当院でのせん妄に対する取り組み 宮崎県立延岡病院心療内科 精神科北英二郎
多職種によるせん妄への初期対応 - D e l i r i u m T e a m A p p r o a c h P r o g r a m -
プログラムの目的 主治医 看護師 薬剤師の連携 せん妄への初期対応終末期 興奮強い症例などは除く
プログラムの開発経緯 1 せん妄の主因は 薬剤と身体要因 2 看護師が感じるせん妄ケアの困難点 1) せん妄の 確信 の持てなさ 2) 初期対応の困難 不眠 不穏時指示の使用 3) せん妄の情報共有の困難 看護師 - 医師 医療者 - 患者 家族 国立がん研究センター東病院精神腫瘍科依頼データ (2010 年 ) による (n=379) (2011 年国立がん研究センター東病院看護部フォーカスク ルーフ ) 医師 看護師 薬剤師が連動した 一歩進んだ せん妄対応システムが必要
導入医療機関 国立がん研究センター東病院熊本赤十字病院九州がんセンター青梅市立病院宮崎県立延岡病院 2013 年 2013 年 2013 年 2014 年 2014 年
当院でのせん妄の主因 宮崎県立延岡病院 平成 24 年 4 月 ~ 平成 25 年 3 月 n=94 例 代謝性 急性血管障害 4% 感染 6% 3% アルコール 5% 中枢神経系 7% 薬剤性 ( ステロイド ) 7% オピオイド 10% [ 分類名 ] [ パーセンテージ ] 薬剤性 ( ベンゾ ) 19% 低酸素症 20% 外傷 17%
せん妄発症日と主因との関係 宮崎県立延岡病院 平成 24 年 4 月 ~ 平成 25 年 3 月 n=94 例 入院当日 3 日目 5 日目 7 日目 11~15 日目 21~25 日目 31~35 日目 41~45 日目 51~55 日目 入院時に既にせん妄を来している場合が多数 入院後開始されたベンゾ系 オピオイド 抗がん剤 ステロイドの影響が出現するタイミング 入院が長引き 不安抑うつが強まり 不眠となってベンゾ系の量が増える時期 回復困難で オピオイド ステロイドが増量される時期 0 10 20 30 40 中枢神経系低酸素症アルコール感染症外傷代謝性抗がん剤急性血管障害ベンゾ系オピオイドステロイド
せん妄をきたす薬剤 抗不整脈薬ジソピラミド ( リスモダン ) リドカイン ( キシロカイン ) メキシレチン ( メキシチール ) プロカインアミド ( アミサリン ) キニジンなど抗生剤アミノグリコシド系アムホテリシン ( ファンギゾン ) セフェム系クロラムフェニコールイソニアジドリファンピシンスルホンアミドテトラサイクリン系チカルシリン ( チカルペニン ) バンコマイシンメトロニダゾール ( フラジール ) など抗コリン作用を持つ薬物アトロピン三環系抗うつ薬抗パーキンソン病薬 ( アキネトン ) など抗ヒスタミン薬 ( アタラックス P) などフェノチアジン系抗精神病薬 ( コントミン ) など点眼薬 点鼻薬など抗けいれん薬フェニトイン ( アレビアチン ) など 降圧剤カプトプリル ( カプトリル ) クロニジン ( カタプレス ) メチルドパ ( アルドメット ) レセルピン ( アポプロン ) など抗ウイルス剤アシクロビル ( ゾビラックス ) インターフェロンガンシクロビル ( デノシン ) などバルビツール酸系チオペンタールフェノバルビタールなど β 遮断薬プロプラノロール ( インデラル ) チモロール ( プロカドレン ) など H2 拮抗薬シメチジン ( タガメット ) ラニチジン ( ザンタック ) ファモチジン ( ガスター ) などジギタリス製剤ジスルフィラム ( ノックビン ) ドパミン作動薬 ( 中枢神経系 ) アマンタジン ( シンメトリル ) ブロモクリプチン ( パーロデル ) レボドパ ( ドパストン ) などエルゴタミン製剤 GABA 作動薬ベンゾジアゼピン系バクロフェン ( ギャバロン ) など 免疫抑制剤プロカルバジン ( ナツラン ) L- アスパラギナーゼ ( ロイナーゼ ) メトトレキサート ( メトトレキセート ) 高濃度にてシタラビン ( キロサイド ) ビンクリスチン ( オンコビン ) ビンブラスチン ( エクザール ) フルオロウラシル (5-FU) ダカルバジンタモキシフェン ( ノルバデックス ) などリチウム MAO 阻害剤イソニアジドプロカルバジンなど麻薬系鎮痛剤非麻薬系鎮痛剤非ステロイド系抗炎症薬イブプロフェン ( ブルフェン ) インドメタシン ( インダシン ) ナプロキセン ( ナイキサン ) スリンダク ( クリノリル ) などステロイド製剤 ACTH 交感神経刺激薬覚醒剤アミノフィリン ( ネオフィリン ) テオフィリンエフェドリンコカインフェニレフリン ( ネオシネジン ) など Cassem NH et al:psychopharmacology in the ICU. In Chernow B, editor : The pharmacologic approach to the critically ill patient, Baltimore, 1995, Williams & Wilkins より改変して引用
せん妄の原因 - 薬剤性 - 対象 : 薬剤性のせん妄と評価されたがん患者 原因薬剤割合 (%) オピオイド 54 ベンゾジアゼピン系抗不安薬 24 コルチコステロイド 21 H2 遮断薬 19 抗けいれん薬 6 抗ヒスタミン薬 4 抗コリン薬 6 その他 9 Tuma et al., Arch Neurol, 2000
せん妄の何が問題になるのか 危険行動による事故 自殺 家族とのコミュニケーションの妨げ家族の動揺 意思決定ができない 医療スタッフの疲弊 入院期間の長期化 Litaker et al.,gen Hosp Psychiatry,2001 Lawlor et al.,arch Intern Med,2000 Inouye et al.,n Engl J Med,1999
せん妄の出現と予後 ICUに入室した60 歳以上 304 例 せん妄期間が短いほど予後が良好 (1 日延びるごとに約 10% 低下 ) 多変量解析でもせん妄期間は 1 年死亡率と相関し 独立した予後因子であった Pisami MA, et al.: Am J Respir Crit Care 2009
がん患者のせん妄の頻度 : 終末期 Lawlor et al, Arch Intern Med 2000 対象 : 緩和ケア病棟に入院した進行がん患者 104 名
せん妄の概要
せん妄は意識の障害 安静を保てず点滴を自己抜針 活動性が低下して離床がすすまない 夜中にふらふら歩きだし転倒 代表的な精神症状 感情 知覚 意識 睡眠 思考 認知 意欲 せん妄 = 意識障害 心理的要因ではない
せん妄の病態 準備因子 誘発因子 直接因子 脳の脆弱性に環境的 身体的な負荷が加わり 脳が機能的に破綻 ( 意識障害 ) した状態 心理的な要因ではない
せん妄の原因 直接因子 誘発因子 準備因子
せん妄の原因 中枢神経の脆弱性 脳血管疾患 認知症 高齢 アルコール多飲 その他 準備因子 リスク評価 予防
せん妄の原因 せん妄を促進する要因 不適切な感覚刺激 強制的な安静臥床 身体的苦痛 その他 誘発因子 ケア 症状緩和 準備因子
せん妄の原因 せん妄そのものの原因 炎症 低酸素 脱水 貧血 直接因子 誘発因子 準備因子 電解質異常ナトリウムカルシウム 薬剤オピオイドステロイド その他 カリウム ベンゾジアゼピン 身体的治療
せん妄の原因 直接因子 誘発因子 準備因子 せん妄そのものの原因 炎症 低酸素 脱水 貧血 電解質異常( ナトリウムカリウムカルシウム ) 薬剤( オピオイドベンゾジアゼピンステロイド ) その他 せん妄を促進する要因 不適切な感覚刺激 強制的な安静臥床 身体的苦痛 その他 中枢神経の脆弱性 脳血管疾患 認知症 高齢 アルコール多飲 その他
せん妄になったら 負担 ( 原因 ) を取り除くことが大切!!
