乳房切除術 乳腺全切除術およびエキスパンダー手術を受けられるあなたへ 四国がんセンター乳腺科 形成外科 病棟 主治医 受持ち看護師 2013.1.10 改訂
私たちは Ⅰ Ⅱ 入院や手術に対する不安を軽減し最良の状態で手術が受けられるようにお手伝いします 手術後の苦痛を軽減し また合併症を起こさず順調に回復され安心して退院を迎えられるようお手伝いします * このパンフレットの内容は当院での標準的な医療を記載しています あなたのお体の状態によっては内容どおりに進まないこともありますが その都度対応していきますので ご安心ください
ダイアリー 今 あなたの心は病気への不安と悲しみでいっぱいになっているのではないでしょうか気になることが次から次へとわき出てくるかもしれませんしかし 今までにもたくさんの女性があなたと同じような体験をし 短期間のうちに元気に日常生活にもどっていますこの病気は あなた自身の努力 そして医師と看護師 ご家族や周囲の協力があれば克服できるのです このパンフレットには 病気や手術 日常生活で注意していただきたいポイントなどを記載していますまた 私達医療スタッフの目標と日々の医療計画 また よりよい状態で退院を迎えられるよう 患者様ご自身の日々の目標をあげています記載している日々の目標は 色分けしてあらわしています 入院は約 10 日間を予定しています私達は あなたが不安なく入院生活を送れるようサポートさせていただきます 入院日月日 今日の目標 入院生活 手術について医師 看護師の説明が理解できる < 時間 > < 予定 > 10:00 ご入院 検温 12:00 食事 14:00 検温 18:00 食事 21:30 消灯 このほかに以下のことを予定しています 病棟案内 血圧測定 身体測定 入院生活の説明 パンフレットの説明 患者基礎情報の聞き取り 術後リハビリの説明 手術の説明 ( 手術同意書にサインを頂きます )
乳腺全切除術およびエキスパンダー手術 乳腺を全部取り除く手術と脇のリンパ節を取り除く手術を行いますまた再建術を希望されたため 同時に胸の筋肉 ( 大胸筋 ) の下にエキスパンダーを挿入する手術も同時に行います 乳腺全切除術と脇のリンパ節切除術 エキスパンダー手術 大胸筋の下に挿入したエキスパンダー 破線が切除範囲 切開線 特殊なバルブのついた生理食塩水の注入口 乳腺全切除術乳腺全切除術とは乳房の皮膚を残して乳腺を全て切除する方法です手術前の検査で早期乳がん ( 非浸潤がん ) と診断された場合に行う手術法で 乳房の皮膚 乳首は残ります 脇のリンパ節切除術非浸潤性乳管がんでは脇のリンパ節切除は行わないこともあります エキスパンダー手術乳腺全切除術と同時に胸の筋肉である大胸筋の下に生理食塩水 ( 人間の体液に近い水 ) でふくらませていく特殊な風船 ( エキスパンダー ) をいれます エキスパンダー生理食塩水を入れてふくらませることのできるシリコン製の風船で 皮膚と筋肉を少しずつ伸ばしていく医療用具
乳房切除術およびエキスパンダー手術 乳房を全部取り除く手術と脇のリンパ節を取り除く手術を行いますまた再建術を希望されたため 同時に胸の筋肉 ( 大胸筋 ) の下にエキスパンダーを挿入する手術も同時に行います 乳房切除術と脇のリンパ節切除術 エキスパンダー手術 大胸筋の下に挿入したエキスパンダー 脇のリンパ節 大胸筋 乳腺 乳房切除術 破線が切除する範囲です 特殊なバルブのついた生理食塩水の注入口 この方法には大胸筋を残し小胸筋 脇のリンパ節を取り除く手術 ( ペイティ法 ) と大胸筋 小胸筋を残し脇のリンパ節を取り除く手術 ( オーチンクロス法 ) があります当院では主に後者の方法を行っています 脇のリンパ節切除術センチネルリンパ節生検 もしくはリンパ節廓清術を行います エキスパンダー手術乳腺全切除術と同時に胸の筋肉である大胸筋の下に生理食塩水 ( 人間の体液に近い水 ) でふくらませていく特殊な風船 ( エキスパンダー ) をいれます エキスパンダー生理食塩水を入れてふくらませることのできるシリコン製の風船で 皮膚と筋肉を少しずつ伸ばしていく医療用具
