第3章 阿武隈川の絆 航空写真 水質対策に対する取り組みについては 昭和60年度より農業集落排水事業に着手し平成14年度に全村整備が終了 し 還元水の大幅な水質改善が図られ環境改善の一助となっています 今後の課題 本村は緑化木の村と呼ばれるほど 庭木等の生産が盛んで自然景観 農村景観を活かした住民総

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西 郷 村 阿武隈川と西郷村 江戸時代の白河藩主松平定信公は彼の著書 関の秋風 に 白川へ至りてかし の山見ざらんは 孔子の門過ぎてはいらざるが如し かしの山へ至りて楓葉の風 色見ざらんは 堂に至りて 室に入らざるが如し と記しています その甲子の奥深く那須山系三本槍岳に源を発する阿武隈川は 甲子に

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目 次 桂川本川 桂川 ( 上 ) 雑水川 七谷川 犬飼川 法貴谷川 千々川 東所川 園部川 天神川 陣田川

7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

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3. 阿武隈川サミットの組織 阿武隈川サミットを構成するメンバーは 源流の福島県西郷村から河口の宮城県亘理町までの沿川の自治体です 福島県の7 市 5 町 5 村と宮城県の2 市 3 町 合計 22 市町村がメンバーとなっています このほかに アドバイザーとして国土交通省の福島及び仙台河川国道事務所

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平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

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いる この中で 自然と共生した持続可能な循環型社会の推進 に向けては 地球温暖化をはじめとした環境問題は年々深刻さを増す中 東日本大震災で改めて 自然 がかけがえのない大切なものであること 私たちも生態系の一部として 共生 していることを痛感したところであり これを教訓として 豊かな水と緑が育む自然

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市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策

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東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4


3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

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市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

第 3 次 山形県総合発展計画 短期アクションプラン ( 平成 25 年度 ~28 年度 ) 平成 2 5 年 3 月 山形県

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Q3 現在の川幅で 源泉に影響を与えないように河床を掘削し さらに堤防を幅の小さいパラペット ( 胸壁 ) で嵩上げするなどの河道改修を行えないのですか? A3 河床掘削やパラペット ( 胸壁 ) による堤防嵩上げは技術的 制度的に困難です [ 河床掘削について ] 県では 温泉旅館の廃業補償を行っ

1. 土地利用マスタープラン策定の趣旨 鶴岡市土地利用マスタープランは 平成 17 年 10 月 1 日の市町村合併による市域の拡大に対応し 市土の総合的かつ計画的な土地利用を進める上での指針として策定した鶴岡市国土利用計画を基本としながら 長期的かつ総合的な観点から 将来の土地利用の方針を図示する

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水防法改正の概要 (H 公布 H 一部施行 ) 国土交通省 HP 1

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5. 防災 減災への取組強化 (2) 国土強靱化の理念の実現 既存施設の有効活用 ( 平常時と非常時における施設の効果的な活用 ) 既存の農地や農業用施設が有している防災機能を有効活用した防災 減災対策 ため池 空き容量の活用と低水位管理の推進 空き容量 洪水調整容量等 ため池廃止

ANNUAL REPORT

1 次期計画の策定の基本的考え方 県民会議は 県民参加による水源環境保全 再生のための新たな仕組みづくり として 設置され 現在まで 3 年にわたり 県民フォーラム等により県民参加を図りながら 各年度の点検を行い 県に報告してきたところである その中において 現行計画の各施策は 水源環境の保全 再生

平成31年度予算概算決定額 森林整備事業 治山事業 林野公共事業 (平成30年度1次補正予算額5,199百万円 182, ,049 百万円 平成30年度第2次補正予算額 32,528百万円) 臨時 特別の措置 として31年度概算決定額44,128百万円を別途措置 対策のポイント 林業の成

目 次 平方北部物流施設地区地区計画計画書 1P 平方北部物流施設地区地区計画計画図 3P 平方北部物流施設地区地区計画 地区整備計画 の内容の解説 4P (1) 建築物等の用途の制限 5P (2) 建築物の敷地面積の最低限度 6P (3) 建築物等の高さの最高限度 6P (4) 壁面の位置の制限

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

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Taro-【済】85頁-91頁_07主要事業の概要(農地整備課)

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

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近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流


1 貴重な自然環境を継承するため 保全活動に取り組みます 指標目標の推移 指標目標 米代川やきみまち阪 風の松原などの豊かな自然を他に誇れると思う市民の割合 ( 市民意識調査 ) 松くい虫被害量 計画策定目標値 H20 年度 H21 年度 H22 年度 H23 年度 H24 年度 H19 年度 (H

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3. 下水道の整備状況平成 30 年 3 月 31 日現在 県内では 20 市町のうち 11 市 6 町で公共下水道事業が実施されており 17 の市町で供用されています しかしながら 愛媛県の下水道普及率は 53.7% と全国第 38 位となっており まだまだ遅れています 瀬戸内海や宇和海などの豊か