せん妄のリスク評価
リスク評価 準備因子 中枢神経の脆弱性 脳血管疾患 認知症 高齢 アルコール多飲 その他 入院時に医師が評価 ハイリスクの場合 看護師による定期的な症状チェック ベンゾジアゼピン系薬剤の単独使用をさける
せん妄の症状
せん妄の症候学 神経精神症状 行動異常 (%) 認知症状 (%) 睡眠覚醒サイクル 97 見当識 76 知覚障害 / 幻覚 50 注意 97 妄想 31 短期記憶 88 情動の変容 53 長期記憶 89 言語 57 視空間能力 87 思考過程 54 運動性焦燥 62 運動制止 62 対象 : 緩和ケア病棟にてせん妄と診断された患者 (N=100) ( 除外死亡直前 症状評価が難しい場合 ) 方法 :Delirium Rating Scale-Revised 98 を施行結果 :100 名が参加 ( 全入院患者 434 名 平均年齢 70 歳 ) 不穏や幻覚がない場合もある Meagher DJ et al, Br J Psychiatry 2007
せん妄の診断基準 - C A M - 1 ) 急激に発症し 症状が変動 2 ) 注意力障害 3 ) まとまらない思考 4 ) 意識レベルの変動 1 と 2 は必須 3 または 4 が存在 せん妄 看護師が せん妄アセスメントシート を用いて症状を観察 CAM: Confusion Assessment Method 感度 94% 特異度 90%
せん妄の分類 過活動性せん妄 (hyperactive delirium) 20% ルート類の抜去や切断 転倒 転落など問題行動として発見 低活動性せん妄 (hypoactive delirium) 30% 混乱 鎮静が中核症状症状に乏しいため見過ごされる 混合型 (mixed) 50% Lipowski et al., 1990
せん妄と認知症の鑑別 せん妄 認知症 発症様式 急性 亜急性 慢性 経過 一過性 持続性 症状の動揺性 あり ( 夜間増悪 ) 目立たない 意識 混濁 正常 知覚の障害 錯覚 幻覚 目立たない 急にボケた 夜だけボケる 不穏 と言われる状態の多くはせん妄
低活動性せん妄とうつ状態の鑑別 Breitbart W et al, JAMA 2008 低活動性せん妄 うつ状態 発症様式急性 亜急性緩徐 覚醒度覚醒低下 傾眠正常 認知機能 短期記銘力障害集中力低下 失見当識 主観的障害障害があっても軽度 知覚の障害錯覚 幻覚まれ 感情 不安定 抑制欠如に基づく希死念慮 絶望感 / 無価値観に基づく希死念慮 神経学的所見羽ばたき振戦 把握反射正常
せん妄時の言動に注意 身体症状として 痛い という場合特徴 : 持続性 再現性があり 疼痛時の効果一定対応 : 疼痛時指示の使用 せん妄で 痛い という場合特徴 : もうろうとして持続性 再現性がない対応 : 原因検索と不穏時指示の使用
せん妄への対応
せん妄への対応 原因の特定と除去 可逆性の見通しせん妄出現時に加わった因子 抗精神病薬を中心とした薬物療法 せん妄に対応した 不眠時指示 不穏時指示
原因の特定 73 歳男性 大腸癌の手術目的で入院 脳梗塞の既往 術後 5 日目に肺炎 呼吸困難感 不眠にてブロチゾラム 内服後 点滴を自己抜針し ふらつきながら廊下を歩く
原因の特定 発症時期 : 本日 準備 誘発 直接因子 準備因子 : 高齢脳梗塞の既往誘発因子 : 呼吸困難感直接因子 : 肺炎ブロチゾラム 術後の炎症 可逆性 : 高い リスクを評価していれば予防できていた可能性
頻度 可逆性からみた原因 対象 : 緩和ケア病棟入院後 せん妄が出現したがん患者 71 名 頻度 原因 1 オピオイド 2 脱水 3 代謝異常 4 低酸素脳症 ( 呼吸器感染症による ) 5 その他の感染症 6 薬剤 ( 麻薬以外 ベンゾジアゼピンなど ) 7 血液学的異常 8 頭蓋内病変 9 低酸素脳症 ( 肺がん 転移性肺がんによる ) 10 アルコール等の離脱 可逆性 高い高い低い低い低い高いーー低いー 進行 終末期であっても 49% は改善可能 Lawlor et al., Arch Intern Med, 2000
精神科の薬ってどういう種類があるの? 抗精神病薬 抗不安薬 睡眠薬 ( ベンゾジアゼピン系 ) せん妄や統合失調症に使われる薬 幻覚 興奮や昼夜リズム障害など症状そのものに使用 セレネース リスペリドン ジプレキサ セロクエル ヒルナミン ルーラン など 睡眠剤とは違う 不眠時や不安時に使われる薬 マイスリー デパス ブロチゾラム ハルシオン リスミー セルシン など せん妄を悪化させるベンゾジアゼピン系は注意 せん妄悪化
