第 258 号 平 成 28 年 1 月 1 日 ( 1 ) 1 月 号 2016 公 益 社 団 法 人 茨 城 県 農 林 振 公 社 穀 物 改 良 部 311-4203 水 戸 市 上 国 井 町 3118-1 TEL 029-239 - 6300 FAX 029-239 - 6880 http://www.ibanourin.or.jp 1. 理 事 長 年 頭 のごあいさつ 公 益 社 団 法 人 茨 城 県 農 林 振 公 社 理 事 長 中 村 直 紀 あけましておめでとうございます 皆 様 方 におかれましては 健 やかな 新 年 をお 迎 えのこととお 慶 び 申 し 上 げます 昨 年 9 月 関 東 東 北 豪 雨 による 河 川 の 氾 濫 等 で 県 西 地 域 を 中 心 に 農 作 物 や 農 業 施 設 に 未 曾 有 の 災 害 をもたらしました 被 害 に 遭 われた 方 々に 心 よ りお 見 舞 い 申 し 上 げるとともに 1 日 も 早 い 復 を 願 うところであります 農 林 業 を 取 り 巻 く 状 況 は 農 林 業 従 事 者 の 高 齢 化 の 一 層 の 進 行 担 い 手 不 足 の 深 刻 化 耕 作 放 棄 地 の 増 加 資 材 価 格 の 上 昇 により 経 営 コストの 上 昇 など 依 然 として 厳 しい 状 況 におかれており ます さらに TPP 交 渉 が 大 筋 合 意 したことで 輸 入 農 産 物 の 関 税 撤 廃 や 削 減 等 により 厳 しい 競 争 にさらされることになり 本 県 農 林 業 に 与 える 影 響 が 懸 念 されております 当 公 社 は 平 成 26 年 4 月 に 農 業 関 係 3 団 体 が 統 合 し 公 益 社 団 法 人 茨 城 県 農 林 振 公 社 として スタートしました 新 公 社 は 県 行 政 を 補 完 し あるいは 一 翼 を 担 う 立 場 から 農 業 生 産 の 基 盤 で ある 農 地 の 利 用 集 積 農 業 担 い 手 の 確 保 育 成 農 業 農 村 の 振 支 援 林 業 緑 化 事 業 主 要 農 作 物 等 種 子 の 需 給 調 整 主 要 農 作 物 原 種 の 生 産 園 芸 農 業 の 振 などを 積 極 的 に 推 進 しております さて 平 成 25 年 度 から 本 格 的 に 生 産 が 開 始 さ れました 茨 城 県 オリジナル 水 稲 品 種 ふくまる につきましては 一 般 栽 培 が 始 まり 3 カ 年 が 経 過 大 粒 で 外 観 品 質 に 優 れ 食 味 も 良 好 なことから 実 需 者 から 高 い 評 価 を 得 ております 平 成 28 年 産 からは これまで 試 験 的 に 実 施 していた 生 産 者 登 録 制 度 を 本 格 的 に 導 入 し 品 質 の 安 定 化 等 に 必 要 な 一 定 の 要 件 に 同 意 していただいた 生 産 者 に 限 定 して 作 付 けを 推 進 し 流 通 する ふくまる の 品 質 安 定 化 を 図 り 実 需 者 からの 評 価 が 一 層 高 まることが 期 待 されます 県 オリジナル 品 種 の 平 成 27 年 産 の 作 付 面 積 は ふくまる が 627 ヘクタール 鹿 行 や 県 南 地 域 の 早 場 米 地 域 を 中 心 に 作 付 けされている 早 生 品 種 の 一 番 星 は 109 ヘクタールまで 普 及 拡 大 し 当 公 社 も 種 子 の 安 定 供 給 が 図 られるよう 体 制 を 整 えております 最 後 に 本 年 も 事 業 目 標 の 達 成 に 向 けて 全 力 を 挙 げてまいりますので 関 係 各 位 のさらなるご 支 援 とご 協 力 お 願 い 申 し 上 げるとともに 皆 様 方 の 益 々のご 発 展 とご 健 勝 をお 祈 り 申 し 上 げまして 年 頭 のご 挨 拶 といたします も く じ ₁. 