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Microsoft Word 栄マネ加算.doc

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目 次 Ⅰ 目的 Ⅱ 災害発生時等の対応 1 県内での災害発生時 (1) 事業内容 1 愛媛県内での派遣 2 支援活動に必要な特別用途食品等の調達 (2) 組 織 体 制 (3) 支援活動の実際 (4) 支援会員 ( 管理栄養士 栄養士 ) の役割 1 活動内容 2 参加条件 3 支援会員としての心

事例9

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準


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要配慮者支援班の業務 1 配慮が必要な人の情報把握 (1) 情報把握 総務班名簿係と連携し 避難所利用者 ( 避難所以外の場所に滞在する人を含む ) のうち 配慮が必要な人を グループごとに把握する 避難支援のための個別計画がある場合は 内容を確認する (2) 聞き取り 避難所利用者でつくるグループ

3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

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はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

2214kcal 410g 9.7g 1 Point Advice

災害時の「食べる」を支える

1 栄養成分表示を活用してみませんか? 媒体の内容 1 ページ 導入 ねらい : 栄養成分表示 とは 食品に含まれているエネルギー及びたんぱく質 脂質 炭水化物 食塩相当量などを表示したものであることを理解する 栄養成分表示を見たことがありますか? と問いかけ 普段から栄養成分表示を見ているか 見て

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

発行にあたって 自然災害が少ない岡山県に暮らす私たちは 全国各地で大規模地震等が起きても どこか他人事ですませてきました しかし 平成 21 年 8 月に起きた豪雨災害で 美作市を中心に家屋の全半壊や床上浸水が200 戸余りという大きな被害が発生しました 地域には高齢者の一人暮らしや高齢者世帯なども

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保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

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様式 1 食物アレルギーを持つ児童の保護者との面談調査票 ( 保護者 保育園記入用 ) 面談実施日 : 平成年月日 面談出席者 : 保護者側 保育園側 児童の情報 ( 保護者記入欄 ) クラス : 組 児童氏名 : 性別 : 男子 女子 生年月日 : 平成 年 月 日 年齢 : 歳 住 所 : 保護

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さらに, そのプロセスの第 2 段階において分類方法が標準化されたことにより, 文書記録, 情報交換, そして栄養ケアの影響を調べる専門能力が大いに強化されたことが認められている 以上の結果から,ADA の標準言語委員会が, 専門職が用いる特別な栄養診断の用語の分類方法を作成するために結成された そ

第3章 学校給食での対応

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2 夜食 毎日夜食をとっている者は では 22.5%( 平成 23 年 23.9%) であり で % と割合が高い では 18.3%( 平成 23 年 25.2%) であり 40 歳代で割合が高い 図 夜食の喫食状況 (15 歳以上 性別 年齢階級別 )

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する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

4 災害時における他機関 他施設との協定の締結状況災害時に他機関 他施設との協定を結んでいる施設は 97 施設で 1 か所と締結している施設が多くありました 締結先は 地元自治会 町内会 病院 近隣施設 社会福祉施設 物流会社 福祉ネットワーク 市町村等でした 図 2 災害時における他機関 他施設と

はじめに 1. 食事調整シート作成の背景がん患者は多様な要因によって食欲低下が起こります そのためがん患者の栄養管理においては 病態や栄養状態はもとより 経口摂取を阻害するさまざまな治療の副作用症状を総合的に考慮して 食事の風味 物性 量 頻度等の調整を行い 食事をおいしく食べやすく調整することが必

2) エネルギー 栄養素の各食事からの摂取割合 (%) 学年 性別ごとに 平日 休日の各食事からのエネルギー 栄養素の摂取割合を記述した 休日は 平日よりも昼食からのエネルギー摂取割合が下がり (28~31% 程度 ) 朝食 夕食 間食からのエネルギー摂取割合が上昇した 特に間食からのエネルギー摂取

資料 3-1 男女共同参画の視点からの 防災対応について 東日本大震災への男女共同参画の視点を踏まえた被災者支援 平成 23 年 7 月 20 日 内閣府男女共同参画局

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221 新潟県長岡市 齋藤氏【自治体における組織横断的な連携~精神障害者の地域移行を通して~】