第 7 章砂防第 1 節砂防の概要 秋田県は 北に白神山地の二ツ森や藤里駒ケ岳 東に奥羽山脈の八幡平や秋田駒ヶ岳 南に鳥海山など 1,000~2,000m 級の山々に三方を囲まれています これらを水源とする米代川 雄物川 子吉川などの上流域は 荒廃地が多く 土砂の発生源となっています また 本県の地

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ポイント 河川法の法令に基づく手続きを的確に行い できるだけ早く河川整備計画を策定するよう努力 ダムについて効果が限定的という意見もあるが 実施箇所だけでなく淀川水系の上下流全体に幅広く効果があるものであり また洪水時水位をできるだけ低くし安全基準を守る上で必要不可欠なもの 治水対策は あらゆる規模

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Ⅰ 全体構想 1 都市づく りの将来 目標 都市づくりの目標 悠久の歴史が育む にぎわい 快適 まごころ創造都市 大和郡山 自然 歴史等の地域資源の保全と活用 自然 歴史等に触れ 親しみ 学べるような環境づくりをめざします また 県内各地の観光地とのネッ トワーク化を図り その拠点となることをめざし

資料4 検討対象水域の水質予測結果について

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唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

7-7 丸子地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水辺 里山 人きらめき 産業活力が満ちた依田川流域のまち ( 基本目標 ) 製造業の集積が高い地域であることから 職住近接のゆとりある生活空間の創出をめざすとともに 地域内外の交流促進や日常生活のための道路交通環境整備を進めます 依田川 内村川周辺に

附帯調査

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Transcription:

中 島 村 中島村と阿武隈川 母なる恵みの川 として阿武隈川は いにしえより中島村やその流域の人々 の生活や地域社会に 多大な影響と利益をもたらして来た 川を境界として白河東 旧東村 石川町 矢吹町と接しており 延長約9.5 の豊かな流れを形成しています また 下流域約2.5 手前には 白河市北側を 起点として 本村に至る泉川が阿武隈川と合流しています 本村はこの阿武隈川に添う様に田園地帯が広がり 古くから米どころとして名を はせています 今でも農業用水として取水利用され 地域の人々との共存共栄が 図られております 今は社会形態の変化や 東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響を受け 子 供たちが以前の様に川で遊ぶ姿等は見受けられなくなり 寂しさを感じています 1997年に改正された 河川法 では国の河川行政の目的が 治水と利水を中 心とするものからさらに 環境の保全 整備を図ることを加えるとともに河川整 備のあり方について流域の自治体や住民が責任を持って参画することの必要性が 加えられました 中島村長 加藤 幸一 住民により毎年実施されている河川敷の清掃活動や サイクリングロード整備 桜並木構想なども出されており これからも地域一体となり阿武隈川との関わり 方を考えていきたいと思います 取り組みの現状 治水事業は活力ある地域社会と安全で快適な生活を実現するための 最も優先 すべき根幹的事業であります 本村でも豪雨などにより古くから幾度となく大きな水害に見舞われてきたことを 受け 昭和45年から県により河川改修事業が開始され 現在80 程度の改修率 となっています 下流部に両岸部の急傾斜により川幅が狭く上戸のような場所が 面 人 積 口 18.91 4,997人 H26 9 1 現在 あり 洪水被害誘発要因となっており 現在もこの箇所の改修要望を継続して 行っているところです 下流側市町村部の整備が未整備のため 改修が進まず大 変苦慮しているところでありまして 洪水被害発生のたびに住民より早期の河川 改修実施要望が出されています 本村では 農業生産性向上を図るためいち早く圃場 整備事業に着手し 昭和39年県営圃場整備事業 全国で最初に完成をみており この南東に広がる水田 地帯は村内耕地面積の7割をしめ 河川水を灌漑用水 として取水利用しています 今後将来にわたり健全な 河川水の利用が維持されるよう 河川管理者 関係機 関及び地域住民が協同し適正な水管理に努めていかな ければならないと考えます 河川清掃 36

第3章 阿武隈川の絆 航空写真 水質対策に対する取り組みについては 昭和60年度より農業集落排水事業に着手し平成14年度に全村整備が終了 し 還元水の大幅な水質改善が図られ環境改善の一助となっています 今後の課題 本村は緑化木の村と呼ばれるほど 庭木等の生産が盛んで自然景観 農村景観を活かした住民総参加型の村づくり を進めております 平成 9 年には農業用ため池を活用し 水辺空間を中心とした公園を整備し 今も多くの村民及 び村外来園者の憩いの場として好評を博しています 将来に向け阿武隈川についても 地域の環境財産として住民に親しまれる利用の方法を検討していく必要があります 未改修部の早期改修を実現し 子供から大人まで川と親しめる親水施設の整備 サイクリングロードなども検討して 行きたく考えます 未来の子供たちに我々が残すもの それは安全な河川環境 安定した利水環境 楽しめる親水環境 そしていにし えより受け継いできた 阿武隈川とともに共存していく心 であると思っています 37

