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平成 27 年度総合技術研究所畜産技術センター成果発表会および広島県飼料稲活用 普及検討広島県飼料稲活用 普及検討会合同研修会次第 日時 場所 平成 28 年 2 月 1 日 ( 水 ) 1:3~15:3 みよしまちづくりセンターぺぺらホール ( 所在地 : 三次市十日市西六丁目 1 番 45 号 ) 1 開会 (1:3) あいさつ県立総合技術研究所長松岡孟広島県飼料稲活用 普及検討会会長一般社団法人広島県畜産協会田川専務理事 2 事例発表 (1:45~11:5) 養鶏への飼料用米利用の取組について JA 全農ひろしま鶏卵課生産担当課長塩田信通 3 畜産技術センター成果発表 (11:5~11:3) 飼料イネ たちすずか の効率的バンカーサイロ調製技術 飼養技術研究部副部長河野幸雄 4 ポスターセッション (11:3~12:) 昼食 (12:~13:) 5 基調講演 (13:~14:) ブランド化を目指した飼料イネ, 飼料用米を活用した TMR 等調製利用 一般社団法人日本草地畜産種子協会吉田宣夫 ( 飼料イネアドバイザー ) 6 畜産技術センター成果発表 (14:1~14:5) 乳用牛へのイネWCS たちすずか の微細断 TMR 給与技術 飼養技術研究部副主任研究員城田圭子 肥育牛へのイネWCS たちすずか TMR 給与による生産への効果 飼養技術研究部副主任研究員福馬敬紘 7 総合討議 (14:5~15:2) 8 閉会 (15:3) あいさつ県立総合技術研究所畜産技術センター長藤井司

平成 27 年度広島県立総合技術研究所畜産技術センター研究成果発表会 報告要旨 216 年 2 月 1 日 広島県立総合技術研究所畜産技術センター

目 次 研究成果発表研究成果発表 (1) 飼料イネ たちすずか の効率的バンカーサイロ調製技術 飼養技術研究部 河野幸雄 1 (2) 乳用牛への飼料イネ たちすずか の微細断 TMR 給与技術 飼養技術研究部 城田圭子 7 (3) 肥育牛への飼料イネ たちすずか TMR 給与による生産への効果 飼養技術研究部 福馬敬紘 13

H27 年度畜産技術 C 成果発表会 飼料イネ たちすずか の効率的ハ ンカーサイロ調製技術 飼養技術研究部河野幸雄 農食研究推進事業 (H25-27) 画期的 WCS 用稲 たちすずか の特性を活かした微細断収穫調製 給与体系の開発実証 近畿中国四国農業研究センター 株式会社タカキタ Copyright 216 Hiroshima Copyright 216 Hiroshima rights reserved. Prefecture. All rights reserved. 広島県岡山大学畜産技術センター酪農業協同組合 WCS 用稲の画期的新品種 たちすずか 従来 (3cm) より短く細断 微細断収穫技術 タカキタ汎用型微細断飼料収穫機 ワゴンタイプ :SMW52 : ( 発売 :H28 : 年 6 月予定 ) ロールベーラタイプ :SMR12 ( 発売 :H28 : 年 11 月以降 ) ねらい わが国に最適な稲 WCS の効率的収穫調製給与体系 収穫 輸送 減容化 効率化 コスト低減 一度にたくさん運べる 安く運べる 保存 WCS 調製 高密度 品質向上 コスト低減 もっと良い WCS ハ ンカーサイロ利用 家畜への給与 微細化 高摂取 高生産 たくさん食べてたくさんとれる 牛乳 牛乳 作業幅 18mm 理論切断長 4 段階に切替可能 ( 6 11 19 29mm) Copyright 216 Hiroshima Prefecture. All rights reserved. ディーゼルエンジン搭載 最大出力 73.8kW(1.3PS) 出展 : 株式会社タカキタ HP http://www.takakita-net.co.jp/new/index.html 収穫 輸送 保存 WCS 調製詰込密度 ロールベールタイプ 微細断により減容化ロール重量は最大 4kg 前後に ワゴンタイプ 5.2m 3 微細断により減容化 2t タ ンフ に 1t 積載可 効率輸送! Copyright 216 Hiroshima Prefecture. All rights reserved. ロールベール 乾物密度 15kg/m 3 以上 バンカーサイロ 微細断により乾物密度 15kg/m 3 以上 高密度調製! 1

