電磁波工学 第 回アンテナ素子 ( 線状アンテナ 開口面アンテナ 進行波アンテナ アレイ 柴田幸司
線状アンテナ 金属 モノポール ダイポール 八木 宇田 オープン ( 電圧分布に対して db -3dB 半値角 E 面 ( 垂直面内 指向性 単一周波数において共振現象によりエネルギーの増大した高周波磁界がアンテナから放射
kx θ kxθ kx kx kxθ A θ B dx θ θ dx ダイポールアンテナの指向特性 r kxθ 光路長 P i 微少ダイポールの放射解は であり d ea Z I なる電流を流した場合の距離 r 離れ た点 P における電界強度 ( 垂直面内指向性 を求めてみる アンテナの中心から x 離れた A および B 点の微小区間 dx を考えると 電流 i A および i B は次式で表すことが出来る iadx 中心から λ/ で になる値 x 方向の中心からの位置 中心最大 kxt, i A i B d eb I I ここで Z kx kxt k x, kxt ibdx 時間 は波数である kx
この時 アンテナから十分離れたr 点において 微小電流切片 dxによる i A およびi B によって生ずるアンテナ中心からなす角 θにて距離 r 離れた点 Pにおける電界強度 de A およびde B は 距離に反比例してそれぞれ a/kx=θよりa=kx θ 上側は手前にあるから光路長が進んでいる 6 a=kx θ de A r I kx t dx 微少ダイポールの放射解より kx θ となる ただし 6 de B I r kx kxt dx 下側は後ろにあるから光路長が遅れているは距離 x θによる位相差である よって 電流切片による de A および de B の上下合成の電界強度 de は 6 I r I r kxt t dx kxt dx となる de de A de B
理由三角関数の加法定理より t t については 5 + なので ( t t ( ( ( ( t t t t t t t t
となるから アンテナ中心からなす角 θ の点 P にて観測されるダイポールアンテナの電界強度 e は 先に定義した X 軸上における線上の上下に渡る各点の微小電流切片 dx による点 P にて観測される電界強度を から λ/ まで線積分すればよい すなわち 積分の定義について 右図の場合の面積は N n f x dx となる ここで dx N 3 dx であり dx の時 N となるから N f(x lim dx N n f x dx f xdx と定義される これより e de ここで de I kx t r e I kxt dx r であるから を得る ここで 積分部分の I r t kx dx dx [V/m] ( kx より 6
については再び加法定理を用いて ( ( dx kx kx kx kx dx x k x k を得る さらに dx なる関係より 与式は解析的に積分できて / ( ( ( ( k x k k x k ( ( ( ( 7 ( ( ( dx kx kx dx kx
となるので この式の ( について, を対応させて代入すれば 与式はさらに加法定理を適用して整理 8
となるので これを整理すれば ( ( となる これをさらに整理すれば ( ( 9 ( ( となる よって この式を ( 式に代入すれば
e I r e I r 6 r t mx t I t dx db となり この放射パターンは垂直面に対して 8 字特性となるのである θ= で θ= θ= の時 与式は -3dB e 最小 一方 θ=9 (π/ では θ= θ= であり 与式は θ 半値角 最大
ダイポールアンテナ ( パルス給電
開口面の電界分布と平面波への変換 ホーンアンテナ パラボラアンテナ レンズアンテナ 電磁波が開口面に伝搬するに従い ( 準 平面波に変換 パラボラの局面により 電磁波を ( 準 平面波に変換 平面波 伝搬方向との直交面に位相のそろった電磁波 レンズによる屈折および光路長差により 電磁波を ( 準 平面波に変換 導波管 ホーン アンテナ 導波管内の電界分布 開口部の電界分布 開口面から放射された電磁波の電界強度分布
開口面から放射された電磁波 ( 電界強度 λ 等位相面が直線に近いということ 開口寸法 λ の場合 開口の λ 先でかなり平面波になる 開口が小さいと球面状に電磁波が放射 開口寸法が 3/λ の場合 電界強度 [V/m] 裏面にも電磁波が放射 [deg] 利得が低い
開口面アンテナとホイヘンスの原理 伝搬方向 点波源を周期的に配列した場合 波の重なりにより平面波として伝搬 点波源からの電磁波は球状に一様に放射 次元配列の場合 x 数式で表すと 位相面が揃う 距離に反比例 ホイヘンスの原理 Z 方向の変化 d y Q r nm P z E N n N N mn E k r exp jkrnm nm となる なお ここでの k は電界強度に単位を合わせるための定数である [V/m] x,y,n の関数 5
