上 げのため 平 成 25 年 度 税 制 改 正 で 拡 充 された 総 額 型 の 税 額 控 除 上 限 は 30%で 恒 久 化 すべきである 2オープンイノベーション( 特 別 試 験 研 究 費 )の 範 囲 に 中 小 企 業 に 支 払 った 技 術 ライセン ス 料 および 特 許 譲 受 対 価 を 追 加 すべきである また 控 除 率 について 現 行 の 12%から 60%へ 引 き 上 げるとともに 控 除 上 限 の 別 枠 化 を 図 るべきである 3 中 小 企 業 の 知 的 財 産 権 の 国 内 保 有 を 推 進 するため パテント ボックス 税 制 ( 知 的 財 産 権 に 起 因 する 収 益 に 対 する 軽 減 税 率 の 適 用 )を 早 急 に 創 設 すべきである 4 中 小 企 業 の 研 究 開 発 を 後 押 しするため 中 小 企 業 技 術 基 盤 強 化 税 制 を 拡 充 し 税 額 控 除 率 (12%)を 引 き 上 げるべきである 5 安 価 で 安 定 的 なエネルギー 供 給 を 促 進 するため 省 エネや 新 エネ 等 に 係 る 研 究 開 発 費 につ いて 研 究 開 発 税 制 に 上 乗 せして 税 額 控 除 を 可 能 とする 措 置 を 創 設 すべきである 13

(2) 研 究 開 発 投 資 促 進 税 制 の 中 小 企 業 を 対 象 とした 運 用 面 の 大 胆 な 改 善 経 営 資 源 の 限 られた 中 小 企 業 は 一 人 の 人 員 が 研 究 開 発 とともに 他 の 業 務 を 兼 務 することが 多 いが 研 究 開 発 税 制 の 対 象 となる 人 件 費 は 専 門 的 知 識 を 持 って 試 験 開 発 の 業 務 に 専 ら 従 事 することが 求 められており 使 い 勝 手 が 悪 く 利 用 率 が 低 迷 している 原 因 になっている 中 小 企 業 の 研 究 開 発 への 取 り 組 みを 強 力 に 支 援 するため 中 小 企 業 の 場 合 は 専 属 的 に 従 事 せ ずとも 担 当 業 務 への 従 事 状 況 が 明 確 に 区 分 されていれば 試 験 研 究 費 の 対 象 となる 人 件 費 を 概 算 比 率 で 計 上 可 能 とすることや 従 業 員 の 研 究 開 発 活 動 割 合 が 80% 以 上 である 場 合 に そ の 従 業 員 に 係 る 賃 金 の 全 てを 人 件 費 の 対 象 とするなど 大 胆 に 運 用 面 を 改 善 すべきである また 試 験 研 究 費 の 対 象 費 目 ( 製 造 原 価 )を 明 確 化 することが 利 用 促 進 には 必 要 不 可 欠 で あり テンプレート 等 の 作 成 や 中 小 企 業 への 周 知 徹 底 等 の 方 策 を 講 じるべきである 4. 企 業 の 前 向 きな 投 資 を 阻 害 する 税 制 の 廃 止 (1) 企 業 の 前 向 きな 設 備 投 資 を 阻 害 する 償 却 資 産 に 係 る 固 定 資 産 税 の 廃 止 償 却 資 産 に 係 る 固 定 資 産 税 は 企 業 の 前 向 きな 設 備 投 資 を 阻 害 するものであり また 国 際 的 にも 稀 な 税 制 であることから 廃 止 する 必 要 がある 特 に 機 械 装 置 に 係 る 固 定 資 産 税 に ついては 中 小 企 業 の 前 向 きな 成 長 を 阻 害 するものであることから 早 急 に 廃 止 すべきである 少 なくとも 免 税 点 (150 万 円 )の 引 き 上 げを 図 るべきである 少 額 減 価 償 却 資 産 の 対 象 資 産 について 国 税 (30 万 円 )と 地 方 税 ( 固 定 資 産 税 (20 万 円 )) において その 対 象 が 異 なるため 事 業 者 は 申 告 のために 帳 簿 の 二 重 管 理 等 の 納 税 事 務 負 担 を 強 いられている 本 来 償 却 資 産 に 係 る 固 定 資 産 税 は 廃 止 すべきであるが 暫 定 的 に 二 重 管 理 の 弊 害 を 排 除 するため 当 面 国 税 の 基 準 に 統 一 すべきである (2) 企 業 の 前 向 きな 投 資 を 阻 害 する 事 業 所 税 の 廃 止 事 業 所 税 は 都 市 計 画 税 が 徴 収 される 中 にあって すでにその 目 的 を 達 成 している また 都 市 間 の 公 平 性 の 観 点 から 問 題 であるとともに 新 規 開 業 や 事 業 所 の 立 地 等 を 阻 害 する 追 い 出 し 税 となっている さらに 赤 字 企 業 にも 課 税 される 事 業 に 対 する 外 形 課 税 であり 固 定 資 産 税 との 二 重 負 担 と の 指 摘 もある 課 税 算 出 根 拠 が 事 業 所 面 積 従 業 員 給 与 となっていることから 企 業 の 成 長 に 向 けた 前 向 きな 活 動 を 阻 害 している 中 小 企 業 の 成 長 を 阻 害 している 事 業 所 税 は 早 急 に 廃 止 すべきである 5. 中 小 企 業 の 国 際 化 を 支 援 する 税 制 措 置 の 拡 充 少 子 高 齢 化 に 伴 う 国 内 市 場 の 縮 小 経 済 のグローバル 化 の 進 展 に 対 応 するために 中 小 企 業 に おいても 輸 出 や 事 業 の 国 際 化 等 の 海 外 展 開 を 積 極 的 に 推 進 し アジア 等 の 活 力 を 取 り 込 んで 成 長 していくことが 重 要 となっている 海 外 展 開 を 行 う 中 小 企 業 数 は 国 内 事 業 のみを 行 う 企 業 と 比 べ 海 外 展 開 を 行 う 企 業 は 国 内 での 売 上 や 雇 用 の 拡 大 を 実 現 し 国 内 の 経 済 成 長 に 大 きく 貢 献 している しかしながら 海 外 展 開 には 格 段 に 大 きな 困 難 が 伴 うため 中 小 企 業 の 海 外 展 開 を 後 押 しす るとともに 海 外 展 開 後 に 国 内 へ 利 益 を 還 流 し 国 内 の 経 営 基 盤 強 化 を 支 援 する 税 制 措 置 が 必 要 である (1)タックスヘイブン 対 策 税 制 のトリガー 税 率 の 引 き 下 げ(20% 18%) タックスヘイブン 対 策 税 制 の 軽 課 税 国 の 判 定 基 準 は 平 成 22 年 度 税 制 改 正 において 25%か 14

