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◆JREI固定インフォ No15◆◆〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

Microsoft Word - H30 市税のしおり最終版

固定資産税の課税のしくみ < 評価額と課税標準額と税額の推移 > ( 土地編 ) 課税標準額 評価額 税 額 なぜ, 地価が下落しているのに, 土地の固定資産税が上昇するの!? 2 なぜ, 平成 6 年評価額が急激に上昇したの!? 3 < 公的土地評価相互の均衡と適正化 > < 地価公示価格の一定割

1. 固定資産税 都市計画税について 固定資産税は 毎年 1 月 1 日 ( 賦課期日 といいます ) 現在に土地 家屋 償却資産 ( こ れらを総称して 固定資産 といいます ) を所有している人が その固定資産の所在する 市町村に納める税金です 都市計画税は 下水道 街路 公園などの都市計画事業

Microsoft Word _大和システム瓦版.docx

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

11総法不審第120号

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

審 査 請 求 事 務 取 扱 要 領

公益社団法人三重県宅地建物取引業協会一般社団法人三重県不動産鑑定士協会 三重県の地価と不動産市場の動向に関するアンケート調査結果 平成 26 年 10 月 1 日を調査時点とし 公益社団法人三重県宅地建物取引業協会の会員に対しアンケート調査を行った結果をお知らせします 本調査 (DI 調査 ) は所

市税のしおり2016表紙再3

目 次 調査結果について 1 1. 調査実施の概要 3 2. 回答者の属性 3 (1) 主な事業地域 3 (2) 主な事業内容 3 3. 回答内容 4 (1) 地価動向の集計 4 1 岐阜県全域の集計 4 2 地域毎の集計 5 (2) 不動産取引 ( 取引件数 ) の動向 8 1 岐阜県全域の集計

す ) 5 地区 地域内の各筆の評価 ( 一画地の宅地ごとに評価額を算出します < 土地に対する課税 > (1) 評価のしくみ固定資産評価基準によって 地目別に定められた評価方法により評価します 平成 6 年度の評価替えから 宅地の評価は 地価公示価格の 7 割を目途に均衡化 適正化が図られています

公益社団法人三重県宅地建物取引業協会一般社団法人三重県不動産鑑定士協会 三重県の地価と不動産市場の動向に関するアンケート調査結果 平成 29 年 4 月 1 日を調査時点とし 公益社団法人三重県宅地建物取引業協会の会員に対しアンケート調査を行った結果をお知らせします 本調査 (DI 調査 ) は所定

公益社団法人三重県宅地建物取引業協会一般社団法人三重県不動産鑑定士協会 三重県の地価と不動産市場の動向に関するアンケート調査結果 平成 29 年 10 月 1 日を調査時点とし 公益社団法人三重県宅地建物取引業協会の会員に対しアンケート調査を行った結果をお知らせします 本調査 (DI 調査 ) は所

< B6388C491E D862E786477>

1000 Copyright(C)2009 All Rights Reserved - 2 -

本検討会で扱う「所有者の所在の把握が難しい土地」とは

公益社団法人三重県宅地建物取引業協会一般社団法人三重県不動産鑑定士協会 三重県の地価と不動産市場の動向に関するアンケート調査結果 平成 27 年 4 月 1 日を調査時点とし 公益社団法人三重県宅地建物取引業協会の会員に対しアンケート調査を行った結果をお知らせします 本調査 (DI 調査 ) は所定

公益社団法人三重県宅地建物取引業協会一般社団法人三重県不動産鑑定士協会 三重県の地価と不動産市場の動向に関するアンケート調査結果 平成 30 年 4 月 1 日を調査時点とし 公益社団法人三重県宅地建物取引業協会の会員に対しアンケート調査を行った結果をお知らせします 本調査 (DI 調査 ) は所定

スライド 1

公益社団法人三重県宅地建物取引業協会一般社団法人三重県不動産鑑定士協会 三重県の地価と不動産市場の動向に関するアンケート調査結果 平成 27 年 10 月 1 日を調査時点とし 公益社団法人三重県宅地建物取引業協会の会員に対しアンケート調査を行った結果をお知らせします 本調査 (DI 調査 ) は所

路線価図

11総法不審第120号

目 次 1 固定資産税と固定資産税評価 1 1 固定資産税とは 1 2 固定資産税の課税のしくみ 2 (1) 固定資産税を納める人 ( 納税義務者 ) 2 (2) 税額の計算 2 2 固定資産税評価のあらまし 1 固定資産税評価の意義 2 固定資産税評価によって求める価格とは 3 固定資産の価格を求

1 天神 5 丁目本件土地及び状況類似地域 天神 5 丁目 本件土地 1 状況類似地域 標準宅地

販売用不動産の時価評価の基準(案)と論点

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固定資産評価審査申出とは

12. 地価公示は 土地鑑定委員会が 毎年 1 回 2 人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め その結果を審 査し 必要な調整を行って 標準地の正常な価格を判定し これを公示するものである 13. 不動産鑑定士は 土地鑑定委員会の求めに応じて標準地の鑑定評価を行うに当たっては 近傍類地の取 引価格から

平成  年(オ)第  号

一の2 について一の1 について贈与税の基礎控除額の水準は 少額不追求の観点 相続税の補完税である贈与税の機能の維持の観点等から設定されているものであり 現在の六十万円という水準は このような観点にかんがみ 妥当な水準であると考えている 所得税における各種所得控除については 基礎的な人的控除のほか

(審42)参考 福島県内の宅地の調査

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

11総法不審第120号

(審47)参考2 福島県内の宅地の調査

平成 23 年 11 月 17 日 問い合わせ先 国土交通省土地 建設産業局土地市場課課長補佐松本浩 係長塩野進代表 : ( 内線 :30-214) 直通 : 土地取引動向調査 ( 平成 23 年 9 月調査 ) の結果について 1. 調査目的 本調査

平成 22 年 5 月 7 日 問い合わせ先 国土交通省土地 水資源局土地市場課課長補佐小酒井淑乃 係長塩野進代表 : ( 内線 :30-214, ) 直通 : 土地取引動向調査 (*) ( 平成 22 年 3 月調査 ) の結果について

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平成 22 年 11 月 12 日 問い合わせ先 国土交通省土地 水資源局土地市場課課長補佐小酒井淑乃 係長塩野進代表 : ( 内線 :30-214) 直通 : 土地取引動向調査 (*) ( 平成 22 年 9 月調査 ) の結果について 1. 調査目

目 次 [Ⅰ] 調査方法 2 [Ⅱ] 地域区分図 3 [Ⅲ] アンケート調査票 4~5 [Ⅳ] 第 2 回不動産市況 DI 調査結果の概要 6 [Ⅴ] 設問ごとの回答内訳 [-1] 設問 2,3( 住宅地価格 ) 7~9 [-2] 設問 2,3( 商業地価格 ) 10~12 [-3] 設問 2,3(

(審44)参考2  福島県内の宅地の調査

処分済み

生活衛生関係営業の景気動向等調査 平成17年7~9月期

Microsoft Word - 暱京髟裆 平拒16年(衄ㇳ)32.docx

平成10年7月8日

Microsoft PowerPoint - ☆PTポイント・概要(セット)

不動産経済 表紙OL

平成 26 年度 決算説明書 / 事務事業評価シート 課名 農業委員会事務局 予算 款項目決算書目名事業名称 頁農業委員会費 農業委員会事業 1. 概要 目的 担い手の確保 育成と優良農地の確保 有効利用に向けた取り組み 対象 市民 事業概要 農業委員会事業 農地法第 3 条許可

唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

中小企業の動向

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

固定資産税のあらまし2016

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被上告人に対し, 上記各賦課決定の取消しを求めている事案である 2 原審の適法に確定した事実関係等の概要は, 次のとおりである (1) 上告人は, 東京都渋谷区内に所在する面積が200m2以下である本件土地及びこれを敷地とする第 1 審判決別紙物件目録記載の建物 ( 以下 旧家屋 という ) を所有

平成 24 年 5 月 1 日 問い合わせ先 国土交通省土地 建設産業局土地市場課課長補佐松本浩 係長長瀨裕太代表 : ( 内線 :30-214) 直通 : 土地取引動向調査 ( 平成 24 年 3 月調査 ) の結果について 1. 調査目的 本調査は

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処分済み

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

第6回 国際不動産価格賃料指数(2016年4月現在)

