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( 注 ) 役務の提供を受ける者の本店又は主たる事務所が日本にあれば課税 ということですので 国内に本店がある法人の海外支店に対して インターネットを介してソフトウェア等を提供した場合は 提供者が国内 国外いずれの事業者であっても国内取引に該当し消費税が課税されます ( 国税庁作成の 国境を越えた役

Ⅰ 電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し電子書籍 音楽 広告の配信などの電気通信回線 ( インターネット等 ) を介して行われる役務の提供を 電気通信利用役務の提供 と位置付け その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準が 役務の提供を行う者の役務の提供に

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間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

また 国外財産調書制度は 2013 年 12 月末の国外財産から調書の提出義務が始まりましたので 5,000 万円超の国外財産を保有の方はご留意ください これに関連して 国税庁より 2013 年 11 月 15 日に FAQ が発表されており FAQ は国税庁のホームページで閲覧等できます 資産税ニ

凡例 文中 文末引用の条文等の略称は 次のとおりである 法 所得税法等の一部を改正する法律 ( 平成 27 年法律第 9 号 ) による改正後の消費税法 ( 昭和 63 年法律第 108 号 ) 新消法 所得税法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 15 号 ) による改正後の消費税法

事業者から提供されたデジタルコンテンツをユーザーがダウンロードしてコンピュータの内部記憶装置に保存する行為は 著作物の利用 ( 複製 ) であれば著作権の貸付けにあたると考えられるし 他方 私的な使用のためにデジタルデータを取得させるに過ぎないとすれば役務の提供に該当するものと考えられる デジタルコ

支給開始日以前に カ月の標準報酬月額がある場合 06 年 月 日まで 06 年 4 月 日以降 休んだ日の標準報酬月額 0 日 / 支給開始日以前の継続した カ月間の各月の標準報酬月額の平均額 0 日 / ( 例 ) 支給開始日以前の継続した カ月間に 標準報酬月額が 6 万円の月が カ月 0 万円

平成 27 年度改正点である 特定資産の譲渡等 及び 特定 ( 課税 ) 仕入れ について学習する 当該改正点は 次の 2 つに大別される 1 国境を越えた役務の提供に係る課税の見直し急速に普及しているインターネットによる電子商取引につき 国内の事業者が行う場合と国外の事業者が行う場合とで課税上のバ

Korea Tax News 韓国における 2016 年度税制改正 Issue 1, March 2016 In brief PwC 税理士法人韓国タックスデスクは 日本企業の韓国投資および日本に進出する韓国企業に対して 日韓および韓日間の国際課税などの業務提供を行ってきました 今後 より質の高いサ

第68回税理士試験 消費税法 模範解答(理論)

. 繰越利益等超過純資産控除項目額が発生した事業年度における取扱い () 取扱いの概要 その事業年度において 以下の算式により計算される繰越利益等超過純資産控除項目額がある場合 90% 超要件の分母の金額である配当可能利益の額の計算上 当該金額を控除することとされました ( 算式 ) 繰越利益等超過

国境を越えた役務の提供に係る消費税-電気通信利用役務の提供を受ける国内事業者の視点から-

国内向け電気通信利用役務の提供 ( で判定 ) 国内 国外 国内事業者 国外事業者 配信 ( 課税 ) 配信 ( 不課税 ) 受益者 なお 旧法によれば 非居住者に対する電気通信利用役務の提供のうち 輸出証明がされたものは輸出免税の規定が適用されることとなる したがって 非居住者に対する広告の配信な

1. 相続税 (1) 基礎控除額の引き下げ 1) 改正の趣旨現在 ( ) の相続税の仕組みは 下図の通りです すなわち 合計課税価格から 基礎控除額を除いた課税遺産総額が相続税の計算の対象となるため 合計課税価格が基礎控除額の範囲内である場合には 相続税が課税されません その結果として 現状の相続税