ら 20%に 引 き 下 げられたが その 後 アジア 諸 国 や 欧 州 等 では 法 人 税 率 を 引 き 下 げる 動 きが 加 速 化 している 特 に 中 小 企 業 の 進 出 の 多 いタイは 2013 年 より 20%に 引 き 下 げられ タックスヘイブン 対 策 税 制 の 対 象 国 となることから 適 用 除 外 基 準 に 該 当 する 証 明 資 料 の 作 成 等 経 営 資 源 の 乏 し い 中 小 企 業 においては 重 い 事 務 負 担 が 課 せられることになる 中 小 企 業 の 海 外 展 開 を 推 進 する 観 点 から タックスヘイブン 対 策 税 制 のトリガー 税 率 を 現 行 の 20%から 18% 程 度 まで 引 き 下 げるべきである (2) 海 外 展 開 で 得 た 利 益 の 国 内 への 還 流 促 進 に 資 する 税 制 措 置 の 拡 充 海 外 市 場 の 開 拓 により 輸 出 による 外 需 の 取 り 込 み 現 地 生 産 による 新 たな 需 要 の 創 出 等 の 動 きが 今 後 も 加 速 する 中 わが 国 企 業 が 国 内 に 研 究 開 発 拠 点 等 の 機 能 と 雇 用 を 残 しつつ 海 外 において 利 益 を 確 保 し それを 国 内 に 還 流 させ 新 たな 投 資 と 雇 用 につなげていく 好 循 環 を 創 り 上 げていくことが 極 めて 重 要 であり 以 下 に 掲 げる 税 制 措 置 が 必 要 である 1 中 小 企 業 における 受 取 配 当 金 の 全 額 益 金 不 算 入 の 実 現 平 成 21 年 度 税 制 改 正 において 海 外 展 開 による 利 益 の 国 内 への 還 流 を 促 進 させるため 海 外 子 会 社 からの 受 取 配 当 金 益 金 不 算 入 制 度 が 導 入 されたが 海 外 子 会 社 投 資 関 連 費 用 とし て5% 分 が 相 殺 され 95%が 益 金 不 算 入 となっている 中 小 企 業 の 海 外 展 開 をより 一 層 促 進 す る 観 点 から 受 取 配 当 金 を 全 額 益 金 不 算 入 とすべきである 2 租 税 条 約 の 締 結 改 定 による 現 地 子 会 社 の 配 当 等 の 源 泉 税 率 の 見 直 し 成 長 著 しい 中 国 インド 等 を 中 心 とした 各 国 との 租 税 条 約 の 改 定 等 を 順 次 行 い 現 地 子 会 社 の 配 当 知 的 財 産 権 使 用 料 等 の 源 泉 税 率 を 早 急 に 見 直 すべきである また 中 国 やインド 等 で 発 生 している 不 透 明 なPE 課 税 等 による 紛 争 事 案 に 関 しては 中 小 企 業 では 対 処 が 事 実 上 困 難 であることから 相 手 国 との 交 渉 への 支 援 等 を 官 民 挙 げて 積 極 的 に 行 うべきである 3 外 国 税 額 控 除 の 抜 本 的 な 見 直 し 企 業 の 国 際 競 争 力 維 持 強 化 のため 国 際 的 な 二 重 課 税 は 完 全 に 排 除 する 必 要 がある 帰 属 主 義 の 導 入 により 本 店 に 帰 属 しない 所 得 に 対 して 課 税 する 90%シーリングは 整 合 性 が 取 れないため 撤 廃 すべきである また 外 国 税 額 控 除 限 度 超 過 額 および 控 除 余 裕 額 の 繰 越 期 間 については 現 行 の3 年 から 米 国 並 みの 10 年 に 延 長 すべきである 少 なくとも 繰 越 年 数 経 過 後 の 控 除 限 度 超 過 額 については 損 金 算 入 可 能 とすべきである (3) 中 小 企 業 の 海 外 展 開 への 取 り 組 みに 係 る 費 用 の 税 額 控 除 の 創 設 経 営 資 源 が 限 られている 中 小 企 業 においては 海 外 展 開 への 取 り 組 みは 困 難 かつ 相 当 な 費 用 やリスクを 伴 う 中 小 企 業 の 海 外 展 開 販 路 拡 大 を 強 力 に 後 押 しする 観 点 から 海 外 の 見 本 市 や 商 談 イベント 等 に 要 する 費 用 F/S(フィージビリティ スタディ) 調 査 等 の 海 外 進 出 の 事 前 調 査 に 係 る 費 用 海 外 展 開 支 援 専 門 家 のコンサルティング 費 用 販 売 促 進 に 係 る 費 用 等 を 税 額 控 除 可 能 とする 制 度 を 創 設 すべきである 6. 人 材 投 資 を 促 進 する 税 制 措 置 (1) 雇 用 促 進 税 制 の 拡 充 雇 用 促 進 税 制 の 利 用 を 阻 害 しているとの 指 摘 が 多 い 適 用 年 度 開 始 後 2か 月 以 内 のハローワ ークへの 雇 用 促 進 計 画 提 出 の 要 件 を 撤 廃 すべきである 15

(2) 人 材 教 育 や 採 用 活 動 に 伴 う 費 用 の 一 定 割 合 の 税 額 控 除 中 小 企 業 は 雇 用 の 約 7 割 を 占 め 地 域 経 済 社 会 を 支 える 基 盤 である 経 営 資 源 が 限 られてい る 中 小 企 業 において 人 材 の 確 保 や 能 力 開 発 は 極 めて 重 要 である 中 小 企 業 の 採 用 活 動 に 伴 う 費 用 や 教 育 訓 練 費 の 一 定 割 合 を 税 額 控 除 する 制 度 を 創 設 すべきである (3) 社 会 保 険 料 事 業 主 負 担 分 の 一 定 割 合 を 減 免 する 措 置 中 小 企 業 の 雇 用 の 安 定 化 を 支 援 するため 新 規 創 業 ベンチャー 企 業 や 継 続 的 に 従 業 員 を 雇 用 している 中 小 企 業 に 対 し 社 会 保 険 料 の 事 業 主 負 担 分 の 一 定 割 合 を 減 免 する 措 置 を 創 設 すべ きである 7. 