第 3 学年国語科学習指導案 1 単元名まとまりに気をつけて読もう ( 読む ) ありの行列 ( 説明文 ) 2 単元について 1 価値 第 3 学年及び第 4 学年 C 読むこと の内容 ( イ ) 目的に応じて 中心となる語や文をとらえて段落相互の関係を考え 文章を正しく読むこと ( オ ) 目的に応じて内容を大きくまとめたり 必要なところは細かい点に注意したりしながら文章を読むこと 三年生になると 生活科から理科に教科が移行し 生物についてもより深く学習するようになる 生物のさまざまな不思議に興味をもつようになる児童も多い そういう時期に なぜ ありの行列ができるのでしょうか という 問い に基づく 観察 実験 仮説 推論を含んだ本教材は 児童にとって 魅力的なものと思われる 本教材は これまでの説明文と違い 観察 実験を行い それに基づいて仮説 推論を立て研究を深めるという論説的要素を含んでいる そんな文章の魅力を感じるとともに 論説的要素を含んだ説明文に親しむよい機会であると考える 論説的な要素を含んだ説明文だからこそ文章の大枠を把握しておくことが大切である そのためには まず文章全体の 問い と 答え に着目する必要がある その上で 問い から 答え に至る観察 実験 仮説 推論の過程をたどっていくという読み方が有効である 問い と 答え への着目 推論過程の把握などは これからの説明文を読んでいくうえで 有効に生きる読み取りの方法であり 中学年 読むこと の内容 ( イ )( オ ) を十分に達成できる価値ある教材であると考える 2 系統 小学校第 1 学年及び第 2 学年 ( イ ) 時間的な順序 事柄の順序などを考えながら内容の大体を読むこと 本単元の学習内容に該当する学習指導要領の指導事項 小学校第 3 学年及び第 4 学年 ( イ ) 目的に応じて 中心となる語や文をとらえて段落相互の関係を考え 文章を正しく読むこと ( オ ) 目的に応じて内容を大きくまとめたり 必要なところは細かい点に注意したりしながら文章を読むこと 第 3 学年説明文教材年間計画 6 月 ありの行列 10 月 年の始まり 1 月 合図としるし ありの生態に興味をもっ段落のまとまりをとら段落の要点をまとめながて読むとともに 段落 え 中心となる語や文をら 読み取ることができについて知り まとまりおさえながら 読み取るる ( 読イ ) に注意しながら読む読みことができる ( 読イ ) 方を知る ( 読イ オ ) 第 4 学年説明文教材年間計画 6 月 自然のひみつ 10 月 くらしを見つめて 1 月 意見を伝えよう 段落のまとまりの関係を細かい点に注意しながまとまりをとらえて読み考えながら 書いてあるら 段落ごとに書かれて取り 自分の意見を持つ事柄を読み取ることがでいることの要点をまとめことができる ( 読エ ) きる ( 読イ オ ) ることができる ( 読オ) -1-
小学校第 5 学年及び第 6 学年 ( イ ) 目的や意図などに応じて 文章の内容を的確に押さえながら要旨をとらえること 中学校第 1 学年 ( イ ) 文章の展開に即して内容をとらえ 目的や必要に応じて要約すること 中学校第 2 学年及び第 3 学年 ( イ ) 書き手の論理の展開の仕方を的確にとらえ 内容の理解や自分の表現に役立てること 3 児童の実態本学級の子どもたちは 2 年生の3 学期に説明文 うごく虫を作ろう を読み 動くおもちゃの作り方を順序に気をつけて読み取る学習を経験してきている 順序を表す言葉に着目して 動くおもちゃの作り方を説明することができる子どもも多いが 言葉に着目することができず なんとなく読んでいる子どももいる 以下は うごく虫を作ろう の学習を終えて 順序を考えながら内容の大体を読む力がどれくらいついたかを数値で表したものである 本学級の子どもたちの読みの力の実態 (%) 評価項目 事柄の順序を考えながら内容の大体を読むことができ 