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2 累計 収入階級別 各都市とも 概ね収入額が高いほども高い 特別区は 世帯収入階級別に見ると 他都市に比べてが特に高いとは言えない 階級では 大阪市が最もが高くなっている については 各都市とも世帯収入階級別の傾向は類似しているが 特別区と大阪市が 若干 多摩地域や横浜市よりも高い 東京都特別区

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A 2010 年山梨県がん罹患数 ( 全体 )( 件 ) ( 上皮内がんを除く ) 罹患数 ( 全部位 ) 5,6 6 男性 :3,339 女性 :2,327 * 祖父江班モニタリング集計表から作成 * 集計による主ながんを表示

日本の方が多い 表 2 は日本の癌罹患数の多い順の第 7 位までの部位とそれに対応する米国の数値と日 米比を示す 赤字と青字の意味は表 1 と同じである 表 2: 部位別の癌罹患数 : 日 米比較日 / 米 0.43 部位 罹患数 ( 日 ) (2002)( 人 ) 罹患数 ( 米 ) 罹患数比日本


佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

平成17年

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はじめに 日本で最初の造血幹細胞移植が行われたのは 1974 年ですが 199 年代に入ってから劇的にその件数が増え 近年では年間 5, 件を超える造血幹細胞移植が実施されるようになりました この治療法は 今日では 主に血液のがんである白血病やリンパ腫 あるいは再生不良性貧血などの根治療法としての役

( 図 1 アンケート用紙を送付しなかった理由 (n=248)) その他 4 % 住所又は両親の名前不明 1 7 % 他科にてフォロー中 3 % 音信あり 1 6% 他院にてフォロー中 28 % 3. 方法まず患者の保護者に対して郵送によるアンケート形式で病院より今後コンタクトをとることについての可

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外


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対象疾患名及び ICD-10 コード等 対象疾患名 ( 診療行為 ) ICD-10 等 1 糖尿病 2 脳血管障害 3 虚血性心疾患 4 動脈閉塞 5 高血圧症 6 高尿酸血症 7 高脂血症 8 肝機能障害 9 高血圧性腎臓障害 10 人工透析 E11~E14 I61 I639 I64 I209 I

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

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また リハビリテーションの種類別では 理学療法はいずれの医療圏でも 60% 以上が実施したが 作業療法 言語療法は実施状況に医療圏による差があった 病型別では 脳梗塞の合計(59.9%) 脳内出血 (51.7%) が3 日以内にリハビリテーションを開始した (6) 発症時の合併症や生活習慣 高血圧を


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3 病型別 初発再発別登録状況病型別の登録状況では 脳梗塞の診断が最も多く 2,524 件 (65.3%) 次いで脳内出血 868 件 (22.5%) くも膜下出血 275 件 (7.1%) であった 初発再発別の登録状況では 初発の診断が 2,476 件 (64.0%) 再発が 854 件 (22

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

-3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 歳の割合が多く 次いで 歳 歳の順となっている 男性 女性 総数

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1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認め

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表面から腫れがわかりにくいため 診断がつくまでに大きくなっていたり 麻痺が出るまで気付かれなかったりすることも少なくありません したがって 痛みがずっと続く場合には要注意です 2. 診断診断にはレントゲン撮影がもっとも役立ちます 骨肉腫では 膝や肩の関節に近い部分の骨が虫に食べられたように壊されてい

報道関係各位 2015 年 7 月 31 日 ガルデルマ株式会社 塩野義製薬株式会社 ~ ニキビ経験者を対象としたニキビとニキビ痕に関する調査 より ~ ニキビ経験者の多くが ニキビ治療を軽視 軽いニキビでも ニキビ痕 が残る ことを知らない人は約 8 割 ガルデルマ株式会社 ( 本社 : 東京都新

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70% の患者は 20 歳未満で 30 歳以上の患者はまれです 症状は 病巣部位の間欠的な痛みや腫れが特徴です 間欠的な痛みの場合や 骨盤などに発症し かなり大きくならないと触れにくい場合は 診断が遅れることがあります 時に発熱を伴うこともあります 胸部に発症するとがん性胸水を伴う胸膜浸潤を合併する

