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訪日外国人旅行者数の推移 2015 年 9 月の訪日外国人旅行者数は 9 月として過去最高となる 万人 ( 前年比 46.7% 増 ) 1~9 月の合計では 1,448.8 万人 ( 前年比 48.8% 増 ) となった 10 月 9 日時点で 1500 万人を超えたことを確認しており

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2. 本市の上期観光入込客数について平成 27 年度上期観光入込客数は 総数 377,300 人で 前年の 351,600 人より 25,700 人 7.3% の増となった その内訳として 道内客が 84,900 人で 前年の 94,200 人より 9,300 人 9.9% の減 道外客が 292,

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2 おもてなしの推進 本県を訪れた旅行者がやすらぎと感動を覚え 再び訪れたくなる魅力ある地域づくりを進めるため 地域への誇りと愛着に基づくおもてなしを県民総参加により推進します 1 満足度 ( アンケート調査で非常に満足と答えた観光客の割合 ) 45% 以上 2 リピーター率 67% 以上 おもてな

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光を巡る現状< 訪日外国人旅行者数の内訳 (2017 年 )> ( 千人 ) 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 東アジア : 韓国 台湾 香港 中国 東南アジア + インド : タイ シンガポール

1999

N ews Release 主な市場の動向 ( 対前年同月比 :2016 年 12 月との比較 対前年比 :2016 年間との比較 ) 韓国 対前年同月比 +31.3% 対前年比 +58.4% LCC の新規就航や増便等により個人旅行を中心に引き続き増加 対前年同月比 対前年比ともに大幅な伸びとなっ

長崎市観光統計について 観光客数長崎市への観光客数は 長崎市が地理的に西の端に位置することに鑑み 長崎市を通過して他都市へ移動する者が少ないと推測し 交通機関別の入込客数に基づき作成している 長崎市への入込交通機関として 鉄道 自動車 船舶及び長崎空港に到着する航空機を加え 各交通機関別の入込客数を

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成 27 年 ) は 3.8% と成長率が鈍化している ( 図表 Ⅰ-1) 図表 Ⅰ-1 主要国 地域の実質経済成長率の推移 日本

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となっている イタリアとロシアでの意向が特に強いが 欧米エリアでは全体的に強い傾向にある 国や地域によって 興味 関心は異なる 例えば ご当地 ラーメン に関心が高いのはフィリピン 世界遺産 はイタリア 城 城址 はロシア 和牛 は香港など 日本の地方への関心は アジアだけではなく欧米エリアにも拡大

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目目 次 次第 Ⅰ 部平成 25 年度 観光の動向 第 1 章世界の観光の動向 1 第 1 節世界のマクロ経済の概況 1 第 2 節平成 25 年度の世界の観光の状況 1 第 2 章日本の観光の動向 5 第 1 節訪日旅行の状況 5 1 訪日旅行の状況 5 2 国際コンベンションの開催状況 6 (1

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主な論点 資料 4 1. ワーク ライフ バランスの推進 生産性向上等の観点から 働き方とともに休み方を見直すことの必要性 重要性 (1) 有給休暇取得状況と長時間労働の国際比較 (2) 休暇取得と生産性との関係 (3) 仕事と仕事以外の生活の充実 2. 秋の連休の大型化等を実現する上での課題 (1

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観光立国の実現に向けた政府の取組 26 年 12 月 観光立国推進基本法を制定 28 年 1 月 観光庁設置 212 年 3 月 観光立国推進基本計画を閣議決定 213 年 6 月 観光立国実現に向けたアクション プログラム策定 7 月 タイ マレーシア向けビザ免除 213 年 12 月 訪日外国人

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目次 第 Ⅰ 部平成 28 年観光の動向 第 1 章世界の観光の動向 第 1 節世界のマクロ経済の概況 第 2 節 2016 年 ( 平成 28 年 ) の世界の観光の状況 第 2 章日本の観光の動向 第 1 節訪日旅行の状況

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平成 28 年版観光白書について 観光庁 平成 28 年 5 月

平成 28 年版観光白書の構成 ( 案 ) 観光白書は観光立国推進基本法第 8 条に基づき毎年国会に提出 以下の四部で構成 第 1 章世界の観光の動向第 2 章日本の観光の動向 第 Ⅰ 部平成 27 年観光の動向 お 第 Ⅱ 部 ( テーマ章 ) 成長する世界の旅行市場を我が国の活力に ~ 世界が訪れたくなる日本 への飛躍 ~ 世界の中の日本市場お 世界が訪れたくなる日本 の実現に向けた課題と対応 明日の日本を支える観光ビジョン 第 Ⅲ 部平成 27 年度に講じた施策 インバウンド新時代に向けた戦略的取組 観光旅行消費の一層の拡大 幅広い産業の観光関連産業としての取り込み 観光産業の強化 地方創生に資する観光地域づくり 国内観光の振興 先手を打っての 攻め の受入環境整備 外国人ビジネス客等の積極的な取り込み 質の高い観光交流 リオデジャネイロ大会後 2020 年オリンピック パラリンピック 及び その後 を見据えた観光政策の加速等 お 第 Ⅳ 部平成 28 年度に講じようとする施策 観光資源の魅力を極め 地方創生 の礎に 観光産業を革新し 国際競争力を高め 我が国の基幹産業に すべての旅行者が ストレスなく快適に観光を満喫できる環境に 1