理 事 長 年 頭 のごあいさつ1 ₂. 平 成 27 年 産 水 稲 の 作 柄 と 平 成 28 年 産 に 向 けた 対 策 について2 ₃. 本 県 における 雑 草 イネ の 発 生 と 効 果 的 な 防 除 法 について4 ₄.スプリングフェア 開 催 について6 ₅.がんばる 種 子 生 産 者 外 (JA 常 陸 太 田 地 区 種 子 生 産 部 会 )7 ₆. 穀 物 改 良 部 ニュース8 ⑴ 平 成 27 年 産 大 豆 そば 種 子 標 準 見 本 品 作 成 会 で 里 のほほえみ 調 整 ⑵ 落 花 生 掘 り 取 り 体 験 開 催 される ⑶ 第 4 回 そば 打 ち 体 験 教 室 開 催 される
( 2 ) 平 成 28 年 1 月 1 日 茨 城 県 穀 物 改 良 第 258 号 2. 平 成 27 年 産 水 稲 の 作 柄 と 平 成 28 年 産 に 向 けた 対 策 について 農 業 総 合 センター 専 門 技 術 指 導 員 室 眞 部 徹 平 成 27 年 産 の 気 象 と 作 柄 状 況 平 成 27 年 産 水 稲 は 長 雨 の 影 響 でなかなか 収 穫 が 進 まなかったことが 印 象 に 残 っているかと 思 いますが 平 成 27 年 の 気 象 は 水 稲 栽 培 において 大 変 厳 しいものでした( 図 1 図 2) 田 植 期 以 降 平 年 に 比 べかなり 高 温 多 照 で 推 移 し 旺 盛 な 生 育 を 示 していました しかし 7 月 上 旬 の 低 温 による 稔 実 低 下 や 8 月 上 旬 の 高 温 及 び 中 旬 以 降 の 日 照 不 足 と 多 雨 により 粒 の 充 実 が 抑 制 され 県 全 体 の 作 況 指 数 は 96( 県 北 102 鹿 行 及 び 県 南 100 県 西 86:12 月 4 日 公 表 農 林 水 産 省 )の やや 不 良 ( 県 西 については 水 害 の 影 響 が 大 きい)となりまし た うるち 米 の 1 等 米 比 率 は 84.8%( 平 成 27 年 10 月 31 日 現 在 農 林 水 産 省 速 報 値 )で 主 な 落 等 要 因 は 白 未 熟 粒 カメムシ 類 による 斑 点 米 及 び 長 雨 の 影 響 による 穂 発 芽 粒 によるものでした 27 年 産 の 病 害 虫 発 生 状 況 と 28 年 産 の 対 策 ₁.いもち 病 6 月 末 ~ 7 月 上 旬 の 多 雨 低 日 照 により 7 月 1 ~ 10 日 の 間 に 葉 いもち 病 の 感 染 好 適 日 が 県 内 の 広 範 囲 で 高 頻 度 に 認 められました( 病 害 虫 速 報 NO.5: 県 病 害 虫 防 除 所 平 成 27 年 7 月 14 日 発 表 ) その 後 天 候 が 一 変 し 高 温 多 照 に 転 じ 葉 いもち 病 の 進 展 は 抑 制 されましたが 葉 いもちの 防 除 を 行 っていない 圃 場 については いもちの 菌 密 度 が 高 く 出 穂 後 登 熟 期 間 中 の 低 日 照 多 雨 により 穂 い もち 病 特 に 枝 梗 いもちが 散 見 されました 穂 首 いもちは 穂 首 からいもち 病 菌 が 侵 入 し 穂 全 体 が 枯 れあがるため 発 見 することが 容 易 ですが 枝 梗 いもちは 穂 の 枝 である 枝 梗 から 侵 入 するため 注 意 して 観 察 しないと 成 熟 による 黄 化 と 区 別 す ることが 困 難 です 穂 首 いもち 同 様 感 染 部 位 か ら 先 が 枯 れてしまいますので 強 制 登 熟 により 登 熟 不 良 となり 千 粒 重 の 低 下 につながりますので 注 意 が 必 要 です 種 子 生 産 においては 良 く 充 実 した 優 良 な 籾 を 生 産 する 必 要 があるため 穂 いもちの 発 生 につな がる 葉 いもち 病 の 防 除 が 肝 心 です 出 穂 後 の 防 除 も 必 要 ですが 近 年 の 気 象 変 動 を 考 慮 すると 常 発 地 以 外 においても 育 苗 箱 施 薬 が 効 果 的 です ま た 出 穂 前 の 予 防 的 防 除 も 高 い 効 果 を 示 します ₂. 