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顎下腺 舌下腺 ) の腫脹と疼痛で発症し そのほか倦怠感や食欲低下などを訴えます 潜伏期間は一般的に 16~18 日で 唾液腺腫脹の 7 日前から腫脹後 8 日後まで唾液にウイルスが排泄され 分離できます これらの症状を認めない不顕性感染も約 30% に認めます 合併症は 表 1 に示すように 無菌

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249 グルタル酸血症1型

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

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なくて 脳以外の場所で起きている感染が 例えばサイトカインやケモカイン 酸化ストレスなどによって間接的に脳の障害を起こすもの これにはインフルエンザ脳症やH HV-6による脳症などが含まれます 三つ目には 例えば感染の後 自己免疫によって起きてくる 感染後の自己免疫性の脳症 脳炎がありますが これは

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( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

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割合が10% 前後となっています 新生児期以降は 4-5ヶ月頃から頻度が増加します ( 図 1) 原因菌に関しては 本邦ではインフルエンザ菌が原因となる頻度がもっとも高く 50% 以上を占めています 次いで肺炎球菌が20~30% と多く インフルエンザ菌と肺炎球菌で 原因菌の80% 近くを占めていま

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70 例程度 デング熱は最近増加傾向ではあるものの 例程度で推移しています それでは実際に日本人渡航者が帰国後に診断される疾患はどのようなものが多いのでしょうか 私がこれまでに報告したデータによれば日本人渡航者 345 名のうち頻度が高かった疾患は感染性腸炎を中心とした消化器疾患が

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今週前週今週前週 2/18~2/24 インフルエンザ ヘルパンギーナ 4 4 RS ウイルス感染症 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 7 4 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目

直接還流するように血行動態を修正する手術 ) を施行する ただ 順調なフォンタン循環であっても通常の慢性うっ血性心不全状態であるため いつかは破綻していくこととなる フォンタン型手術は根治的手術ではない また フォンタン型手術適応外となった群には 効果的な薬物治療はなく ACE 阻害薬 利尿薬の効果

ロタウイルスワクチンは初回接種を1 価で始めた場合は 1 価の2 回接種 5 価で始めた場合は 5 価の3 回接種 となります 母子感染予防の場合のスケジュール案を示す 母子感染予防以外の目的で受ける場合は 4 週間の間隔をあけて2 回接種し 1 回目 の接種から20~24 週あけて3 回目を接種生

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健康な生活を送るために(高校生用)第2章 喫煙、飲酒と健康 その2

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別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

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とが知られています 神経合併症としては水痘脳炎 (1/50,000) 急性小脳失調症 (1/4,000) などがあり さらにインフルエンザ同様 ライ症候群への関与も指摘されています さらに 母体が妊娠 20 週までの初期に水痘に罹患しますと 生まれた子供の約 2% が 皮膚瘢痕 骨と筋肉の低形成 白

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娠中の母親に卵や牛乳などを食べないようにする群と制限しない群とで前向きに比較するランダム化比較試験が行われました その結果 食物制限をした群としなかった群では生まれてきた児の食物アレルゲン感作もアトピー性皮膚炎の発症率にも差はないという結果でした 授乳中の母親に食物制限をした場合も同様で 制限しなか

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はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

します また 血小板減少症などの診断にもなります 血糖糖尿病が妊娠をきっかけに発見されたり 既に糖尿病に罹っていて 妊娠中に発見されることがあります 既に糖尿病と分かっていて妊娠された場合を糖尿病合併妊娠 妊娠中にはじめて対糖能低下 ( 糖尿病の傾向 ) が指摘された場合を妊娠糖尿病といいます 糖尿

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基準範囲の考え方 ph 7.35~ mmHg pco2 mmhg po2 mmhg HCO3 mmol/l BE mmol/l 35~45 85~105 60> 呼吸不全 21~28-2~+3 so2(%) 95~99% 静脈 pco2=45mmhg po2=40mmhg 動脈 pco

2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

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1 血中アンモニア高値 : 新生児 >120μmol/L(200μg/dl) 乳児期以降 >60μmol/L(100μ g/dl) 以上 2アニオンギャップ正常 (<20) であることが多い 3 血糖が正常範囲である ( 新生児期 >40mg/dl) 4BUN が低下していることが多い 5OTC 欠

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2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

1-11. 三種混合ワクチンに含まれないのはどれか 1. 破傷風 2. 百日咳 3. 腸チフス 4. ジフテリア 第 17 回按マ指 疾患と症状との組合せで誤っているのはどれか 1. 猩紅熱 - コプリック斑 2. 破傷風 - 牙関緊急 3. 細菌性赤痢 - 膿粘血便 4. ジフテリア

A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 第 50 週の報告数は 前週より 39 人減少して 132 人となり 定点当たりの報告数は 3.00 でした 地区別にみると 壱岐地区 上五島地区以外から報告があがっており 県南地区 (8.20) 佐世保地区 (4.67) 県央地区 (4.67) の定点当たり報告数は

