パトロール時の異常発見 ( 案 ) ( 橋梁編 ) 日常巡回における橋梁異常の気づきと報告 平成 22 年 12 月 東北地方整備局 道路部道路管理課
橋の構成要素と損傷の特徴 P1 出展 ) 道路巡回のポイント ( 案 ) ( 社 ) 東北建設協会
日常巡回における橋梁の異常発見について パトロール車内からの目視及び走行時の異常音 振動により 下記の異常を発見することは可能です (1) 路面の異常 着目点 1 a) 橋面舗装のポットホール b) 橋面舗装のひび割れ c) ) 橋台背面の段差 ひび割れ d) 異常音 異常振動 防水工の損傷 床版のひび割れ 鉄筋の腐食 橋台背面の空洞 床版抜け落ち 橋台の移動 傾斜 橋台背面の路面陥没 (2) 地覆 高欄等の異常 着目点 2 a) 地覆 高欄の通り異常 b) 伸縮装置付近での段差 ずれ c) 高欄の破断 変形 d) 高欄の腐食 下部工基礎の洗掘の進行 橋台法面の変状 主桁の変状の進行 下部工の変状 ( 最悪の場合は落橋 ) 桁の変形や破断 ( 最悪の場合は落橋 ) 支承の損傷 P2
日常巡回における橋梁の異常発見について (3) 伸縮装置の異常 着目点 3 a) 遊間異常 b) 段差 c) ずれ d) 破損 e) 土砂詰まり P3 伸縮装置の損傷 ( 排水不良 ) に伴う桁端や支承の腐食 基礎地盤の側方流動や地滑り等の前兆 下部工の変状 支承の損傷 除雪グレーダーの破損や通行車両のタイヤバーストに伴う第 3 者被害 ( 段差が 2cm を超えるとタイヤがバーストする危険性大 ) (4) 排水装置の異常 着目点 4 a) 排水不良 ( 水たまり ) b) 土砂詰まり ( 雑草など ) 桁端部や支承部への泥の堆積による桁や支承等の腐食 支承機能の低下に伴う桁の変状 水漏れに伴う氷柱発生により第 3 者被害 水溜まりによる路面結氷
日常巡回における橋梁の異常発見について (5) 横断構造物等の異常 着目点 5 a) 主桁等の変色 腐食 傷 ( 衝突痕 ) b) 床版 地覆コンクリートの変色 漏水 c) 排水装置の変色 漏水 d) 照明機器 柱等付属物の変色 コンクリートの浮き 鋼部材の板状さび 排水装置の止め金具の腐食 照明機器等の止め金具または柱基部や付属物等の腐食 コンクリート片やさび片の落下に伴う第三者被害 排水装置の落下に伴う第三者被害 照明機器等の落下や柱転倒に伴う第三者被害 パトロールにおける留意事項パトロールにおける留意事項 橋梁の異常は重大な事故につながる場合が多いことから 巡回後の報告は確実に! 損傷は軽微でも 重大損傷の前兆であったり 損傷の急速な進行が懸念される場合もあります 異常発見時に現地から緊急報告が必要な場合もあります 橋梁の異常発見には音や振動も有効なことから 橋梁を通過する際は 窓を開けるなどの工夫が必要! 排水不良の発生場所は橋梁を含む前後の勾配に注意し 雨水の集中箇所に着目! 橋梁の前後が切り土構造で 縦断勾配により橋梁方法へ雨水が集まる地形になっている箇所においては 排水不良に伴う橋梁損傷が顕著に現れています P4
(1) 路面の異常 着目点 1 a) 橋面舗装のポットホール b) 橋面舗装のひび割れ c) ) 橋台背面の段差 ひび割れ d) 異常音 異常振動 排水桝の滞水床版の遊離石灰 漏水 舗装の陥没床版抜落ち 支点上ひび割れ ( 連続桁 ) 床版ひび割れ 橋台背面段差ひび割れ 伸縮の遊間異常支承の移動橋台の傾斜空洞の進行 伸縮の段差床版ひび割れ ( 伸縮前後 ) 伸縮の破断 破損支承の破断 モルタル欠損下部工沓座斜めひび割れ下部工の沈下 傾斜 出展 ) 道路防災 ( 管理 監視 点検のポイント ( 案 )) 舗装ひびわれ ポットホール床版の遊離石灰 漏水床版ひび割れ P5
