社会科学習指導案 平成 2 年 月 2 日 ( 月 ) 5 校時場所 : 教室第 6 学年 2 組指導者佐藤道代 単元名源頼朝と鎌倉幕府 2 指導に当たって () 教材観本単元は 学習指導要領の第 6 学年の目標 () 国家 社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について興味 関心と理解を深めるようにするとともに 我が国の歴史や伝統を大切にし 国を愛する心情を育てるようにする 及び (3) 社会的事象を具体的に調査するとともに 地図や地球儀 年表などの各種の基礎的資料を効果的に活用し 社会的事象の意味をより広い視野から考える力 調べたことや考えたことを表現する力を育てるようにする を受け 内容 () のウ 源平の戦い 鎌倉幕府の始まり 元との戦いについて調べ 武士による政治が始まったことが分かること エ 京都の室町に幕府が置かれたころの代表的な建造物や絵画について調べ 室町文化が生まれたことが分かること に基づいて設定したものである 本単元では 源平の戦い 鎌倉幕府の始まり 元との戦い の3つの歴史的事象を取り上げ 武士による政治が始まったことや 室町幕府が開かれた頃の代表的な建造物や絵画などを具体的に調べることを通して室町文化が生まれたことがわかるようにすることをねらいとしている また 室町時代に栄えた文化が現代の私たちの暮らしの中に今もなお残され 親しまれていることに触れるようにすることも求められている そこで 本単元の学習においては 教科書の他に各種資料も活用させながら 歴史的事象や先人の活躍などを調べさせていきたい また 歴史的建造物と現在も残る伝統的な日本家屋とを比較させたり 水墨画を実際に描く体験をさせたりすることを通して 室町文化への理解をより深めさせたい 特に 水墨画を描く体験においては 雪舟の偉業について学ぶだけでなく 現在も継承されている文化遺産のもつ価値や日本の伝統文化の美しさにも触れることにより 伝統文化を大切にしようとする態度や心情を育てることにもつながると考える (2) 児童観本学級の児童 ( 男子 4 名女子 名計 25 名 ) は 素直で何事にもまじめに取り組もうとする児童が多い 児童は 4 月から授業の始めに 歴史人物 50 人カルタ に継続して取り組んでいる カルタでは 歴史上の重要人物を0 人ずつ五色に色分けした物を用いて 人物についての業績や歴史的事象について繰り返し触れさせることにより 歴史の学習に対する関心が高まっている 社会科の学習では 人物の偉業や歴史的なエピソードを調べる学習に意欲的に取り組む児童の姿が見られる また 教科書だけでなく 社会科資料集や人物辞典などを活用して得た知識を学習に生かそうとする児童の姿も見られる しかしながら 提示されている資料や年表 グラフの読み取りなどが十分ではない児童もいる 本単元の最後に設定した水墨画の体験を通して 先人が様々な工夫や努力をしながら優れた文化遺産を生み出したことに気付かせたい また 現代の生活や文化が 先人によってつくりだされた歴史や伝統の上に成り立っているものであることにも気付かせたい
(3) 指導観研究主題我が国の伝統文化を尊重する児童を育てる教育課程の編成 かしわタイム を中心とした体験活動を通して 児童の実態と上記の校内研究主題を受け 指導に当たっては以下の点について留意していきたいと考える 学習の始めに 歴史人物 50 人カルタ をしたり 肖像画などの資料を提示したりするなどして その時代における偉人に対する関心を高める 生け花や能 茶の湯などについての資料を取り上げ 室町文化は今もなお多くの人に親しまれていることを理解させる また 実際に水墨画を描く体験を通して 室町文化に触れさせ 先人の様々な工夫や努力について実感させる 年表や写真 視聴覚教材などを効果的に取り入れ その時代の背景を踏まえた上で歴史的事象をとらえることができるようにさせる 学習したことをまとめる活動の際には 