60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起

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2012 年 11 月 21 日放送 変貌する侵襲性溶血性レンサ球菌感染症 北里大学北里生命科学研究所特任教授生方公子はじめに b 溶血性レンサ球菌は 咽頭 / 扁桃炎や膿痂疹などの局所感染症から 髄膜炎や劇症型感染症などの全身性感染症まで 幅広い感染症を引き起こす細菌です わが国では 急速な少子

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した つまり 従来から研究されてきた IgE/Fc RI を介した活性化経路は 肥満細胞活性化の一面に過ぎず むしろ生体防御の見地からすると 感染に対する防御こそ肥満細胞の機能の中心的な役割である可能性も出てきたのです この一連の研究は 肥満細胞は何もアレルギーを起こすために存在しているのではなく

妊婦の推定感染経路 2 番目は 妊婦さんの推定感染経路です 2011 年は中国 ベトナムなど海外で感染した夫や本人です 海外からの感染に注意が必要でした ところが 2012 年は夫 同僚から妊婦さんへの感染が認められたので 同居家族 同僚のワクチン接種を勧めるよう喚起しました さらに 2013 年に

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10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

り感染し 麻薬注射や刺青なども原因になります 輸血の安全性や医療環境の改善によって 医原性の感染は例外的な場合になりました 日本では約 100 万人の B 型肝炎ウイルスキャリアがいます その大部分は成人で, 昔の母子感染を含む小児期の感染に由来します 1986 年から B 型肝炎ウイルスキャリアの

第 4 章感染患者への対策マニュアル ウイルス性肝炎の定義と届け出基準 1) 定義ウイルス感染が原因と考えられる急性肝炎 (B 型肝炎,C 型肝炎, その他のウイルス性肝炎 ) である. 慢性肝疾患, 無症候性キャリア及びこれらの急性増悪例は含まない. したがって, 透析室では HBs

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2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

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平成 19 年度小児科卒業試験 文責 : A 斑 ( 注 : 1~30 については 配布された模範解答に解説を加えました 31~38 の記述問題については 配布された模範解答そのものです ) 1. 乳幼児の運動発達評価の目安で正しい組み合わせはどれか (a) 3ヶ月 ひとりで座る (b) 6ヶ月 つかまりながら歩く (c) 1 歳 走る (d) 1 歳 6ヶ月 手をひくと階段をのぼる (e) 2 歳 スキップができる ( 解答 ) d 定頚は4ヶ月 寝返りが6~7ヶ月 座位は7~8ヶ月 つかまり立ちは9~10ヶ月 つたい歩きが10ヶ月 ひとり立ちが12ヶ月である 発達には個人差があり 正常でも必ずしもこのとおりではない 歩行は平均 1 歳 2ヶ月でみられ 1 歳 6ヶ月で走り 3 歳では片足立ちや三輪車をこぐことができる 4 足で片足とび 5 歳でスキップ ブランコの立ちこぎができる ってことなので正解は (d) 2. 小児気管支喘息について正しいものはどれか (1) 非アトピー型がアトピー型より多い (2) 男児が女児より多い (3) 3 歳までに80% が発症する (4) ステロイド内服は禁忌である (5) 気道のリモデリングは起こらない (1)90% がアトピー型です (2) (3) はそのとおり 男女比は乳児から学童では1.3~1.6:1であるが 思春期にはほぼ1:1になる (4) 重症例の場合 専門医の管理の下で経口ステロイド薬の投与を行います (5) 気道のリモデリング ( 基底膜の肥厚 粘膜下腺の増殖 平滑筋の増大など ) は起こります 3. 気管支喘息の発症および増悪因子として誤りはどれか (a) ハムスターの飼育 (b) 母親の喫煙 (c) 母親がアレルギー性鼻炎 (d) 結核感染 (e) RS ウイルス重症感染 ( 解答 ) d 1

