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これまで観測記録に基づく十分な議論がなされてきているとはいえない 本研究では 極大地震動の観測された IWTH25 を対象として 地表 / 地中のスペクトル比を上下動および水平動に対して解析し 強震時及び弱震時または強震前後における表層地盤の震動特性の違いとそのような違いを生じさせた地盤の弾性波速度及び Q 値の変化を調べた ここでは水平動のみに限らず上下動に対する震動特性についてもモデル化することで P 波速度と S 波速度の変化をともに調べた 2. 解析したデータ KiK-net IWTH25 観測点には 地表と地中 ( 深度 260m) に加速度型強震計が設置されている この観測点における 2000 年 8 月から 2009 年 5 月までの強震観測記録計 97 波を解析した データセットを 本震前 本震 余震 本震後 の 4 つに分類した ここで 本震前 の地震とは 2008 年岩手 宮城内陸地震の震源域の外で 2008 年 6 月以前に発生した 42 地震 (M JMA 3.2 7.2) 本震後 の地震は同様に震源域の外で 2008 年 7 月以降に発生した 14 地震 (M JMA 3.9 6.9) 本震 は 2008 年岩手 宮城内陸地震本震 余震 は 2008 年岩手 宮城内陸地震の余震 40 地震 (M JMA 3.5 5.2) である 対象となる地震数 マグニチュード 震央距離 深さ範囲などを表 1 にまとめた それぞれのデータセットに含まれる地震の震央を図 1 に示す 本震以外の地震は地表での最大加速度が 370cm/s 2 未満の弱震動時の記録のみを使用した この際 観測波形を目視で確認し P 波及び S 波 の立ち上がりが明瞭な記録のみを使用した 本震後 及び 本震前 の地震については 表層地盤へほぼ鉛直に入射するとみなすことができるように震源が遠く深い地震を選択した 表 1 解析に使用したデータ Number Depth of M JMA (km) events 図 1 KiK-net IWTH25 観測点の位置 ( ) と本研究で記録を解析した地震の震央 ( 赤 : 本震 緑 : 余震 青 : 本震前 橙 : 本震後 ) Epicentral Distance (km) PGA surface (cm/s 2 ) Events before P-part 15 5.0 7.2 40 121 < 370 MS S-part 42 3.6 7.2 20 121 < 370 < 320 Mainshock (MS) S-part 1 7.2 7.8 2.9 ~ 3900 Aftershocks S-part 40 3.5 5.2 4.5 12 < 21 < 370 Events after MS P-part 7 4.3 6.9 27 112 < 240 excluding < 130 S-part 14 3.9 6.9 24 112 < 240 aftershocks 3. 観測スペクトル比の解析 3.1 解析方法ここでは 観測された地震波の時刻歴を P 波部分 S 波部分の 2 つのタイムウィンドウに区分した ただし 本震 と 余震 のデータセットに含まれる地震については S P 時間が短く フーリエスペクトルを安定に求めるための十分な長さのタイムウィンドウ (5 秒以上 ) が確保できないため P 波部分は解析していない 解析に先立って 地表地震計と地中地震計の設置方位差を補正した 水平動及び上下動それぞれについて 各々のタイムウィンドウの時刻歴波形の前後に 10% の時間長のコサインテーパを適用し フーリエ振幅スペクトルを求め 中心周波数の ±10% の幅の矩形窓関数で平滑化した 水平動については EW 成分と NS 成分の振幅スペクトルのベクトル和を水平動の振幅スペクトルとした 各データセットについて観測スペクトル比の対数平均と標準偏差を求めた -3138-