企 業 の 活 力 強 化 を 促 す 税 制 (1) 会 社 法 の 見 直 しにおける 監 査 役 設 置 会 社 の 登 記 に 関 する 登 録 免 許 税 の 非 課 税 措 置 を 平 成 25 年 6 月 に 成 立 した 会 社 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 により 監 査 役 設 置 会 社 について 監 査 役 の 監 査 の 範 囲 を 会 計 に 関 するものに 限 定 する 旨 を 定 款 に 登 記 することが 盛 り 込 まれた 当 該 改 正 による 中 小 企 業 への 影 響 は 約 100 万 社 にも 及 ぶが 会 社 の 実 態 が 何 ら 変 わらないにも 係 らず 法 改 正 により 本 来 必 要 でない 登 記 申 請 が 義 務 付 けられることになる そのため 会 社 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 の 施 行 後 に 当 該 登 記 を 行 った 際 の 登 録 免 許 税 については 非 課 税 とす べきである (2) 地 球 温 暖 化 対 策 税 の 見 直 し 平 成 26 年 度 税 制 改 正 において 森 林 吸 収 源 対 策 及 び 地 方 の 地 球 温 暖 化 対 策 に 関 する 財 源 の 確 保 について 財 政 面 での 対 応 森 林 整 備 等 に 要 する 費 用 を 国 民 全 体 で 負 担 する 措 置 等 新 た な 仕 組 みについて 専 門 の 検 討 チームを 設 置 し 早 急 に 総 合 的 な 検 討 を 行 うこととされた しかしながら 震 災 後 電 気 料 金 エネルギーコストの 高 騰 や 供 給 不 安 が 企 業 規 模 を 問 わず 新 たな 投 資 や 雇 用 の 拡 大 を 阻 害 しており 現 下 のエネルギーコストを 取 り 巻 く 現 状 に 鑑 みれば さらなる 税 率 引 き 上 げや 森 林 吸 収 源 対 策 への 使 途 拡 大 はすべきではなく むしろ 税 率 の 引 き 下 げを 検 討 すべきである (3) 市 場 開 拓 や 販 売 促 進 費 用 の 一 定 割 合 の 税 額 控 除 中 小 企 業 が 事 業 を 拡 大 し 収 益 を 上 げていくためには 技 術 開 発 研 究 開 発 設 備 投 資 等 に より 開 発 した 製 品 の 市 場 開 拓 や 販 売 促 進 が 不 可 欠 であり 中 小 企 業 の 市 場 開 拓 や 販 売 促 進 等 を 後 押 しする 税 制 措 置 の 創 設 が 必 要 である (4) 経 営 力 向 上 に 資 する 税 制 措 置 の 創 設 中 小 企 業 の 収 益 性 を 向 上 させ 雇 用 の 増 大 や 地 域 の 活 性 化 が 図 られる 好 循 環 を 創 り 出 すため 経 営 コンサルティング 費 用 やISO 取 得 費 用 等 の 一 定 割 合 の 税 額 控 除 等 中 小 企 業 の 経 営 力 向 上 や 事 業 意 欲 向 上 に 資 する 税 制 措 置 を 創 設 すべきである (5) 印 紙 税 は 速 やかに 廃 止 すべき 印 紙 税 は 消 費 税 との 二 重 課 税 であるとともに 電 子 商 取 引 やペーパーレス 化 が 進 展 する 中 文 書 を 課 税 主 体 とすることに 合 理 性 がなく 時 代 に 即 していない 税 制 である 電 子 化 への 対 応 が 比 較 的 遅 れている 特 定 の 業 界 や 中 小 企 業 に 負 担 が 偏 っており 課 税 上 の 不 公 平 感 が 生 じてい る 課 税 文 書 の 判 定 が 難 しく 事 務 負 担 が 重 いこと 一 取 引 について 何 重 にも 課 税 されること 等 16

の 制 度 上 の 問 題 点 も 多 い そのため 印 紙 税 は 速 やかに 廃 止 すべきである (6) 企 業 年 金 の 拡 充 将 来 的 な 公 的 年 金 のスリム 化 が 懸 念 される 中 自 助 努 力 の 仕 組 みとして 企 業 年 金 制 度 の 重 要 性 がますます 高 まっており 多 くの 中 小 企 業 が 企 業 年 金 制 度 を 導 入 できる 柔 軟 な 仕 組 みの 構 築 が 必 要 である とりわけ 税 制 面 においては 確 定 給 付 企 業 年 金 (DB)の 将 来 の 積 立 不 足 に 備 え 企 業 の 実 情 に 応 じて 掛 金 の 拠 出 拡 大 を 一 定 の 範 囲 内 で 認 めることや 企 業 規 模 の 拡 大 等 により 中 小 企 業 退 職 金 共 済 から 脱 退 する 場 合 の 資 産 移 管 を 確 定 拠 出 年 金 にも 認 める 措 置 を 講 じるべきである また 企 業 年 金 の 持 続 性 健 全 性 を 著 しく 損 なう 企 業 年 金 積 立 金 に 対 する 特 別 法 人 税 は 撤 廃 すべきである (7) 役 員 給 与 の 全 額 損 金 算 入 化 役 員 給 与 については 税 務 上 は 定 期 同 額 給 与 事 前 確 定 届 出 給 与 利 益 連 動 給 与 の3 類 型 の 役 員 給 与 のみ 損 金 算 入 が 認 められている 役 員 給 与 は 職 務 執 行 における 対 価 であることから 原 則 全 額 損 金 算 入 とすべきである 少 なくとも 非 同 族 会 社 にのみ 認 められている 利 益 連 動 給 与 に 関 しては 中 小 企 業 経 営 者 の 成 長 への 意 欲 向 上 を 図 る 観 点 から 同 族 会 社 も 適 用 対 象 とすべきである なお 事 業 年 度 開 始 後 に 損 金 算 入 が 認 められる 役 員 給 与 改 定 事 由 のうち 通 常 改 定 は 事 業 年 度 開 始 から3か 月 以 内 に 限 られ 3か 月 後 以 降 は 特 別 な 事 情 がない 限 りは 認 めない ものとされているが 年 間 を 通 じて 好 不 況 の 変 動 が 激 しい 中 小 企 業 の 実 態 を 踏 まえ 年 度 途 中 での 改 定 を 事 業 年 度 開 始 から 半 年 後 まで 認 めることや 引 き 下 げについては 柔 軟 に 認 める 等 弾 力 的 かつ 機 動 的 な 仕 組 みとすべきである 8. 