27 年度調査結果 ( 入院部門 ) 表 1 入院されている診療科についてお教えください 度数パーセント有効パーセント累積パーセント 有効 内科 循環器内科 神経内科 緩和ケア内科

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

日本気象協会からのお知らせ 2019 年 9 月 11 日一般財団法人日本気象協会 トクする! 防災 (R) が各地の防災イベントにて ローリングストック 実践の啓発活動を推進 ~ 乳幼児ママ プレママの備蓄 防災に関するアンケート調査ではローリングストックの実践は 2 割にとどまる ~ 9 月は防

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給食委託業務の公募について 社会福祉法人教友会が運営する 介護老人福祉施設入所生活介護事業所やすらぎの里 尾車 及び 短期入 所生活介護事業所やすらぎの里 尾車の給食調理委託業務について 下記のとおり入札を行なうので 公告す る 平成 28 年 12 月 21 日 社会福祉法人教友会 理事長馬場八重

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は超速効型 (Q) と持効型 (G あるいは D) があればなんとかできるはずです その人の一日インスリン使用総量を単純に 3 ~ 4 等分し その量を朝昼夕と就寝前に R-R-R-N か Q-Q-Q-G(D) などで打ちます 災害時は食事の内容や時間が日常生活とは異なりますので インスリンも食前で

第3回検討会_質の向上WG検討状況報告

ウ食事で摂る食材の種類別頻度野菜 きのこ 海藻 牛乳 乳製品 果物を摂る回数が大きく異なる 例えば 野菜を一週間に 14 回以上 (1 日に2 回以上 ) 摂る人の割合が 20 代で 32% 30 代で 31% 40 代で 38% であるのに対して 65 歳以上 75 歳未満では 60% 75 歳以

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Ⅵ ライフステージごとの取り組み 1 妊娠期 2 乳幼児期 (0~5 歳 ) 3 学童期 (6~12 歳 ) 4 思春期 (13~19 歳 ) 5 成年期 (20~39 歳 ) 6 壮年期 (40~64 歳 ) 7 高年期 (65 歳以上 ) ライフステージごとの取り組み ( 図 )

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平常時の防災活動 家庭内対策 指導ポイント 家屋の耐震診断と補強 家具などの転倒 落下防止と避難経路の確保 市町においては耐 家具の転倒による被害を防ぐ 震診断や耐震補強の ため タンス 食器棚などの家 補助を行っていま 具は 動かないようあらかじめ す 固定しておきましょう 冷蔵庫 などキャスター

日本医師会ニュース「平成28年熊本地震」:情報提供第八報

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( 別添様式 2) 喀痰吸引等業務 ( 特定行為業務 ) の提供に係る同意書 下記の内容について十分な説明を受け内容を理解したので 喀痰吸引等業務 ( 特定行為業務 ) の実施に同意いたします 喀痰吸引等 ( 特定行為 ) の種別 口腔内の喀痰吸引該当する ( 実地研修を実施する行為 ) にチェック

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1 寿台養護学校 松ろうキャンパス 院内教室対象生教育相談 学校見学申込書 H30 年度より形式 方法が変わりました 1 別紙 教育相談カード 保護者記入用 学校記入用 と一緒に 寿台養護学校教育相談担当 までお申し込みください 2 個人情報保護のため 郵送にてお送りください 3 宛先

栄養スクリーニング資料 1-1 記入者氏名日髙理葉作成年月日平成 26 年 4 月 15 日 ( ふりがな ) 男障害程度区分 氏名 A 女 糖尿病 腎疾患生年月日 昭和 平成 61 年 月 日併存症 脂質異常症 高血圧主障害 知的障害 身体障害 その他 ( ) ダウン症候群

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食育に関するアンケート

結果の概要

-災害に備えて-

1 全体の目的のパート 目的 介護予防において なぜ栄養に注意することが必要かを伝えます 中年期の生活習慣病予防のための食事の注意だけでなく 高齢期になってからは低栄養の予防も大切なことをご理解いただきます 重点 食事は単なる栄養補給ではなく 楽しく おいしく食べることが大切であることが伝わるように

