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定款

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社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

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(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

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有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

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●電力自由化推進法案

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根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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1

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接 支 払 制 度 を 活 用 するか 意 思 を 確 認 する 確 認 に 当 たっては 次 の 各 号 に 掲 げる 事 項 について 書 面 により 世 帯 主 の 合 意 を 得 て 代 理 契 約 を 締 結 するものとする (1) 医 療 機 関 等 が 本 市 に 対 し 世 帯 主

16 日本学生支援機構

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第 7 条 職 員 の 給 与 に 関 する 規 程 ( 以 下 給 与 規 程 という ) 第 21 条 第 1 項 に 規 定 す るそれぞれの 基 準 日 に 育 児 休 業 している 職 員 のうち 基 準 日 以 前 6 月 以 内 の 期 間 にお いて 在 職 した 期 間 がある 職

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2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

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(2) 保 育 料 等 減 免 措 置 に 関 する 調 書 (3) 地 方 税 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 226 号 ) 第 5 条 第 2 項 第 1 号 に 規 定 する 市 町 村 民 税 の 課 税 の 状 況 を 証 明 する 書 類 又 は 生 活 保 護 法 ( 昭 和

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03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77


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(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

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(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

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●労働基準法等の一部を改正する法律案

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

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老発第    第 号

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

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(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

第 9 条 の 前 の 見 出 しを 削 り 同 条 に 見 出 しとして ( 部 分 休 業 の 承 認 ) を 付 し 同 条 中 1 日 を 通 じて2 時 間 ( 規 則 で 定 める 育 児 休 暇 を 承 認 されている 職 員 については 2 時 間 から 当 該 育 児 休 暇 の

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官報掲載【セット版】

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4-3-4共立蒲原総合病院組合職員の育児休業等に関する条例

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,6 243,7 185,8 222,9 261,9

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とする (1) 多 重 債 務 や 過 剰 債 務 を 抱 え 返 済 が 困 難 になっている 人 (2) 債 務 整 理 を 法 律 専 門 家 に 依 頼 した 直 後 や 債 務 整 理 途 上 の 人 (3) 収 入 よりも 生 活 費 が 多 くお 金 が 不 足 がちで 借 金 に 頼

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2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

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Transcription:

アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 ( 案 ) 平 成 28 年 2 月 はじめに 〇 我 が 国 における 状 況 〇 WHOの 動 向 〇 アルコール 健 康 障 害 対 策 基 本 法 (Ⅰ)アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 について 1.アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 位 置 付 け 2. 第 1 期 アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 対 象 期 間 3.アルコ ル 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 構 成 について (Ⅱ) 基 本 的 な 考 え 方 1. 基 本 理 念 2. 基 本 的 な 方 向 性 (1) 正 しい 知 識 の 普 及 及 び 不 適 切 な 飲 酒 を 防 止 する 社 会 づくり (2) 誰 もが 相 談 できる 相 談 場 所 と 必 要 な 支 援 に 繋 げる 相 談 支 援 体 制 づくり (3) 医 療 における 質 の 向 上 と 連 携 の 促 進 (4)アルコール 依 存 症 者 が 円 滑 に 回 復 社 会 復 帰 資 するための 社 会 づくり (Ⅲ) 第 1 期 基 本 計 画 で 取 り 組 むべき 重 点 課 題 1. 飲 酒 に 伴 うリスクに 関 する 知 識 の 普 及 を 徹 底 し 将 来 にわたるアルコール 健 康 障 害 の 発 生 を 予 防 (1) 特 に 配 慮 を 要 する 者 ( 未 成 年 者 妊 産 婦 若 い 世 代 )に 対 する 教 育 啓 発 1 未 成 年 者 妊 産 婦 などの 飲 酒 すべきではない 者 2 将 来 的 な 心 身 への 影 響 が 懸 念 される 若 い 世 代 (2)アルコール 依 存 症 に 関 する 正 しい 知 識 理 解 の 啓 発 (3) 第 1 期 基 本 計 画 における 目 標 2.アルコール 健 康 障 害 に 関 する 予 防 及 び 相 談 から 治 療 回 復 支 援 に 至 る 切 れ 目 のない 支 援 体 制 の 整 備 (1)アルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 (2) 地 域 における 相 談 拠 点 の 明 確 化 (3)アルコール 健 康 障 害 を 有 している 者 とその 家 族 を 相 談 治 療 回 復 支 援 に 繋 ぐため の 連 携 体 制 の 推 進 (4)アルコール 依 存 症 の 治 療 等 の 拠 点 となる 専 門 医 療 機 関 の 整 備 (5) 第 1 期 基 本 計 画 における 目 標

(Ⅳ) 基 本 的 施 策 1. 教 育 の 振 興 等 (1) 学 校 教 育 の 推 進 1 小 学 校 から 高 等 学 校 における 教 育 2 大 学 等 における 教 育 3 医 学 看 護 福 祉 司 法 等 の 専 門 教 育 4 自 動 車 教 習 所 における 周 知 (2) 家 庭 に 対 する 啓 発 の 推 進 (3) 職 場 教 育 の 推 進 (4) 広 報 啓 発 の 推 進 2. 不 適 切 な 飲 酒 の 誘 引 の 防 止 (1) 広 告 (2) 表 示 (3) 販 売 (4) 提 供 (5) 少 年 補 導 の 強 化 3. 健 康 診 断 及 び 保 健 指 導 (1) 地 域 における 保 健 指 導 による 減 酒 支 援 の 調 査 研 究 等 (2) 地 域 における 健 康 障 害 予 防 のための 早 期 介 入 の 推 進 (3) 職 域 における 対 応 の 促 進 4.アルコール 健 康 障 害 に 係 る 医 療 の 充 実 等 (1)アルコール 健 康 障 害 に 係 る 医 療 の 質 の 向 上 (2) 医 療 連 携 の 推 進 ( 内 科 救 急 等 の 一 般 医 療 と 専 門 医 療 の 連 携 ) 5.アルコール 健 康 障 害 に 関 連 して 飲 酒 運 転 等 をした 者 に 対 する 指 導 等 (1) 飲 酒 運 転 をした 者 に 対 する 指 導 等 (2) 暴 力 虐 待 自 殺 未 遂 等 をした 者 に 対 する 指 導 等 6. 相 談 支 援 等 7. 社 会 復 帰 の 支 援 (1) 就 労 及 び 復 職 の 支 援 (2)アルコール 依 存 症 からの 回 復 支 援 8. 民 間 団 体 の 活 動 に 対 する 支 援 9. 人 材 の 確 保 等 10. 調 査 研 究 の 推 進 等 Ⅴ 推 進 体 制 等 1. 関 連 施 策 との 有 機 的 な 連 携 について 2. 都 道 府 県 における 都 道 府 県 アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 策 定 等 について 3. 第 1 期 基 本 計 画 の 見 直 しについて 4. 厚 生 労 働 省 への 円 滑 な 事 務 移 管 について 5. 第 2 期 アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 数 値 目 標 に 向 けた 取 組 について

はじめに 我 が 国 における 状 況 ( 我 が 国 のアルコール 消 費 量 ) 我 が 国 における 酒 類 の 販 売 ( 消 費 ) 数 量 の 動 向 を 見 ると 平 成 8(1996) 年 度 の9666 万 キロ リットルをピークとして その 後 減 少 が 続 き 平 成 26(2014) 年 度 の 販 売 ( 消 費 ) 数 量 は 平 成 8(1996) 年 度 の 約 9 割 となっている これを 成 人 一 人 当 たりの 酒 類 の 販 売 ( 消 費 ) 量 で 見 た 場 合 平 成 4(1992) 年 度 の101.8リットルをピークとして その 後 減 少 が 続 き 平 成 26(2014) 年 度 では 平 成 4(1992) 年 の 約 8 割 の80.310 リットルになっている 中 高 年 に 比 べ 飲 酒 習 慣 のあ る 者 の 割 合 が 低 い70 歳 以 上 の 高 齢 者 の 割 合 が 増 加 していることがこの 一 因 となっている ( 国 民 の 飲 酒 の 状 況 ) 国 民 一 人 一 人 の 飲 酒 の 状 況 については 国 民 健 康 栄 養 調 査 ( 厚 生 労 働 省 )において 月 に1 日 以 上 の 頻 度 で 飲 酒 をする 者 の 割 合 は 平 成 15(2003) 年 は 男 性 69.3% 女 性 33.3%に 対 し 平 成 24(2012) 年 は 男 性 67.3% 女 性 33.2%であり 横 ばいとなっており 飲 酒 習 慣 のある 者 ( 週 3 日 以 上 1 日 1 合 以 上 飲 酒 する 者 ) の 割 合 は 平 成 16(2004) 年 は 男 性 38.2% 女 性 7.1% 平 成 26(2014) 年 は 男 性 34.6% 女 性 8.2%であり 男 性 は 減 少 傾 向 にあり 女 性 は 横 ばいが 続 いている 平 成 27 年 (2015) 年 のOECD( 経 済 協 力 開 発 機 構 )の 報 告 において 日 本 では 最 も 飲 酒 が 多 い20%の 人 々が 全 てのアルコール 消 費 量 の70% 近 くを 消 費 している と 報 告 されている 多 量 に 飲 酒 する 人 の 状 況 については 平 成 12(2000) 年 度 から 平 成 24(2012) 年 度 までの 第 1 次 の 健 康 日 本 21において 多 量 に 飲 酒 する 人 を 1 日 平 均 純 アルコール 約 60gを 超 えて 摂 取 す る 人 とし この 割 合 の 減 少 を 目 標 として 取 組 が 行 われてきたが 平 成 21 年 の 国 民 健 康 栄 養 調 査 では この 割 合 は 男 性 4.8% 女 性 0.4%であり 最 終 評 価 において 改 善 はみられなか った と 報 告 された 平 成 25(2013) 年 度 からの 21 世 紀 における 第 2 次 国 民 健 康 づくり 運 動 ( 健 康 日 本 21( 第 二 次 )) ( 以 下 単 に 健 康 日 本 21 という )では 生 活 習 慣 病 のリス クを 高 める 量 を 飲 酒 している 者 の 割 合 を 平 成 34 年 度 までに 男 性 13.0% 女 性 6.4%とすることを 目 標 として 取 組 を 開 始 しており 平 成 26(2014) 年 国 民 健 康 栄 養 調 査 では 男 性 15.8% 女 性 8.8%である 平 成 22(2010) 年 24(2012) 年 26(2014) 年 の 推 移 でみると 男 性 は 横 ばい 女 性 は 統 計 学 的 に 有 意 に 増 加 している 未 成 年 者 について その 飲 酒 実 態 を 把 握 するための 全 国 調 査 が 行 われてきた 調 査 前 30 日 に 1 回 以 上 飲 酒 した 者 の 割 合 は 平 成 8(1996) 年 では 中 学 生 男 子 29.4% 中 学 生 女 子 24.0% 高 校 生 男 子 49.7% 高 校 生 女 子 40.8%であったが 平 成 24(2012) 年 には 中 学 生 男 子 7.4% 中 学 生 女 子 7.7% 高 校 生 男 子 14.4% 高 校 生 女 子 15.3%と 大 きく 減 少 している また 男 女 間 でほぼ 差 がなくなっている このように 我 が 国 全 体 のアルコール 消 費 量 は 減 少 傾 向 にあり 成 人 の 飲 酒 習 慣 のある 者 及 び 未 成 年 者 の 飲 酒 の 割 合 も 全 体 として 減 少 傾 向 にある しかし 多 量 に 飲 酒 している 者 の 割 合 は 男 女 とも 改 善 しておらず 一 部 の 多 量 飲 酒 者 が 多 く のアルコールを 消 費 している 状 況 がある 特 に 女 性 については 飲 酒 習 慣 のある 者 の 割 合 は 横 ばいが 続 き 生 活 習 慣 病 のリスクを 高 める 量 を 飲 酒 している 者 の 割 合 は 平 成 22(2010) 年 から 有 意 に 増 加 している また 未 成 年 者 の 調 査 前 30 日 に1 回 以 上 飲 酒 した 者 の 割 合 は 男 女 間 でほぼ 差 がなくなっており 相 対 的 に 女 性 のアルコール 健 康 障 害 対 策 の 重 要 さが 増 している 状 況 にある -1-