稲 こうじ 病 稲 こうじ 病 ( 写 真 1)は 種 子 の 外 観 品 質 を 著 しく 低 下 させる 病 害 で 本 県 においても 近 年 増 加 傾 向 にあり また 全 国 的 にも 問 題 になっています 平 成 27 年 の 気 象 は 出 穂 前 の 穂 ばらみ 期 ごろに 降 雨 が 多 かったことから 稲 こうじ 病 の 発 生 が 多 く 見 られました 本 病 害 の 防 除 については 出 穂 20 ~ 10 日 前 の 銅 剤 散 布 が 最 も 効 果 があります しかし この 時 期 は 梅 雨 に 当 たるため 梅 雨 の 晴 れ 間 をねらって 防 除 しなければなりません 防 除 適 期 が 短 いことから 幼 穂 長 を 確 認 し 出 穂 15 日 前 を 写 真 1 稲 こうじ 病
第 258 号 茨 城 県 穀 物 改 良 平 成 28 年 1 月 1 日 ( 3 ) 防 除 予 定 日 とし 天 候 を 見 ながら 適 期 に 防 除 を 行 って 下 さい 前 作 に 本 病 の 発 生 が 多 く 見 られた 圃 場 については 伝 染 源 ( 厚 壁 胞 子 )が 土 壌 に 多 く 残 っているため 次 作 に 発 生 しやすくなりますので 注 意 が 必 要 です ₃.イネ 縞 葉 枯 病 イネ 縞 葉 枯 病 は ヒメトビウンカが 媒 介 する ウイルス 病 で 平 成 27 年 9 ~ 10 月 の 県 内 75 地 点 のヒコバエにおける 発 生 状 況 調 査 ( 病 害 虫 速 報 NO.6: 県 病 害 虫 防 除 所 平 成 27 年 10 月 30 日 発 表 )によると 鹿 行 地 域 の 2 地 点 を 除 くすべて の 地 点 で 発 生 を 確 認 しています 平 均 発 病 株 率 は 県 西 地 域 が 最 も 高 く 次 いで 県 南 県 央 県 北 鹿 行 の 順 となっています 県 南 地 域 での 発 病 株 率 が 高 まっていますので 注 意 が 必 要 です これから できる 防 除 対 策 としては 本 病 を 媒 介 するヒメト ビウンカは 畦 畔 等 のイネ 科 雑 草 で 越 冬 するた め 雑 草 管 理 を 徹 底 します 次 作 では 育 苗 箱 施 薬 を 利 用 し 6 月 上 旬 に 本 田 に 飛 来 するヒメトビウン カの 防 除 を 行 います さらに 28 年 産 収 穫 後 は 速 やかに 耕 起 しウンカの 生 息 地 となるヒコバエの 発 生 を 防 ぎます ₄. 異 常 気 象 に 負 けない 稲 作 り 近 年 の 気 象 においては 夏 の 高 温 傾 向 が 続 いてい ますが 27 年 の 様 に 低 温 や 低 日 照 及 び 豪 雨 など 激 しい 変 動 が 起 こるリスクが 増 しています この 対 策 においては 言 い 古 されていますが 健 全 な 稲 作 り 以 外 他 なりません 土 づくり 15cm の 深 耕 や 間 断 かんがいなど 基 本 技 術 をもう 一 度 確 認 し 異 常 気 象 に 負 けない 稲 作 りをお 願 い 致 します 図 1 気 温 の 推 移 ( 水 戸 アメダス) 図 2 降 水 量 と 日 照 時 間 の 推 移 ( 水 戸 アメダス)