石 川 町 石川町と阿武隈川 阿武隈川は石川町の北西に位置し 延長 9 にわたり西白河郡中島村及び矢 吹町との境界を流れています 阿武隈川沿いには 鷹ノ巣 と呼ばれる景勝地 中島村では鷹ノ図と呼ばれ る があります 阿武隈山地から派生した花崗片麻岩台地が この地の西北方で 阿武隈沖積平野に強くせり出したため その接触点を流れる阿武隈川の浸食作用 を受け 数丈の断崖と丈余の深淵とに削り取られてできたものと考えられていま す 今なお千古の老松が岩盤を割って自生し 断崖上に整備された鷹ノ巣公園には 春は桜 秋はもみじと四季それぞれ趣のある景観を呈する憩いの場となっていま す また 冬には白鳥が飛来し訪れる人々を楽しませてくれます さらに 阿武隈川沿いには はるか弥生時代中期前葉の姿を示す東北地方最大 の鳥内遺跡 前方後円墳三基と円墳六基からなる大壇古墳群 円墳九基からなり 横穴式石室をもつ悪戸古墳群等があり 河川沿いに暮らした古代人の思いを伝え ています 利水事業としては 土地改良区が農業用水として灌漑面積約148haに用水取水 し 町有数の稲作地帯の一つが形成されています 石川町長 加納 武夫 時には河川の氾濫により 農地等に大きな被害をもたらしますが 阿武隈川の 豊かな自然景観と広大な農地を潤す農業用水として 私たちに多くの恵みを与え てくれます 取り組みの現状 阿武隈川流域は過去に幾多の水害に見舞われ 最近においても農地や家屋の浸 水被害が発生するなど 河川改修の緊急性 重要性は一層高まっています 石川町内を流れる阿武隈川支川に飛鳥川 今出川 北須川 社川がありますが 近年 ゲリラ豪雨と呼ばれる集中豪雨により記録的な雨量が観測されるなど 河 川管理にはこれまで以上に細心の注意と万全の防災体制が求められています また 良好な河川環境の確保に向け 石川町では合併処理浄化槽の設置を重点 的に取り組んできました この間 合併浄化槽に対する住民の理解も広まり 補 助制度等の継続等により設置数も伸びているところです 面 人 積 口 115.71 16,809人 H26 9 1 現在 土地改良区では 河川水門等の適正な管理を行うとともに 春先には地元住民 を含め阿武隈川の堤防の野焼き作業を行って頂いております 町においては 7 月に県下一斉に行われる河川クリーンアップ作戦において 町民による河川沿い の草刈りや清掃作業を行ない ふるさとの美しい河川 の維持と愛護思想の普及に努めています 近年 いくつかのボランティア団体が年間を通し河 川やダム周辺のゴミ拾いを実施するなど河川を守る取 り組みが行政ばかりでなく一般の住民も交えた活動に 広まってきています 水質保全対策として 河川の水質を把握するため 昭和58年度から今出川と北須川を 2 ヵ月に 1 回 平 成17年度からは阿武隈川の水質調査を年 1 回実施し 汚濁状況の確認をしています 阿武隈川の白鳥 38

第3章 阿武隈川の絆 鷹ノ巣と阿武隈川 さらには 震災後は実施できませんでしたが 小学生による せせらぎスクール を開催し 環境教育を通じて子 供たちに水質保全等に対する意識高揚を図ってきました 今後の課題 阿武隈川の支川 北須川上流に築造された農業用ダムの千五沢ダムは 上流域での合併浄化槽設置が進んではいる ものの 生活系や畜産系の汚染水の流入がみられ また ダムの閉鎖性により湖水の富栄養化により水質改善が進ん でいない状況にあり 引き続き 上流域の関係町村と連携し水質浄化対策を強化していく必要があります また 石川町生活排水処理基本計画において 合併処理浄化槽については目標年次の平成32年までに生活排水処 理率を70 に定めており 補助制度の継続により目標達成に向けた取り組みを進め 上流域自治体としての責任を 果たすため努力してまいります 更に 東日本大震災を教訓とし 河川をはじめ様々な災害に対応できるよう万全の態勢を整えるとともに 良好な 河川環境を保つため 関係機関と連携し計画的な整備や改修等を図っていきたいと考えています 子供たちが裸足で遊べる川づくりを目指して 石川町は 阿武隈川の支川である北須川 今出川が町の中央部を流れ 河川沿いには桜並木や川のせせらぎが町民 に安らぎと潤いを与えており 川と人との共生を後世に残していくことは私たちの責務と考えています そのためには 住民との協働のまちづくりを実現し 美しい河川景観 良好な河川環境を守るため様々な活動を展 開していく必要があります 河川沿い遊歩道の管理や除草 家庭で取り組む排水対策の徹底 子どもに対する環境教 育の充実など 河川を守るため町民一人一人の意識を高めていきたいと思います 私たちの生活を支える川 豊かな川の流れがもたらす幸せを感じながら 子ども達が裸足で遊べる川づくりを目指 していきます 39

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