(アルコールによる 健 康 障 害 ) アルコールは 様 々な 健 康 障 害 との 関 連 が 指 摘 されており 我 が 国 で 実 施 されている 大 規 模 疫 学 調 査 においても アルコールの 多 飲 が 様 々ながん 等 の 疾 患 や 自 殺 等 のリスクを 上 げると 指 摘 されている 特 に 発 症 頻 度 の 高 い 代 表 的 な 臓 器 障 害 として アルコール 性 肝 疾 患 があげられる アルコー ル 性 肝 疾 患 は まずアルコール 性 脂 肪 肝 として 発 症 するが 飲 酒 の 継 続 によりアルコール 性 肝 炎 アルコール 性 肝 線 維 症 に 移 行 し アルコール 性 肝 硬 変 や 肝 細 胞 がんへ 進 行 する 患 者 調 査 ( 厚 生 労 働 省 )によれば アルコール 性 肝 疾 患 の 総 患 者 数 は 平 成 8(1996) 年 の5.9 万 人 から 平 成 26(2014) 年 には3.5 万 人 に 減 少 しているが アルコール 性 肝 硬 変 は 平 成 8(1996) 年 の 4 千 人 から 平 成 26(2014) 年 には1.3 万 人 へと 増 加 している 人 口 動 態 統 計 ( 厚 生 労 働 省 )の 死 因 別 死 亡 数 の 統 計 において 肝 疾 患 全 体 の 死 亡 数 は 減 少 傾 向 にあるが アルコール 性 肝 疾 患 の 死 亡 数 は 平 成 828 (1996) 年 には2,403 人 であったものが 平 成 26(2014) 年 には4,689 人 と 増 加 しており そのうち 約 8 割 がアルコール 性 肝 硬 変 である アルコールの 持 つ 依 存 性 により アルコール 依 存 症 を 発 症 する 可 能 性 がある 患 者 調 査 にお ける 総 患 者 数 は 約 4 万 人 前 後 で 推 移 しており 平 成 26(2014) 年 は 4.9 万 人 と 推 計 されてい るが 成 人 の 飲 酒 行 動 に 関 する 調 査 では アルコール 依 存 症 の 生 涯 経 験 者 は100 万 人 を 超 えると の 報 告 がある また アルコール 依 存 症 を 現 在 有 する 者 ( 推 計 数 58 万 人 )のうち アルコー ル 依 存 症 の 専 門 治 療 を 受 けたことがある と 回 答 している 者 は22%しかおらず 一 方 で アル コール 依 存 症 を 現 在 有 する 者 の83%は この1 年 間 に 何 らかの 理 由 で 医 療 機 関 を 受 診 した と 回 答 しており 一 般 医 療 機 関 から 専 門 医 療 機 関 への 受 け 渡 しが 適 切 に 行 われておらず 専 門 的 治 療 に 繋 がっていない 可 能 性 があるとの 報 告 がある (アルコールによる 社 会 的 影 響 ) アルコールは 心 身 への 影 響 のみならず 多 くの 社 会 問 題 との 関 連 が 指 摘 されている 運 転 免 許 取 消 処 分 者 講 習 受 講 者 を 対 象 とした 複 数 の 調 査 で 飲 酒 運 転 で 検 挙 された 者 のうち 3 割 程 度 の 者 にアルコール 依 存 症 の 疑 いがあったことが 報 告 されている 配 偶 者 からの 暴 力 の 防 止 及 び 被 害 者 の 保 護 等 に 関 する 法 律 ( 平 成 13 年 法 律 第 31 号 )の 保 護 命 令 違 反 者 を 対 象 に 行 われた 研 究 で 飲 酒 に 関 する 問 題 を 有 していた 者 が 約 4 割 であった 受 刑 者 を 対 象 に 行 われた 研 究 で 調 査 対 象 受 刑 者 に 占 める 多 量 飲 酒 者 ( 日 本 酒 換 算 3 合 以 上 をほぼ 毎 日 ) の 割 合 は23.3%であった また 自 助 グループ(アルコール 依 存 症 の 当 事 者 及 びその 家 族 が 互 いに 支 えあってその 再 発 を 防 止 するための 活 動 を 行 う 団 体 をいう 以 下 同 じ )に 属 する 家 族 に 対 する 調 査 では アルコールの 問 題 を 抱 えてから 半 数 近 くの 家 族 が 生 活 や 経 済 的 困 難 に 直 面 し 約 3 割 の 家 族 は 自 らが 精 神 的 又 は 身 体 的 問 題 を 抱 えるようになったと 報 告 されている 多 量 のアルコールを 飲 み 続 ければ アルコール 健 康 障 害 やそれに 関 連 して 様 々な 問 題 を 起 こ してしまう 可 能 性 は 誰 にでもある アルコール 依 存 症 の 当 事 者 の 体 験 談 から ごく 普 通 に 飲 酒 をしていた 者 が 様 々な 要 因 から 問 題 飲 酒 を 経 てアルコール 依 存 症 に 至 り 飲 酒 のコントロ ールができず 更 なる 問 題 を 引 き 起 こし 社 会 から 非 難 を 受 け 更 に 追 い 込 まれていくという 状 況 がわかる その 影 響 は 飲 酒 者 本 人 のみならず 周 囲 の 者 にも 及 び 特 にアルコール 依 存 症 者 の 家 族 は 強 いストレスにさらされ 困 難 を 抱 えていることが 多 い アルコール 依 存 症 に 関 する 問 題 を 個 人 の 問 題 とのみ 捉 えず 社 会 全 体 の 問 題 と 捉 え 必 要 な 知 識 や 医 療 回 復 のための 支 援 を 講 じることが 必 要 である -2-

世 界 保 健 機 関 (WHO)の 動 向 平 成 22(2010) 年 5 月 に 開 かれた 世 界 保 健 機 関 ( 以 下 WHO という ) 総 会 において アル コールの 有 害 な 使 用 を 低 減 するための 世 界 戦 略 が 採 択 された この 世 界 戦 略 において WHOは 有 害 な 使 用 について 健 康 に 有 害 な 結 果 をもたらすという 面 と 周 囲 の 者 の 健 康 や 社 会 全 体 に 影 響 を 及 ぼすという 面 について 言 及 し アルコール 関 連 問 題 を 低 減 するための 国 の 行 動 として 取 り 得 る 政 策 の 選 択 肢 を 10の 分 野 に 分 類 した 上 で 示 し ている その 後 WHOは 平 成 25(2013) 年 に 循 環 器 疾 患 がん 慢 性 呼 吸 器 疾 患 糖 尿 病 などの 非 感 染 性 疾 患 の 予 防 とコントロールのため Global Action Plan 2013-2020 を 発 表 し 9つの 自 発 的 世 界 目 標 の 一 つとして アルコールの 有 害 な 使 用 の 少 なくとも10%の 削 減 を 掲 げて いる アルコール 健 康 障 害 対 策 基 本 法 こうした 動 きを 受 け 我 が 国 でも 包 括 的 な 取 組 を 推 進 するための 動 きが 活 発 になり 平 成 25(2013) 年 11 月 議 員 立 法 によりアルコール 健 康 障 害 対 策 基 本 法 案 が 国 会 に 提 出 され 同 年 12 月 アルコール 健 康 障 害 対 策 基 本 法 ( 平 成 25 年 法 律 第 109 号 以 下 基 本 法 という )と して 公 布 され 平 成 26(2014) 年 6 月 に 施 行 された 基 本 法 では アルコール 依 存 症 その 他 の 多 量 の 飲 酒 未 成 年 者 の 飲 酒 妊 婦 の 飲 酒 等 の 不 適 切 な 飲 酒 の 影 響 による 心 身 の 健 康 障 害 を アルコール 健 康 障 害 と 定 義 するとともに 上 記 の 世 界 戦 略 と 同 様 に アルコール 健 康 障 害 が 本 人 の 健 康 の 問 題 であるのみならず その 家 族 への 深 刻 な 影 響 や 重 大 な 社 会 問 題 を 生 じさせる 危 険 性 が 高 いことを 明 記 した 上 で アルコ ール 健 康 障 害 及 びこれに 関 連 して 生 ずる 飲 酒 運 転 暴 力 虐 待 自 殺 等 の 問 題 を アルコー ル 関 連 問 題 と 定 義 し アルコール 健 康 障 害 対 策 を 実 施 するに 当 たっては アルコール 関 連 問 題 の 根 本 的 な 解 決 に 資 するため 関 連 する 施 策 との 有 機 的 な 連 携 が 図 られるよう 配 慮 する こと を 基 本 理 念 の 一 つとして 定 めた また もう 一 つの 基 本 理 念 として アルコール 健 康 障 害 の 発 生 進 行 及 び 再 発 の 各 段 階 に 応 じ 節 酒 又 は 断 酒 の 指 導 専 門 的 治 療 等 を 受 けるための 指 導 及 びその 充 実 並 びに 関 係 機 関 との 連 携 の 確 保 等 の 防 止 策 を 適 切 に 実 施 するとともに アルコール 健 康 障 害 を 有 し 又 は 有 してい た 者 とその 家 族 が 日 常 生 活 及 び 社 会 生 活 を 円 滑 に 営 むことができるように 支 援 することを 定 め ており この2つの 基 本 理 念 を 踏 まえ アルコール 健 康 障 害 対 策 を 総 合 的 かつ 計 画 的 に 推 進 する ための 計 画 として このアルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 を 策 定 するものである なお この 基 本 計 画 の 策 定 に 当 たっては 内 閣 府 に 設 置 されたアルコール 健 康 障 害 対 策 関 係 者 会 議 において 専 門 的 知 識 を 有 する 者 やアルコール 健 康 障 害 を 有 し 又 は 有 していた 者 及 び その 家 族 を 代 表 する 者 等 から 意 見 を 聴 きながら 以 下 のような 問 題 意 識 のもとに 検 討 を 進 めた ものである 1 飲 酒 に 伴 うリスクに 関 する 正 しい 知 識 の 普 及 酒 類 は 祝 いの 場 や 懇 親 の 場 などで 欠 かせない 存 在 として 浸 透 している 一 方 で 酒 類 の 持 つ 依 存 性 や 致 酔 性 といった 特 性 や 飲 酒 することに 伴 うリスクについて 正 しい 知 識 が 普 及 していないため 親 が 未 成 年 の 子 供 に 飲 酒 を 勧 めたり 一 度 に 多 量 の 飲 酒 をしたため 急 性 アルコール 中 毒 で 搬 送 されるといったことも 起 きている 酒 類 は 依 存 性 や 致 酔 性 といった 特 性 を 持 つ 嗜 好 品 であり 不 適 切 な 飲 酒 の 仕 方 をすれば -3-

