本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

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はじめに 液体クロマトグラフィーには 表面多孔質粒子の LC カラムが広く使用されています これらのカラムは全多孔質粒子カラムの同等製品と比べて 低圧で高効率です これは主に 物質移動距離がより短く カラムに充填されている粒子のサイズ分布がきわめて狭いためです カラムの効率が高いほど 分析を高速化で

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ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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HbA1c 測定系について ~ 原理と特徴 ~ 一般社団法人日本臨床検査薬協会 技術運営委員会副委員長 安部正義

本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

HPLC 法

HPLC 法原理 高速液体クロマトグラフィー 混合物の分析法の一つ 固体または液体の固定相 ( 吸着剤 ) 中で 液体または気体の移動相 ( 展開剤 ) に試料を加えて移動させ 試料混合物の各成分の吸着性や分配係数の差に基づく移動速度の差を利用してそれぞれを分離する方法 精製 同定 定量に用いられる 固定相 移動相

液体クロマトグラフィー概要 成分 2( 固定相との相互作用強 ) 成分 1( 固定相との相互作用弱 )

液体クロマトグラフィー概要 固定相 移動相

液体クロマトグラフィー概要 固定相 移動相

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液体クロマトグラフィー概要 固定相 混合物質中の各成分と固定相との相互作用の違いにより 分離します 移動相 成分 2 ( 相互作用強 ) 成分 1 ( 相互作用弱 )

HPLC 構成 カラム サンプル 検出器 バルブ ポンプ

HPLC 構成 カラム サンプル 検出器 バルブ ポンプ 送液部 移動相となる液体を カラムに送り込む部分

HPLC 構成 カラム サンプル 検出器 バルブ ポンプ 試料導入部 試料をカラムに導入する部分 インジェクション部分ともいいます

HPLC 構成 サンプル カラム 検出器 バルブ ポンプ カラム 試料を分離する部分 分析の心臓部です 目的や用途に応じて さまざまな物が用いられています

HPLC 構成 カラム サンプル 検出器 バルブ ポンプ 検出部 カラムから溶出された成分を検出する部分です 目的とする成分に応じて 種類があります 例 ) 可視検出器 紫外検出器など

HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル バルブ ポンプ

HPLC 模式図 A A A1c A カラム 検出器 サンプル バルブ ポンプ サンプリング 目的とする混合物をカラムに入れる準備をします

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HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル A A バルブ A A1c ポンプ インジェクション 混合物を移動相にのせます

HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル ポンプ バルブ AA1c AA 分離 A 相互作用大 A1c 相互作用小 混合物をカラム内で分離します

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HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル ポンプ バルブ 分離 A A A A A1c 相互作用大 A1c 相互作用小 混合物をカラム内で分離します

HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル ポンプ バルブ 分離 A A A A A1c 相互作用大 A1c 相互作用小 混合物をカラム内で分離します

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HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル バルブ A A A A1c 出力 ポンプ 信号強度 時間

HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル バルブ A A A A1c 出力 ポンプ 信号強度 時間

HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル バルブ A A A A1c 出力 ポンプ 信号強度 時間

HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル バルブ A A A A1c 出力 ポンプ 信号強度 時間

HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル バルブ A A A 出力 A1c ポンプ 信号強度 時間