ロールヘ ールサイレーシ ロール重量 6 5 4 3 2 1 kg 25 2 42 394 ロール重量 188 182 37 351 乾物密度 169 329 158 34 kg/m 3 25 2 15 1 5 乾物密度 ロールヘ ールサイレーシ 乳酸菌添加 無添加 6 8 11 15 19 29 理論切断長 mm 6mm 11mm 19mm 6mm 11mm 19mm 理論切断長 Copyright 216 Hiroshima Prefecture. All rights reserved. 理論切断長 微細断の効果 : ロールヘ ールサイレーシ 切断長が短いほど 詰込密度が向上 運搬 保管に有利 ph が低く, 乳酸含量が高い 発酵品質良好 バンカーサイロ 長所 調製コストが安い 作業効率 ( 詰込 取出し ) が良い 適合条件 ( 圃場から近い ) 短所 比較的気密性が低い 好気的変敗リスクが大きい ハ ンカーサイロ : 比較的気密性が低い 空気侵入の指標 空気 ( 窒素 8%) サイロ内窒素 % 1 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ハ ンカーサイロ ロールラッフ サイロ 3 6 9 調製後日数 ハ ンカーサイロ : 好気的変敗リスク大 ハ ンカーサイロの取出し 1 回に少し ( 使用量 ) だけを切り出す 切り出し面は長時間空気と接触 2

乳酸菌豆知識 サイレーシ 調製におけるイネの特徴 短所 低密度 & 低糖分 ( 従来品種 ) 茎が中空構造のため詰込密度が上がりにくい 糖含量が 5% 未満のため ph が高く, 酪酸発酵しやすい 稲 WCS のハ ンカーサイロ調製 バンカーサイロ調製試験 高密度高糖分 1 乳酸菌添加効果の検討 2 切断長の比較 酢酸 1 乳酸菌添加効果の検討 乳酸菌添加効果 ( 発酵品質 ) コンクリート擁壁バンカー間口 3m 奥行 6m 高さ 1.2m サイロ SP 収穫時に噴霧 収穫調製 H26 年 1 月 23 日 たちすずか ( 出穂後約 45 日 ) 微細断収穫機 ( 試験機 ) 理論切断長 6mm 開封調査 H27 年 9 月 15 日 ~1 月末 毎日 2cm 掘出し 品温 発酵品質を調査 ph 5 4 3 2 1 4. 3.9 SP 添加無添加 ( 原物中 %) 乳酸菌乳酸酢酸酪酸 1,2PD エタノール SP 添加 無 1.22 1.47. 1.7.38 ±.76 ±.35 ±. ±.23 ±.2 2.32.61.1.6.86 ±.29 ±.3 ±.1 ±.2 ±.1 1,2PD: フ ロハ ンシ オール 3