第 Ⅰ 部 平成 27 年世界の観光の動向 国連世界観光機関 (UNWTO) 発表の世界観光動向によると 2015 年 ( 平成 27 年 ) の国際観光客は前年比 5,100 万人増の 11 億 8,400 万人 ( 対前年比 4.4% 増 ) となった 国際観光客到着数と世界の実質 GDP は強い相関関係が見られる ( 億人 ) ( 図 ) 国際観光客到着数の推移 ( 図 ) 国際観光客到着数と実質世界 GDP の推移 ( 億人 ) (%) 14.0 13.0 200 12.0 10.0 8.0 6.0 5.3 5.6 5.9 6.1 6.3 6.8 6.8 7.0 6.9 7.6 8.1 8.6 9.1 9.3 8.9 9.5 10.9 11.3 10.0 10.4 11.8 12.0 11.0 10.0 9.0 実質世界 GDP( 右軸 ) 国際観光客到着数 ( 左軸 ) 190 180 170 160 150 140 4.0 8.0 130 120 2.0 7.0 110 0.0 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 6.0 100 出典 :UNWTO 出典 :UNWTO IMF 注 1) 実質世界 GDP は 1998 年を 100 として指数化 2

第 Ⅰ 部 平成 27 年世界の観光の動向 国際観光客到着数における欧州のシェアは過半を占めるが 徐々に減少している これに対し アジア太平洋のシェアが直近 10 年で 4.4 ポイント増と 特に著しい成長を見せている UNWTO によると 2010 年 ( 平成 22 年 )~2020 年 ( 平成 32 年 ) の国際観光客数の年平均伸び率は 北東アジア 東南アジアともに 5% 台後半と 今後も高い伸びが予測される ( 図 ) 国際観光客受入数の地域別シェア (2005 年 ( 平成 17 年 )-2015 年 ( 平成 27 年 )) (%) ( 図 ) 国際観光客の年平均伸び率 2005 2010 2015 55.7% 19.0% 16.4% 4.4% 4.3% 51.3% 21.6% 15.8% 6.1% 5.3% 51.4% 23.4% 16.1% 4.6% 4.5% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 欧州アジア太平洋米州中東アフリカ 7 6 5 4.7 4.3 4 3 2 1 0 南アジア 太平洋5.2 5.4 4.0 4.6 アフリカ中東5.7 5.8 4.2 4.3 北東アジア東南アジア2.9 2.7 2.2 1.8 アメリカ2010 年 -2020 年 2020 年 -2030 年 3.8 2.9 全世界ヨーロッパ出典 :UNWTO 出典 :UNWTO 3