72 豊橋創造大学紀要第 21 号 Ⅱ. 研究目的 Ⅲ. 研究方法 1. 対象 A B

目 次 第 1 章ガイドラインについて 1 策定の趣旨 1 2 ガイドラインの位置づけ 1 3 特徴 1 4 災害時栄養 食生活支援活動の必要性 2 第 2 章平常時の備え 1 市町村の取組 6 2 保健所の取組 7 3 県庁の取組 9 4 関係団体等の取組 10 第 3 章災害時の栄養 食生活支援

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計画相談支援 障がい児相談支援における特定事業所加算に係る基準の遵守状況に関する記録 ( 保存用 ) 平成年月サービス提供分 異動等区分 1 新規 2 継続 3 変更 4 廃止 加算の区分 1 特定事業所加算 (Ⅰ) 2 特定事業所加算 (Ⅱ) 3 特定事業所加算 (Ⅲ) 4 特定事業所加算 (Ⅳ)

( 別記報告様式 1 ) 記載例 2 感染症等 ( 疑 ) 発生報告票 1 報告年月日 平成 1 9 年 4 月 1 日 ( 日 ) 1 5 時 0 0 分現在 2 施設等の名称 学校法人 函館学院 函館保健所幼稚園 ( 種 別 ) ( 私立幼稚園 ) 4 報 告 者 職 氏 名 園 長 名 函 館

第3章 調査のまとめ

調査の概要 本調査は 788 組合を対象に平成 24 年度の特定健診の 問診回答 (22 項目 ) の状況について前年度の比較から調査したものです 対象データの概要 ( 全体 ) 年度 被保険区分 加入者 ( 人 ) 健診対象者数 ( 人 ) 健診受診者数 ( 人 ) 健診受診率 (%) 評価対象者

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

栄養管理報告書 ( 保育所 幼稚園等 ) 保健所長 殿 年 月分 施設名所在地管理者名電話番号 Ⅰ 施設種類 Ⅱ 食事区分別 1 日平均食数及び食材料費 Ⅲ 給食従事者数 1 幼稚園 2 保育所 ( 認可 ) 3 認定こども園 4 その他 ( 認証保育所等 ) 食数及び食材料費 施設側 ( 人 )

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第 4 章 地域における食育の推進 1 栄養バランスに優れた 日本型食生活 の実践 ごはんを中心に 魚 肉 牛乳 乳製品 野菜 海藻 豆類 果物 茶など多様な副食などを組み合わせて食べる 日本型食生活 は 健康的で栄養バランスにも優れている 農林水産省では 日本型食生活 の実践等を促進するため 消費


はじめに 目次 はじめに 目 次 この冊子は ゲンボイヤをお飲みになる方に向けて作成されたものです 注意事項などが記載されていますので お飲みになる前にご一読ください なお この冊子の記載内容だけでは十分ではありませんので 担当の医師や 看護師 薬剤師などからの説明をよく聞き 指示をしっかり守ってく

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依頼がありました さらに マルチビタミン ( 鉄も含めて ) の有効性をどう考えるか 最善 最適なものは何か また プロテインについて 栄養補助食品等でふりかけるタイプとか 無味無臭で使いやすいものはないか 介入に関して 栄養評価とモニタリングをしてまとめてほしい 等について話し合いました 経費的な

Transcription:

災害時の栄養 食生活支援マニュアル 平成 23 年 4 月 独立行政法人国立健康 栄養研究所 社団法人日本栄養士会

災害時の食事や栄養補給の活動のながれ フェイズ フェイズ 0 フェイズ 1 フェイズ 2 フェイズ 3 震災発生から 24 時間以内 72 時間以内 4 日目 ~1 ヶ月 1 ヶ月以降 栄養補給 高エネルギー食品の提供 たんぱく質不足への対応 ビタミン ミネラルの不足への対応 主食 ( パン類 おにぎり ) を中心 炊き出し 弁当支給 水分補給 被災者への対応 代替食の検討 乳幼児 高齢者( 嚥下困難等 ) 食事制限のある慢性疾患患者 巡回栄養相談 糖尿病 腎臓病 心臓病栄養教育 ( 食事づくりの指導等 ) 肝臓病 高血圧 アレルギー仮設住宅入居前 入居後 被災住宅入居者 場所 炊き出し避難所避難所 給食施設避難所 給食施設避難所 給食施設 栄養相談避難所 被災住宅避難所 被災住宅避難所 被災住宅 仮設住宅