エキスパンダーへの生食注入とシリコンへの入れ替え手術 退院後は 2 週に 1 回外来通院で生理食塩水を皮膚の下にある注入装置から注射器で注入します 4 5 回かけて反対側の残っている乳房より大きくなるまで膨らませ その後はエキスパンダーの入っている空間が安定するまで約 3 ヶ月間待ってから シリコンバッグに入れ替えます最初の手術から 6 ヶ月 ~1 年後にコヒーシブシリコンバッグに入れ替える手術をします 皮膚 筋肉 コヒーシブシリコンバッグ 乳腺全切除術 乳房切除術 コヒーシブシリコンバッグ 美容外科領域で広く使用され安全性も確かめられている豊胸術用のバッグ 内容は特殊なシリコン ある程度の硬さのあるシリコンのため破れてももれ出さない 穴が開いても小さくならない 感触は正常の乳腺よりやや硬い この手術では 他の部分に傷を付けることなく乳房のふくらみを再建できますが 異物であるために体にあわず取り出さなければならないことがまれにあります触った感じも手術前の乳房のようにやわらかい乳房とはなりませんこれらの一連の手術は患者様の希望があれば行う美容的な手術であり 必ず行う必要はありませんまたこの手術の有無が癌の治療に影響することもありません
手術前日月日 今日の目標 手術を受けられるように体調を整える術後のリハビリを理解する いよいよ明日は手術ですので 今日は手術の準備をします < 写真撮影 その他 > 午前中に形成外科外来で写真撮影と乳房位置確認のために印をつけます 手術当日の午前中になることもあります MEMO < 必要物品の確認 > 手術用の寝巻き バスタオル タオル ティッシュペーパー ストロー コップなど揃っていますか? < 手術前処置 > 1. 手術する側の 脇の除毛をします 2. 寝たままでのうがいの練習 深呼吸の練習をします ( 手術後は 絶飲食 麻酔の副作用で口が渇きますまた口腔内の清潔保持のため 意識がはっきりしたらうがいをします ) 3. 処置が終われば入浴 またはシャワー浴をしてください ( 爪は短く切り マニキュアは除去してください指輪 腕時計など 手術当日にははずしてください ) < 食事 > 普通食が出ます朝食 昼食 夕食は普通にお食べください 21 時以降は絶飲食です手術が午後予定の方は翌朝 6 時まで飲水してもかまいません < 活動 > 活動に制限はありません夜眠れそうにない場合は安定剤 ( 睡眠剤 ) を服用していただくことがあります医師 看護師までお知らせください 患肢挙上計測 スタート cm
手術当日月日 手術前の目標 リラックスして 安全に手術を受けられる 手術前 6:00 起床体温 血圧測定洗面 歯磨きを済ませてください 手術室は清潔な場所です手術室へ入る 15 分 ~30 分前に病院の衣類 ( 手術衣 ) に着替えていただきます手術衣はお持ちします 点滴朝 6 時から絶飲食のため点滴があります ( 午前中の手術の方は点滴はありません ) 手術室に行く準備トイレを済ませてください手術用の服に着替えていただきます看護師とともに手術室へ行きます MEMO 手術開始の時間は 午後になります分かり次第お知らせします * 手術前には 検温 血圧測定を行います手術室へ行く前は 身につけている貴金属をはずして準備してください ( 眼鏡 指輪 ネックレス ピアス ヘアピン 時計 義歯 コンタクトレンズなど )
手術当日月日 手術後の目標 痛みがないようにしましょう痛みを我慢しないようにしましょう 手術後手術が終わりあなたが病室に戻ったら医師 看護師はあなたの状態を最善に保つため以下のことを行います MEMO 体温 血圧測定 状態観察のためたびたび測定します * 帰室時 帰室後 30 分後 60 分後 120 分後 180 分後と 18 時 21 時及び 24 時には測定にうかがいます ( これ以外にも必要な時に測定します ) 酸素吸入 深呼吸 麻酔が完全にさめるのを助けるために 3 時間鼻から酸素吸入をします目が覚めたら大きく深呼吸をしましょう点滴 絶飲食のため 術後に点滴があります尿の管 手術中の清潔保持 手術後の安静保持のため 手術中に尿の管が入ります ( 翌日の午前中には管は抜けます ) 吸引バッグ 傷を治りやすくするため 創部に血抜きの管が入ります管は約 5 日間入っていますひっぱったり 抜いたりしないようにしましょう痛み 痛みは我慢しないでください状態により 痛み止めをしますうがい 初回は看護師が行います許可があるまで飲水はできません 手術結果の説明 主治医から手術の結果について説明があります * ご家族の方へ手術中は 6 階西病棟の食堂か病室でお待ちくださいほかの方の手術の関係で 手術後すぐに主治医が説明できないことがあります説明があるまでお待ちになってください 医療スタッフの目標 術後合併症を起こさないようにいたします
