資料 -2 超過洪水対策 ( ハード ソフト ) 1
1. 復旧方針と再度災害の可能性 2. 超過洪水対策の考え方 3. 超過洪水対策案 ( ハード整備 ) 4. 超過洪水対策案 ( ソフト対策 ) 2
1. 復旧方針と再度災害の可能性 平成 23 年 7 月水害の復旧は本支川バランス等を考慮した計画 五十嵐川 : 実績降雨の一山目を外力として計画 鹿熊川 : 主要支川とのバランスを考慮し 1/10 年確率で計画 塩谷川 : 主要支川とのバランスを考慮し 1/50 年確率で計画 100 1000 90 80 70 60 50 40 30 H23 豪雨 H16 年豪雨 H23 豪雨 ( 累加 ) H16 年豪雨 ( 累加 ) 900 800 700 600 500 400 20 10 0 1:00 2:00 3:00 4:00 5:00 6:00 7:00 8:00 10:00 9:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 22:00 23:00 0:00 1:00 2:00 3:00 4:00 5:00 6:00 7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 22:00 23:00 0:00 1:00 2:00 3:00 4:00 5:00 6:00 7:00 8:00 10:00 9:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 22:00 23:00 0:00 1:00 2:00 3:00 4:00 5:00 6:00 7:00 8:00 10:00 9:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 22:00 23:00 0:00 雨量 (mm) 累加雨量 (mm) H23 豪雨流域平均雨量 ( 全流域 ) 300 総雨量二日雨量最大時間雨量 全体 715.6mm 651.8mm 55.7mm 200 100 0 一山目 492.2mm 434.5mm 55.7mm 二山目 223.4mm 217.3mm 45.4mm 7 月 27 日 7 月 28 日 7 月 29 日 7 月 30 日 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 一新橋 一山目 ダム調節前ダム調節後 今回豪雨は二山波形であるが 一山目にピーク流量が生起している ( 実際の通過流量は二山目がピークであるが これはダムが治水容量を使い切ったため ) 二山目をカバーするような調節施設の設置や河道改修は難しい (JR 地点がネック ) 一山目の二日雨量は 434.5mm/2 日である (H16.7.13 豪雨は 400.5mm/2 日 ) 500 3 0 0:00 7:00 14:00 21:00 4:00 11:00 18:00 1:00 8:00 15:00 22:00 5:00 12:00 19:00 流量 (m3/s)
1. 復旧方針と再度災害の可能性 助成区間は背後地に宅地が連担し 河道法線は蛇行 H.23 年 7 月洪水時は 助成区間のほぼ全区間で堤防天端付近まで水位が上昇 湾曲外湾部 ( 水衝部 ) の堤防天端付近で 法くずれ発生の 高水位継続 法くずれなど堤防安定上危険な状況に 1.6k 付近 標高 (m) 35 30 25 20 15 橋梁嵐川橋御蔵橋 常盤橋新大橋昭栄大橋 信越本線 最深河床高 (H23 測量 ) 痕跡水位 ( 左岸 ) 痕跡水位 ( 右岸 ) 左岸堤防高 (H23 測量 ) 右岸堤防高 (H23 測量 ) 田島橋 渡瀬橋 豪雨流下時 10 5 0 痕跡水位が堤防天端付近に 低水護岸被災高水敷の流出覆土の流出 -5 0 1 2 3 4 5 3.4k 付近 被災後 4
1. 復旧方針と再度災害の可能性 五十嵐川助成区間の堤防満杯流下能力は今回被災流量とほぼ同等 H.23 年 7 月二山洪水に対しては越水 破堤の可能性あり 流下能力 (m3/s) 流下能力 (m3/s) 堤防天端流下能力危険水位流下能力 5000 右岸流下能力復旧計画流量 4500 被災流量 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 0.0 0.4 0.8 1.2 1.6 2.0 2.4 2.8 3.2 3.6 4.0 距離標 (km) 0 1 2 3 4 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 5000 左岸流下能力 越水区間 ( 浸水記録 ) 5
