医薬品の適正使用に欠かせない情報です. 必ずお読み下さい. 使用上の注意改訂のお知らせ No.2010-23 注 ) 注意 - 医師等の処方せんにより使用すること 2010 年 11 月 このたび, 標記製品の 使用上の注意 を下記のとおり改訂致しましたのでお知らせ申し上げます. 今後のご使用に際しましては 使用上の注意 に十分ご留意賜りますようお願い申し上げます. なお, このたびの改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでには若干の日数を要すると思われますので, ご使用に際しましては, ここにご案内申し上げました改訂内容をご参照賜りますようお願い申し上げます. 記 1. 改訂内容 改訂後 改訂前 使用上の注意 2. 重要な基本的注意 (1) 手足症候群, 剝脱性皮膚炎, 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ), 多形紅斑があらわれることがあるので, (2)AST(GOT),ALT(GPT) の上昇を伴う肝機能障害, 黄疸, 肝不全があらわれることがあるので, (3) 急性肺障害, 間質性肺炎があらわれることがあるので, (4) 血圧の上昇が認められることがあるので, (5) 白血球減少, 好中球減少, リンパ球減少, 血小板減少, 貧血があらわれることがあるので, (6) 血清アミラーゼや血清リパーゼの上昇があらわれることがあるので, (7) 創傷治癒を遅らせる可能性があるので, 使用上の注意 2. 重要な基本的注意 (1) 血圧の上昇が認められることがあるので, (2) 創傷治癒を遅らせる可能性があるので, (3) 血清アミラーゼや血清リパーゼの上昇があらわれることがあるので, (4) 手足症候群, 剝脱性皮膚炎, 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 ), 多形紅斑があらわれることがあるので, (5)AST(GOT),ALT(GPT) の上昇を伴う肝機能障害, 黄疸, 肝不全があらわれることがあるので, (6) 急性肺障害, 間質性肺炎があらわれることがあるので, (7) 白血球減少, 好中球減少, リンパ球減少, 血小板減少, 貧血があらわれることがあるので, : 下線部追加改訂箇所 医薬品添付文書改訂情報は機構のインターネット情報提供ホームページ (http://www.info.pmda.go.jp/) に改訂指示内容, 最新添付文書並びに医薬品安全対策情報 (DSU) が掲載されています. あわせてご利用ください.
改訂後 3. 相互作用併用注意 ( 併用に注意すること ) 改訂前 3. 相互作用併用注意 ( 併用に注意すること ) 薬剤名等パクリタキセル / カルボプラチン カペシタビン 臨床症状 措置方法機序 危険因子パクリタキセル及機序不明びカルボプラチンとの併用により本剤の AUC が 47% 増加し, パクリタキセル及びその活性代謝物である 6-OH パクリタキセルの AUC がそれぞれ 29% 及び 50% 増加したとの報告がある. カペシタビン及び機序不明その活性代謝物であるフルオロウラシルの AUC がそれぞれ 50% 及び 52% 増加したとの報告がある. 追記 1)~2): ( 略 ) 3) 出血 ( 消化管出血, 気道出血, 脳出血, 口腔内出血, 鼻出血, 爪床出血, 血腫, 腫瘍出血 )(10% 以上 ): 消化管出血, 気道出血, 脳出血, 腫瘍出血等の重篤な出血があらわれることがあり, 死亡に至る例が報告されている. 本剤投与中は観察を十分に行い, 重篤な出血が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと. 4) 肝機能障害 黄疸 (0.1~1% ), 肝不全 ( 頻度不明 ), 肝性脳症 ( 頻度不明 ): ( 略 ) 5) 急性肺障害, 間質性肺炎 ( 頻度不明 ): ( 略 ) 6) 高血圧クリーゼ (0.1~1% ): ( 略 ) 7) 可逆性後白質脳症 (0.1~1% ): ( 略 ) 8) 心筋虚血 心筋梗塞 (0.1~1% ): ( 略 ) 9) うっ血性心不全 (0.1~1% ): ( 略 ) 10) 消化管穿孔 (0.1~1% ), 消化管潰瘍 ( 頻度不明 ): 消化管穿孔, 消化管潰瘍があらわれることがあり, 消化管穿孔により死亡に至る例が報告されているので, 消化管穿孔, 消化管潰瘍が疑われた場合には, 本剤の投与を中止するなど, 適切な処置を行うこと. 