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1 第 6 回ひびき薬剤耐性菌シンポジウム 2009 年 6 月 27 日 ( 土 )12:00~18:30 門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館 19:00~24:00 国民宿舎めかり山荘 2009 年 6 月 28 日 ( 日 ) 9:00~14:00 門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館 国民宿舎めかり山荘 北九州市門司区門司 めかり公園内 TEL 門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館 北九州市門司区大里本町 TEL 第 6 回学術集会会長木戸直徳 ひびき臨床微生物研究会 0

2 会場までのアクセス 門司赤煉瓦プレイス ホームページより転載 6 月 27 日 ( 土 )11:30 より 門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館で受付を開始します 門司駅北口より徒歩 3 分です 北九州都市高速 大里 IC より車で 5 分 18:30 に門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館からめかり山荘の送迎バスがあります この時間が過ぎた場合には申し訳ありませんが 各自でお越しください 門司港駅からタクシーで 10 分 1300 円ぐらいです 2009 年 6 月 27 日 ( 土 ) 12:00~ (11:30 受付開始 ) 2009 年 6 月 28 日 ( 日 ) 9:05~14:00 (9:00 受付開始 ) 門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館 北九州市門司区大里本町 TEL 国民宿舎めかり山荘 北九州市門司区門司 めかり公園内 TEL

3 第 6 回ひびき薬剤耐性菌シンポジウムプログラムタイムスケジュール 1 日目 6 月 27 日 ( 土 ) 門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館 時間 プログラム 座長 / 司会 11:30~ 受付 セルフ受付 ( 記名後 名札と部屋割りを取る ) 12:00~ 開会の辞 総合司会重高正行 芳賀由美 12:05~ L1 ランチョンセミナー 右田忍 12:50~ 企業セミナー C1, C2 小川恵子 13:20~13:50 一般演題 G1, G2 村谷哲郎 13:50~14:35 L2 会長講演 大久保孔平 14:35~14:45 休憩 14:45~16:45 S1 シンポジウム 木戸直徳 吉村尚江 16:45~ 写真撮影および休憩 玉置ゆう子 17:00~18:10 L3 特別講演 村谷哲郎 18:30 国民宿舎めかり山荘へ移動 19:00~ 夕食 / 懇親会 大久保孔平 Free time 21:00~24:00 ナイトセミナー N1-N3 ( めかり山荘 ) 有馬純徳 村谷哲郎 2 日目 6 月 28 日 ( 日 ) 門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館 時間 プログラム 座長 / 司会 8:45 めかり山荘バス出発 9:00~ 開館 9:05~9:35 一般演題 G3, G4 重高正行 9:35~10:30 S2 第二回ひびき臨床微生物研 村谷哲郎 究会サーベランス結果報告 10:30~10:40 休憩 10:40~11:25 企業セミナー C4-C6 大久保孔平 11:25~ 一般演題 G5,G6 本田雅久 11:55 弁当配布および休憩 12:10~1:00 L4 ランチョンセミナー 小林とも子 13:00~ 一般演題 G7,G8 木戸直徳 13:50 閉会の辞 2

4 第 6 回ひびき薬剤耐性菌シンポジウム抄録集目次 会場までのアクセス p.1 タイムスケジュール p.2 第 6 回ひびき薬剤耐性菌シンポジウム開催にあたって p.5 参加者の皆様へ 発表者の方へ p.6 ランチョンセミナー 1 座長右田忍 L1 キノロン系抗菌薬の特徴と使い分け - 作用機序 耐性機序 体内動態 - p.7 村谷哲郎 企業セミナー司会小川恵子 C1 敗血症検査 UP DATE シスメックス ( 株 ) 横山僚 p.8 C2 ESBL の 1 タイプと BD フェニックス TM システムのエキスパートルールについて p.9 日本ベクトン ディッキンソン DS 学術 武沢敏行 一般演題 1 座長村谷哲郎 G1 尿中白血球数および尿中細菌数に関する尿試験紙 自動分析装置 ディップスライド p.10 法 通常培養検査の比較 キューリン小林とも子 G2 尿中有形成分分析装置 UF1000i による細菌検出パターンを用いた菌種推定に関す p.11 る検討 KKR 新小倉病院生野陽子 L2 会長講演座長大久保孔平 p.12 ICT 活動を通じて学んだこと 演者木戸直徳 シンポジウム 耐性菌事例と今後の対応 司会木戸直徳 吉村尚江 S1 シンポジウム企画の経緯木戸直徳 p.13 S1-1 多剤耐性アシネトバクターによる病院関連感染事例福岡大学附属病院吉村尚江 p.14 S1-2 血液培養から検出された VCM 低感受性 Staphylococcus capitis subsp. Ureolyticus p.15 綜合病院山口日赤病院岩本孝子 S1-3 耐性菌日報を用いた感染対策 健和会大手町病院春木義範 p.16 S1-4 当院で実施している多剤耐性緑膿菌をはじめとする緑膿菌への院内感染対策 p.17 九州がんセンター川上洋子 S1-5 VITEK-2 AES で得られたデータと PCR との結果の食い違い p.18 新日鐵八幡記念病院検査部厚地美幸 S1-6 当院で経験した MDRP 感染事例とその対策 KKR 新小倉病院検査部右田忍 p.19 ひびき臨床微生物研究会招請講演 L3 酵素としてのβ-lactamase - 遺伝子検出結果と酵素検出の乖離 - p.20 東邦大学医学部微生物 感染症学講座石井良和 ナイトセミナー C3 改訂版 JRS 成人院内肺炎診療ガイドライン 2008 ~ 各カルバペネム系薬の位置付けを p.21 中心に~ 大日本住友製薬 ( 株 ) 学術企画部末延喜代子 N1 いまさら聞けない こんな事 Q&A 第 1 部これまで寄せられた質問事例とその解説 p.22 N2 認定臨床微生物検査技師制度試験について北九州総合病院有馬純徳 p.23 3

5 N3 いまさら聞けない こんな事 Q&A 第 2 部フリートーク形式 一般演題 2 座長重高正行 G3 北部九州 山口地区において分離された肺炎球菌の薬剤感受性について北九州市立医療センター宿輪優子 G4 北部九州 山口地区において分離された大腸菌の感受性と耐性機序について九州厚生年金病院芳賀由美第二回ひびき臨床微生物研究会サーベイ座長村谷哲郎 S2 結果報告木戸直徳企業セミナー座長薬師寺博子 ( 原三信病院 ) C4 試験管培地よる腸内細菌同定の有用性 栄研化学 ( 株 ) 営業統括部マーケティング推進 3 部 3 課中村俊三 C5 全自動細菌検査装置ライサス RAISUS における クリンダマイシン(CLDM) 誘導耐性ブドウ球菌検出に関する検討 日水製薬株式会社マーケティング部企画開発グループ岩脇研次 C6 MicroScan の今後の開発計画 シーメンスヘルスケア タ イアク ノスティックス株式会社甲斐秀喜 p.24 p.25 p.26 p.27 p.28 p.29 一般演題 3 座長本田雅久 ( 産業医科大学病院 ) G5 当院における ESBL 産生菌の現状 大牟田天領病院山﨑康一 p.28 G6 各種 MRSA スクリーニング培地の MRSA 検出に関する比較検討 p.31 ひびき臨床微生物研究会共同研究 ( 株 ) キューリン美那元勇希 ランチョンセミナー 2 座長小林とも子 L4 カルバペネム抗菌薬の特徴と使い分け -E. coli および K. pneumoniae における耐性 p.32 株の出現 - 村谷哲郎 一般演題 4 座長木戸直徳 G7 新たな PCR 技術 (DPO) を応用した 髄膜炎及び下痢症の細菌検査システム p.33 株式会社シージェン金大榮 (Kim Daeyoung) G8 当院で実施している多剤耐性緑膿菌をはじめとする緑膿菌への院内感染対策 p.34 国立病院機構九州がんセンター臨床検査科 川上洋子 ひびき臨床微生物研究会第 2 回サーベイ生データ p.36 ひびき臨床微生物研究会会員一覧 p.41 第 6 回ひびき薬剤耐性菌シンポジウム 学術集会会長 木戸直徳 プログラム委員 大久保孔平 小林とも子 美那元勇希 玉置ゆう子 犬塚幸枝 村田牧子 小川恵子 重高正行 4