具体的なまとめの観点を示し 調べたことを目的に応じてノートやレポートにまとめさせる 3 単元の目標 () 今日の生活文化に直結する要素をもつ室町文化に親しもうとする心情を育てる ( 関 意 態 ) (2) 源頼朝などの人物の業績や室町文化が我が国の国家 社会の発展に果たした役割などを考える力を育てる ( 思考 判断 ) (3) 年表や文章資料 イラスト 写真などの資料を効果的に活用して 源平の戦いや鎌倉幕府の始まり 元との戦い 室町文化について具体的に調べ 調べたことを目的に応じた方法でノートやレポートにまとめる力を育てる ( 技能 表現 ) (4) 源平の戦いや鎌倉幕府の始まり 元との戦い 室町文化に関心をもち このころの武士による政治が始まったことや 京都の室町に幕府が置かれた頃に室町文化が生まれたことが理解できるようにさせる ( 知識 理解 ) (5) 500 年前の室町文化を体験しよう というテーマを設定して 雪舟が完成させた 水墨画 に挑戦させ 水墨画の特徴や室町文化のよさに気付かせる 伝統文化との関連 4 単元の指導計画 ( 時間 ) 時数 ねらい 貴族を守る武士 の絵図を前の時代との相違点に注目しながら読み取り 気付いたことを話し合わせる 源頼朝の活躍を中心に 鎌倉に幕府が開かれるまでの経緯を調べ 本小単元の学習問題をつくらせる 学習活動 都の貴族の屋敷の様子と比べてどんなところが違ってきたか 武士の服装や持ち物について話し合い まとめる 頼朝や義経の人物年表からその働きについて調べるとともに鎌倉に幕府が開かれるまでの経緯を調べる 主な評価規準 ( 関 ) 武士による政治の始まりが 我が国の国家 社会の発展に果たした役割を考えようとしている ( 技 ) 源平の戦いの様子を詳しく調べることができる
武士のやかたの絵画資料を読み 武士のやかたの絵と貴族の屋敷 ( 思 ) 武士の生活の様子について考 取り 武士の暮らしの様子につ の様子の絵を比較し 戦いに備え えることができる いて 分かったことや考えたこ て生活していたことに気付く ( 技 ) 資料を活用して武士の暮らし とを話し合わせる について調べ まとめること ができる 鎌倉街道図や鎌倉復元模型 写 資料を基に頼朝が鎌倉に幕府を ( 思 ) 幕府と武士の結び付きについ 真 ご恩と奉公の関係図などを 開いた理由を調べる て考えることができる 基に 頼朝が東国の武士たちを 2 政子の訴えなどの資料からご恩 ( 知 ) 幕府が全国的に力をもってき 支配する仕組みについて分かっ と奉公の関係について調べ まと たことが分かる たことや自分の意見 感想を話 める し合わせる 元寇について調べ 鎌倉幕府と 元という国の大きさを知り 元 ( 関 ) 戦いの様子について進んで調 武士たちとの結び付きが弱まっ の兵士と日本の兵士の戦い方の違 べることができる ていった理由について話し合わ いを調べてまとめる また 恩賞 ( 思 ) 元寇後の幕府と武士の関係に せる を求める武士の気持ちを考える ついて考えることができる 2 金閣や銀閣 書院造などを調べ 金閣や銀閣 それらを作った人 ( 技 ) 写真などの資料から この時 京都で暮らすようになった武士 物について調べる また 書院造 代に生まれた新しい文化の特 の中から新しい文化は生まれた の写真を見て気付いたことを発表 徴を見つけたりまとめたりで ことをとらえさせる し合い まとめる きる 雪舟が水墨画を完成させるまで 雪舟が描いた水墨画を見て気付 ( 技 ) 資料を活用して雪舟や水墨画 の様子を調べ 水墨画の特徴を いたことを発表し合い 雪舟や水 について関心をもって調べて とらえさせる 墨画について調べる 室町文化に いる ついても調べ まとめる まとめの話合い活動とテストを テストを実施する 実施する 2 500 年前の室町文化を体験 水墨画の作品を鑑賞して その ( 思 ) 水墨画を描く体験を通して室町 本 しよう というテーマを設定し 