11) 白血球減少, 好中球減少, リンパ球減少, 血小板減少, 貧血 ( 頻度不明 ): ( 略 ) 12) 膵炎 (0.1~1% ): ( 略 ) 13) 腎不全 ( 頻度不明 ):( 略 ) : 下線部追加改訂箇所 1) 手足症候群 (10% 以上 ), 剝脱性皮膚炎 (1~ 10% ): ( 略 ) 2) 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson 症候群 )( 頻度不明 ), 多形紅斑 (0.1~1% ): ( 略 ) 3) 高血圧クリーゼ (0.1~1% ): ( 略 ) 4) 可逆性後白質脳症 (0.1~1% ): ( 略 ) 5) 消化管穿孔 (0.1~1% ): ( 略 ) 6) 出血 ( 消化管出血, 気道出血, 脳出血, 口腔内出血, 鼻出血, 爪床出血, 血腫 )(10% 以上 ): ( 略 ) 7) 心筋虚血 心筋梗塞 (0.1~1% ): ( 略 ) 8) うっ血性心不全 (0.1~1% ): ( 略 ) 9) 肝機能障害 黄疸 (0.1~1% ), 肝不全 ( 頻度不明 ), 肝性脳症 ( 頻度不明 ): ( 略 ) 10) 膵炎 (0.1~1% ): ( 略 ) 11) 急性肺障害, 間質性肺炎 ( 頻度不明 ): ( 略 ) 12) 白血球減少, 好中球減少, リンパ球減少, 血小板減少, 貧血 ( 頻度不明 ): ( 略 ) 13) 腎不全 ( 頻度不明 ): ( 略 )
改訂後 14) ショック, アナフィラキシー様症状 ( 頻度不明 ): ショック, アナフィラキシー様症状 ( 呼吸困難, 血管浮腫, 発疹, 血圧低下等 ) があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 本剤の投与を中止し, 適切な処置を行うこと. 15) 横紋筋融解症 ( 頻度不明 ): 横紋筋融解症があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 筋肉痛, 脱力感,CK(CPK) 上昇, 血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと. また, 横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること. (2) その他の副作用 ( 該当箇所 ) 10% 以上 1~10% 0.1~1% 頻度不明 循環器 高血圧 QT 延長 その他 疲労, 疼痛 ( 口内疼痛, 腹痛, 骨痛, 頭痛及びがん疼痛を含む ), 低リン酸血症 無力症, 発熱, インフルエンザ様症状, 体重減少, 勃起不全 : 下線部追加改訂箇所 毛包炎, 感染, 女性化乳房, 甲状腺機能低下, 低ナトリウム血症, 脱水 味覚異常, 甲状腺機能亢進, 放射線照射リコール反応, 高カリウム血症 追記 改訂前 (2) その他の副作用 ( 該当箇所 ) 10% 以上 1~10% 0.1~1% 循環器 高血圧 その他 疲労, 疼 無力症, 毛包炎, 痛 ( 口内疼 発熱, イ 感染, 女 痛, 腹痛, ンフルエ 性化乳 骨痛, 頭 ンザ様症 房, 甲状 痛及びが 状, 体重 腺機能 ん疼痛を 減少, 勃 低下, 低 含む ), 低 起不全 ナトリウム リン酸血症 血症, 脱 水 頻度不明 味覚異常, 甲状腺機能亢進 2. 改訂理由 重要な基本的注意 の項自主改訂 副作用の重大性, 発生頻度等を考慮し, 記載順序を整備しました. 相互作用 の項自主改訂 CCDS(Company Core Data Sheet: 企業中核データシート ) に パクリタキセル, カルボプラチン, カペシタビン が追記されたため, 相互作用 の 併用注意 の項にこれらの薬剤を追記し注意喚起することにしました. 重大な副作用 の項厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡による改訂及び自主改訂 (1) 消化管潰瘍, ショック, アナフィラキシー様症状, 横紋筋融解症 ( 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡による改訂 ) 国内において, 本剤との因果関係が否定できない 消化管潰瘍, 横紋筋融解症 が集積したことから, これらの副作用を 重大な副作用 の項に追記して注意喚起を図ることにしました. また, CCDS に 血管浮腫 が追記され, 国内においても, 本剤との因果関係が否定できない アナフィラキ
シーショック, 薬物過敏症 等の重度の過敏性反応が報告されていることから, ショック, アナフィラキシー様症状 を 重大な副作用 の項に追記して注意喚起することにしました. (2) 腫瘍出血 ( 自主改訂 ) 国内において, 本剤との因果関係が否定できない 腫瘍出血 が集積したため, 腫瘍出血 を 重大な副作用 の項に追記して注意喚起することにしました. (3) 副作用の重大性, 発生頻度等を考慮し, 副作用の記載順序を整備しました.( 自主改訂 ) 今回新たに追記する 消化管潰瘍, ショック, アナフィラキシー様症状, 横紋筋融解症 について, 以下に代表的な症例を紹介します. 消化管潰瘍 患者副作用 1 日投与量性 使用理由投与期間経過及び処置転帰年齢 ( 合併症 ) 男性 腎細胞癌 400mg/ 日 投与 1 日目 本剤 (400mg/ 日 ) の投与開始. 回復 60 歳代 ( 肺転移, スト 88 日間 ( 投与開始日 ) レス ) 400mg/ 日 投与 22 日目 胃潰瘍が発現. クリッピングのため入院. 61 日間 ( 投与中止日 ) 本剤を休薬. 