増悪因子は 1 生体因子 : アレルギーの素因は 遺伝子によって規定されている しかし 小児喘息が一つの遺伝子の異常により起こってくるのではなく 多くの遺伝子がかかわっているものと考えられている ( 多因子遺伝 ) 2 環境因子 : 1) 吸入アレルゲンとしては ダニ ネコ イヌ ハムスター モルモット カビ 花粉があり 食物アレルゲンとしては卵 牛乳 小麦 大豆 米 ソバ 魚介類 果物がある 2) ウイルスなどの呼吸器感染症 特に RS ウイルス感染は 発症 増悪に強く関わっている その他 肺炎マイコプラズマ クラミジア 百日咳 インフルエンザが関係している 3) 屋外大気汚染 二酸化窒素と二酸化硫黄が抗原に対する気道の反応性を亢進させたり オゾンが気道粘膜の透過性を亢進させたりする 4) 室内空気汚染 暖房器具からは窒素酸化物が発生し 建材からはホルムアルデヒドが発生 5) 受動喫煙 タバコの点火部からの副流煙の方が喫煙者が吸い込む主流煙より有害物質が多く含まれています 両親が喫煙する方が片親が喫煙するよりリスクが増大 特に母親の受動喫煙にさらされた方がリスクが大きい 6) 食品および食品添加物 乳幼児では 食物アレルゲンで喘息発作がおこることがまれにあります 7) 寄生虫感染 寄生虫感染は 血清 IgE 抗体の増加を起こしますが 喘息の発症に影響するかは不明 8) 運動誘発性喘息 運動誘発性喘息はほとんどの喘息児に起こる可能性がある 呼吸量 呼吸数が増えることにより急に気管支粘膜が冷えたり 乾燥したりすることによりそれが刺激となって気道収縮がおこる 多くの場合 呼吸を整え休息で回復 9) 気象 喘息発作と気象の変化の関係は 経験的に知られているが まだ明確にはされていない 10) 薬物 アスピリンと非ステロイド系抗炎症薬 (NSAIDs) によって喘息発作がおこるアスピリン喘息は 成人ではかなりの頻度であるが 小児ではまれ 11) 激しい感情表現とストレス 激しい感情表現で呼吸が速くなり運動誘発性喘息と同様に起こることがある ということなので誤りは (d) です 4. アレルゲン回避の方法として誤りはどれか (a) 布団を丸洗いする (b) ペットの飼育をやめる (c) 頻回に掃除機による清掃をする (d) 部屋の気密を保つ (e) 空気清浄機を使用する ( 解答 ) d ダニアレルゲンを減らすには換気を充分に行うことが大切なので (d) が誤り ほかの選択枝はそのとおり 5. 正しい組み合わせはどれか (1) 新生児が最も消費エネルギーの低い環境温を中性温度と呼ぶ (2) 多血症の児の原因のひとつに母体糖尿病がある (3) 新生児期の管理で母子異室では母子同室より新生児の感染症が減少する (4) 新生児期は人間の一生のうち免疫力が最も強い時期である (5) 母体糖尿病の児では胎児期に高血糖に反応した高インスリン血症がありうる 2

a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(1),(4),(5) d(2),(3),(4) e(3),(4),(5) (1) そのとおり 正常体温の新生児において 酸素消費量 ( 熱生産量 ) が最小で 平均体温を本質的に変えないような環境をいいます (2) そのとおり 他には子宮内発育遅延 母親の喫煙 双胎間輸血症候群 母体胎児間輸血症候群 臍帯結紮の遅延などが挙げられます (3) いいえ 新生児の免疫は未熟です (4) そんなことはないです (5) そのとおり 母体糖尿病が児に及ぼす影響のほとんどは 母体の妊娠中の高血糖が児の膵臓を刺激し 児が高インスリン血症となることによっておこるとされています 6. 先天性風疹症候群で高率に認められるものはどれか (1) 白内障 (2) 先天性心疾患 (3) 消化管閉鎖 (4) 視神経の低形成 (5) 聴力障害 a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(1),(4),(5) d(2),(3),(4) e(3),(4),(5) 先天性風疹症候群の症状は 古典的 3 主徴 1 白内障 2 難聴 3 心奇形などが挙げられます 7. 新生児の黄疸で正しいのはどれか (1) 黄疸による中枢神経障害の危険がある (2) 新生児は肝機能が未熟なので直接ビリルビン優位の黄疸が多い (3) 胆道閉鎖症の黄疸は新生児期から発症するので早期診断できる (4) 溶血性黄疸は新生児の自己免疫疾患が多い (5) 多血症は黄疸の原因である (1) 核黄疸は 間接ビリルビンが中枢神経の細胞に沈着した状態 大脳基底核に沈着しやすく 痙性症状 錐体外路症状を生じる (2) 間接 bil 優位 核黄疸 新生児溶血性疾患 (ABO 不適合 Rh 不適合 ) 頭蓋内出血 母乳性黄疸 新生児生理的黄疸 ( 生後 2 日 ~2 週間 ) 直接 bil 優位 先天性胆道閉鎖症 新生児肝炎 (3) 先天性胆道閉鎖症と新生児肝炎は どちらも閉塞性黄疸 白色便 直接 bil 上昇が見られるので診断が難しい 新生児肝炎は予後良好なのに対し 胆道閉鎖症は生後 2 ヶ月以内のオペが必要! (4) 溶血性黄疸は ABO 不適合 Rh 不適合によるものが多い (5) 8. 次のワクチン接種後 他ワクチンの接種を原則として 4 週間あける必要があるワクチンはどれか (a) 三種混合 3