津波津波対策を構築するにあたってのこれからの想定津波の考え方 ( 東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震 津波対策に関する専門調査会中間とりまとめ より抜粋 ) (2) 最大クラスの津波高への対策の考え方 2. 超過洪水対策の考え方 今般の巨大な津波の発生とその被害から 海岸保全施設等に過度に依存した防災対策には問題があったことが露呈された 東北地方太平洋沖地震や最大クラスの津波レベルを想定した津波対策を構築し 住民の生命を守ることを最優先として どういう災害であっても行政機能 病院等の最低限必要十分な社会経済機能を維持することが必要である このため 住民の避難を軸に 土地利用 避難施設 防災施設などを組み合わせて ソフト ハードのとりうる手段を尽くした総合的な津波対策の確立が必要である (3) 頻度の高い津波に対する海岸保全施設等による津波対策 海岸保全施設等の整備の対象とする津波高を大幅に高くすることは 施設整備に必要な費用 海岸の環境や利用に及ぼす影響などの観点から現実的ではない しかしながら 人命保護に加え 住民財産の保護 地域の経済活動の安定化 効率的な生産拠点の確保の観点から 引き続き 比較的頻度の高い一定程度の津波高に対して海岸保全施設等の整備を進めていくことが求められる なお 海岸保全施設等については 設計対象の津波高を超えた場合でも施設の効果が粘り強く発揮できるような構造物の技術開発を進め 整備していくことが必要である 6
洪水洪水防御計画に関する基本的な事項 2.1 総説 2. 超過洪水対策の考え方 ( 河川砂防技術基準同解説計画編 より抜粋 ) 洪水防御計画は, 河川の洪水による災害を防止又は軽減するため, 計画基準点において計画の基本となる洪水のハイドログラフ ( 以下 基本高水 という.) を設定し, この基本高水に対してこの計画の目的とする洪水防御効果が確保されるよう策定するものとする. このため, 洪水防御計画は, 基本高水に対してこの計画により設置される施設が水系を一貫して相互に技術的, 経済的に調和がとれ, かつ十分にその目的とする機能を果たすよう策定されなければならない. また, 洪水防御計画の策定に当たっては, 河川の持つ治水, 利水, 環境等の諸機能を総合的に検討するとともに, この計画がその河川に起こり得る最大洪水を目標に定めるものではないことに留意し, 必要に応じ計画の規模を超える洪水 ( 以下 超過洪水 という.) の生起についても配慮するものとする. 河川整備基本方針においては, 計画基準点における基本高水のピーク流量とその河道及び洪水調節施設への配分, 並びに主要地点での計画高水流量を定め, 河川整備計画においては, 段階的に効果を発揮するよう目標年次を定め, 一定規模の洪水の氾濫を防止し, 必要に応じそれを超える洪水に対する被害を軽減する計画とする. その際に, 既存施設の有効利用やソフト施策を重視するとともに, 流域における対応を取り込むものとする. 2.9 超過洪水対策 計画の規模を超える洪水により, 甚大な被害が予想される河川については, 必要に応じて 7 超過洪水対策を計画するものとする.
2. 超過洪水対策の考え方 今回洪水 平成 23 年 7 月新潟 福島豪雨での洪水は計画を超える洪水 その復旧方針において 本支川 上下流の治水バランスを考慮した目標を設定 今回洪水あるいはそれを超える洪水が発生する可能性は常に存在する 計画内の洪水については洪水の氾濫を防止し 必要に応じ 超過洪水に対する被害を軽減する計画とする 超過洪水対策としては 河川砂防技術基準計画編にある 既存施設の有効利用やソフト施策を重視するとともに, 流域における対応を取り込むもの に加え 具体的なハード整備の検討も行い ハード ソフト両輪で取り組んでいく必要がある 具体的な方策 堤防余裕高の湾曲外湾部への侵食対策 流域内での多重防御 ( 霞堤 二線堤など ) 水防拠点の整備 ソフト対策連絡会 ( 仮称 ) による広域的な連携など 巨大津波に対する多重防御の考え方と類似 8
3. 超過洪水対策案 ( ハード整備 ) 超過洪水へのハード整備整備として 資産の集積する五十嵐川下流部におけるH.W.L 超過の侵食対策を検討 HWL 超過の侵食対策 1.6k 付近 H.23 年 7 月洪水の 2 山目の洪水流下への対応 五十嵐川下流区間の水衝部 ( 湾曲の外湾部 ) における堤防天端付近 (HWL 上部 ) の護岸整備 豪雨流下時 低水護岸被災高水敷の流出覆土の流出 被災後 : 対策候補箇所 対策検討区間 9
