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目次

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Transcription:

長 野 式 臨 床 研 究 会 平 成 20 年 第 10 期 マスタークラス 大 阪 セミナーQ&A 第 6 回 20 年 11 月 23 日 テーマ 動 悸 眩 暈 講 師 長 野 康 司 動 悸 治 療 上 の 注 意 点 まとめ * 動 悸 治 療 のポイント 1 腹 部 瘀 血 処 置 ( 動 悸 治 療 のためには 必 須 ) 2 肝 門 脈 うっ 血 処 置 ( 腹 部 瘀 血 に 連 動 していることが 多 い) 3 横 V 字 椎 間 刺 鍼 (C7 T1 2 4 7 11 等 ) * 動 悸 の 患 者 には 共 通 して 腹 部 瘀 血 の 反 応 がある * 瘀 血 の 成 因 1 血 管 壁 の 傷 ( 手 術 等 による) 2 血 流 成 分 の 変 化 ( 血 小 板 ) 3 血 流 の 変 化 ( 血 管 の 彎 曲 ) * 横 V 字 椎 間 刺 鍼 の 目 的 C7 T1 2 ~ 脳 内 の 血 流 改 善 を 目 的 にする T3 ~ 自 律 神 経 調 整 のため T4 ~ 心 の 血 流 改 善 のため T7 ~ 瘀 血 に 対 して T9 ~ 肝 の 血 流 改 善 のため T11 ~ 血 糖 の 調 整 のため L2 ~ 副 腎 強 化 のため * 初 期 の 瘀 血 処 置 として 左 中 封 のみを 使 っていたが 現 在 では 中 封 尺 沢 膈 兪 至 陽 等 も 使 用 している 瘀 血 は 左 側 におこりやすい * 原 因 不 明 の 動 悸 は 瘀 血 肝 門 脈 うっ 血 等 の 循 環 障 害 がかなり 関 与 してい る * 瘀 血 が 心 臓 に 与 える 影 響 も 大 きい * 腎 虚 があったり 症 状 が 長 引 いているときや 治 りが 悪 い 場 合 は 必 ず S U 天 三 等 の 留 鍼 が 必 要 * 西 洋 医 学 的 処 置 ( 薬 剤 等 )で 消 失 しない 原 因 不 明 や 手 術 経 験 のある 場 合 の 動 悸 には 腹 部 瘀 血 の 改 善 が 根 本 治 療 になってくる * 施 灸 は 扁 桃 瘀 血 に 根 気 よくすえる * 沈 脉 は 深 く 沈 んで 弱 い 脉 状 ( 虚 )であるが 伏 脉 は 深 く 沈 んで 力 強 く 指 をはみ 出 すような 強 い 脉 で 裏 証 の 脉 実 脉 に 属 す る 1

2 * 糖 尿 病 のある 患 者 は 比 較 的 瘀 血 症 を 呈 しやすい * 肋 間 神 経 痛 の 反 応 点 は 前 通 枝 側 通 枝 脊 椎 横 突 起 直 際 に 出 る この 場 合 前 通 枝 側 通 枝 には 皮 内 鍼 固 定 脊 椎 横 突 起 直 際 には 施 灸 ただし 施 灸 を 嫌 がる 場 合 は 皮 内 鍼 でも 可 * 促 脉 は 数 のある 不 整 脈 をいい 心 房 細 動 のときもある これによる 動 悸 は 消 失 し 難 い 場 合 がある 代 脉 結 脉 は 遅 の 不 整 脈 をいい 期 外 収 縮 による これによる 動 悸 は 瘀 血 処 置 によって 消 失 し 易 い * 促 脉 は 心 実 を 意 味 し 天 宗 を 中 心 に 4 点 の 雀 啄 刺 鍼 や 施 灸 * 天 宗 中 心 の 4 点 は 上 下 左 右 でも 斜 めに 4 点 でもよいが 共 に 圧 痛 の 強 い 所 に 取 る 上 下 左 右 斜 めに4 点 ( 圧 痛 の 強 い 所 に 取 る)