(b) インフルエンザ (c) B 型肝炎 (d) 日本脳炎 (e) BCG ( 解答 ) e 今回が生ワクチンだったら 次回の接種は 4 週間あける 不活化ワクチンは 1 週間 ゴロ 生きる(( 生ワクチン ) のは無 ( ムンプス ) 風 ( 風疹 ) の進 ( 麻疹 ) 歩 ( ポリオ= 急性灰白髄炎 ) の結果 ( 結核 ) です ( 水痘 ) (a) 三種混合 =ジフテリア 百日咳 破傷風 9. 右左シャントを呈する先天性心疾患を選べ (1) ファロー四徴症 (2) 総肺静脈還流異常 (3) エブスタイン奇形 (4) 左心低形成 (5) 三尖弁閉鎖 a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(1),(4),(5) d(2),(3),(4) e(3),(4),(5) (1) 強い右室流出路狭窄と大きい心室中隔欠損があるため 右室の血液が大動脈に流れる ( 右左シャント ) (2) 全ての肺静脈と左房との交通がなく 肺静脈が右房または体静脈のどこかと交通している疾患である 体静脈 肺静脈全ての血液が右房に戻り 右心系の量負荷 圧負荷が生じる ( 左右シャント様 ) が 右房血が卵円孔または心房中隔欠損 (ASD) を介し左房 左室に流れれば ( 右左シャント様 ) 生命は維持される (3) 三尖弁が変形し 右室内にずれて付着しているため 右室は右房化した部分と本来の右室機能をもつ部分から成る 右室からの有効拍出量が減少し 卵円孔または心房中隔欠損を通しての右左シャント チアノーゼが生じる しかし 生理的な肺血管抵抗が減弱し肺血流量が増加すると 右左シャント チアノーゼが軽快する (4) 大動脈弁 僧帽弁の閉鎖もしくは強い狭窄により 機能しない狭小の左室をもつ疾患群である 肺静脈血は卵円孔またはASDを通して右房に流入し 体静脈と混合し 肺動脈へ送られ その一部が動脈管を介して体循環へと供給される ( 右左シャント ) (5) 体静脈血は卵円孔またはASDを通して左房に入り 左房で肺静脈血と混合し 左室から大動脈へと流れる ( 右左シャント ) 10. 大血管転位症について正しいのはどれか (a) 大動脈は肺動脈の後方に位置する (b) 大動脈は左室から血流を受けている (c) チアノーゼは 100% 酸素を 10 分間投与すればたいてい改善する (d) 心臓カテーテル検査で大きな動脈管があった場合は緊急に動脈管の結紮術を施行すべきである (e) 診断確定は急ぐべきである ( 解答 ) e 4

大血管転位症では 大動脈が右室から 肺動脈が左室からでる この両回路に交通がなければ生存できない (1) 大動脈が前 (2) 大動脈は右室から血流を受けている (3) 診断的酸素投与を行っても劇的改善が見られず X 線などから呼吸器疾患が除外される場合は本症を念頭におき検査を進める まず PGE を投与して PDA を開存させ右心 左心の交通を保つ それでもだめなら BAS( 心房中隔裂開 ) を行ってチアノーゼの改善を図る (4) PDA は開いておかないと生存できない (5) 11. ファロー四徴症の低酸素発作の症状 治療で誤りはどれか (a) 駆出性心雑音の短縮 (b) 不機嫌 (c) 酸素投与 (d) 水分制限 (e) 昇圧剤の投与 ( 解答 ) d (a) ファロー四徴症では 肺動脈弁漏斗部狭窄により生じる収縮期駆出性雑音が聴取される 通常の肺動脈狭窄では 狭窄が強いほど雑音は大きくなりましたが 本症では狭窄が強まると血液は大動脈のほうに流れるようになるため むしろ狭窄が強いほど雑音は小さくなる 無酸素発作においては雑音が消失することが多い (b) 不機嫌にはなりそうです (c) 酸素投与は大事 (d) 無酸素発作は予防が最善の治療法で 体循環の動脈血酸素濃度を下げない ( 頻脈となるようなことをしない ) 体血管抵抗を下げるような薬投与を避ける 貧血 脱水 発熱を下げるなどが重要 よって水分制限は (e) 血圧上昇 左心圧上昇 右心圧上昇 肺への血流を増やす 12. 以下のうち正しいのはどれか (1) 腰背部痛や腹痛は急性腎盂腎炎の際に見られる (2) 糸球体腎炎由来の肉眼的血尿は褐色を示す事がある (3) 尿中の赤血球変形が見られるときは糸球体疾患を疑う (4) 赤血球円柱は尿細管疾患に由来する (5) 赤い色調の肉眼的血尿は上部尿路の疾患を疑わせる所見である a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(1),(4),(5) d(2),(3),(4) e(3),(4),(5) ( 解答 ) a (2) 溶連菌感染の 1-3 週後 小児の尿がコカコーラの色になってびっくりして受診するのが急性糸球体腎炎 (4) 赤血球変形 (+) 赤血球円柱(+) は糸球体疾患を疑う (5) 出血性膀胱炎 ( 下部尿路感染症 ) では 鮮血の混じった肉眼的血尿を呈する 13. 微小変化型ネフローゼについて正しくないものはどれか (a) 適正なステロイド投与により多くは 2 週間以内に蛋白尿が消失する (b) シクロホファミドやシクロスポリン A の投与は頻回再発例に対して再発抑制効果をもつ (c) 赤血球円柱が尿に見られることは少ない (d) 浮腫に対しては利尿剤の投与が最も効果的である 5