6 第 6 回ひびき薬剤耐性菌シンポジウム開催にあたって 村谷哲郎 ( ひびき臨床微生物研究会会長 ) ひびき臨床微生物研究会の学術集会 ひびき薬剤耐性菌シンポジウム も第 6 回を迎え 参加者も年々増加しており 皆様方のご協力感謝しております 開催日は原則として 6 月第 4 週としておりますが 2011 年は日本化学療法学会総会 6 月第 4 週に札幌にて開催されますので 7 月にずれ込むと考えています まったくの手作りの学術集会でありますが 年々修正を行い改善に取り組んでおります 参加者の皆様のご意見をなるべく反映するようにしておりますので 今回も感想 ご意見などをお寄せください 学術集会のスタイルも原則として変更はしておりません 会場は第 1 回めかり山荘大会議室で行いましたが 会場が狭いため 第 2 回 第 3 回は 門司生涯学習センターで行いました この会場は 多少狭いことと 予約の確定が 1 ヶ月前という開催に危険が伴うことから 第 4 回は門司港レトロ観光物産館港ハウスで開催いたしました 会場の窓にカーテンがないなど多少の問題点はありましたが 幸い? それほど天気が良くなかったため スライドが見難いなどの支障はありませんでした 特に十分な広さがあり 場所も問題ありませんでした 第 5 回は 和田学術集会会長のたっての希望で 門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館で開催いたしました 門司駅からすぐであり 便利なところに位置しております この会場は広さは十分でしたが その分スクリーンが小さく感じられました 本年も同様の場所での開催となりますので 今後対処が必要と考えています ナイトセミナーは例年通り めかり山荘会議室で実施します 前回質問したいことがある方が多かったようですので 今回は質問コーナーを中心に行うこととしました 本会の大きな目的のひとつに会員同士の交流があります 普段研究会等で顔を合わせ 挨拶が出来るなかであっても それ以上親しくなることはなかなか出来ないものですが 宿泊参加していただくことにより 懇親会およびナイトセミナーで これまで話をしなかったかととも気軽に話せるようになれることを期待しています 私も約 20 年前にこのような会があったことが現在の自分に役立っているので 皆さんにも同じ機会を作れたらよいと考え 宿泊参加が得になるような設定を行っております 本学術集会は経費節減のため原則として演者招聘などを行わず開催することとしておりますが 是非参加者に聞いてもらいたい内容であるとの判断から 第 4 回には愛媛県立中央病院検査部の石丸美架先生に認定試験の解説を行ってもらいました 石丸先生の講演内容は 現在でもこれから認定試験を受ける方の参考資料となるでしょう また 前回のシンポジウムで少し話させていただきましたが タンパクと遺伝子に関する話を東邦大学の石井先生にお願いしたところ快くお引き受けいただきましたので ひびき臨床微生物研究会の招聘として特別講演を組ませていただきました 参加者の皆様には 特に PCR に代表される遺伝子検査の限界というものを理解していただけることを期待しおります また 毎年のことですが 本会の運営は 木戸直徳学術集会会長をはじめ 小田原改め玉置ゆう子会計 プログラム委員の皆様の努力によるものであり この場をかりて感謝を表します 5

7 参加者の皆さまへ本学術集会は 全員参加でディスカッションを行いやすいフランクな会を目指しておりますので カジュアルな服装を原則とさせていただきます ヨーロッパの学会のようなスーツ姿はめったにみないような会にしたいと考えておりますので 企業の方も含めてご協力ください しかし スーツ禁止というわけではありません 土曜日は軽食をご用意しますので ご利用ください 発表者の皆さまへ機材は Windows XP/Powerpoint 2000 を使用します Windows Vista/Powerpoint 2007 も用意する予定ですが 事前に御相談ください 発表スライドは 6 月 27 日 ( 土 ) 朝 7:00 までにメールでお送りください 5 Mb を超える場合には 分割して送ってください 会場に持参される場合には 発表の 30 分以上前を目安に USB フラッシュメモリーで持ってきてください CD の場合は 読み込めない場合があります その他のメディアの場合は 事前にご相談ください 当日 スライド修正は可能ですが 早めにお願いします 一般演題質疑応答を含めて1 人 15 分以内です 通常の学会発表より時間はありますので 方法などを解説的にプレゼンテーションしてください 時間が短い分には構いません 無理に長くする必要はありません 企業セミナー質疑応答を含めて 15 分ですが 調整可能ですので 厳密にこだわる必要はありません 質問などをされる場合質問のある方は マイクのところに立って手を挙げてください 複数の場合は後ろに並んでください 会費完全事前登録制です 準備の都合がありますので なるべく早くお申し込みください 原則として当日参加費は集めません 受付に人を割かずに 全員が会に参加できるようにするためですので ご理解とご協力をお願いいたします 事前に下記口座へ振込みをお願いします 不明な点はメールで事務局までお問い合わせください 参加のみ 5,000 ( ひびき臨床微生物研究会個人正会員は 3,000) 宿泊参加 ( 夕食を含む ) 12,000 ( ひびき臨床微生物研究会個人正会員は 10,000) 夕食まで参加 ( 宿泊せず ) 10,000 ( ひびき臨床微生物研究会個人正会員は 8,000) 参加費割引は 個人正会員のみとさせていただきます ご了承ください 西日本シティ銀行二日市支店 普通口座番号 口座名 第 6 回ひびき薬剤耐性菌シンポジウム会計小田原ゆう子 名札について 記名式といたします ネームフォルダーは回収しますので ご協力ください 領収書付きですが 他の書式 の領収書が必要な場合は 玉置ゆう子会計までお申し出ください 6

8 1 日目 6 月 27 日 ( 土 ) 門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館ランチョンセミナー 1 L1 キノロン系抗菌薬の特徴と使い分け - 作用機序 耐性機序 体内動態 - 産業医科大学医学部村谷哲郎 現在キノロン系と称されている抗菌薬はその共通構造として ピリドンカルボン酸骨格を有する ( シノキサシンを除く ) 本邦では 1964 年にナリジクス酸が上市されて以来様々な改良がなされ 1984 年にフルオロキノロン骨格を有するノルフロキサシンが緑膿菌からブドウ球菌まで有効な強い抗菌力と広いスペクトルを有する画期的な抗菌薬として登場した このノルフロキサシンの構造を基に 抗菌力改善を実現したシプロフロキサシン 経口吸収 生物学的半減期を大幅に改善したオフロキサシンならびにその活性体レボフロキサシンに至っている さらに レンサ球菌属への抗菌力改善を目指したいわゆるレスピラトリーキノロンとして トスフロキサシン スパルフロキサシン ガチフロキサシン モキシフロキサシン ガレノキサシンが抗菌力 体内動態が改善され上市されてきた 別の方向性としては 安全性を重視し開発された静注用キノロンであるパズフロキサシンは 1 回 500mg を静注投与可能とし 現在さらなる増量の試験が行われている 抗菌薬の特徴として 抗菌力 抗菌スペクトルはもちろんであるが ヒト細胞への移行性 有効性と相関する体内動態指標 耐性株出現頻度 耐性機序ならびに交叉耐性の有無が挙げられる 通常感染症は細胞外で起こっているため ヒト細胞内への抗菌薬の移行性は関連しないが 細胞内侵入性の微生物 ( レジオネラ クラミジアなど ) に対しては ヒト細胞内への移行性が乏しい薬剤では作用することが出来ない アミノグリコシド βラクタムはほとんど移行せず キノロン マクロライド テトラサイクリンは優れた移行性を持つ薬剤である また臨床的有効性と相関する体内動態指標に関する研究が盛んに行われ アミノグリコシドは Cmax キノロンは AUC βラクタムは Time above MIC ともっとも相関する事が報告されており これらに基づき最適な用法用量が考えられるようになってきた 耐性菌出現抑制という点からも用法用量の設定を考えるべきであり 副作用抑制という点ももちろん重要である キノロンの作用点は初期のころ DNA gyrase のみと考えられていたが topoiomerase Ⅳの発見により 作用機序および耐性機序に対する考え方は大幅に変わった また 菌体内取り込み量に影響を与える influx, efflux にかかわる因子も明らかとなった これらはすべて染色体 DNA の変異であり 耐性化は起こりにくいとされてきたが Qnr に代表されるプラスミド性の耐性遺伝子も明らかとなってきた 現在キノロンの耐性化はアジアを中心に著しく増加しており 淋菌は 1990 年には耐性菌は存在しなかったが 2000 年には 80% を越え 現在は使用してはいけない薬剤となっている MRSA も同様であり 腸球菌では耐性率 40% に達している さらに大腸菌 肺炎球菌でも耐性株の増加が報告されており 尿路性器感染症 呼吸器感染症など様々な領域で問題となっている キノロンを中心に各種抗菌薬の抗菌力 抗菌スペクトルの比較 世界 国内 北部九州山口地区における薬剤感受性のデータを示し キノロンの使い分けについて考察する 7

9 企業セミナー 1 C1 敗血症検査アップデート シスメックス トータルソリューション部 横山僚 1991 年に American College of Chest Physicians(ACCP) と Society of Critical Care Medicine(SCCM) の合同カンファレンスにおいてセプシス (sepsis) が感染症に起因する全身性炎症反応症候群 (systemic inflammatory response syndrome: SIRS) と定義された しかしながら 2000 年以前は欧米でもセプシスの診断が不確実で セプシスに起因する死亡率は高率であった 2002 年 10 月に欧米などの 11 学会が重症セプシスと敗血症性ショックの治療成績の向上し 今後 5 年間で死亡率を 25% 低下することを目的に Surviving Sepsis Campaign が設立され 2004 年 10 月に Surviving Sepsis Campaign guidelines(sscg) が発表された その後 日本集中治療医学会と日本救急医学会も加わり,15 の国際学会の合同指針として 昨年改訂版となる SSCG2008 が発表されている この SSCG2008 では, エビデンスの質による A( 高 )-D( 低 ) の 4 段階評価に加え, ガイドライン作成委員の推奨度として 1( 強い ), 2( 弱い ) の 2 つに分類され, 重症セプシスと敗血症性ショックの管理の推奨がまとめられている 検査部門においてもセプシスの定義を十分に理解し, セプシスの診断基準を集中治療専門医以外の一 般医やコ メディカルの共通認識とし, セプシス早期からの適切な治療をサポートすることが重要である 本演題ではセプシスの早期診断のため 欧米で使用されている検査方法を紹介いたします 8