3. 超過洪水対策案 ( ハード整備 ) 超過洪水へのハード整備整備として 塩谷川などではん濫水の速やかな排水のための霞堤保全を検討 氾濫流対策 塩谷川では はん濫水が霞堤開口部より速やかに排水され減災に寄与 塩谷川 はん濫後の排水促進のため霞堤の保全 霞堤の開口部 霞堤破堤地点 村下橋 人面橋 文納橋 下塩橋 霞堤により氾濫水が還元 霞堤構造 コンクリート 河原田橋 二日町橋 楢山橋 上塩橋 沖布橋 巾ノ橋 新町橋 35 1 落合橋 10
水防拠点の整備 4. 超過洪水対策案 ( ソフト対策 ) 超過洪水へのソフト対策として 水防活動の拠点整備による効率的な水防活動および資機材不足への対応を検討 島潟の水防活動は越水被害軽減に寄与 復旧資材備蓄量の不足も顕在化 新たな水防拠点の検討 現在の水防拠点の拡充 水防活動に関する知識 訓練の継続 1 水防上の有用性 五十嵐川 水防拠点整備候補箇所の考え方 ( 案 ) 水防拠点有効に機能するために はん濫による危険度が高く 水防活動の実績箇所 過去の被災箇所等を候補とする 2 機動性 ( アクセス性 ) 幹線道路との距離が近く そこまでのアクセス道路が十分な幅員を確保している 水害時でもアクセス可能であり 水防活動に支障が出ない 3 事業実施の即効性 土地利用状況より用地取得が容易であり 実現性が高い 11
二線堤機能を持たせる水防活動 はん濫流 浸水区域が既設道路などで停滞 4. 超過洪水対策案 ( ソフト対策 ) 超過洪水へのソフト対策として はん濫 越水後の浸水被害拡大を抑制する道路での二線堤機能を持たせる水防のあり方を検討 はん濫流を留めた道路を二線堤として捉え はん濫制御に寄与する水防活動への応用を検討 道路に二線堤機能を持たせる水防活動イメージ 五十嵐川 日端川 12
4. 超過洪水対策案 ( ソフト対策 ) 一般的に水防活動は市町村長の指揮により地先の水防団が行う しかし 超過洪水時の水防活動には広域的連携が不可欠となることから 別途設立を検討するソフト対策連絡会 ( 仮称 ) における調整事項とする 広域的連携による水防活動の実現 通常の水防活動は 市町村単位で地先水防団が実施し 広域的連携は考慮されていない 広域的連携による水防活動実現をアクションプログラムに加え ソフト対策連絡会 ( 仮称 ) で調整 平成 23 年 7 月新潟 福島豪雨対策検討委員会 提言 提言内容の具体化検討 連絡会 担当会議 アクションプログラム決定 P 報告 国 県 市 教育機関 マスコミ等における調整 プログラム実施 D アクションフ ロク ラムの検討 ( 内容 役割分担等 ) 関係部所と調整 報告意見指示水防協議会(例年5月に実施)報告 C 意見への対応及び進捗状況の判断 A 指示 必要に応じアドバイザーや関連機関に加わって頂く ソフト対策連絡会 ( 仮称 ) の枠組みイメージ
4. 超過洪水対策案 ( ソフト対策 ) 超過洪水時においても 確実な水位情報の取得 伝達を達成するために 侵食等流水の影響を受けにくい観測施設の整備を検討 確実な水位情報伝達のための観測施設整備 一部観測所が侵食等で被災し 水位データが欠測 侵食等 流水の影響を受けにくい観測施設の整備を検討 1 非接触型水位計の整備超音波式水位計は 観測器が水上にあるため洪水時に侵食等の影響を受けにくい 2 河川画像情報の提供 CCTV 等の河川画像情報の提供 ( 夜間でも見易い水位標尺を設置し写す簡易な二重化 ) H.16 年水害後に整備した渡瀬橋の超音波水位計 CCTV による水位標画像表示例 ( 関川 ) 新たな観測施設の整備イメージ 14
的確な広域的洪水予測体制の検討 4. 超過洪水対策案 ( ソフト対策 ) 洪水予報河川以外の 6 河川 ( 鯖石川 五十嵐川 刈谷田川 加治川 渋海川 保倉川 ) で試行中の洪水予測について精度向上を図る リアルタイム雨量 水位情報提供も含め 国と連携して 国と連携して 広域的な洪水予測体制を検討 洪水予測提供河川が限定的である 立ち上がり部分は一定精度を有しているが ピーク付近の精度が不足 3 国と連携した広域的洪水予測体制の構築検討 降雨予測精度の向上も見据えながら 流出モデル 予測手法の改善を検討 1 1 2 青 : 実績水位黒ひげ : 予測赤ひげ : 黒ひげと同じ予測だが 部分的に説明したい箇所結論 : 追従している箇所 1 もあるが 一番の立ち上がりは反映されているが 前 2 後 3 の予測があまい 15