術後 1 日目月日 今日の目標 尿の管を抜いてトイレまで歩いてみましょうリハビリ Step1 を行いましょう安静にしているときの痛みがない < 時間 > < 予定 > 6:00 起床 検温吸引バッグの排液量計測尿量の計測 7:30 朝食ベッドを 90 度まで起こし 洗面 食事をしましょう消炎鎮痛剤の内服開始 (5 日間 朝 昼 夕食後に飲みましょう ) 9:30 回診 10:00 検温吸引バッグの排液量計測尿量の計測午前中に尿の管を抜きます初めて歩くときには看護師と歩きますトイレに行きたくなったら看護師にお知らせください MEMO 全身清拭着替えを準備してください ( 下着 パジャマ ) 12:00 昼食 14:00 検温 16:00 吸引バッグの排液量計測 18:00 検温 夕食 21:30 消灯吸引バッグの排液量計測 * リハビリに付いては後ろに掲載してある 手術後のリハビリテーション にしたがって日々のリハビリを行ってください *
術後 2 日目月日 今日の目標 リハビリ Step1 を行ってみましょう安静にしているときの痛みがない < 時間 > < 予定 > 6:00 起床吸引バッグの排液量計測 7:30 朝食 9:30 回診 傷のある上半身は清拭で 下半身はシャワー浴に挑戦! 10:00 検温吸引バッグの排液量計測 12:00 昼食 13:00 上半身清拭 できるところは自分で拭いてみましょう下半身シャワー浴 14:30 マンマ体操見学 ( とんがり帽子 ビデオ見学 ) デイルームへおこしください MEMO マンマ体操の見学です体操は術後 5 日目からなので まだ体操はしないでね 16:00 吸引バッグの排液量計測 18:00 検温 夕食 21:30 消灯吸引バッグの排液量計測 医療スタッフの目標 傷の周りの皮膚の色に変化がないよう注意いたします
術後 3 日目月日 今日の目標 リハビリ Step 2 をしましょう清拭やシャワー 洗髪をしましょう < 時間 > < 予定 > 6:00 起床吸引バッグの排液量計測 7:30 朝食 9:30 回診 空いている時間に 乳がん手術後家庭でのリハビリテーション ~ 豊かな明日を目指して ~ のビデオを見ていただきます 10:00 検温吸引バッグの排液量計測 12:00 昼食 上半身清拭下半身シャワー洗髪シャンプー台で看護師と一緒に髪を洗ってみましょう MEMO 16:00 吸引バッグの排液量計測 18:00 夕食 21:30 消灯吸引バッグの排液量計測 医療スタッフの目標 傷の周りの皮膚の色に変化がないよう注意します手術の傷に 赤み 痛みがないよう援助します
術後 4 日目月日 今日の目標 リハビリ Step 2 を 10 回づつ 1 日 3 回してみましょう清拭やシャワーをしてみましょうリンパ浮腫の予防法がわかる脇の吸引バッグが抜ける < 時間 > < 予定 > 6:00 起床吸引バッグの排液量計測 MEMO 7:30 朝食 9:30 回診 脇の吸引バッグを抜きます ( 排液量が多い時は 抜かないこともあります ) 10:00 検温吸引バッグの排液量計測 12:00 昼食 午後上半身清拭下半身シャワー浴リンパ浮腫の説明をします 16:00 吸引バッグの排液量計測 18:00 夕食 21:30 消灯吸引バッグの排液量計測 医療スタッフの目標 傷の周りの皮膚の色に変化がないよう注意します手術の傷に 赤み 痛みがないよう援助します
術後 5 日目月日 今日の目標 リハビリ Step 3~5 を 10 回づつ 1 日 3 回しましょうマンマ体操をしてみましょう清拭やシャワーをしてみましょう < 時間 > < 予定 > 6:00 起床吸引バッグの排液量計測 MEMO 患肢挙上計測 ( 前後差 ) 7:30 朝食 スタート cm 9:30 回診 10:00 検温吸引バッグの排液量計測 前後差の目標は 10cm 以内です退院まで少しずつ頑張りましょう!! 12:00 昼食 午後 上半身清拭下半身シャワー 手術した手はどのくらいあがるか 手術前と どのくらい差があるか測ります 14:30 マンマ体操今日から本格的なリハビリが始まります手術の前後で挙上差を測ってみましょう! 患肢挙上計測 16:00 吸引バッグの排液量計測 18:00 夕食 21:30 消灯吸引バッグの排液量計測 医療スタッフの目標 傷の周りの皮膚の色に変化がないよう注意します手術の傷に 赤み 痛みがないよう援助します