(e) 高血圧が持続する例は予後不良のことがある ( 解答 ) d (a) その通り (b) その通り (c) 赤血球 赤血球円柱 顆粒球円柱などが尿に見られることは少ない (d) 浮腫に対しループ利尿薬を使用することがあるが 14. 小児の IgA 腎症について誤っているものを選べ (1) 血清の IgA 値が高いことが多い (2) ネフローゼ症候群を呈するものがある (3) 感冒時に肉眼的血尿を認めることがある (4) 学校検尿で偶然見つかることが多い (5) 予後は良好なので投薬は不要である (1) 成人例では半数以上で IgA が 300mg/dL 以上と高値を示すが 小児では正常のこともある (2) 大部分は緩慢な経過をとり予後良好 しかし 10~20% で腎不全と進行する ネフローゼ症候群 高血圧を伴う 最初から腎機能低下の見られるもの 年齢が高いものでは予後に注意が必要 (3) 上気道感染の発症に引き続き 1~3 日後に肉眼的血尿を来すことがある (4) 本症のほとんどが学校検尿で偶然に発見されるようになった 無症候性の顕微的血尿を指摘される (5) 15. 妊娠 3 ヶ月の女性が先日風疹確診患者と接触した つぎのうち彼女の血清免疫グロブリンについてあてはまるものはどれか (1) もし風疹特異的 IgG が陽性であったら 胎児には危険性はない (2) もし風疹特異的 IgG が陰性であったら 速やかに風疹ワクチンを接種すべきである (3) もし風疹特異的 IgG が初めみられず 1 週間後に存在したら 自然免疫で胎児は保護される (4) もし風疹特異的 IgG が妊娠後期でみられず健康児が誕生したら 更なる処置は不要である (5) 1 週間後風疹特異的 IgM が陽性であったら最近の感染を呈している (1) 風疹の初感染の診断の一つに HI 抗体 ( 特異的 IgG 抗体と IgM 抗体の総和 ) がある HI 抗体は 8 倍未満で陰性と判断される 風疹感染時には HI 抗体は上昇し発疹出現後数日以内に 256 倍以上の高力価になるが 徐々に低下し 1 年で 32 倍以下に下がるが 終生 8 倍未満になることはない よって HI 抗体の測定により 既感染かどうか 高力価なら最近の感染の 2 つがわかる (2) 風疹ワクチンは生ワクチンであるため妊婦への接種は禁忌 (3) 初め見られなかったのに一週間後に存在したら 直近の感染と評価できる 胎児は先天性風疹症候群 CRS の危険あり (4) (5) IgM 抗体は発疹出現後数日以内に上昇し 1 週間でピークを迎える 風疹再感染では IgM は上昇しないので HI 抗体価と合わせて初感染か再感染か判断する 6

16. マイコプラズマ呼吸器感染症にあてはまる記述はつぎのうちどれか (1) 血液にて寒冷凝集を呈することから診断される (2) 病原体は容易に喀痰培養で得られる (3) 学童期によくみられる肺炎である (4) 中耳疾患とその感染は関連がある (5) エリスロマイシンで治療される a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(1),(4),(5) d(2),(3),(4) e(3),(4),(5) ( 解答 ) e (1) 血液の寒冷凝集反応は陽性であるが 本症に特異的ではなくあくまで補助診断 (2) PLO 培地で喀痰 咽頭ぬぐい液からのマイコプラズマの分離は確定診断とはなるが 2 週間程度かかり容易ではない (3) 小児や学童 若年成人期に好発する (4) 中耳炎 頚部リンパ節腫大 溶血性貧血 髄膜炎 関節炎 心筋炎などを併発しやすい (5) エリスロマイシンなどマクロライド系が第一選択 17. 正しいのはどれか (a) ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群では ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンにより 全身 特に擦過部の表皮が剥離する (b) 乳児で BCG 接種を受けていない者には 成人と同様に空洞を形成する型が通常みられることが多い (c) 亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) は 風疹発症後あるいは予防接種後 5 年以上を経て発症する進行性の神経障害で数年以内に死亡する (d) AIDS は HIV 感染後数ヶ月から 10 年の無症候期を経て CD8 陽性リンパ球が減少し免疫不全症状を来たした状態をいう (e) 成人を含めた インフルエンザウィルス感染症による最も多い死因は 肺炎である ( 解答 ) e (a) ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の原因は ブドウ球菌が産生する皮膚剥奪毒素 エンテロトキシンは食中毒の原因となる外毒素 (b) (c) 風疹ではなく 麻疹発症後あるいは予防接種後 5 年以上を経て発症する進行性神経障害である (d) CD4 陽性リンパ球が減少し免疫不全を来した状態 (e) 18. 造血幹細胞について 誤っているのはどれか (a) 骨髄のみにでなく末梢血中にも存在する (b) すべての血球系に分化する能力がある (c) 線維芽細胞に分化する (d) 組織球や破骨細胞に分化する (e) 分化 増殖には各種サイトカインの働きが重要である (a) 主に骨髄中にあるが 一部末梢血にも存在している (b) 多分化能と自己複製能が特徴である (c) (d) 単球はマクロファージと破骨細胞に分化する (e) 7

