1
2
リハビリ室 主任理学療法士 夏目 健文 筋力評価は スポーツ外傷や障害の予防 メディカルトレーニングの進歩 状況を把握し スポーツ活動への復帰を判断する上で欠かせません 当院で行っている膝関節の筋力測定評価方法について紹介いたします リハビリテーション室では 整形外科疾患の術前術後の患者さ ん 外来受診の患者さんに対して筋力測定器による筋力評価を行 っています 筋力測定器は CybexNORM(サイベックスノルム) 図1 を使用 しています 膝関節の筋力測定は 膝を伸ばす筋力 膝伸筋 と 膝を曲げる筋力 膝屈筋 の静的筋力 等尺運動 と動的筋力 等速運動 を測定しています 静的筋力は 膝関節の関節角度が 90 度 60 度 30 度の膝伸 筋と膝屈筋の筋力を 動的筋力は 60 度/秒 180 度/秒 240 度/ 秒 300 度/秒における膝伸筋と膝屈筋の筋力を測定しています ただし 外傷や障害の状況等により 関節角度や測定筋を限定し て測定することもあります 図1 CybexNORM(サイベックスノルム) 筋力は 測定によって得られたデータを基に 主に以下の5 つ の観点から評価します 図2 1 筋力の絶対値 ピークトルク 2 健側に対する患側の割合 健側比 3 筋力の体重あたり値 絶対値を体重で割った値 4 左右バランス 左膝筋力に対する右膝筋力のバランス 5 屈曲 伸展比 膝伸筋筋力に対する膝屈筋筋力の割合 筋力の絶対値 ピークトルク は 自分の体を使って 自分以外の対象物にカを加える能力を判断する指標となり ます 健側に対する患側の割合 健側比 は 外傷や障害後 衰えた筋力の回復状況を判断する指標となります 静的筋力 において 80 90 までの回復が目標となります 筋力を体重で割った値 は 自分の身体を移動させる能 力 自分の体重を移動させる能力 を判断する指標となりま す 伸展 屈曲ともに 体重あたりの値が極端に低い場合 には 障害につながる恐れがあるので 筋力を高めるため のトレーニングを重点的に実施することが課題となります 左右バランス は 左右脚筋の筋力バランスが取れてい るかどうかを評価する指標となります 60 度/秒において左 右差が[0±10%以内] であれば 良いバランス であるとい われています 屈曲 伸展比 は 伸展筋力に対する屈曲筋カの割合を 表しています バランスのとれた筋力発揮および障害防止の ためには 屈伸比は 60%程度が良いという報告があります 3 図2 筋力測定結果レポート 筋力測定は ルーチンとして 行っていますので いつでも 測定することが可能ですが ま ず 整形外科に受診すること が必要です
4
義務教育を受ける6 歳から 11 歳までの小児を児童といいます この時期は幼 児期に続いて成長期といわれています 学童期における活動的な集団生活 学習 行動 よりよい食生活は 脳や神経の働きを介して 体と心が正常に成長発育す るために必須です また 学童期の栄養は 身体が一生の基礎をつくりつつ成長 発育するために重要です 栄養管理室 管理栄養士 主任 田 中 洋 子 学童期の生活 学校生活以外の生活内容は 幼児期より 豊かになりますが 個人差も大きくなりま す 身体活動を伴わないテレビゲームなどを する時間が増える児童もおり 一日の運動 量が低下してきているといわれています ま た 大人の生活に合わせた夜型生活で就寝 時間の遅れ 夜食の習慣化など不規則で内 容の偏った食生活が広がり 過食やそれか らくる肥満をもたらします 栄養の特徴 骨 内臓 筋肉の発育や発達に見合うエネ ルギー 良質な蛋白質 カルシウム 鉄など のほか 成長発育を支える 微量元素やビタ ミンも充分に摂る必要があります 現在に多く 見られるような 食品の量や種類を少なくする 傾向にある食生活では微量元素やビタミンを 充分に摂ることは難しいので注意が必要です 学童の食生活 成長期にある小学生にとって 幼児と同様に間食や夜食は 朝食 昼食 夕食の3 食の食事とともに おやつ というよりは必要なエネルギー 一日の必要量の1 2 割 や栄養を補給する重要な一日の食事として考えます 間食として与える食品は 炭水化 物の多い食品に偏らず 不足がちな栄養を補う牛乳やチーズなどの乳製品や果物などが 望ましいでしょう 嗜好飲料やスナック菓子などの市販加工食品に偏らないように 子供 自身が適切な食品の量 種類の選択ができるように指導することも重要です また最近では 夕食後に食べるおやつや 寝る前に食べる夜食の過食で翌日の起床 後に食べる時間がない 食欲が無い等の理由で朝食を食べることのできない児童も増え ていますので 起床後空腹を感じるような食習慣を作ることが大切です このように訪問看護センターでは 当院に通院している方または退院後外 来に通院する予定の方を対象に 住み慣れたご家庭で安心して療養生活 が送れるようにお手伝いをしています 訪問先では 医師の指示で病状 の観察 在宅酸素などの医療機器の管理及びその指導 清拭 洗髪 床 ずれの予防と処置 機能訓練 家族への介護指導 相談などを医療保険 の適用で行っています 体力と笑顔に自信あり!? のスタッフが心よりお待 ちしています 注 1 カヌラ 酸素を鼻に送るチューブ 注 2 パルスオキシメーター 身体の中の酸素の量 目安 をみる器械 訪問看護センター 保健師 大村早代 5
6
7
8