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要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

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目 次 1 平成 29 年愛知県生命表について 1 2 主な年齢の平均余命 2 3 寿命中位数等生命表上の生存状況 5 4 死因分析 5 (1) 死因別死亡確率 5 (2) 特定死因を除去した場合の平均余命の延び 7 平成 29 年愛知県生命表 9

部位別 施設名 総数 がん診療連携拠点病院院内がん登録 2014 年集計 口腔咽頭 食道胃結腸直腸大腸肝臓 胆嚢胆管 膵臓喉頭肺 埼玉県立がんセンター 3, さいたま赤十字病院 1,456-2

4 年齢階級別の死因山形県の平成 28 年の死因順位は 20 歳から 34 歳までの各階級において自殺が1 位となっているほか 64 歳までの各階級においても死因順位の上位にあり おおむね全国と同様の傾向が見られます < 表 7> 年齢階級別の死因順位 死亡者数 ( 山形県 ) 年齢階級 総死亡者数

中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適

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3 病型別 初発再発別登録状況病型別の登録状況では 脳梗塞合計が最も多く 3,200 件 ( 66.7%) 次いで脳内出血 1,035 件 (21.6%) くも膜下出血 317 件 ( 6.6%) であった 初発再発別の登録状況では 初発の診断が 3,360 件 (70.1%) 再発が 1,100

1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

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報道発表資料 2007 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 ヒト白血病の再発は ゆっくり分裂する白血病幹細胞が原因 - 抗がん剤に抵抗性を示す白血病の新しい治療戦略にむけた第一歩 - ポイント 患者の急性骨髄性白血病を再現する 白血病ヒト化マウス を開発 白血病幹細胞の抗がん剤抵抗性が

図表 II-39 都市別 世帯主年齢階級別 固定資産税等額 所得税 社会保険料等額 消 費支出額 居住コスト 年間貯蓄額 ( 住宅ローン無し世帯 ) 単位 :% 東京都特別区 (n=68) 30 代以下 (n=100) 40 代


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POINT POINT P

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Transcription:

(ICD10: C81 85, C96 ICD O M: 9590 9729, 9750 9759) 治癒モデルの推定結果が不安定であったため 治癒モデルの結果を示していない 203

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) 71 68 50 53 52 45 47 1993 1997 1998 2001 2002 2006 2002 2006 (Period 法 ) 43 38 41 76 68 64 60 54 60 55 49 51 49 43 Key Point 1 のほうがに比べ 相対生存率が良い 男女とも徐々に相対生存率が上昇しているが 上昇の度合いはのほうがよりもやや大きい 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 診断からの年数 年齢階級別 (2002 2006 年の period analysis による生存率 ) 相対生存率 (%) 83 52 69 49 35 63 42 30 15 64 65 74 75+ 33 23 88 78 58 78 61 42 64 46 35 33 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 診断からの年数 Key Point 2 年齢階級別の生存率では 64 歳以下の相対生存率が高い 各年齢階級別の生存率の差がはっきりしており どの年齢階級でものほうがよりも相対生存率が高い 205

サバイバー 5 年相対生存率 全患者 診断後の 5 年相対生存率 (%) 50 通常の 5 年生存率 78 68 1 年生存者の5 年生存率 82 85 87 5 年生存者の 5 年生存率 3 年生存者の 5 年生存率 58 80 84 87 87 Key Point 3 診断から年数が経過するにつれサバイバー 5 年生存率が向上する 診断から 5 年後のサバイバー 5 年生存率は 90% 近くになる 診断時 5 年相対生存率はのほうが高いが その後のサバイバー生存率では徐々にその差は無くなり 診断から 5 年後のサバイバー 5 年生存率は明らかな男女差を認めない 年齢階級別 0 1 2 3 4 5 0 1 2 3 4 5 診断からの経過年数 診断後の 5 年相対生存率 (%) 63 42 30 75 58 52 83 86 87 88 77 85 80 76 71 79 15 64 65 74 75 99 35 79 60 89 94 84 86 88 88 77 69 80 70 83 83 Key Point 4 診断された時点では 男女とも 5 年相対生存率は若年者で最も高く 高齢者で低い 男女とも診断からの年数が経過するほど サバイバー 5 年生存率の年齢による差は小さくなる 0 1 2 3 4 5 0 1 2 3 4 5 診断からの経過年数 206 2002 2006 年 (Period 法 ) の 10 年相対生存率より算出