開口面アンテナの指向特性 図に示す様にxy 面の開口を持ち 基本モードで励振される方形導波管からの放射を考えると ホイヘンスの原理によれば 開口面上の波源であるy 方向の電界をE sy (x,y とすると 開口面の座標中心から距離 r 離れたr 点における遠方のy 方向の電界 Ey(x,y は次式で表される E y ( x, y,z jk E sy x, y e r jkr ここで 面積積分は波源の前面について行う また r は波源上の点 (x, y と観測点との距離であるが r-r は原点から波源上の点までのベクトルである ix jy i ベクトルと r 方向の単位ベクトル j k dxdy a ( z (x y r r y とのスカラ積で表され 次の様になる r r ix jy kが消えた x b 一方 開口面上の電界 E sy (x, y は図に示す座標においてTE モードでは次式で表される 6
x E sy x, y E a ( よって 観測点が充分遠方との仮定から ( 式のrをr で近似して ( 式を代入すれば 次式を得る E y ( x, y, z jkee r jkr b b ここで 変数を次のように置き換える u ka, a a x e a x a これにより遠方界は次のように変形される jk x y, v kb, dxdy (3 y b E y ( x, y, z jkabee r jkr e jk u v dd ( jkabe r e jkr u u v v この様に ホイヘンスの原理から開口面アンテナの遠方界が計算でき アンテナが波長よりも充分大きい場合には測定値と良く一致することが知られている 7
図は遠方界の u,v に対する変化であり φ=(xy 面 v= および φ=π/(yz 面 u= の場合についてそれぞれ u,v の変化として指向特性を示している..6 Φ=(xz 面 Φ=π/(yz 面 -π. π -3π -π π 3π 進行波アンテナについて ダブレットアンテナ グランドプレーンアンテナ 定在波アンテナ 送信機から送り込まれた電力がアンテナの開放端で反射するため 進行波と反射波が合成されて定在波が生じ電波となって輻射 進行波アンテナ 波長の整数倍の長い送電線の一端に送信電力を供給し他端は送電線の特性インピーダンスの抵抗器で終端して反射波が生じないようにした形のアンテナ 線のものや 線だけでもう一本の線は大地を使用する場合がある 進行波アンテナは送信電力供給側から終端抵抗器の方向に指向性が生じる 8
マイクロストリップ ( プリント基板 アンテナ g 放射原理 M M M 6 M 3 M 5 M 磁流 プリント基板 給電方法 5Ω 3Ω M 6 裏面金属導体 単一周波数において共振現象によりエネルギーの増大した電磁界がマイクロストリップの上 下部から磁流として放射する n M 消左消左し右M M 3 し右あであでう打n n う打ちちM n M 5 後藤 新井 電波工学, pp.89-9 より 9
アレイアンテナ 単一素子のアンテナを空間指向性合成することにより シャープな指向特性 ( 高利得 なアンテナを実現 db -3dB db -3dB 単一素子の E 面指向性 複数素子の E 面指向性 アレイアンテナと開口面積 小さなアンテナが多く集まったアンテナ 一つの大きな開口を持ったアンテナと ( 簡易的に 考えることが出来る
x # O a 個の半波長ダイポールの並列配置 z # O I ( m =I m y ( I m I m. 水平面内の指向性 自由空間中を 個の半波長ダイポールが図のように z 方向を向き x 軸沿いに距離 a だけ離れて並行に並んでいる また # の電流 I m ( は 点 O にある素子 # の電流 I m ( に比べて α だけ位相が進んでいるものとする なお I m ( の位相角はゼロとすれば I ( m I m であり 同様に I m ( は以下の様に表される I ( m 受信点 P が xy 面の充分遠方にある時 # と # による合成された放射電磁界の指向特性を考えてみると 遠方における P については OP と OP それぞれの長さはほぼ平行とみなして差し支えないので右図の関係及び以下の関係が成り立つ r r ( a I P m x I I a P r m m # e j φ a r φ 信号入力時の位相差 y # O x x a a φ X a
一方 各素子からの放射電界は ダイポールの公式において θ=9 とおけば 次の様に与えられる 素子 # に対して / 6 r t m e j r I j E 素子 # に対して / 6 r t j j m e r e I j E したがって 合成電界は近似的に /r =/r として ( (3 / r t j j / r t j m e e e r I j E E E 6 ( を代入 a r / a j / r t j m e e e r I j 6 / a j / r t j m e e r I j 6
となる この式で指数部だけは ( 式の関係をそのまま使い 分母を r r と近似したのは 波の干渉作用がとりわけ指数部に顕著に現れるからである さらに下線を施した部分が指向性を表す関数 D(φ であり D j a / ja / / e e となる さらに a e j a / / a であることに留意すると 指向性は指数部に関係なく D (6 となるのである (5 奥澤, 空中線と電波伝搬 より 3