不動産経済 表紙OL


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1. 各都市の不動産市場トレンド 1-1. オフィス価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-1は オフィス価格指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは 東京 の +3.4% 次いで 大阪

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Microsoft Word - 第15回不動産DI調査報告書 (最終)

Microsoft Word - 優秀作品(土地)

『知っておきたい 不動産所有コストの中身と抑えるコツ』

住民監査請求監査結果 第 1 請求の収受 1 請求人 ( 省略 ) 2 請求書の受付日平成 28 年 8 月 16 日 3 請求の内容請求人から提出された ( 省略 ) 建物への固定資産税の賦課において 公金の賦課を怠る事実に該当する福井市職員措置請求 ( 住民監査請求 ) 書 の要旨及び事実を証す

新規文書1

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取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

所得税確定申告セミナー

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

~ 都市計画道路予定地の評価 ~ 今回の豆知識では 我々不動産鑑定士が日常の評価業務において良く目にする 都市計画 道路予定地 の評価について取り上げてみたいと思います 1. 都市計画道路とは? 都市計画法では 道路 公園 下水道処理施設等の施設 ( 都市施設 ) のうち必要なものを都市計画に定める

release-270.PDF

世帯収入 DI 大幅な改善現在の 世帯収入 DI ( 増えた やや増えた ) と回答した割合から 減った やや減った と回答した割合を引いた値 ) は で前回 (11 年 6 月 :-24.6) から +6.8 ポイント上昇した 震災後に混乱していた企業のサプライチェーンが回復し生産体制

市町村合併の推進状況について

1. 自社の業況判断 DI 6 四半期ぶりに大幅下落 1 全体の動向 ( 図 1-1) 現在 (14 年 4-6 月期 ) の業況判断 DI( かなり良い やや良い と回答した企業の割合から かなり悪い やや悪い と回答した企業の割合を引いた値 ) は前回 ( 月期 ) の +19 から 28 ポイ

I. 調査結果概況 景気判断 DI( 現状判断 ) は小幅に上昇し最高値を更新 仕入原価高止まりも客単価が上昇 10 月スーパーマーケット中核店舗における景気判断 49.1 と小幅に上昇し 2010 年 4 月の調査開始以降最高値を記録した 経営動向調査によると売上高 DI が 1.1 とはじめてプ

等調整都市計画税額が 当該商業地等に係る当該年度分の都市計画税の課税標準となるべき価格に 10 分の 6 を乗じて得た額 ( 当該商業地等が当該年度分の固定資産税について法第 349 条の 3( 第 20 項を除く ) 又は法附則第 15 条から第 15 条の 3 までの規定の適用を受ける商業地等で

調査結果の概要 1. 自社チャンネルの加入者動向について 横ばい との見方が拡大自社チャンネルの全体的な加入者動向としては 現状 では 減少 (40.0%) が最も多く 続いて 横ばい (35.6%) 増加 (23.3%) の順となっている また 1 年後 については 横ばい (41.1%) が最も

し, これを評点 1 点当たりの価額に乗じて, 各筆の宅地の価額を求めるものとしている 市街地宅地評価法は,1 状況が相当に相違する地域ごとに, その主要な街路に沿接する宅地のうちから標準宅地を選定し,2 標準宅地について, 売買実例価額から評定する適正な時価を求め, これに基づいて上記主要な街路の

第 5 章 N

第7回DIレポート

Q3 家屋の評価額が変わっていないのはなぜですか 家屋の評価額は 評価の時点において 全く同一の建物を同じ場所に新築した場合に必要とされる建築費 ( 再建築価格といいます ) に 経過年数による減価を考慮して求めることとなっています この評価額は 3 年ごとに見直し ( 評価替えといいます ) ます

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 第8回「国際不動産価格賃料指数」(2017年4月現在)

年 2 月期関西圏 中京圏 福岡県賃貸住宅指標 大阪府 京都府 兵庫県 愛知県 静岡県 福岡県 空室率 TVI( ポイント ) 募集期間 ( ヶ月 ) 更新

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税理士法人チェスター【紹介】

世帯収入 DI 増えた と 減った 二極化の傾向現在の 世帯収入 DI ( 増えた やや増えた ) と回答した割合から 減った やや減った と回答した割合を引いた値 ) は - で前回 ( 年 6 月 :-8) から - ポイントとなりほぼ横ばいとなった 回答の内訳をみると やや増えた が + ポイ