重加算税制度の見直しと近年の裁決

今般の改正により 一定の要件を満たす RSU PS による役員給与について 損金算入が可能となります (RSU は事前確定届出給与 PS は業績連動給与 ) 株式交付信託は交付規程の内容により損金算入の可否を判断する必要があると考えられます 図表 1 平成 29 年度税制改正後の役員給与における株式

2017年度税制改正 年度税制改正

2 財政健全化目標との関係や平成 30 年度の 経済 財政再生計画 の中間評価を踏まえつつ 消費税制度を含む税制の構造改革や社会保障制度改革等の歳入及び歳出の在り方について検討を加え 必要な措置を講ずる (3) 対象品目及び適用税率軽減税率の対象品目は 1 酒類及び外食を除く飲食料品 2 定期購読契

2018年度税制改正大綱 - 資産税関連の主な改正点

ことも認められています 施行日前 ( 平成 26 年 3 月 31 日以前 ) にリース契約を締結し リース資産の引渡しを行ったリース取引についてこの特例により賃貸借処理を行っている場合には 旧税率の 5% が適用されます 3. 資産の貸付け に関する経過措置指定日の前日 ( 平成 25 年 9 月

2017年度税制改正大綱 資産税関連の主な改正点

Ⅱ. 国境を越えた役務の提供等に対する消費税の課税が導入される背景 消費税の課税対象は 1 国内において事業者が行った資産の譲渡等 ( 事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供 ) と2 保税地域からの外国貨物の引取りとされています ( 消費税法 4 条 1 項 2 項 2

第一問 -50 点 - 問 1 (25 点 ) (1) について (15 点 ) 概要 次の規定の適用を受ける場合には 納税義務が課されることとなる 1. 課税事業者の選択 2. 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例 3. 新設法人の納税義務の免除の特例 4. 特定新規設立法人の納税

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

試験研究費 9,, 7,, Check7 14,, 14,, Check8 7,, 2,, 14,, 6,, 6,, 税務弘報

検討 公開草案は 2013 年 7 月 19 日に公表された BEPS 行動計画に基づき作成されたものです BEPS 行動計画 13 は 税務当局に対する透明性を高めるための 移転価格の文書化に関するルールの策定 を OECD に指示しています さらに BEPS 行動計画は この透明性の要請に基づい

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

(消費税)確定申告書作成(一般課税)編

新規文書1

消費税法における個別対応方式と一括比例配分方式 河野惟隆 1 はじめに本稿の課題は 個別対応方式と一括比例配分方式とで 課税仕入れ等の税額の合計額が如何よう になるか つまり その大小関係は如何ようになるか ということを 明らかにすることである これを 次のように 条件を追加しながら 次のような順序

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

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2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

2 消費税軽減税率の対象となる新聞 軽減税率の対象は全ての新聞ではなく 一定の要件を満たす新聞のみです ( 図 2) 新聞販売所は定期購読契約の新聞のほか 即売 週 1 回以下の発行などさまざまな形態の新聞を扱っています このため 区分けには慎重な対応が必要です 図 2 軽減税率が適用される新聞の譲


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平成23年度税制改正の主要項目

2 その他 H26 中間申告義務のない事業者が 届出 012 書を提出した場合には 自主的に中間申告 納付することができる旨を 検討したか ( 平成 26 年 4 月 1 日以 後開始課税期間より適用 ) 本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H26 課税期間の基準期間

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2017年税制改正によるスピンオフ税制とスクイーズアウト関連税制の創設等

平成19年12月○日

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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改正消費税法の実施に先立ち施行日をまたぐ取引の適用税率と経過措置の再確認(その1)

経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

1. 改正内容 事業者が 以下 (1) 又は (2) の期間中に調整対象固定資産 1 の課税仕入れを行い かつ その仕入れた日の属する課税期間 ( 以下 取得課税期間 といいます ) の消費税の確定申告を一般課税で行った場合には 取得課税期間の初日から原則として 3 年間は免税事業者になることができ