随伴症状 : 吐血, 便の形状 : 黒色便, 出血源 : 胃 中止 3 日目 高血圧症が発現. 血圧 :180mmHg. 高血圧に対しカンデサルタンシレキセチルの投与開始. 中止 9 日目 胃潰瘍は回復. 本剤 (400mg/ 日 ) の投与再開. 併用薬 : なし ( 投与再開日 ) 再開 40 日目 高血圧症は軽快. 血圧 150/75mmHg. カンデサルタンシレキセチルを減少. 再開 61 日目 嘔気, 食欲不振が発現. 本剤の投与中止. ( 投与中止日 ) 嘔気, 食欲不振は転帰不明. ショック, アナフィラキシー様症状 患者副作用 1 日投与量性 使用理由投与期間経過及び処置転帰年齢 ( 合併症 ) 女性 腎細胞癌 800mg/ 日 投与 1 日目 本剤 (800mg/ 日 ) の投与開始. 回復 60 歳代 第 4 期 11 日間 ( 投与開始日 ) ( 肺転移 ) 400mg/ 日 投与 10 日目 多形紅斑が発現. 塩酸フェキソフェナジン 2 日間 (120mg/ 日 ), 酪酸プロピオン酸ベタメタゾン軟膏の投与開始. 投与 11 日目 本剤を休薬. ( 投与中止日 ) 中止 19 日目 多形紅斑は回復. 中止 20 日目 同日朝, 本剤 (400mg/ 日 ) の投与再開. ( 投与再開日 ) 昼頃, 悪寒及び発熱 (39.6 度 ) 発現. 血圧 60mmHg に低下. アナフィラキシーショックが発現. 呼吸器症状 ( 息苦しいが会話ができる ) 及び皮膚症状 ( 全身の紅斑, 浮腫 ) を認めた. 集中治療室に入院. コハク酸ヒドロコル
チゾンナトリウム (750mg/ 日 ), 塩酸ドパミン ( 投与量不明 ) の投与開始. 再開 2 日目本剤の投与中止. コハク酸プレドニゾロンナト ( 投与中止日 ) リウム (20mg/ 日 ) の投与開始. 再開後中止 2 日目アナフィラキシーショックは回復. その後, コハク酸プレドニゾロンナトリウムは 4 日間かけて漸減. 併用薬 : ラベプラゾールナトリウム, センノシド, カンデサルタンシレキセチル, レバミピド, ロキソプロフェンナトリウム, レボチロキシンナトリウム 横紋筋融解症 患者副作用 1 日投与量性 使用理由投与期間経過及び処置転帰年齢 ( 合併症 ) 男性 肝細胞癌 800mg/ 日 投与 1 日目 本剤 (800mg/ 日 ) の投与開始. 回復 60 歳代 第 3 期 309 日間 ( 投与開始日 ) 軽快 ( 不眠症, 高血圧 ) 投与 309 日目 ( 投与中止日 ) 200mg/ 日 7 日間 400mg/ 日 15 日間 筋肉のこわばり ( 上肢, 下肢 ), 無尿が生じ, 当科受診したところ,CPK,K,Cr 値上昇を認めたため, 横紋筋融解症の疑いにて緊急入院. 本剤の投与中止. 術後回復液の投与開始. 中止 2 日目 CPK(1784),Cr(5.28), 尿中ミオグロビン (3000) のため, 横紋筋融解症とそれに伴う 急性腎不全であると診断. ハイドレーション 施行. 生理食塩水の投与開始. 中止 3 日目 フロセミドの投与開始. 中止 4 日目 CPK(818) 及びCr(1.69) に改善. 中止 8 日目 横紋筋融解症はほぼ改善. 急性腎不全は回 復. 中止 11 日目 退院. 中止 15 日目 横紋筋融解症は回復. 中止 29 日目 本剤 (200mg/ 日 ) の投与再開. ( 投与再開日 ) 再開 8 日目 本剤を400mg/ 日に増量. 再開 22 日目 横紋筋融解症が発現. 本剤の投与中止. ( 投与中止日 ) 再開後中止 8 日目 横紋筋融解症は軽快. 臨床検査値 基準値 投与中止中止中止中止再開後中止 3 日前 2 日目 4 日目 8 日目 15 日目 8 日目 クレアチンキナーゼ (U/L) 1784 818 167 80 152 クレアチニン (mg/dl) 0.60-1.10 0.83 5.28 1.69 0.92 0.83 Na (meq/l) 135-146 139 131 135 137 139 K (meq/l) 2.4-4.8 3.9 5.0 3.6 4.7 4.2 Ca (meq/l) 8.8-10.2 7.0 6.7 8.8 Cl (meq/l) 98-108 87 101 102 尿中ミオグロビン (ng/ml) 0-10 3000 尿潜血 3+ 併用薬 : ブロチゾラム, 尿素
その他の副作用 の項自主改訂 CCDS に QT 延長 及び 放射線照射リコール反応 が追記され, 国内においても, 本剤との因果関係が否定できない QT 延長 及び 放射線性肺臓炎, 放射線胃腸炎 等の放射線照射部位における炎症反応が報告されていることから, QT 延長 及び 放射線照射リコール反応 を その他の副作用 の項に追記して注意喚起することにしました. また, 国内において, 本剤との因果関係が否定できない 高カリウム血症 が集積したため, その他の副作用 の項に 高カリウム血症 を追記して注意喚起することにしました. 改訂内容につきましては医薬品安全対策情報 (DSU)No.194(2010 年 11 月 ) に掲載される予定です.