Transcription:

JREI 固定インフォ No8 日本不動産研究所からの固定資産税評価に関連する情報配信です 平成 22 年 1 月 20 日 財団法人日本不動産研究所固定資産税評価研究会です 目次 ======================================= 1. 耕作放棄地等の農地の問題について 2. 日銀が生活意識に関するアンケート調査結果を発表 3. 内閣府が景気ウォッチャー調査結果を発表 4.CBREがオフィスビル市場動向を発表 5. 固定資産税評価における不動産鑑定評価の活用 ( 連載 ) 第 1 回 判例からみる固定資産税評価における標準宅地の鑑定評価( その1) ============================================= 1. 耕作放棄地等の農地の問題について 東京新聞は1 月 13 日 ( 水 ) に 11 年前に農地転用の許可がされた宇都宮市内の約 1.9ha の土地が手つかずに放置され 荒廃が進んでいることを問題として報道しています http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20100113/ck2010011302000112.html この土地は 1998 年に木材販売会社が木材市場を建設しようと農地転用の許可を得ていましたが その後売買が成立しないまま放置されていました 農林水産省は 農地転用許可後に工事をせずに放置している場合は事業者に催告をし あるいは許可を取り消すように自治体に指導をしています 東京新聞は 宇都宮市農業委員会は国の通達を守らず 必要な措置を怠ったと報道しています 固定資産税評価額についても 転用許可で 農地 から 雑種地 へと地目が変更となったため 許可前に比べて最大で税額が90 倍に膨れあがっているとも報道しています また 長野県は1 月 6 日 ( 水 ) までに 長期間にわたって耕作が放棄され 樹木が生い茂った県内の耕作放棄地の約 4000ha について 山林 への用途変更できるかどうかを調査する方針を固め 平成 22 年度予算案に調査費を要求しました http://www.47news.jp/news/2010/01/post_20100106181602.html これは 農地への復元が困難になっている耕作放棄地について 用途変更をして森林資源としての活用を図るものであります 市町村の農業委員会での審議を経て 耕作放棄地が農地から山林に用途変更されれ

ば 国から森林整備の補助を受けられることが可能となるというものです この宇都宮市における農地転用がされないまま荒廃している農地の問題や長野県の耕作放棄地の山林へ の用途変更といった耕作放棄地等の農地の問題は 全国的に大きな問題となっています 固定資産税におき ましても宅地介在農地 耕作放棄地等の取り扱いが大きな問題となっています この問題の背景として 農林水産省では 昨年 4 月に平成 20 年度耕作放棄地全体調査 ( 耕作放棄地に関する現地調査 ) を行い結果の公表をしました この調査は 耕作放棄地を解消するために その位置と状況を把握するために現地調査を実施したものです その結果 1,777 市町村において非農地 ( 農地法第 2 条第 1 項に規定する農地に該当しない ) が2.7 万 ha もあったと公表しています http://www.maff.go.jp/j/press/nousin/nouti/090407.html つまり 全国的にかなりの規模で耕作放棄地が存在しているという事実が認められた結果となっています 当研究所におきましても 耕作放棄地等の農地の問題については 大きな関心を持っています 昨年 10 月 22 日 ( 木 ) に開催されました ( 財 ) 資産評価システム研究センターの第 13 回固定資産評価研究大会におきまして 当研究所の岡本 浅尾両職員が 農地に係る地目の認定 と題して発表を行いました 現在の固定資産評価の地目認定は 原則的には現況に基づいて地目の認定を行っているが 耕作放棄地を含む農地におきましては 現況地目だけではなく 法令上の属性により 地目 評価方法を認定する必要がある として提案をいたしました http://www.recpas.or.jp/jigyo/f_jigyo.html 2. 日銀が生活意識に関するアンケート調査結果を発表 1 月 14 日 ( 木 ) に日本銀行が 生活意識に関するアンケート調査 ( 平成 21 年 12 月調査 ) の結果を発表しました http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/ishiki/ishiki1001.pdf この調査は日銀短観などの統計指標とは異なり 生活者の意識や行動を大まかに聴取する一種の世論調査 です 年に 4 回公表していますが 今回は 40 回目の調査で全国の 20 歳以上の個人約 4,000 人を対象に 11 月 12 日から 12 月 8 日までの期間にアンケート調査を行ったものです