眩 暈 治 療 上 の 注 意 点 まとめ 3 * 真 性 眩 暈 ~ 回 転 性 の 眩 暈 で 離 脱 感 がある 腎 機 能 低 下 が 関 与 して 三 半 規 管 異 状 によることが 多 い 仮 性 眩 暈 ~ふらつき 立 眩 みがあるが 離 脱 感 はない 肝 機 能 低 下 が 関 与 して 脳 循 環 異 状 または 自 律 神 経 失 調 血 圧 の 変 動 過 労 睡 眠 不 足 等 による * 眩 暈 の 共 通 処 置 1 横 V 字 椎 間 刺 鍼 (C7 T1 2) 椎 骨 脳 底 動 脈 血 流 改 善 のため 皮 内 鍼 も 必 要 * 眩 暈 の 機 序 として 目 と 内 耳 からの 情 報 を 脳 が 処 理 する その 為 体 のバラ ンスを 保 っている 脳 の 血 流 低 下 等 によって 処 理 能 力 が 低 下 すると このバランスが 崩 れてメマイが 起 ってくる * メニエル 病 の 特 徴 は 安 静 時 に 症 状 は 落 ち 着 く * 耳 のメマイ 点 メマイ 点 ( 皮 内 鍼 固 定 により 効 果 ) ( 脳 点 暈 点 ともいう) ( 平 軸 3mm 和 紙 で 二 重 に 固 定 ) * 肺 水 腫 は 血 圧 が 高 いとなりやすい 肺 胞 内 に 血 液 または 漏 出 液 が 溜 まった 状 態 をいう 心 疾 患 に 基 づく 肺 静 脈 のうっ 血 腎 不 全 薬 物 の 吸 入 などでもおこる * 症 例 2 の 場 合 肺 水 腫 の 薬 (1 年 間 服 用 )の 副 作 用 により 発 症 したメマイで 服 薬 の 中 止 により 症 状 改 善 されたことも 一 つの 要 因 である * 症 例 3 の 場 合 症 状 脉 状 に 応 じて S U 天 三 を S U 郄 門 に 変 えて 処 置 を した * 体 力 が 衰 えている 場 合 内 分 泌 扁 桃 椎 間 刺 鍼 はもちろんだが 胃 の 気 の 流 れを 良 くすることによって 体 力 の 増 強 と 下 半 身 強 化 を 図 ることも 早 期 治 癒 に 繋 がる * 足 三 里 を 中 心 とした 前 脛 骨 筋 の 刺 鍼 とは 胃 の 気 3 点 処 置 の 原 型 となったもの * 所 見 で C7 T1 2 の 狭 小 とあるものは 脳 循 環 障 害 を 現 わしているので 横 V 字 椎 間 刺 鍼 が 必 要 である (これは 横 突 起 の 傍 らをいう) * 特 に 女 性 の 場 合 は 扁 桃 瘀 血 骨 盤 虚 血 が 要 因 となることが 多 い これらは 一 連 のものと 考 えてもよい

4 * 女 性 の 骨 盤 内 虚 血 がある 場 合 女 性 ホルモンの 分 泌 低 下 を 現 わしているので 骨 盤 内 血 流 改 善 が 必 須 になってくる 次 髎 中 髎 等 に 丁 寧 な 雀 啄 により 改 善 される * 緊 遅 の 脉 状 は 矛 盾 脉 といい 症 状 が 長 く 頑 固 な 場 合 に 現 れる 場 合 がある 緊 脉 を 呈 すのは 中 枢 部 分 が 亢 進 しており 遅 脉 は 抹 消 部 分 が 低 下 しているとい える * 寒 気 手 足 の 冷 え 両 手 の 振 るえ は 甲 状 腺 機 能 低 下 つまり 基 礎 代 謝 低 下 して いる 状 態 これにより 遅 脉 を 現 わす * 魄 戸 膏 肓 の 刺 鍼 は かなり 長 く 丹 念 に 雀 啄 し 肺 機 能 を 賦 活 させる * 築 濱 兪 府 の 皮 内 鍼 は 副 腎 をより 強 化 していくため * 生 活 性 格 が 症 状 発 症 の 背 景 にあるので 病 気 だけの 治 療 ではなく 病 人 として 全 体 を 診 ていくためにも カウンセリング は 治 療 の 一 貫 としても 重 要 である * 再 決 断 療 法 ~ 過 去 の 過 ちを 指 摘 して 相 手 に 気 付 かせる 強 制 的 にやるのではなく 本 人 に 自 覚 させ 本 人 の 意 思 で 思 いを 変 えて 実 行 していく * S U 天 三 は 単 なる 副 腎 処 置 ではなく 扁 桃 内 分 泌 自 律 神 経 の3つ に 連 動 した 処 置 である 長 野 先 生 の 症 例 の 要 点 とまとめ * 血 虚 の 脉 状 は 非 常 に 弱 く ネギのように 中 空 の 脉 * 脉 の 変 化 が 早 くある 人 は 治 りやすい 治 っている 人 は 脉 の 変 化 が 出 やすい * 証 というものを 考 えてみる この 患 者 の 証 は 何 だろうかと 所 見 をもとにじっくり 考 えてみる これは その 患 者 の 体 質 や 病 気 の 状 態 を 全 体 的 にみたものであるが 一 番 ポイントとなるものをしっ かり 取 ってやることで 症 状 改 善 に 繋 がっていく 症 状 ばかりを 診 る 対 症 療 法 で は 変 わっていかない * 証 には 血 虚 証 内 臓 下 垂 証 易 扁 桃 反 応 証 易 粘 膜 反 応 証 等 があると 考 え ます * 病 名 ではない その 人 を 丸 ごと 診 ていかないとダメ 各 反 応 を 診 て 全 体 を 診 て いくことが 肝 心 仕 事 病 人 生 活 対 症 療 法 は 性 格 病 名 ここしか 診 ていない