10 企業セミナー 1 C2 ESBL の 1 タイプと BD フェニックス TM システムのエキスパートルールについて 日本ベクトン ディッキンソン DS 学術 武沢敏行 BD フェニックス TM には 得られた結果をより臨床対応に則した解釈として提示する BD エキスパートシステムが搭載されている 本システムは多くの定義されたルールに担われ 解釈はこれに則って行われる 耐性菌検出 / 検知能にすぐれ ESBL 産生菌に関しては CLSI 基準対象菌種以外の菌種に関してもこれを報告できる 今回はその一例を紹介したい 9

11 一般演題 1 G1 尿中白血球数および尿中細菌数に関する尿試験紙 自動分析装置 ディィップスライド法 通常培養検査の比較 ひびき臨床微生物研究会共同研究 ( 株 ) キューリン ひびき臨床微生物研究会 小林とも子 美那元勇希 村谷哲郎 はじめに 尿路感染症の臨床試験では 欧米では各施設の細菌検査室で ASM 標準法にて培養検査を実施している場合が多いが 日本国内では ディップスライド法により 各施設で培養し菌数を判定後 集中測定期間へ送付する方法が採用されている 頻度は不明であるが 細菌検査室での培養陽性 ディップスライド法陰性という結果や両検査法で分離菌種が異なる事例も経験している また 膿尿および細菌陽性であるかどうかは 臨床試験に組み入れるかどうかを決めるうえで重要であるが 沈渣鏡検 グラム染色鏡検 尿試験紙のエステラーゼ反応および亜硝酸反応試験が参考となる また 原尿を使用した計算盤やフローサイトメトリーを原理とした白血球測定も有用な方法である これらの測定法の相関を検討することを目的として 本試験を実施した 検査方法 2008 年 7-8 月に細菌定量培養検査の依頼があった尿 208 検体を対象とした 尿中白血球数は尿中有形成分分析装置 UF1000i( シスメックス ) ならびに尿試験紙 ( ウロペーパー Ⅲ 栄研 10) を用い 尿中細菌数はウリカルト E( 積水メディカル ) と TSA, チョコレート寒天培地 ドリガルスキー BTB 寒天培地を用いた定量培養法を用いた さらに尿試験紙の亜硝酸反応 UF1000i による細菌数 沈渣グラム染色鏡検による白血球数および細菌数についても検討した 結果 定量培養検査 10 4 cfu/ml 以上かつウリカルト E 10 4 cfu/ml 以上 97.2%(140/144) 10 3 cfu/ml 以下かつ 10 3 cfu/ml 以下 98.4%(63/64) であった 尿試験紙亜硝酸反応は 培養 10 5 cfu/ml 以上の検体のうち 49.6%(60/121), 10 3 および 10 4 cfu/ml で亜硝酸陽性となった検体は存在せず (0/38) 培養にて 10 2 cfu/ml および陰性であった検体のうち それぞれ1 株が陽性となった これら 2 検体はグラム染色鏡検では細菌陽性であった 尿中白血球数は UF1000i 陰性 (<10/μL) 試験紙陽性検体が 26.6%(8/30) 存在し 試験紙陰性 UF1000i 陽性検体 15.7%(28/178) 存在したが 5-29/µL の 44 検体を除く明らかな差異のある検体では 偽陽性 7.1% (1/14) 偽陰性 9.3% (14/150) であり 一致率は良好であった 考察 試験紙による尿中白血球数は尿試験紙偽陽性 0.96 %(2/208), 尿試験紙偽陰性 6.7%(14/208) と ともにその率は低く 有用性は高いと考えられた 定量培養検査 10 4 cfu/ml 以上で ウリカルト E 陰性は 2.5% (4/160) であり 有用性は高いと考えられた UF-1000i と定量培養検査と比較して UF-1000i 尿中細菌数が高い傾向を示した UF-1000i は塗抹鏡検との相関もよく 細菌陽性の有無の目安としての有用性は高いと考えられた 亜硝酸反応は 定量培養 10 4 cfu/ml 以下の検体では陰性となり 10 5 cfu/ml 以上の検体の 49.6% (60/123) で陽性となった 培養陰性 亜硝酸反応陽性を示した 2 検体は 塗抹陽性であり 今回の試験では真の偽陽性はないと考えられ 陽性の結果は有用性が高いと考えられた 10

12 一般演題 1 G2 尿中有形成分分析装置 UF1000i による細菌検出パターンを用いた菌種推定に 関する検討 ひびき臨床微生物研究会共同研究 生野陽子右田忍小林とも子村谷哲郎 尿検査の自動化の普及に伴い 精度 迅速性 操作性が向上してきた 従来 細菌と微細な尿中物質との鑑別が困難とされていたが 尿中有形成分分析装置 UF-1000i(Sysmex 社 ) は 細胞成分の識別とは異なる尿中細菌検出チャンネルを新たに設け検出できるように改良された 測定原理は ポリメチン系の蛍光色素で細菌中の核酸を特異的に染色し フローサイトメトリー法により細菌を検出する 細菌専用スキャッタグラム (BACT) は 横軸の蛍光強度による粒子の大きさ 縦軸の散乱光強度による粒子の染まり具合を表している 菌種による BACT の出現パターンについて検討した 検討方法 14 菌種 52 株を 35 度 18 時間培養したコロニーから生理食塩水にマクファーランド 0.5 になる ように調整した菌液を用い BACT 画面の原点を通る近似値の角度の平均値を求めた BACT をプリントア ウトし 3 名の技師で目視による近似値の平均値を求めた 結果 Escherichia coli 8 株 Klebsiella pneumoniae 4 株 Klebsiella oxytoca 2 株 Citrobacter koseri 3 株は 14 度 (13~16 度 ) Pseudomonas aeruginosa4 株 Acinetobacter baumanii 3 株 Acinetobacter lowfii 2 株は 7 度 (5~10 度 ) Staphylococcus aureus 6 株は 40 度 (35 から 46 度 ) Staphylococcus epidermidis 4 株 Staphylococcus saprophyticus 2 株は 47 度 (55 から 60 度 ) Streptococcus agalactiae 3 株は 31 度 (30 ~32 度 ) Enterococcus faecalis 6 株 Enterococcus faecium 3 株は 42 度 (38~45 度 ) Neisseria gonorrhoeae 2 株は 9 度 (8~10 度 ) であった 腸内細菌は BACT では 約 14 度の近似値に検出された 腸内細菌より小型のグラム陰性非発酵菌は 腸内細菌より低い角度の近似値上に検出された 球菌では Staphylococcus aureus が原点に近い箇所で球状に検出された 腸球菌は さらに 50 度の角度で帯状に検出された グラム染色による観察で 菌体が一塊となり大きな菌体として検出されたと考える まとめ 尿路感染症の診断は 主に症状と尿所見から行われ 尿所見では好中球と細菌により尿路感染と 診断される UF-1000i の細菌専用スキャッタグラムの出現パターンを角度で検討すると 菌種により出現パ ターンに特徴を認めた 菌種を推定することが短時間で可能となり 迅速な対応の可能性が示唆された 11

13 第 6 回学術集会会長講演 L2 ICT 活動を通じて学んだこと ~ そしてこれから学び続けること ~ 明徳会佐藤第一病院木戸直徳 病院における院内感染対策は 各種の多剤耐性菌の増加やその伝播拡散によってさらに困難なものとなり そこに携わる関係者の責任や苦労も多くなっている 私は 2002 年より健和会 大手町病院の細菌室で勤務する傍ら ICT 活動にも関わっていた そこでは医師 看護師 専任の事務局を中心に各職種の感染委員が病棟ラウンドや勉強会の開催 感染マニュアルの整備や院内感染防止の啓蒙活動を行っていた 私は検査技師として医師 薬剤師と週 2 回の BSI ラウンドにノートパソコンを持参して病棟を回り また耐性菌日報の作成や病院の環境調査等も行った 大手町病院は感染委員会組織も整備され ICT 活動も積極的に行われていたと思うが 600 床以上の病院であり 1000 人近い職員に標準予防策やマニュアル 教育等を浸透させることは難しく 現在に至っても関係者の努力は続いている 2008 年より私が勤務する佐藤第一病院は大分県宇佐市に在る病床数 130 床の県北部の中規模病院である 診療科目は内科 外科 脳神経外科 整形外科 麻酔科を中心に 特に回復期リハビリテーションに力を入れている 職員数は約 200 名で 各職場から 1 名以上の委員が副院長を中心とした感染委員会を月 1 回開催し マニュアル整備や研修会等を行っている 活動の窓口となる事務局がないため 事例発生時に効率的に活動するという点では問題が残るが その都度職員各自が環境整備や研修会開催等の行動力で補っている 当院では 7 月からの DPC 導入により院内感染対策はさらに重要性を増していく その中で最低限のマニュアルは必要であるが それぞれの施設に見合った対応が望まれる 院内感染対策に携わっている人達すべてに敬意を表し 若輩の私の報告が再考のきっかけになればと思う 12

14 シンポジウム耐性菌事例と今後の対応 S1 シンポジウム企画の経緯 明徳会佐藤第一病院木戸直徳 院内感染対策は病院や施設においてその重要性をさらに増している DPC 導入等による在院日数の延長は病院負担となるだけでなく メディアを通してのイメージダウンにも繋がり 各施設にもたらす被害は計り知れない 感染対策に関連した多くの研修会や ICT 活動に関わる医療従事者の努力により 院内感染対策は進歩を遂げている しかし感染事例は報告され続け 多くは多剤耐性菌によるものであり 内容もますます多様化している 今回 本研究会の会員であり 各施設での院内感染対策において中心的な役割を果たしている 6 名の方々に パネリストとして事例報告をして頂く 規模の違いがあるので全てを参考にはできないが 耐性菌事例はどの様にして起きたのか? その事例にどう対処し 今後どうするのか? 等を参加者全員で意見交換できればと思う 昨年 和田会長のもとで開催されたシンポジウムと同様な企画ではあるが 各施設が無くならない限り 院内感染対策に無縁でいることはできない 院内感染の予防 早期発見 事後対応という点で再度 皆様に問題提起できればと思い このシンポジウムを企画した 13