健 康 への 影 響 や 様 々な 事 件 事 故 等 を 引 き 起 こすことがある そうした 酒 類 の 特 性 や 飲 酒 に 伴 うリスクについて 一 人 一 人 が 理 解 し 必 要 な 注 意 を 払 うことでそれを 防 ぐために 正 しい 知 識 を 普 及 する 必 要 がある 2アルコール 依 存 症 の 正 しい 理 解 特 にアルコール 依 存 症 については 飲 酒 をしていれば 誰 でもなる 可 能 性 があること 飲 酒 量 のコントロールができなくなる 疾 患 であるということが 理 解 されず 本 人 の 意 志 が 弱 いとい う 誤 解 や 偏 見 が 存 在 している この 誤 解 や 偏 見 は 本 人 や 家 族 に アルコール 依 存 症 であることを 否 認 させるとともに 医 療 や 就 労 支 援 などの 場 でも 治 療 回 復 社 会 復 帰 の 障 壁 となっている 社 会 全 体 におけるアルコール 依 存 症 の 正 しい 理 解 を 浸 透 させていくことが 対 策 の 前 提 として 必 要 である 3 早 期 介 入 への 取 組 アルコール 健 康 障 害 に 関 する 対 策 については これまで 生 活 習 慣 病 予 防 等 の 観 点 からの 啓 発 と 医 療 におけるアルコール 依 存 症 の 対 策 を 中 心 に 進 められてきた しかし アルコール 依 存 症 に 至 ってからの 治 療 回 復 には 多 くの 労 力 を 要 するものである より 早 期 の 段 階 で 介 入 す ることで より 少 ない 労 力 で 効 果 的 な 予 防 が 可 能 である 将 来 的 に アルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 を 進 めていくことを 念 頭 に 調 査 研 究 等 の 取 組 を 進 める 必 要 がある 4 地 域 における 関 係 機 関 の 連 携 による 相 談 から 回 復 支 援 に 至 る 支 援 体 制 の 整 備 アルコール 健 康 障 害 への 対 応 には 相 談 から 治 療 回 復 支 援 に 至 る 中 で 様 々な 関 係 機 関 が 関 わる 必 要 がある 地 域 によっては こうした 関 係 機 関 の 連 携 や 情 報 の 共 有 が 適 切 に 行 われておらず 当 事 者 や その 家 族 が 必 要 な 支 援 を 受 けることができないといった 指 摘 もされた こうした 関 係 機 関 が 連 携 を 図 り 地 域 において 相 談 から 治 療 回 復 支 援 に 至 る 体 制 を 整 備 す ることで 円 滑 な 回 復 につなげていくことが 必 要 である また 不 適 切 な 飲 酒 により 飲 酒 運 転 や 暴 力 虐 待 等 の 問 題 が 引 き 起 こされることがある こうした 問 題 の 背 景 にアルコール 依 存 症 が 疑 われる 場 合 は 関 係 機 関 を 通 じて 必 要 な 相 談 治 療 につなげることが 重 要 である -4-

Ⅰ アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 について 1.アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 位 置 付 け アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 は 基 本 法 第 12 条 第 1 項 に 基 づき アルコール 健 康 障 害 対 策 の 総 合 的 かつ 計 画 的 な 推 進 を 図 るために 策 定 されるものであり 政 府 が 講 ずるアルコール 健 康 障 害 対 策 の 最 も 基 本 的 な 計 画 として 位 置 付 けられる 2. 第 1 期 アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 対 象 期 間 今 回 策 定 するアルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 は 第 1 期 アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 ( 以 下 第 1 期 基 本 計 画 という )とし 平 成 28(2016) 年 度 から32(2020) 年 度 まで の 概 ね5 年 間 を 対 象 とする 3.アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 構 成 について 第 1 期 基 本 計 画 は この Ⅰ アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 について Ⅱ 基 本 的 な 考 え 方 Ⅲ 第 1 期 基 本 計 画 で 取 り 組 むべき 重 点 課 題 Ⅳ 基 本 的 施 策 及 び Ⅴ 推 進 体 制 等 で 構 成 される Ⅱ 基 本 的 な 考 え 方 では 第 1 期 基 本 計 画 全 体 の 基 本 理 念 及 び 基 本 的 な 方 向 性 を 示 している Ⅲ 第 1 期 基 本 計 画 で 取 り 組 むべき 重 点 課 題 では 平 成 32(2020) 年 度 まで の 第 1 期 基 本 計 画 において 特 に 重 点 的 に 取 り 組 むべき 課 題 及 び 第 1 期 基 本 計 画 の 対 象 期 間 に 達 成 する 目 標 を 示 している Ⅳ 基 本 的 施 策 では 基 本 法 に 規 定 される10の 基 本 的 施 策 ごとに 分 野 を 分 け 原 則 とし て それぞれの 分 野 について 第 1 期 基 本 計 画 の 対 象 期 間 に 達 成 する 目 標 と そのために 取 り 組 む 施 策 を 示 している Ⅴ 推 進 体 制 等 では これらの 取 組 を 総 合 的 かつ 計 画 的 に 推 進 するための 体 制 等 について 示 している -5-

Ⅱ 基 本 的 な 考 え 方 1. 基 本 理 念 基 本 法 第 3 条 に 規 定 されるように アルコール 健 康 障 害 対 策 は アルコール 健 康 障 害 の 発 生 進 行 及 び 再 発 の 各 段 階 に 応 じた 防 止 対 策 を 適 切 に 実 施 するとともに アルコール 健 康 障 害 を 有 し 又 は 有 していた 者 とその 家 族 が 日 常 生 活 及 び 社 会 生 活 を 円 滑 に 営 むことができるように 支 援 することとし その 実 施 に 当 たっては アルコール 健 康 障 害 が 飲 酒 運 転 暴 力 虐 待 自 殺 等 の 問 題 に 密 接 に 関 連 することに 鑑 み アルコール 健 康 障 害 に 関 連 して 生 ずるこれらの 問 題 の 根 本 的 な 解 決 に 資 するため これらの 問 題 に 関 する 施 策 との 有 機 的 な 連 携 が 図 られるよう 必 要 な 配 慮 がなされるものとする 2. 基 本 的 な 方 向 性 (1) 正 しい 知 識 の 普 及 及 び 不 適 切 な 飲 酒 を 防 止 する 社 会 づくり 飲 酒 に 伴 うリスクや アルコール 依 存 症 について 正 しく 理 解 した 上 で お 酒 と 付 き 合 って いける 社 会 をつくるための 教 育 啓 発 の 推 進 及 び 酒 類 関 係 事 業 者 による 不 適 切 な 飲 酒 の 誘 引 を 防 止 する 取 組 を 促 進 する (2) 誰 もが 相 談 できる 相 談 場 所 と 必 要 な 支 援 につなげる 相 談 支 援 体 制 づくり 地 域 の 実 情 に 応 じて 精 神 保 健 福 祉 センターや 保 健 所 等 が 中 心 となりアルコール 関 連 問 題 の 相 談 支 援 の 場 所 を 確 保 し 幅 広 い 関 係 機 関 や 自 助 グループ 及 び 民 間 団 体 の 連 携 により 適 切 な 指 導 相 談 社 会 復 帰 の 支 援 につなげる 体 制 づくりを 行 う (3) 医 療 における 質 の 向 上 と 連 携 の 促 進 地 域 においてアルコール 依 存 症 の 治 療 研 究 人 材 育 成 等 の 中 心 となる 拠 点 機 関 の 整 備 を 進 めるとともに アルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 を 含 め 一 般 医 療 機 関 と 専 門 医 療 機 関 との 連 携 を 推 進 する (4)アルコール 依 存 症 者 が 円 滑 に 回 復 社 会 復 帰 するための 社 会 づくり アルコール 依 存 症 者 の 回 復 社 会 復 帰 が 円 滑 に 進 むよう 社 会 全 体 でアルコール 依 存 症 並 び にその 回 復 及 び 社 会 復 帰 について 理 解 を 促 進 する -6-

Ⅲ 第 1 期 基 本 計 画 で 取 り 組 むべき 重 点 課 題 1. 飲 酒 に 伴 うリスクに 関 する 知 識 の 普 及 を 徹 底 し 将 来 にわたるアルコール 健 康 障 害 の 発 生 を 予 防 (1) 特 に 配 慮 を 要 する 者 ( 未 成 年 者 妊 産 婦 若 い 世 代 )に 対 する 教 育 啓 発 1 未 成 年 者 妊 産 婦 などの 飲 酒 すべきではない 者 ( 未 成 年 者 ) 未 成 年 者 の 飲 酒 率 は 減 少 傾 向 にあるが 未 成 年 者 飲 酒 禁 止 法 ( 大 正 11 年 法 律 第 20 号 )で 禁 止 されているにも 関 わらずゼロにはなっていない 未 成 年 者 による 飲 酒 については 脳 の 萎 縮 や 第 2 次 性 徴 の 遅 れ アルコール 依 存 症 のリス クの 高 まりなど 心 身 の 発 育 への 影 響 が 指 摘 されており 健 全 な 心 身 の 育 成 をはかるため ゼロとすることが 求 められる ( 妊 産 婦 ) 妊 婦 の 飲 酒 率 は 減 少 しているが 妊 娠 判 明 時 点 で 飲 酒 をしていた 者 のうち 約 半 数 が 妊 娠 中 も 飲 酒 を 継 続 していることも 報 告 されている 妊 娠 中 の 飲 酒 は 胎 児 性 アルコール 症 候 群 (アルコールの 影 響 で 胎 児 に 脳 の 発 達 障 害 等 が おこる 疾 患 )や 発 育 障 害 を 引 き 起 こすことが 指 摘 されており 妊 娠 中 は 飲 酒 をしないこと が 求 められる また 出 産 後 も 授 乳 中 は 飲 酒 を 控 えることが 望 ましい ( 取 り 組 むべき 施 策 ) 未 成 年 者 や 妊 産 婦 に 対 し 飲 酒 が 自 分 自 身 や 胎 児 乳 児 の 心 身 に 与 える 影 響 に 関 する 正 し い 知 識 を 普 及 させることが 必 要 であることから 学 校 教 育 において アルコールが 未 成 年 者 の 心 身 に 及 ぼす 影 響 などを 正 しく 認 識 させるとともに アルコール 関 連 問 題 啓 発 週 間 未 成 年 者 飲 酒 防 止 強 調 月 間 等 の 機 会 や 健 康 日 本 21 健 やか 親 子 21 等 の 活 動 を 通 じ 国 地 方 公 共 団 体 関 係 団 体 事 業 者 等 が 連 携 し 未 成 年 者 や 妊 産 婦 の 飲 酒 による 影 響 につい て 普 及 啓 発 を 進 める 未 成 年 者 については 未 成 年 者 に 影 響 を 及 ぼしうる 保 護 者 や 教 職 員 など 周 囲 の 大 人 に 向 けた 啓 発 も 必 要 であることから 教 職 員 に 対 し アルコールの 心 身 に 及 ぼす 影 響 につい て 更 なる 啓 発 を 促 すとともに アルコール 関 連 問 題 啓 発 週 間 未 成 年 者 飲 酒 防 止 強 調 月 間 等 の 機 会 や 健 康 日 本 21 健 やか 親 子 21 等 の 活 動 を 通 じ 国 地 方 公 共 団 体 関 係 団 体 事 業 者 等 が 連 携 し 家 庭 における 教 育 に 資 するよう 未 成 年 者 の 飲 酒 に 伴 うリスクを 保 護 者 に 伝 える 未 成 年 者 や 妊 産 婦 などの 飲 酒 すべきではない 者 の 飲 酒 の 誘 引 を 防 止 する 社 会 づくりのた め 酒 類 業 界 において テレビ 広 告 について 自 主 基 準 の 見 直 しや 酒 マークの 認 知 向 上 策 等 について 検 討 を 進 める また 酒 類 業 者 風 俗 営 業 管 理 者 等 に 対 し 未 成 年 者 への 酒 類 販 売 供 与 提 供 の 禁 止 の 周 知 を 徹 底 するとともに 飲 食 店 等 での 未 成 年 者 への 酒 類 提 供 等 について 指 導 取 締 りの 強 化 を 図 る 2 将 来 的 な 心 身 への 影 響 が 懸 念 される 若 い 世 代 東 京 消 防 庁 における 平 成 26 年 中 の 急 性 アルコール 中 毒 による 年 代 別 男 女 別 搬 送 人 員 では 男 女 ともに20 歳 代 に 搬 送 人 員 が 集 中 しており 次 いで30 歳 代 となっているとの 報 告 もあり 若 年 者 は 自 身 の 飲 酒 量 の 限 界 が 分 からないこと 等 から 急 性 アルコール 中 毒 のリスクが 高 いとの 指 摘 がある -7-