温度 乳酸菌添加効果 ( 品温変化 ) 4 35 3 25 2 無添加 廃棄 SP 添加 15 1 外気温 9/13 9/23 1/3 1/13 1/23 一気に増殖し発熱 空気の進入 空気に触れても発熱しにくい 空気の進入 酵母菌 酵母が生残 ハ ンカーシート 酢酸酢酸酢酸酢酸が酵母を抑制酢酸酢酸酢酸 乳酸菌の効果 : バンカーサイロ ヘテロ発酵型乳酸菌の添加により 酢酸, フ ロハ ンシ オールが増加 ヘテロ発酵型乳酸菌の特徴 開封後の発熱を強力に抑制 好気的変敗抑制効果 : 大 2 切断長の比較 収穫調製 H25 年 1 月 21 日 ( 出穂後約 45 日 ) 11 月 26 日 ( 出穂後約 8 日 肥育牛用 ) たちすずか 微細断収穫機 ( 試験機 ) 乳酸菌 サイロ SP 添加 開封調査 H26 年 7 月 9~24 日 (1 月収穫分 ) H26 年 8 月 18~31 日 (11 月末収穫分 ) 1 日 4cm 掘出し 品温 発酵品質を調査 コンクリート擁壁バンカー間口 3m 奥行 6m 高さ 1.2m 1 月収穫 11 月末収穫 ( 肥育牛用 ) 詰込 取出し 乾物密度 kg/m 3 18 16 14 155 15 143 149 12 13 1 121 8 6 4 2 6mm 11mm 19mm 6mm 11mm 19mm 1 月収穫 11 月末収穫 4

発酵産物 残存糖 ( 原物中 %) 収穫時期 1 月 11 月末 理論切断長 6mm 11mm 19mm 6mm 11mm 19mm 1,2PD: フ ロハ ンシ オール ph 乳酸酢酸酪酸 1,2PD エタノール糖類 3.8 2.44.65.3.11.34.42 ±.9 ±.49 ±.19 ±.1 ±.5 ±.18 ±.1 3.92 2.11.49..16.27.5 ±.15 ±.59 ±.18. ±.9 ±.14 ±.17 4.6 1.1 1.25.5.2.73.46 ±.13 ±.42 ±.21 ±.5 ±.1 ±.17 ±.11 4.8 1.64 1.33.1.76.57 2.2 ±.15 ±.5 ±.29 ± ±.27 ±.21 ±.41 4.15 1.66 1.49.3.93.64 2. ±.1 ±.27 ±.13 ±.4 ±.14 ±.12 ±.31 4.24 1.49 1.41.2.64.83 1.38 ±.12 ±.38 ±.29 ±.1 ±.26 ±.29 ±.47 4 35 3 25 2 15 1 月収穫 品温変化 4 最高気温 ( 庄原 ) 35 3 25 2 11 月末収穫発熱 4 日間取出し休止 15 7/9 7/117/137/157/177/197/217/23 8/188/28/228/248/268/288/3 9/1 気温 6mm 11mm 19mm 気温 6mm 11mm 19mm 変敗 廃棄 ハ ンカーサイロ 微細断の効果 : バンカーサイロ L 字型フ ロック壁 サイレージ カビ好発部 先端部 ( シートの皺 ) 壁の隙間後壁際 バンカー種別廃棄率 ( 両端以外 ) 6mm 8% 1 月調製 11mm 5% 19mm 2% 6mm 2% 11 月調製 11mm 4% 19mm 7% 空気の進入 備考 8/25( 雨天中 4 日 ) のデータも除外 踏圧不足 微細断 (+ 乳酸菌 ) により ヘテロ発酵型 詰込密度が向上 開封後の発熱は問題なし 廃棄率は 2~8% 両端部以外 切断長 (6~19mm) による違いは無し たちすずか WCS のバンカーサイロ調製は可能 簡易バンカーサイロ事例 近畿中国四国農業研究センター 試算 片道 3 分以内の近距離輸送 片道 1 分輸送の場合, WCS 調製費用を 2% 低減 キューフ ハ ンカーサイロ 4 1.9m( 三次市三和町 ) キューフ サイロを並べて壁を形成 キューフ ハ ンカーサイロ 6 3.9m( 東広島市豊栄町 ) キューフ サイロを並べて壁を形成 屋根付きハ ンカー 2.5 8.6m 3 基 ( 島根県飯南町 ) 外壁 (L 字コンクリート ) 内壁 ( 単管 + コンハ ネ ) その他固定サイロ, コンビラップとの組合わせも有効 L 字型コンクリート擁壁サイロ 3 6 1.2m 6 基 ( 畜産技術センター ) 建築用の L 字型擁壁を並べて壁を形成 ( 奥は単管とコンハ ネ製 ) 5