災害時における管理栄養士 栄養士の救援活動について 被災地における救援活動で最も重要なことは 被災者のサポートを第一に考えることです その上で 管理栄養士 栄養士として 主に食事や栄養補給の面で支援が求められます 阪神 淡路大震災 新潟県中越大地震 新潟県中越沖地震の際には 炊き出しや栄養相談などが行われました 1. 支援者としての心構え 支援者自身の健康管理に注意しましょう 現在 身体的 精神的状態で活動に影響を与える問題はありませんか ( 最近受けた治療や手術 活動の妨げとなる食事制限 活動および身体的な疲労に耐える能力 服薬している場合 活動期間が延びたときの薬の入手方法に留意 ) 支援者は二次受傷者となる可能性もあります ( 被災地で救援活動を行うことで 自らも傷つくことがあります ) 被災地の様々な情報を知っておきましょう 被災地ですでに活動している支援者から 事前に現場の指揮命令系統 組織 方針と手順 安全性 利用できるサービスなどについて説明や情報を得ましょう いきなり活動をはじめるのではなく まずは様子を見守りましょう 現場の状況や対象となる人の様子をよく見て 思いやりのある態度で対応しましょう ( 被災者が拒否することにも準備をしておきましょう ) 被災者と話すときは 簡潔でわかりやすい言葉を使い ゆっくり話しましょう 忍耐強く 共感的で 穏やかに話してください 略語や専門用語の使用は好ましくありません ( 例えば 食事制限 ではなく 食べ方を工夫するように心がけましょう などと表現しましょう ) 他の支援者及び援助機関と連携し 協調性をもって活動しましょう 現場を管理しているスタッフや組織と連携し 柔軟に対応しましょう * 経験する可能性のある次のような状況でも落ち着いて対応しましょう 極度の苦痛を経験し 悲鳴をあげる ヒステリックに泣きわめく 怒る ひきこもるなどの極端な反応を示している人たちに働きかけること ( 被災者にみられる精神的な動揺の多くは 災害時に誰にでも起こりうる正常な反応です ) 混乱した 予測不可能な状況で活動すること 被災者が拒否すること( すべての被災者が話しをしたがっている あるいは話をする必要があると考えないでください ) 食事や栄養補給の支援とは思えないような仕事を引き受けること( 物資の運搬 掃除をするなど ) 指揮や管理の体制が最低限 もしくはほとんど整っていないような状況で活動すること 援助の考え方や手法が異なる様々な分野の専門職と活動を共にすること 1