女 性 は 男 性 よりも 少 ない 飲 酒 量 で 生 活 習 慣 病 のリスクが 高 くなること 男 性 よりも 短 期 間 の 飲 酒 でアルコール 依 存 症 を 発 症 する 傾 向 があることが 指 摘 されている ( 取 り 組 むべき 施 策 ) 国 地 方 公 共 団 体 関 係 団 体 事 業 者 等 が 連 携 して 若 い 世 代 を 対 象 に 以 下 の2 点 に 重 点 を 置 いて 飲 酒 の 健 康 影 響 や 節 度 ある 適 度 な 飲 酒 など 正 確 で 有 益 な 情 報 を 提 供 する (ⅰ) 女 性 は 男 性 と 比 べて アルコールによる 心 身 への 影 響 を 受 けやすいなど 女 性 特 有 のリスクがあること (ⅱ) 男 性 及 び 女 性 それぞれの 適 度 な 飲 酒 に 関 する 知 識 (2)アルコール 依 存 症 に 関 する 正 しい 知 識 理 解 の 啓 発 アルコール 依 存 症 の 診 断 基 準 に 該 当 するとされた 者 の 推 計 数 と アルコール 依 存 症 で 医 療 機 関 を 受 診 していた 推 計 患 者 数 には 乖 離 がある その 背 景 にある 社 会 的 要 因 の 一 つとして アルコール 依 存 症 に 対 する 誤 解 や 偏 見 があることにより 本 人 や 家 族 が アルコール 依 存 症 であることを 認 めたがらないことが 考 えられる そのため 広 く 国 民 一 般 に 対 して ア ルコール 依 存 症 の 初 期 症 状 や 兆 候 についての 知 識 を 普 及 させる 必 要 がある また 近 年 臨 床 の 場 において 女 性 や 高 齢 者 のアルコール 依 存 症 者 が 増 加 しているとの 報 告 がなされている ( 取 り 組 むべき 施 策 ) 国 地 方 公 共 団 体 関 係 団 体 事 業 者 等 が 連 携 して アルコール 依 存 症 について 以 下 の 2 点 に 重 点 を 置 いた 啓 発 を 実 施 する (ⅰ)アルコール 依 存 症 は 飲 酒 をしていれば 誰 でもなる 可 能 性 があること 飲 酒 をコン トロールできなくなる 精 神 疾 患 であること 治 療 や 断 酒 に 向 けた 支 援 を 行 うことにより 十 分 回 復 しうること (ⅱ)アルコール 依 存 症 の 当 事 者 やその 家 族 がアルコール 依 存 症 の 問 題 に 気 付 くことができ るよう アルコール 依 存 症 の 初 期 症 状 等 の 情 報 啓 発 に 際 しては 多 量 の 飲 酒 など 不 適 切 な 飲 酒 習 慣 を 持 つ 者 が その 飲 酒 習 慣 を 改 める 機 会 となることも 視 野 に 入 れるとともに 自 助 グループ 等 と 連 携 し アルコール 依 存 症 の 回 復 者 が 体 験 談 の 講 演 等 を 行 う 社 会 啓 発 活 動 の 活 用 を 図 る (3) 第 1 期 基 本 計 画 における 目 標 飲 酒 に 伴 うリスクに 関 する 知 識 の 普 及 を 徹 底 することにより 1 生 活 習 慣 病 のリスクを 高 める 量 を 飲 酒 している 者 の 割 合 を 男 性 13.0% 女 性 7 6.4% まで 減 少 させる 2 未 成 年 者 の 飲 酒 をなくす 3 妊 娠 中 の 飲 酒 をなくす を 目 標 として 設 定 する -8-

2.アルコール 健 康 障 害 に 関 する 予 防 及 び 相 談 から 治 療 回 復 支 援 に 至 る 切 れ 目 のない 支 援 体 制 の 整 備 (1)アルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 アルコール 健 康 障 害 については これを 予 防 するための 早 期 介 入 の 取 組 が 重 要 であると 指 摘 されている ブリーフインターベンションは 危 険 な 飲 酒 や 有 害 な 飲 酒 への 有 効 性 が 国 際 的 に 示 されて いる 介 入 手 法 であるが 国 内 における 知 見 の 蓄 積 は 不 十 分 ( 取 り 組 むべき 施 策 ) アルコール 健 康 障 害 を 予 防 するための 早 期 介 入 の 手 法 ( 危 険 な 飲 酒 や 有 害 な 飲 酒 への 有 効 性 が 国 際 的 に 示 されている 介 入 手 法 であるブリーフインターベンションの 効 果 検 証 を 含 む )について 調 査 研 究 を 行 う 標 準 的 な 健 診 保 健 指 導 プログラム 改 訂 版 ( 平 成 25 年 4 月 )( ) においては アルコール 使 用 障 害 スクリーニングの 結 果 アルコール 依 存 症 が 疑 われる 者 には 専 門 医 療 機 関 への 受 診 につなげることが 推 奨 されており その 周 知 を 図 る 標 準 的 な 健 診 保 健 指 導 プログラム とは 高 齢 者 の 医 療 の 確 保 に 関 する 法 律 ( 昭 和 57 年 法 律 第 80 号 )に 基 づく 特 定 健 康 診 査 特 定 保 健 指 導 を 中 心 に 健 康 増 進 法 ( 平 成 14 年 法 律 第 103 号 )に 基 づく 生 活 習 慣 病 対 策 を 推 進 するための 効 果 的 な 健 診 保 健 指 導 を 実 施 するに 当 たり 健 診 保 健 指 導 に 関 わる 医 師 保 健 師 管 理 栄 養 士 等 や 事 務 担 当 者 を 含 めた 当 該 事 業 に 関 わる 者 が 理 解 しておくべき 基 本 的 な 考 え 方 や 実 施 する 際 の 留 意 点 等 を 示 したものである 平 成 25 年 度 からの 第 2 期 特 定 健 康 診 査 等 実 施 計 画 の 実 施 に 向 けて 改 訂 版 が 平 成 25 年 4 月 に 示 された アルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 の 取 組 として 地 域 モデルの 確 立 に 向 けた 調 査 研 究 や 人 材 育 成 を 行 う (2) 地 域 における 相 談 拠 点 の 明 確 化 現 在 アルコール 関 連 問 題 についての 相 談 業 務 は 精 神 保 健 福 祉 センター 保 健 所 自 助 グループ 等 で 行 われているが アルコール 健 康 障 害 を 有 する 者 やその 家 族 がどこに 相 談 に 行 けばよいか 分 からず 適 切 な 相 談 や 治 療 回 復 につながっていないと 指 摘 されており 地 域 における 必 要 な 相 談 体 制 を 確 保 する 必 要 がある ( 取 り 組 むべき 施 策 ) 都 道 府 県 等 において アルコール 関 連 問 題 の 相 談 支 援 を 行 うに 当 たっては 地 域 の 実 情 に 応 じて 精 神 保 健 福 祉 センターや 保 健 所 等 を 中 心 として アルコール 健 康 障 害 を 有 してい る 者 及 びその 家 族 が 分 かりやすく 気 軽 に 相 談 できる 相 談 拠 点 を 明 確 化 し 広 く 周 知 を 行 う (3)アルコール 健 康 障 害 を 有 している 者 とその 家 族 を 相 談 治 療 回 復 支 援 につなぐため の 連 携 体 制 の 推 進 相 談 窓 口 によっては 治 療 や 回 復 支 援 を 行 う 医 療 機 関 自 助 グループや 回 復 施 設 等 の 情 報 を 把 握 していないため 必 要 な 支 援 につながっていないと 指 摘 されており 関 係 機 関 の 情 報 共 有 が 求 められる 飲 酒 運 転 や 暴 力 等 の 問 題 の 背 景 に アルコール 依 存 症 が 疑 われる 場 合 関 係 機 関 を 通 じ 相 談 治 療 につなげることが 重 要 である アルコール 健 康 障 害 を 有 している 者 の 中 には 一 般 医 療 機 関 を 受 診 しても アルコールに 9-

関 する 適 切 な 指 導 や 治 療 を 受 けられず アルコール 健 康 障 害 の 症 状 の 再 発 を 繰 り 返 したり 飲 酒 運 転 や 暴 力 等 の 問 題 を 生 じさせているのではないかと 指 摘 されており 一 般 医 療 機 関 と 専 門 医 療 機 関 との 連 携 が 求 められる ( 取 り 組 むべき 施 策 ) 都 道 府 県 等 において 精 神 保 健 福 祉 センターや 保 健 所 等 を 中 心 として アルコール 関 連 問 題 の 相 談 支 援 を 行 うに 当 たっては 地 域 における 医 療 機 関 行 政 自 助 グル プ 等 の 関 係 機 関 の 役 割 を 整 理 し 地 域 の 実 情 に 応 じた 連 携 体 制 を 構 築 する 飲 酒 運 転 や 暴 力 等 の 場 面 で 当 事 者 にアルコール 依 存 症 等 が 疑 われる 場 合 には 地 域 の 実 情 又 は 必 要 に 応 じ 必 要 な 治 療 や 断 酒 に 向 けた 支 援 につながるよう 関 係 機 関 との 連 携 を 推 進 する 地 域 において 内 科 や 救 急 など アルコール 健 康 障 害 を 有 している 者 が 受 診 していること が 多 いと 考 えられる 一 般 医 療 機 関 と 専 門 医 療 機 関 との 連 携 を 促 進 する 地 域 における 連 携 の 推 進 に 資 するため 先 進 的 な 取 組 事 例 を 収 集 し 周 知 する (4)アルコール 依 存 症 の 治 療 等 の 拠 点 となる 専 門 医 療 機 関 の 整 備 我 が 国 においては アルコール 健 康 障 害 に 関 する 科 学 的 な 知 見 が 集 積 していないことから 研 究 治 療 及 び 人 材 育 成 の 中 心 となる 拠 点 機 関 が 必 要 である アルコール 依 存 症 の 診 療 が 可 能 な 医 療 機 関 は 全 国 的 に 不 足 している アルコール 依 存 症 の 効 果 的 な 医 療 的 介 入 手 法 等 について 医 療 関 係 者 の 理 解 を 深 める 必 要 がある ( 取 り 組 むべき 施 策 ) アルコール 健 康 障 害 の 医 療 に 関 する 研 究 治 療 及 び 人 材 育 成 の 更 なる 推 進 を 図 るため 全 国 的 な 中 心 となる 拠 点 医 療 機 関 を 定 める 地 域 におけるアルコール 依 存 症 の 治 療 等 の 拠 点 となる 専 門 医 療 機 関 の 整 備 を 促 進 する アルコール 依 存 症 が 疑 われる 者 を 適 切 な 治 療 に 結 びつけるため 医 療 関 係 者 の 技 術 の 向 上 に 取 り 組 む (5) 第 1 期 基 本 計 画 における 目 標 アルコール 健 康 障 害 に 関 する 予 防 及 び 相 談 から 治 療 回 復 支 援 に 至 る 切 れ 目 のない 支 援 体 制 の 整 備 のために 全 ての 都 道 府 県 において 1 地 域 における 相 談 拠 点 2アルコール 依 存 症 に 対 する 適 切 な 医 療 を 提 供 することができる 専 門 医 療 機 関 が それぞれ 1 箇 所 以 上 定 められることを 目 標 として 設 定 する -10-