78 13 9 る ( 25 人 )(4 人 ) (3 人 ) ( ) は 人数本単元の主たる指導事項は 目的に応じて 中心となる語や文をとらえて段落相互の関係を考え 文章を正しく読むこと ( 読イ ) と 目的に応じて内容を大きくまとめたり 必要なところは細かい点に注意したりしながら文章を読むこと ( 読オ ) である この力を育てるために 次のように子どもたちを高めていきたい 本単元学習後の本学級の子どもたちの実態 (%) 評 価 項 目 目的に応じて 中心となる語や文をとらえて段落相互の関係 47 44 9 を考え 文章を正しく読むことができる ( 15 人 )( 14 人 )(3 人 ) ( ) は 人数 評 価 項 目 目的に応じて内容を大きくまとめたり 必要なところは細か 47 44 9 い点に注意したりしながら文章を読むことができる ( 15 人 )( 14 人 )(3 人 ) ( ) は 人数 4 指導の工夫本単元の指導に当たっては まず つかむ 過程で 第一段落にある 問い の文を探す活動を設定する ( ありは ものがよく見えません ) それなのに なぜ ありの行列ができるのでしょうか という子どもの読書意欲を喚起する文を押さえ その理由を考えることで 必然的な単元を通した読みのめあてを設定する工夫を行う むかう 過程では ウィルソンが実験 観察 研究したことを接続語や文末表現に着目しながら読み取る工夫をおこなう また 絵を描いたり ペープサートを動かしたりすることで 正確に読み取っているか評価する場を設定する工夫をおこなう さらに 学習した内容を自分の言葉でまとめる時間を設定し 本時の学習につなげる工夫もおこなっていく -2-
本時の学習に当たっては 問い の 答え にあたる部分を 意図的に隠して子どもに提示する工夫をおこなう 隠された部分に入れる言葉を 子ども自身が考えることで 読者の立場から筆者の立場へと置かれている立場を変えていきたい おそらく 子どもは 悩みながらも 今まで学習してきた内容をもう一度読み返しながら 言葉を書き込んでくると予想する この真剣に思考する体験が 深く自分の頭の中に経験として刻み込まれ 今後新たな活動に取り組む時に 思い出されるのではないかと考えている つまり 本時で真剣に思考することが活用力を高めるのではないかという考え方である ひろげる 過程では 言葉の学習をして 文末表現と接続語の役割について 学習する場を設定する 単元の終末に 単元を通しての文末表現と接続語を取り上げて扱うことで 言葉への意識を高めるとともに 活用とする意欲を高めていく工夫をおこなう 3 目標 書かれている事柄に興味 関心をもち また 段落 接続語 文末 などに着目して文章を分析的に読むことを楽しんでいる ( 関心 意欲 態度 ) 問い と 答え 段落ごとの要点を正しくつかみ 叙述に即してありの行列ができるわけを理解している ( 読む ) 文章を指示語 接続語や文末表現に注意して読み 段落の役割を理解している ( 言語事項 ) 4 指導計画 ( 全 9 時間 ) 過程時学習活動指導 支援のポイント具体の評価基準評価方法 題名 リード文から 題名から ありについ 初めて知っ ノートのありの行列について書かて どんなことを知ってたことや驚い記述れていることを知り あいるか話し合わせる たこと 疑問 発言りについて知っているこ 題名とリード文を読んに思ったことつとを話し合う で どんなことが書いてなどをノートあるか話し合わせる に書き 発表している 教師の範読を聞き 新 教師がゆっくり範読 ( 関心 ) 出漢字や読み替え漢字をし 読めない漢字には読押さえる み仮名を振らせて漢字への抵抗感をなくす 新出漢字 読み替え漢 1 字の読み書きができるよかうに練習させる 初めて知ったことやおどろいたこと ぎもんにおもったことを書いてみよう む 初めて知ったことや驚 全体で感想を出し合ういたこと 疑問に思ったことで 