抗精神病薬 抗精神病薬 抗 α 1 抗ヒスタミン抗ドパミン抗セロトニン 2A 使い分け 受容体プロフィール 作用時間 投与経路 注意事項錐体外路症状 ( 固縮 振戦アカシジアなど )
抗精神病薬 抗ドパミン 使い分け 抗精神病薬抗精神病薬は意識レベルを落とす目的で使用しているのではなく せん妄症状の緩和 受容体プロフィール抗 α 1 抗ヒスタミン 作用時間 投与経路 抗セロトニン 2A 注意事項錐体外路症状 ( 固縮 振戦アカシジアなど )
ベンゾジアゼピン系薬剤 ベンゾジアゼピン 使い分け 鎮静作用 作用時間 GABA の活性化 注意事項耐性 依存性せん妄リスク呼吸抑制ふらつき 転倒記憶障害 ( ブラックアウト ) 退薬症状脱抑制
ベンゾジアゼピン系薬剤 ベンゾジアゼピン 使い分けベンゾジアゼピンは意識レベルを低下させるの 鎮静作用で 作用時間せん妄を増悪させる ( 特に単独での使用 ) GABA の活性化 注意事項耐性 依存性せん妄リスク呼吸抑制ふらつき 転倒記憶障害 ( ブラックアウト ) 退薬症状脱抑制
薬物療法をめぐる誤解 不穏は寝かせればいい 鎮静してもせん妄は改善しない脳機能障害に対する治療が必要 抗精神病薬は眠らせるために使っている 脳機能障害を改善するために使用鎮静目的で使用しているのではない 抗精神病薬と抗不安薬の薬理作用を誤解
抗精神病薬の受容体プロファイル 鎮静作用の等価ではない 5HT-1A セロトニン 5HT-2A セロトニン 2A D2 ドパミン 5HT-2C セロトニン H1 ヒスタミン Ach ムスカリン α1 アドレナリン 半減期 [] 内注射 特記事項 抗不安作用 EPS 軽減 睡眠改善情動安定 EPS 軽減 抗幻覚妄想 EPS 高 PRL 制吐 食欲増進肥満制吐 体重増加便秘鎮静 便秘口渇認知障害 低血圧鎮静 ハロペリドール ( セレネース ) 2mg 24h[14] 注射あり鎮静作用少ない リスペリドン ( リスパダール ) 1mg 3h 活性代謝物 22h 鎮静作用少ない アリピプラゾール ( エビリファイ ) 4mg 60h 鎮静作用少ない ペロスピロン ( ルーラン ) 8mg 二相性 α:1~3h β:5~8h 鎮静作用少ない 鎮静度弱 鎮静度強 EPS 少 EPS 多 オランザピン ( ジプレキサ ) 2.5mg 31h 糖尿病禁忌 クエチアピン ( セロクエル ) 66mg 6h 糖尿病禁忌 レボメプロマジン ( ヒルナミン ) セロクエルと同様? 100mg 耐糖能や代謝以外はセロクエルと同様? 15h 注射あり EPS: 錐体外路症状 PRL: プロラクチン 鎮静作用の目安エビリファイ / セレネース / リスパダール / ルーラン < セロクエル < ヒルナミン 遮断しにくい -3-2 -1 0 +1 +2 +3 遮断しやすい 参考資料 ) ⑴ 抗精神病薬の 身体副作用 がわかる長嶺敬彦 ⑵ 今日の治療薬南江堂
抗精神病薬の使い分け ヒルナミン 鎮静作用 血圧低下 ふらつき 短い 半減期 セロクエル セロクエル ルーラン 12 時間 ジプレキサ セレネース 錐体外路症状 ヒルナミン ルーラン リスペリドン リスペリドン エビリファイ セレネース 長い ジプレキサ エビリファイ 糖尿病禁忌 作用時間については個人差 投与経路による差あり
抗精神病薬を使ったときの観察ポイント 効果 認知機能 注意集中力の改善具合例 ) 使用 1 時間後 見当識が改善して落ち着いて話ができる 眠ったから効果があるわけではない 副作用 錐体外路系副作用パーキンソニズム ( 振戦 固縮 小刻み歩行 嚥下障害など ) アカシジア ( 下肢を中心とした不快感 苦痛感 ) 悪性症候群 ( 高熱 固縮 意識障害 ) など 抗 α 作用 ; 立ちくらみ ふらつき 血圧低下 抗コリン作用 ; かすみ眼 便秘 尿閉 ( せん妄の悪化 ) 抗ヒスタミン作用 : 鎮静 血圧低下 心電図異常 ; QTc 延長
糖尿病 当院でのせん妄治療における主剤選択アルゴリズム 2014 年 10 月 : 心療内科 精神科 あり なし 腎障害 腎障害 ありなしありなし 脳血管障害既往 あり なし 日中に割と起きている場合 : ルーラン 日中の眠気が強い場合 : エビリファイ 脳血管障害なしの場合 : リスペリドン 脳血管障害ありの場合 : グラマリールを定期 + 頓服リスペリドン 日中の眠気が強い場合 : エビリファイ 幻覚妄想がさほど強くない場合 : ルーラン 幻覚妄想が強い場合 : ジプレキサ 日中の眠気が強い場合 : セロクエル 低活動せん妄の場合 : エビリファイ グラマリールを定期 + 頓服リスペリドン 興奮普通 幻覚妄想がさほど強くない場合 : リスペリドン 興奮強く 幻覚や妄想が活発な場合 : ジプレキサ 日中の眠気が強い場合 : セロクエル 低活動性せん妄の場合 : エビリファイ