Ⅳ 基 本 的 施 策 1. 教 育 の 振 興 等 ( 現 状 等 ) アルコール 健 康 障 害 の 発 生 を 防 止 するためには 国 民 一 人 一 人 がアルコール 関 連 問 題 に 関 する 関 心 と 理 解 を 深 め 自 らアルコール 健 康 障 害 の 予 防 に 必 要 な 注 意 を 払 うことができるよ う 正 しい 知 識 を 普 及 することが 必 要 である 飲 酒 に 伴 うリスクについては 教 育 や 啓 発 が 行 われてきたが 法 律 で 飲 酒 が 禁 止 されてい る 未 成 年 者 や 飲 酒 すべきではないとされる 妊 婦 の 飲 酒 は ゼロになっていない 飲 酒 習 慣 のある 者 の 割 合 を 性 別 で 見 ると 男 性 は 減 少 傾 向 にあるが 女 性 は 横 ばいの 状 況 が 続 いている また 年 代 別 に 見 ると 若 い 世 代 ほど 男 女 間 の 差 が 減 少 傾 向 にある アルコール 依 存 症 については 誤 解 や 偏 見 により 本 人 や 家 族 が アルコール 依 存 症 であ ることを 認 めたがらないといった 指 摘 がある ( 目 標 ) 飲 酒 に 伴 うリスクに 関 する 知 識 及 びアルコール 依 存 症 は 精 神 疾 患 であり 治 療 により 回 復 するという 認 識 を 普 及 することを 目 標 として 以 下 の 施 策 を 実 施 する (1) 学 校 教 育 等 の 推 進 1 小 学 校 から 高 等 学 校 における 教 育 学 校 教 育 において アルコールが 心 身 に 及 ぼす 影 響 などを 正 しく 認 識 させることによって 未 成 年 の 段 階 では 飲 酒 をしないという 判 断 力 と 態 度 を 育 てる 学 校 における 飲 酒 に 関 する 教 育 の 充 実 を 図 るため 教 職 員 等 を 対 象 とした 会 議 等 の 場 において アルコールの 心 身 に 及 ぼす 影 響 等 について 周 知 する 2 大 学 等 に 対 する 周 知 大 学 等 の 学 生 担 当 の 教 職 員 が 集 まる 会 議 等 の 場 において 飲 酒 に 伴 うリスクの 啓 発 や アルコールハラスメント 未 成 年 者 の 飲 酒 防 止 等 についての 各 大 学 等 の 取 組 を 促 すため 必 要 な 周 知 を 行 う 3 医 学 看 護 福 祉 介 護 司 法 等 の 専 門 教 育 大 学 における 医 学 教 育 においては 基 本 法 の 趣 旨 を 踏 まえ 医 学 教 育 モデル コア カリキュラムに 治 療 等 を 含 め 位 置 付 けられているアルコール 依 存 症 に 関 する 教 育 などに ついて 各 大 学 に 周 知 する その 他 の 関 連 分 野 についても 基 本 法 の 趣 旨 を 踏 まえ 周 知 する 4 自 動 車 教 習 所 における 周 知 飲 酒 開 始 年 齢 に 近 い 世 代 の 運 転 免 許 取 得 者 に 対 し 自 動 車 教 習 所 で 実 施 している 飲 酒 運 転 防 止 に 係 るカリキュラムの 確 実 な 履 行 を 徹 底 する (2) 家 庭 に 対 する 啓 発 の 推 進 家 庭 における 未 成 年 者 の 飲 酒 を 防 止 するために 家 庭 における 教 育 に 資 するよう 保 護 者 向 けの 啓 発 資 材 を 作 成 し 教 育 委 員 会 等 を 通 じて 周 知 を 図 り 未 成 年 の 飲 酒 に 伴 うリスクを 保 護 者 に 伝 える (3) 職 場 教 育 の 推 進 交 通 労 働 災 害 の 防 止 の 観 点 から 講 習 等 の 機 会 を 活 用 し 飲 酒 に 伴 うリスクのより 一 層 の 周 -11-

知 を 事 業 者 に 促 す 自 動 車 運 送 事 業 における 運 転 者 の 飲 酒 運 転 の 防 止 のため 講 習 セミナー 等 を 通 じ 運 行 管 理 者 運 転 者 に 対 してアルコールに 関 する 基 礎 知 識 や 飲 酒 運 転 の 禁 止 等 について 周 知 指 導 を 行 う また 点 呼 時 のアルコール 検 知 器 の 使 用 と 目 視 等 での 酒 気 帯 びの 有 無 の 確 認 について 更 なる 徹 底 を 図 る (4) 広 報 啓 発 の 推 進 1 飲 酒 に 伴 うリスクに 関 する 知 識 の 普 及 の 推 進 アルコール 関 連 問 題 啓 発 週 間 等 の 機 会 を 通 じ 飲 酒 すべきではない 者 特 有 の 影 響 に 留 意 すべき 者 など 飲 酒 に 伴 うリスクについて 対 象 に 応 じた 正 しい 知 識 を 普 及 し 不 適 切 な 飲 酒 の 防 止 を 図 る 飲 酒 に 伴 うリスクに 関 する 指 標 等 を 飲 酒 すべきではない 者 女 性 や 高 齢 者 などの 対 象 者 による 相 違 の 観 点 も 含 めて 整 理 し その 他 のアルコール 関 連 問 題 に 関 する 正 しい 知 識 も 集 約 した わかりやすい 啓 発 資 材 を 作 成 し 周 知 を 図 る 生 活 習 慣 病 や 睡 眠 に 及 ぼす 飲 酒 の 影 響 やその 他 のアルコール 関 連 問 題 に 関 する 情 報 を ホームページ 等 の 周 知 ツールを 用 いて 職 域 地 域 を 含 む 社 会 全 体 に 対 し 周 知 を 図 る 2アルコール 依 存 症 に 関 する 正 しい 知 識 理 解 の 啓 発 の 推 進 国 地 方 公 共 団 体 関 係 団 体 事 業 者 等 が 連 携 して アルコール 依 存 症 について 以 下 の 2 点 に 重 点 を 置 いた 啓 発 を 実 施 する (ⅰ)アルコール 依 存 症 は 飲 酒 をしていれば 誰 でもなる 可 能 性 があること 飲 酒 をコン トロールできなくなる 精 神 疾 患 であること 治 療 や 断 酒 に 向 けた 支 援 を 行 うことにより 十 分 回 復 しうること (ⅱ)アルコール 依 存 症 の 当 事 者 やその 家 族 がアルコール 依 存 症 の 問 題 に 気 付 くことができ るよう アルコール 依 存 症 の 初 期 症 状 等 の 情 報 啓 発 に 際 しては 多 量 の 飲 酒 など 不 適 切 な 飲 酒 習 慣 を 持 つ 者 が その 飲 酒 習 慣 を 改 める 機 会 となることも 視 野 にいれるとともに 自 助 グループ 等 と 連 携 し アルコール 依 存 症 の 回 復 者 が 体 験 談 の 講 演 等 を 行 う 社 会 啓 発 活 動 の 活 用 を 図 る 3 地 方 公 共 団 体 関 係 団 体 事 業 者 等 との 連 携 による 社 会 全 体 での 取 組 未 成 年 者 や 妊 産 婦 の 飲 酒 を 防 止 するため 地 方 公 共 団 体 関 係 団 体 事 業 者 等 と 連 携 し 社 会 全 体 で 飲 酒 が 未 成 年 者 や 胎 児 乳 児 へ 及 ぼす 影 響 に 関 する 正 しい 知 識 の 普 及 に 取 り 組 む アルコール 健 康 障 害 に 関 連 して 生 ずる 飲 酒 運 転 暴 力 虐 待 自 殺 等 の 防 止 に 資 するため 地 方 公 共 団 体 関 係 団 体 事 業 者 等 と 連 携 し 社 会 全 体 で 飲 酒 が 身 体 運 動 機 能 や 認 知 機 能 に 及 ぼす 影 響 や 飲 酒 の 結 果 理 性 の 働 きが 抑 えられること 等 の 正 しい 知 識 の 普 及 に 取 り 組 む 2. 不 適 切 な 飲 酒 の 誘 引 の 防 止 ( 現 状 等 ) アルコール 健 康 障 害 の 発 生 を 防 止 するためには 不 適 切 な 飲 酒 を 誘 引 しない 社 会 を 形 成 して いくことが 必 要 であり これまでも 未 成 年 者 への 酒 類 販 売 供 与 提 供 の 禁 止 の 周 知 や 違 反 者 に 対 する 指 導 取 締 りを 行 ってきた また 酒 類 業 界 において 商 品 の 広 告 や 表 示 に 関 する 自 主 基 準 を 策 定 するなどの 取 組 を 進 めている -12-