3.2 強震時と弱震時の地表 / 地中スペクトル比の比較強震時 ( 本震 ) と弱震時 ( 余震 ) の地表 / 地中スペクトル比を比較した ( 図 2) S 波部分の水平動のスペクトル比では 1 20Hz において強震時と弱震時のそれらは大きく異なっており 本震の観測スペクトル比は値が小さく 明瞭なピークはみられなかった 上下動のスペクトル比は 0.2 10Hz では 強震時と弱震時の観測スペクトル比は互いによく似ていたが 10Hz 以上の高周波数では違いがみられた 3.3 本震前後での地表 / 地中スペクトル比の比較図 3 に P 波部分及び S 波部分の水平動成分と上下動成分の観測スペクトル比を比較した スペクトル比の標準偏差はいずれも小さく それぞれのデータセットにおいて観測スペクトル比が安定に求められていることが分かる 4 つのデータセットに共通して 水平動成分と上下動成分のスペクトル比の形状は異なっている 水平動成分については 0.7Hz までスペクトル比が 1 でフラットであり 上下動成分は 1.2Hz 付近までフラットであった P 波部分と S 波部分のスペクトル比をそれぞれ比較すると 本震前 ( 図 3 の青実線 ) と 本震後 ( 図 3 の赤実線 ) のいずれにおいても 水平動成分の P 波部分と S 波部分のスペクトル比は互いによく似ている 上下動成分については P 波部分と S 波部分で 3Hz 付近に見られるピークの位置が少し違うなど形状に違いが見られるが この違いは水平動部分と上下動成分の違いに比べればずっと小さい また 本震前 本震後 のスペクトル比の形状は 図 2 に示されている 余震 のスペクトル比とよく似ており 地震によらずスペクトル比が安定している 本震前 及び 本震後 のデータセットは震源が観測点から遠いため 地中地震計に はほぼ鉛直入射していると見なすことができる P 波水平動は PS 変換波 S 波上下動は SP 変換波や多重反射している P 波が卓越していると考えれば 見ているタイムウィンドウに関わらず 水平動は S 波的 上下動は P 波的な応答に支配されていると取り扱うことができる ここで 特筆すべきは本震前と本震後のスペクトル比の違いである 本震前後で水平動 上下動のスペクトル比を比較すると 全体的な特徴は保たれてはいるものの 高周波数成分において標準偏差に収まらない有意な差が認められる 水平成分においては 5 13Hz において本震前後の差が見られる P 波上下動成分についても 5Hz 以上においてピーク周波数のシフトが認められる ( 図 4) 水平動については既往研究でもこのような本震前後の地盤応答特性の変化は知られているが 上下動についても本 図 2 本震 ( 赤 ) 及び余震 ( 緑 ) の地表 / 地中観測スペクトル比の比較 図 3 本震前 ( 青 ) 及び本震後 ( 赤 ) の地表 / 地中観測スペクトル比の比較 図 4 本震前 ( 青 ) 及び本震後 ( 橙 ) の P 波上下動の地表 / 地中観測スペクトル比の比較 ( 周波数軸 : 線形スケール ) -3139-

震時の極大地震動によって ごく表層の地盤の状態に何らかの変化が生じ 地表 / 地中の伝達関数が変化したことを示唆している 4. スペクトル比のモデル化による本震前後及び本震時の地盤構造モデルの推定 4.1 モデル化の方法地下速度構造の推定には様々な手法が存在するが ここでは地震記録に基づく手法の 1 つであるスペクトルフィッティング法を用いた 地表と地中の 2 点間のフーリエスペクトル振幅比の周波数特性を満たす表層地盤の速度構造と減衰特性をインバージョンで推定する方法であり 広く用いられている 本震前後において観測スペクトル比が有意に変化していることが分かったことから 本震時の極大地震動によって物性値が変化して可能性があるため 本震前後の各々のデータセットに対する地盤の物性値を求めて結果を比較した また 本震時のスペクトル比より強震時の物性値を推定し 弱震時との違いについても調べた 以下に地盤物性値 ( 速度 Q 値 ) の推定方法を説明する 本震前 本震後の弱震動のデータセットに対しては 鉛直入射を仮定し S 波部分水平動成分のスペクトル比をターゲットとして S 波速度 V S 及び Q S 値を P 波部分上下動成分のスペクトル比をターゲットとして P 波速度 V P 及び Q P 値を推定した 本震時の強震動に対しては 斜め入射による