これなら分かる! 給料明細の作り方 ( ステップ 2; 健康保険 厚生年金を差し引く ) 最初は 1 人で始めた商売 だんだん軌道にのってきて 従業員を雇えるまでになった! でも給料明細って どうやって作ればいいの? 所得税って いくら差し引くの? 社会保険や雇用保険って どうすればいいの? ご安心下さい (*^_^*) 一つ一つの手順を 分かりやすく解説しましょう 市販の給与計算ソフトを使ってもいいですが 意味が分からないまま給与計算ソフトを使う よりも まずは仕組みを知っておくことが大事! です ステップ 2 健康保険 厚生年金を差し引く 健康保険料 介護保険料 厚生年金保険料をまとめて 社会保険 といいます まずは 従業員の給料から社会保険料を差し引くということは どういうことかを 理解しましょう 会社で社会保険に加入していない 人の場合 会社で社会保険に加入している 人の場合 国民健康保険 介護保険 国民年金 国 健康保険 ( 協会けんぽ等 ) 介護保険 厚生年金 国 保険料は自分で全部払います 会社 保険料の半分は会社が負担 あとの半分は自分が負担します -1- ( 文書更新日 ;H26/8/1 作成者 ; 永岡税理士事務所 )
サラリーマンだった頃は 思いもよらなかったという人が多いでしょうね 給料明細を見て 何でこんなに色々 差し引かれるの?? と思いませんでしたか? でもね そもそも自分が全部払うべき健康保険料や年金の半分は 会社が払って くれているのです そしてさらに 従業員は自分の社会保険料の半分の額についても 自分で銀行等に支払いに行く 役所に振り込みをする などの手間も省かれている そう 毎月払われる給料の中から 会社がやってくれていること あなたが払う分の健康保険料 厚生年金保険料 代わりに払っておきますのでその分のお金 お給料の中から預かっておきますね ~~**~~**~~**~~**~~**~~**~~**~~**~~**~~**~~** さて 給料を 払う 立場の視点に話を戻しましょう 従業員の給料から社会保険料を差し引く ということは どういうことか そもそも 会社として 従業員の社会保険料を面倒みます! という手続きを しないといけませんよね この辺を話し始めると長くなるので そこは最寄りの年金事務所等に聞きましょう で 会社としての手続きが終わり いよいよ給料計算という時 具体的に 毎月 15 日を 締め日 毎月 25 日を 給料日 と決めている会社が 今年 4 月から 従業員を社会保険に加入させることとしました となった場合を見てみましょう -2- ( 文書更新日 ;H26/8/1 作成者 ; 永岡税理士事務所 )
給料計算 手順はこんな感じでしたね 1 毎月 16 日 ~ 翌月 15 日における出勤日や時間 通勤費等を記録しておく 2 上記 1 の記録が出来上がったら 従業員から集めて ( 報告してもらって ) 25 日の給料日までに給料明細を作り 給料を渡す準備をする で ここで 4 月 1 日から社会保険に加入することとなった従業員の場合 必ずと言っていいほど こんな疑問が生じることでしょう ( 図 1) 3/16 4/15 5/15 4/25 5/25 いよいよ 給料から社会保険料が差し引かれることに! あれ? でも 4/25 の給料明細 社会保険料はまだ差し引かれていないんだけど?? A 4 月 1 日から社会保険に 加入することになった 従業員 A さん 4 月から社会保険に入っている でも 4/25 の給料明細では まだ健康保険料や 厚生年金という差し引き項目が無い これはなぜでしょう それは この会社の場合 4/25 に渡される給料が 3/16~4/15 の勤務 に対して 払われるものだからです 社会保険の場合 月末に会社に在籍しているかどうかが基準になります ( 重要 ) 上記 A さんは 確かに 4 月から社会保険に入りましたが 4/25 の給料日の時点では まだ 4 月末日 という日がお給料の計算期間に含まれていません -3- ( 文書更新日 ;H26/8/1 作成者 ; 永岡税理士事務所 )
( 図 2) 3/16 4/15 5/15 4/25 A 3/16~4/15 という期間 4/30 という日付は含まれていません なので 4/1 から社会保険に入る手続きをしましたが 健康保険料や厚生年金は 4/25 の時点では支払義務がまだないので お給料からも差し引かれていません 5/25 A 5/25 の給料日の基準は 4/16~5/15 という期間 4/30 が含まれています よって 4 月分の健康保険料や厚生年金は 5/25 にもらうお給料から差し引かれることになります このAさんのセリフ 4 月分 の健康保険料や厚生年金は 5/25 にもらう給料から差し引き とあります この会社の給料計算の締め日が 15 日なので こうなるのです では 仮にAさんの会社が 月末締め 翌月 10 日払い だとしたら??? ( 図 3) 4/1 4/30 5/30 5/10 A なので 4/1 から社会保険に入る手続きをした私は 4/30 の時点で健康保険料や厚生年金の支払義務があるので 5/10 にもらうお給料から 4 月分の社会保険料が差し引かれます 4/1~4/30 という期間 ちょうど最後に 4/30 という日付が 含まれています -4- ( 文書更新日 ;H26/8/1 作成者 ; 永岡税理士事務所 )