当院でのせん妄治療プロトコール 2014 年 10 月 : 心療内科 精神科 せん妄の診断が付いたら 直接原因の対応をしつつ ( 低酸素 貧血 脱水 低栄養 電解質異常 炎症 せん妄ハイリスク薬剤 など ) 速やかに抗精神病薬を用いた定期治療を開始する 頓服対応のみでは効果不十分 主剤選択は別紙アルゴリズムに従う 定期開始量はリスペリドン換算で0.5mgとし 適宜 0.5mg 刻みで調整する 夕食後内服とする 1 日量は最大 4mg 程度までとする 等価換算量 : リスペリドン1mg=セレネース2mg=エビリファイ4mg=ジプレキサ2.5mg=セロクエル66mg=ルーラン8mg=グラマリール100mgを目安に 定期使用量 +1 日頓服使用量を目安に次回の定期使用量を決定する 治療開始時期には使用量が必然的に増えるが この薬剤は効果がないのではと焦らないこと せん妄治癒にはおおよそ1~2 週間はかかる ( 直接原因が改善傾向にある場合 ) ものと覚悟しておくこと せん妄の状態像に応じて 適宜主剤の変更も考慮すること ( 過活動性の時期にはリスペリドン使用していても 低活動性となったらエビリファイに変更するなど ) 感情の起伏が激しい イライラが強い場合 デパケンRまたは抑肝散を定期に追加する ( いずれも肝障害時には使用注意 デパケンRは200mgから開始し 200mg 刻みで調整 最大 800mg 程度 抑肝散は3 包分 3 毎食間で ) デジレルorテトラミドは睡眠深度を深めるために使用 鎮静作用を翌日に持ち越しやすいため 日中の傾眠が気になる場合は使用中止あるいは減量する ロゼレムは せん妄予防効果もあるため 基本 全症例適応であり 退院時まで入れたままで構わない 低活動せん妄の場合は エビリファイを推奨 その際 定期内服は朝食後投与とする 頓服はいつでも使用可 アルコール離脱せん妄の場合は ジアゼパム+ 抗精神病薬にて治療開始する 詳細は別に記す 人工呼吸器管理下にて鎮静を図っている場合 セレネース (5)0.25~0.5A+ 生食 50mlを24 時間持続点滴で併用すると 呼吸器離脱後のせん妄予防効果があるというエビデンスがあるため推奨する 眠前の時間帯に30 分程度で点滴しても構わない 糖尿病にはジプレキサ セロクエルは禁忌 腎障害時にはリスペリドン グラマリールは原則使用注意
当院でのアルコール離脱せん妄治療プロトコール 2014 年 10 月 : 心療内科 精神科 アルコールレセプターとベンゾジアゼピン系レセプターが類似していることを用いて 敢えてベンゾ系内服することで偽飲酒状態を作ってアルコール離脱症状を軽減させつつ ベンゾ系を漸減中止する流れ 抗精神病薬は併用する 抗精神病薬の主剤選択はアルゴリズムに従う ウェルニッケ コルサコフ症候群 ペラグラ予防にビタミンB 群 ニコチン酸の投与は必須 定期治療例 : 1 内服困難な場合 セレネース (5)0.5A+ 生食 50ml 30 分かけての点滴を夕に実施しつつ ホリゾン5mg静注を朝 昼 夕 (3 日間 ) 夕はホリゾンとセレネース混注して点滴 ホリゾン5mg静注を朝 夕 (3 日間 ) ホリゾン5mg静注を夕 (3 日間 ) 10 日目からはホリゾン中止し セレネースのみ 2 内服可能な場合 リスペリドン内用液 0.5ml( 夕 ) 内服しつつ 肝障害著明時には リスペリドン内用液 0.5ml( 夕 ) 内服しつつ セルシン (5) 3T 3x 朝 昼 夕 (3 日間 ) ワイパックス (0.5) 3T 3x 朝 昼 夕 (3 日間 ) セルシン (5) 2T 2x 朝 夕 (3 日間 ) ワイパックス (0.5) 2T 2x 朝 夕 (3 日間 ) セルシン (5) 1T 1x 夕 (3 日間 ) ワイパックス (0.5) 1T 1x 夕 (3 日間 ) 10 日目からはセルシン中止し リスペリドン内服のみ 10 日目からはワイパックス中止し リスペリドン内服のみ * 内服可能となれば 1 で開始中に適宜 2 の同時期の状態に変更すること * 不眠時 不穏時指示は 通常のせん妄対応時と同様
不穏時指示 の例 不穏時指示 DM なし 腎障害なし 脳血管障害なし :1 興奮普通 幻覚妄想がさほど強くない場合 1 リスペリドン液 0.5ml1P1x(6 回まで可 日中でも不穏時 不安の訴え強い時 会話にまとまりない時 ソワソワと行動が落ち着かない時などは使用可 1 時間経過して効果ないなら追加投与可 ) 2 セレネース (5)0.5A+ 生食 50ml 30 分かけて点滴 (1 で効果ない時や 内服出来ない時 1 時間おいて 3 回 / 日まで可 ) 3 レボトミン (25)0.5A 筋注 (2 でも効果ない場合 1 時間おいて 3 回 / 日まで可 )
