A A RNA からタンパク質へ mrna の塩基配列は 遺伝暗号を介してタンパク質のアミノ酸の配列へと翻訳される trna とアミノ酸の結合 RNA 分子は 3 通りの読み枠で翻訳できる trnaは アミノ酸とコドンを結びつけるアダプター分子である (Ψ; プソイドウリジン D; ジヒドロウリジンどちらもウラシルが化学修飾したもの ) アミノアシル trna 合成酵素によって アミノ酸と trna を結びつける (0 種類のアミノ酸をつけるため 0 種類の酵素が存在する ) リボソーム 翻訳 リボソームには mrna 結合部位が か所と trna 結合部位が 3 か所ある 3 4
翻訳の様子 (3) コドンアミノ酸をコードするコドンは 極わずかな例外を除いて 全ての生物で共通である しかし 同一のアミノ酸をコードする場合にも ~6 のコドンが重複している場合があり どのコドンがよく用いられるかは 各生物の DNA の C 含有量にしたがって かなり偏っている 原核生物の mrna は 分子でいくつかの異なるタンパク質をコードしているものがある タンパク質はポリリボソームによって翻訳される ( 真核生物 原核生物の両方で見られる ) 6 0. 遺伝子発現のための基本単位ー真核生物ー () 転写に必要なエレメント RNA ポリメラーゼ RNA ポリメラーゼ Ⅰ 単一プロモーターを認識 rrna 前駆体を転写 RNA ポリメラーゼ Ⅱ タンパク質をコードする mrna を転写 RNA ポリメラーゼ Ⅲ S リボゾーム RNA trna などを転写 RNA ポリメラーゼ Ⅱ のプロモーター TATA(A or T)A3 TATA box 転写開始点から約 塩基上流 CCAATCT3 CAAT box 転写開始点から約 90 塩基上流エンハンサー 自身は転写活性を持たないものの様々な転写因子が結合することにより 近傍の転写開始エレメントの活性を増幅する 多くは遺伝子の 側に見られるが 構造遺伝子の 3 末端に位置するものもある 7 8
RNAポリメラーゼ II mrnaを直接的に合成する酵素 TFIIA TFIIB TFIID ( 主役 ) TFIIE TFIIF TFIIH 真核生物の転写の準備 TFIID の DNA への結合を助ける 転写開始部位の決定に 直接機能する 転写開始の引き金となる 最も重要な因子 TBP (TATA 結合タンパク質 ) と TAFs (TBP 関連因子 ) から成る THIIH の機能を制御 プロモータークリアランスに関与 RNA ポリメラーゼをプロモーターへ連れてくる プロモーターの DNA 二重らせんをほどくプロモータークリアランスにも関与 3 まず最初に TFIID (TBP) が TATA ボックスに結合する その後 THIIA が来て TBP と TATA ボックス上流の DNA に結合し TFIID の DNA への結合を安定化させる さらに TFIIB が来て TBP と DNA に直接結合する (TFIIA と TFIIB は 結合しない ) 4 7 6 真核生物の転写 真核生物のRNAポリメラーゼIIは 転写開始に転写基本因子を必要とする (A) プロモーターにはTATAボックスという塩基配列がある (B)TFIIDのTBPがTATAボックスを認識して結合して DNA 構造を大きくゆがめる (C)TFIIDの横にTFIIBが結合する (D) 残りの転写因子とRNAポリメラーゼIIがプロモーターに結合する (E)TFIIHがATPの加水分解のエネルギーを使って転写開始部位のDNA 二本鎖を解離させ 鋳型鎖を露出させる また TFIIHがRNAポリメラーゼをリン酸化すると ポリメラーゼは転写基本因子から離れて転写伸長期に入れる リン酸化されるのは ポリメラーゼ分子から長く突き出した尾部である RNAポリメラーゼの種類転写する遺伝子 RNA ポリメラーゼ I 大部分の rrna TFIIJ??? RNAポリメラーゼが他の場所でTFIIFと結合し プロモーターへと来てTFIIBと結合する ( この段階で RNAポリメラーゼは転写開始点を含む正しい位置に配置される ) 次に TFIIEがRNAポリメラーゼに結合し さらにTHIIHとTHIIJも RNAポリメラーゼに結合して 転写の準備完了する 転写が0~ 塩基ほど進むと この複合体がプロモーターから解離し 転写が進む プロモータークリアランス (TFIIDとTFIIA とTFIIBはプロモーターに残り 次の転写の開始のために待機し RNAポリメラーゼは TFIIFとTFIIJが結合したままRNAの合成を行う その他の因子は離れていく ) が起こる 9 TATA ボックスに結合する TBP RNA ポリメラーゼ II RNA ポリメラーゼ III タンパク質をコードする遺伝子など trna 遺伝子 S rrna 遺伝子 低分子 RNA 遺伝子 0 真核生物の転写調節因子 ( エンハンサー ) 真核生物の転写調節因子