第 Ⅰ 部 平成 27 年世界の観光の動向 2014 年 ( 平成 26 年 ) の 外国人旅行者受入数ランキング において 日本は 2013 年 ( 平成 25 年 ) の 1,036 万人 (27 位 ( アジアで 8 位 )) から 1,341 万人 (22 位 ( アジアで 7 位 )) となり 人数 順位ともに上昇した 2014 年 ( 平成 26 年 ) の 空路又は水路による外国人旅行者受入数ランキング において 日本は 2013 年 ( 平成 25 年 ) の 16 位 ( アジアで 7 位 ) から 14 位 ( アジアで 6 位 ) と順位が上昇した 2015 年 ( 平成 27 年 ) の訪日外国人旅行者 1,974 万人は 2014 年 ( 平成 26 年 ) の 外国人旅行者受入数ランキング では 16 位に相当し 空路又は水路による外国人旅行者数受入数ランキング では 9 位に相当する フランス米国スペイン中国イタリアトルコドイツ英国ロシアメキシコ香港マレーシアオーストリアタイギリシャ ( 日本 ) カナダポーランドサウジアラビアマカオ韓国オランダ日本ウクライナハンガリーシンガポールクロアチアスウェーデンチェコモロッコ アラブ首長国連邦台湾エジプト南アフリカ共和国インドネシアポルトガルスイス デンマーク アイルランドベルギーベトナム ( 図 ) 外国人旅行者受入数ランキング (2014 年 ( 平成 26 年 )) ( 図 ) 空路又は水路による外国人旅行者受入数ランキング ( 2014 年 ( 平成 26 年 ) ) ( 万人 ) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 1,420 1,393 1,341 1,271 1,214 1,186 1,178 1,075 1,062 1,028 (999) 991 963 955 944 932 916 856 826 804 787 2,478 2,203 (1,974) 1,653 1,600 1,510 1,457 3,301 3,261 2,985 2,909 2,777 2,744 2,529 3,981 5,562 4,858 2015 年の訪日外国人旅行者数は 1,974 万人 日本は世界で 22 位アジアで 7 位 6,500 7,476 外国人旅行者数は 各国 地域ごとに異なる統計基準により算出 公表されているため これを厳密に比較する際には統計基準の違いに注意することが必要である ( 例 : 外国籍乗員数 ( クルー数 ) について 日本の統計には含まれないが フランス スペイン 中国 韓国等の統計には含まれている ) 8,370 資料 :UNWTO( 国連世界観光機関 ) 各国政府観光局資料に基づき日本政府観光局 (JNTO) 作成注 1: 本表の数値は 2015 年 6 月時点の暫定値である 注 2: 印を付したアラブ首長国連邦 デンマーク アイルランドは 2014 年の数値が不明であるため 2013 年の数値を採用した 注 3: アラブ首長国連邦は 連邦を構成するドバイ首長国のみの数値が判明しているため その数値を採用した 注 4: 本表で採用した数値は 韓国 日本 台湾 ベトナムを除き 原則的に 1 泊以上した外国人訪問者数である 注 5: 外国人訪問者数は 数値が追って新たに発表されたり さかのぼって更新されることがあるため 数値の採用時期によって そのつど順位が変わり得る 注 6: 外国人旅行者数は 各国 地域ごとに日本とは異なる統計基準により算出 公表されている場合があるため これを比較する際には注意を要する スペイン米国 トルコフランス 英国 イタリア 中国タイ ( 日本 ) 香港ギリシャ 韓国 マカオメキシコ 日本 シンガポールサウジアラビア スウェーデン 台湾 ロシアインドネシア エジプトモロッコマレーシアカナダアイルランド ベトナムポーランド クロアチア ハンガリー南アフリカ共和国 ウクライナドイツオーストリアオランダアラブ首長国連邦チェコスイスポルトガルベルギーデンマーク ( 万人 ) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 1,246 1,154 991 953 938 914 899 863 845 682 627 479 433 372 258 134 データなし 2,539 2,221 (1,974) 1,803 1,476 1,420 1,414 1,346 1,341 1,324 3,353 3,090 2,991 2,725 4,358 2015 年の訪日外国人旅行者数は 1,974 万人 ( 全て空路又は水路 ) 日本は世界で14 位アジアで6 位 交通手段別 ( 空路 水路 陸路 ) の外国人旅行者数は 全ての国 地域において算出 公表されているわけではないため 本ランキングは公表されている国 地域のみで作成している 5,274 資料 :UNWTO( 国連世界観光機関 ) 資料に基づき観光庁作成注 1: 本表の数値は 2016 年 2 月時点の暫定値である 注 2: 中国 タイは 2014 年 ( 平成 26 年 ) の数値が不明であるため 2013 年 ( 平成 25 年 ) の数値を採用した注 3: 本表で採用した数値は 印を付した国 地域を除き 原則的に 1 泊以上した外国人旅行者数である 注 4: ドイツ オーストリア オランダ アラブ首長国連邦 チェコ スイス ポルトガル ベルギー デンマークは 交通手段別のデータがないため 空路又は水路による外国人旅行者数は不明である 注 5: 外国人旅行者数は 数値が追って新たに発表されたり さかのぼって更新されることがあるため 数値の採用時期によって そのつど順位が変わり得る 注 6: 外国人旅行者数は 各国 地域ごとに日本とは異なる統計基準により算出 公表されている場合があるため これを比較する際には注意を要する 4

第 Ⅰ 部 平成 27 年日本の観光の動向 ( 訪日旅行の状況 ) 2015 年 ( 平成 27 年 ) の訪日外国人旅行者数は 1,974 万人 ( 対前年比 47.1% 増 ) となった 訪日外国人旅行者数の内訳は アジア全体は 1,637 万人 ( 全体の 82.9%) となった 東アジアでは 1,420 万人 ( 全体の 71.9%) となり ASEAN 諸国 (6 ヶ国 ) でも 200 万人を突破 ( 全体の 10.5%) 北米も 120 万人を超え 欧州主要 3 か国 ( 英 仏 独 ) も 60 万人を超えた ( 図 ) 訪日外国人旅行者数の推移 ( 図 ) 訪日外国人旅行者数の内訳 (2015 年 ( 平成 27 年 )) ( 万人 ) 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 521.2 613.8 672.8 733.4 834.7 835.1 679.0 861.1 621.9 835.8 1036.4 1341.3 1973.7 ドイツ 16 万人 (0.8%) フランス 21 万人 (1.1%) イギリス 26 万人 (1.3%) カナダ 23 万人 (1.2%) インド 10 万人 (0.5%) ベトナム 19 万人 (0.9%) フィリピン 27 万人 (1.4%) インドネシア 21 万人 (1.0%) マレーシア 31 万人 (1.5%) シンガポール 31 万人 (1.6%) イタリア 10 万人 (0.5%) ロシア 5 万人 (0.3%) 6 タイ 80 万人 (4.0%) 5 米国 103 万人 (5.2%) 4 香港 152 万人 (7.7%) スペイン 8 万人 (0.4%) 欧州主要 5 ヵ国 82 万人 (4.1%) 北米 126 万人 (6.4%) オーストラリア 38 万人 (1.9%) その他 86 万人 (4.3%) 総計 1974 万人 アジア 1637 万人 (82.9%) うち東アジア 1420 万人 (71.9%) うち東南アジア 207 万人 (10.5%) 3 台湾 368 万人 (18.6%) 1 中国 499 万人 (25.3%) 2 韓国 400 万人 (20.3%) 暫定値 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 出典 :JNTO 注 ) 2014 年 ( 平成 26 年 ) 以前の値は確定値 2015 年 ( 平成 27 年 ) の値は暫定値 出典 :JNTO 注 1)( ) 内は 訪日外国人旅行者数全体に対するシェア注 2) その他には アジア 欧州等各地域の国であっても記載のない国 地域が含まれる 注 3) 数値は それぞれ四捨五入によっているため 端数において合計とは合致しない場合がある 5