19. 神経芽腫について正しいものはどれか (1) 腎臓内に発症することが多い (2) 尿中 VMA HVA が上昇することがある (3) 5 歳以上で発症した場合 予後不良である (4) 血中 NSE は低値をとる (5) 脳転移が多い (1) 胎生期の神経冠に由来する副腎や交感神経節から発生する 副腎 (35%) 後腹膜 (30~35%) 後縦隔 (20%) 頸部(1~5%) 骨盤(2%) (2) 尿中 VMA HVA: 約 95% で少なくとも一方の陽性を示す 偽陰性例は 未熟のため多くは予後不良 (3) 予後因子 下表 (4) NSE(+) となる (5) 肝 骨 骨髄 眼窩 年齢 病期 原発部位 染色体 DNA MYCN 増幅 Ha-ras 発現 trka 発現 良好 1 歳以下 1,2,4s 縦隔 異常なし Aneuploid なし 高 高 不良 1 歳以上 3,4 副腎 1q 欠失 Diploid あり 低 低 20. 小児の悪性固形腫瘍で誤っているものはどれか (a) 成人期の腫瘍に比べて 発症時から遠隔転移している頻度が高い (b) 胎児性組織に由来する腫瘍が多い (c) 化学療法や放射線療法によく反応することが多い (d) 上皮性腫瘍の頻度が高い (e) 頭蓋内腫瘍を除いて 神経芽腫が最も高頻度に認められる ( 解答 ) d (a) 胎生期の組織に類似した腫瘍が多い : 神経芽腫 腎芽腫 肝芽腫 奇形腫など (b) 奇形や染色体異常を合併しやすい : 急性白血病と D1 トリソミー Down 症候群 (c) 非上皮性腫瘍が上皮性腫瘍に比べて多い : 固形腫瘍よりも血液腫瘍 ( 特に白血病 ) が圧倒的に多い (d) 急速な進行例 ( 神経芽腫 ) や 逆に未熟な組織からなるにもかかわらず進行が遅い (e) 全般に男児に多い 21. 急性喉頭蓋炎について正しいのはどれか (1) 発症年齢は新生児期が最も多い (2) インフルエンザ菌が原因微生物の第一位である (3) 日本を除いた先進諸国では発症頻度が激減している (4) 上気道を含めた胸部正面 XP で診断は容易にできる (5) 呼気時に喘鳴を聴取する 8

(1) 2~7 歳 (2) インフルエンザ菌 b 型 (3) Hibワクチンが施行されている多くの国ではほとんど見られなくなっている (4) 頚部側面 Xp ファイバースコープで診断 (5) 声門上部の炎症のため声も出ない 22. クループ症候群について正しいのはどれか (1) パラインフルエンザウィルスによることが多い (2) 吸気性呼吸困難がみられる (3) 吸気時に湿性ラ音を聴取する (4) 胸部 X 線写真で無気肺像を認める (5) エピネフリン吸入が有効である a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(1),(4),(5) d(2),(3),(4) e(3),(4),(5) (1) ウイルスではパラインフルエンザウィルス(75%) アデノウィルス R ウィルスなどがおおい (2) 上気道疾患なので (3) 肺疾患ではないため (4) 無気肺像は認めない (5) 23. 下垂体性尿崩症について正しいのはどれか (a) 小児では二次性のものは極めて少ない (b) 浮腫が認められる (c) 尿浸透圧は血漿浸透圧より高い (d) 低ナトリウム血症になる (e) 水制限試験で尿浸透圧は上昇しない ( 解答 ) e (a) 二次性の方が多い (b) おきるとすれば脱水 しかし 多尿 血漿浸透圧 渇中枢刺激 飲水 となるため渇中枢が侵されないかぎり脱水は生じない (c) 尿浸透圧 < 血漿浸透圧 (d) 脱水傾向のため Na は正常値上限位 (e) 心因性尿崩症のときは上昇する 24. 先天性副腎皮質過形成 (21 水酸化酵素欠損症 ) の新生児に認められるのはどれか (a) 浮腫 (b) 多毛 (c) 皮膚色素沈着 (d) 低カリウム血症 (e) 代謝性アルカローシス c) アルドステロン コルチゾールがつくれない 外陰部異常 ( 陰茎肥大 陰茎異常発達 ) 皮膚色素沈着 Na K アシドーシスがみられる 25. 不登校について間違った記述はどれか 9