景況感につきましては 現在 (1 年前対比 ) の景況感 D.I. は 67.0 となり 前回よりも 5.3 ポイント改善しまし た また 先行き (1 年後 ) については 悪くなる との回答が増加したため 景況感 D.I. は 23.1 と前回 よりも 17.4 ポイント悪化する結果となりました このアンケート調査では 先行きの地価動向についても質問をしています 先行きの地価動向について 下がる との回答が 前回よりも増加して45.5% 上がる との回答が17.2% 変わらない との回答が34.9% となりました その結果 地価見通しD.I. は 前回の 22.8から 28.3となり 5.5ポイント悪化する結果となりました 3. 内閣府が景気ウォッチャー調査結果を発表 1 月 13 日 ( 水 ) に内閣府は平成 21 年 12 月調査の 景気ウォッチャー調査 の結果を発表しました http://www5.cao.go.jp/keizai3/2010/0112watcher/menu.html 12 月の全国の現状判断 DIは前月比 1.5ポイント上昇の35.4となり 3ヶ月ぶりに上昇しました これは クリスマス 歳末商戦では 消費者の節約志向が続いているものの グリーン家電の購入に係るエコポイント付与の影響によって薄型テレビを中心とした家電の販売が増加したこと等 によるとしています NIKKEI NET では ただ 公共事業の息切れを指摘する声も出ており 景気持ち直しの動きは力強さに欠く と報道しています http://www.nikkei.co.jp/keiki/news/20100112dfs1202112.html また 2~3ヶ月の景気の先行きを判断する12 月の先行き判断 DIも 前月比 1.8ポイント上昇の36.3となり 3ヶ月ぶりに前月を上回りました このような調査結果から 内閣府では基調判断を 景気は下げ止まっていたものの 引き続き弱い動きがみられる としています 4.CBREがオフィスビル市場動向を発表 1 月 13 日 ( 水 ) にシービー リチャードエリス株式会社が2009 年 12 月期のオフィスビル市場動向を発表しました http://www.cbre.co.jp/jp/media_centre/pages/release100113.aspx

2009 年 12 月期のオフィスビル市場動向としては 調査対象である全国 12 都市のうち 11 都市において空室率が上昇している結果となりました 平均空室率は対前期 (2009 年 9 月期 ) 比 0.9ポイント上昇の13.2% となりました 東京 Sクラスビル Aクラスビルでは 前期 (2009 年 9 月期 ) は空室率が改善し テナントの誘致が進みつつあると思われましたが 今期は一転してSクラスビルの空室率が2.1ポイント上昇の7.8% Aクラスビルの空室率が 1.5ポイント上昇の6.5% となりました 東京 Sクラスビルは 空室を抱えたまま竣工したビルがあったことや 優良ビルで空室が出たことが原因となって 集計開始以来の最高の空室率を記録した結果となりました 5. 固定資産税評価における不動産鑑定評価の活用 ( 連載 ) 第 1 回 判例からみる固定資産税評価における標準宅地の鑑定評価( その1) 本号より 固定資産税評価における不動産鑑定評価の活用 と題して 連載でお届けいたします 第 1 回は 判例からみる固定資産税評価における標準宅地の鑑定評価 です 平成 6 年度評価替えより 宅地の評価においては 当分の間 地価公示価格の7 割程度を目途として評価の均衡化 適正化をはかることとなり 宅地評価の基本となる標準宅地の評価にあたっては 地価公示価格及びこれを補完するものとして都道府県地価調査価格と不動産鑑定士等による鑑定評価価格を活用することとなりました したがって これまで低位にあった評価割合が地価公示価格の70% まで引き上げられた結果 評価額が大きく上昇することとなり 審査申出及び訴訟に至る事件が多発しました 第 1 回から数回に別けて最高裁まで争われた3つの土地評価に関する事件について それぞれの判例から固定資産税評価における標準宅地の鑑定評価のあり方について述べていきます 1. 土地評価に関する最高裁判決の概要土地評価に関する主な最高裁判決として以下の東京都固定資産評価審査委員会審査決定取消訴訟 ( 以下 茅沼事件 という ) 固定資産評価審査棄却決定取消請求訴訟( 以下 赤坂事件 という ) 及び固定資産評価審査決定取消請求 ( 以下 円山事件 という ) をとりあげます (1) 東京都固定資産評価審査委員会審査決定取消訴訟 ( 茅沼事件 ) ア東京地裁判決 ( 平成 8 年 9 月 11 日言渡平成 7 年 ( 行ウ ) 第 235 号 ) イ東京高裁判決 ( 平成 10 年 5 月 27 日言渡平成 8 年 ( 行コ ) 第 118 号 ) ウ最高裁判決 ( 平成 15 年 6 月 26 日言渡平成 10 年 ( 行ヒ ) 第 41 号 ) (2) 固定資産評価審査棄却決定取消請求訴訟 ( 赤坂事件 )