~ 具体事例 ( 路面の異常 ) ~ 異常例 舗装のポットホール 舗装の亀甲ひび割れ 二方向ひび割れ 遊離石灰 鉄筋サビ汁 床版コンクリートの剥離や鉄筋露出 床版の抜け落ち 床版端部の抜け落ち 出展 ) 道路防災 ( 管理 監視 点検のポイント ( 案 )) P6
(2) 地覆 高欄等の異常 着目点 2 a) 地覆 高欄等の通り異常 b) 伸縮装置付近での段差 ずれ c) 高欄の破断 変形 d) 高欄の腐食 段差 ずれ 鋼桁の亀裂 破断コンクリート桁ひびわれ支承の破断 モルタル欠損下部工の沈下 洗堀 腐食 破断 変形 地覆の欠損 出展 ) 道路防災 ( 管理 監視 点検のポイント ( 案 )) 特にゲルバーヒンジ部や桁端切り欠き部を有する橋梁は注意する P7 桁下を第三者が利用している場合 コンクリート片の落下に注意する
~ 具体事例 ( 地覆 高欄等の異常 ) ~ 異常例 高欄の折れ たわみ 伸縮装置付近の地覆の段差 洗掘の進行 支承の異常 洗掘に伴う下部工の変状 下部工の変状 出展 ) 道路防災 ( 管理 監視 点検のポイント ( 案 )) P8
(3) 伸縮装置の異常 着目点 3 a) 遊間異常 b) 段差 c) ずれ d) 破損 e) 土砂詰まり 段差 ずれ ずれ段差 床版ひび割れ伸縮装置の破損 破断支承の破損 破断沓座モルタルの破損下部工沓座斜めひび割れ下部工の沈下 傾斜 遊間異常支承の移動下部工の傾斜 移動橋台背面路面の段差 遊間がない 遊間が広い 出展 ) 道路防災 ( 管理 監視 点検のポイント ( 案 )) P9
~ 具体事例 ( 伸縮装置の異常 ) ~ 異常例 伸縮装置の遊間がない 伸縮装置の段差 伸縮装置からの土砂流入による桁端部の腐食損傷の助長 沓座モルタルの割れ 支沓の破損 脱落 出展 ) 道路防災 ( 管理 監視 点検のポイント ( 案 )) 伸縮装置の破損 ゲルバーヒンジ部の亀裂 P10
(4) 排水装置の異常 着目点着目点 4 a) 排水不良 ( 雨天時の水たまり ) b) 土砂詰まり ( 排水桝への雑草の繁茂状況状況からでも確認可 ) 桁端部の腐食が進行し主桁亀裂 つらら落下に伴う第三者被害 P11
~ 具体事例 ( 排水装置の異常 ) ~ 異常例 鋼製排水溝の土砂詰まり 排水桝への雑草の繁茂 ( 土砂詰まり ) 土砂の詰まりに伴う排水装置の腐食 排水桝の排水不良に伴う伸縮装置からの土砂流入 伸縮装置の腐食損傷 桁端部の腐食損傷 鋼橋 コンクリート橋及び下部工の損傷の殆どが 排水及び防水機能不良が原因となっています P12
(5) 横断構造物等の異常 着目点 5 a) 主桁の変色 腐食 傷 ( 衝突痕 ) b) 床版 地覆コンクリートの変色 漏水 c) 排水装置の変色 漏水 d) 照明機器 柱等付属物の変色 横断歩道橋に限らず 第三者被害を防ぐ観点から 上記横断構造物についても同様なパトロールを行う 落下した板状さび片 落下した排水管 約 40mm P13 約 70mm
異常例 ~ 具体事例 ( 横断歩道橋 こ道橋など ) ~ 主桁への衝突痕 床版の変色 漏水 変色 漏水 主桁の変色 腐食 主桁の変色 腐食 変色 漏水 変色 排水管止め金具の腐食 破断 コンクリートの浮き 板状さびの発生 漏水にともなうつららの発生 排水管の腐食 P14