15 シンポジウム耐性菌事例と今後の対応 S1-1 多剤耐性アシネトバクターによる病院関連感染事例 福岡大学病院吉村尚江 はじめに アシネトバクターは ブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌である 自然環境中に広く分布し 健常人に対して病原性は弱い菌だが 易感染患者においては尿路感染 呼吸器感染 敗血症 外傷感染などの起因菌となることがある 近年 海外ではカルバペネム系や広域 βラクタム系 アミノ配糖体 フルオロキノロン系などのほとんどの抗菌薬に耐性を示す多剤耐性アシネトバクター (MRAB) の病院関連感染の報告がされている 当院で MRAB のアウトブレイクを経験したので報告する 経緯 平成 20 年 10 月 20 日救命センター入院患者の喀痰より MRAB が検出 (1 例目 ) 個室管理の患者であったり 感染対策室より接触感染予防を行うように病棟に連絡 しかし 11 月末には 新規保菌患者を4 名確認した 12 月 5 日より救命センターでは積極的 MRAB スクリーニング実施 同時に環境調査実施するが MRAB 検出せず 方法を変えて再度環境調査実施 数箇所から MRAB 検出 また MRAB が検出されていない患者のバイトブロックより MRAB を検出されたため 洗浄保管されているバイトブロックも調査 保管バイトブロックより MRAB 検出 環境管理の見直し バイトブロックの消毒および使用を見直した また 個室管理 接触予防を実施していた MRAB 保菌患者が転棟 ( 形成外科 ) 後 新規保菌患者を検出 救命センター同様形成外科病棟の積極的 MRAB スクリーニング実施 形成外科病棟の環境調査実施 数箇所から MRAB 検出 包交車より MRAB 検出されたため 包交車使用を見直した 複数の病棟にて MRAB 検出されたため MRAB 検出患者は同一病棟 ( 救命センター ) にコホーティング実施 その後 新たな MRAB 患者検出されず 救命センター再開のためコホーティング病棟移動 ( 形成外科病棟 ) 院内の MRAB の広がりを調査するため 全入院患者の MRAB クリーニング実施 救命センター再開にあたり 病棟消毒 環境調査 (100 箇所 ) 実施 救命センター再開後も救命センターでの MRAB スクリーニング継続 MRAB 保菌患者が数名と減少したため 病棟移動 (7 階病棟 ) 現在 新規患者はない まとめ 今回 環境調査より MRAB を検出し原因が究明され 感染制御部 安全管理部が中心となり病院全体で取り組んだ結果アウトブレイクが鎮静化した そして 検出初期段階での細菌検査室からの迅速な結果連絡と情報共有の重要性を痛感した また 環境調査関連検査および病院全体のスクリーニング検査の院内実施を細菌検査室のみではなく 検査部全技師の協力によって行うことができた 14

16 シンポジウム耐性菌事例と今後の対応 S1-2 血液培養から検出された VCM 低感受性 Staphylococcus capitis subsp. ureolyticus 綜合病院山口赤十字病院岩本孝子 Staphylococcus capitis subsp.ureolyticus( 以下 S.capitis-ureo) をはじめとするコアグラーゼ陰性ブドウ球菌 (CNS) は ヒトの皮膚 粘膜に常在する菌である 一般に CNS の病原性は黄色ブドウ球菌より低く健常人において通常問題とならないが血管カテーテル関連感染において CNS は主要な起因菌であり 時に心内膜炎や髄膜炎に進展することもある 血液培養より CNS が検出された場合 その多くが汚染菌とされることが多いため 感染症か否かの鑑別が重要となってくる 今回 血管カテーテル留置患者において カテーテル先端培養と血液培養から S.capitis-ureo が検出され カテーテル抜去後に解熱したことよりカテーテル関連感染による敗血症と判断した また 血液培養の薬剤感受性が VCM 低感受性であったことから以下の項目について ICT が対応した 1. 薬剤感受性再検査 その他の薬剤感受性方法での結果比較 2. 患者背景調査 3. 院内感染対策サーベイランス (JANIS) への報告 国立感染症研究所へ精査依頼 4. VRE スクリーニング検査実施 5. 臨床へ最終結果報告 6. 今後の院内職員研修会の課題 抗菌薬の適正使用について ICT ラウンドの結果 本患者は TEIC が長期間投与されていることが判明した その影響によりグリコペプチド系抗菌薬 (TEIC VCM) の MIC 値が上昇したと考えられた グリコペプチド耐性遺伝子は保有していなかったが TDM を含めた抗菌薬の適正使用の必要性を痛感した事例であった 微生物検査室は 分離菌情報をもとに院内での感染状況を最初に把握できる部署であることを忘れてはいけない 臨床検査技師だからこそ気付く点を活かし ICT メンバーの一員として臨床の場に出向いて活動していきたいと考える 15

17 シンポジウム耐性菌事例と今後の対応 S1-3 耐性菌日報を用いた感染対策活動について 健和会大手町病院医療安全管理部 春木義範 諸永幸子 (ICN) 臨床検査部細菌室大久保孔平 永原千絵 河原みどり 目的 当院は 市内の救急搬送数(14.1%) を占める急性期病院と 協力連携施設を持ち 地域に根ざした医療活動を展開している その為 当院を訪れる患者の感染に対するリスクも高く 医療を提供する場が病院から在宅 長期療養施設へと移行している情勢とも絡まって 医療関連感染 が提起され 耐性菌管理が感染対策上 大きな問題となっている 耐性菌検出の動向を調べ 結果をリアルタイムに対象部署へ返し 対策の徹底を図る目的で 耐性菌日報 を作成してきた その経過と活用状況 今後の課題について報告する 方法 当院での基準で判定した耐性菌が検出された患者のフォロー培養検査の提出を MRSA 緑膿菌 : 2 回 / 週 ESBL:1 回 /10 日と定義し実施した 結果を細菌システムから抽出し 一覧表にまとめ 全病棟へ配布 ( 特に重要な菌は赤字で警告 ) し 接触感染対策の開始 継続 終了を提示する 対策の遵守状況を病棟ラウンドにて確認する 結果 院内で検出されている耐性菌の把握ができ 接触感染対策の開始の遅れや漏れが殆んどなくなっ た 特に 緑膿菌に関しては 2 剤耐性が検出されていることを提示し 多剤耐性緑膿菌の発症予防につな げる活動が出来ており スタッフの耐性菌に対する知識の向上が図れている 考察 対策の実施状況の点検についてはラウンドにて行っているが まだ十分なものとは言えず 病棟に よってその対策内容に温度差が生じている また 検出数の把握や感染暴露予防に対策が留まっており 耐性菌自体の減少に対する取り組みが遅れている 結論 耐性菌日報の分析を更に深め 活用方法について検討し 医師 コメディカルを含めた全職員が 感染対策を遵守できる事が今後の活動課題である 16

18 シンポジウム耐性菌事例と今後の対応 S1-4 当院で実施している多剤耐性緑膿菌をはじめとする緑膿菌への院内感染対策 国立病院機構九州がんセンター臨床検査科 川上洋子 大島悦子 はじめに 多剤耐性緑膿菌 (multi-drug resistant Pseudomonas aeruginosa;mdrp) は 1 現在認可 承認されているほぼ全ての抗生剤の効果が期待できない 2 病院環境 ヒト腸管内に定着しやすく 一旦定着するとその除去が困難である 3 免疫不全宿主に肺炎や敗血症を発症した場合 重篤化しやすい 以上の理由より 医療施設内で監視と対策が求められている 近年 当センターにおいて MDRP のアウトブレイク事例 およびその分離率の増加が確認された これらの事例を受け ICT で実施した対策と成果を報告する 経過 (1)MDRP アウトブレイク事例 A 病棟入院中の患者 a( カテーテル尿 ) より MDRP が分離された その 1 ヵ月後 同病棟入院中の患者 b( 回腸導管尿 ) と患者 c( 創部 ) から MDRP が分離された 患者 a と b は泌尿器科 患者 c は骨軟科入院中であった 環境検査において洗浄後の安楽尿器より MDRP が検出された パルスフィールドの結果 患者 aとc 尿器から分離された株は同一株の可能性が示唆された 以上より ICT では1 接触予防策の徹底の指導 2 水周りの清掃手順見直し 3 処置の順番の見直しを実践した これら対策後にも泌尿器科所属の患者 d( 回腸導管尿 ) 患者 e( 閉鎖性膿 ) 患者 f( 回腸導管尿 ドレーン) より MDRP が継続的に分離され 終息は初発分離より 10 ヶ月後であった (2)MDRP 分離数の増加 (1) のアウトブレイク事例を受けて MDRP 分離数が 2004 年 2 例 2005 年 6 件 2006 年 4 件と増加した また 九州耐性菌ネットワークの集計でも 平成 18 年度の総分離菌数に対する Pseudomonas aeruginosa 分離率は参加施設平均より低かったものの MDRP 分離率は 3.5% と 参加施設平均を上回っている現状が判明した この状況を受け ICT では1 職員 患者への啓蒙活動 情報提供 2MDRP をはじめとする P. aeruginosa の監視体制の強化を実施した 以上の活動の結果 2007 年 2008 年の MDRP 分離数は共に1 例と減少が認められた また緑膿菌の分離率も減少が認められた まとめ 各種耐性菌の出現を防ぐためには 抗菌剤の適正使用 患者を取り巻く生活環境の整備 患者をケアする職員の感染に対する意識の向上 患者及び患者家族の意識の向上 こういったさまざまな条件が整うことが必要である 同時に外部サーベイランスへの参加 他施設取り組みを積極的に取り込むことも重要である 17