術後 6 日目月日 今日の目標 リハビリ Step 3~5 を 10 回づつ 1 日 3 回しましょうマンマ体操をしましょうシャワーを浴びてみましょう退院後に気をつけることを理解する患側の腕にむくみがない胸の吸引バッグが抜ける < 時間 > < 予定 > 6:00 起床吸引バッグの排液量計測 MEMO 7:30 朝食 9:30 回診 胸の吸引バッグを抜きます ( 排液量が多い時は抜かないこともあります ) 10:00 検温 12:00 昼食 午後 全身シャワー浴 前後差の目標は 10cm 14:30 マンマ体操患肢挙上計測看護師が 退院にあたっての説明をします 18:00 夕食 21:30 消灯 退院まで少しずつ頑張りましょう!! 患肢挙上計測 ( 前後差 ) スタート cm 医療スタッフの目標 傷の周りの皮膚の色に変化がないよう注意します手術の傷に 赤み 痛みがないよう援助します退院後に気をつけて頂くことを説明をします
術後 7 日目月日 今日の目標 リハビリ Step 3~5 を行ってみましょうマンマ体操をしてみましょうシャワーまたは入浴をしてみましょう患側の腕にむくみがない傷の糸抜きができる退院しましょう < 時間 > < 予定 > 6:00 起床 7:30 朝食 糸抜きの後に傷のテーピング 指導を行います 抜糸後のテーピングを参照 9:30 回診糸抜き 10:00 検温 MEMO 12:00 昼食 午後 シャワーまたは入浴 14:30 マンマ体操患肢挙上計測 18:00 夕食 抜糸が終われば入浴できます 21:30 消灯 あなたの次回外来予約日は月日です 患肢挙上計測 ( 前後差 ) cm 医療スタッフの目標 傷の周りの皮膚の色に変化がないよう注意します手術の傷に 赤み 痛みがないよう援助します
手術後のリハビリテーション Step1 じゃんけん 術後 1 日目 ~ ボール握り ひじの屈伸腋を閉じ ひじを曲げたり 伸ばしたりします * 吸引装置を引っ張らないようにしましょう * 吸引バッグが取れるまで 腋を広げないように注意しましょう Step2 術後 3 日目 ~ 前方 90 度挙上ひじをまっすぐ伸ばし 前方 90 度に腕を上げます * 疲れないように少しずつ運動しましょう * 腕がはれたら 指先から肩にむけてマッサージをしましょう Step3 術後 5 日目 ~ 振り子運動 台の上にひじをつき うつむきます 腕の力をぬいて だらりと垂らし左右に振ります 今度は円を描くように腕を回します 次は前後に大きく振ります
Step4 術後 5 日目 ~ 壁はい運動壁に向かい 胸 つま先をつけます良い方の腕を伸ばしてテープをはりますこれが あなたのゴールです Step5 術後 5 日目 ~ 両腕の挙上椅子に座り 指を組んで 両手をあげますひじをまっすぐ伸ばします 羽ばたき組んだ手を首の後ろに回し 両肘を開いたり閉じたりしましょう 意欲的にがんばりましょう わからないこと, 不安なことがあれば看護師にお尋ねください
マンマ体操とんがり帽子 1 番 術後 5 日目 ~ 肩幅に軽く足を開いて ひじの曲げ伸ばし 肩の上げ下げ 深呼吸 前奏 緑の丘の赤い屋根 鐘が鳴りますキンコンカン とんがり帽子の時計台 メェメェ子山羊も鳴いてます 振り子運動 首を回す 風がそよそよと丘の家白いお窓がおいらの家よ 間奏
2 番 振り子運動 横振り たて振り 旋回 肩たたき ( 左右 ) 緑の丘の麦畑鐘が鳴りますキンコンカン元気でいろよという声は間奏おいらが一人でいる時に鳴る鳴る鐘は父母の口笛吹いておいらは元気 3 番 羽ばたき手の挙上 ( 左右 ) とんがり帽子の時計台 夜になったら星が出る 父さん母さんいないけど 鐘が鳴りますキンコンカン おいらは帰る屋根の下 丘のあの窓おいらの家よ 行進 肩の高さで腕をひねる 間奏