<polya の付加 > 転写が終結したのちの mrna 前駆体 :pre mrna には ポリ A シグナルにより約 0~00 の A(polyA) の付加がおこる 転写後修飾 このとき 3 末端領域にある AAUAAA3 シグナルと U rich シグナルの間で RNA が切断され そこから polya の付加がおこる この RNA の切断と polya の付加は polya ポリメラーゼが関与する < イントロンの除去 > Pre mrna のイントロンは スプライシングで取り除かれる Splicing donor イントロン 末端側 (A or C)A U(A or )A Branch site イントロンの途中 CU(A or )A(A or U) Splicing acceptor イントロン 3 末端 ピリミジン rich な配列の後に NCA スプライシングシグナルを導入することで 外来遺伝子の mrna の安定性が向上する 3 RNA ポリメラーゼ II がリン酸化されると RNA プロセッシングタンパク質が尾部に集まる 4 スプライシング スプライシング snrna 3 4 切り離されたエクソンは U snrnp と結合したままであり さらに U snrnp は イントロン 3 末端の A 配列にも結合して 最終的にエキソン同士が結合する まず U snrnp が放出され イントロン ' 末端の U 配列が開放される すると その他の U や U6 sn RNP がこの U 配列に近づいてくる U4 snrnp が放出されると U6 snrnp は U snrnp にくっつく U6 snrnpは塩基対を利用してイントロン' 末端のU 配列とも結合する そして U/U6がU 配列の' 側でmRNAを切断し U 配列の 塩基をブ ランチ部位中のA 塩基と結合させる 6
スプライシング mrna の運搬 組織によってスプライシングの仕方が異なる場合もある EJC; エキソン接合部複合体 7 8 () 翻訳に必要なエレメント <Kozak 配列 > 真核生物の開始コドン周辺の塩基は コザック (Kozak) によって一定の法則があることが明らかになっている 最も強力な開始コドンの周辺配列は CC(A or )CCAT 3 開始コドンの A から -3 位のプリン塩基 +4 の が重要上流に強力な AT がある場合 これが優先されるので 取り除く必要がある <IRES(Internal Ribosome Entry Site> ポリオウイルスに感染した細胞では 途中にある AT からでもタンパク質への翻訳が可能になる 途中の AT から翻訳する際に リボゾーム RNA が結合できる mrna の高次構造を形成できる配列を IRES という 他のウイルスでも徐々に IRES 配列が決定されつつある 9 (3) インシュレーター 目的遺伝子を真核生物のゲノムに組み込んで 恒常的な発現あるいは誘導発現を目指しても 組み込まれた場所によって発現の強弱がある場合や 有効な誘導発現ができない場合がある この現象を位置効果 (position effect) という 組み込まれた遺伝子の発現が 近傍の様々な遺伝子発現制御エレメントに影響されることに理由があると考えられる これを防ぐためには インシュレーターを目的遺伝子の両端に導入して 導入された場所の近傍の様々な遺伝子発現制御エレメントの影響を抑制する インシュレーターは クロマチンのループの境界に見つかるエレメントであり クロマチン境界を形成して隣接する遺伝子エレメントによる発現への影響をなくし 各クロマチン領域を機能的に独立させていると考えられている インシュレーターの働きにより 導入した遺伝子が独立した発現ユニットとして機能できることが期待できる 0