HPLC 模式図 カラム 検出器 サンプル バルブ A A A ポンプ 信号強度 時間

HPLC 模式図 ピークの面積は物質の量に比例 カラム 検出器 サンプル バルブ ポンプ 信号強度 1 : 3 時間

免疫測定法

免疫法 免疫法 HbA1c に特異的な抗体を用い HbA1c 量に応じて増減する凝集の量を測定する

免疫測定法の原理 1 ラテックス凝集比濁法 (LA ) HbA1c Hb 未感作ラテックス 第 1 抗体 第 2 抗体

免疫測定法の原理 1 ラテックス凝集比濁法 (LA) ヘモグロビン溶液に 未感作ラテックス を入れると ラテックス表面に ヘモグ ロビンが吸着される

免疫測定法の原理 1 ラテックス凝集比濁法 (LA) ヘモグロビン溶液に 未感作ラテックスを入れると ラテックス表面に ヘモグロビンが吸着される

免疫測定法の原理 1 ラテックス凝集比濁法 (LA) 第一抗体 (HbA1c に特異的 ) を加える

免疫測定法の原理 1 ラテックス凝集比濁法 (LA) 第一抗体が HbA1c を認識して結合する

免疫測定法の原理 1 ラテックス凝集比濁法 (LA) これに 第二抗体 ( 第一抗体に特 異的に反応 ) を加える

免疫測定法の原理 1 ラテックス凝集比濁法 (LA) HbA1c の量に応じて ラテックス の凝集塊が形成される

免疫測定法の原理 1 ラテックス凝集比濁法 (LA) HbA1c 低い HbA1c 高い

酵素法

酵素法の特長 HPLC 法 免疫法につづく次世代の測定法 2 種類の酵素により ヘモグロビン A1c の糖化部分を切り出して測定する

ヘモグロビン A1c 濃度測定 グリコヘモグロビン β α α β F 糖化ペプチド F Val His 発色 H 2 O 2 H 2 O 2 H 2 O 2 H 2 O 2 中性プロテアーゼフルクトシルペプチドオキシダーゼ

標準操作方法 0 分 5 分 10 分 溶血検体 21μL R1 試薬 252μL 反応セル

標準操作方法 0 分 5 分 10 分 波長 1 光 ヘモグロビン濃度

標準操作方法 0 分 5 分 10 分 R2 試薬 63μL

標準操作方法 0 分 5 分 10 分 波長 2 光 ヘモグロビン A1c 濃度

標準操作方法 光 波長 2 ヘモグロビン A1c 濃度 (HbA1c) HbA1c(%) 光 波長 1 ヘモグロビン濃度 (Hb )

( 参考 )HbA1c 測定の IFCC 法 - 基準測定法 - Blood Erythrocytes Hemolysate Enzymatic cleavage Quantify specific peptides GLU ヘモグロビン V H L T P E E K V H L T P E E K 糖化ヘモグロビン 酵素 (Glu-C) Method A HPLC-Mass Spectrometry Method B HPLC-Capillary Electrophoresis Clin Chem 1997;43:1944-1951

KO500 法と HPLC 法の相関 2009 筑波臨床化学セミナー

KO500 法と免疫法の相関 2009 筑波臨床化学セミナー

各測定法について 方法 特徴 HPLC 法免疫法酵素法 専用機 専用機 / 汎用自動分析装置 汎用自動分析装置 測定試料 全血 遠心後血球 遠心後血球 全血 遠心後血球 検体前処理 不要 試薬によって要 試薬によって要 測定時間 ~45 秒程度 反応時間 10 分 反応時間 10 分 処理検体数 ~75 / hr 400~ / hr 400~ / hr キャリブレーション 2 点校正 5~6 点校正 3 点校正 血漿成分の影響 基本的に無 試薬によって有 試薬によって有 異常 Hbの認識 可能 不可能 不可能 主な Study DCCT( 米 ) UKPDS( 英 ) Kumamoto Study ( 日 ) なし なし

原理による測定値の乖離要因

方法間差の原因として考えられる要因 標準物質と実検体の物性の違い 測定 ( 認識 ) 部位の差 装置の性能など HPLC 法 免疫法 酵素法 β 鎖 N 末 Glu β 鎖 N 末 Glu β 鎖 N 末 Glu Glu

標準化体系別の HbA1c の定義 JDS:β 鎖のN 末端バリンのアミノ基にのみグルコースが個共 1 有結合したヘモグロビン (β1-mono-fructosyl hemoglobin ) IFCC:β 鎖のN 末端バリンのアミノ基にグルコースが共有結合した全てのヘモグロビン (β1- fructosyl hemoglobin ) JDS IFCC β 鎖 N 末 Glu β 鎖 N 末 Glu β 鎖 N 末 Glu Glu

糖化 HbA2 の影響 HbA2 は α 鎖と δ 鎖で形成されているが β 鎖と同様に N 末端は糖化を受けると言われている δ 鎖のアミノ酸配列は 8 位の K まで β 鎖と同等であり β 鎖の V H L T P E E K までのペプチドを認識する HbA1c 測定法では HbA2 量についても考慮する必要が考えられる 臨床化学 vol.41 supp.1,223 : 2012

血漿成分の影響 それぞれの測定法において 血漿に含まれる成分の影響を受け 測定値が他法と乖離することが一般的に知られている HPLC 法 : カルバミル化等の修飾 Hb 影響 免疫法 : 血漿蛋白の影響 酵素法 : 高カロリー輸液等に含まれる糖化アミノ酸の影響 など それぞれの原理においてどのような成分の影響を受けるか把握して測定結果を判断する必要がある