第 Ⅰ 部 平成 27 年日本の観光の動向 ( 海外旅行 国内旅行の状況 ) ( 海外旅行 ) 2015 年 ( 平成 27 年 ) の日本人の海外旅行者数は 1,621 万人 ( 対前年比 4.1% 減 ) と昨年に引き続き減少した 円安傾向が継続しているため 現地での買い物も含めた旅行代金が上昇したことによる割高感などによるものと考えられる ( 国内旅行 ) 2015 年 ( 平成 27 年 ) の宿泊旅行は 3 億 1,673 万人 ( 対前年比 6.5% 増 ) 日帰り旅行は延べ 2 億 9,705 万人 ( 対前年比 0.3% 減 ) となった 前年の消費税率引上げによる落ち込みの反動増に加え 3 月に開業した北陸新幹線の開業効果や 9 月に大型連休 ( シルバーウィーク ) があったことが影響したため宿泊旅行が増加したものと考えられる ( 万人 ) 1,900 1,800 1,700 1,600 1,500 1,400 1,330 ( 図 ) 日本人の海外旅行者数の推移 1,849 1,683 1,740 1,753 1,729 1,664 1,699 1,747 1,690 1,599 1,545 1,621 ( 万人 ) 35,000 34,000 33,000 32,000 31,000 30,000 ( 図 ) 国内宿泊旅行延べ人数 国内日帰り旅行延べ人数の推移 31,356 31,555 32,042 31,053 29,788 31,673 1,300 29,000 29,896 29,720 29,734 29,705 1,200 1,100 1,000 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 出典 : 法務省 28,000 27,000 26,000 25,000 宿泊旅行 日帰り旅行 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 出典 : 観光庁 旅行 観光消費動向調査 注 )2015 年 ( 平成 27 年 ) は速報値 なお 数値の出典である 旅行 観光消費動向調査 は速報値が確報値より大きい数値となる傾向にあるため 2015 年 ( 平成 27 年 ) の数値はあくまでも参考値として算出したものである 6

第 Ⅰ 部 平成 27 年日本の観光の動向 ( 宿泊の状況 ) 2015 年 ( 平成 27 年 ) の延べ宿泊者数は 5 億 545 万人泊 ( 前年比 6.7% 増 ) と初めて 5 億人泊を突破した そのうち 日本人延べ宿泊者数は 4 億 3,908 万人泊 ( 前年比 2.4% 増 ) 外国人延べ宿泊者数は 6,637 万人泊 ( 前年比 48.1% 増 ) であった 2015 年 ( 平成 27 年 ) の客室稼働率は 全国で 60.5% と 調査開始以来 過去最高を記録した 特に 東京都 大阪府は 80% を超える高い客室稼働率となった ( 図 ) 延べ宿泊者数の推移 ( 図 ) 客室稼働率の推移 ( 億人泊 ) 6.0 日本人延べ宿泊者数 外国人延べ宿泊者数 100% 5.0 4.0 4.172 0.184 4.395 0.263 4.659 4.735 0.335 0.448 5.055 0.664 90% 80% 70% 60% 東京都 大阪府 85.2% 82.3% 60.5% 3.0 50% 全国 40% 2.0 3.988 4.132 4.324 4.287 4.391 30% 20% 1.0 10% 0.0 2011 2012 2013 2014 2015 出典 : 観光庁 宿泊旅行統計調査 注 1)2015 年 ( 平成 27 年 ) は速報値 注 2) 各年のグラフの上に記載されている数字は 日本人と外国人の延べ宿泊者数の合計 0% 2011 2012 2013 2014 2015 出典 : 観光庁 宿泊旅行統計調査 注 )2015 年 ( 平成 27 年 ) は速報値 7