不眠時指示 の例 不眠時指示 60 歳以上 DM なし ベルソムラ デジレル セロクエル ベルソムラ (15)1T(1 回まで ) デジレル (25)1T(1 回まで ) セロクエル (25)1T(2 回まで可 1 時間空けて ) ヒルナミン (5)1T(3 回まで可 1 時間空けて ) セレネース 0.5A+ 生食 50ml 30 分かけて点滴 (1~4 で効果ない時 内服出来ない時 1 時間空けて 3 回 / 日まで可 ) レボトミン 0.5A im (1~5 でも効果ない時 1 時間空けて 3 回 / 日まで可 )
せん妄治療のポイント 1 主剤を決定して定期処方する 2 夜間の睡眠確保のための薬剤も調整する ( ロゼレム デジレル セロクエル ジプレキサ コントミン ヒルナミンなどの組み合わせ ) 3 頓服の使用状況を考慮して適宜定期メニューを調整する ( 主剤量や種類の調整 睡眠確保薬剤の調整 )
定期処方のメニューを考えましょう ( 症例 ) 70 代男性 #:S 状結腸癌既往歴 : 高血圧 糖尿病 病歴 : 術後より 焦燥感が強く 見当識障害が続いている せん妄を疑い 指示に従い看護師がリスペリドン 0.5ml を寝る前に与えているが 夜間の興奮が強く つじつまの合わない言動が続いている 23 時頃になると連日のように 閉じ込められる! おーい おーい! と壁をドンドンと叩き叫んでいる 指示に従い リスペリドンを 0.5ml ずつさらに 2 回追加し さらにヒルナミン 5 mgを追加してようやく明け方から寝るのが習慣となっている 日中は傾眠で夕方になると目がギラギラしてくる 腎障害なし 脳血管障害なし
定期処方例 連日 リスペリドン 1.5ml とヒルナミン 5mg で入眠する状態であるから リスペリドン (1)1.5T1x 夕ヒルナミン (5)1T1x 眠前などはいかがでしょうか リスペリドンを 2 回に分けて 0.5mg 夕 1mg 眠前とするのも良い ( 一度に 1.5ml 投与して血圧低下が心配な場合など )
せん妄が改善した場合 基本的に抗精神病薬中止 不眠で本人が希望すれば継続可 不眠時のベンゾジアゼピン再開は注意
昼夜逆転? 抗精神病薬の持ち越し? せん妄の治療を開始して 1~2 日目にしばしば問題になるパターン せん妄の治療を開始しても 昼間うつらうつら寝ている あるいは日中の傾眠が酷くなった と思われる場合には 1 せん妄が悪化し 昼夜逆転 ( 睡眠覚醒リズムの障害 ) が悪化した場合 2 抗精神病薬の鎮静効果が持ち越してしまい 日中傾眠になっている場合 の 2 つの可能性がある 日中の注意障害の有無 夜間の睡眠 ( 睡眠覚醒リズムの回復 ) を必ず確認する 1 せん妄が悪化 昼夜逆転が持続して夜間に寝ていない 抗精神病薬による治療継続 2 抗精神病薬の過鎮静 昼も夜も寝てばかり 薬剤減量 参考 ) 小川朝生 : 自信が持てる! せん妄診療はじめの一歩 羊土社
抗精神病薬を使ったら せん妄が悪化してしまった せん妄を治療するために抗精神病薬を使用したのにも関わらず せん妄を悪化させてしまう現象 奇異性反応 フェノチアジン系抗精神病薬 ( ヒルナミン レボトミン コントミン ) やジプレキサなどで報告あり 原因は完全には明らかにされていないが 抗コリン作用を持つために 逆にコリン系神経伝達を阻害し その結果せん妄が増悪したとの機序が考えられている また 抗ヒスタミン作用も関わっているのではないかとも 抗精神病薬はどの薬剤も多かれ少なかれ抗コリン作用をもつため このリスクは不可避 もし奇異性反応が生じたら 抗コリン作用の弱いリスペリドンやセレネース エビリファイ ルーラン などに切り替える また デジレルやテトラミドには抗コリン作用はほとんどないものの 中等度の抗ヒスタミン効果を持つため せん妄悪化させることもある 参考 ) 小川朝生 : 自信が持てる! せん妄診療はじめの一歩 羊土社
システムの概要
システムの流れ 予防 治療
各職種の役割 看護師 症状観察ケア 医師リスク評価原因の特定と除去薬物療法病状説明 薬剤師 服薬指導 せん妄の治療薬 眠剤 禁忌薬の確認 糖尿病合併時のセロクエル ジプレキサ使用