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2 引き続き居住の用に供している場合 とされる場合本人が 転勤などのやむを得ない事情により 配偶者 扶養親族その他一定の親族と日常の起居を共にしないこととなった場合において その家屋等をこれらの親族が引き続きその居住の用に供しており やむを得ない事情が解消した後は 本人が共にその家屋に居住することに

消費税 : 課税の適正化について 1 ( これまでの取組み等 ) 1. 総論 社会保障 税一体改革成案 ( 平成 23 年 6 月 30 日政府 与党社会保障改革検討本部決定 ) においては 消費税制度の信頼性を確保するための一層の課税の適正化を行う こととされている ( 参考 ) 平成 23 年度

わくわく青色申告3-消費税申告及び資料

step.2 課税売上高の合計を計算する します step.21 欄の内容を転記します 表ロ 1~3 欄にそれぞれ記入します step.22 を転記します 表ロ 4~6 欄にそれぞれ記入します step.23 容を転記します 表ロ 7~9 欄にそれぞれ記入します step.24 その他の所得に係る収

国外転出時課税制度(出国税)の導入

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

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本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H27 課税期間の基準期間における課税売上高を確 の判定 014 認したか H27 事業年度を変更している場合等 前々事業年 015 度が1 年未満の場合の基準期間を確認したか ( 法人の場合 ) H27 基準期間が1 年でない場合

税法実務コース 海外勤務者と外国人の出国 入国 滞在時の国際税務 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 1 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 第 7 章 第 8 章 テーマ 1 居住者 非居住者判定テーマ 2 課税範囲についてテー

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step.2 課税標準額を計算する ( 申告書 1) step.2-1 課税売上高の合計 ( 表イ 16 欄 ) に 100/108 を掛けます 課税売上高 ( 税込み ) = 1 課税標準額 表イ 17 欄を使用します step.2-2 step.2-1 の計算結果 ( 表イ 17

「恒久的施設」(PE)から除外する独立代理人の要件

14_消費税法等の改正

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新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

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算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

〇本事例集は 平成 31 年 3 月を期限とした個人の確定申告について 国税通則法関連 ( 所得税 の納税地を含む ) の 誤りやすい事例 について取りまとめています 〇本事例集は 誤りやすい事例 を載せた後に 正しい解釈 処理方法を提示しています なお 無用 な文字数 ページ数の増加を避けるため

A. 受贈者に一定の債務を負担させることを条件に 財産を贈与することを 負担付贈与 といいます 本ケースでは 夫は1 妻の住宅ローン債務を引き受ける代わりに 2 妻の自宅の所有権持分を取得する ( 持分の贈与を受ける 以下持分と記載 ) ことになります したがって 夫は1と2を合わせ 妻から負担付贈

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下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

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2. 控除の適用時期 Q. 12 月に取得した自宅の所在地に 年末までに住民票を移しましたが 都合で引っ越しが翌年になってしまった場合 住宅ローン控除はいつから受けることになりますか A. 住宅ローン控除の適用を受けるためには 実際に居住を開始することが必要です したがって 住民票を移した年ではなく

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●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

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3 平成 25 年 4 月に給与の支給規程を改訂し 平成 24 年分 10 月にまでさかのぼって実施する こととなり 平成 25 年 4 月の給与支給日に支払うこととなった平成 24 年 10 月から平成 25 年 3 月までの給与改訂差額 A 3 1 給与所得の収入金額の収入すべき時期は 契約又は

無形資産について 有形資産または金融資産でないもので 商業活動における使用目的で所有または管理することができ 比較可能な独立当事者間の取引ではその使用または移転に際して対価が支払われるような資産 との定義を示し 以下の 3 点について報告されています 1 無形資産の開発 改良 維持 保護 利用に関す

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

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住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