見方 考え方のことなどをメモしながら幅を広げさせる ありの行列 を読み 感想を話し合う 一字下がりを探して段 段落とはどういうもの 段落 に 教科書へ落に番号を付け 全体とかを押さえる ついて知り の記述して何について書かれて 題名やリード文 第一第一段落から 発言いるかをとらえる 段落から この作品が何 問い の文について書かれているかを見つけていを理解する る ( 読む ) 第一段落から 問い 第一段落に 問い のの文を見つけ それに対文があることを確認す 2 する 答え を求めている くという次時からの学習 問い の文から 何のしかたを明確にする について書いてあるかが分かる部分に線を引かせる ありはものがよく見えないのに どうして行列ができるのか そのわけを読みとろう ウィルソン 教科書へウィルソンがどんな方法でしらべ 何がわかったがした実験のの記述か読みとろう 内容 観察し 発言むた内容 不思 ワークシ 第二 三段落を音読し ワークシートや ペー議に思った内ートへの記 3 て ウィルソンがどんなプサートなどを用いて具容を読み取ろ述方法で調べ 何が分かっ体的に内容をつかませ うとしている -3-
たか調べる 読みを確実なものにす ( 読む ) る か ウィルソンの実験と観察から答えを導き出す過程を記述に即して読み取らせる ウィルソン 教科書へ次の実験では ウィルソンがどんな方法でしらべ がした2つめの記述う何がわかったか読みとろう の実験の内 発言容 観察した ワークシ 第四 五段落から第二 ワークシートや ペー内容 考えたートへの記 4 の実験 観察結果を読みプサートなどを用いて具内容を読み取述取る 体的に内容をつかませ ろうとしてい読みを確実なものにする ( 読む ) る ウィルソンの実験と観察から答えを導き出す過程を記述に即して読み取らせる ウィルソン 教科書へ研究してわかったことを読みとろう がした研究のの記述内容 分かっ 発言 第六 七 八段落から なぜにおいが必要なた内容を読み ワークシ 5 研究の成果を読み取る のか なぜ蒸発しなけ取ろうとしてートへの記ればいけないのか をもいる ( 読む ) 述のがよく見えない というありの特徴と関連づけられるようにする 九段落の欠 ワークシありの行列ができるわけを読みとろう けている部分ートへの記 6 に今までの読述 第六 七 八段落から 九段落が まとめ 答みを想起しな 発言本の読み取りをもとに 問え であることをおさえ がら言葉を入時い に対する 答え の今までの学習を想起しなれようとして文章を書く がら 自分の言葉で 答いる ( 読む) え の文を書くようにする 研究からさ ワークシ研究からさらに分かったことを読みとろう らに分かったートへの記 7 ことを読み取述 第十段落を読み 研究 ワークシートや 絵図ろうとしてい 発言からさらに分かったことなどを用いて具体的に内る ( 読む ) を読み取る 容をつかませ 読みを確実なものにする 段落ごとの要点を短く それぞれの段落に何が どんな実験 ワークシまとめ 文章構成を把握書いてあるのか その段観察 研究ートへの記する 落の中心になる部分を見を どんな順述つけて 特徴をワークシ序でしたか 8 ートにまとめる その結果どん 段落ごとの要点をまとめよう なことが分かったか 段落ごとに読んで まとめている ( 読む ) 文末表現や 教科書へひ言葉の学習をしよう 接続語の働きの記述特徴を理解し 発言ろ 文末表現の違いとその 文末表現の違いなどにようとしていわけを考える 注目し 説明のしかたのる ( 言語 ) げ 9 接続語の役割について工夫について 確認させ考える る る 単元全体を振り返り 段落という概念や 教学習したことを確かめた材文の文章構成 叙述のり 感想を発表したりす特徴について 理解を定る 着させる -4-