表 1. 解析対象者 Total 1993-1997 1998-2001 2002-2006 2002-2006 (period) N % N % N % N % N % 全患者 10,381 100.0 3,053 100.0 2,911 100.0 4,417 100.0 4,577 100.0 年齢階級別 15-64 4,802 46.3 1,600 52.4 1,375 47.2 1,827 41.4 1,904 41.6 65-74 3,140 30.2 852 27.9 923 31.7 1,365 30.9 1,413 30.9 75-99 2,439 23.5 601 19.7 613 21.1 1,225 27.7 1,260 27.5 全患者 8,461 100.0 2,329 100.0 2,366 100.0 3,766 100.0 3,925 100.0 年齢階級別 15-64 3,620 42.8 1,103 47.4 1,045 44.2 1,472 39.1 1,552 39.5 65-74 2,272 26.9 605 26.0 645 27.3 1,022 27.1 1,063 27.1 75-99 2,9 30.4 621 26.7 6 28.6 1,272 33.8 1,310 33.4 表 2. 1, 3, 5, 10 年相対生存率 ( 全患者 : 診断時期別 Period 法 : 年齢階級別進行度別 ) 1 年相対生存率 3 年相対生存率 5 年相対生存率 10 年相対生存率 RS 95%CI RS 95%CI RS 95%CI RS 95%CI 1993-1997 年 全患者.1 [65.3-68.8] 50.4 [48.5-52.3] 44.7 [42.7-46.6] 38.3 [36.2-40.5] 1998-2001 年 68.0 [66.1-69.7] 52.7 [50.7-54.6] 47.0 [44.9-49.0] 40.5 [38.3-42.7] 2002-2006 年 70.8 [69.3-72.2].4 [54.7-58.0] 52.5 [50.7-54.2] - - 2002-2006 年 (Period 法 ) 70.3 [68.8-71.7] 55.0 [53.2-.6] 49.6 [47.8-51.3] 43.1 [41.0-45.1] 年齢階級別 15-64 82.6 [80.7-84.4] 68.8 [66.4-71.0] 63.4 [60.9-65.8].1 [53.2-58.8] 65-74.1 [64.4-69.7] 48.9 [45.9-51.9] 41.7 [38.5-44.8] 33.3 [29.3-37.4] 75-99 51.9 [48.7-55.0] 34.7 [31.2-38.1] 29.5 [25.7-33.5] 23.4 [16.9-30.4] 1993-1997 全患者 68.2 [66.2-70.1] 53.6 [51.4-55.7] 49.1 [46.9-51.3] 43.2 [40.8-45.5] 1998-2001 72.9 [71.0-74.8] 60.2 [58.1-62.3] 55.4 [53.1-57.6] 48.7 [46.3-51.0] 2002-2006 76.4 [74.9-77.8] 64.2 [62.5-65.8] 60.5 [58.7-62.2] - - 2002-2006(Period 法 ) 76.2 [74.7-77.7] 62.8 [61.0-64.5] 58.1 [.2-59.9] 50.6 [48.4-52.7] 年齢階級別 15-64 88.5 [86.6-90.0] 77.7 [75.4-79.9].0 [70.4-75.4] 64.2 [61.1-.1] 65-74 77.8 [74.9-80.3] 60.5 [57.1-63.8] 55.7 [52.0-59.1] 46.1 [41.4-50.6] 75-99 58.2 [55.1-61.1] 42.2 [38.8-45.5] 35.5 [31.8-39.2] 33.3 [27.4-39.3] 207