国税通則法施行令新旧対照表

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

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電気通信利用役務の提供に対する消費税課税制度の見直し Issue 109, March 2015 In brief 2015 年 3 月 31 日 平成 27 年度税制改正法 ( 所得税法等の一部を改正する法律 及び 地方税法等の一部を改正する法律 ) が国会で可決されました 改正消費税法では 電気通信回線を介して行われる一定の役務の提供が 電気通信利用役務の提供 と定義され その役務提供の内外判定は 電気通信利用役務の提供を受ける者の住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地によることとされます このような内外判定基準の見直しの結果 現行では消費税の課税対象外とされている 国外事業者からのデジタルコンテンツの配信等が 2015 年 10 月 1 日以後は課税取引として取り扱われることになります 国外事業者による事業者向けの電気通信利用役務の提供 ( 特定資産の譲渡等 ) を受ける国内事業者は 当該役務提供に係る消費税額 即ち課税仕入れに係る消費税額を 特定課税仕入れ として 消費税の納税義務を負うことになります ( リバースチャージ方式 ) 国外事業者から事業者向けの電気通信利用役務の提供を受けている金融機関等の課税売上割合が低い事業者では 改正法施行後の取引について 申告等の事務負担が増えることが予想されます 一方 国外事業者から受けた消費者向けの電気通信利用役務の提供に係る消費税は 当分の間 登録国外事業者の登録番号等が記載された請求書等の保存等の要件を満たす場合以外は 仕入税額控除制度が適用されません 従って 国外事業者から電気通信利用役務の提供を受けている場合には 国外事業者が登録国外事業者か否かの確認も必要となります In detail 平成 27 年度税制改正の大綱 (2015 年 1 月 14 日閣議決定 ) では 国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し として 以下の内容が明らかにされていました 1 電気通信役務の提供 ( 仮称 ) に係る内外判定基準の見直し 2 国外事業者が行う事業者向け電気通信役務の提供に係る課税方式としてのリバースチャージ方式の導入 3 国外事業者が行う消費者向け電気通信役務の提供に係る仕入税額控除の制限及び登録国外事業者制度の創設 4 上記制度導入に伴う経過措置規定 ( 事業者免税点制度 特定課税仕入れに関する申告等 ) 改正法 ( 所得税法等の一部を改正する法律 ) による新消費税法では 新たに 電気通信利用役務の提供 の定義を設け 電気通信利用役務の提供 の内外判定基準や 役務提供を受ける者の納税義務 電気通信利用役務の提供を行う国外事業者に係る登録国外事業者制度等を規定しています 以下では 新消費税法に基づき 電気通信利用役務の提供に係る消費税の課税制度の概要を解説致します www.pwc.com/jp/tax

1. 制度の概要 国外事業者による 電気通信利用役務の提供 に係る課税制度は 下記の図表に示すように 国内の事業者向けの取引か消費者向けの取引かにより 課税の方式が異なります ( 出所 : 経済産業省資料 ( 平成 27 年度経済産業関係税制改正について ) より作成 ) 対象取引 課税方式 消費者向け電気通信利用役務の提供 国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち 事業者向け電気通信利用役務の提供 以外のもの 国外事業者申告納税方式 国外事業者 ( 役務提供者 ) 消費税の納税義務を負う 一定の要件を満たす国外事業者は 国税庁長官に申請書を提出し 登録国外事業者となることができる (2015 年 7 月 1 日より申請可能 ) 役務提供を受ける国内事業者 消費者向け電気通信利用役務の提供に係る消費税については 当分の間 仕入税額控除が認められない ただし 消費者向け電気通信利用役務の提供であっても 登録国外事業者から役務の提供を受け 登録国外事業者の登録番号等が記載された請求書等の保存等がある場合には仕入税額控除が認められる 事業者向け電気通信利用役務の提供国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち 当該電気通信利用役務の提供に係る役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものリバースチャージ方式 ( 国内事業者に納税義務を転換する ) の導入 国内事業者の 特定仕入れ が課税対象 特定課税仕入れ が納税義務の対象国外事業者 ( 役役務提供を受ける国内事業者務提供者 ) 役務提供を受 課税売上割合が95% 以上の課ける国内事業税期間においては 当分の間 者が リバースリバースチャージ税額と特定課チャージの対象税仕入れ税額を同額とみなし取引に係る消て 申告対象から除外費税の納税義 課税売上割合が95% 未満の場務者となる旨を合はリバースチャージ税額と特表示する定課税仕入れ税額を申告 2. 課税取引としての 電気通信利用役務の提供 改正により 新たに定義が設けられた 電気通信利用役務の提供 は資産の譲渡等のうち 電気通信回線を介して行われる著作物の提供 ( 著作物の利用許諾取引を含む ) その他の電気通信回線を介して行われる役務の提供とされます 但し 通信設備を用いて他人の通信の媒介を役務として提供する場合や 他の資産の譲渡等の結果の通知や他の資産の譲渡等に付随して行われる役務の提供は除かれます しかしながら 具体的にどのような役務提供が 電気通信利用役務の提供 に含まれるのかは十分明確ではありません 電気通信利用役務の提供の内外判定は 役務の提供を受ける者の住所 居所 本店若しくは主たる事務所の所在地等により行われます 国外事業者とは 非居住者である個人事業者および外国法人とする定義も設けられています PwC 2