19 シンポジウム耐性菌事例と今後の対応 S1-5 VITEK-2 AES で得られたデータと PCR との相違 新日鐵八幡記念病院厚地美幸 はじめに 当検査室における耐性菌 ESBL 検出は VITEK-2 AES (Advanced Expert System: 感受性検査結果検証システム ) で行っている 報告書に ESBL 産生菌の疑いがあります のコメントを記載し 報告をしている 医師から コメントについて 疑い ということはどう解釈すれば いいのですか? との問いかけがあった VITEK-2 AES が ESBL を検出した場合 当検査室では確認試験を行っておらず ESBL の疑いがあります と報告している ESBL の確認試験を行わないことは 人的問題からやむを得ないとの判断から ICT においても了解を得ており 今後の結果の報告の仕方に関する方針を ICT に対して明確にすることが細菌室の当面の課題である 問いかけを契機に ESBL を確実に検出するには どこまで検査をするか について ひびき臨床微生物研究会に相談した 今回当検査室の一定の基準を設定するために 当院で検出した ESBL 産生疑い株について AES 確認試験 PCR でどのような違いがあるかを比較検討した 材料と方法 2008 年 2 月から 2009 年 3 月までに分離された菌株のMIC 値が CTX 2 μg /ml 又は CAZ 2 μg /ml の腸内細菌科の菌種 および AES で ESBL と判定された腸内細菌科の菌種を用いた 菌種の同定および薬剤感受性測定はグラム陰性同定カード (GNB) グラム陰性菌感受性カード(AST-NO34) を用いて VITEK-2 AES で行った 確認試験は CVA 含有ディスクを用いて行うとともに 産業医科大学泌尿器科で PCR を行った 結果 AES で ESBL と判定された 22 菌株の内訳は E. coli:12/22 株 P. mirabiilis:1/22 株 C. koseri:2/22 であった E. coli では ESBL 産生株はAES/ 確認試験 /PCR で 12/9/9 株であった P. mirabilis では 1/1/1 株であった C. koseriでは 2/2/2 株であった AES と PCR の一致率は E. coli では 75% であった P. mirabilis C. koseri では 100% であった 確認試験とPCRでは全菌種で一致した CLSI で定義されている菌種においては VITEK-2 AES では ESBL 偽陽性 (25%) が認められた 偽陰性は認められなかった 偽陽性と判定された株は AES の表現型が ESBL/ セファロスポリナーゼ,ESBL/ セファロスポリナーゼ / 獲得性ペニシリナーゼと複数の表現型として表示される傾向にあった その他の菌種において AES で ESBL と判定された E. cloacae:3 株 C.freundii:2 株 C. youngae:1 株 E. aerogenes:1 株はすべて ESBL 産生株ではなかった 結語 ESBL における AES と PCR の一致率は E.coliで 75% P. mirabilis, C. koseri は 100% であった 今後 CLSIの定義している菌種に関しては確認試験を行わず 報告書に ESBL 産生菌の疑いがあります 院内感染に御注意ください と コメントを記載し 報告することとした その他の菌種は ESBL 産生菌の確認中です のコメントを記載して中間報告することにした 後日 ひびき臨床微生物研究会で PCR を行った結果をコメントし 最終報告する ICT との連携で当院の ESBL 産生菌検出法の一定基準の設定が確立できた ESBL に限らず耐性菌の動向に注意を払い 院内感染防止対策に努めたいと考えている 18

20 シンポジウム耐性菌事例と今後の対応 S1-6 当院で経験した MDRP 感染事例とその対策 KKR 新小倉病院臨床検査科 右田忍生野陽子 外来で尿から MDRP を検出 入院した場合の院内感染対策の顛末を報告する 患者 68 歳男性 平成 17 年 3 月脳梗塞疑いで他院受診後当院入院 入院中に腎結石を認め 他院にて破砕した 8 月 脳梗塞の定期受診 尿培養で Pseudomonas aeruginosa を 10 5 個 /ml 検出 薬剤感受性は KB 法で ABPC PIPC CTX CAZ CPR CPDX IPM MEPM AMK ISO MINO CPFX LVFX 全て阻止円を認めず耐性 多剤耐性緑膿菌 (MDRP) として報告 院内感染対策 当時は 薬剤耐性菌の管理は入院患者のみ対象としていた MDRP を検出した患者は常在菌化が推測され また脳梗塞での再入院の可能性が高いので ICT で入院時の院内感染対策を検討した 1 看護部 : 当院での MDRP の検出は過去になく 菌の存在の認識は皆無であった 看護部長の要請で 病棟毎の研修会を以下の内容で実施した 1) MDRP はほとんど全ての薬剤に耐性で治療が困難 2) 長期入院 抗菌薬の長期投与 抗腫瘍薬 ステロイド薬投与 尿路カテーテル留置がリスクファクターである 3) 感染形式は 接触感染 院内の環境に棲みついた菌が頑固に棲息して色々なルートで定着する 4) 湿潤箇所の消毒を徹底することが有効である ICT では 手洗いと尿の管理方法を再確認した また 時間外 休日に入院した場合を想定して 1) カルテ表紙に MDRP 保菌者の可能性が高いことを記載 2) 個室管理 3) マスク ガウン使用を決めた 2 臨床検査科 : 平均検出数の 2SD の切り上げ値を病棟毎にサーベイランス値と設定し 緑膿菌の検出状況を監視する 緑膿菌を検出したら MDRP でないか全例検査する 院内感染は全ての薬剤耐性菌が対照であるが MRSA を PFGE 検査することで院内感染対策を監視し 長期入院患者 易感染患者の把握と迅速対応を心掛けている MDRP を検出した患者は 平成 18 年 1 月以降 3 回入退院を繰り返している 尿から継続して MDRP は検出されるが 現在まで院内感染は認めていない 課題 平成 17 年から 3 年間が経過しようとしているが 医師や看護師の退職で当時のスタッフが少なくなり 当時を知らない新人看護師が増加している 院内感染対策が曖昧になり 風化しないような院内感染対策 と効果のある指導を模索している 施設概要 ベット数 :310 床 診療科 : 内科 ( 肝臓 糖尿病 消化器 呼吸器 血液 ) 外科 呼吸器外科 整 形外科 泌尿器科 小児科 脳外科 歯科 皮膚科 眼科 婦人科 細菌検体数 :220 件 細菌検査担当技師 数 : 常勤 1 名 補助 3 名 19

21 ひびき臨床微生物研究会招請講演 L3 酵素としての β-lactamase - 遺伝子検出結果と酵素検出結果の乖離 - 東邦大学医学部微生物 感染症学講座 石井良和 一昔前 酵素学は生化学の主要研究分野のひとつであり 日本でも多くの研究者が酵素学的研究に参画していた β-lactamase に関する研究も 東京大学や群馬大学 微生物化学研究所などが世界をリードする研究を推進していた しかし 新規抗菌薬の開発速度が鈍るとともに 日米におけるβ-lactamase についての酵素学的研究は衰退した さらに 酵素学の衰退に追い討ちをかけたのが分子生物学的手法の目覚しい進歩 発展であった すなわち PCR による遺伝子検出や DNA 塩基配列決定が迅速且つ安価で行えるようになると 主要な研究機関や臨床検査室の研究者らもそれらの方法を取り入れ 耐性菌の薬剤感受性と DNA 塩基配列だけを報告するに留まるようになってしまった 遺伝子検出および DNA 塩基配列の決定が酵素の本質を見ることに繋がるのだろうか?DNA 塩基配列を決定すれば あるいはそのデータからアミノ酸配列を推察すれば酵素の基質特異性を知ることができるのだろうか? 答えは 否 である いくら分子生物学的手法が発達しても 現時点において酵素の特徴までその DNA 塩基配列から推察することはできないのである β-lactamase の酵素学的研究はヨーロッパの限られた研究室で続けられてきた 酵素学的パラメータは 生化学の教科書にも記載があるように ミカエリス メンテン方程式を変形することにより得られてきた 最近の コンピュータの性能が飛躍的に向上したことから酵素学的パラメータは 方程式の変形を基にして求めるのではなく 実験値を直接コンピュータに入力することで得ることが可能となった このような状況の下 困難なのは 酵素の大量発現系の構築と大量精製であろう しかし これらは開発された様々な分子生物学的手法や様々な市販のキットが解決してくれる 今のβ-lactamase に関する研究の多くは 木を見て山を見ず という状況である 今 分子生物学的手法は誰でも手が届くようになり さらにタンパク質の X- 線結晶解析もその気にさえなれば手が届く時代になった これらの技術あるいはデータと酵素学的パラメータを組み合わせることができれば 精度が高く意義深い結論を導き出すことができると考えている 今回は いくつかのβ-lactamase の酵素学的パラメータ算出の実際を提示し パラメータの持つ真の意味を平易に解説する さらに 分子生物学的手法の有するパワーや遺伝子の存在が細菌の耐性と直接結びつかない例についても紹介する 20