(a) 不登校の子どもの数はおよそ 12 万人で減少傾向にある (b) 小学校高学年に増加しはじめ中学になり急増する (c) 何らかの精神医学的診断がつく場合 社会恐怖性障害が最多である (d) 初期症状として頭痛 腹痛 吐き気 頻尿などの身体愁訴がある (e) 不必要な登校刺激を控える工夫が必要である (a) 平成 17 年度間の長期欠席者 (30 日以上の欠席者 ) のうち, 不登校 を理由とする児童生徒数は 12 万 2 千人で 4 年連続して減少傾向にある ただし 平成 18 年度は増加した (b) 小学校 2 万 4 千人, 中学校 10 万 3 千人と急増する ( 平成 18 年度 ) (c) 不登校の原因としてもっとも頻度の高いものは 心理的ストレスによるものが多い (d) そのとおりである 特に午前中に訴えが多い (e) そのとおりである 26. 熱性痙攣について 正しいのはどれか (1) 1 歳 ~5 歳で初発することが多い (2) 熱性痙攣の発症には遺伝的な要素が関わっている (3) 全例に脳波検査が必要である (4) 熱性痙攣の既往のある児は 予防接種をしてはいけない (5) てんかんに移行する例が多い ( 解答 ) a (1) 6 ヵ月 ~5 歳では単純型熱性けいれん 6 ヵ月以下 5 歳以上には複合型熱性けいれんが多いが前者のほうが圧倒的に多い (2) 遺伝的素因の関与が強く示唆されており すでに遺伝子が判明したものもある 親がFCであると子供は 20%, 兄弟がFCであると 50%, 双子の1 方がFCであると 80% の確立とする報告がある (3) 5 歳以後の発症ではてんかんが初発症状となることが多いが 必ずしも全例に脳波検査が必要なわけではない (4) そのようなことはない (5) 熱性痙攣の数 % である 27. 疾患の症状の組み合わせで誤っているのはどれか (a) 亜急性硬化性全脳炎 ミオクローヌス (b) モヤモヤ病 --- 片麻痺 (c) Rett 症候群 筋緊張低下 (d) Emery-Dreifuss 症候群 - 房室ブロック (e) 先天性筋緊張性ジストロフィー 呼吸障害 (a) 第二期に進行するとみられるようになる (b) 小児例は大脳の虚血による神経症状を初発とするものが多く 意識障害 脱力発作 ( 四肢麻痺 片麻痺 単麻痺 ) 感覚異常 不随意運動 けいれん 頭痛などが生じる (c) 広汎性発達障害というものの中に含まれ ほとんど女児に起こる進行性の神経疾患で 知能や言語 運動能力が遅れ 常に手をもむような動作や 手をたたいたり 手を口に入れたりなどの動作を繰り返すことが特徴 筋緊張 10

低下とは関係がない (d) X 連鎖劣性遺伝と常染色体優性遺伝があり 日本ではX 連鎖劣性遺伝の方の報告が多い 本症では筋力低下は軽度であるのに 早期から肘 手 足関節に拘縮がみられるのが特徴的である また頚部 脊柱の前屈も制限され 強直性脊椎症候群との鑑別が難しい 本症の他の特徴は心伝導障害 (PR 間隔の延長と徐脈 ) で 完全房室ブロックをきたすため 突然死が多い (e) 先天性筋緊張性ジストロフィーでは全身の筋緊張低下, 哺乳 呼吸障害, 精神運動発達遅滞, 彎曲足, 股関節脱臼などが認められる. 28. 1 歳 2 ヵ月の女児 妊娠分娩歴 発達歴に異常を認めない 3 日前から鼻汁と咳を呈していた 今朝から発熱を認めていたが 夕方になり全般強直けいれんを約 3 分間起こした 受診時にけいれんを認めず 泣いていた 考えられる疾患として最も頻度が高いのはどれか (a) てんかん症候群 (b) 熱性けいれん (c) 急性脳症 (d) 細菌性髄膜炎 (e) 急性硬膜下血腫 妊娠分娩歴 発達歴に異常を認めない 1 歳 2 ヵ月の女児で 3 日前から鼻汁と咳を呈し 今朝から発熱を認めていたことから 初発のけいれんであり 何らかの先行感染があったことが疑われる 初回けいれんで発熱があれば まず 髄膜炎 脳炎 急性脳症が鑑別としてあがる しかし 項部硬直 kernig 徴候 大泉門膨隆 意識障害がなく 髄液所見に異常がなければ熱性けいれんが一番疑われる 29. 乳幼児の脱水の診断に有効でないのではどれか (a) 尿量減少 (b) 皮膚緊張度低下 (c) 不整脈 (d) 大泉門陥凹 (e) 口腔粘膜乾燥 (a) (b) (d) (e) 尿量減少 皮膚緊張度低下 大泉門陥凹 口腔粘膜乾燥は脱水の重要な所見である (c) 不整脈は脱水の診断に有効とはいえない 30. ロタウイルス感染症について誤っているのはどれか (a) 冬に流行する (b) 主に学童に発生する (c) 潜伏期は 1~4 日である (d) 白色下痢便がみられる (e) 肝障害がみられる 11