事 業 再 生 再 編 を 支 援 する 税 制 措 置 の 拡 充 中 小 企 業 は 地 域 経 済 の 活 力 維 持 や 雇 用 確 保 等 といった 重 要 な 社 会 的 機 能 を 持 つ しかしなが ら 中 小 企 業 の 多 くは 経 済 政 策 の 恩 恵 を 十 分 に 受 けることができず また 消 費 増 税 の 影 響 もある ことから 依 然 として 厳 しい 経 営 環 境 にあると 考 えられる 以 上 を 勘 案 すると 中 小 企 業 の 事 業 再 生 継 続 や 競 争 力 の 強 化 に 向 けた 事 業 再 編 への 取 り 組 みを 力 強 く 後 押 ししていくべきと 考 え る (1) 協 議 会 関 与 の 下 での 事 業 再 生 における 資 産 評 価 損 益 の 計 上 要 件 等 の 緩 和 中 小 企 業 再 生 支 援 協 議 会 実 施 基 本 要 領 に 定 める 手 続 きに 従 って 協 議 会 版 DDSによる 再 生 計 画 が 策 定 される 場 合 には 再 生 計 画 検 討 委 員 会 による 再 生 計 画 の 調 査 報 告 を 要 せず 外 部 専 門 家 によって 実 態 貸 借 対 照 表 作 成 に 当 たっての 評 価 基 準 ( 策 定 手 順 )に 従 った 資 産 評 価 が 実 施 されることのみを 要 件 として 別 表 添 付 方 式 によって 資 産 の 評 価 損 益 を 損 金 及 び 益 金 に 計 上 し かつ 一 定 額 を 限 度 として 特 例 欠 損 金 を 青 色 欠 損 金 に 優 先 して 損 金 算 入 することを 認 めるべきである (2) 協 議 会 関 与 の 下 での 一 定 の 私 的 整 理 要 件 の 緩 和 を 特 に 小 規 模 な 再 生 企 業 の 事 業 再 構 築 を 積 極 的 に 後 押 しするため 中 小 企 業 再 生 支 援 協 議 会 関 与 案 件 については 一 定 の 要 件 の 下 で 一 の 金 融 機 関 等 により 行 われる 債 権 放 棄 等 であっても 資 産 の 評 価 損 益 の 損 金 及 び 益 金 算 入 並 びに 特 例 欠 損 金 の 優 先 的 損 金 算 入 を 認 めるべきである 17

(3) 事 業 再 生 に 係 る 固 定 資 産 税 の 減 免 措 置 の 創 設 事 業 再 生 の 局 面 においては 再 生 企 業 の 資 産 価 値 を 時 価 に 再 評 価 し 時 価 が 簿 価 よりも 低 い 場 合 には 評 価 損 について 損 金 算 入 が 認 められているが 固 定 資 産 税 の 評 価 基 準 においては こ れらの 実 態 に 即 した 評 価 替 えが 行 われておらず 再 生 に 取 り 組 む 企 業 にとっては 過 度 な 負 担 と なっている 特 に 地 方 においては 中 心 市 街 地 に 巨 大 な 空 きビルが 取 り 残 される 等 地 域 活 性 化 に 対 して 大 きな 阻 害 要 因 になっている このため 中 小 企 業 再 生 支 援 企 業 議 会 等 が 策 定 す る 合 理 的 な 再 生 計 画 において 適 切 な 資 産 査 定 が 行 われている 場 合 には 減 価 償 却 資 産 ( 建 物 設 備 等 )に 係 る 固 定 資 産 税 の 軽 減 措 置 を 認 めるべきである (4) 債 務 超 過 会 社 に 対 する 貸 付 金 債 権 について 相 続 税 法 上 の 評 価 減 要 件 の 緩 和 中 小 企 業 においては 同 族 関 係 者 が 当 該 企 業 へ 個 人 資 金 を 貸 し 付 けることで 資 金 繰 り 支 援 を 行 っていることが 多 い 中 小 企 業 再 生 支 援 協 議 会 等 が 策 定 する 合 理 的 な 再 生 計 画 に 基 づく 場 合 は 債 務 超 過 会 社 に 対 する 同 族 関 係 者 からの 貸 付 金 を 一 定 の 要 件 の 下 で 相 続 税 評 価 額 を ゼロにする 施 策 を 講 じるべきである 9. 中 小 企 業 や 地 域 を 牽 引 する 中 核 企 業 の 成 長 を 後 押 しする 税 制 措 置 地 域 の 中 核 的 な 役 割 を 果 たす 中 小 中 堅 企 業 ( 資 本 金 1 億 円 超 10 億 円 以 下 )は 高 い 雇 用 吸 収 力 を 有 し 地 域 における 取 引 を 通 じて 多 くの 小 規 模 企 業 や 中 小 企 業 とその 従 業 員 や 家 族 を 支 え ている こうした 中 核 的 な 役 割 を 果 たす 企 業 は 財 務 面 において 安 全 性 を 重 視 し 成 長 に 向 けた 取 り 組 みに 挑 戦 しない 傾 向 が 強 まっている 地 域 を 牽 引 する 原 動 力 となる 役 割 を 果 たすため 金 融 面 での 支 援 とともに 租 税 特 別 措 置 による 研 究 開 発 や 投 資 の 促 進 など 成 長 に 向 けた 取 り 組 み を 後 押 ししていくことが 極 めて 重 要 である (1) 中 小 企 業 基 本 法 を 念 頭 に 税 法 の 基 準 の 拡 大 ( 資 本 金 1 億 円 以 下 3 億 円 以 下 ) ものづくり 企 業 を 中 心 として 下 請 け 企 業 から 独 立 企 業 への 移 行 を 模 索 し 厳 しい 経 営 環 境 の 中 で 成 長 発 展 を 図 る 中 小 企 業 が 多 く 存 在 しており こうした 中 小 企 業 のさらなる 成 長 を 後 押 しするための 施 策 として 研 究 開 発 や 設 備 投 資 等 に 対 する 租 税 特 別 措 置 が 重 要 である しかし 税 法 上 の 中 小 法 人 の 範 囲 は 法 人 税 法 において 資 本 金 1 億 円 以 下 とされているため 中 小 企 業 基 本 法 上 の 中 小 企 業 の 中 には 対 象 とならない 者 が 存 在 する 中 小 企 業 の 成 長 を 促 進 するため 税 法 上 の 中 小 企 業 の 基 準 について 中 小 企 業 基 本 法 における 中 小 企 業 の 範 囲 を 念 頭 に 資 本 金 3 億 円 以 下 まで 拡 大 すべきである (2) 中 堅 企 業 ( 資 本 金 3 億 円 超 10 億 円 以 下 )の 成 長 を 喚 起 する 税 制 措 置 地 域 経 済 を 牽 引 する 中 堅 企 業 ( 資 本 金 3 億 円 超 10 億 円 以 下 )は 地 域 経 済 や 中 小 企 業 への 波 及 効 果 が 大 きく 成 長 に 向 けた 取 り 組 みへの 喚 起 が 重 要 である 中 堅 企 業 に 対 して 例 えば 研 究 開 発 税 制 の 深 掘 り 部 分 (12%)や 中 小 企 業 投 資 促 進 税 制 を はじめ 成 長 を 後 押 しする 中 小 企 業 向 けの 租 税 特 別 措 置 を 適 用 すべきである (3) 欠 損 金 繰 戻 還 付 制 度 の 適 用 対 象 の 拡 大 地 域 経 済 と 雇 用 の 中 核 として 大 きな 役 割 を 担 っている 中 堅 企 業 の 財 務 基 盤 強 化 の 観 点 から 欠 損 金 の 繰 戻 還 付 制 度 の 対 象 を 資 本 金 10 億 円 以 下 の 中 堅 企 業 にまで 拡 大 すべきである 18