質 問 5 質 問 01 肺 実 処 置 は 扁 桃 処 置 とは 違 うのでしょうか? 扁 桃 処 置 は 主 に 扁 桃 7 点 を 使 います 肺 実 処 置 は 尺 沢 を 右 天 枢 の 反 応 が 取 れるまで 丹 念 に 雀 啄 します 肺 経 の 実 の 処 置 は 肺 経 の 気 水 穴 処 置 になります 質 問 02 長 野 先 生 の 症 例 の 手 根 管 症 候 群 の 症 状 で 腫 れ 等 はなく しびれ だけ なのでしょうか? 多 少 の 強 張 りはありますが シビレだけで 見 た 目 には 判 らないくらいです 自 覚 症 状 が 強 い 質 問 03 手 根 管 症 候 群 は 固 定 はしなくてもよいのでしょうか? 必 要 ありません 脉 状 等 により 全 体 を 診 て 虚 している 場 合 これを 賦 活 させることが 大 事 です 横 V 字 椎 間 刺 鍼 で 血 流 の 改 善 を 良 くして 最 後 に 切 皮 瀉 です それによって 正 中 神 経 の 圧 迫 部 分 が 変 化 していったと 考 えられます この 変 化 の 目 安 が 脉 状 です 細 虚 がすぐ 変 わる 人 は 治 りやすい 質 問 04 手 根 管 症 候 群 の 横 V 字 椎 間 刺 鍼 時 に 頚 を 動 かしながらやった 方 がよいで しょうか? またその 時 の 姿 勢 は? 動 かさずに 伏 臥 位 でやります 動 かすと 血 管 や 神 経 が 脊 椎 の 圧 迫 等 で 変 化 する ので 伏 臥 位 でやった 方 が 良 い 質 問 05 左 天 枢 に 圧 痛 があり 肝 実 処 置 をする 時 脉 状 が 滑 脉 だけで 数 も 遅 もない 場 合 どちらの 処 置 をするべきでしょうか? 会 陽 大 腸 兪 をやったほうがいいですが 両 方 やっても 構 いません ただし 初 めての 人 等 には 片 方 だけです 遅 数 判 らない 時 は 会 陽 大 腸 兪 です 左 天 枢 の 反 応 を 診 てやります 質 問 06 左 瘀 血 があり 右 瘀 血 が 左 に 比 して 少 ない 場 合 に 左 中 封 を 丹 念 に 雀 啄 をしたら 右 瘀 血 が 目 立 ってきました どうしたらよいのでしょうか? 両 方 バランスよくやってください 中 封 尺 沢 の 他 にも 膈 兪 至 陽 等 もいいです 質 問 07 冷 え 性 の 症 例 等 かなりの 症 例 で 手 足 の 症 状 が 改 善 されてきたとありますが 私 がやってもなかなか 効 きません どこが 悪 いのでしょうか? 冷 え 性 の 改 善 よりも 循 環 障 害 の 改 善 が 大 事 です 効 果 は 患 者 の 体 質 にも よりますが 施 灸 は 大 事 です 細 脉 の 方 が 比 較 的 効 き 目 は 早 く 治 りやすいです 最 低 3ヶ 月 直 灸 で 上 髎 次 髎 三 陰 交 等 根 気 よくやれば 改 善 されてきます