( 4 ) 平 成 28 年 1 月 1 日 茨 城 県 穀 物 改 良 第 258 号 3. 本 県 における 雑 草 イネ の 発 生 と 効 果 的 な 防 除 法 について 農 業 総 合 センター 農 業 研 究 所 油 谷 百 合 子 雑 草 イネは 栽 培 イネと 同 じ 植 物 種 ですが 玄 米 が 赤 いものが 多 く 脱 粒 しやすいため 収 穫 物 に 赤 米 混 入 被 害 をもたらす 水 田 雑 草 です 以 前 か ら 県 西 県 南 地 域 で 発 生 が 問 題 になっていました が 最 近 では 県 内 全 域 での 発 生 が 確 認 されていま す 玄 米 に 混 じると 農 産 物 検 査 で 着 色 粒 として 扱 われ 着 色 粒 率 が 0.1% 以 上 で 2 等 0.3% 以 上 で 3 等 0.7% 以 上 で 規 格 外 となるため 多 発 生 した 場 合 経 営 に 及 ぼす 被 害 は 深 刻 です さまざまな 雑 草 イネ 一 口 に 雑 草 イネといっても 様 々なタイプがあ ります( 写 真 1) 国 内 で 分 類 された 雑 草 イネは 現 在 9 タイプほどありますが 本 県 では それ 以 外 の 雑 草 イネも 複 数 種 類 確 認 されています 種 類 によって 草 丈 や 出 穂 期 芒 の 有 無 やふ 先 の 色 玄 米 色 などの 形 質 が 異 なりますが どれも 籾 が 非 常 に 落 ちやすい 特 徴 は 共 通 しています 近 年 では コシヒカリ と 草 姿 出 穂 期 がよ く 似 ており 玄 米 色 でしか 見 分 けのつかない 雑 草 イネも 現 れています 雑 草 イネが 圃 場 に 生 えてい るか 確 認 するためには いろいろなタイプの 雑 草 イネが 存 在 することを 認 識 していることが 重 要 と なります 早 期 の 防 除 が 大 切 です 雑 草 イネの 発 生 に 気 がつくのが 遅 れた 場 合 や 対 策 を 講 じずに 放 置 した 場 合 3 ~ 4 年 で 発 生 量 が 激 増 する 恐 れがあるので 収 穫 した 玄 米 に 赤 米 が 混 じっていたら ただちに 防 除 対 策 を 行 ってく ださい 防 除 は 以 下 の 3 つを 組 み 合 わせて 行 う と 大 きな 効 果 が 得 られることが 現 地 試 験 の 結 果 から 明 らかになりました なお 雑 草 イネの 種 類 によらず 対 策 は 同 じです 図 1 雑 草 イネの 出 芽 数 及 び 葉 齢 の 推 移 ( 写 真 1)さまざまな 雑 草 イネの 玄 米 中 央 農 業 総 合 研 究 センター 作 成 雑 草 イネまん 延 防 止 マニュアル より
第 258 号 茨 城 県 穀 物 改 良 平 成 28 年 1 月 1 日 ( 5 ) ( 写 真 2) 代 かきによる 雑 草 イネ 防 除 の 様 子 ( 左 ) 入 水 直 前 の 圃 場 における 雑 草 イネ 発 生 の 様 子 (5 月 下 旬 ) ( 右 ) 代 かきによる 雑 草 イネ 埋 土 の 様 子 ( 写 真 上 部 は 代 かき 前 の 田 面 写 真 下 部 は 代 かき 後 の 田 面 ) 対 策 1 5 月 下 旬 以 降 の 代 かき 移 植 本 県 では 雑 草 イネの 発 生 は 4 月 下 旬 頃 から 始 ま り 概 ね 5 月 下 旬 に 出 芽 が 揃 います( 図 1) 出 芽 揃 い 後 まで 代 かきを 遅 らせることで 雑 草 イ ネを 土 中 に 埋 没 させることができます( 写 真 2) 平 成 26 年 度 の 現 地 試 験 では 土 中 種 子 のうち 概 ね 8 割 が 5 月 下 旬 までに 出 芽 し その 大 部 分 が 代 かきで 死 滅 しました 代 かきは 丁 寧 に 2 回 行 い 雑 草 イネを 埋 没 させてください 対 策 2 除 草 剤 を 3 回 体 系 処 理 移 植 後 は 雑 草 イネに 