22 ナイトセミナー C3 改訂版 JRS 成人院内肺炎診療ガイドライン 2008 ~ 各カルバペネム系薬の位置付けを中心に ~ 大日本住友製薬 ( 株 ) 学術企画部末延喜代子 2008 年 6 月 16 日に神戸で開催された 第 48 回日本呼吸器学会学術講演会 において 改訂版 JRS 成 人院内肺炎診療ガイドライン 2008 が発表されました 2002 年版ガイドラインに関する検証データが論文化され これらのデータを基に より予後と相関する因子を選択し 新しいガイドラインの作成作業が行われました 前回のガイドラインが若干煩雑で使いにくい面もあったため できるだけ簡便で実用性の高い治療指針になることを目標としています この数年 抗 MRSA 薬をはじめとする抗菌薬の開発もあり これらの使用についても一定の指針が示されています 米国の院内肺炎ガイドラインは 2005 年に発表されていますが このガイドラインの最も大きな特徴は de-escalation という治療戦略を基本としている点です これは 病歴から耐性菌関与の可能性を推定して 耐性菌関与が疑われる院内肺炎では 広域スペクトラムを有する抗菌薬を救命のために積極的に投与し 平行して行われる原因菌検査の結果を待って 2~3 日後により狭域の照準を絞った抗菌薬に変更する という治療戦略です 今回の改訂版 JRSガイドラインでもこの de-escalation 治療の考え方が具体的に導入されています その他の主な改定ポイントは 1 新重症度分類生命予後に重点を置いた重症度分類であり 生命予後予測因子 (5 項目 IROAD) と肺炎自体の重症を規定する因子 (2 項目 ) より 病型を単純に3つの群に分類 2 抗菌薬選択系統が同じでも 製品毎にポテンシャル ( 抗菌力 耐性など ) が異なるため 抗菌薬は系統ではなく 製品名毎に推奨 PK-PD に基づいた十分量投与の考え方を積極的に取り入れ 推奨される用法 用量を明記 エビデンス ポテンシャル PK-PD に基づいた十分量 の観点から代表薬を抽出し明記 ( それ以外は代替薬として推奨 ) 今回は特に 改訂ポイント 2 抗菌薬選択について紹介させていただき 中でも各カルバペネム系薬の位置 付けについて ガイドラインから抜粋する形で紹介させていただきます 21

23 ナイトセミナー N1 いまさら聞けない こんな事 Q&A 海外の学会では 朝 7:00 ごろから meet-the-expert と称して 簡単な講義に引き続き そのあと会場からの free な質問に数名の専門家が答えるという session が組まれています 質問内容は非常に単純なものが多く 調べればすぐわかるようなものがほとんどです 参加者も現場で実際に仕事をしている人たちで 何を聞いても答えるというのが この session の目的のようです 前回のシンポジウム終了後に 講演の内容でなく 日常の検査などに関して 質問したいことがあったという方が数名いらっしゃいました そこで 本会では 早朝ではなく ナイトセミナーで企画することにしました 第 1 部では これまで寄せられた質問の中からいくつか選んで 解説させていただきます 第 2 部では 今回寄せられた質問ならびに その場での質問に分かる方が答えるというフリーディスカッション形式で進めたいと思います この世界に入って短い方も含め なんでも聞くことができるようなものにしたいと思っていますので みなさん御参加ください 22

24 ナイトセミナー N2 認定臨床微生物検査技師制度試験について 北九州総合病院有馬純徳 認定臨床微生物検査技師制度において 平成 21 年 1 月現在 438 名が認定 登録され また ICMT( 感染制御認定臨床微生物検査技師 ) は 356 名が登録され 各現場で活躍されているものと思われる ひびき臨床微生物研究会では 認定臨床微生物検査技師取得を推奨しており 希望者に対して支援を行っている 現在 8 名の会員が取得している 感染管理の重要性は現場では浸透しつつあるが 保険点数その他での恩恵は全くないと言って良い 院内感染対策は 感染管理担当者の目に見えない 数字では表せない日々の努力により維持されているとも言える 認定臨床微生物検査技師についても その資格が評価されている施設は数少ないが 資格取得のために学ぶ臨床微生物学 感染管理等の知識は いざと言う時の助けになるものと信じている skill up の為 院内の感染管理の牽引車を目指す為 認定臨床微生物検査技師資格取得に try してみましょう 23

25 一般演題 2 2 日目 6 月 28 日 ( 日 ) 門司赤煉瓦プレイス赤煉瓦交流館 G3 北部九州 山口地区において分離された肺炎球菌の薬剤感受性について ひびき臨床微生物研究会共同研究 北九州市立医療センター宿輪優子 目的 ひびき臨床微生物研究会では 北部九州および山口地区の多施設共同研究として 1999 年より ペニシリンなどの各種抗菌薬への耐性化が問題となっている Streptococcus pneumoniae について 薬剤感受性および耐性機序の検討を行うことを目的として 菌株の収集を行っている 2009 年の収集は 11 回目の収集に当たる 方法 毎年 1 月から 2 月の任意の 4 週間に臨床材料より分離された S. pneumoniae 全株を対象とした 調査項目は 検体採取日 検査材料名 患者 ID 年齢 性別 入院外来の区分とした MIC 測定培地は 5% 馬溶血血液加 CA-Mueller Hinton Broth を用い 測定薬剤は β-lactam, キノロン系 Tetracycline 系 マクロライド系など 23 薬剤とした 同一患者同一検体由来株は1 株とした 2008 年は 68 施設 367 株 2009 年は 80 施設 373 株が対象株となった 結果 2008 年の結果は 年齢分布は 15 歳未満 62.7%(230/367) 歳 11.7%(43/367) 65 歳以上 25.6%(94/367) であり 男女比は 196/171 であった PSSP は 41.1%, PISP 39.8%, PRSP 19.1% であった また PCG および amoxicillin 耐性株 ( 8μg/ml) は存在せず 4μg/ml を示す株がそれぞれ 1.1 および 0.3% 存在しただけであった LVFX 耐性株 ( 8μg/ml) は 4.6% (24/367) 存在し 65 歳以上では 14.9% (14/94) に達しており 入院患者に限定すると 21%(13/62) に達していた GRNX は 1μg/ml ですべての株の発育を阻止した CFDN, CDTR, CFPN および FRPM 耐性株 ( 2μg/ml) は 38.4, 2.2, 11.2 および 0.3% であり 年齢による差異はほとんどみられなかった CLDM, AZM, CAM の耐性率は 50% 前後であったが TEL 耐性株は 1.1% であった まとめ LVFX 耐性株は 2002 年以降全体の 5% 高齢者で 15% 前後で推移している 現在 2009 年の データを集計中であり 集計が間に合えば報告したい 24

26 一般演題 2 G4 北部九州 山口地区で分離された大腸菌の感受性および耐性機序について -ひびき臨床微生物研究会共同研究- 九州厚生年金病院芳賀由美ひびき臨床微生物研究会村谷哲郎 花村 ( 李 ) 静香 小林とも子 美那元勇希 後藤令子 池浦智恵子 土居和剛 犬塚幸枝 村田牧子 中山麻衣 和田明子 本田雅久 篠崎久輝 厚地美幸 川上洋子 薬師寺博子 重高正行 兵藤由紀江 横溝勝 小野周一 目的 大腸菌は尿路感染症や化膿創 髄膜炎 創傷感染 腹膜炎など種々の感染症の主要起炎菌である 大腸菌に感受性を有する抗菌薬は多数存在する しかし近年各種耐性株が出現してきており その増加が問題となってきている 北部九州 山口地区での現状を明らかにすることを目的としてひびき臨床微生物研究会多施設共同研究として実施した 材料と方法 2008 年 4 月から 6 月の間に便を除く臨床材料より分離され 薬剤感受性の依頼のあった株 を対象とし 4 週間または 1 施設 30 株を最大収集対象とした 薬剤感受性は 25 薬剤について寒天平板希 釈法にて実施した 解析項目は施設病床数 年齢 入院外来区分 検査材料とした 結果 会員施設のうち 6 病院 2 検査センターが本研究に参加し 同一患者同一検査材料由来の株を除外し 大腸菌は 計 101 施設 913 株を調査対象株とした CLSI の break point を超える耐性率は ABPC 60.4% CPDX 22.0% LVFX 46.7% MINO 23.0% FOM 1.2% ST 合剤 31.2% であった 入院患者由来株の病床数別感受性率において 20 から 300 床の施設から分離された株と 301 床以上の施設から分離された株を比較すると ABPC PIPC LVFX MINO ST 合剤 GM TOB で有意差を認め 301 床以上の施設分離株の感受性率が高い結果となった ESBL 産生株は 45 施設から分離され 913 株中 162 株で分離率は 17.7% であった 入院患者由来株では 27.0%(488 株中 132 株 ) 外来患者由来株では 7.1% で有意差が認められた 考察 一般に使用頻度の高いセフェム系やキノロン系薬剤に耐性を示す株が高頻度に分離された 薬 剤感受性の変遷に伴い ガイドラインを含め 使用する薬剤および感受性測定を行う薬剤の変更を考慮す る必要があり サーベイランスは重要であると考えられた 25