(4) 資 本 金 1 億 円 超 の 同 族 会 社 に 対 する 留 保 金 課 税 の 廃 止 激 しい 経 済 変 化 に 対 応 し 安 定 した 事 業 経 営 を 行 うためには 優 秀 な 人 材 確 保 や 育 成 設 備 投 資 技 術 開 発 や 研 究 開 発 等 の 将 来 に 向 けた 投 資 が 必 要 である 企 業 が 厳 しい 競 争 を 勝 ち 抜 き 成 長 するため 投 資 の 源 泉 となる 利 益 の 蓄 積 と 自 己 資 本 の 充 実 による 財 務 基 盤 の 強 化 は 極 めて 重 要 である 自 己 資 本 の 充 実 を 抑 制 し 企 業 の 成 長 を 阻 害 する 資 本 金 1 億 円 超 の 同 族 会 社 に 対 する 留 保 金 課 税 は 廃 止 すべきである 19

Ⅴ. 内 需 拡 大 地 域 活 性 化 に 資 する 税 制 措 置 1. 内 需 拡 大 に 資 する 税 制 措 置 (1) 内 需 拡 大 に 資 する 住 宅 税 制 の 延 長 ( 住 宅 取 得 資 金 の 非 課 税 特 例 等 ) 経 済 成 長 や 景 気 回 復 のためには 経 済 波 及 効 果 が 大 きい 住 宅 需 要 を 喚 起 する 必 要 がある 住 宅 は 購 入 価 額 が 高 額 であるため 消 費 税 負 担 が 重 く 消 費 税 引 き 上 げによる 駆 け 込 み 需 要 と 反 動 減 の 影 響 が 大 きい 平 成 26 年 4 月 の 消 費 税 率 8%への 引 き 上 げに 伴 い 特 に 戸 建 注 文 住 宅 は 昨 年 10 月 以 降 2ケタの 大 幅 な 落 ち 込 みが 継 続 しており 地 域 経 済 や 雇 用 中 小 企 業 への 影 響 が 顕 在 化 している 消 費 税 率 10%への 引 き 上 げの 際 には 住 宅 の 取 得 に 係 る 負 担 を 増 加 さ せないよう 実 効 性 のある 措 置 を 講 じるべきである 1 住 宅 取 得 等 資 金 への 非 課 税 制 度 の 拡 充 延 長 若 年 層 の 住 宅 資 金 への 支 援 を 行 う 観 点 から 住 宅 取 得 等 資 金 の 贈 与 税 の 非 課 税 制 度 は 非 課 税 限 度 額 を 3,000 万 円 に 拡 充 のうえ 延 長 するとともに 相 続 時 精 算 課 税 の 選 択 の 特 例 を 延 長 すべきである 2 土 地 の 売 買 等 に 係 る 登 録 免 許 税 の 特 例 措 置 の 延 長 土 地 の 売 買 による 所 有 権 の 移 転 登 記 及 び 土 地 の 所 有 権 の 信 託 登 記 に 係 る 登 録 免 許 税 率 の 軽 減 措 置 は 延 長 すべきである 3 住 宅 の 登 録 免 許 税 の 軽 減 措 置 の 延 長 住 宅 用 家 屋 の 所 有 権 の 保 存 ならびに 移 転 登 記 に 係 る 登 録 免 許 税 の 軽 減 措 置 は 延 長 すべき である 4 不 動 産 取 得 税 の 減 免 制 度 の 延 長 不 動 産 流 通 の 促 進 を 図 る 観 点 から 住 宅 及 び 土 地 の 取 得 に 係 る 不 動 産 取 得 税 の 標 準 税 率 ( 本 則 4%)を3%とする 特 例 措 置 ならびに 宅 地 評 価 土 地 の 取 得 に 係 る 不 動 産 取 得 税 の 課 税 標 準 を 価 格 の2 分 の1とする 特 例 措 置 は 延 長 すべきである 5J リート 等 の 不 動 産 取 得 税 および 登 録 免 許 税 の 課 税 標 準 の 特 例 の 拡 充 延 長 6サービス 付 き 高 齢 者 住 宅 に 関 する 固 定 資 産 税 不 動 産 取 得 税 の 特 例 の 延 長 7 事 業 者 が 中 古 住 宅 を 買 取 し リフォームして 再 販 する 住 宅 に 関 する 不 動 産 取 得 税 の 非 課 税 措 置 の 創 設 (2) 特 定 の 事 業 用 資 産 の 買 換 えおよび 交 換 の 場 合 の 譲 渡 所 得 の 課 税 の 特 例 の 恒 久 化 特 定 事 業 用 資 産 の 買 換 え 等 の 特 例 措 置 は 企 業 の 新 規 投 資 を 後 押 しするものであり 恒 久 化 すべきである 少 なくとも 適 用 期 限 を 延 長 すべきある 平 成 24 年 度 改 正 において 買 換 え 特 例 における 事 業 所 等 の 面 積 要 件 300 m2が 設 けられたが 特 に 都 市 部 での 利 用 を 阻 害 してい ることから 撤 廃 すべきである (3) 中 心 市 街 地 活 性 化 都 市 再 生 再 開 発 に 資 する 税 制 措 置 の 延 長 地 域 資 源 を 最 大 限 活 用 して 都 市 再 生 や 地 域 力 の 向 上 を 図 り 魅 力 ある 地 域 経 済 を 形 成 して いく 取 り 組 みを 税 制 面 から 後 押 ししていく 必 要 がある そのため 以 下 に 掲 げる 都 市 再 生 再 開 発 地 域 活 性 化 に 資 する 税 制 措 置 を 延 長 すべきである 1 中 心 市 街 地 活 性 化 基 本 計 画 に 基 づく 事 業 を 実 施 するまちづくり 会 社 に 対 する 不 動 産 取 得 税 固 定 資 産 税 の 減 免 2 市 街 地 再 開 発 事 業 に 係 る 割 増 償 却 特 例 や 固 定 資 産 税 減 免 の 特 例 の 延 長 3 認 定 を 受 けた 都 市 再 生 事 業 を 行 う 民 間 事 業 者 に 対 し 法 人 税 登 録 免 許 税 不 動 産 取 得 税 20

固 定 資 産 税 都 市 計 画 税 等 を 減 免 する 都 市 再 生 促 進 税 制 の 延 長 (4) 固 定 資 産 税 に 係 る 負 担 軽 減 1 商 業 地 に 係 る 固 定 資 産 税 の 負 担 軽 減 を 図 るべき 平 成 27 年 は3 年 に 一 度 の 固 定 資 産 税 の 評 価 替 えの 年 であり 赤 字 法 人 も 固 定 的 に 係 る 固 定 資 産 税 の 負 担 軽 減 を 図 ることにより わが 国 の 立 地 競 争 力 の 強 化 を 図 るべきである 土 地 評 価 方 法 を 見 直 すとともに 固 定 資 産 税 の 負 担 の 適 正 化 均 衡 化 を 図 るため 負 担 水 準 の 上 限 (70%)を 60%へ 引 き 下 げる 等 により 固 定 資 産 税 が 過 度 な 負 担 にならないよう 適 切 な 措 置 を 講 じることが 必 要 である 少 なくとも 現 行 の 商 業 地 等 