プログラムの注意点 神経変性疾患パーキンソン病 レビー小体型認知症など 抗精神病薬で錐体外路症状が出現しやすい 錐体外路症状が出現しにくいセロクエルを少量用いる等の対応 精神科疾患入院前の内服薬を参考に調整 重症筋無力症 緑内障抗コリン作用の強い薬剤は症状増悪 抗精神病薬と類似作用の薬剤を使用中プリンペラン やノバミン など 抗精神病薬の併用で錐体外路症状が出現しやすい 診療科や病棟の特徴に応じて指示の変更
医師の役割
医師の役割 入院時のリスク評価 看護師による症状チェック 意識レベルの変容 注意力低下など 原因の特定と除去 薬物療法 病名は せん妄 病状説明 説明用紙
病状説明 身体疾患や薬剤が原因 認知症とは異なる 原因除去すれば回復可能 本人 家族の安心
看護師の役割
看護師の役割 1 せん妄リスクの医師記録確認 (STEP1) せん妄アセスメントシートを用いて 2 せん妄の有無を評価 (STEP2) 2 せん妄のハイリスク時数日毎にフォロー (STEP2.5) 3 せん妄発生時医師への連絡せん妄ケアを実施 (STEP3)
STEP2 せん妄症状のチェック POINT 何か変? と感じた行動や言動を下記の中の近いものに当てはめてチェックしよう ピッタリ同じものでなくて OK 精神症状 具体的な症状と確認するポイント 見る 意識レベルの変容 ボーっとしている もうろうとしている 注意力の欠如 今までできていたことができなくなる 内服管理ができなくなる 服装がだらしなくなる ベッドの周りが散らかっているなど 視線が合わずに キョロキョロしている ルートを触ったり 体を起こしたり 横になったり 同じ動作を繰り返す 周囲の音や看護師の動きに気をとられる 話す 意識レベルの変容 感情が短時間でころころと変わる 焦燥感が強く 落ち着かない 目がギラギラしている 思考の解体 話がまわりくどく まとまらない つじつまがあわない 注意力の欠如 何度も同じことを聞く 話に集中できない 質問と違う答えが返ってくる 聞く 注意力の欠如 見当識障害 ( 時間 ) 今日の日付を聞く 今の時間が何時頃か聞く ( 場所 ) 今いる場所について尋ねる 自宅から病院まで どうやって来るか聞いてみる 確認する 注意力の欠如 思考の解体 急性発症もしくは症状の変動 短期記憶の障害 最近あった出来事を覚えているか聞く 朝ごはんのメニューを覚えているか 入院した日にちや治療した日を覚えているか 幻覚や錯覚 いつも見えないものやおかしなものが見えたりしていないか聞く日内変動や数日での変化 以前と様子の変化がないか 家族や患者と関わっているスタッフに聞いたり カルテを確認する
STEP2 せん妄症状のチェック 1 つでも当てはまれば 当てはまらない STEP 2.5 せん妄ハイリスク対応 せん妄ハイリスク とカルテに記載 看護計画を立案 STEP 3 せん妄対応 その後の評価は 1 週間に 1 回 手術後 1 病日 3 病日 5 病日 身体症状の変化や 何か変? と感じた時
STEP 3 せん妄対応 大事なのは診断できることではなく せん妄予防とケアがすぐに始まること せん妄症状が疑われる とカルテに記載 医師に せん妄症状あり を報告 ( 初回のみ ) 看護計画を立案 体 炎症 感染兆候の検索と対応 熱苦痛の緩和 低酸素 低酸素の評価と酸素投与の検討 電解質異常 (Na,Ca) 採血データの確認 補正 脱水 飲水励行 脱水補正 便秘 排便の確認 排便コントロール 疼痛 疼痛の評価と適切な疼痛マネージメント 睡眠への障害 睡眠時間中のケア 処置を極力避ける 環 低活動 日中の活動を促す 境 難聴 視覚障害 眼鏡 補聴器の使用 耳垢の除去 環境変化による戸惑い 安全な環境作り 転棟 部屋移動を避ける 心 理解力低下 適切な照明とわかりやすい標識見当識を促す ( 時計とカレンダーの設置 ) 家族と友人との定期的な面会 薬 せん妄の原因となる薬 中止 減量を検討ベンゾジアゼピン ステロイド オピオイド せん妄症状を改善する薬 リスペリドン セロクエル ジプレキサなど
薬剤師の役割
薬剤師の役割 服薬指導 抗精神病薬 眠剤 患者の自覚症状に合わせて説明 例 : ぼーっとするのを和らげる薬 脳の調子を整える薬 せん妄が改善すれば基本的に中止 糖尿病患者へジプレキサ / セロクエル 使用 医師への連絡
ベンゾ系薬剤の減量調整法
ベンゾ系薬剤の減量調整法 定期使用しているベンゾ系薬剤の減量の際は 睡眠薬でも抗不安薬でも極力ゆっくり減量するか 長時間作用型のベンゾに置き換えて ゆっくり減量する 標準法では 1~2 週ごとに 服用量の 25% ずつ 4~8 週間かけて減量中止する 多剤併用例では半減期の短いベンゾから先に減量する 睡眠薬の適正使用 休薬ガイドライン. 三島和夫編 じほう,2014 より改変