新たに課税取引の対象となるのは 国外事業者から 電気通信利用役務の提供 が行われる場合ですが 役務提供が消費者向けか事業者向けかにより 課税方式が異なっています 事業者向け電気通信利用役務の提供とは 国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち 当該電気通信利用役務の提供に係る役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものとされ 広告の配信やクラウドサービス ( 取引相手を制限しない 一般消費者向けの物を除く ) 等が含まれると考えられます 事業者向け以外の電気通信利用役務の提供は すべて消費者向けとして取り扱われ 電子書籍や音楽の配信等が含まれると考えられます 消費者向け電気通信利用役務の提供は 通常の 資産の譲渡等 として課税対象に含まれますので 役務提供者である国外事業者が申告納税義務を有することになります 消費者向け電気通信利用役務の提供を受ける国内事業者は税込みの対価を国外事業者に支払いますが 国外事業者が登録事業者でない限り 仕入税額控除は認められません 一方 事業者向け電気通信利用役務の提供 ( 特定資産の譲渡等 ) は 当該役務の提供を受ける国内事業者の仕入取引 ( 特定仕入れ が課税対象とされ 国内の課税事業者が 特定課税仕入れ として申告納税義務を有することになります 従って 国内事業者は税抜きの対価を国外事業者に支払うことに留意が必要です 事業者向けに電気通信利用役務の提供を行う国外事業者は 当該役務提供がリバースチャージの対象である ( 役務提供を受ける国内事業者が消費税の納税義務を有する ) ことの表示の義務を負うことになりますが このような表示の有無にかかわらず 国内事業者は申告納税義務を有することには変わりません 課税の対象 取引の内外判定 ( 課税 不課税の判定 ) 現行改正後 ( 赤字が改正内容 ) 国内において事業者が行った資産の譲渡等 外国貨物の保税地域からの引き取り 資産の譲渡又は貸付け: 譲渡又は貸付けが行われる時において当該資産が所在していた場所 役務の提供: 役務の提供が行われた場所 国内において事業者が行った資産の譲渡等( 特定資産の譲渡等を除く ) 特定仕入れ( 事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等 ) 外国貨物の保税地域からの引き取り 資産の譲渡又は貸付け: 譲渡又は貸付けが行われる時において当該資産が所在していた場所 役務の提供( 電気通信利用役務の提供を除く ): 役務の提供が行われた場所 電気通信利用役務の提供: 役務の提供を受ける者の住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地 ( これらの場所がないときは 国内以外の地域で資産の譲渡等が行われた ( 役務提供を受けた ) ものとする ) 特定仕入れ: 役務の提供を受ける者の住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地 PwC 3