に 係 る 条 例 減 額 制 度 は その 適 用 期 限 を 延 長 すべきである また 固 定 資 産 税 は 担 税 力 の 乏 しい 赤 字 企 業 や 収 益 性 の 低 い 中 小 企 業 に 対 しても 一 律 で 課 税 されており 特 に 規 模 の 小 さい 中 小 企 業 に 相 対 的 に 過 重 な 負 担 となっている このため 中 小 企 業 に 対 する 軽 減 税 率 を 創 設 すべきである 2 住 宅 用 地 に 対 する 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 の 特 例 措 置 (1/6 特 例 )の 延 長 住 宅 所 有 者 の 負 担 軽 減 を 図 る 観 点 から 住 宅 用 地 の 固 定 資 産 税 の 負 担 を 軽 減 する 課 税 標 準 の 特 例 措 置 ( 小 規 模 宅 地 1/6 一 般 宅 地 1/3)については 延 長 すべきである 3 建 物 に 係 る 固 定 資 産 税 の 評 価 方 法 の 見 直 し 建 物 に 係 る 固 定 資 産 税 については 年 数 が 経 過 しても 評 価 額 が 下 がらない 等 の 問 題 点 が 指 摘 されており 現 行 の 再 建 築 価 格 方 式 を 早 急 に 見 直 すべきである (5) 訪 日 外 国 人 向 け 免 税 店 制 度 を 簡 素 化 し 共 同 免 税 カウンターの 設 置 を 認 めるべき 訪 日 外 国 人 向 け 免 税 店 制 度 については 平 成 26 年 度 税 制 改 正 で 免 税 対 象 品 目 が 大 幅 に 拡 充 され 訪 日 外 国 人 向 けショッピング 環 境 の 充 実 が 図 られている 一 方 で 免 税 店 においては 百 貨 店 を 除 き 個 店 毎 に 免 税 カウンターの 設 置 が 義 務 付 けられており 商 店 街 や 中 小 企 業 等 で の 対 応 が 難 しいケースもある 観 光 振 興 の 観 点 から 免 税 店 の 免 税 カウンターの 設 置 義 務 を 簡 素 化 し 商 店 街 や 地 域 の 観 光 地 毎 に 共 同 の 免 税 カウンター 設 置 を 認 めることで 免 税 店 の 拡 充 を 図 るべきである (6) 資 産 の 世 代 間 移 転 を 促 進 させる 資 産 課 税 の 見 直 し わが 国 は 65 歳 以 上 の 高 齢 者 が 資 産 保 有 の6 割 を 占 めているなど 高 齢 者 層 に 資 産 が 偏 っ ている 貯 蓄 率 が 高 い 高 齢 世 代 から 教 育 等 の 子 育 てや 消 費 支 出 の 多 い 現 役 世 代 への 円 滑 な 所 得 移 転 を 促 進 することは 消 費 の 活 性 化 とともに 少 子 化 対 策 にもつながる 1 教 育 資 金 の 一 括 贈 与 に 係 る 贈 与 税 の 非 課 税 措 置 の 対 象 を 出 産 育 児 結 婚 費 用 等 の 少 子 化 対 策 を 目 的 とした 費 用 に 拡 充 したうえで 贈 与 税 の 非 課 税 額 上 限 (1,500 万 円 )を 引 き 上 げるべき 2 贈 与 税 の 基 礎 控 除 額 (110 万 円 )を 大 幅 に 拡 充 すべき (7) 土 地 建 物 等 の 譲 渡 所 得 と 他 の 所 得 との 損 益 通 算 措 置 の 復 活 平 成 16 年 度 税 制 改 正 において 土 地 建 物 等 の 譲 渡 所 得 と 他 の 所 得 との 損 益 通 算 措 置 が 廃 止 されたが 含 み 損 を 有 する 不 動 産 の 売 却 を 滞 らせ 不 動 産 の 流 通 に 多 大 な 弊 害 をもたらしてい る 不 動 産 の 流 通 を 活 性 化 させ 内 需 を 喚 起 する 観 点 から 土 地 建 物 等 の 譲 渡 所 得 と 他 の 所 得 との 通 算 措 置 を 復 活 させるべきである 21

(8) 防 災 減 災 に 係 る 税 制 措 置 の 創 設 防 災 減 災 の 観 点 から BCP( 事 業 継 続 計 画 )を 策 定 し 災 害 発 生 時 の 事 業 継 続 に 備 える 動 きが 活 発 化 している 地 震 対 策 のより 一 層 の 促 進 や 内 需 喚 起 の 観 点 から 災 害 時 における 事 業 継 続 に 有 効 な 免 震 制 振 装 置 及 び 自 家 発 電 装 置 に 対 する 設 備 投 資 減 税 の 創 設 特 定 建 築 物 以 外 の 事 務 所 や 工 場 等 の 建 築 物 について 地 震 対 策 のために 改 修 や 建 替 えを 行 った 場 合 の 即 時 償 却 改 修 等 によって 資 産 価 値 が 上 昇 した 場 合 の 固 定 資 産 税 や 都 市 計 画 税 の 減 免 等 思 い 切 った 措 置 を 講 じる 必 要 がある また 空 き 家 となった 老 朽 住 宅 が 放 置 され 防 災 上 の 問 題 となる 事 例 が 多 発 している 老 朽 家 屋 が 撤 去 されない 大 きな 理 由 として 更 地 にした 場 合 の 土 地 の 固 定 資 産 税 評 価 額 の 上 昇 や 相 続 税 評 価 額 の 上 昇 が 挙 げられている 防 災 力 の 向 上 の 観 点 から 市 町 村 等 の 計 画 に 基 づく 老 朽 家 屋 を 除 去 した 場 合 には 老 朽 家 屋 の 除 去 後 の 土 地 ( 更 地 )に 係 る 固 定 資 産 税 および 相 続 税 評 価 の 減 免 制 度 を 創 設 すべきである (9) 東 日 本 大 震 災 の 被 災 地 における 税 制 措 置 の 拡 充 東 日 本 大 震 災 の 復 旧 復 興 に 資 するため 数 次 に 亘 る 震 災 税 制 が 実 施 され 復 興 特 区 では 新 規 立 地 企 業 に 法 人 税 減 免 等 の 税 制 措 置 が 実 施 されているが 福 島 県 は 既 存 企 業 の 流 出 や 人 口 減 少 などによって 地 域 経 済 の 疲 弊 が 深 刻 さを 増 しており 福 島 再 生 を 実 現 するために 特 例 的 な 思 い 切 った 税 制 措 置 が 必 要 である 今 後 の 避 難 指 示 解 除 区 域 等 の 復 旧 復 興 の 拠 点 となる 避 難 解 除 区 域 への 事 業 再 開 に 向 けて 避 難 指 示 解 除 区 域 で 事 業 を 再 開 する 際 の 法 人 税 の 減 免 措 置 ( 再 投 資 準 備 金 制 度 機 械 建 物 の 特 別 償 却 )や 避 難 指 示 解 除 区 域 での 資 産 を 取 得 する 際 の 固 定 資 産 税 等 の 減 免 措 置 を 創 設 すべ きである 2. 