酒 類 関 係 事 業 者 には 基 本 法 を 踏 まえ アルコール 健 康 障 害 の 発 生 進 行 及 び 再 発 の 防 止 に 資 するための 自 主 基 準 の 改 定 等 の 取 組 を 講 じることが 望 まれる ( 目 標 ) 国 地 方 公 共 団 体 及 び 酒 類 関 係 事 業 者 が 連 携 し 社 会 全 体 で 不 適 切 な 飲 酒 の 誘 引 を 防 止 することを 目 標 として 以 下 の 施 策 を 実 施 する (1) 広 告 酒 類 業 界 は 未 成 年 者 や 妊 産 婦 などの 飲 酒 すべきではない 者 の 飲 酒 の 誘 引 防 止 及 びアル コール 依 存 症 の 当 事 者 への 配 慮 の 観 点 から 不 適 切 な 飲 酒 を 誘 引 することのないよう 広 告 宣 伝 に 関 する 自 主 基 準 を 改 正 し テレビ 広 告 における 起 用 人 物 の 年 齢 の 引 上 げ 及 び 飲 酒 の 際 の 効 果 音 描 写 方 法 の 見 直 しを 行 う (2) 表 示 酒 類 業 界 は 未 成 年 者 の 飲 酒 防 止 の 観 点 から 酒 類 と 清 涼 飲 料 との 誤 認 による 不 適 切 な 飲 酒 を 誘 引 することのないよう 低 アルコール 飲 料 の 酒 類 の 容 器 に 表 示 している 酒 マーク の 認 知 向 上 策 等 について 検 討 する (3) 販 売 酒 類 業 者 に 対 し 未 成 年 者 への 販 売 の 禁 止 の 周 知 を 徹 底 するとともに 酒 類 の 特 殊 性 とリ スクについての 知 識 の 習 得 を 含 め 適 正 な 販 売 管 理 の 確 保 が 図 られるよう 酒 類 販 売 管 理 研 修 の 定 期 的 な 受 講 を 強 く 促 す なお 酒 類 業 者 には 致 酔 性 依 存 性 等 の 酒 類 の 特 殊 性 を 踏 まえた 販 売 価 格 を 設 定 するこ とが 望 まれる 酒 類 を 販 売 又 は 供 与 する 営 業 者 による 未 成 年 者 への 酒 類 販 売 供 与 について 指 導 取 締 りの 強 化 を 図 る (4) 提 供 風 俗 営 業 管 理 者 等 に 対 し 管 理 者 講 習 等 を 通 じて 未 成 年 者 への 酒 類 提 供 の 禁 止 の 周 知 を 徹 底 する 風 俗 営 業 を 営 む 者 等 による 営 業 所 での 未 成 年 者 への 酒 類 提 供 について 指 導 取 締 りの 強 化 を 図 る (5) 少 年 補 導 の 強 化 酒 類 を 飲 用 等 した 少 年 の 補 導 の 強 化 を 図 る 3. 健 康 診 断 及 び 保 健 指 導 ( 現 状 等 ) アルコール 健 康 障 害 を 予 防 するための 早 期 介 入 の 取 組 が 重 要 であると 指 摘 されている また ブリーフインターベンションは 危 険 な 飲 酒 や 有 害 な 飲 酒 への 有 効 性 が 国 際 的 に 示 されている 介 入 手 法 であるが 国 内 における 知 見 の 蓄 積 は 不 十 分 とされている ( 目 標 ) 地 域 及 び 職 域 におけるアルコール 健 康 障 害 予 防 のための 体 制 の 整 備 を 目 標 として 以 下 の 施 策 を 実 施 する (1)アルコール 健 康 障 害 に 関 する 調 査 研 究 飲 酒 がアルコール 健 康 障 害 に 及 ぼす 影 響 の 分 析 研 究 を 行 う アルコール 健 康 障 害 を 予 防 するための 早 期 介 入 の 手 法 ( 危 険 な 飲 酒 や 有 害 な 飲 酒 への 有 効 性 が 国 際 的 に 示 されている 介 入 手 法 であるブリーフインターベンションの 効 果 検 証 を 含 -13-

む )について また 保 健 指 導 におけるアルコール 使 用 障 害 スクリーニングとその 評 価 結 果 に 基 づくブリーフインターベンションがどの 程 度 行 われているのか 調 査 研 究 を 行 う (2) 地 域 におけるアルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 の 推 進 標 準 的 な 健 診 保 健 指 導 プログラム 改 訂 版 ( 平 成 25 年 4 月 ) においては アルコ ール 使 用 障 害 スクリーニングの 結 果 アルコール 依 存 症 が 疑 われる 者 には 専 門 医 療 機 関 へ の 受 診 につなげることが 推 奨 されているため その 周 知 を 図 る アルコール 依 存 症 が 疑 われる 者 に 対 しては 精 神 保 健 福 祉 センターや 保 健 所 から 適 切 な 医 療 機 関 を 紹 介 するほか 必 要 に 応 じて 自 助 グループ 等 を 紹 介 するなど 断 酒 に 向 けた 支 援 を 行 う 地 方 公 共 団 体 等 において アルコール 健 康 障 害 対 策 担 当 者 へ アルコール 健 康 障 害 の 基 礎 知 識 や 最 新 の 動 向 等 健 康 の 保 持 増 進 のために 必 要 な 保 健 事 業 を 行 うための 講 習 会 を 実 施 する アルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 の 取 組 として 地 域 モデルの 確 立 に 向 けた 調 査 研 究 や 人 材 育 成 を 行 う (3) 職 域 における 対 応 の 促 進 医 療 機 関 と 産 業 保 健 スタッフの 連 携 強 化 を 図 る アルコール 健 康 問 題 に 関 する 産 業 保 健 スタッフへの 研 修 の 充 実 を 図 る 4.アルコール 健 康 障 害 に 係 る 医 療 の 充 実 等 ( 現 状 等 ) アルコール 依 存 症 の 診 療 が 可 能 な 医 療 機 関 としては 一 部 に 専 門 医 療 機 関 はあるものの 全 国 的 に 見 れば 不 足 している 状 況 にある 相 談 治 療 に 当 たる 医 療 機 関 を 整 備 し 関 係 機 関 との 連 携 を 行 うためにも まずは アルコール 依 存 症 の 治 療 が 可 能 な 人 材 を 育 成 し 専 門 医 療 機 関 に 求 められる 機 能 を 明 確 化 した 上 で 地 域 における 依 存 症 治 療 の 拠 点 となる 専 門 医 療 機 関 を 整 備 していくとともに 必 要 な 医 療 を 受 けられるための 連 携 体 制 を 整 備 することが 重 要 である こうした アルコール 依 存 症 の 診 療 を 行 っている 医 療 機 関 が 少 ないという 状 況 の 一 因 に アルコール 依 存 症 に 対 する 医 療 関 係 者 の 理 解 が 十 分 ではないということが 考 えられる そのため 医 療 を 提 供 する 側 に 向 けてアルコール 依 存 症 についての 十 分 な 知 識 を 伝 える 取 組 が 必 要 である さらに 医 療 の 質 の 向 上 のため アルコール 健 康 障 害 の 医 療 に 関 する 研 究 も 必 要 である ( 目 標 ) アルコール 依 存 症 の 当 事 者 が その 居 住 する 地 域 に 関 わらず 質 の 高 い 医 療 を 受 けられる よう 専 門 医 療 機 関 の 機 能 を 明 確 化 し 地 域 において 必 要 な 専 門 医 療 機 関 の 整 備 医 療 連 携 が 推 進 できる 基 盤 の 構 築 を 目 標 として 以 下 の 施 策 を 実 施 する (1)アルコール 健 康 障 害 に 係 る 医 療 の 質 の 向 上 早 期 発 見 早 期 介 入 のための 専 門 的 な 医 療 従 事 者 向 け 研 修 プログラムを 開 発 し 人 材 育 成 に 努 める アルコール 依 存 症 が 疑 われる 者 を 適 切 な 治 療 に 結 び 付 けるため 早 期 介 入 の 手 法 を 含 む アルコール 依 存 症 等 の 研 修 を 内 科 救 急 等 の 一 般 医 療 専 門 医 療 の 医 療 従 事 者 に 対 して -14-

行 うなど 医 療 関 係 者 の 技 術 の 向 上 に 取 り 組 む アルコール 健 康 障 害 の 医 療 に 関 する 研 究 を 推 進 するとともに 治 療 やリハビリテーション に 関 わる 医 療 従 事 者 の 人 材 育 成 を 図 る 臨 床 研 修 において 経 験 が 求 められる 疾 患 病 態 の 中 にアルコール 依 存 症 が 含 まれており 当 該 研 修 を 推 進 していく 中 でアルコール 依 存 症 への 診 療 能 力 を 持 った 医 師 の 育 成 を 図 る 地 域 におけるアルコール 依 存 症 の 治 療 等 の 拠 点 となる 専 門 医 療 機 関 を 整 備 する アルコール 健 康 障 害 の 医 療 に 関 する 研 究 治 療 及 び 人 材 育 成 の 全 国 的 な 中 心 となる 拠 点 医 療 機 関 を 定 める (2) 医 療 連 携 の 推 進 ( 内 科 救 急 等 の 一 般 医 療 と 専 門 医 療 の 連 携 ) 依 存 症 治 療 拠 点 機 関 設 置 運 営 事 業 における 依 存 症 治 療 拠 点 機 関 を 中 心 に 一 般 医 療 との 連 携 モデル 創 設 に 取 り 組 む 連 携 モデルを 踏 まえ 依 存 症 の 専 門 医 療 機 関 の 実 態 把 握 及 び 求 められる 機 能 についての 調 査 研 究 を 行 い 集 積 した 知 見 を 基 に 地 域 において 必 要 な 専 門 医 療 機 関 を 充 実 させる 地 域 において 専 門 医 療 機 関 を 中 心 として アルコール 健 康 障 害 を 有 している 者 が 受 診 し ていることが 多 いと 考 えられる 一 般 医 療 機 関 やアルコール 依 存 症 の 治 療 を 実 施 しいてい ない 精 神 科 医 療 機 関 民 間 団 体 等 の 関 係 機 関 との 連 携 を 強 化 する 5.アルコール 健 康 障 害 に 関 連 して 飲 酒 運 転 等 をした 者 に 対 する 指 導 等 ( 現 状 等 ) 飲 酒 運 転 を 繰 り 返 す 者 には その 背 景 にアルコール 依 存 症 の 問 題 がある 可 能 性 が また ア ルコール 依 存 症 が 自 殺 の 危 険 因 子 の 一 つであることが 指 摘 されている さらに 飲 酒 の 結 果 理 性 の 働 きが 抑 えられること 等 による 暴 力 との 関 係 身 体 運 動 機 能 や 認 知 機 能 が 低 下 すること による 様 々な 事 故 との 関 連 も 指 摘 されている このため アルコール 健 康 障 害 に 関 連 して 飲 酒 運 転 暴 力 行 為 虐 待 自 殺 未 遂 等 をした 者 に 対 し 必 要 に 応 じて 適 切 な 支 援 をしていくことが 求 められている ( 目 標 ) 飲 酒 運 転 等 をした 者 やその 家 族 について 精 神 保 健 福 祉 センターや 保 健 所 等 を 中 心 とした 地 域 の 関 係 機 関 の 連 携 により 適 切 な 支 援 につなぐ 体 制 を 構 築 することを 目 標 として 以 下 の 施 策 を 実 施 する (1) 飲 酒 運 転 をした 者 に 対 する 指 導 等 飲 酒 運 転 をした 者 について アルコール 依 存 症 等 が 疑 われる 場 合 には 地 域 の 実 情 又 は 必 要 に 応 じ 精 神 保 健 福 祉 センター 保 健 所 等 を 中 心 として 地 域 の 関 係 機 関 が 連 携 し 当 該 飲 酒 運 転 をした 者 を アルコール 関 連 問 題 の 相 談 や 自 助 グループ 等 の 行 う 節 酒 断 酒 に 向 けた 支 援 専 門 医 療 機 関 等 における 治 療 につなぐための 取 組 を 推 進 する 飲 酒 運 転 をした 者 の 家 族 については その 求 めに 応 じ 同 様 の 取 組 を 推 進 する 飲 酒 運 転 をした 者 に 対 する 取 消 処 分 者 講 習 において 地 域 の 相 談 治 療 機 関 リストの 提 供 や 自 助 グループの 活 用 等 により アルコール 依 存 症 のおそれのある 者 が 相 談 や 治 療 を 受 けにいくきっかけとなるよう 更 なる 取 組 を 行 う 飲 酒 運 転 事 犯 者 に 対 しては 刑 務 所 や 保 護 観 察 所 における 指 導 等 を 行 う 際 に 社 会 内 での 相 談 機 関 の 紹 介 や 自 助 グループ 等 の 支 援 活 動 医 療 機 関 等 の 専 門 治 療 につなげる 取 組 を 推 進 する -15-