第 Ⅰ 部 平成 27 年日本の観光の動向 ( 地域における観光の動向 ) 2015 年 ( 平成 27 年 ) の地方ブロック別延べ宿泊者数は すべての地方で増加した 2015 年 ( 平成 27 年 ) の地方ブロック別外国人延べ宿泊者数は すべての地方で増加した 特に 外国人延べ宿泊者数の伸び率では 10 地方のうち 7 地方で 50% を超える高い伸び率となった 地方ブロック別外国人延べ宿泊者については 東北 北陸信越 四国 沖縄は台湾からの宿泊者が 関東 中部 近畿は中国からの宿泊者が多く 九州は韓国からの宿泊者が多い また 北海道は台湾と中国からの宿泊者が 中国は韓国 アメリカ 台湾 欧州からの宿泊者が同程度となっている ( 図 ) 延べ宿泊者 外国人延べ宿泊者数の地方ブロック別対前年比 (2015 年 ( 平成 27 年 )) ( 図 ) 地方ブロック別外国人延べ宿泊者の国 地域別構成比 (2015 年 ( 平成 27 年 )) 80% 70% 74.1% 65.9% 62.0% 69.0% 64.0% 北海道 東北 60% 50% 47.2% 50.8% 52.2% 関東北陸信越 40% 40.9% 36.2% 外国人延べ宿泊者数平均 :48.1% 中部 近畿 30% 中国 20% 10% 0% 3.8% 2.1% 6.9% 10.6% 9.0% 8.8% 延べ宿泊者数平均 :6.7% 1.4% 0.9% 9.1% 3.7% 北海道東北関東北陸信越中部近畿中国四国九州沖縄 四国 九州 沖縄 欧州はドイツ 英国 フランスの 3 カ国 出典 : 観光庁 宿泊旅行統計調査 注 )2015 年 ( 平成 27 年 ) は速報値 延べ宿泊者数 ( 全体 ) 外国人延べ宿泊者数 出典 : 観光庁 宿泊旅行統計調査 注 )2015 年 ( 平成 27 年 ) は速報値 8

第 Ⅱ 部 成長する世界の旅行市場を我が国の活力に ~ 世界が訪れたくなる日本 への飛躍 ~ 1 第 1 章世界の中の日本市場 全世界の国際旅行者数は 2030 年に 18 億人に達すると予測され 特にアジアの成長率が高い この力強いパワーを我が国の成長戦略 地方創生の力とする必要がある 国際観光収入を増やすには 平均滞在日数の増加 欧米豪からの旅行者の取り込みが必要 国家ブランド指数で我が国が相対的に弱いとされる自然 スポーツ 歓迎などの項目について 改善を図ることも有効 1 人当たり旅行消費額の要因分析 (2014 年 ) 日本 中国 * 米国 英国 スペイン フランス 外国人旅行者の地域別構成 9.0% 10.0% 5.0% 2.4% 19.2% 73.9% 91.1% 82.8% 91.2% 64.3% 79.5% 13.6% 7.9% 12.9% 5.1% 5.8% 7.7% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 欧州東アジアおよび太平洋アフリカその他 米州南アジア中東 域外からの旅行 域外からの旅行者の割合 1 人当たり消費額 ( ドル / 人 ) 平均泊数 20.5% 1,406 6.0 8.8% 1,023 2.1 35.7% 2,371 9.7 26.1% 1,388 7.7 8.9% 1,003 8.1 17.2% 662 2.8 出典 )UNWTO ( 国連世界観光機関 ) * 中国のみ 2013 年の数値 遠方からの外国人旅行者を多く取り込んでいる米国や英国は 平均泊数も長くなり 消費額が高くなる傾向にある 国家ブランド指数 (2015 年 ) 予算を気にしなければ訪問したいか 予算を気にしなければ訪問したいか 豊かな自然美があるか 歴史的な建造物やモニュメントが豊富であるか 歴史的な建造物やモニュメントが豊富であるか 生き生きとした都市の魅力があるか 生き生きとした都市の魅力があるか 優れたスポーツがあるか 豊かな文化遺産があるか 現代的で興味深い文化 ( 音楽 映画 文学等 ) があるか 興味深い またコンテンポラリーな文化 ( 音楽 映画 文学等 ) があるか 歓迎されていると感じられるか その国の人を身近な友達に欲しいか 豊かな自然美があるか 優れたスポーツがあるか 豊かな文化遺産があるか 歓迎されていると感じられるか その国の人を身近な友達に欲しいか その国の優秀な人材を雇いたいか その国の優秀な人材を雇いたいか 相当期間その国に住み 働きたいか 相当期間その国に住み 働きたいか 質の高い生活が送れる場所か学位 資格などを得るための学習に適しているか 質の高い生活が送れる場所か 学位 資格などをえるための学習に適しているか その国の製品を買って満足できるか その国の製品を買って満足できるか 最先端のアイデア 新しい考え方を生み出すクリエイティブな場所か 最先端のアイデア 新しい考え方を生み出すクリエイティブな場所か 0 10 20 30 40 50 3 1 5 5 6 良い 5 7 11 10 14 16 13 13 14 18 悪い 注 ) アンホルト GfK ローパー国家ブランド指数サイモン アンホルト氏が考案し 米国の調査会社 GfK と共同で毎年実施している国家ブランド評価 インターネットを通じて 各国の 文化 国民性 観光 輸出 統治 移住 投資 の 6 つの側面に関する質問への回答をまとめ 50 か国の順位を決定するものであり 2015 年 ( 平成 27 年 ) 調査の上位は 1 米国 2 ドイツ 3 英国 4 フランス 5 カナダ 6 日本 7 イタリア 8 スイス 9 豪州 10 スウェーデンであった 9

