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はじめに NPO 法人芸術家のくすり箱は 身体を資本として表現活動をしている芸術家が 十分に力を発揮し活躍できるよう 芸術家の活動に役立つ身体の知識やコンディショニング法 怪我 故障からの復帰支援など 芸術家のヘルスケアを総合的にサポートする活動を行っています 当団体のミッションのひとつに 芸術医科学 の推進と普及があります スポーツ分野では それぞれの競技特性をふまえたスポーツ医科学の研究と現場での実践が進み 各競技に合ったヘルスケアが 怪我予防や競技能力の向上などに生かされてきました ひるがえって 実演芸術の分野では それぞれの活動特性をふまえた職業上の怪我や故障の実態は まだ共有されているとは言えず またその対策は各個人に任せられている状況です その実態とニーズを広く把握するため 2007 年にバレエ 演劇 オーケストラの3つの分野のプロの芸術家に対し 第 1 回芸術家の健康に関する実態 ニーズ調査 を実施しました 600 名を超える芸術家によるこの領域の定量調査は初めてのことで そのデータは国内外の芸術医科学の学会等で発表するほか 当団体の各種事業プログラムに反映してまいりました 第 2 回調査となる今回は 前回調査の 3 分野に加え 対象を伝統芸能にも 広げるとともに 現場の実感をよりリアルに知るためのグループインタビュー を実施し さらなる充実をはかりました 本調査報告書は Ⅰ. バレエ編 Ⅱ. 演劇編 Ⅲ. オーケストラ編 Ⅳ. 伝統芸能編の4 部から成っております 芸術分野でも 各分野特有の運動特性 活動特性をふまえたヘルスケアが普及し それが個々の芸術家のパフォーマンス向上 ひいては芸術のより一層の振興に役立つことを 切に願っております 末筆ではございますが この調査の実施にご協力くださった芸術団体のみ なさま ご回答くださった芸術家のみなさまに 心より御礼申し上げます 2012 年 12 月 特定非営利法人芸術家のくすり箱

目次 Ⅰ. バレエ編 1. 調査概要 1 2. 調査結果 2 (1) プロフィール 2 (2) 芸術活動による怪我 故障 / 身体の不調 4 i) 怪我 故障 ( 治療経験のあるもの ) 4 ii) 怪我 故障の治療とリハビリ 8 iii) 身体の不調 ( 治療経験のないもの ) 10 (3) コンディショニング トレーニング 12 (4) 日常生活と健康状態 16 (5) 食事について 22 3. 調査のまとめ 28 資料編 31 (1) グループインタビュー 32 (2) 調査票 38

1 調査概要 調査目的 クラシックバレエは伝統的な芸術であり 技能のメソッドも確立されている しかし昨今は作品の多様化に伴って求められるテクニックレベルは次第に高くなり ダンサーの身体への負担は大きくなっている これに対処するためには活動環境や養成体系など さまざまな側面を整えなければならないが その中でも ダンサーの身体のケア の面は 最も根本的なテーマでありながら これまで後回しになりがちだったのではないだろうか 本調査では前回に引き続き 怪我や故障 コンディショニング 健康状態や食生活などについて調査し 今後日本で活動するダンサーにとってどのようなヘルスケアの態勢やサポートが必要なのかを探る [1] アンケート調査 調査対象東京バレエ協議会加盟団体 過去 3 年間に芸術文化振興基金 トップレベルの舞台芸術創造事業 対象となったバレエ団 公演実績の多いバレエ団に打診し 承諾を得た 16 のバレエ団団員および団員に準ずる属員 調査方法 各団の事務局から団員へ調査票を配布 郵送による個別回収または各団体でとりまとめ回収 配布数 508 部 ( 各団の事務局が指定した所属人数分または協力可能な人数分 ) 回収数有効回答数 140 ( 有効回収率 27.6%) 設問によっては 指定した回答数と合致しない回答を 無効 として集計から除いている そのため n 数が異なる場合もある 調査期間 2012 年 4~6 月 [2] グループインタビュー調査 調査対象 アンケート調査回答者のうちグループインタビュー承諾者および協力団体からの推薦者 [ 男性 2 名 女性 3 名 / 20 代 2 名 30 代 3 名 / 中部地区 1 名 関東地区 4 名 ] 調査日 会場 2012 年 9 月 11 日愛知芸術文化センター ( 愛知県名古屋市 )[4 ジャンル合同開催 ] 2012 年 9 月 13 日芸能花伝舎 ( 東京都新宿区 )[ ジャンル別開催 ] 実施方法参加者に対し 事前に調査結果のダイジェスト版を送付 当日はその資料に沿って データと実情があっているか 自分の体験や 周りの同業者の体験などについて語る 当調査内の回答は 個人の体験に基づく表現によるもので 医学的には正確でない場合がありますことをご了承ください 1