表 3. サバイバー 5 年相対生存率 (Conditional five-year survival) 診断からの年数 0 年 1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 RS 95%CI RS 95%CI RS 95%CI RS 95%CI RS 95%CI RS 95%CI 全患者 49.6 [46.9-52.2] 68.3 [65.7-70.7] 78.4 [76.0-80.6] 82.3 [79.7-84.6] 84.8 [82.0-87.1] 86.9 [84.0-89.4] 年齢階級別 15-64 63.4 [59.6-.0] 75.1 [72.0-77.9] 83.3 [80.6-85.6] 85.7 [82.9-88.1] 86.6 [83.6-89.1] 88.4 [85.2-90.9] 65-74 41.7 [37.1-46.2] 58.4 [53.5-63.0].3 [62.0-72.1] 71.1 [64.8-76.5] 76.3 [69.0-82.1] 80 [71.1-86.4] 75-99 29.5 [24.4-34.8] 51.7 [43.4-59.4] 66.9 [55.4-76.1] 77.4 [61.4-87.4] 85.4 [61.6-95.0] 79.2 [49.2-92.6] 全患者 58.1 [55.2-60.8].0 [70.5-75.3] 80.2 [77.9-82.2] 84.1 [81.6-86.2] 87.0 [84.5-89.2] 87.1 [84.4-89.4] 年齢階級別 15-64.0 [69.1-76.5] 79.5 [76.5-82.1] 83.6 [80.9-86.0] 86.3 [83.5-88.6] 88.0 [85.1-90.3] 87.9 [84.9-90.4] 65-74 55.7 [50.3-60.7].0 [62.0-71.5] 77.0 [72.1-81.1] 79.9 [74.3-84.4] 83.4 [77.1-88.1] 82.7 [75.3-88.1] 75-99 35.5 [30.5-40.5] 60.0 [53.2-66.2] 68.6 [60.2-75.5] 79.0 [.7-86.7] 88.9 [70.5-96.1] 93.8 [53.5-99.3] 208

(ICD10: C81 85, C96) Key Point 解説 愛知県がんセンター研究所疫学 予防部千原大 10 年相対生存率 Key Point 1 のほうがに比べ 相対生存率が良い 男女とも徐々に相対生存率が上昇しているが 上昇の度合いはのほうがよりもやや大きい は血液細胞であるリンパ球が腫瘍化する疾患の総称である 病態 予後の異なる数十のリンパ腫を合わせた結果であり 個々のリンパ腫がこのグラフに当てはまるわけではない は大きくホジキンリンパ腫 B 細胞性リンパ腫 T 細胞性リンパ腫に分けられるが 最も罹患率の高い疾患は B 細胞性リンパ腫である 日本で診断される各種リンパ腫は びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫が約 5 割を占め 次いで濾胞性リンパ腫 辺縁帯 B 細胞リンパ腫などであるが 全て B 細胞性リンパ腫である 1) この B 細胞性リンパ腫に非常に有効性の高いリツキシマブという薬剤が 2001 年に認可された B 細胞性リンパ腫は全体の 70% 程度を占めるため 2002 年以降の生存率が上昇しているのは主にこの薬剤によるものではないかと推測される 米国では同様の研究により 1990-92 年の期間と 2002-04 年の期間を比較したところ 非ホジキンリンパ腫全体で約 15% の相対生存率の上昇を認めており 2) このような研究を見てもリツキシマブの影響は大きいと考えられる また 男女ともに 1993-97 年の期間より 1998-2001 年までの期間でも生存率が伸びているが この上昇はの診断時期が早くなったことが一つの可能性として挙げられる B 細胞性リンパ腫の一つである濾胞性リンパ腫などは非常に緩徐に進行するため 以前は早期に受診せずに放置されていること もあった という疾患の認知度が上昇したことや一般検診 診察における CT や超音波検査などの普及から疾患を早期に診断できるようになった結果 診断からの生存期間が伸びているように見えている可能性も考えられる Key Point 2 年齢階級別の生存率では 64 歳以下の相対生存率が高い 各年齢階級別の生存率の差がはっきりしており どの年齢階級でものほうがよりも相対生存率が高い に対する治療は主に抗がん剤による化学療法であり 移植治療の占める割合が白血病に比べ少ない ただし濾胞性リンパ腫などを代表には再発を繰り返すような疾患が多く その場合化学療法への耐性が非常に大きな問題になってくる 若年者のほうが度重なる化学療法による骨髄毒性 糖尿病や高血圧などの併存症等の問題を含め 臓器機能が治療経過中に維持されていることが多く 有効な治療を継続して行いやすい 結果的に若年者のほうが生存率が高くなっていると考えられる のほうが生存率が高い理由は不明だが 喫煙 飲酒など臓器機能障害にリスクのある生活習慣はに多くみられるため のほうが併存疾患などが少ない可能性は考えられる サバイバー 5 年相対生存率 Key Point 3 診断から年数が経過するにつれサバイバー 5 年生存率が向上する 診断から 5 年後のサバイバー 5 年生存率は 90% 近くになる 診断時 5 年相対生存 209