第 Ⅱ 部 成長する世界の旅行市場を我が国の活力に ~ 世界が訪れたくなる日本 への飛躍 ~ 2 第 2 章 世界が訪れたくなる日本 の実現に向けた課題と対応 第 1 節質の高い観光資源づくりに向けて 我が国の豊富で多様な観光資源を誇りを持って磨き上げ その価値を分かりやすく伝えていくことが必要 文化財や自然資源を 保存 保護優先 から観光資源として積極的に活用していく 海外における取組 文化財の観光資源としての活用 自然公園の観光資源としての活用 パラドール ( スペイン ) 国内に散在する古城や史跡 修道院を改装して宿泊施設 パラドール として開放し スペイン政府観光局において積極的にプロモーションを行っている 宿泊業によって得た収益を文化財の修復に充てている 2014 年の年間の宿泊客数 121 万人の 36% を外国人旅行者が占めている ストーンヘンジ ( 英国 ) 遺跡内に多言語の音声ガイド装置を整備したほか 景観に配慮して遺跡から見えない場所にビジターセンターを建設 文化財の価値を正しく理解してもらうことを重視し 外国人にも理解しやすい解説内容を充実 イエローストーン国立公園 ( 米国 ) 国立公園は米国にとって重要な観光資源となっており 米国では利用者が国立公園を十分に活用できるよう取り組んでいる 国立公園内を 自然を保護すべき地域 と 観光に活用する地域 に区分し 一般的なホテルのほか 自然に調和するようなコテージタイプの宿泊施設など 様々なタイプの宿泊施設やビジターセンターの整備を実施 野生動物をすぐ近くで観察できるツアーの提供など 自然に直接触れられるコンテンツを充実させている 10

第 Ⅱ 部 成長する世界の旅行市場を我が国の活力に ~ 世界が訪れたくなる日本 への飛躍 ~ 3 第 2 章 世界が訪れたくなる日本 の実現に向けた課題と対応 第 2 節質の高い観光サービスを支える観光産業の革新 1 質の高い観光サービスを提供するためには 観光産業の品質向上 生産性の高い国際競争力のある産業への変革が必要 宿泊業 旅行業などは インバウンド市場の急速な拡大等の変化に応えられておらず 人材育成も不十分 このため 環境整備によってビジネスモデルの転換を促し 国際競争力のある観光産業に育てていくことが必要 宿泊業 (%) 100 80 60 40 20 0 1 月 シティホテル及び旅館の客室稼働率の推移 2 月 3 月 4 月 5 月 H27 ホテル全国 H26 ホテル全国 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 H27 旅館全国 H26 旅館全国 出典 ) 観光庁 宿泊旅行統計調査 12 月 ホテルの稼働率は上昇しているが 旅館は低迷しており インバウンド需要の受け皿となっていない 我が国の観光系大学の学科等における教育内容による分類 経営系 19% ホスピタリティ系 23% 人文 社会科学系 35% 地域づくり系 23% 出典 ) 平成 22 年度観光庁調査事業 東アジア圏の観光における国際競争力に関する調査 我が国の観光系の大学は人文 社会科学等を中心とした学科が多く 経営に関する学科は少ない 旅行業 旅行取扱区分別割合 (2014 年度 ( 平成 26 年度 )) 訪日外国人旅行 2% 日本人国内旅行 63% 日本人海外旅行 35% 出典 ) 観光庁 主要旅行業者取扱状況年度総計 日本の主要旅行業者の取扱区分別割合を取ると 成長市場である外国人の訪日旅行は 2% にすぎず インバウンド需要を収益に結びつけられていない 11