(a) (c) (d) (e) は正解 (b) 乳幼児 (6~24 ヶ月 ) に多い 31. 生後 6 ヶ月の男児が離乳食を摂取直後の紅斑と蕁麻疹を主訴に救急外来を受診した これまで母乳栄養である 経過から食物アレルギーが疑われた (1) この症例の食物アレルギーの原因として疑われる食品を頻度の高いものを三つ記入せよ (2) 食物アレルギーの症状について上記皮膚症状以外のものを四つ記入せよ ( 解答 ) (1) 鶏卵 牛乳 小麦 (2) 呼吸器症状 消化器症状 循環器症状 粘膜症状 神経症状 ショック異なる臓器症状を四つ記入してあれば正解 32. 溶血性尿毒症症候群の病態と症状を記せ ( 解答 ) Keywords を入れて記載する ベロ毒素 病原性大腸菌 O-157 内皮細胞障害 血管内皮障害 血栓症下痢 腹痛 血便 腎機能障害 脳症 溶血性貧血 血小板減少症 33. ファロー四徴症の血行動態と症状について述べよ ( 解答 ) 肺動脈狭窄 心室中隔欠損 大動脈騎乗 右室肥大からなるファロー四徴症は 強い右室流出路狭窄と大きな心室中隔欠損があるため心室レベルで右室シャントとなり チアノーゼを生じる 低酸素発作をおこすとチアノーゼが増強し 呼吸困難 重症例では意識消失 けいれんを起こす 34. 川崎病の診断の手引きに示されている主要項目 6 つを列挙せよ ( 解答 ) 1 5 日以上続く発熱 ( ただし治療により 5 日未満で解熱した場合も含む ) 2 両側眼球結膜の充血 3 口唇 口腔所見 : 口唇の紅潮 苺舌 口腔咽頭粘膜のびまん性発赤 4 不定形発疹 5 四肢末端の変化 : ( 急性期 ) 手足の硬性浮腫 掌蹠ないしは指趾先端の紅斑 ( 回復期 ) 指先からの膜様落屑 6 急性期における非化膿性頚部リンパ節腫脹 35. 前駆細胞型急性リンパ性白血病と診断された 2 人の患者 A B において 以下の診断時情報からより予後が不良と予想される患者はどちらか 理由も添えて記載しなさい A: 1 歳 9ヶ月の女児 肝臓 脾臓の腫大をそれぞれ季肋下 3cm 2cmまで認めた 末梢血液検査で白血球数 15,000/μL うちリンパ芽球は 75% を占めた 12

B: 12 歳 2ヶ月の男児 肝臓の辺縁を季肋下に触れる 末梢血液検査で白血球数 120,000/μL うちリンパ芽球は 45% を占めた ( 解答 ) B 高年齢と白血球数が多いことが書いてあれば 100% どちらか一つで 50% 女児の方が予後良好であるが 上記に比べて重要ではない 臓器腫大や芽球 % は不可 36. 脳性麻痺の定義や原因 診療上の留意点などについて記述せよ ( 解答 ) 脳性麻痺とは受胎から新生児期に生じた脳の非進行性病変に基づく 運動や姿勢の異常である 原因として 染色体異常症や脳奇形などの先天性 遺伝性疾患 胎児仮死や脳出血など周生期脳障害 新生児けいれんなどの後天性脳障害がある 乳幼児期に筋緊張の異常や姿勢の異常 ( 反り返り 体のねじれ 下肢の尖足 ) で気付かれ 精神遅滞を合併することも多い 日常のケアとして 異常姿勢の矯正 コミュニケーション障害や摂食障害への対応が必要である 合併症として 睡眠リズムの問題 消化管機能の問題 ( 胃食道逆流症 便秘 ) や呼吸障害に留意する必要がある 37. アプガースコアの 5 項目は何か (0 1 2 点の点数までの記載は必要ではない ) ( 解答 ) 皮膚色 心拍数 反射 筋緊張 呼吸 38. 5 歳 女児が性器出血を主訴に来院された 最終診断は 特発性中枢性思春期早発症であった 最終診断に至るまでに 実施された診察 検査について記載せよ ( 解答 ) 性器出血は 思春期早発症以外でも 外傷 感染 主要などでも認められる 1. 診察 : 性器出血以外の思春期徴候の確認 乳房 外陰部の Tanner stage の確認 また 補助的に成長曲線や 骨年齢確認を行い 成長促進や骨年齢の進行を確認する 2. 内分泌学的検査 : LH FSH 女性ホルモンの測定を行い 真性か仮性の鑑別を実施 3. 中枢の器質性病変の除外 : 頭部 MRI による脳腫瘍などの器質病変の除外 4. スペシャルサービス ( 以下の記載があったら満点 ): 外来性エストロゲンについての記述 ( 女性ホルモンを含んだ薬物の使用 ( 内服 外用 ) 病歴の確認 ) McCune-Albright 症候群についての記載 ( 線維性骨異形成 カフェオレ斑など ) 13