2. 炊き出し 炊き出し計画 炊き出し計画 ( 材料の調達 献立の作成等 ) は被災地の状況により様々であるため 現地で策定されたものに従ってください 炊き出しの際の衛生管理について 食事の準備前には水で手を洗う 水がない場合は手指消毒剤を( 持参するなどして ) 使用する 調理場所は直射日光やほこりを避ける( 屋外では仮設テント等の使用 必要に応じてビニールシート 台 すのこ等も使用 ) 容器や使用器具は 土やほこりがかからないようにビニール等で覆う 保冷庫内では 生の肉 魚 卵とその他の食材を分けて保存する これらの食品を取り扱う従事者を限定し 取り扱う際には使い捨て手袋を使用する また これらの食品を取り扱う場所は野菜を取り扱う場所から離れた場所とする 炊き出しの容器は 衛生面の配慮から使い捨ての容器が望ましい 大量調理の場合は 切るサイズをそろえる 食材の調理の順序を工夫することが必要 提供する食品は 提供直前に十分加熱する また 食中毒防止のため なるべく速やかに喫食するよう勧める ただし 手袋 ラップ ポリ袋 使い捨て容器等は不足も予想されるため 状況に応じて適宜対応すること また 調理場所や保管場所も状況に応じて適宜対応する 参考 ) 兵庫県こころのケアセンター( 日本語版作成 ): サイコロジカル ファーストエイド実施の手引き第 2 版 (2009) 東京都福祉保健局: 災害時の こころのケア の手引き (2008) 日本薬剤師会: 薬局 薬剤師の災害対策マニュアル- 災害時の救援活動と平時の防災対策に関する指針 -(2007) 兵庫県立大学大学院看護学研究科 21 世紀 COEプログラム ユビキタス社会における災害看護拠点の形成 看護専門家支援ネットワークプロジェクト : 災害時の看護ボランティア活動の知恵袋 ( 直後 ~ 中期 : 避難の時期の支援活動 )~ 発災後 1ヶ月程度まで~(2007) 新潟県災害時栄養 食生活支援活動ガイドライン http://www.kenko-niigata.com/21/shishin/sonotakeikaku/saigaijieiyoupdf/4_takidasijireip80_82.pdf 兵庫県災害時食生活改善活動ガイドライン http://web.pref.hyogo.jp/contents/000111278.pdf 津波 地震において自分 家族 同僚 地域の健康を守るヒント集 http://kojiwada.blogspot.com/2011/03/blog-post_51.html 3. 避難所での食事相談避難所では 普通の食事ができない人への個別支援が求められる場合が多くあります その場合 特殊食品等の食料調達支援を行うとともに 医師 保健師 他のスタッフ等と連携して それらの人に対する食料提供や栄養指導を行う必要があります 新潟県中越地震などの過去の経験より 高齢者 乳児 疾患を持つ方 ( 糖尿病 腎臓病 アレルギー ) からの相談が多くなることが予想されます 以下は 食事相談を行う際の案内のチラシ 栄養指導の記録票の例です 2

普通の食事が 食べられない方は ご相談ください 乳児用ミルク 離乳食 おかゆなど軟らかい物 塩分制限 たんぱく制限 糖尿病食 アレルギー除去食などが必要な方 3

食事 ( 栄養 ) のことで ご心配がある方へ 食事や栄養のことで 不安なことや相談したいことがある方は お気軽にご相談ください 例えば 離乳食やミルクのこと 普段 糖尿病等で 食事制限をしている 固いものが食べにくい ( ご高齢の方など ) アレルギーがあるなど 上記以外でも食事や栄養のことで気になることがあればご相談ください 避難所の食事担当の方へお伝えいただいても結構です 相談先 相談窓口 課 連絡先 TEL ( ) - FAX ( ) - 4

被災地状況把握シート ( 例 ) 記入日 年 月 日 避難所名 ( 避難所 ) 記入者氏名 ( ) 避難所の状況 ライフライン 水道 ( 使用可 使用不可 給水車 ( 有 無 ) ガス ( 使用可 使用不可 ) 電気 ( 使用可 使用不可 ) 暖房器具 ( 使用可 使用不可 ) トイレ 使用可 施設のトイレ ( 0 ) 個 仮設トイレ ( 5 ) 個 ) 使用不可 ( ) 支援スタッフ 医師 常駐 ( 1 ) 名 巡回 ( 無 有 ) 週 ( ) 回 保健師常駐 ( 1 ) 名 巡回 ( 無 有 ) 週 ( ) 回 看護師常駐 ( 0 ) 名 巡回 ( 無 有 ) 週 ( 1 ) 回 栄養士常駐 ( 1 ) 名 巡回 ( 無 有 ) 週 ( ) 回 その他 ( 0 ) 名 ( ) 支援物資 水 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 水以外の飲料 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 弁当 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 食品 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) これまでに届いた食品 ( 魚の缶詰 おにぎり パン ) 栄養機能食品 特別用途食品 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 医薬品 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 毛布 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 提供主体 ( 行政 自衛隊 ボランティア ) 炊き出し ( 行っていない 行っている ) ( 開始日平成 年 月 日 ) 調理者 ( 行政 自衛隊 ボランティア 避難住民 ) 食事内容 ( 主食 たんぱく質を多く含む食品 ( 肉 魚 卵 乳類等 ) 野菜 果物 ) 記入日またはここ 2-3 日の状況をご記入下さい 避難住民の状況 避難所住民数 収容人数 ( 300) 名 男女比 ( 男 2 : 女 3 ) 年齢層 ( ) 特別な配慮が 乳幼児 ( いる いない )( 5 ) 名 必要な方 妊産婦 ( いる いない )( ) 名 高齢者等嚥下困難な方 ( いる いない )( 1 ) 名 慢性疾患等で食事制限が必要な方 ( いる いない )( 10 ) 名 食物アレルギーがある方 ( いる いない )( ) 名 対応状況 ( おおむね対応できている 対応できていない ) 理由 ( 嚥下困難者への特別用途食品が入手困難であり 対応できていない ) 自由記載欄 ( 困 っていること等 ) 5