第 Ⅱ 部 成長する世界の旅行市場を我が国の活力に ~ 世界が訪れたくなる日本 への飛躍 ~ 4 第 2 章 世界が訪れたくなる日本 の実現に向けた課題と対応 第 2 節質の高い観光サービスを支える観光産業の革新 2 第 3 節質の高いビジネス客を取り込む国際会議等の誘致 ランドオペレーター 個人の旅行者と直接取引を行っていないため 旅行業法の対象外であるが 軽井沢スキーバス事故や いわゆるインバウンドの ぼったくりツアー のような問題も発生しており 旅行の安全と質を確保できる規制のあり方を検討していく必要がある MICE の誘致を促進するためには 経済効果等のデータ整備による関係者の理解獲得 会議主催者への支援 誘致活動への支援 コンベンション ビューローの専門性の確保 ユニークベニューの活用など 様々な取組が必要 Events Industry Board( 英国 ) 文化 メディア スポーツ省に設置された MICE 誘致 開催を横断的に支援する官民組織により 政府レベルでの MICE 誘致 開催を集中支援する MICE 戦略の推進 MICE 誘致支援 国際会議等 MICE のレセプションでの政府施設の使用 通訳案内士 通訳案内士の地域別 言語別登録者割合 ルーブル美術館 ( フランス ) ユニークベニュー 国際会議等の MICE 開催に際し 博物館や美術館 歴史的建造物 世界遺産などを レセプションの会場として開放することがあり このような場を ユニークベニュー という 出典 : 観光庁資料 通訳案内士は 絶対数の不足や 言語的 地理的偏在等の課題が出てきている 企業パーティーや学会のポストコンベンションパーティーの会場として貸し出している *MICE: 企業会議 (Meeting), 企業の報奨 研修旅行 (Incentive), 国際会議 (Convention), 展示会 イベント (Exhibition/Event) の総称 12

第 Ⅱ 部 成長する世界の旅行市場を我が国の活力に ~ 世界が訪れたくなる日本 への飛躍 ~ 5 第 2 章 世界が訪れたくなる日本 の実現に向けた課題と対応 第 4 節すべての旅行者が快適に観光を満喫できる環境の整備 訪日外国人旅行者の更なる増加が予想される中 CIQ 宿泊施設 通信 交通 決済などの受入環境整備が重要である 国内旅行需要の拡大に向け 年次有給休暇の取得促進やユニバーサルデザインの実現に取り組む必要がある 空港における受入環境整備 バリアフリーに配慮した観光まちづくり 顔認証システムの活用 Automatic border control gates ( フィンランド ) フィンランド最大のヘルシンキ ヴァンター国際空港では 出入国審査において 顔認証システムを導入し フィンランド人に加え 一定の要件を満たす外国人 ( 一般観光客を含む ) にも適用し 審査の待ち時間を短縮している ロンドンのバリアフリー戦略 ( 英国 ) 2012 年ロンドンオリンピック パラリンピックをきっかけに 関係各所がバリアフリーに取り組み 例えば 鉄道駅では車いすがスムーズに移動できるよう ホームのかさ上げ等が実施された ロンドンの鉄道駅のホームのかさ上げ 利用方法 1 パスポートの顔写真ページを開き読取機に置く ( 個人情報と生体認証データの読取り ) 2 入口ゲートが開き 中に入るとカメラで顔認証 ( パスポートの顔写真との照合 ) 3 出口ゲートが開いたら 審査官のカウンターに進み パスポートに押印してもらう 13

第 Ⅱ 部 成長する世界の旅行市場を我が国の活力に ~ 世界が訪れたくなる日本 への飛躍 ~ 6 第 3 章 明日の日本を支える観光ビジョン 政府においては 明日の日本を支える観光ビジョン構想会議 を開催し 平成 28 年 3 月に新たなビジョンを取りまとめた ビジョンにおいては 2020 年に訪日外国人旅行者数 4000 万人 消費額 8 兆円等の新たな目標を定めるとともに 必要な施策を 3 つの視点 から整理し 10 の改革 として取りまとめた 新たな目標への挑戦! 観光先進国 への 3 つの視点 と 10 の改革 3 つの視点 視点 1 観光資源の魅力を極め 地方創生の礎に視点 2 観光産業を革新し 国際競争力を高め 我が国の基幹産業に視点 3 すべての旅行者が ストレスなく快適に観光を満喫できる環境に 10 の改革 1 魅力ある公的施設 を ひろく国民 そして世界に開放 2 文化財 を 保存優先 から観光客目線での 理解促進 そして 活用 へ 3 国立公園 を 世界水準の ナショナルパーク へ 4 おもな観光地で 景観計画 をつくり 美しい街並みへ 5 古い規制を見直し 生産性を大切にする観光産業へ 6 あたらしい市場を開拓し 長期滞在と消費拡大を同時に実現 7 疲弊した温泉街や地方都市を 未来発想の経営で再生 活性化 8 ソフトインフラを飛躍的に改善し 世界一快適な滞在を実現 9 地方創生回廊 を完備し 全国どこへでも快適な旅行を実現 10 働きかた と 休みかた を改革し 躍動感あふれる社会を実現 14