ご覧の通り 月末で給料計算締め切って その月末にただちに給料を払うのでない限り 4 月分の社会保険料 5 月に支給する給料から差し引き となるのが普通の姿のようです もちろん 会社によっては 4 月分の社会保険料は 4 月に支給する給料から差し引く! ことにしているケースもあるようですけどね ( この辺を詳しく話すとキリがないので ここは割愛します ) ( 実際に書いてみよう 給料明細 ) まずは 支給額の合計までを仕上げましょう 基本給や手当 通勤費などをもれなく書き込んだ状態です 次に 年金事務所から届いた通知を 確認しましょう ここが社会保険に加入した従業員の氏名になっています 年金事務所に届出を出していれば 事業主の手元にはこんな書類が届いて いるハズです -5- ( 文書更新日 ;H26/8/1 作成者 ; 永岡税理士事務所 )
その従業員の 平均給与 ( 標準報酬といいます ) を確認しましょう ここは H26 年 4 月から社会保険に 加入しています という意味です そして 給料から差し引く健康保険や厚生年金の料金は その人の平均月給で決まります これは この人の平均月給は 190,000 円 ですよ という意味です 給与から差し引く健保や厚年の金額を 確認しましょう 年金事務所からこんな用紙も届いている ハズです WEB からも取得できます ( 社会保険, 保険料額表 で WEB 検索!) 何月分なのか 自分の会社所在地の 都道府県になっているか確認できたら 次はこの部分 ( 標準報酬 ) に注目です 参考 厚生年金は全国一律ですが 健康保険料は 都道府県ごとに料金が違います -6- ( 文書更新日 ;H26/8/1 作成者 ; 永岡税理士事務所 )
ここで 先ほどの書類で確認した その従業員の平均月給 標準報酬 の 金額を探し 該当する行を確認します 注意 初心者がまちがえやすいポイント 上記の説明を見て あれ と思った方は いませんか だって 実際に今月分として 作った給与明細をみると 支給額の合計は 197,500 円 それなのに 上記の説明では 190,000 円のランクを確認していますよね 理由は簡単 この人は 今月たまたま自分にとっての平均的な 給与額である 190,000 円を超えただけだから そういう時は 年金事務所からもらった この人の平均給与 標準報酬 は 190,000 円 という通知が優先するのです でも その従業員さんの給料の額が増減して 年金事務所の言うとおりの金額と 実際の給料の額が この表でみて2ランク以上も違う という事になったら その時はもういっぺん 年金事務所に届出書類を出さないといけません -7- 文書更新日 H26/8/1 作成者 永岡税理士事務所
40 歳未満の健康保険料 40 歳以上 65 歳未満の健康保険料 一般の人の厚生年金 炭鉱労働者と船乗りの厚生年金 表の言葉が分かりにくいので 一部を普段のハナシ言葉にしてみました 従業員 Aさんが 42 歳で 炭鉱労働者や船乗りでないなら 給料から差し引く額は健康保険料 ( 介護保険料も合わせた額 ) 11,134 円厚生年金保険料 16,264 円となります ( 40 歳になった月のことは 介護保険料 40 歳 協会けんぽ 等のキーワードで WEB 検索!) 給与明細に 給料から差し引く健康保険料や厚生年金の金額を書きます ここでは 健康保険料という欄に 健康保険料と介護保険料 を合わせた金額を書いています 給料明細の用紙によっては 健康保険料と介護保険料を別々に書くものもあるので そのような時は健康保険料 9,500 円介護保険料 1,634 円と分けて書きましょうね ( 介護保険料の額がいくらなのかは 40 歳未満の人の保険料との差額で分かります ) -8- ( 文書更新日 ;H26/8/1 作成者 ; 永岡税理士事務所 )
これで これなら分かる! 給料明細の作り方 ( ステップ 2; 健康保険 厚生年金を差し引く ) の解説を終わります 健康保険料や介護保険料 厚生年金保険料のことって 実はここで説明した以上にもっと 細かいルールがあるんですけどね 全部言ってしまうと すごくクドく長くなってしまうので 基本的なことだけを ご紹介しました (^_^)/ 給料から差し引く項目のうち 雇用保険料 所得税 住民税などの解説は ステップ 3 以降の資料をご覧ください -9- ( 文書更新日 ;H26/8/1 作成者 ; 永岡税理士事務所 )