地 方 の 自 主 自 立 に 向 けた 地 方 税 改 革 (1) 地 域 の 自 主 自 立 に 向 けた 地 方 行 財 政 の 構 築 を 後 押 しする 地 方 税 改 革 将 来 的 な 道 州 制 の 導 入 を 見 据 え 地 域 の 自 主 自 立 を 確 保 できる 地 方 分 権 改 革 の 推 進 と それを 支 える 安 定 的 な 地 方 行 財 政 基 盤 の 確 立 が 必 要 である 地 方 分 権 改 革 のためには まず 徹 底 した 行 財 政 改 革 の 実 施 が 不 可 欠 である 大 胆 な 規 制 改 革 等 を 実 施 するとともに 国 と 地 方 の 明 確 な 役 割 分 担 のもと 思 い 切 った 権 限 および 税 財 源 を 移 譲 することが 必 要 となる また 社 会 保 障 制 度 全 体 における 負 担 と 給 付 のバランスを 見 直 し 国 地 方 ともに 社 会 保 障 費 の 抑 制 を 図 っていくべきである 地 方 分 権 や 安 定 的 な 地 方 行 財 政 基 盤 を 確 立 するためには 住 民 による 地 方 行 政 へのチェッ ク 機 能 の 強 化 が 不 可 欠 である 地 方 の 財 源 は 地 方 法 人 二 税 ( 事 業 税 住 民 税 )と 地 方 交 付 税 に 過 度 に 依 存 しているため 地 域 住 民 の 受 益 と 負 担 に 関 する 意 識 の 希 薄 化 が 生 じており 住 民 による 地 方 行 政 へのチェック 機 能 が 弱 くなっており 地 方 税 改 革 は 喫 緊 の 課 題 である (2) 外 形 標 準 課 税 の 適 用 拡 大 は 雇 用 や 地 域 経 済 に 甚 大 な 影 響 を 及 ぼし ひいてはわが 国 経 済 社 会 の 発 展 を 阻 害 することから 断 固 反 対 再 掲 外 形 標 準 課 税 ( 法 人 事 業 税 の 付 加 価 値 割 )は 賃 金 への 課 税 が 中 心 であり 人 を 雇 用 す るほど 税 負 担 が 増 すことから 雇 用 の 維 持 創 出 に 悪 影 響 をもたらす 政 府 の 賃 金 引 き 上 げの 政 策 にも 逆 行 し 経 済 の 好 循 環 の 実 現 を 阻 害 するものであり 外 形 標 準 課 税 の 適 用 拡 大 には 断 固 反 対 する とりわけ 労 働 分 配 率 が8 割 にも 達 し 損 益 分 岐 点 比 率 が9 割 を 超 える 中 小 企 業 への 適 用 拡 大 は 赤 字 法 人 177 万 社 が 増 税 になるなどその 影 響 は 甚 大 であり 断 固 反 対 する 22

特 に 三 大 都 市 圏 以 外 の 地 域 においては 中 小 企 業 が 雇 用 する 従 業 員 の 割 合 が 高 く 中 小 企 業 が 雇 用 を 支 えている 外 形 標 準 課 税 が 導 入 されることになれば 地 方 の 中 小 企 業 は 雇 用 を 抑 制 し 地 域 の 疲 弊 に 拍 車 がかかり 地 域 経 済 が 衰 退 し ひいては 日 本 経 済 の 成 長 に 悪 影 響 を 与 える また 諸 外 国 においても 賃 金 課 税 は 稀 な 税 制 であり 雇 用 や 中 小 企 業 に 悪 影 響 を 与 える ことから 近 年 は 廃 止 している 国 が 多 い なお 全 国 知 事 会 の 要 望 ( 法 人 実 効 税 率 見 直 しに 関 する 提 案 平 成 26 年 5 月 )においても 中 小 法 人 への 外 形 標 準 課 税 への 拡 大 については 慎 重 に 検 討 すべきとの 提 言 がなされている (3) 地 方 法 人 二 税 に 過 度 に 依 存 しない 安 定 した 地 方 財 源 の 確 保 地 方 税 は 安 定 的 かつ 偏 在 性 の 少 ない 税 源 が 望 ましく 景 気 による 税 収 変 動 や 地 域 の 偏 在 性 の 大 きい 地 方 法 人 二 税 に 過 度 に 依 存 している 状 況 は 是 正 すべきである 平 成 26 年 度 税 制 改 正 において 地 方 法 人 税 の 遍 在 是 正 のため 法 人 住 民 税 の 一 部 を 国 税 化 し 地 方 交 付 税 の 財 源 化 とされたところであるが 国 際 競 争 力 強 化 の 観 点 から 地 方 法 人 二 税 を 国 に 税 源 移 譲 し 法 人 課 税 は 国 として 引 き 下 げていくべきである 地 方 財 源 の 確 保 については 将 来 の 道 州 制 を 見 据 えて 地 方 交 付 税 制 度 の 見 直 しの 中 で 地 方 への 配 分 の 見 直 しや 地 域 住 民 の 行 政 サービスの 受 益 と 負 担 の 意 識 を 高 める 観 点 から 個 人 住 民 税 や 地 方 消 費 税 等 の 地 方 税 全 体 であり 方 を 検 討 すべきである (4) 地 方 の 行 革 努 力 が 反 映 される 交 付 税 制 度 への 見 直 し 地 方 交 付 税 は 地 方 自 治 体 の 行 革 への 取 組 みを 後 押 しするため 地 方 の 行 革 努 力 を 適 切 に 評 価 し 交 付 割 合 に 反 映 する 必 要 がある 現 行 の 行 革 インセンティブ 算 定 制 度 を 大 幅 に 拡 充 し 行 財 政 改 革 の 割 合 に 応 じた 地 方 交 付 税 の 交 付 を 行 う 制 度 へ 変 更 すべきである 地 方 自 治 体 が 交 付 税 算 定 に 関 する 予 見 可 能 性 を 高 めるため 複 雑 かつ 不 透 明 との 指 摘 がある 基 準 財 政 需 要 額 の 算 定 方 法 については 簡 素 で 透 明 性 の 高 い 算 定 方 法 を 検 討 すべきである (5)ふるさと 納 税 の 拡 充 ふるさと 納 税 は 東 日 本 大 震 災 発 生 時 に 被 災 地 への 寄 付 金 が 増 加 する 等 納 税 者 の 自 由 意 思 による 納 税 する 自 治 体 を 選 択 する 制 度 として 定 着 してきている 総 務 省 の 調 査 によると 地 方 自 治 体 による 地 域 の 情 報 発 信 の 活 発 化 や 地 域 の 魅 力 を 高 める 取 り 組 みが 促 進 される 等 地 域 活 性 化 に 寄 与 している また 地 