5 本時の学習 (1) めあて叙述に即してぺープサートを操作する活動と 六 七 八段落の読み取りをもとに 九段落の 問い対する答えの文章 をワークシートに書く活動を通して ありの行列ができるわけを読み取ることができる (2) 学習活動における具体の評価基準 学習活動における具体の評価規準 支援が必要と判断する子どもへの手だて 評価基準を達成した子どもをさらに高める手だて 第 6 7 8 段落の読みを想 どの部分 ( 後に続く言葉 ワークシートの記述は 起しながら 九段落の欠けてい や答えが書いてある段落 ) 本文のどの部分が根拠とな る部分に においにそって巣 から答えを見つけるのか るのかを自分の言葉で説明 からえさに歩いて行き えきを を 具体的に指定すること してみるように促す つけながら巣に帰ってくる と で 思考しやすくする配慮 いうありの行列ができる理由を を行う 書くことができる (3) 本時で検証すること 1 九段落の欠けている部分に 今までの読みを想起しながら言葉を入れる活動は ありの行列ができるわけを読み取るために効果があったか 2 叙述に即してぺープサートを操作する活動は 前時までの学習を想起しながら叙述に即して読み取る上で 効果的に機能した活動であったか (4) 展開過程 学 習 活 動 指導のねらいと評価 時間 1 本時のめあてを設定する 単元導入時の学習をふり返り 本時は つ いよいよ単元を通しての大きなめあてを解 か 決する時間であることを話題にして 以下 5 む のようなめあてを設定する 分 ありの行列ができるわけを読みとろう 2 九段落の欠けている部分に 今までの読 めあての答えになる部分は 隠されてい みを想起しながら言葉を入れる るので 今日は 一人一人が筆者になった 気持ちで 欠けている部分に言葉を入れて いく活動であることを共通理解する めあて解決のヒントとなるのが ウィル ソンの研究にあることを話題にし 代表の 子ども3 名に六 七 八段落を音読しても らった後に 一人での調べ活動に入るよう 指示する 3 ありの行列ができるわけを 話し合いな 一人調べにおける子どもの反応と教師の がら 読み取っていく 関わりは以下の通りである む このように にそって ので ありの行列ができるというわけです 1つめの の子どもの反応は 後に続く言葉が考える際のヒントになることをあらかじめ教師が言っておくので C においであると予想される ここでは えき -5-
-6- ではないのかというゆさぶりをかけて 叙 30 か述に即して読む意識を高めていきたい 分 2 つめの の子どもの反応は C1 歩いていく C2 地面にえきをつけながら帰る C3 歩いていく そして 地面にえきをつけながら帰る うであると予想される そこで この 3 つの意見を板書し 吟味する時間をとる しかし 3 年生のこの時期は 文章だけでの吟味は 難しいと考える 例えば C1 の意見が短くて分かり やすい いや 逆に短くて分かりにく い もっと詳しく書いた方がよい とい った 本文の叙述が根拠とならない話し合いになることが考えられる 叙述に即した読みに目を向けるため 教師が 第 8 段落の 3 つの文を書いた文カードを用意し ペープサートを操作する活動を設定する 叙述に即したぺープサート操作を全員で確認することで C3 の意見が本時のめあてに対する答えであることに気づかせていく 4 本時のまとめをする 本時に学んだことの確認をし もう一度ワークシートに 九段落の言葉を書く時間 10 高を設定する 最後に 本説明文を書いた筆め書が書いたまとめの文章を紹介し 本時の分るまとめをする (4) 板書計画ありの行列めあてありの行列ができるわけを読みとろう 第六 七 八段落の文章このようににそってのでありの行列ができるというわけです におい えき 歩いていく 地面にえきをつけながら帰る 歩いていく そして 地面にえきをつけながら帰る 第八段落のえさ 巣一文目ペープサ第八段落の巣 えさートの操二文目作第八段落のえさ 巣三文目筆者が書いたまとめの文章