4 番 両腕を上げる ( 右 上 左 ) おやすみなさい空の星おやすみなさい仲間たち 昨日に勝る今日よりも鐘が鳴りますキンコンカン 両肘で円を書く 深呼吸 明日はもっと幸せにみんな仲良くおやすみなさい 間奏
退院されるあなたへ 多くの方が あなたと同じ手術を体験しましたそして今 家庭で または職場で幸せな毎日を送っていますこれから あなたが無用の心配をせず 一日も早く健康を回復していただくために 退院後の注意点を説明いたします 患肢は手術によってリンパ液や血液の流れが障害されており 感染を起こしやすくなっています次のようなことに注意して生活してください 特に制限はありませんバランスの取れた食事を心がけましょう 退院後は傷のひきつれや痛みが残り 患肢の運動が少なくなりがちですが 動かさなければますますひどくなります退院後もマンマ体操を続け 家事などの日常生活の中で積極的に患肢を動かすようにしましょう 疲れを感じたら 無理をせず休息をとるようにしましょう 患肢の腫れを感じたら 手の先から付け根にかけてのマッサージや 枕やクッションなどにより 腕を高くして休みましょう 無理に重いもの ( 大体の目安としては 10Kg くらい ) を持ち上げたり 運んだりしないようにしましょう 寝る時は 患肢を下に敷かないようにしましょう 健康管理のために規則正しい排便を心がけましょう
抜糸がすんでいなければ 傷から下だけでも入浴しましょう抜糸後は 普通に入浴しましょう ( 傷の心配は要りませんが 無理にかさぶたをとらないようにしましょう ) 洗髪は特に制限はありません 手指を清潔に保ち 深爪やケガに注意しましょうもし 患肢に傷をつくったら すぐに消毒しましょう虫刺されにも注意しましょう 仕事をやめる必要はまったくありませんが 仕事を始める時期は個人差があります主治医と相談しましょう 薬は指示通りに飲みましょうまた ほかの薬を内服する場合は 主治医に相談してください 定期受診は必ず受けるようにしましょう 患肢での血圧測定 採血 注射は避けましょう 腕時計やアクセサリーはゆるめにするか 健康な方の腕にしましょう 次のような症状がある時は 外来に受診しましょう ( 腕の腫れ 発赤 局所のしこり 腰や肩 股関節の痛み 体がだるい 疲れやすい 食欲不振 風邪でもないのに咳が出る 息苦しい ) かにさんの会のご案内 かにさんの会 とは 乳がんの患者さんを対象に現在当院で行っている治療について分かりやすく説明し 患者さんご自身の理解を深めていただく会です毎月 1 回 開催しています毎回内容は異なりますので 掲示板等で確認してみてくださいみなさんお気軽にご参加ください
術後補助療法のクスリについて 今回の手術により悪い部分は取り除かれたのですが 再発防止のために薬剤を使うことがあります 使用するクスリは あなたのお体の状態によって適切な選択により処方して行きますこのクスリは注射もあれば 飲み薬もありますいつ どのくらい使用するのか良く理解して下さい また 使用するクスリによっては 副作用が現れる可能性がありますこれらには個人差がありますので 必ずしも生じるわけではないのですが 副作用がでた場合の対策等についてもよく理解いただくことが大切です 必要に応じて薬剤師から詳しい説明を行いますので 医師又は看護師に申し出てください 代表的な薬剤名 ( 商品名 ) 塩酸ドキソルビシン ( アドリアシン ) 塩酸エピルビシン ( ファルモルビシン ) シクロフォスファミド ( エンドキサン ) タモキシフェン ( ノルバデックス ) フルオロウラシル (5FU) メソトレキセート ( メソトレキセート ) [50 音順 ]
乳がんの自己検診方法 乳房の中に小さい 硬い 痛みのないしこりができていないかを自分で調べる方法です時期は 毎月 月経終了後 1 週間くらいが適当です閉経した方は 毎月 日を決めて調べましょう 1 手を下げたまま鏡に乳房を映して 自分の乳房の形 乳頭の姿をよく覚えておきます 2 両腕を上げて正面 側面 斜めを映してみて 次のことを調べます 乳房のどこかにくぼみやひきつれたところはないか 乳頭がへこんだり湿疹のようなただれができていないか ( へこみが激しい場合は指ではさんで調べてください ) 3 仰向けに寝て 左の乳房を調べる場合 左肩の下に薄い枕を敷き 乳房がたれず胸の上に均等に広がるようにします 