域 の 特 産 品 等 の 発 送 による 地 域 資 源 のPRや 地 域 経 済 への 好 影 響 も 期 待 できる 地 域 活 性 化 に 寄 与 するふるさと 納 税 制 度 は 拡 充 すべきである (6) 法 人 への 安 易 な 超 過 課 税 独 自 課 税 導 入 には 反 対 新 たな 地 方 税 負 担 を 求 める 場 合 まず 自 治 体 において 人 件 費 を 含 めた 身 を 切 る 徹 底 的 な 歳 出 削 減 を 行 った 上 で 納 税 者 となる 住 民 や 事 業 者 等 に 対 し 自 治 体 の 財 務 状 況 や 当 該 税 制 の 政 策 目 的 と 税 収 の 使 途 を 十 分 に 説 明 し 理 解 を 得 ることは 当 然 の 責 務 である 十 分 な 説 明 もなく 安 易 に 法 人 にのみ 課 税 することは 行 うべきではない (7) 事 業 者 の 納 税 事 務 負 担 を 増 加 させる 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 化 には 反 対 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 化 が 検 討 されているが 事 業 者 に 対 し 所 得 税 に 加 え 個 人 住 民 税 に ついても 源 泉 徴 収 事 務 や 年 末 調 整 事 務 を 課 すことが 必 要 となる 現 状 以 上 の 納 税 事 務 負 担 の 増 加 を 強 いる 個 人 住 民 税 の 現 年 課 税 化 には 反 対 である 23

Ⅵ. 納 税 環 境 整 備 の 充 実 1. 中 小 企 業 の 納 税 負 担 軽 減 措 置 の 創 設 手 続 きの 簡 素 化 申 告 納 税 方 式 を 採 用 しているわが 国 では 本 来 は 国 が 行 うべき 納 税 事 務 について 納 税 者 であ る 事 業 者 が 納 税 協 力 として 多 大 な 負 担 をしている 特 に 人 的 資 源 に 乏 しい 中 小 企 業 における 納 税 協 力 負 担 は 生 産 性 向 上 の 阻 害 要 因 となっている 中 小 企 業 の 納 税 事 務 負 担 軽 減 を 図 るため 以 下 に 掲 げる 措 置 を 講 じるべきである 1 中 小 企 業 が 本 業 に 専 念 できるよう 提 出 書 類 の 免 除 簡 素 化 等 を 図 り 中 小 企 業 の 負 担 を 軽 減 するとともに 納 税 協 力 費 用 相 当 分 の 税 額 控 除 制 度 を 創 設 すべきである 2 事 前 照 会 に 対 する 文 書 回 答 手 続 について 税 務 当 局 の 執 行 体 制 の 強 化 を 図 りつつ 対 象 取 引 等 に 係 る 要 件 の 緩 和 等 所 要 の 改 善 を 図 るべきである 3 納 税 事 務 負 担 に 配 慮 して 個 人 事 業 者 の 確 定 申 告 手 続 については 平 日 夜 間 や 休 日 も 税 務 署 の 窓 口 において 受 け 付 けるべきである 4 国 税 地 方 税 等 の 徴 収 一 元 化 が 実 現 できるまでの 間 納 税 事 務 負 担 の 軽 減 徴 収 事 務 の 効 率 化 に 向 けて 以 下 に 掲 げる 取 り 組 みを 行 うべきである e-tax( 国 税 )と eltax( 地 方 税 )を 統 合 し 恒 常 的 な 税 額 控 除 制 度 を 創 設 すること 上 記 が 実 現 するまでの 間 以 下 に 掲 げる 措 置 を 講 じること (ア)e-Tax( 国 税 )について 税 額 控 除 制 度 を 復 活 し 恒 常 的 な 制 度 とすること なお 操 作 を 簡 便 化 した 使 い 勝 手 のよいソフトを 開 発 すること (イ)eLTAX( 地 方 税 )について 税 額 控 除 制 度 を 創 設 すること 地 方 自 治 体 毎 に 異 なる 書 類 の 様 式 や 手 続 き 納 付 期 限 等 を 統 一 すること 本 社 や 本 店 所 在 地 の 自 治 体 における 一 括 納 付 手 続 き 等 を 可 能 とすること 固 定 資 産 税 の 償 却 資 産 の 申 告 期 限 を 企 業 の 法 人 税 申 告 期 限 と 統 一 すること 中 間 申 告 および 予 定 納 税 について 選 択 により 申 告 できるようにすること 国 地 方 の 法 人 税 の 申 告 手 続 きを 一 元 化 できるようにすること 法 人 による 法 人 税 や 消 費 税 の 振 替 納 税 を 導 入 すること 法 人 事 業 概 況 説 明 書 の 提 出 を 省 略 すること 連 結 納 税 における 連 結 子 法 人 の 個 別 帰 属 額 等 の 届 出 書 の 提 出 を 省 略 すること 準 確 定 申 告 ( 納 税 者 が 死 亡 したときの 確 定 申 告 )の 申 告 期 限 を 相 続 税 申 告 期 限 まで 延 長 で きるようにすること 法 人 の 青 色 申 告 承 認 申 請 書 や 棚 卸 資 産 の 評 価 方 法 の 変 更 承 認 申 請 書 等 の 提 出 期 限 を 前 事 業 年 度 に 係 る 確 定 申 告 書 の 提 出 期 限 までとすること 5 法 人 事 業 税 の 外 形 標 準 課 税 の 付 加 価 値 割 の 計 算 は 報 酬 給 与 等 の 収 益 配 分 額 の 確 定 申 告 書 へ の 添 付 が 必 要 とされており データ 管 理 等 多 大 な 事 務 負 担 が 生 じているため 簡 素 化 が 必 要 である 6 消 費 税 の 基 準 期 間 の 見 直 しを 検 討 すべきである 2. 復 興 特 別 所 得 税 の 源 泉 徴 収 事 務 負 担 を 軽 減 すべき 平 成 25 年 1 月 より 2.1%の 復 興 特 別 所 得 税 が 25 年 にわたって 課 されているが 源 泉 徴 収 にあ たって1 円 単 位 の 源 泉 徴 収 額 が 発 生 し 現 場 では 既 に 混 乱 が 生 じている 長 期 間 にわたって 事 業 者 の 事 務 負 担 の 増 大 につながることから 事 務 負 担 の 軽 減 が 必 要 である 報 酬 等 を 支 払 う 際 の 源 泉 徴 収 事 務 に 関 して 実 務 上 は 源 泉 徴 収 後 の 手 取 り 額 から 支 給 総 額 を 逆 算 する 方 式 が 採 用 されることが 少 なからず 存 在 しており 煩 雑 な 事 務 処 理 を 強 いるとともに 24