P-SV 波のカップリングを考慮するため S 波部分の Radial 成分と上下動成分をターゲットにして V S V P Q S Q P を同時に推定した 理論スペクトル比 ( 伝達関数 ) の計算には Thomson-Haskell 法 5) に複素剛性率を導入することで減衰を組み込んだもの 6) を使用し 一次元水平成層構造を仮定した 本震時の入射角は P 波 26 度 S 波 19 度とした 理論伝達関数の計算に必要な変数は各層の層厚 密度 ρ V S V P Q S Q P である KiK-net の柱状図と PS 検層 簡易屈折法の結果を参考に 8 層に区分し あらかじめ設定した層厚に固定した ( 表 2) 各層の密度 ρ i ( 単位 :kg/m 3 ) は Gardner et al. 7) による経験式 1/ 4 ρ i = 310V Pi (1) を用いて PS 検層の V Pi ( 単位 :m/s) に依存する形とした 表層地盤において密度の取り得る値は 弾性波速度と比べると限られており 値を固定することによる影響は小さいと考えている 堆積層における Q 値は周波数依存性や弾性波速度依存性をもつ関数形を用いることが多い ここでは (1) 式のように周波数 f と弾性波速度に依存する Q 値を仮定した γ P QPi ( f ) = α P VPi f (2) γ S QSi ( f ) = α S VSi f これは小林 他 8) が提案したQ 値の基本式の第 1 項目に相当し 小林 他 8) では γ S を概ね1.0としている 福島 翠川 9) は多数の既往研究をもとに土質毎のQ S をV S とfの関数として表し Q S はfの0.5 0.7 乗に比例するとしている したがって, スペクトル比のフィッティングにより求めるべき未知変数は 各層のV Pi V Si と全層共通のα P α S γ P γ S である 遺伝的アルゴリズム (GA) を用いて 観測スペクトル比に最も一致する変数の組み合わせを探索した 各変数の探索範囲を表 3に示す GAの一世代あたりの個体数は30とし 600 世代まで進化過程を繰り返した さらに 第 1 世代の個体集団を変えて10 通りの試行を行った モデルの適合度は評価関数 H 1 ave ( log log )/ ) = 1+ S j O j σ j (3) j により判断した ここで S j O j ave σ j はそれぞれ j 番目の周波数 f j での理論伝達関数 観測スペクトル比の相乗平均 対数標準偏差であり 重み付け係数 A j = logf j+1 logf j である フィッティング対称周波数範囲は 0.2 20Hz とした H の値が大きいほどモデルの適合度が高い 10 回の試行で得られた最適解のうち H が大きい上位 5 つの解の平均値を最終的な解とした 2-3140-

表 2 各層の層厚 密度及び推定された速度構造 Layer P-wave Velocity (m/s) S-wave Velocity (m/s) Thickness Density (m) (kg/m 3 Before During After Before During After ) MS MS MS MS MS MS 1 1 1670 309 154 175 294 106 58 2 5 1670 608 427 612 344 348 361 3 28 2010 1288 1210 1272 533 364 506 4 30 2150 1848 1996 1848 609 405 547 5 48 2150 2056 2108 1848 1058 1021 896 6 64 2470 2960 2924 2888 1424 1424 1424 7 28 2220 3182 3247 3312 1649 1635 1621 8 56 2330 4182 3929 3675 2063 2109 2154 4.2 本震前と本震後の弱震時の地盤構造モデル推定結果 GA を用いた探索によって得られた最適モデル ( 表 2 及び表 3) から計算された理論伝達関数は それぞれの観測スペクトル比に見られるピーク周波数や全体的な形状の特徴をよく再現している ( 図 5) なお GA による探索過程における各世代での評価関数の最大値の推移から 600 世代後には十分収束していることを確認した KiK-net から公表されている PS 検層結果と比較すると 本震前 本震後ともに 第 1 層から第 6 層では V P と V S は 検層結果より小さい値が推定された 特に第 1 層は V S が検層結果の約 70%( 本震前 ) 約 15%( 本震後 ) V P が約 35%( 本震前 ) 約 20%( 本震後 ) となった 本震前後の速度を比較すると 多くの層で同程度の値が得られているが 第 1 層 第 5 層及び第 8 層の V P 第 1 層 第 4 層及び第 5 層の V S は 10% 以上低下した ( 図 6) このことの信頼性を確認するため 各層の弾性波速度の伝達関数に対する感度を確認した その結果 特に第 1 層の V P と V S がそれぞれ上下動成分及び水平動成分の伝達関数に影響していることが分かった したがって 本震前後の観測スペクトル比に見られた差は 主として第 1 層の速度変化によるものと考えられる 表 3 推定された Q 値 Before MS During MS After MS α P 0.0064 0.0050 0.0054 γ P 0.12 0.00 0.56 α S 0.0112 0.0100 0.0100 γ S 0.58 0.10 0.40 図 5 本震前 ( 青 ) 本震後 ( 橙 ) 本震 ( 赤 ) の最適モデルによる理論伝達関数と観測スペクトル比の比較 ( 黒実線は観測スペクトル比の平均と標準偏差 細線は各地震の観測スペクトル比 ) 4.2 本震の強震時の地盤構造モデル推定結果本震に関しては 第 1 層から第 5 層までの弾性波速度を可変とし 泥岩と角礫凝灰岩の非線形化は考えにくいため 第 6 層から第 8 層までの弾性波速度は本震前と本震後の平均値に固定して モデル変数の推定を行った 本震時の推定結果についても表 2 及び表 3 図 5 に示した 前小節の弱震時の結果に比べると 観測スペクトル比に対するフィッティングはよくない これは 時々刻々と応力 - ひずみ関係が変化する非線形応答時においても線形モデルを当てはめていることによ 図 6 本震前 ( 青 ) 本震 ( 赤 ) 本震後 ( 橙 ) の速度構造モデルの比較 -3141-

る 本研究では 本震時の震動特性の全体像を平均的に表す物性値の比較を行うことを目的として このようなモデル化としている しかし 図 5 からは 強震時は高周波数側のスペクトル比が大きく低減するという特徴 ( 特に S 波 ) を再現していることが分かる このような特徴は弱震時のモデル ( 図 5 の青実線及び橙実線 ) では説明できるものではない 得られた速度構造を本震前後のものと比較した ( 図 6) 第 1 層の V P と V S は 本震前の半分以下の値に求まり 本震後に対する推定値と同程度になった 第 2 層の V P や第 3 層 第 4 層の V S も本震前と本震後の平均値よりも 10% 以上小さい値が得られている 強震時に対して推定された Q P 値及び Q S 値は 本震前後のものよりも周波数依存性が弱く 解析周波数範囲においてほぼ一定となっている 5. 議論先名 他 10) は IWTH25 において微動アレイ観測を行い 得られた位相速度の分散曲線から表層の S 波速度構造を推定した 先名 他 10) の微動アレイ観測は 2009 年 8 月に実施されている また ボーリング調査は本震前の 1999 年である 図 7(a) にこれら 3 つの速度構造モデルを比較した 先名 他の結果 10) と本研究の結果は 100m 以浅においてボーリング調査の結果に比べ S 波速度が小さいという点で類似している 両者とも第 1 層の値が特に小さく ボーリング調査による結果の 40% 以下となっている 深度 50 160 m では 本研究の結果は先名 他による値 10) よりも小さく 異なる手法によって推定された速度構造に違いが見られる 各々のモデルより SH 波の伝達関数と Rayleigh 波基本モードの位相速度を計算して 比較した ( 図 7b 及び c) 推定手法より当然ではあるが 観測スペクトル比を最もよく説明するのは本研究のモデルであり 位相速度は先名 他のモデル 10) であり どちらの場合もボーリング調査による結果よりは改善されていることが分かる 両者による層厚の仮定の違い 見ている空間的な広がりの違いなどが このようなモデル間の差の一因となっていると考えられる はじめに で述べたとおり これまで上下動の地盤震動特性に関して 明瞭な非線形応答がみられたとの報告はほとんどなされていない これは P 波速度を決める弾性定数の中で軟弱な飽和地盤では間隙水による体積弾性率が支配的であり ひずみの増加に伴う剛性率の低下が影響しにくいこと 11) とともに 上下動は水平動に比べ振幅が小さいことが多いことが一因として挙げられる 例えば Beresnev and Wen 12) は 台湾の LSST 鉛直アレイでの 5 つの地震記録 ( 最大加速度 ~0.1g) を調べたところ 強震時と弱震時で地表 / 地中の伝達関数に違いは見られなかったと報告している 國生 他 13) は,1995 年兵庫県南部地震本震時のポートアイランドの鉛直アレイ記録を調べるとともに P 波の重複反射理論によって, 本震時の V P を同定した それによれば 埋土層の液状化により水平動が低減したのに対し 上下動の地表での観測最大加速度 (559cm/s 2 ) は GL-83m(187cm/s 2 ) の 3 倍に増幅していた 本震時も飽和地盤の V P は低下せず 土質材料の非線形応答は見られなかったとしている し 図 7 本研究 ( 赤 ) 先名 他 10) ( 橙 ) ボーリング調査 1) ( 灰 ) による (a) 速度構造 (b)sh 波伝達関数及び (c)rayleigh 波位相速度の比較 -3142-

かし これら既往研究で分析された上下動の最大加速度は 2008 年岩手 宮城内陸地震の IWTH25 のものに比べ はるかに小さい 2008 年岩手 宮城内陸地震においては 4g に近い上下動が観測され トランポリン効果 2) と名付けられた上下非対称な時刻歴波形の特徴が報告されている 第 1 層を除けば 本震時に一時的に減少した速度は本震後に本震前の 90% 以上の値に回復している しかし 第 1 層の V P V S には回復が見られなかった 本震前と比較すると V P は本震時に 50% 本震後に 57% V S は本震時に 35% 本震後に 20% となっている 本研究では タイムウィンドウに含まれる波形全体のスペクトル比を解析しているため トランポリン効果のように逐次的な特徴を直接議論することはできないが 表層地盤がトランポリンのように振る舞ったとすれば 土質粒子間の結合状態は本震前後で変化すると推測されることから 本震後に第 1 層の V P と V S が回復しなかった事実と時刻歴波形に見られるトランポリン効果は矛盾しない そして トランポリン効果によって引き起こされた地盤状態の変化が第 1 層付近に集中していることを本研究の結果は示唆している また 本震前後の上下動のスペクトル比の高周波成分の違いから明らかなように P 波速度も強震時の非線形化の影響を受け得ることが示されたことは 上下動に関する既往研究では見られなかった新しい事実である 6. まとめ 2008 年岩手 宮城内陸地震時に 4g に近い上下動の観測された KiK-net 一関西観測点を対象に 本震前後及び本震時の地表 / 地中スペクトル比を解析し 大加速度上下動に伴う表層地盤特性の変化について検討した 本震前 本震 余震 本震後 ( 余震以外 ) のデータセットについて P 波及び S 波部分の水平動 上下動の地表 / 地中の Fourier スペクトル比を解析した 本震前後の比較から 水平動だけでなく 上下動でも 5Hz 以上でピーク周波数のシフトなどスペクトル比の形状の変化が観察された 表層地盤モデルを 8 層で表現し これら観測スペクトル比を理論スペクトル比でモデル化することによって 本震前 本震時 本震後の地盤構造モデルを推定した その結果 第 1 層において V P が本震によって大きく低下し 本震後にも本震前の 57% までにしか回復しなかった 