脉 のイメージトレーニング 今 までのまとめ 6 自 分 の 中 で 課 題 をもって 脉 を 診 る つまり 脉 状 で 何 を 知 りたいのか 自 分 の 中 でまず 明 確 にする 最 初 目 を 閉 じて 意 識 を 集 中 する 指 先 だけに 神 経 を 集 中 して 頭 の 中 でイメージしていきます 頭 でえがいたものを 指 の 方 まで 伝 えていく 指 の 位 置 は 六 部 定 位 の 脉 診 法 に 準 じ まず 橈 骨 茎 状 突 起 内 側 の 橈 骨 動 脈 拍 動 部 に 中 指 を 当 て その 上 下 に 示 指 と 環 指 を 沿 わせる (ずっとイメージの 中 です) 示 指 で 触 れる 脉 を 寸 口 の 脉 中 指 で 触 れる 脉 を 関 上 の 脉 環 指 で 触 れる 脉 を 尺 中 の 脉 指 の 当 て 方 は 1まず 軽 く 押 えて 触 れる 脉 を 浮 脉 2 次 に グッと 骨 まで 押 えて 触 れている 脉 を 沈 脉 3そこから 少 し 力 を 抜 いた 位 置 で 触 れる 脉 を 中 脉 胃 の 気 の 脉 と 診 ていきます (この 中 脉 で 脉 状 を 診 ていくことが 多 いです) 熟 練 していく 事 でこの 動 作 は 速 くなり 脉 状 が 診 れるようになってきます 祖 脉 浮 脉 ちょっと 触 れただけで 触 れる 脉 病 が 表 層 にあることを 現 わす 沈 脉 グッと 深 く 押 して 触 れる 脉 病 症 が 奥 に 入 って 高 齢 者 疲 れある 人 遅 脉 60 拍 以 下 のゆっくりとした 脉 冷 え 全 身 倦 怠 を 現 わす 数 脉 80~90 拍 以 上 の 早 い 脉 熱 証 自 律 神 経 失 調 症 を 現 わす 虚 脉 沈 めて 非 常 に 弱 い 脉 正 気 不 足 疲 れが 溜 まっている 実 脉 指 から 脉 があふれてきそうな 勢 いのある 脉 邪 気 旺 盛 男 性 は 左 の 脉 が 強 いのが 順 女 性 は 右 の 脉 が 強 いのが 順 寸 口 の 脉 = 上 焦 (ミゾオチから 上 ) 肺 心 関 上 の 脉 = 中 焦 (ミゾオチから 臍 ) 脾 肝 尺 中 の 脉 = 下 焦 ( 臍 から 下 ) 心 包 ( 命 門 ) 腎 ( 例 ) 寸 口 強 く 尺 中 弱 い 場 合 上 焦 実 下 焦 虚 ともいえる まずは 浮 脉 指 をソッと 上 に 添 える 次 に 沈 脉 骨 につくまで 沈 める そして 中 脉 沈 の 位 置 から 少 し 指 を 浮 かせて 胃 の 気 の 脉 中 脉 ( 胃 の 気 の 脉 )がしっかり 流 れていると 治 り 易 い はっきり 流 れていないと 治 り 難 い

中 脉 の 状 態 で 脉 状 を 診 ていく 中 脉 が 細 い 糸 のようであれば 細 脉 中 脉 が 太 く 指 からあふれそうならば 洪 脉 等 右 寸 口 が 強 い 場 合 脉 差 診 の 肺 実 を 現 わす 右 関 上 が 強 い 場 合 脉 差 診 の 脾 実 を 現 わす 右 尺 中 が 強 い 場 合 脉 差 診 の 心 包 実 ( 命 門 )を 現 わす 心 包 実 で 男 性 の 場 合 心 肥 大 食 道 静 脈 瘤 等 の 何 らかの 血 管 障 害 を 現 わして いることがあるので 要 注 意 の 脉 状 である 心 包 実 で 女 性 の 場 合 子 宮 内 膜 炎 等 婦 人 科 の 炎 症 もしくは 生 理 中 の 脉 状 左 寸 口 の 沈 は 心 他 と 比 してここが 太 い 場 合 洪 脉 といい 関 節 の 痛 み 手 足 の 強 張 り があれば リウマチ 等 の 疑 いがある 左 尺 中 の 沈 は 腎 男 性 で 前 立 腺 肥 大 や 残 尿 頻 尿 等 で 現 れやすい 細 い 脉 は 細 脉 といい 血 流 が 悪 い 血 虚 冷 え 性 の 脉 である 緊 張 が 強 い 脉 は 緊 脉 といい 痛 み 自 律 神 経 失 調 を 現 わす 脉 である 沈 位 まで 緊 張 の 強 い 脉 は 弦 脉 といい 肝 胆 の 実 で 脾 虚 になる 進 行 して きた 場 合 陽 補 にも 圧 痛 が 現 れるので 陽 補 を 瀉 してよい 前 浮 後 沈 は 寸 口 関 上 は 浮 いても 感 じるが 尺 中 の 脉 は 沈 んでいる( 尺 落 ) 脉 状 は 頭 でえがいたものを 体 に 伝 えていく 体 に 伝 えるのがメインである つま り 体 で 覚 えることが 大 事 である イメージはその 為 の 仲 介 するもので このイメージを 繰 り 返 し 実 際 の 臨 床 上 で 診 てい って 体 で 覚 えてほしい 7