4 乳房の内側を調べるには 左腕を頭の後方に上げ 右手の指の腹でまんべんなく静かに圧迫して ていねいに触れます 5 外側半分を調べるには 左腕を自然に下げ やはり右手の指の腹でまんべんなく静かに圧迫して ていねいに触れます最後に腋の下に手を入れてしこりがあるか触れてみますまた座って仰向けに寝た時と同じように調べてみましょう ( 乳房を指先でつまむように調べると 異常がなくてもしこりのように感じますから 必ず指の腹で調べましょう ) 6 左乳房が終わったら同じ要領で右の乳房も調べましょう 7 左右の乳頭を軽くつまみ乳をしぼり出すようにして血性分泌物が出ないかを調べます 8 腋の下 鎖骨の上にしこりがないか見てください 毎月自己診断をしているうちに 自分の乳房の普通の状態がわかり 異常を早く見つけられるようになります 異常を見つけたらためらわずに専門医の診察を受けましょう
抜糸後のテーピング 形成外科ではできるだけ傷あとがきれいになるような縫合をしていますが テープを貼ることで傷あとを安静にし ケロイドや幅広い傷あとになるのを防ぐことができます手術後に抜糸が終わるとすぐに茶色のテープを 2 ヶ月から数ヶ月貼っていただきます ( テーピングの終了時期は外来で医師から指示があります ) テープの貼り方はがし方 テープは 3 4cm の長さに切り 隣のテープに少し重なるように傷の端から端まで貼ります 傷あとに直角になるように貼ってください 傷あとの片側から傷あとに向かって両方の皮膚を少し寄せるようにして貼ります はがすときは 傷と平行に引っ張ってはがしてください 重なっているテープの一番下になっている方からはがすとつながってはがれてくるので 皮膚を痛めない様にゆっくりとはがしてください 貼るとき 傷あと はがすとき テープは毎日貼りかえる必要はありませんが はがれて固定力が無くなってきたら貼り替えてください貼り替えの目安は 3~4 日ですが しっかり貼れている場合は一週間までならそのままでかまいませんはがれたところだけ貼り替えて下さい貼りかえる時はテープの糊を完全に落とし皮膚を清潔にしましょうただし あまり強くこすらないようにしてください < 入浴時の注意 > 貼りかえの日以外はテープを貼ったまま入浴してください テープを貼りかえる日はテープを全部はがして入浴してください テープを貼ってあるところは強くこすらないよう注意しましょう 入浴後は乾いたタオルでテープの水分をよくとり 後は体温で自然に乾かしてください * 皮膚がかぶれた場合はテーピングを中止して医師に相談してください * 傷の状態を見るため形成外来受診日の朝にはテープをはがして来院してください
退院後の注意点 エキスパンダーの感染 ( 化膿 ) エキスパンダーが感染することがあります感染した場合は 熱がでたり 胸が赤くなって熱をもったり 傷がジクジクしたりします感染したかも と思ったら すぐに形成外科外来を受診してください ( 休日でも病院までご連絡ください ) ブラジャーの着用開始 ブラジャーの着用は約 1 ヶ月後から可能となりますが なるべくやわらかいブラジャーを使用するようにしてくださいワイヤーの入ったブラジャーは使用しないでください エキスパンダーの保護 エキスパンダーは多少の圧迫では破裂しませんが 強くぶつけたりすると破損することもありますぶつけないように気をつけてください エキスパンダーが破裂した場合は ふくらみが小さくなりますエキスパンダーを交換する手術が必要なため すぐに形成外科外来にご連絡ください 術後の生活について 日常生活に特別な制限はありませんが 破裂やエキスパンダーの移動を予防するため 激しいスポーツなどは控えましょう MRI 検査について エキスパンダーの注入バルブに永久磁石がついているため シリコンバッグに入れ替えるまでは MRI 検査ができませんご注意ください
* ご心配な点があれば まずはかかりつけ医にご相談ください * なお かかりつけ医に連絡がつかない場合は 以下の連絡先にご連絡下さい 四国がんセンターの連絡先 平日 8:30~17:15 四国がんセンターがん相談支援 情報センター ( 直通番号 ) 089-999-1114 平日時間外および土 日 祝祭日 日直 / 夜間当直師長 ( 代表番号 ) 089-999-1111