強震動による地盤の状態変化が本震後も残留したものと推測される 謝辞独立行政法人防災科学技術研究所の基盤強震観測網 (KiK-net) の強震波形記録及び気象庁一元化震源カタログを使用しました 本研究は科学研究費補助金基盤研究 (B)21310118( 研究代表者 : 青井真 ) 及び基盤研究 (B)20310105( 研究代表者 : 岩田知孝 ) の一部として実施しました 防災科学技術研究所の先名重樹博士には先名 他 10) の微動アレイ観測による位相速度のデータを提供していただきました 記して感謝いたします 参考文献 1) 青井真 小原一成 堀貞喜 笠原敬司 岡田義光 : 基盤強震観測網 (KiK-net) 日本地震学会ニュースレター Vol.12 No.3 2000 年 pp.31 34. 2) Aoi, S., T. Kunugi, and H. Fujiwara: Trampoline Effect in Extreme Ground Motion, Science, Vol.322, No.5902, 2008, pp.727 730. 3) 翠川三郎 : 強震時にみられる地盤特性の非線形性 地震第 2 輯 Vol.46 No.2 1993 年 pp.207 216. 4) 木村美帆 浅野公之 岩田知孝 : 鉛直地震計アレイデータを用いた強震動と弱震動の地盤震動特性の比較 柏崎刈羽原子力発電所構内における 2007 年新潟県中越沖地震とその前後の地震の記録を対称として 地震第 2 輯 Vol.62 No.1 2009 年 pp.61 65. 5) Haskell, N.A.: The Dispersion of Surface Waves on Multilayered Media, Bull. Seism. Soc. Am., Vol.49, No.1, 1959, pp.17 34. 6) Silva, W.: Body Waves in a Layered Anelastic Solid, Bull. Seism. Soc. Am., Vol.66, No.5, 1976, pp.1539 1554. 7) Gardner, G.H.F., L.W. Gardner, and A.R. Gregory: Formation Velocity and Density The Diagnostic Basics for Stratigraphic Traps, Geophysics, Vol.39, No.6, 1974, pp.770 780. 8) 小林喜久二 久家英夫 植竹富一 真下貢 小林啓美 : 伝達関数の多地点同時逆解析による地盤減衰 -3143-

の推定 : その 3 Q 値の基本式に関する検討 日本建築学会学術講演梗概集 Vol.B-2 構造 II 1999 年 pp.252 254. 9) 福島美光 翠川三郎 : 周波数依存性を考慮した表層地盤の平均的な Q -1 値とそれに基づく地盤増幅率の評価 日本建築学会構造系論文集 No.460 1994 年 pp.37 46. 10) 先名重樹 青井真 浅野公之 岩城麻子 木村美帆 岩田知孝 功刀卓 中村洋光 藤原広行 飛田哲男 高野征宣 : 微動観測による KiK-net 一関西観測点 (IWTH25) 周辺における浅部 S 波速度構造の推定 日本地震学会講演予稿集 2009 年 P2-71. 11) 金谷守 石川博之 : 動的上下動を考慮した地盤の安定性評価 ( その 1) 等価線形解析による上下動応答評価における地盤剛性の設定法 電力中央研究所研究報告 U03011 2003 年 19 pp. 12) Beresnev, I.A. and K.-L. Wen: P-wave Amplification by Near-Surface Deposits at Different Excitation Levels, Bull. Seism. Soc. Am., Vol.85, No.5, 1995, pp.1490 1494. 13) 國生剛治 佐藤清隆 松本正毅 :1995 年兵庫県南部地震での地盤の非線形震動特性 土と基礎 Vol.43 No.9 1995 年 pp.39 43. -3144-