効 果 の 高 い 除 草 剤 を 選 ん で 適 切 な 時 期 に 使 います 雑 草 イネに 効 果 のある 剤 は ( 公 財 ) 日 本 植 物 調 節 剤 研 究 協 会 HP に 掲 載 されていますので 参 考 にしてください 有 効 な 剤 であっても 防 除 できるのは 雑 草 イネの 出 芽 前 まで( 剤 によっては 出 芽 始 まで)の 時 期 だ けです 緑 化 が 始 まり 1 葉 期 を 過 ぎると 除 草 剤 で の 防 除 はできません 雑 草 イネは 長 期 間 にわたって 発 生 するので 除 草 剤 効 果 の 切 れ 間 がないように 初 期 剤 一 発 処 理 剤 中 期 剤 の 3 剤 による 体 系 処 理 を 行 います 処 理 時 期 は 初 期 剤 を 移 植 時 ~ 移 植 翌 日 一 発 処 理 剤 を 移 植 7 ~ 10 日 後 中 期 剤 を 移 植 14 ~ 20 日 後 とします 除 草 剤 処 理 の 間 隔 が 10 日 を 超 え ないように 注 意 してください また 除 草 期 間 内 は 常 時 湛 水 し 除 草 剤 の 効 果 を 低 下 させないよう にしてください 対 策 3 雑 草 イネを 発 見 しやすい 栽 培 品 種 を 選 ぶ 上 記 1 2 の 対 策 でも 防 除 しきれずに 残 った 雑 草 イネは 手 取 りで 除 草 する 必 要 がありますが 栽 培 品 種 と 雑 草 イネの 外 観 が 似 ていると 抜 き 取 りが 困 難 です そのため 防 除 対 象 の 雑 草 イネと 稈 長 出 穂 期 が 異 なる 品 種 を 選 んで 栽 培 すると 雑 草 イネを 発 見 しやすくなります 雑 草 イネの 籾 は 出 穂 から 14 日 後 には 脱 粒 し 始 めるので 発 見 し たら 籾 が 落 ちる 前 に 手 取 り 除 草 をしてください 穂 や 根 もとを 刈 り 取 っても 遅 れ 穂 が 発 生 するた め 株 ごと 抜 き 取 ります 抜 き 取 った 株 は 可 能 であれば 焼 却 処 分 してください 3 年 程 度 の 継 続 防 除 を 色 彩 選 別 機 で 赤 米 を 取 り 除 いても 水 田 の 雑 草 イネが 減 るわけではありません 圃 場 での 防 除 が 基 本 となりますので 雑 草 イネの 種 子 の 寿 命 とさ れる 3 年 程 度 は 防 除 を 継 続 して 下 さい その 他 の 対 策 として 水 稲 収 穫 後 の 秋 起 こしをしないこと で こぼれた 種 子 を 冬 の 低 温 や 鳥 の 捕 食 によって 減 少 させる 方 法 もあります さらに 可 能 であれ ば 大 豆 などの 畑 作 物 に 転 換 し イネ 科 雑 草 用 除 草 剤 や 中 耕 で 防 除 することも 効 果 的 です 防 除 に 関 しては 地 域 の 農 業 改 良 普 及 センターまたは 農 業 総 合 センター 農 業 研 究 所 へご 相 談 ください
( 6 ) 平 成 28 年 1 月 1 日 茨 城 県 穀 物 改 良 第 258 号 4. スプリングフェア 開 催 について 全 国 農 業 協 同 組 合 連 合 会 茨 城 県 本 部 生 産 資 材 部 JA 全 農 いばらきでは 毎 年 3 月 第 1 土 曜 日 曜 日 に 春 期 JA グループ 茨 城 農 機 生 産 資 材 展 示 会 スプリングフェア を 行 っています スプリン グフェアはダイナミックフェアに 並 ぶ 大 展 示 会 で す 昨 年 開 催 したスプリングフェア 2015 は 農 業 機 械 メーカーをはじめ 40 社 を 超 える 企 業 団 体 が 出 展 し 約 4000 名 の 生 産 農 家 にご 来 場 いただき ました 会 場 内 では 100 馬 力 を 超 える 大 型 