ア東京地裁判決 ( 平成 14 年 3 月 7 日言渡平成 10 年 ( 行ウ ) 第 228 号 ) イ東京高裁判決 ( 平成 15 年 12 月 24 日言渡平成 14 年 ( 行コ ) 第 100 号平成 15 年 ( 行コ ) 第 11 号附帯控訴事件 ) ウ最高裁決定 ( 平成 16 年 6 月 8 日平成 16 年 ( 行ツ ) 第 100 号平成 16 年 ( 行ヒ ) 第 105 号 平成 16 年 ( 行ヒ ) 第 106 号 ) (3) 固定資産評価審査決定取消請求 ( 円山事件 ) ア東京地裁判決 ( 平成 13 年 3 月 30 日言渡平成 10 年 ( 行ウ ) 第 114 号 ) イ東京高裁判決 ( 平成 14 年 10 月 29 日言渡平成 13 年 ( 行コ ) 第 117 号 ) ウ最高裁判決 ( 平成 18 年 7 月 7 日言渡平成 15 年 ( 行ヒ ) 第 30 号 ) 2. 判決におけるポイントこれらの判決におけるポイントは3 点に集約されます (1) 適正な時価 の判断は賦課期日であること (2) 適正な時価 は客観的交換価値であること (3) 登録価格が客観的交換価値を上回った場合は違法であること (1) は 地方税法に規定があり 茅沼事件及び赤坂事件において この賦課期日と 実務上行っている価格調査基準日との関連が争点になったものです (2) は 適正な時価について 茅沼事件及び赤坂事件では 地価公示価格の7 割評価の違法性について争われましたが 円山事件においては収益価格の是非について争われたものです (3) は 茅沼事件及び赤坂事件において 標準宅地の登録価格について争われました 3. 適正な時価の解釈 以上の3 点を現行の固定資産評価の手順に従って解釈すると以下のとおりとなります (1) 適正な時価 は客観的交換価値 すなわち現行の固定資産における宅地評価体制から 適正な時価 は地価公示価格等の100% 水準であり これを固定資産評価の実務上 謙抑性の原則等により登録価格を7 0% 程度としていること (2) その後 半年間に地価下落が認められた場合には下落修正を行い これをもって登録価格としますが 賦課期日で地価下落が止まず 結果的に登録価格が適正な時価 ( 地価公示価格水準等 ) を超えてしまう場合等には違法となること

平成 21 年度評価替えに置き換えてみると 価格調査基準日は平成 20 年 1 月 1 日ですから 鑑定評価の価格時点というのは価格調査基準日の価格をもって鑑定評価を行っています さらに経過措置で 平成 20 年 7 月 1 日までの半年間に地価下落が認められる場合には下落修正を行っていますが 賦課期日である平成 21 年 1 月 1 日において前記 (1) の適正な時価の判定を行うことになります 次回は 判例からみる固定資産税評価における標準宅地の鑑定評価 ( その 1) として各判決について解説し ていきます 情報配信サービス ( このメール ) についてこのメールの内容等に関するお問合せは お手数ですが 各担当までお願い申し上げます また このメールの記事を許可なく転載することを禁じます Copyright(C) Japan RealEstate Institute All rights reserved 編集 発行 : 財団法人日本不動産研究所 http://www.reinet.or.jp/ システム評価部固定資産税評価研究会情報配信担当 [TEL] 03-3503-5341 [FAX] 03-3503-4550 メールの配信停止 配信先の変更に関しては こちらにご連絡をお願い申し上げます JREI-sysinfo@imail.jrei.jp