一例として a=λ/ α=9 に対する電界強度指向性を右図に示す 7 Φ= 方向に放射は無く 逆方向である φ=8 では振幅が となっていることは応用上重要である このことは 素子 # を放射器とした時 素子 # が反射器として動作していることを示す 物理的に説明すれば I 9 m # o λ/ m #. Φ. y 9 # と # の両素子による放射電界は同じ振幅であるが x 軸上の負方向にある受信点では # による放射電界は間隔の差 λ/ に相当して 9 遅れて到達する 一方 # のアンテナは電流が位相は 9 進んでいるので 先ほどの光路長による位相の遅れを打ち消し 結局 # および # からは同位相の電波が受信点に到達するから単一素子よりも 倍の電界強度が受信される x I.. 8 これに対して x 軸の正方向には # による電波は # より 9 遅れて到達し さらに電流が # よりも 9 遅れているから合計 8 遅れることにより # を打ち消して振幅が零となる
5 素子の八木宇田アンテナ ( パルス給電
フェイズド アレイアンテナ 多素子アンテナの各素子に位相差を設けることによりビームを任意方向へ制御 地対空誘導弾パトリオットレーダー装置 ( 三沢基地所有 フェイズド アレイの一種バドラーマトリクス ハイブリッド移相器ハイブリッド -5 3-5 後藤, 図説 アンテナ, pp39-3 6 3
イージス艦 DDG-75 みょうこう フェイズド アレイアンテナ
アダプティブ アレイアンテナ 子局の方のみに電波を照射 基地局. 複数本のアンテナで受信した信号にウェイトと呼ばれる複素数を掛け合わせることで受信信号の位相と振幅を最適に制御. これらの信号を合成することで リアルタイムに受信指向性をコントロール 実際には信号処理用のプロセッサーを組み合わせにより発信源を追跡 演算処理によって受信した信号を強めることも可能 混信を最小限に 鋭いビームを生かすことで, 同じ周波数の電波を複数のユーザーが混信なしに利用可能 携帯電話のシステムにて実用化 8
空間ダイバシティ方式 信号の強いアンテナに電子的なスイッチを用い切り替える方式 送 受信機 マルチセクタアンテナ技術 任意方向からの電波を捕らえる為にアンテナをスイッチで切り替える技術 メリット 単位アンテナの利得を大きく出来る マルチパスに強い 9
5MHz 帯 8 エレメント八木 宇田アンテナ シミュレーションによる寸法の計算例 ( は改良後の寸法 (.865 (.8 (.83 (.98 (.65.8..83.99.66 (.688 (.698 (.78 (.678 (.88 (.87 (3.3..65 (.87 (.3 (.65.75 (.65.7.7.73.7.83.88 3.6 全長 9.8m.6 単位 : m ラジエーター 3
8 エレメント八木アンテナのインピーダンス周波数特性 R [Ω] 5 X X X 5 jx [Ω] R R R -5 9.8 5. 5. 5. f[mhz] - 現用のアンテナ MMANA の結果 ラジエーターをフォールデットする 改良後の特性 3
8 エレメント八木の VSWR 周波数特性 ( 改良後の計算結果 f[mhz] 3
8 エレメント八木アンテナの利得周波数依存性 3 改良後 [db] 改良前 8 7 9.65 9.8 5. 5. 5.5 f[mhz] 33
図の負荷 Z L が接続された長さlなる線路がある この線路についてRef 点にて負荷側を見た入力インピーダンスは となる ここで Z in Z Z L Z スタックのための 分の 波長整合回路 Z in jz jz L Z Z Z Z L の時には jz jz jz jz とする必要がある さらに この式より Z L と Z in の間の線路の特性インピーダンスには なる関係があり Z L =5Ω の場合 L tan tan Z L Z L Z より Z in Z L 5 5 Z Z in tan tan Ref を得る つまり下図の分配合成側を見た場合の線路インピーダンスは を満足している なお合成端から分配端を見た入力インピーダンスも抵抗の並列接続と見立てれば を満足している Z 5Ω 5Ω Z L Z L Z in Z 5Ω Ω となるから Z L Z Z L 5Ω 3
素子配列アンテナの分配回路 8 ele. Yagi 8m 分配回路 5Ω Z L 5 7.7 Z 75 Z L 5Ω VSWR Ω Ω. 5Ω 初期の 素子配列 35
配列アンテナの分配回路 8m 6.m 5Ω 5Ω Z 5 5Ω 5 5 5Ω 5Ω 5Ω Ω 5Ω 36
8 エレメント八木アンテナの単体利得が 3dB の場合 素子配列 : 素子の利得 +3dB 素子配列 : 素子の利得 +6dB 配列間隔に無関係 8 エレメント八木の 素子配列での合計利得 : 9dB 指向性パターン 配列間隔で大きく変化 垂直面内指向性 水平面内指向性 水平 垂直の 素子配列 37
衛星放送と円偏波 直線偏波 円偏波 電界の向きが時間変化により回転 38
円偏波用アンテナ素子 ~ パッチアンテナの場合 ~ 複モード共振 縮退分離素子 9deg 縮退分離素子 縮退分離素子
円偏波発生器 ~ 立体回路の応用 ~ アンテナ 位相差 λ/ 円形導波管 ショート板 λ/ 等位相 ショート板
円偏波発生器 ~ 立体回路の応用 ~ 円形導波管内にビス メアンダーライン