1 世界で一番有名な インジケーターの真実
2 本書をお読みいただきありがとうございます タイトルにもあるとおりここでは 世界で一番有名なインジケーター について お伝えしていきます あなたは世界で一番有名なインジケーターと言われて 思いつくものはありますか 世界一有名なインジケーター それは 移動平均線 =MA です すでに使ったことがある方も多いと思いますが MA は世界中のトレーダーに愛用されており それだけ MA によって導き出される数値というのは 重要になっていきます 普段何気なく使っている MA ですが 深く知ることでトレードにも役立てることができます それでは早速 MA について紐解いていきましょう
目次 3 移動平均線 (MA) とは何か 4P MA の役割 4P MA の種類 5P ほとんどのインジケーターは MA を計算のベースにしている 8P だからこそ MA は知っておくべき 8P 短期 中期 長期の MA 9P 世界的に意識されている数値 9P MA の活用方法 10P
移動平均線 (MA) とは何か移動平均線は時系列データを平滑化し 線グラフとして表示させたものになります 移動平均自体は気象や水象などの計測分野や統計分野で用いられているものになります 今でこそ FX や株取引で活用されていますが これは米国のチャート分析家であるジョゼフ E グランビルが相場分析に用いたことから広まりました 移動平均線は英語で Moving Average 略して MA と呼ばれています 4 ジョゼフ E グランビル 1923 年から 2013 年までアメリカで活躍していたチャート分析家 ウォール街での記者としても活動をしていた FX や株取引などの金融分野で移動平均線を活用する場合 一定期間の終値の平均値を算出していきます テクニカル分析の基本となるとなる移動平均線はそれ単体を用いてトレードを行っているトレーダーも多く 移動平均のデータを計算のベースにいれているインジケーターも多岐にわたります まさに世界で一番使われているインジケーターと言っても過言ではないでしょう MA の役割価格の平均を求めることができる MA は相場のトレンドを把握することにすぐれています 人によってはサポートライン レジスタンスラインの代わりとして使用したり また 複数の期間を設定した MA を使うことで エントリーや決裁のタイミングを使うことができます MA とローソク足の位置関係のみでなく MA 同士の並びや MA の傾きなどを活用することで 相場の状況を様々な視点から見ることができます
MA の種類 MA と一口に言ってもその種類はいくつかあります それぞれ計算式が違い また特徴があるため 用途や目的によって使い分けていきます FX における MA は 単純移動平均線 SMA 指数移動平均線 EMA 加重移動平均線 WMA 修正移動平均線 MMA などがあります 順番に詳しく見ていきましょう 5 単純移動平均線 SMA その名の通り 一定期間の終値の値を期間数で単純に割って平均値を求め 表示 するインジケーターになります 計算方法 期間 n 単純移動平均線 (Simple MA) は 期間 n の終値に 1/n をかけて算出 例 (100+200+300+400+500) 5 日間 =300 円 指数移動平均線 EMA 直近の価格を重要視し 計算を行うインジケーターになります 価格の変動に敏 感に反応します 計算方法 直近の価格を最重視して加重 2 (n 日 +1) 例直近の期間 n 指数移動平均 + ( 直近終値 -ひとつ前の期間 n 指数移動平均 ) 2 (n+1) 加重移動平均線 WMA 直近の価格を重要視し 計算を行うインジケーターになります EMA よりも価 格の変動に敏感に反応します 計算方法 直近の価格を重視し徐々に減らします 例 (100 1+200 2+300 3+400 4+500 5) (1+2+3+4+5)=366 修正移動平均線 MMA 指数移動平均線と同じ種類のインジケーターで直近の価格を重要視しています が ゆるやかなカーブを描くのが特徴です
計算方法 最初の価格とそれ以降の価格で計算式が異なります 例期間 5 の最初の価格 =(C+C1+C2+C3+C4) 5 それ以降 ={(5-1) 前日の数値 +C} 5 6 単純移動平均線 SMA 指数移動平均線 EMA
7 加重移動平均線 WMA 修正移動平均線 MMA このように移動平均線の種類によって線の動き方が大きく変わります