被災者健康相談票 ( 例 ) 相談日 年 月 日 No 担当者名 種別 面接 避難所名又は住所 ( 避難所 ) TEL( 電話番号 : ) その他( ) 相談者氏名 対象者 本人 本人以外 氏名 ( ) ( 続柄 : 父 ) 以下は 対象者の方についてご記入下さい 生年月日 明治 大正 昭和 平成 ( ) 年 ( ) 月 ( ) 日 ( ) 歳 対象者属性 乳幼児 妊婦 授乳婦 食物アレルギー 現病歴 糖尿病 高血圧 腎臓病 その他( ) 現病歴の治療状況 現在の服薬状況 ( 中断 継続 ) 薬品名 ( ラキソベロン ) これまでの 食事制限 ( 有 無 ) 食事制限 具体的な制限内容 ( 糖尿病 1800kcal ) 現在の 発熱 吐き気 便秘 下痢 口腔内症状( ) 自覚症状 歯に関する症状 その他( ) 現在の食事 乳児の場合 ( 母乳 粉ミルク 混合 ) 内容 離乳食 ( 開始 未開始 ) 子ども 成人 妊婦 授乳婦 高齢者の場合 ( 主食 たんぱく質を多く含む食品 ( 肉 魚 卵 乳類等 ) 野菜 果物 ) 具体的な食事内容 ( ) 1 日の食事回数 ( 1 回 2 回 3 回 その他 ( ) ) 食欲 ( 有 無 ) 水分摂取状況 ( 1000 ml) 身体活動 ( 1 日座位 寝ていることが多い 身体を動かしている ) 相談内容 避難所で自衛隊の炊き出しを利用しているが 糖尿病の食事コントロールが困難 指導内容 今後の支援計画 自由記載欄 ( 解決 継続 ) 現状からは医療での管理が望ましいと思われる 食事内容については栄養指導班につなげる 参考 ) 新潟県災害時栄養 食生活支援活動ガイドライン - 実践編 - 一部改変 http://www.kenko-niigata.com/21/shishin/sonotakeikaku/jissennhenn.html 6

被災者栄養相談票 ( 経過用紙 )( 例 ) 救護場所 氏名 No 平成 年 月 日 相談方法 相談内容 指導内容 担当者 避難所での自衛隊の炊き出しを利用 3/24 肥満や糖尿病があり自分でも気にな * 自衛隊の食事利用への指導 栄養指導班 (11 日目 ) っているが 食事のコントロールが 食事量を控えめにする 面接 困難 野菜は全部食べるようにする 上の歯がないため ご飯はたべにく * レトルト粥の利用 く感じているが 自分ばかりがわが 歯の問題からレトルト粥を渡 ままを言えないと感じている し 夕食に粥を取り入れる レトルト粥に変更可能か確認 する 3/28 栄養指導班 (15 日目 ) 面接 参考 ) 新潟県災害時栄養 食生活支援活動ガイドライン - 実践編 - 一部改変 http://www.kenko-niigata.com/21/shishin/sonotakeikaku/jissennhenn.html 7

避難所栄養指導計画 報告 ( 例 ) 平成 年 月 日 ( ) 巡回 避難所名 対象者 年齢 性別 主な疾患 栄養指導 指導状況 担当者 特記事項 日時 氏名 実施有無 3/24 64 歳 男性 糖尿病 有 糖尿病の食事指導を実施 継続的な指導が必要 栄養指導班 歯の問題有 レトルト粥が必要 参考 ) 新潟県災害時栄養 食生活支援活動ガイドライン - 実践編 - 一部改変 http://www.kenko-niigata.com/21/shishin/sonotakeikaku/jissennhenn.html 8