設置場所 前傾水はけ良く, 水の侵入防止前方に広いスペースを確保タ ンフ ロータ ー作業 大きさ 充分な間口ロータ ー車輪幅の二倍以上 狭いと中央部が踏圧できない 使用量に応じた間口 1 日の取出し量 ( 給与量 ) に見合った大きさに設定 1 日あたり最低 15cmは取出すように設計 間口 3m 高さ1mの場合 15cm 取出し量は約 2kg ( 試算条件 : 乾物密度 15kg/m 3, 乾物率 33.3%) 踏圧作業 中凹または平ら壁際も踏みやすい ハ ンカーサイロ調製の要点 取出し 丁寧に1 日 15cm 以上取出すシートは掘出す部分だけ切り取るか捲ってサイロ本体に極力空気を入れない 乱暴な取出しはNG 取出し面を長い間空気に曝すと変敗する ので毎日 15cm 以上取出す 中凸壁際が踏めない運転難, 危険 密封 取出し幅隙間なく包装ハ ンカーシートを丁寧に隙間なく覆う壁の内側は床までシートで覆う上部は土嚢などで確実にシートを押える 6

H27 度畜産技術センター成果発表会 乳牛への飼料イネ たちすずか の微細断 TMR 給与技術 飼養技術研究部城田圭子 たちすずかの乳牛への給与効果 不消化子実が少ない 繊維の消化性が良い 栄養価が高い 従来品種 クサノホシ に比べ 乳量 体重 乾物摂取量 = 乾物摂取量の増加効果がないのは 従来品種 茎葉 たちすずか たちすずか TMR は茎葉の摂取量が多い TMR の乾物摂取量当たりの咀しゃく行動 総そしゃく時間採食時間 総そしゃく時間, 反芻時間が長い 反芻時間 RVIが高いと飼料摂取量が制限され 低いと第一胃の機能が損なわれる 粗飼料価指数 (RVI: 乾物摂取量 1kg 当たりの総咀しゃく時間 ) 飼料のそしゃく刺激効果を評価する値で,31 分が乳脂率 3.5% 維持の目安 第一胃 ( ルーメン ) の発酵と機能維持 吸収 微生物飼料 NFC 揮発性脂肪酸 ( 澱粉, 糖 ) 炭水化物フ ロヒ オン酸繊維酪酸酢酸だ液 ph 低下急激な増加 ph 安定化ルーメン機能維持 ph 大きく低下 ルーメンアシドーシス 食欲低下, 乳脂率低下, 下痢, 蹄葉炎など ph5.6 が3 時間以上継続すると潜在性ルーメンアシドーシス 粗飼料の切断長が及ぼす影響 飼料イネの切断長 乾物摂取量 RVI 通過速度消化率 長い 短い 従来品種 子実排せつ率は 3mm1mm たちすずか 微細断の影響? 7