第 Ⅲ 部 平成 27 年度に講じた施策 1 インバウンド新時代に向けた戦略的取組 色とりどりの魅力を持つ日本 の発信と地方への誘客 未来を担う若い世代の訪日促進 欧米からの観光客の取り込み 現地における訪日プロモーション基盤の強化 オールジャパン体制による連携の強化 ビザ要件の戦略的緩和 インバウンド アウトバウンド双方向での交流促進 2 観光旅行消費の一層の拡大 幅広い産業の観光関連産業としての取り込み 観光産業の強化 訪日外国人による観光消費拡大 地域活性化 プログラム 観光産業の活性化 生産性向上に向けた人材育成等 3 地方創生に資する観光地域づくり 国内観光の振興 広域観光周遊ルートの形成 発信 来訪者が地域の魅力を体感し 再び訪れたくなる観光地域づくり 世界に通用する地域資源の磨き上げ 豊かな農山漁村 日本食 食文化の魅力 観光振興による被災地の復興支援 LCC 等 高速バス支援 国内旅行活性化 プログラム 日本の魅力を活かした船旅の活性化 レンタカーによるドライブ観光の活性化 鉄道の旅の魅力向上 テーマ別観光に取り組む地域のネットワーク化による新たな旅行需要の掘り起こし 国民の旅行振興に向けた意識醸成 環境整備 4 先手を打っての 攻め の受入環境整備 空港ゲートウェイ機能の強化 出入国手続の迅速化 円滑化 宿泊施設の供給確保 貸切バスの供給確保 貸切バスによる路上混雑の解消 通訳案内士制度の見直しによる有償通訳ガイドの供給拡大等 地方ブロック別連絡会 を最大限活用した 地域における受入環境整備に係る現状 課題の把握と迅速な課題解決 多言語対応の強化 無料公衆無線 LAN 環境の整備促進など 外国人旅行者向け通信環境の改善 公共交通機関による快適 円滑な移動のための環境整備 クルーズ 100 万人時代 実現のための受入環境の改善 ムスリム旅行者の一層の受入促進 外国人旅行者の安全 安心確保 観光案内拠点の充実 外国人旅行者への接遇の向上等 5 外国人ビジネス客等の積極的な取り込み 質の高い観光交流 外国人ビジネス客の取り込み強化 MICE に関する取組の抜本的強化 IR についての検討 富裕層の取り込みと外国人長期滞在制度の利用促進 質の高い観光交流の促進 6 リオデジャネイロ大会後 2020 年オリンピック パラリンピック 及び その後 を見据えた観光振興の加速 オリンピック パラリンピック開催をフルに活用した訪日プロモーション 全国各地での文化プログラムの開催 オリンピック パラリンピックを機に訪日する外国人旅行者の受入環境整備 オリンピック パラリンピック開催効果の地方への波及 オリンピック パラリンピック開催を契機としたバリアフリー化の加速 7 観光旅行の環境整備 宿泊施設 食事施設 案内施設その他の旅行に関する施設及び公共施設の整備 旅行業務に関する消費者保護 旅行事業者における安全対策 高齢者 障害者 外国人その他の観光旅行者が円滑に旅行できる環境整備 観光地域における環境の保全等 観光に関する統計の整備 15

第 Ⅳ 部 平成 28 年度に講じようとする施策 1 観光資源の魅力を極め 地方創生 の礎に 魅力ある公的施設 インフラの大胆な公開 開放 文化財の観光資源としての開花 国立公園の ナショナルパーク としてのブランド化 景観の優れた観光資産の保全 活用による観光地の魅力向上 滞在型農山漁村の確立 形成 地方の商店街等における観光需要の獲得 伝統工芸品等の消費拡大 広域観光周遊ルートの世界水準への改善 東北の観光復興 2 観光産業を革新し 国際競争力を高め 我が国の基幹産業に 観光関係の規制 制度の総合的な見直し 民泊サービスへの対応 産業界ニーズを踏まえた観光経営人材の育成 強化 宿泊施設不足の早急な解消及び多様なニーズに合わせた宿泊施設の提供 世界水準の DMO の形成 育成 観光地再生 活性化ファンド の継続的な展開 次世代の観光立国実現のための財源の検討 訪日プロモーションの戦略的高度化 インバウンド観光促進のための多様な魅力の対外発信強化 MICE 誘致の促進 ビザの戦略的緩和 訪日教育旅行の活性化 観光教育の充実 若者のアウトバウンド活性化 3 すべての旅行者が ストレスなく快適に観光を満喫できる環境に 最先端技術を活用した革新的な出入国審査等の実現 民間のまちづくり活動等による 観光 まち一体再生 の推進 キャッシュレス環境の飛躍的改善 通信環境の飛躍的向上と誰もが一人歩きできる環境の実現 多言語対応による情報発信 急患等にも十分対応できる外国人患者受入体制の充実 世界一安全な国 日本 の良好な治安等を体感できる環境整備 自然災害発生時の対応強化 地方創生回廊 の完備 地方空港のゲートウェイ機能強化と LCC 就航促進 クルーズ船受入の更なる拡充 公共交通利用環境の革新 休暇改革 オリパラに向けたユニバーサルデザインの推進 16