ほとんどのインジケーターは MA を計算のベースにしている MA は世界中のトレーダーによって使われていると最初にお伝えしましたが MA を単純に使っている場合もあれば MA の計算式をもとに分析されているインジケーターを使っていることもあります 有名なところですとボリンジャーバンドや MACD の計算式に MA を用いられています ボリンジャーバンドではミドルのラインが SMA のラインとなり そこから上下のバンドが形成されています MACD の場合 長期と短期の EMA から数値形成したあとに単純移動平均化し計算したものを表示しています このように世の中のオリジナル インジケーターと呼ばれるものの多くに MA の数値は使われています 8 だからこそ MA は知っておくべき FX の相場を動かしているのはコンピューターやごく一握りの人ではありません 非常に多くの人と お金によって相場が動きます ですので 多くの人によって使われている MA を知ることはトレードをしていく上での重要な指標となります 実際によく使われている期間の MA を相場に表示させてみると その MA の価格付近で相場が反発されたり 支えられたりすることがよくあります 20SMA に相場が反発している様子
短期 中期 長期の MA MA は一定期間の価格の平均値を求めますが その期間の長さで MA は短期 中期 長期と分類されます ただ 明確な分類の基準があるわけではないので トレードを行う人によっても変わってきます 短期の MA であればあるほど相場の値動きに敏感になり 長期になればなるほど動きが緩やかになります 9 赤が 5SMA 黄色が 20SMA 緑が 200SMA の様子 世界的に意識されている数値 MA の期間は自由に設定をすることが出来ます そのためいくつに設定するかを迷う場合もあります 世の中でよく使われる MA の数字としては 5 10 20 25 50 75 125 150 200 500 などキリの良い数字や フィボナッチである 13 21 34 55 62 89 144 233 など様々あります この全ての数字をチャートに表示させてトレードに有効利用することはほぼ不可能ですので 自身のトレードロジックや検証によって有用な数字を選ぶことが賢い使い方となります
10 MA の活用方法 ここまで MA について見てきましたがいかがでしたでしょうか MA はロジックやトレーダーによって様々な相場分析に使うことができます 例えば 100SMA や 200SMA なら現在が買い優勢の相場なのか 売り優勢の相場なのか判断が出来ます 角度からも分かる情報があり MA の角度が急であればあるほどトレンドの勢いが強いということになります (MA の傾きによって色分けされるカラー MA というインジケーターもあります ) MA で分かる買いが優勢な相場の様子 上記の画像で赤は 100SMA になります 期間 100 の平均価格よりも相場の価格 が上にあるので 買いが優勢な相場ということが分かります 他にもエントリーや決裁を短期の MA と長期 ( 中期 )MA のクロス ( ゴールデンクロス デッドクロス ) で判断することが出来ます 短期の MA は相場の動きをなぞるように動き 長期の MA は長期間の相場の平均値を出すので 短期の MA( 相場の動き ) が長期の MA( 長期間の平均値 ) よりも上に突破すれば 上昇トレンドが発生する可能性が高くなります 反対に上から下へと突破すれ
11 ば この後下落トレンドが発生する可能性が出てきますので ゴールデンクロス やデッドクロスはトレンドの転換を見る上でも役立ちます ゴールデンクロス デッドクロスの様子 デッドクロス ゴールデンクロス ゴールデンクロスの様子
12 赤い 25SMA を黄色の 5SMA が下から上に突き抜けているのが分かります これはゴールデンクロスとなりますので ここからしばらく買いが優勢な上昇 トレンドを形成しています デッドクロスの様子 そしてしばらくすると黄色の 5SMA が赤の 25SMA を上から下に突き抜けてデ ッドクロスとなっています 相場もデッドクロス以降 徐々に下がっているのが 分かります このように MA は相場を様々な側面から分析していく上で非常に有用なインジ ケーターとなります 学ぶと奥が深く あなたのトレードをより進化させることができますので ぜひ MA を有効活用しながらトレードに臨んでみてください