トラク タから 刈 払 機 まで 大 小 さまざまな 農 業 機 械 や 自 動 車 生 産 資 材 を 展 示 しており 品 ぞろえの 豊 富 さ がスプリングフェアの 魅 力 です また スプリングフェアでは 中 古 農 機 展 示 即 売 会 を 同 時 開 催 しています この 中 古 展 は 県 内 JA から 出 品 された 中 古 農 業 機 械 を 展 示 し 開 催 初 日 の 11 時 に 購 入 者 を 抽 選 で 決 定 しています 昨 年 のスプリングフェアでは 74 台 の 出 品 があり 35 台 が 成 約 となりました 従 来 は 整 備 された 中 古 農 機 のみを 展 示 販 売 していましたが 次 のスプリ ングフェア 2016 では 現 状 渡 しのお 買 い 得 品 コー ナーを 設 置 し さらに 手 軽 に 中 古 農 機 を 購 入 でき るようにする 予 定 です そして 開 催 期 間 中 はミニ 講 習 会 を 開 催 してい ます ミニ 講 習 会 では 農 家 の 方 々に 向 けて 無 料 で お 得 な 情 報 を 15 分 程 度 でお 伝 えしています 定 員 は 各 回 先 着 30 名 です 昨 年 は クボタメンテナンス 情 報 や 爪 の 摩 耗 でわかる 車 速 PTO 軸 の 回 転 速 度 の 講 習 が 大 好 評 でした そのほか 健 康 や 農 機 の 盗 難 予 防 コーナーの 設 置 も 予 定 しており 営 農 と 生 活 全 体 をバックアップする 体 制 を 整 えています さらに クイズラリー の 開 催 も 予 定 してい ますので ご 家 族 で 来 場 されるお 客 様 もお 楽 しみ いただけます 今 春 もスプリングフェアを 開 催 いたしますの で 皆 様 ご 来 場 のほどよろしくお 願 いいたしま す スプリングフェアに 関 する 情 報 は 随 時 JA 全 農 いばらきホームページに 掲 載 して います URL:http://www.ib.zennoh.or.jp/contents/make/nouki_event.html 昨 年 のミニ 講 習 会 はたくさんの 方 に 参 加 していただきました メーカーの 方 の 熱 心 な 説 明 に みなさん 聞 き 入 っています
第 258 号 茨 城 県 穀 物 改 良 平 成 28 年 1 月 1 日 ( 7 ) 5.がんばる 種 子 生 産 者! JA 常 陸 太 田 地 区 種 子 生 産 部 会 部 会 長 岡 崎 欣 一 さん 種 子 生 産 規 模 常 陸 秋 そば 部 会 受 託 面 積 28.2ha 内 25a 栽 培 品 質 向 上 の 取 り 組 み 平 成 26 年 2 月 より 種 子 生 産 部 会 ( 平 成 27 年 度 55 名 ) 部 会 長 を 務 め 常 陸 秋 そばの 品 質 向 上 と 安 定 生 産 に 向 け 部 会 員 と 協 力 しながら 栽 培 を 行 っております 具 体 的 には そばの 刈 取 り 後 に 小 麦 等 を 栽 培 し 緑 肥 として 青 刈 り すき 込 みを 行 い 土 壌 の 地 力 増 進 を 図 るとともに JA や 普 及 センター 農 林 振 公 社 等 の 関 係 機 関 にご 協 力 を 頂 き 定 期 的 な 講 習 会 や 圃 場 審 査 を 行 い 優 良 種 子 の 栽 培 に 努 めております また 刈 取 り 後 は 品 質 の 安 定 向 上 の 為 生 産 者 段 階 で 一 度 調 整 を 行 ったのち 再 度 JA のライ スセンターで 調 整 を 行 っています そして 最 後 に 一 袋 毎 種 子 検 査 を 行 い 品 質 の 確 認 を 行 ってお ります 種 前 は 天 気 予 報 や 過 去 の 播 種 日 等 を 加 味 し 播 種 日 を 選 定 します 