微細断 WCS の乳牛への給与効果 期待される効果 乾物摂取量の増加 コストの低減 懸念される影響 消化率の低下 子実排せつの増加 健康への影響 ( ルーメンアシドーシスなど ) 農食研究推進事業 (H25-27) 画期的 WCS 用稲 たちすずか の特性を活かした微細断収穫調製 給与体系の開発実証 近畿中国四国農業研究センター 岡山大学 株式会社タカキタ 広島県総研畜産技術センター 広島県酪農業協同組合 泌乳試験 給与 TMR 飼料構成 1 切断長の検討 濃厚飼料 65% イネ WCS 35% 6mm 11mm 29mm ( 従来切断長 ) 6mm 11mm 29mm ( 株 ) タカキタ試作収穫機により収穫 設計値 TDN: 74.1%DM CP : 15.6%DM NDF: 31.8%DM NFC: 39.4%DM 供試牛 :9 頭 (1 区 3 頭 ) 試験期間 :1 期 14 日 3 合計 42 日間 TMR の粒度 ハ ーティクルセハ レータ 1% 9% 8% 7% 6% 5% 4% 3%.4 3 微細断は,19mm 2% 以上の割合が少 1% ない % 5 4 5 6mm 11mm 29mm Copyright 216 Hiroshima Prefecture. All rights 理論切断長 reserved. 16 78 2 73 32 3 6 19mm 8mm 1.18 1.18 不消化子実割合 子実数 g/ 日 頭 12 1 8 6 4 2 632 68.4 WCS 中子実 687 64.4 435 444 ふん中子実 切断長が短いほど不消化子実割合が増える傾向であるが, 子実数に差はない 639 58.4 379 6mm 11mm 29mm 排泄率 % 8 7 6 5 4 3 2 1 8

乾物摂取量 消化率 切断長の違いで乾物摂取量 消化率に差は無い kg/ 日 頭乾物消化率 % 35 67.5 68.7 68.9 7 3 乾物摂取量 6 25 5 2 24.2 24.1 23.9 4 15 1 5 16.3 16.5 16.5 可消化 乾物量 6mm 11mm 29mm 3 2 1 泌乳成績 kg/ 日 頭 切断長の違いで乳量 乳脂率に差は無く, 乳成分に問題無し % そしゃく行動 そしゃく時間 粗飼料価指数 (RVI) 6 ) ( 分 5 間時 4 くゃ 3 しそ2 / 日 7 1 RVI 採食反芻 31.6 33.6 33.4 438 452 445 316 334 349 微細断は採食時間が短くなる傾向であるが, RVI は 31 以上 6mm 11mm 29mm 4 35 3 25 2 15 1 5 ( kg) 量取摂物 分 / 乾 切断長の検討 まとめ 切断長の異なる WCS(6,11,29mm) を乾物中 35% 混合した TMR を給与した結果, 乾物摂取量, 消化率, 泌乳成績に差なし 微細断 WCS で顕著な弊害は認められない 輸送コスト サイレージ調製でメリットの大きい 6mm 微細断 WCS を乳牛に給与可能 泌乳試験 2 長期給与の影響 長期給与 TMR の飼料構成と成分 各区 4 頭に 2 ヶ月間継続給与 9

泌乳試験 1% 8% 6% 4% 2% % TMR の粒度分布.5 4 22 21 68 63 1 12 微細断区 チモシー併給区 19mm 8mm 1.18mm 1.18mm チモシー併給区は 19mm 以上の割合が多い 泌乳試験 泌乳成績 赤字 :p.5で有意差あり乾物摂取量, 乳量, 乳成分に差は無く, 乳成分値に問題なし 体重変化は, 微細断区で減少が少ない 泌乳試験 第一胃内容液性状 泌乳試験 血液性状 飼料給与後 2 時間後に採取赤字 :p.5 で有意差あり 微細断区で酸の産生量が多く,pH が低いが, 正常な範囲 赤字 :p.5で有意差ありヘマトクリット, 総ケトン体に差を認めたが, 明らかな異常は無し 泌乳試験 まとめ 微細断 (6mm)WCS を 25% と 35% 混合した発酵 TMR を 2 ヶ月間給与した結果, 酪農経営における現地実証 泌乳成績は良好 微細断 WCS 単独給与で第一胃 ph が低下傾向 総揮発性脂肪酸量が多い 血液性状に差を認めたが, 食欲低下など明らかな異常なし 微細断 (6mm)WCS の給与は, 泌乳成績に問題なく, 利用可能 第一胃内の ph の低下を考慮し, 単独給与よりもチモシー乾草などの粗飼料との併用が望ましい 1