27 S2 第 2 回ひびき臨床微生物研究会サーベイ結果報告 木戸直徳 村田牧子 方法 菌株は 4 種類準備し いずれも入院患者から分離されたものである A B C D 年齢 性別 女性 女性 女性 男性 材料 尿 静脈血 尿 喀痰 検体送付はチャコール含有スワブ 実施項目は培養同定 薬剤感受性検査である なお 同一施設で複 数の参加者は順番をずらして発送した 24 名の参加者中 22 名より回答があった 同定結果 A は MBL 産生 E. coli 22.7%(5/22) ESBL 産生 E. coli 9.1%(2/22) ESBL+MBL 産生 E.coli 45.5%(10/22) ESBL + Class C 産生 E. coli 13.6%(3/22) E. coli 9.1%(2/22) であった B は ESBL 産生 E. coli 100%(22/22) であった C は Class C 産生 K. pneumoniae 36.4%(8/22) ESBL 産生 K. pneumoniae 9.1%(2/22) MBL 産生 K. pneumoniae 4.5%(1/22) ESBL+MBL 産生 K. pneumoniae 4.5%(1/22) ESBL + Class C 産生 K. pneumoniae 4.5%(1/22) 多剤耐性 K. pneumoniae 9.1%(2/22) K. pneumoniae 31.8%(7/22) であった D は Class C 産生 K. pneumoniae 9.1%(2/22) ESBL 産生 K. pneumoniae 9.1%(2/22) MBL 産生 K. pneumoniae54.5%(12/22) K. pneumoniae 27.3%(6/22) であった 薬剤感受性結果 産業医大との乖離のあったものでは A は CAZ の MIC 値 8~16μg/ml(2/22,9.0%) AZT の MIC 値 8 ~>16μg/ml(6/22,27.3%) であった B は CAZ の MIC 値 4~ 8μg/ml(5/22,22.7%) AZT の MIC 値 8~16μg/ml(5/22,22.7%) であった C は IPM の MIC 値 4μg/ml(3/22,13.6%) であった D は CTX の MIC 値 32μg/ml(7/22,31.8%) CAZ の MIC 値 4~ 8μg/ml(10/22,45.5%) AZT の MIC 値 >16μg/ml(1/22,4.5%) であった 当日はディスク法と他の薬剤感受性およびコメントも合わせて報告する 26

28 企業セミナー 2 C4 IKL OIML VP 半流動培地を用いた腸内細菌同定の有用性 栄研化学株式会社マーケティング推進室第三部中村俊三 はじめに現在 各種感染症の原因菌の同定は簡易検査キットや自動機器を用いた方法が普及しているが 運動性やガス産生 糖分解試験項目の成績不一致から菌名が異なることがあるようである 今回 旧来より商品化されている生化学的性状試験用の試験管培地である IKL OIML VP 半流動培地の 3 種類 を用いた腸内細菌同定の有用性について紹介する 腸内細菌同定における 3 種類の試験管培地の有用性 1) 細菌同定の基本である生化学的性状試験法に則った試験管培地である 本製品は細菌検査同定法の基本である生化学的性状検査法に則った方法であり 基本的な性状が発現される 2) 試験管培地 3 種類で 臨床で検出される腸内細菌の 96.2% が同定できる この 3 種類の試験管培地を用いることにより生化学的性状 10 項目を確認でき 臨床から検出される腸内細菌の 96.2 %(27 種類 ) の菌種を同定できる 3) ガス産生や運動性の性状を確認でき 同定精度を向上させることができる 本試験管培地 3 種類の培地を用いることにより Shigella Klebsiella Citrobacter などの運動性およびガス産生の情報を得ることができる 4) 同定コストの削減ができる 臨床で検出される腸内細菌の 96.2% を 本試験管培地 3 本 (10 項目 ) の培養性状で同定できるので同定検査を安価に行える まとめ臨床細菌検査における同定検査は 感染症患者への有効な抗生剤選択と投与および院内感染対策上の疫学調査などに必要な感染症原因菌を特定するために必須な検査項目である 今回 紹介した試験管培地 (IKL OIML VP 半流動培地 ) は 同定の基本である生化学的性状試験に則り 菌種決定に重要な運動性やガス産生などの情報を得ることができる 簡易同定キットが普及した現在でも性能やコスト面で有用な方法であることから IKL OIML VP 半流動培地の 3 種類の試験管培地の同定試験への導入を今一度提案する 27

29 企業セミナー 2 C5 全自動細菌検査装置ライサス RAISUS におけるクリンダマイシン (CLDM) 誘導 耐性ブドウ球菌検出に関する検討 日水製薬株式会社マーケティング部企画開発グループ岩脇研次 目的 CLSI2008 年版 (M100S18) で 既存のディスク拡散法 (D-zone test:d-test) に加え 微量液体希釈 法による Staphylococcus 属のクリンダマイシン (CLDM) 誘導耐性菌検出方法が提案された 本方法に準じ た全自動細菌検査装置ライサスでの検出性能について検討したので報告する 材料と方法 供試菌株は 当社保存の Staphylococcus 属 442 株 (S. aureus 252 株 S. lugdunensis 20 株 CNS 170 株 ) よりエリスロマイシン (EM) 耐性 CLDM 感受性の Staphylococcus 属 74 株 (S. aureus 43 株 CNS 31 株 ) を検討対象とした 対照法として用いた D-test の判定は CLDM の阻止円が EM 側で平坦化する変形を認めた株を誘導耐性陽性 変形を認めなかった株を陰性とした ライサスでは 酸化還元指示薬 CLDM/EM 合剤 =0.5/4(μ g/ml) ウェルを含むパネルを作製し ライサス 18 時間法ならびに迅速法にて 当該ウェルの発育を自動判定した 結果 S. aureus 43 株 (MRSA 25 株 MSSA 18 株 ) の内 誘導耐性陽性 42 株 (MRSA 24 株 MSSA 18 株 ) では ライサス 18 時間法 迅速法ともに CLDM/EM=0.5/4(μg/ml) 合剤ウェルの発育が認められ 誘導耐性陰性 1 株 (MRSA) では両法ともに同ウェルの発育を認めなかった CNS 31 株 (MRCNS 28 株 MSCNS 3 株 ) の内 誘導耐性陽性 17 株 (MRCNS 15 株 MSCNS 2 株 ) ではライサス 18 時間法 迅速法ともに CLDM/EM=0.5/4(μg/ml) 合剤ウェルの発育が認められ 誘導耐性陰性 14 株 (MRCNS 13 株 MSCNS 1 株 ) では両法ともに同ウェルの発育を認めなかった 以上から 本検討ではライサスによる CLDM 誘導耐性菌の検出に関し 感度 特異性ともに 100% であることが確認された 考察 EM 耐性 CLDM 感受性の Staphylococcus 属では CLDM 誘導耐性菌と真の感受性菌との判別 が重要である 本耐性菌についても D-test に代わり 他の耐性菌 (ESBLs MRSA VRE PRSP 等 ) の検 査と同様に 同一システム内の日常検査の中で容易かつ自動的に判別可能であることが示唆された 28

30 企業セミナー 2 C7 MicroScan の今後の開発計画 シーメンスヘルスケア タ イアク ノスティックス株式会社甲斐秀喜 1976 年に発売以来 マイクロスキャンシステムは 多くのお客様に愛用されてまいりました お客様のご要望や CLSI の改正に伴い 機器 試薬の改良や改善に取り組んできました 今回は マイクロスキャンシステムが開発に手がけております 試薬 ソフトウェア 機器について紹介させていただきます これからも 正確性を追及した同定 薬剤感受性検査を基盤とし患者様視点を重視した微生物検査の発展に貢献していく予定です 試薬 : 酵母様真菌 Comb ハ ネル一般細菌検査様ハ ネルの新薬搭載ソフトウェア : 新バージョンについて機器 : 新しい機器コンセプトについて 今後も 皆様方のご意見を取り入れながら 新しい判定基準 新しい機能を搭載させていくことにより 更 に臨床に貢献できる検査機器 試薬を開発していきますので 皆様の参考になるご意見をよろしくお願い いたします 29

31 一般演題 3 G5 当院における ESBL 産生菌の現状 社会保険大牟田天領病院細菌検査室山﨑康一 目的 当院では 2003 年より ESBL 産生株が分離されて以来 急速な増加傾向を認めてきた 2003 年から 2009 年 4 月までの 6 年間に当院で分離された ESBL 産生株の分離状況およびの耐性型について調査を 行ったので報告する 材料および方法 菌株:2003 年から 2009 年 4 月までの 6 年間で分離された Escherichia coli 190 株 Proteus mirabilis 146 株 Klebsiella pneumoniae 5 株の計 340 株を対象とした 薬剤感受性は MicroScan Walk Away にて実施し CLSI スクリーニング基準に従った株を ESBL スクリーニング陽性株とした CPDX CAZ CTX のそれぞれの CVA 含有ディスクで確認試験を行い 5mm 以上の阻止円直径拡大したものを ESBL 産生株として 産業医科大学に菌株を送付した PCR の確認 : 全株 β-lactamase 5 type (CTX-M-2, CTX-M-3, CTX-M-14, TEM, SHV) を target として PCR を実施した 結果 E. coli は CTX-M 株 UOE-2 39 株 UOE-1 14 株 CTX-M-2 6 株 その他複数の type 10 株であった P. mirabilis は CTX-M 株 CTX-M-2&CTX-M-3 3 株であった K. pneumoniae は CTX-M-2 CTX-M-24 DHA&UOE-2 SHV-12 UOE-1 がそれぞれ 1 株ずつであった まとめ E. coli は CTX-M-3 type がほとんどを占めていた 大牟田市は P. mirabilis の ESBL 産生株は非常 に多く分離されるのに対して C. koseri の ESBL 産生株は全く分離されないという特徴にあった K. pneumoniae に関しては特定の type に偏る傾向は認めなかった 考察 E. coli P. mirabilis は 2006 年まで急激に増加傾向を認めたが 2007 年以降分離数は減少傾向を認 め 感染対策の強化 手洗いの啓蒙活動 指定抗菌薬届け出制度など ICT で介入した成果がやっと見ら れたと考えられた 今後も少しでも臨床へ貢献できるように努めたい 30