発 芽 後 の 管 理 については 作 付 から 収 穫 までが 他 の 作 物 と 比 べ 短 い 作 物 であること 天 候 に 大 き く 左 右 される 事 から 常 に 気 を 遣 いながら 栽 培 を 行 っています 中 耕 培 土 等 を 行 い 雑 草 の 除 去 や 排 水 対 策 を 行 い 倒 伏 抑 制 や 異 種 穀 粒 が 入 らないように 心 がけ ております また 山 間 地 ということで 例 年 獣 害 対 策 を 実 施 し 圃 場 を 荒 らされないよう 電 牧 柵 などの 対 策 を 行 いながら 栽 培 を 行 っています 今 後 の 抱 負 そばについては 政 策 や 天 候 により 市 場 が 大 き く 乱 高 下 する 情 勢 が 続 いています そのような 中 で 私 たちの 栽 培 した 種 子 が 県 下 で 常 陸 秋 そばの 品 質 やブランドの 向 上 へ 寄 与 しているとの 自 覚 の もと 優 良 種 子 の 生 産 に 努 めていきます 花 盛 りのそば 畑 栽 培 管 理 そばは 夏 場 播 種 の 為 降 雨 が 発 芽 に 影 響 しま す 日 照 りが 続 くと 発 芽 がばらついたり 夕 立 や 台 風 等 が 発 芽 前 に 来 ると 種 子 が 流 されたり 発 芽 前 に 腐 ってしまったりということがあるので 播 そば 選 別 用 唐 箕 (とうみ)
( 8 ) 平 成 28 年 1 月 1 日 茨 城 県 穀 物 改 良 第 258 号 6. 穀 物 改 良 ニュース ⑴ 平 成 27 年 産 大 豆 そば 種 子 標 準 見 本 品 作 成 会 で 里 のほほえみ 調 整 12 月 4 日 公 益 社 団 法 人 茨 城 県 農 林 振 公 社 主 催 の 平 成 27 年 産 大 豆 そば 種 子 標 準 見 本 品 作 成 会 が 開 催 されました 本 年 より 販 売 が 開 始 され る 大 粒 大 豆 種 子 里 のほほえみ を 手 に 取 りなが ら 粒 がおおきいな タチナガハとは 色 目 が 違 うななどの 感 想 が 聞 かれました ⑵ 落 花 生 掘 り 取 り 体 験 教 室 開 催 される 県 中 部 落 花 生 組 合 ( 会 長 久 松 一 好 )は 10 月 2 日 かすみがうら 市 下 稲 吉 小 学 校 5 年 生 109 名 保 護 者 100 名 など 約 232 人 による 落 花 生 の 掘 り 取 り 体 験 を 開 催 しました この 校 外 学 習 は 今 大 豆 里 のほほえみ 標 準 見 本 品 作 成 の 様 子 年 で 12 回 を 迎 える 恒 例 行 事 であり 天 候 に 恵 ま れた 圃 場 のあちことから 子 供 達 の 賑 やかな 歓 声 が 聞 こえました 収 穫 した 落 花 生 はその 場 でゆでら れ お 話 の 後 風 味 豊 かな ゆで 落 花 生 を 全 員 で 賞 味 しました 初 めての 落 花 生 堀 り 取 り 体 験 子 供 達 に 落 花 生 の 不 思 議 なお 話 ⑶ 第 4 回 そば 打 ち 体 験 教 室 開 催 される 去 る 11 月 27 日 常 陸 秋 そば 振 協 議 会 は 茨 城 の 誇 る 常 陸 秋 そば の 魅 力 をたくさんの 人 に 知 って 貰 うため そば 打 ち 体 験 教 室 を 開 催 し ました 今 回 は 茨 城 県 消 費 者 団 体 連 絡 会 の 皆 さんが 常 陸 秋 そば 発 祥 の 地 常 陸 太 田 市 赤 土 の そば 工 房 でそば 打 ちにチャレンジしました そば 打 ちの 経 験 の 無 い 方 がほとんどでしたが 熱 心 にそばを 打 たれ 自 分 の 打 ったそばを 食 べた 感 想 は とってもおいしかった と 全 員 満 足 の 様 子 でした 皆 真 剣 です(そば 打 ちの 様 子 )