現地実証 給与実証の概要 実証農場飼養形態フリーバーン飼養頭数搾乳牛 11 頭 試験区分と期間 現地実証 飼料構成と成分 現地実証 Kg/ 日 頭 乳量 微細断区は乳量が多い傾向 現地実証 乳成分 赤字の項目に差が認められたが, 何れも問題ない値微細断区で粗蛋白質 (CP) の利用効率低下がうかがえる 現地実証 血液性状 現地実証 繁殖成績 赤字の項目に差が認められたが, 何れも正常範囲 微細断区の 1 頭当たり授精回数は少なく, 受胎率は高い 11

現地実証 経済効果 現地実証 まとめ 微細断 (6mm)WCS を粗飼料 ( 乾物中 32%) 中 5~6 割 TMR に混合して給与した結果 泌乳成績 : 良好 繁殖成績 : 良好 血液性状 : 正常範囲 経済効果 : 飼料費を 4.8~7.% 低減 微細断区は約 4.8~7.% 飼料費が低減 注意 : 微細断区で粗蛋白質 (CP) の利用効率の低下がうかがわれ,NFC の増加などの飼料構成の調整が必要 全体のまとめ 1 微細断 (6mm) たちすずか WCS は乳牛に給与可能であり, 泌乳成績は良好 2 乳量あたりの飼料費を低減することが可能 3 他の粗飼料を併給し, 乳成分や牛の状態に注意する 12

平成 27 年度畜産技術センター研究成果発表 ( 平成 28 年 2 月 1 日 ) 肥育牛への飼料イネ たちすずか TMR 給与による生産への効果 本日の内容 1. 肥育牛用 たちすずか WCS について 2. たちすずか TMR の肥育牛への給与 畜産技術センター 飼養技術研究部 福馬敬紘 肥育牛飼料としての飼料イネの課題 β カロテン含量が多い β カロテン含量 mg/kgdm 1. 肥育牛用 たちすずか WCS について イナワラ 1 2 3 4 4 (.5~9.3) 肉質良好 飼料イネ WCS ( 黄熟期 ) 32 (9.6~144) 肉質低下 日本標準飼料成分表 (29) β- カロテン含量の低減技術 立毛貯蔵 ( 極遅刈り ) 高糖分飼料イネ たちすずか 優れた耐倒伏性 飼料イネの生育に伴う β カロテン含量の推移 ( 平岡ら,23) 高さcm ~15 ~95 ~85 ~75 ~65 ~55 ~45 ~35 ~25 ~15 重心 高い耐倒伏性が必要 左 : 従来品種 クサノホシ, 右 たちすずか % 1% 2% 3% 4% 5% 生重量分布 13

倒伏しにくい たちすずか 立毛貯蔵による β- カロテン含量の推移 クサノホシ たちすずか N 28 N 21 N 14 N 7 N 8 7 6 5 4 3 2 1 β カロテン含量 ( m g / k g D M ) 3 4 5 6 7 8 9 1 月上旬 11 月上旬 12 月上旬 出穂後日数 出穂後 9 日 (12 月上旬 ) でイナワラ並み 7 6 5 4 3 2 1 極遅刈り たちすずか の栄養価 可消化養分総量 (TDN) 可消化粗タンパク質可消化粗脂肪 2.25 可消化無窒素物可消化粗繊維 59.8 5.8 42.9 たちすずか たちすずか イナワラ 適期刈り 極遅刈り ( 出穂後 3 日 ) ( 出穂後 9 日 ) たちすずか極遅刈り イナワラ 肥育牛用 たちすずか WCS の注意点 ロールの内部にも発生 カビ発生の防止 乳酸菌 ( ヘテロ発酵型 ) 酢酸を生成 真菌類を抑制 微細断収穫機最短 6mm の切断長 サイレージ密度の向上 小括 肥育牛用 WCS の収穫調製は, β カロテン含量を低減するため 11 月下旬 ~12 月上旬に行う 2. たちすずか TMR の肥育牛への給与 農林水産業 食品産業科学技術研究推進事業 ( 実用技術開発ステージ ) 212.11.12 三原市久井町の たちすずか 圃場 画期的 WCS 用稲 たちすずか の特性を活かした微細断収穫調製 給与体系の開発実証 において実施したものです 肥育牛用 たちすずか WCS はイナワラに比べて 栄養価が高く, 肥育牛に対する効果も期待できる 14