減法隔不安が強くないケースでは 離脱症状の知識を共有しながら頓用を利用して休薬へ漸日睡眠薬の減量 中断 睡眠薬の漸減 休薬法!! 1~2 週!! ワンステップに 1~2 週間ずつかけてゆっくりと漸減減薬当初の数日は不眠を強めに自覚するが 不眠が治っていれば徐々に改善していく反跳性不眠が出たら 1 段階戻る!! 法休薬できなくても 少量を安全に継続することで健康生活が望めることを説明 ( セーフティネット ) 睡眠薬の適正使用 休薬ガイドライン. 三島和夫編 じほう,2014 より改変
実際の減量法 ( 外来 ) 1 長時間作用型のベンゾ ( ドラール 15mg あるいはメイラックス 1mg) に置き換える 同時に デジレル 25mg も併用する 不眠時頓服として鎮静系抗精神病薬を準備しても良い 2 ドラールあるいはメイラックスを半分に減量する デジレル 25mg はそのまま この辺りから 鎮静作用のある抗精神病薬を少量混ぜる ( セロクエル 12.5~25mg コントミン 12.5mg ヒルナミン 5mg など ) 3 ベンゾ中止し デジレルと抗精神病薬で調整する *1~3 はそれぞれ 1 週間以上は空ける
実際の減量法 ( 入院 ) A; 入院時から すでにせん妄発症している人 ベンゾ強制終了 直ちに抗精神病薬でせん妄治療開始 B; 入院時にせん妄呈していない人 実際の減量法 ( 外来 ) のやり方を 3 日毎に行う 1 の時点から 抗精神病薬を投入する いかにもせん妄を来しそうであれば ( せん妄ハイリスク条件が多いなど ) 直ちにベンゾ中止 デジレルと鎮静系抗精神病薬で置換
減量計画を立ててみましょう 症例 ) 72 歳女性 : 悪性リンパ腫抗がん剤治療開始目的にて入院となった 持参薬を確認したところ かかりつけ内科よりデパス (0.5)3T3x 毎食後 マイスリー (5)1T1x 眠前 が処方されていた 入院時には意識清明で 会話もそつなくこなし 夜は薬を飲めば眠れていると語る 検査を終えた 1 週間後より抗がん剤治療が開始される予定である 糖尿なし
減量計画例 1 ドラール (15)1T1x 眠前 + デジレル (25)1T1x 眠前 (3 日間 ) 2 ドラール (15)0.5T1x 眠前 + デジレル (25)1T1x 眠前 + セロクエル (25)0.5T1x 眠前 (3 日間 ) 3 デジレル (25)1T1x 眠前 + セロクエル (25)0.5T1x 眠前あるいは 1 デパス (0.5)2T2x 朝 夕 + マイスリー (5)0.5T1x 眠前 + デジレル (25)1T1x 眠前 + ヒルナミン (5)1T1x 眠前 (3 日間 ) 2 デパス (0.5)1T1x 夕 + デジレル (25)1T1x 眠前 + ヒルナミン (5)1T 1x 眠前 (3 日間 ) 3 デジレル (25)1T1x 眠前 ヒルナミン (5)1T1x 眠前
参考文献 自信がもてる! せん妄診療はじめの一歩 ( 小川朝生 / 著 ), 羊土社, 2014. 病棟 ICU で出会うせん妄の診かた ( 八田耕太郎, 岸泰宏 / 編 ), 中外医学社, 2012. 薬物療法検討小委員会 : せん妄の治療指針 - 日本総合病院精神医学会治療指針 1-, 星和書店, 東京, 2005. 八田耕太郎 : せん妄の原因, 診断, 治療の原則. 精神科治療学, 28(8) : 985-990, 2013 明智龍男 : せん妄の向精神薬による対処療法と処方計画. 精神科治療学, 28(8) : 1041-1047, 2013. Alao AO & Moskowitz L. : Aripiprazole and delirium. Ann Clin Psychiatry, 18 : 267-269,2006. Wang, Wei, et al. : Haloperidol prophylaxis decreases delirium incidence in elderly patients after noncardiac surgery: A randomized controlled trial. Critical Care Medicine. 2012 Mar; 40(3):731-739. 澤山透 : アルコール離脱せん妄の現在の考え方と治療. 精神科治療学, 28(9) ; 1163-1172, 2013 岡島美朗 : 低活動性せん妄とうつ病の鑑別. 精神科治療学, 28(8) : 1019-1025, 2013. 抗精神病薬の 身体副作用 がわかる ( 長嶺敬彦 / 著 ), 医学書院, 2006 睡眠薬の適正使用 休薬ガイドライン. 三島和夫編じほう,2014