特徴に気付く 水墨画の描き方を 文化に関心をもったり 雪舟 時 て 雪舟が完成させた 水墨画 知り 墨作りをする の偉大さを感じたりすること に挑戦させ 水墨画の特徴や室 2 作品を選択し 模写する ができる 町文化のよさに気付かせる 5 本時の指導 (0 時間目 / 時間扱い ) () 小単元名 500 年前の室町文化を体験しよう (2) ねらい 水墨画を描く体験を通して室町文化に関心をもつ 関心 意欲 態度 水墨画の特徴や技法に触れたり 描いたりする活動を通して 雪舟の偉大さを感じることができる 思考 判断
先隈片隈内脈元隈両隈ばき筆(3) 本時の指導に当たって本時の指導は 以下の点に留意し 室町文化に関心をもたせ 雪舟の業績の偉大さを感じ取らせるようにする 雪舟の代表的な作品を提示することで 水墨画を描く体験への意欲を高める 水墨画を描く際には 濃墨 中墨 淡墨の3 種類の墨作りを体験させる 墨の濃淡によって表現する白と黒の美しさに気付かせる 水墨画の基本的な6つの技法を紹介し 水墨画の特徴やおもしろさに触れた上で実際に描かせる 活動終了後に感想を書かせ 描く体験を通して考えたことや感じたことを振り返らせたい (4) 指導過程別紙 参照 (5) 準備物 教師 画仙紙 紙コップ スポイト 水墨画ブック 提示物 ( 技法 松竹梅のモチーフ ) スクリーン プロジェクター 児童 書道セット (6) 板書計画 水墨画に挑戦しよう墨の作り方濃墨 中墨 淡墨技法スクリーンさ
別紙 5(4) 指導過程 段階 学習活動 指導上の留意点 評価 つ 学習課題を知る かむ 2 水墨画に挑戦しよう雪舟が描いた作品を鑑賞し プロジェクターを活用し 雪舟の作品を投影し 0 水墨画の特徴について考える 雪舟の水墨画の作品を鑑賞させる 分 墨の濃さや筆遣いに注目させたい 深 3 墨の作り方について知る 墨のすり方について説明し 濃墨 中墨 淡墨の め 3 種類の墨が基本となることを理解させる る 濃墨に適量の水を加えたり 水に墨を加えたりす 70 ることによって 微妙な濃淡が出せることに気付 分 かせたい 4 3 種類の墨を作る 墨をする際には 精神を集中させ無心で取り組むように声掛けする 児童には 白いカップを一人二つ配り その中に中墨 淡墨を作らせる 墨をする時間や加える水の量などについて 目安となる時間や量を声掛けして取り組ませたい さらに 微妙な濃淡については 各自で調整させる 5 筆の持ち方や六つの技法につ 筆は 鉛筆の持ち方と同じように持たせる いて知る 六つの各技法 ( 先隈 片隈 両隈 内脈 元隈 さばき筆 ) については ポイントを説明しながら教師が演示してみせる 各技法が作品のどのような部分に用いられるかについても説明することによって 水墨画を描くときのイメージをもたせたい 6 六つの技法を練習する 児童に画仙紙を配り 六つの技法を練習させる 水墨画ブック を活用しながら練習に取り組ませる 技法の練習や習得( 特に内脈 ) については 個人差が生じると予想される 児童の取り組みを見守りながら 個別の指導や声掛けをしたい 練習した技法を生かし 水墨画の基本となる 松 7 手本となる構図をもとに水墨 竹 梅 の組み合わせを考えさせ描かせる 水墨画を描く体験を通 画を描く 試し描きとして使用できる画仙紙を用意してお して 室町文化に関心 く をもつことができる 机間指導により 児童の取り組みの様子を観察し ( 関心 意欲 態度 ) 作品への思いを見取ったり 描き方について声掛 行動 観察 けしたりする 広 8 活動のまとめをする 水墨画を描く体験を通して 雪舟の偉大さについ 水墨画の特徴や技に げ て考えたことや実際に描いてみた感想をまとめさ 触れたり 描いたり る せる する活動を通して 0 作品のできばえの評価に偏らず 描く際の苦労や 雪舟の偉大さを感じ 分 雪舟の作品のすばらしさを改めて感じ取らせる ることができる ( 思考 判断 ) 発表 観察