給与した たちすずか WCS 給与した TMR WCS の調製 213.11.28,214.11.27-28 三原市久井町試験用微細断収穫機 ( タカキタ ) 理論切断長 11mm ロールベール体系 8 層巻 WCS の品質 ( 発酵期間 :5~391 日 ) TMR の調製 給与 肥育スケジュール 1 原料準備 2 混合 3 詰込 導入 9 ヶ月齢 TMR 切替 13 ヶ月齢 出荷 24 ヶ月齢 TS 区 5 頭 WCS TMR 前期 WCS TMR 後期 4 脱気 密封 5 貯蔵 (2~4 週間 ) 6 給与 (1 日 1 回飽食 ) TS25 区 6 頭 WCS TMR 前期 RS 区 6 頭 イナワラ TMR 前期 イナワラ TMR 後期 肥育牛 : 同一父牛 ( 美津百合 ) 半きょうだい牛 1 乾物摂取量 kg/ 日 TS 区 TS25 区 RS 区 1.5 増体成績 kg TS 区 TS25 区 RS 区 8 6 4 7.99 7.82 7.14 8.68 8.98 8.55 8.76 8.27 8.7 1.2.9.6 1.13 1.13.89.87.92.84.89.81.82 2.3. 前期後期通期 前期後期通期 TS 区 TS25 区で多い TS 区 TS25 区で良好な成績 15

血中ビタミン A 濃度 IU/dl TS 区 TS25 区 RS 区 14 12 1 8 6 4 2 9 11 13 16 19 22 月齢 TS 区 TS25 区も RS 区と同様に低下 枝肉成績 TS 区で良好な成績 脂肪酸組成 ( ロース ) 収益性の試算 ( 肥育牛 1 頭当たり ) % TS 区 TS25 区 RS 区 27 ヶ月齢出荷 6 5 4 52.1 5.7 52.6 46.6 48.2 49.5 49.2 45.3 3 2 1 1.27 1.11 1.32 2.12 SFA MUFA PUFA 飽和脂肪酸 1 価不飽和脂肪酸 多価不飽和脂肪酸 TS 区が 27 ヶ月齢出荷とほぼ同等 飼料費枝肉価格 TS 区 - RS 区 = +3,78 円 + +156,748 円 = +16,529 円 TS25 区 - RS 区 = -7,87 円 + +67,51 円 = +59,73 円 TS 区で収益性が大きく向上 小括 総括 肥育牛用 たちすずか WCS を混合した TMR の給与により 飼料摂取量が向上し, 発育成績も良好 ビタミン A コントロール可能 枝肉成績が良好で, 収益性が向上 TS 区試験牛 枝肉重量 枝肉写真 514.9kg ロース芯面積 82cm 2 バラ厚 皮下脂肪厚 BMS No. 1 販売価格 7.2cm 2.4cm 1,397,216 円 立毛貯蔵した たちすずか WCS は, 黒毛和種肥育牛用飼料として利用可能であり, TMR 給与により生産性 収益性向上に寄与できる 今後の課題 肥育牛用 たちすずか WCS の適切な調製 TMR の低コスト化 ( 自給飼料 未利用資源の活用, 適正な栄養バランス設計 ) TMR の製造 供給体制の構築 16

編集広島県立総合技術研究所畜産技術センター 727-23 広島県庄原市七塚町 584 TEL(824)74-332 FAX(824)74-1586 URL http://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/31/