2 調査結果 (1) プロフィール 1-1 年齢 (n=140) 年齢構成は 20 代 (67.9%) が圧倒的に多く 30 代が16.4% 20 歳未満が12.1% と続き 30 代以下が全体の96.5% を占める 1-1 男女比はおよそ2:8( 男性 : 女性 ) で 圧倒的に女性が多い 1-2 雇用形態は 団体に所属 50~59 歳 1.4% 40~49 歳 1.4% 70 歳以上 0.7% 30~39 歳 16.4% 20 歳未満 12.1% しながらも定期的な給与はない 人が64.3% 定期的な給与のある人 が31.4% である 20~29 歳 67.9% 1-3 1 年の公演日数は 11~50 日 が最も多く 66.4% を占める 1-4 男女別にみると ともに最も多いのは 11~50 日 であるが 10 日以下 が男性は8.3% であるのに対して女性は 32.8% であり 一方 51~100 日 は男性が 8.3% に対し女性 2.6% と 男性の方が公演数が多いことがわかる 1-2 性別 (n=140) 男性 17.1% 女性 82.9% 1-3 雇用形態 (n=140) 無回答 1.4% フリー 0.7% 主宰 / 経営者 2.1% 団体に所属 ( 定期的な給与なし ) 64.3% 団体に所属 ( 定期的な給与あり ) 31.4% 2

1-4 年間公演日数 0~3 日 4~10 日 11~50 日 51~100 日無回答 3.6% 全体 (n=140) 6.4% 22.1% 66.4% 1.4% 男性 (n=24) 8.3% 79.2% 8.3% 4.2% 2.6% 女性 (n=116) 7.8% 25.0% 63.8% 0.9% 年間公演日数 100 日以上 は回答者なし 3

(2) 芸術活動による怪我 故障 / 身体の不調 ⅰ) 怪我 故障 ( 治療経験のあるもの ) 芸術活動による怪我や故障で治療に通った経験のある人は95.0% で前回 (92.2%) とほぼ同じであった 2-1 年齢的には20 歳未満が 76.5% だが 20~29 歳が96.8% 30 歳以上は 100% と 20 代以上のほとんどの人に治療経験がある 2-2 男女別では男性 95.8% 女性 94.8% と男女差はほぼない 2-3 年間公演日数と治療経験の関係に注目すると 治療経験がない 人数が少ないので相対的な評価はできないが 51~100 日 の回答者の全員 (5 人 ) が 治療経験がある と答えており 舞台出演が多くなるに伴って怪我をする可能性が高くなることが推測される 2-4 2-1 芸術活動上の怪我等による治療の経験 ( 前回調査比較 ) 2012 年 (n=140) ある 95.0% ない 5.0% 2007 年 (n=128) 92.2% 7.8% 2-2 芸術活動上の怪我等による治療の経験 ( 年齢別 ) 20 歳未満 (n=17) ある 76.5% ない 23.5% 20~29 歳 (n=95) 96.8% 3.2% 30~39 歳 (n=23) 100.0% 40 歳以上 (n=5) 100.0% 4

2-3 芸術活動上の怪我等による治療の経験 ( 性別 ) 男性 (n=24) ある 95.8% ない 4.2% 女性 (n=116) 94.8% 5.2% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 2-4 芸術活動上の怪我等による治療経験 ( 年間公演日数別 ) 0~3 日 (n=9) ある 88.9% ない 11.1% 4~10 日 (n=31) 96.8% 3.2% 11~50 日 (n=93) 95.7% 4.3% 51~100 日 (n=5) 100.0% 5