飲 酒 運 転 事 犯 者 に 対 するアルコール 依 存 回 復 プログラム 等 の 効 果 検 証 を 行 う 飲 酒 運 転 をした 者 について 年 齢 層 や 要 因 背 景 等 の 分 析 を 行 う 地 域 における 連 携 の 推 進 に 資 するため 先 進 的 な 取 組 事 例 を 収 集 し 周 知 する (2) 暴 力 虐 待 自 殺 未 遂 等 をした 者 に 対 する 指 導 等 暴 力 虐 待 酩 酊 による 事 故 又 は 自 殺 未 遂 等 の 問 題 を 起 こした 者 について アルコール 依 存 症 等 が 疑 われる 場 合 には 地 域 の 実 情 又 は 必 要 に 応 じ 精 神 保 健 福 祉 センター 保 健 所 等 を 中 心 として 地 域 の 関 係 機 関 が 連 携 し 当 該 暴 力 虐 待 等 の 問 題 を 起 こした 者 又 はその 家 族 を アルコール 関 連 問 題 の 相 談 や 自 助 グループ 等 の 行 う 節 酒 断 酒 に 向 けた 支 援 専 門 医 療 機 関 等 における 治 療 につなぐための 取 組 を 推 進 する アルコール 依 存 症 が 自 殺 の 危 険 因 子 の 一 つであることに 鑑 み 自 殺 総 合 対 策 大 綱 ( 平 成 24 年 8 月 28 日 閣 議 決 定 )に 基 づき その 背 景 にある 社 会 的 経 済 的 要 因 の 視 点 も 踏 まえつつ アルコール 問 題 に 関 する 関 係 機 関 等 とも 連 携 し 啓 発 相 談 窓 口 の 整 備 人 材 養 成 自 殺 未 遂 者 の 再 度 の 自 殺 企 図 の 防 止 等 の 自 殺 対 策 を 推 進 する 地 域 における 連 携 の 推 進 に 資 するため 先 進 的 な 取 組 事 例 を 収 集 し 周 知 する 6. 相 談 支 援 等 ( 現 状 等 ) アルコール 関 連 問 題 に 関 する 相 談 業 務 は 精 神 保 健 福 祉 センターや 保 健 所 等 で 行 われている が 地 域 においてどこに 相 談 に 行 けば 良 いか 分 からなかったり 相 談 窓 口 によっては 治 療 や 回 復 支 援 を 行 う 医 療 機 関 自 助 グループ 回 復 施 設 等 の 情 報 を 把 握 していなかったこと 等 により 必 要 な 支 援 につながらなかったケースも 指 摘 されている このため 地 域 において 相 談 から 治 療 回 復 に 至 るまで 切 れ 目 なく 支 援 を 受 けられる 体 制 を 構 築 することが 求 められている ( 目 標 ) 相 談 から 治 療 回 復 支 援 に 関 係 する 機 関 の 情 報 共 有 と 連 携 の 促 進 を 図 ることにより 地 域 に おいて アルコール 健 康 障 害 を 有 している 者 とその 家 族 が 適 切 な 支 援 を 受 けられる 体 制 を 構 築 することを 目 標 として 以 下 の 施 策 を 実 施 する 地 域 における 相 談 支 援 体 制 都 道 府 県 等 において アルコール 関 連 問 題 の 相 談 支 援 を 行 うに 当 たっては 地 域 の 実 情 に 応 じ 精 神 保 健 福 祉 センターや 保 健 所 等 を 中 心 として アルコール 健 康 障 害 を 有 している 者 及 びその 家 族 が 分 かりやすく 気 軽 に 相 談 できる 相 談 の 拠 点 を 明 確 化 し 地 域 で 相 談 でき る 窓 口 についても 広 く 周 知 を 行 う その 上 で 地 域 における 医 療 機 関 行 政 自 助 グルー プ 等 の 関 係 機 関 の 役 割 を 整 理 し 各 機 関 が 相 互 に 情 報 共 有 や 協 力 体 制 を 築 くことで 適 切 な 相 談 や 治 療 回 復 支 援 にまでつなげる 連 携 体 制 を 構 築 する 精 神 保 健 福 祉 センターにおいて 保 健 所 及 び 関 係 機 関 に 対 し 従 事 者 の 研 修 実 地 指 導 を 行 うことにより 相 談 支 援 を 行 う 者 の 人 材 育 成 を 図 る -16-

7. 社 会 復 帰 の 支 援 ( 現 状 等 ) アルコール 依 存 症 の 当 事 者 の 就 労 復 職 に 際 しては 通 院 や 自 助 グループへの 参 加 等 におい て 職 場 における 周 囲 の 理 解 と 支 援 が 必 要 とされるが 職 場 を 含 む 社 会 全 体 において アルコ ール 依 存 症 に 関 する 理 解 が 不 足 しているため 各 種 の 支 援 制 度 の 利 用 につながりにくいことが 考 えられる ( 目 標 ) アルコール 依 存 症 が 回 復 する 病 気 であること 等 のアルコール 依 存 症 者 に 対 する 理 解 を 進 め 就 労 や 復 職 における 必 要 な 支 援 を 行 うこととともに 地 域 における 自 助 グループや 回 復 施 設 と 情 報 共 有 や 必 要 な 連 携 を 行 うことで 円 滑 な 社 会 復 帰 を 促 進 することを 目 標 として 以 下 の 施 策 を 実 施 する (1) 就 労 及 び 復 職 の 支 援 アルコール 依 存 症 の 当 事 者 の 回 復 社 会 復 帰 の 支 援 が 円 滑 に 進 むよう アルコール 依 存 症 が 回 復 する 病 気 であること 等 を 社 会 全 体 に 啓 発 し アルコール 依 存 症 に 対 する 理 解 を 促 す アルコール 依 存 症 の 当 事 者 の 休 職 からの 復 職 継 続 就 労 について 偏 見 なく 行 われるよう 他 の 疾 患 同 様 に 職 場 における 理 解 や 支 援 を 促 す (2)アルコール 依 存 症 からの 回 復 支 援 精 神 保 健 福 祉 センター 保 健 所 市 町 村 においてアルコール 依 存 症 等 の 治 療 回 復 支 援 に 資 する 社 会 資 源 の 情 報 を 共 有 し 相 談 者 が 適 切 な 支 援 につながるよう 自 助 グループ 及 び 回 復 施 設 を 活 用 する また アルコール 依 存 症 者 の 回 復 支 援 に 当 たっては 女 性 や 高 齢 者 の 問 題 に 配 慮 した 対 応 が 必 要 であることを 周 知 する 8. 民 間 団 体 の 活 動 に 対 する 支 援 ( 現 状 等 ) アルコール 依 存 症 の 回 復 においては 自 助 グループが 重 要 な 役 割 を 果 たしているが 行 政 機 関 や 専 門 医 療 機 関 との 連 携 や 交 流 が 近 年 減 少 しているとの 指 摘 がある また 啓 発 や 相 談 等 の 分 野 で 自 発 的 に 活 動 を 行 っている 各 種 の 民 間 団 体 もあり こうした 自 助 グループや 民 間 団 体 と 連 携 し その 機 能 を 活 用 するとともに 必 要 な 支 援 を 行 っていくことも 求 められる ( 目 標 ) 国 地 方 公 共 団 体 において 自 助 グループや 民 間 団 体 との 連 携 を 推 進 することを 目 標 として 以 下 の 施 策 を 実 施 する 精 神 保 健 福 祉 センター 保 健 所 市 町 村 において 自 助 グループの 活 動 に 対 する 必 要 な 支 援 を 推 進 する 精 神 保 健 福 祉 センター 保 健 所 等 の 行 政 機 関 が 自 助 グループを 地 域 の 社 会 資 源 として 活 用 し 関 係 機 関 の 連 携 の 中 で それぞれの 団 体 の 機 能 に 応 じた 役 割 を 果 たす 機 会 や 場 所 を 提 供 していく 自 助 グループを 利 用 した 回 復 者 の 体 験 談 や 回 復 事 例 を 紹 介 すること 等 により 回 復 支 援 に おける 自 助 グループの 役 割 等 を 啓 発 する アルコール 関 連 問 題 に 関 する 啓 発 等 を 推 進 するに 当 たって より 効 果 的 な 取 組 を 推 進 するた め 民 間 団 体 との 連 携 を 進 める -17-

9. 人 材 の 確 保 等 1. 教 育 の 振 興 等 (1) 学 校 教 育 等 の 推 進 1 小 学 校 から 高 等 学 校 における 教 育 学 校 における 飲 酒 に 関 する 教 育 の 充 実 を 図 るため 教 職 員 等 を 対 象 とした 会 議 等 の 場 にお いて アルコールの 心 身 に 及 ぼす 影 響 等 について 周 知 する 3 医 学 看 護 福 祉 介 護 司 法 等 の 専 門 教 育 大 学 における 医 学 教 育 においては 基 本 法 の 趣 旨 を 踏 まえ 医 学 教 育 モデル コア カリキュラムに 治 療 等 を 含 め 位 置 付 けられているアルコール 依 存 症 に 関 する 教 育 などに ついて 各 大 学 に 周 知 する その 他 の 関 連 分 野 についても 基 本 法 の 趣 旨 を 踏 まえ 周 知 する 2. 不 適 切 な 飲 酒 の 誘 引 の 防 止 (3) 販 売 酒 類 業 者 に 対 し 未 成 年 者 への 販 売 の 禁 止 の 周 知 を 徹 底 するとともに 酒 類 の 特 殊 性 と リスクについての 知 識 の 習 得 を 含 め 適 正 な 販 売 管 理 の 確 保 が 図 られるよう 酒 類 販 売 管 理 研 修 の 定 期 的 な 受 講 を 強 く 促 す なお 酒 類 業 者 には 致 酔 性 依 存 性 等 の 酒 類 の 特 殊 性 を 踏 まえた 販 売 価 格 を 設 定 することが 望 まれる (4) 提 供 風 俗 営 業 管 理 者 等 に 対 し 管 理 者 講 習 等 を 通 じて 未 成 年 者 への 酒 類 提 供 の 禁 止 の 周 知 を 徹 底 する 3. 健 康 診 断 及 び 保 健 指 導 (2) 地 域 におけるアルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 の 推 進 地 方 公 共 団 体 等 において アルコール 健 康 障 害 対 策 担 当 者 へ アルコール 健 康 障 害 の 基 礎 知 識 や 最 新 の 動 向 等 健 康 の 保 持 増 進 のために 必 要 な 保 健 事 業 を 行 うための 講 習 会 を 実 施 する アルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 の 取 組 として 地 域 モデルの 確 立 に 向 けた 調 査 研 究 や 人 材 育 成 を 行 う (3) 職 域 における 対 応 の 促 進 アルコール 健 康 問 題 に 関 する 産 業 保 健 スタッフへの 研 修 の 充 実 を 図 る 4.アルコール 健 康 障 害 に 係 る 医 療 の 充 実 等 (1)アルコール 健 康 障 害 に 係 る 医 療 の 質 の 向 上 早 期 発 見 早 期 介 入 のための 専 門 的 な 医 療 従 事 者 向 け 研 修 プログラムを 開 発 し 人 材 育 成 に 努 める アルコール 依 存 症 が 疑 われる 者 を 適 切 な 治 療 に 結 び 付 けるため 早 期 介 入 の 手 法 を 含 むア ルコール 依 存 症 等 の 研 修 を 内 科 救 急 等 の 一 般 医 療 専 門 医 療 の 医 療 従 事 者 に 対 して 行 うなど 医 療 関 係 者 の 技 術 の 向 上 に 取 り 組 む アルコール 健 康 障 害 の 医 療 に 関 する 研 究 を 推 進 するとともに 治 療 やリハビリテーション に 関 わる 医 療 従 事 者 の 人 材 育 成 を 図 る 臨 床 研 修 において 経 験 が 求 められる 疾 患 病 態 の 中 にアルコール 依 存 症 が 含 まれており 当 該 研 修 を 推 進 していく 中 でアルコール 依 存 症 への 診 療 能 力 を 持 った 医 師 の 育 成 を 図 る アルコール 健 康 障 害 の 医 療 に 関 する 研 究 治 療 及 び 人 材 育 成 の 全 国 的 な 中 心 となる 拠 点 医 療 機 関 を 定 める -18-