番号 路線名橋梁中央 KP 記入例 は 職員への報告チェック欄 橋梁諸元 橋梁名 着目点ごとの点検表 着目点 1 着目点 2 着目点 3 ( 路面 ) ( 地覆 高欄 ) ( 伸縮装置 ) 点検月日 点検月日 点検月日 異常の内容 ( 記号 項目 ) 異常の内容 ( 記号 項目 ) 異常の内容 ( 記号 項目 ) 国道維持出張所 着目点 4 ( 排水装置 ) 点検月日 異常の内容 ( 記号 項目 ) 1 2 3 4 5 橋長 (m) 建設年度 号 ***.*** S45 号 S45 号 S50 号 S60 橋梁形式 120 鋼箱桁 S58 号 橋 ###.### 緑着色欄は 本局にて記入し配布する予 18 定です 1) PC T 桁 $$$.$$$ 57 ###.*** 70 ***.### 40 橋 橋 鋼板桁 橋 鋼板桁 橋 PC T 桁 対応 4 月 21 日 a) ポットホール b) ひび割れ a) は応急復旧済 b) はマーキング 4 月 21 日 4 月 21 日 4 月 23 日 4 月 23 日 b) 対応 5 月 12 日 5 月 14 日 c) ロープ張り及びコーン設置済 ( 緊急報告 ) 5 月 12 日 対応 巡回時に対応した内容を記入 対応 5 月 10 日 5 月 14 日 6 月 2 日 着目点ごとの点検月日を記入 c) 破断 5 月 10 日 5 月 14 日 5 月 10 日 5 月 14 日 b) 段差 b) 段差 1cm を確認 6 月 2 日 発見した異常の記号と内容を記入 6 月 2 日 b) 土砂詰まり b) 状況確認 6 月 2 日 a) 水たまり a) 状況確認 点検表の記入 1) 巡回員は 着目点ごとの 点検月日欄 と 異常の内容欄 及び 対応欄 を記入する 2) 職員への報告の有無について 欄 でチェックを行うこと P15 職員へ報告したかのチェック欄 1) 総括橋梁データベースから転記 (H22.3 現在 )
番号 は 職員への報告チェック欄 路線名橋梁中央 KP 橋梁諸元 橋梁名 着目点ごとの点検表 着目点 1 ( 路面 ) 点検月日 異常の内容 ( 記号 項目 ) 着目点 2 ( 地覆 高欄 ) 点検月日 異常の内容 ( 記号 項目 ) 着目点 3 ( 伸縮装置 ) 点検月日 異常の内容 ( 記号 項目 ) 国道維持出張所 着目点 4 ( 排水装置 ) 点検月日異常の内容 ( 記号 項目 ) 橋長 (m) 建設年度 橋梁形式 対応 対応 対応 対応 1 2 3 4 5 6 P16
緊急時の対応等 報告事項の例 1 損傷発見場所 路線名 : 橋梁名 : キロポスト ( または目標物 ): 損傷発生の位置 ( 部位 ): 2 損傷の程度 3 一般交通への影響 4 現場での対応 ( 指示事項メモ等 ) 連絡先 第 1 連絡先 第 2 連絡先 橋梁に関する相談窓口を開設しました 東北地方整備局 道路部 電話 022(225)2171 道路保全企画官 内 4121 構造物保全総括 道路構造保全官 内 4122 技術指針等整備道路構造保全官 内 4123 点検技術者育成 道路保全企画係長 内 4446 直轄長寿命化修繕計画 本ポケットブックは 次のアドレスよりダウンロードできます 東北地方整備局ホームページ (http://www.thr.mlit.go.jp/) 東北地方整備局東北技術事務所ホームページ (http://www.thr.mlit.go.jp/tougi/index.html)