課税標準 納税義務者 課税資産の譲渡等: 課税資産の譲渡等の対価の額 保税地域からの課税貨物の引き取り : 関税定率法による算定金額に関税等の額を加算した金額 国内において課税資産の譲渡等を行った者 外国貨物を保税地域から引き取る者 課税資産の譲渡等 : 課税資産の譲渡等の対価の額 保税地域からの課税貨物の引き取り : 関税定率法による算定金額に関税等の額を加算した金額 特定課税仕入れ : 特定課税仕入れに係る支払対価の額 国内において課税資産の譲渡等を行った者 特定課税仕入れを行った者 ( 事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等を行った課税事業者 ) 外国貨物を保税地域から引き取る者 3. 電気通信利用役務の提供 に係る申告納税 (1) 事業者向け電気通信利用役務の提供を受ける場合 事業者向け電気通信利用役務 では 役務提供を受ける国内事業者が特定課税仕入に係る申告納税を行います 特定課税仕入れに係る消費税の課税標準は 特定課税仕入れに係る支払対価の額とされ 消費税額から控除する課税仕入れ等の税額は 特定課税仕入れに係る消費税額を含めて計算した金額とされます 特定課税仕入れを行う事業者の新消費税法適用日 (2015 年 10 月 1 日 ) を含む課税期間以後の各課税期間において課税売上割合が 95% 以上である場合には 当分の間 当該課税期間中に国内において行った特定課税仕入れはなかったものとされますので 課税売上割合が 95% 未満の事業者に限り 2015 年 10 月 1 日以後に受ける事業者向け電気通信利用役務提供について申告納税が必要となります (2) 消費者向け電気通信利用役務の提供を受ける場合 2015 年 10 月 1 日以後に 国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受ける場合は 登録国外事業者からの役務提供を除き 当分の間 仕入税額控除制度は適用されません 登録国外事業者から役務提供を受けた場合で 当該登録国外事業者の登録番号等が記載された請求書等の保存等の要件を満たす場合には 仕入税額控除制度の適用が認められます 4. 国外事業者の申告納税義務等 国内で 消費者向け電気通信利用役務の提供を行う国外事業者は 事業者免税点制度の適用がない限り 2015 年 10 月 1 日以後の役務の提供に係る消費税の申告納税義務を負います (1) 登録国外事業者の登録電気通信利用役務の提供を行い 又は行おうとする国外事業者は 2015 年 7 月 1 日以後 納税地を所轄する税務署長を経由して国税庁長官に登録の申請ができます ( 登録を受けるためには下記の要件が必要です ) 国内において行う電気通信利用役務の提供に係る事務所 事業所その他これらに準ずるものの所在地が国内にあること又は消費税に関する税務代理人があること 納税管理人を指定していること ( 国税通則法第 117 条の規定の適用を受ける場合 ) 国税の滞納がないこと及び登録国外事業者の登録取消しから 1 年を経過していること 登録国外事業者の名称 本店等は 国税庁長官からインターネットを通じて公表されます 登録国外事業者が 登録を受けた日の属する課税期間の翌課税期間以後は 事業者免税点制度の適用を受けることはできません (2) 国外事業者に係る事業者免税点制度の適用事業者免税点判断で 基準期間における課税売上高には リバースチャージ方式によることとなる 事業者向け電気通信役務の提供 に係る対価の額 ( 特定課税仕入れの対価の額 ) は含まれません ( 注 ) 経過措置における特例事業者の課税期間の基準期間の初日が 2015 年 10 月 1 日前であるときは 当該基準期間の初日からこの制度の見直しが行われていたものとして事業者免税点制度の規定を適用します ただし これに困難な事情があるときは 2015 年 4 月 1 日から同年 6 月 30 日の期間に制度の見直しが行われていたものとして計算した課税売上高を代用し これを 4 倍して適用することもできます PwC 4

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