治療経験がある人について その部位を見 ると 治療部位 (3 か所まで選択 ) は 腰 脚 ひざ 足 足指 がそれぞれ 25% を超えてい る そのうち 一番重症な怪我 故障をした部 位は 足 足指 (46.5%) に集中し 次に ひ ざ (14.7%) 腰 (13.2%) 脚 (13.2%) がほ ぼ同率で続く 2-5-1 一番重症な怪我 故 障の傷病名 は表のとおりで 足 足指 の 靭 帯損傷 捻挫 骨折 剥離骨折 を多くの人 が経験している 2-5-2 男女別にみると 首 腰 足 足指 で男女差がみられ 首 と 足 足指 で女性のほうが 腰 で男性の 2-5- 1 怪我 故障を治療した身体の部位 ( 2-1 治療経験あり の回答者 ) 頭部 ( ) 首 肩 腕 ひじ 手 手指 背中 胸 腹 腰 脚 ひざ 足 足指 その他 無回答 2.4% 10.2% 17.3% 3.9% 1.6% 54.3% 13.2% 36.2% 13.2% 29.1% 14.7% 7.0% 46.5% 77.2% 頭部には 目 耳 口 鼻 のど等を含む 3 か所まで選択 (n=127) 一番重症な部位 (n=129) ほうがそれぞれ 10% 以上治療経験が多い 2-6 怪我の部位 (3 か所まで選択 ) について 前 回調査と比較すると 腰 脚 がそれぞれ約 7~8% 増えているが 特に 腰 はその部位 の怪我の率が高い男性の回答者が増加した 影響もあると思われる 2-7 怪我 故障の主な原因は 疲労 (31.0%) 使いすぎ (29.5%) と慢性的な原因が 6 割を 占め 突発的に起こると考えられる 技術的な 失敗 (19.4%) は 2 割であった 2-8 2-5- 2 一番重症な怪我 故障 の傷病名 ( 自由記述 ) 背中 側湾症 2 ヘルニア 1 腰 ヘルニア 4 ぎっくり腰 3 腰痛 1 捻挫 1 腰椎椎間板症 1 腰椎分離症 1 側湾症 1 脚 肉離れ 8 疲労骨折 3 骨折 ひび 2 変形性股関節症 1 捻挫 1 アキレス腱周囲炎 1 つけ根の炎症 1 ひざ 半月板損傷 7 靭帯損傷 5 脱臼 1 オスグット 1 筋繊維断裂 1 足 足指 靭帯損傷 捻挫 27 骨折 剥離骨折 15 三角骨 5 疲労骨折 4 長拇指屈筋炎 2 腱鞘炎 1 爪が剥がれた 1 アキレス腱断裂 1 関節炎 1 ガングリオン 1 脱臼 1 親指のつけ根の炎症 1 有痛性外頸骨 1 一番重症な部位 上位 5 部位についての自由記述 傷病名は回答者本人の記述を記載 6

2-6 怪我 故障を治療した部位 3 か所まで選択 ( 性別 ) 2-7 怪我 故障を治療した身体の部位 3 か所まで選択 ( 前回調査比較 ) 頭部首肩腕 4.5% 10.2% 12.4% 2.4% 4.5% 1.9% 4.5% 全体 (n=127) 男性 (n=22) 女性 (n=105) ひじ手 手指背中胸腹 4.5% 17.3% 18.2% 17.1% 1.6% 1.9% 腰 54.3% 50.5% 72.7% 脚ひざ 36.2% 31.8% 37.1% 29.1% 31.8% 28.6% 足 足指 77.2% 68.2% 79.0% 頭部首肩腕ひじ手 手指背中胸腹腰脚ひざ足 足指その他 1.0% 2.4% 4.8% 1.6% 2.9% 1.9% 1.0% 10.2% 11.5% 17.3% 14.4% 36.2% 28.8% 29.1% 31.7% 54.3% 46.2% 2012 年 (n=127) 2007 年 (n=104) 77.2% 81.7% グループインタビューより ダンサーは 腰 と 足 の怪我 故障が多い 無理なことをしているので仕方ないが 首 もすごく使う 回転するときに首を一定の向きに残して使うので 頸椎が痛くなる 身体が右回転ばかりでバランスが崩れ 身体の一部に負担がかかり骨折に至った ( 自分は ) 大きい怪我はないが 幼少時から外反母趾で その原因は足を無理に開いたりポワントで踊ること 男性はほとんど いつも 腰が痛い と言っている 男性はバレエ団以外の発表会などでは どんな人 ( 技術のない人 重たい人など ) でも持ち上げなければいけないので 男性と女性では身体の痛め方が違うかも知れない 環境 ( 床や道具など ) 1.6% 誤った身体の使い方 13.2% 2-8 一番重症な怪我 故障 の主な発生原因 (n=129) その他 4.7% 技術的な失敗 19.4% 使いすぎ 29.5% 疲労 31.0% 無回答 7