(ICD10: C81 85, C96) 率はのほうが高いが その後のサバイバー生存率では徐々にその差は無くなり 診断から 5 年後のサバイバー 5 年生存率は明らかな男女差を認めない 全体の診断時点での 5 年相対生存率は 50% だが 3 年生存者のその後の 5 年生存率は 80% 程度 5 年生存者のその後の 5 年生存率は 90% 弱と次第に上昇する の中で最も罹患率の高いびまん性大細胞 B 細胞リンパ腫は化学療法により治癒が期待できる疾患であり 再発する場合多くは 2 年以内と言う報告がある このような治癒が望める疾患での再発率は時間が経つにつれ減少していくため その時点以降の 5 年相対生存率が上昇していくと考えられる 一般集団に比べそれでも低い原因は の中には濾胞性リンパ腫のような進行が緩徐ではあるが 治癒が期待できない疾患があり 5 年 10 年という時間で再燃してくるためと考えられる 診断時の 5 年相対生存率がの方がやや高い理由は 各種リンパ腫の罹患率における男女差や診断時の併存疾患の存在などが考えられる マントル細胞リンパ腫 バーキットリンパ腫 末梢性 T 細胞性リンパ腫などの治療が難しいリンパ腫では罹患率に明らかな男女差があり にこのような難治性のリンパ腫の割合がやや高いことや 併存疾患が多く治療が難しかったことなどがにおける診断時の 5 年生存率を下げた可能性がある 高齢者では若年者より生存している患者の割合が相対的に少なくなってくるため その後のサバイバー 5 年生存率の値の信頼区間は広くなっている 診断からの 2~3 年の間のによる死亡における年齢差は大きいが 他死因による死亡の影響を補正した相対生存率においては 診断から時間が経過するにつれ 年齢による影響が小さくなると考えられる 文献 1) Chihara D, Ito H, Matsuda T, et al. Differences in incidence and trends of haematological malignancies in Japan and the United States. Br J Haematol 2014; 164(4): 536-45. 2) Pulte D, Gondos A, Brenner H. Ongoing improvement in outcomes for patients diagnosed as having Non-Hodgkin lymphoma from the 1990s to the early 21st century. Arch Intern Med 2008; 168(5): 469-76. Key Point 4 診断された時点では 男女とも 5 年相対生存率は若年者で最も高く 高齢者で低い 男女とも診断からの年数が経過するほど サバイバー 5 年生存率の年齢による差は小さくなる 高齢者は診断時の 5 年生存率に示される通り診断から 5 年以上生存するのは非常に難しい (Key Point 2 参照 ) よって診断後年数を経るにつれて 210