6. 相 談 支 援 等 地 域 における 相 談 支 援 体 制 精 神 保 健 福 祉 センターにおいて 保 健 所 及 び 関 係 機 関 に 対 し 従 事 者 の 研 修 実 地 指 導 を 行 うことにより 相 談 支 援 を 行 う 者 の 人 材 育 成 を 図 る 7. 社 会 復 帰 の 支 援 (2)アルコール 依 存 症 からの 回 復 支 援 精 神 保 健 福 祉 センター 保 健 所 市 町 村 においてアルコール 依 存 症 等 の 治 療 回 復 支 援 に 資 する 社 会 資 源 の 情 報 を 共 有 し 相 談 者 が 適 切 な 支 援 につながるよう 自 助 グループ 及 び 回 復 施 設 を 活 用 する また アルコール 依 存 症 者 の 回 復 支 援 に 当 たっては 女 性 や 高 齢 者 の 問 題 に 配 慮 した 対 応 が 必 要 であることを 周 知 する 10. 調 査 研 究 の 推 進 等 3. 健 康 診 断 及 び 保 健 指 導 (1)アルコール 健 康 障 害 に 関 する 調 査 研 究 飲 酒 がアルコール 健 康 障 害 に 及 ぼす 影 響 の 分 析 研 究 を 行 う アルコール 健 康 障 害 を 予 防 するための 早 期 介 入 の 手 法 ( 危 険 な 飲 酒 や 有 害 な 飲 酒 への 有 効 性 が 国 際 的 に 示 されている 介 入 手 法 であるブリーフインターベンションの 効 果 検 証 を 含 む )について また 保 健 指 導 におけるアルコール 使 用 障 害 スクリーニングとその 評 価 結 果 に 基 づくブリーフインターベンションがどの 程 度 行 われているのか 調 査 研 究 を 行 う (2) 地 域 におけるアルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 の 推 進 アルコール 健 康 障 害 への 早 期 介 入 の 取 組 として 地 域 モデルの 確 立 に 向 けた 調 査 研 究 や 人 材 育 成 を 行 う 4.アルコール 健 康 障 害 に 係 る 医 療 の 充 実 等 (1)アルコール 健 康 障 害 に 係 る 医 療 の 質 の 向 上 早 期 発 見 早 期 介 入 のための 専 門 的 な 医 療 従 事 者 向 け 研 修 プログラムを 開 発 し 人 材 育 成 に 努 める アルコール 健 康 障 害 の 医 療 に 関 する 研 究 を 推 進 するとともに 治 療 やリハビリに 関 わる 医 療 従 事 者 の 人 材 育 成 を 図 る アルコール 健 康 障 害 の 医 療 に 関 する 研 究 治 療 及 び 人 材 育 成 の 全 国 的 な 中 心 となる 拠 点 医 療 機 関 を 定 める (2) 医 療 連 携 の 推 進 ( 内 科 救 急 等 の 一 般 医 療 と 専 門 医 療 の 連 携 ) 連 携 モデルを 踏 まえ 依 存 症 の 専 門 医 療 機 関 の 実 態 把 握 及 び 求 められる 機 能 についての 調 査 研 究 を 行 い 集 積 した 知 見 を 基 に 地 域 において 必 要 な 専 門 医 療 機 関 を 充 実 させる 5.アルコール 健 康 障 害 に 関 連 して 飲 酒 運 転 等 をした 者 に 対 する 指 導 等 (1) 飲 酒 運 転 をした 者 に 対 する 指 導 等 飲 酒 運 転 事 犯 者 に 対 するアルコール 依 存 回 復 プログラム 等 の 効 果 検 証 を 行 う 飲 酒 運 転 をした 者 について 年 齢 層 や 要 因 背 景 等 の 分 析 を 行 う -19-

Ⅴ 推 進 体 制 等 1. 関 連 施 策 との 有 機 的 な 連 携 について アルコール 健 康 障 害 対 策 の 推 進 に 当 たっては アルコール 関 連 問 題 に 関 する 施 策 との 有 機 的 な 連 携 が 図 られるよう 関 係 省 庁 がアルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 会 議 等 の 場 を 通 じ 相 互 に 必 要 な 連 絡 調 整 を 行 うとともに 事 業 者 関 係 団 体 等 とも 連 携 を 図 り アルコー ル 健 康 障 害 対 策 を 推 進 するものとする 2. 都 道 府 県 における 都 道 府 県 アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 計 画 の 策 定 等 に ついて 基 本 法 第 14 条 において 都 道 府 県 は 都 道 府 県 アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 計 画 ( 以 下 都 道 府 県 計 画 という )を 策 定 するよう 努 めなければならないとされている 第 1 期 基 本 計 画 は 政 府 としての 基 本 的 な 取 り 組 みを 定 める 計 画 であるが 地 域 における アルコール 健 康 障 害 対 策 の 着 実 な 推 進 を 図 るには 都 道 府 県 や 政 令 指 定 都 市 を 中 心 とし た 地 域 としての 一 体 的 なアルコール 健 康 障 害 対 策 への 取 組 が 必 要 である このため 第 1 期 基 本 計 画 の 期 間 中 に 全 都 道 府 県 において 都 道 府 県 計 画 が 策 定 されることを 目 標 とし その 策 定 を 促 す 都 道 府 県 においては 国 の 基 本 計 画 を 基 本 としつつ 当 該 都 道 府 県 における 実 情 を 勘 案 するとともに 都 道 府 県 健 康 増 進 計 画 等 その 他 の 関 連 する 計 画 との 調 和 を 保 った 上 で 都 道 府 県 計 画 を 策 定 する 必 要 がある 第 1 期 基 本 計 画 の 策 定 に 際 しては アルコール 関 連 問 題 に 関 して 専 門 的 知 識 を 有 する 者 並 びにアルコール 健 康 障 害 を 有 し 又 は 有 していた 者 及 びその 家 族 を 代 表 する 者 等 で 構 成 するアルコール 健 康 障 害 対 策 関 係 者 会 議 の 意 見 を 聴 いて 第 1 期 基 本 計 画 の 案 を 作 成 した ところである 都 道 府 県 計 画 の 策 定 に 際 しても 地 域 の アルコール 関 連 問 題 に 関 して 専 門 的 知 識 を 有 す る 者 並 びにアルコール 健 康 障 害 を 有 し 又 は 有 していた 者 及 びその 家 族 を 代 表 する 者 等 か ら 会 議 を 開 催 すること 等 により 意 見 を 聴 いて 当 該 地 域 における 課 題 を 把 握 し その 解 決 に 向 けた 目 標 を 設 定 し 施 策 を 明 示 することが 重 要 である また 都 道 府 県 や 政 令 指 定 都 市 において アルコール 健 康 障 害 対 策 を 推 進 していくに 当 た っては 地 域 の 行 政 事 業 者 医 療 関 係 者 自 助 グループ 等 様 々な 関 係 者 による 意 見 交 換 や 連 絡 調 整 等 の 協 議 を 行 う 会 議 等 を 通 じ 関 係 者 間 で 協 議 を 行 いながら 対 策 を 継 続 し ていくことが 重 要 である その 際 地 域 の 実 情 に 応 じ 関 連 する 施 策 で 既 に 設 けられている 場 を 活 用 し 又 はそれ と 連 携 を 図 るなど 効 果 的 効 率 的 な 運 用 を 検 討 することが 重 要 である 3. 第 1 期 基 本 計 画 の 見 直 しについて 基 本 法 第 12 条 第 6 項 では 政 府 は アルコール 健 康 障 害 に 関 する 状 況 の 変 化 を 勘 案 し 及 びアルコール 健 康 障 害 対 策 の 効 果 に 関 する 評 価 を 踏 まえ 少 なくとも5 年 ごとに アル コール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 に 検 討 を 加 え 必 要 があると 認 めるときには これを 変 更 しなければならない と 定 められている 第 1 期 基 本 計 画 の 変 更 に 際 しては 基 本 的 施 策 の 目 標 及 び 重 点 課 題 の 目 標 の 達 成 状 況 につ いて 調 査 を 行 い 第 1 期 基 本 計 画 の 進 捗 状 況 を 把 握 し アルコール 健 康 障 害 対 策 の 効 果 の -20-

評 価 を 行 う この 評 価 を 踏 まえ 第 1 期 基 本 計 画 について 検 討 を 行 った 上 で 必 要 がある と 認 めるときには アルコール 健 康 障 害 対 策 関 係 者 会 議 の 意 見 を 聴 いて 第 1 期 基 本 計 画 を 変 更 する 5 年 間 の 計 画 対 象 期 間 が 終 了 する 前 であっても 必 要 があれば 第 1 期 基 本 計 画 に 変 更 を 加 える 4. 厚 生 労 働 省 への 円 滑 な 事 務 移 管 について 第 1 期 基 本 計 画 の 計 画 対 象 期 間 は Ⅰの(2)に 記 載 した 通 り 平 成 32(2020) 年 度 まで の 概 ね5 年 間 を 計 画 対 象 期 間 としているが 第 1 期 基 本 計 画 の 策 定 後 3 年 以 内 に アルコー ル 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 変 更 及 び 推 進 に 関 する 事 務 並 びにアルコール 健 康 障 害 対 策 関 係 者 会 議 が 厚 生 労 働 省 に 移 管 されることが 基 本 法 に 規 定 されている 円 滑 に 事 務 の 移 管 を 進 め アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 推 進 に 支 障 を 来 すこと の 無 いよう 内 閣 府 及 び 厚 生 労 働 省 において 緊 密 に 連 携 を 図 り 第 1 期 基 本 計 画 の 評 価 及 び 変 更 に 向 けたスケジュールも 考 慮 した 上 で 事 務 移 管 に 向 けた 所 要 24 の 準 備 を 進 める 厚 生 労 働 省 においては 関 係 省 庁 及 び 厚 生 労 働 省 内 の 連 携 を 図 り アルコール 健 康 障 害 対 策 の 一 元 的 な 推 進 を 図 るために 必 要 な 体 制 を 検 討 し 準 備 を 進 める 5. 第 2 期 アルコール 健 康 障 害 対 策 推 進 基 本 計 画 の 数 値 目 標 に 向 けた 取 組 に ついて アルコール 依 存 症 の 実 態 把 握 に 関 する 調 査 研 究 等 を 継 続 するとともに 第 2 期 基 本 計 画 の 数 値 目 標 の 設 定 について 検 討 を 進 める -21-