被災地状況把握シート記入日年月日 避難所名 ( ) 記入者氏名 ( ) 避難所の状況ライフライン 水道 ( 使用可 使用不可 給水車 ( 有 無 ) ガス ( 使用可 使用不可 ) 電気 ( 使用可 使用不可 ) 暖房器具 ( 使用可 使用不可 ) トイレ 使用可 施設のトイレ ( ) 個 仮設トイレ ( ) 個 ) 使用不可 ( ) 支援スタッフ 医師 常駐 ( ) 名 巡回 ( 無 有 ) 週 ( ) 回 保健師常駐 ( ) 名 巡回 ( 無 有 ) 週 ( ) 回 看護師常駐 ( ) 名 巡回 ( 無 有 ) 週 ( ) 回 栄養士常駐 ( ) 名 巡回 ( 無 有 ) 週 ( ) 回 その他 ( ) 名 ( ) 支援物資 水 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 水以外の飲料 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 弁当 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 食品 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) これまでに届いた食品 ( ) 栄養機能食品 特別用途食品 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 医薬品 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 毛布 ( 無 有 ) ( 十分 不十分 ) 提供主体 ( 行政 自衛隊 ボランティア ) 炊き出し ( 行っていない 行っている ) ( 開始日平成 年 月 日 ) 調理者 ( 行政 自衛隊 ボランティア 避難住民 ) 食事内容 ( 主食 たんぱく質を多く含む食品 ( 肉 魚 卵 乳類等 ) 野菜 果物 ) 記入日またはここ 2-3 日の状況をご記入下さい 避難住民の状況避難所住民数 収容人数 ( ) 名 男女比 ( 男 : 女 ) 年齢層 ( ) 特別な配慮が 乳幼児 ( いる いない )( ) 名 必要な方 妊産婦 ( いる いない )( ) 名 高齢者等嚥下困難な方 ( いる いない )( ) 名 慢性疾患等で食事制限が必要な方 ( いる いない )( ) 名 食物アレルギーがある方 ( いる いない )( ) 名 対応状況 ( おおむね対応できている 対応できていない ) 理由 ( ) 自由記載欄 ( 困 っていること等 ) 9

被災者健康相談票相談日年月日 No 担当者名 種別 面接 避難所名又は住所 ( ) TEL( 電話番号 : ) その他( ) 相談者氏名 対象者 本人 本人以外 氏名 ( ) ( 続柄 : ) 以下は 対象者の方についてご記入下さい 生年月日 明治 大正 昭和 平成 ( ) 年 ( ) 月 ( ) 日 ( ) 歳 対象者属性 乳幼児 妊婦 授乳婦 食物アレルギー 現病歴 糖尿病 高血圧 腎臓病 その他( ) 現病歴の治療状況 現在の服薬状況 ( 中断 継続 ) 薬品名 ( ) これまでの 食事制限 ( 有 無 ) 食事制限 具体的な制限内容 ( ) 現在の 発熱 吐き気 便秘 下痢 口腔内症状( ) 自覚症状 歯に関する症状 その他( ) 現在の食事 乳児の場合 ( 母乳 粉ミルク 混合 ) 内容 離乳食 ( 開始 未開始 ) 子ども 成人 妊婦 授乳婦 高齢者の場合 ( 主食 たんぱく質を多く含む食品 ( 肉 魚 卵 乳類等 ) 野菜 果物 ) 具体的な食事内容 ( ) 1 日の食事回数 ( 1 回 2 回 3 回 その他 ( ) ) 食欲 ( 有 無 ) 水分摂取状況 ( ml) 身体活動 ( 1 日座位 寝ていることが多い 身体を動かしている ) 相談内容 指導内容 今後の支援計画 ( 解決 継続 ) 自由記載欄 10

被災者栄養相談票 ( 経過用紙 ) 救護場所 氏名 No 平成 年 月 日 相談方法 相談内容 指導内容 担当者 11

避難所栄養指導計画 報告 平成年月日 ( ) 巡回日時 避難所名 対象者氏名 年齢 性別 主な疾患 栄養指導実施有無 指導状況担当者特記事項 12