32 一般演題 3 G6 各種 MRSA スクリーニング培地の MRSA 検出に関する比較検討 ひびき臨床微生物研究会共同研究 ( 株 ) キューリン美那元勇希 後藤令子 池浦智恵子 小林とも子 はじめに CLSI は MRSA の phenotype による判定基準として oxacillin の MIC 4 μg/ml 以上示す株という基準を示していたが 2004 年に cefoxitin disk の追加が推奨され 2007 年にはその判定基準が変更 2008 年には cefoxitin の MIC 値が 8μg/ml 以上という判定基準も加えられた これらの基準の追加は meca を有するが oxacillin の MIC が低い株が特に市中を中心に増加しているためと考えられる これに伴い 各種 MRSA スクリーニング培地の処方も変更改良が行われている これらの培地を比較検討する目的で Staphylococcus aureus 臨床分離株のうち 特に oxacillin および cefoxitin の MIC が判定基準付近の株を中心に選択し検討を行った 方法 2005 年以降北部九州 山口地区より分離された S. aureus のうち PCR にて meca 陰性となった株については oxaccillin の MIC 0.25~0.5μg/ml を示す 4 株 MIC 2~4μg/ml を示す 14 株 meca 陽性となった株については oxacillin の MIC 1~2μg/ml を示す 25 株 4~8 を示す 35 株 32μg/ml を示す 3 株の計 81 株を用いた これらの株に対する cefoxitin の MIC は meca 非保有株で 2~4μg/ml meca 保有株で 4~32μg/ml を示した MRSA スクリーニング培地としては 5 社 ( シスメックス 日水 BD 関東化学 極東製薬 ) の 8 種類を使用した 結果 meca 保有 63 株に対して 菌の発育を認めない偽陰性株数は A 4, B 8, C 4, D 17, E 1, F 38, G 2, H 4 株であった meca を非保有 18 株の偽陽性株数は A 2, B 5, C 2, D 3, E 5, F 3, G 4, H 2 であった まとめ MRSA スクリーニング培地は oxacillin および cefoxitin の MIC が高い通常の MRSA は確実に発育し MIC の低い MSSA の発育は確実に抑制するため 日常検査における有用性は高い 今回用いた判定境界値付近の株は 2006 年および 2007 年に北部九州 山口地区で行った我々の検討では 3% 以下であったが 検査室としては無視できるレベルではない Oxacillin を用いた BD MRSA スクリーニング培地 (18/63) 極東 MDRS-Ⅱ 培地 (38/61) の検出率が明らかに低かった 今回用いた培地の Lot などの影響も考えられるので 培地の優劣を決定することは出来ないが 今回の検討では cefoxitin を用いた培地が優れいていると考えられた しかし 今回検討した meca 陽性株の中で cefoxitin を用いた培地でも検出できない株が存在した 考察 CLSI の cefoxitin の判定基準の変更は meca との乖離が少なくなり 有用であると考えられた これらのことを認識し スクリーニング培地を過信せず使用する必要がある また 日常検査では oxacillin および cefoxitin 両薬剤で検査することが必要である 判定境界線上にある菌株は現在のところ 3% 未満であり どの培地を使用しても 95% 以上の信頼性はあるが このような境界線上の菌株の分離頻度を 今後このような株の動向を調査することは重要であると考えられる 今後は選択培地の Lot などの影響も考慮し より多数の菌株で検討する必要がある 選択培地としては 偽陰性が可能な限り少なく 偽陽性が少ないことが理想であり 選択培地を使用する場合の重要な選択基準である 31

33 ランチョンセミナー 2 L4 カルバペネム抗菌薬の特徴と使い分け -E. coli および K. pneumoniae における耐性株の出現 - 産業医科大学医学部村谷哲郎 最初のカルバペネム系薬は 1976 年に土壌菌である Streptomyces cattleya から単離された thienamycin である 残念ながら この物質は不安定であり そのまま薬剤として使用することはできなかったが 米国メルク社が いわゆる 2 位の置換基を修飾し 比較的安定な化合物 imipenem を誕生させた この化合物もヒトの腎尿細管基底膜に多く存在する dehydropeptidaseⅠにより分解され 分解産物が毒性を示すことから簡単には薬剤とならなかったが 分解阻害物質である cilastatin という物質と合剤とすることにより ヒトに使用することができるようになり 本邦では 1987 年に上市されたのである その後 腎尿細管細胞への取り込みを阻害する betamipron との合剤とすることで panipenem が上市されたが その後の開発は特許上の問題などにより 他社では難しいと考えられていた 現在もっとも使用されている meropenem は住友製薬により開発された薬剤であるが この薬剤はいわゆる 1 位に methyl 基を導入することにより dehydropeptidaseⅠに安定性を獲得し 単剤での使用を可能とした薬剤である その後上市された biapenem, doripenem, ertapenem ( 日本では未発売 ), tebipenem はすべてこの構造を有している カルバペネムの特徴として 緑膿菌に強い活性を有することが挙げられるが ertapenem と tebipenem の抗菌力は弱く 緑膿菌を対象菌種とはしていない Ertapenem は半減期が長く 1 日 1 回投与が可能であるという特徴を有する注射剤であり tebipenem は世界初の経口カルバペネムである 現在本邦で汎用される注射剤 4 剤は 体内動態には大きな差異を認めないが 用法用量 副作用 抗菌力 抗菌スペクトルには差異を認めるため これらを把握しておくことにより 使い分けに対する基礎的な考え方の一助となるであろう もう一つの特徴として ESBL を含む Class A β-lactamase ならびに Class C β-lactamase に対して非常に安定であることが挙げられる したがって Enterobacteriaceae に対して抗菌力が強く 本邦では metalloβ-lactamase 産生 Serratia marcescens を除けば 耐性株はほとんど報告されていない これは カルバペネムが Enterobacteriaceae の多くの菌種が染色体上に保有する AmpC β-lactamase に対して極めて安定であること 近年急増している外来性の ESBL にも安定であること さらに外膜透過性が優れているため カルバペネムを分解可能な metallo-β-lactamase 保有株であっても 多くの場合 MIC の上昇を認めないためである 海外では 外来性 Class A β-lactamase である KPC type β-lactamase などによるカルバペネム耐性 Klebsiella pneumoniae の出現 増加 病院感染に関する報告がなされている このβ-lactamase はプラスミド上に存在するため K. pneumoniae に限らず E. coli などその他の Enterobacteriaceae から分離されている 本邦では報告されていないが 欧米だけでなく中国でもすでに報告されており 本邦での分離も時間の問題であろう 現在実施中の 2009 年ひびき臨床微生物研究会腸内細菌科の収集では KPC 疑い株が分離されており 現在解析中である また これまでにカルバペネムに明らかな耐性を示す Klebsiella pneumoniae および Klebsiella oxytoca がひびき臨床微生物研究会共同研究で収集されており 耐性機序について解析中である 32

34 一般演題 4 G7 新たな PCR 技術 (DPO) を応用した髄膜炎及び下痢症の細菌検査システム 株式会社シージェン 金大榮 ( キムデヨン ) Seegene Inc. Kim Daeyoung 従来のプライマーで PCR (Polymerase Chain Reaction) を行う場合 プライマーデザイン PCR 反応の最適化 そして非特異的な PCR 産物などによって苦労することがある このため プライマーデザインを変形して様々な PCR 条件を試したが 従来のプライマーを用いた方法で PCR 問題は根本的に解決されない 我々は従来のプライマーの限界を乗り越えるため 機能的 構造的な面で従来のプライマーとは異なる Dual Priming Oligonucleotides (DPO TM ) プライマーを開発した DPO TM は Polydeoxyinosine Linker (poly(i) linker) によって2ヶ所のプライミング領域 (5 末端と 3 末端 ) を持って デュアルプライミング反応によりターゲット遺伝子だけを特異的に増幅することができる この DPO 技術により非特異的な増幅を回避する非常に高い特異性と多菌種同時測定 ( マルチプレックス ) を実現することができた 今回 我々は分離培養 酵素抗体による抗原検出などで行ってきた髄膜炎と下痢症の細菌検査が簡単に核酸検査でできるマルチプレックス PCR 検査システムを開発して 性能や既存の検査法との相関性を検討した 33

35 一般演題 4 G8 九州がんセンター乳腺科における膿材料の解析 国立病院機構九州がんセンター臨床検査科川上洋子 大島悦子 はじめに 当センターにおいて これまで乳腺科より依頼があった膿材料について解析を行ったので報告する 解析 [ 対象 ]2003 年 10 月 ~2009 年 3 月まで乳腺科より微生物検査室に膿材料が提出され 臨床上感染症と診断された 36 症例を解析対象とした [ 結果 ] 感染症と診断された 36 症例中 内訳は手術部位感染症 (Surgical Site Infection:SSI) が 24 症例 乳腺炎 11 症例 乳房内膿瘍 1 症例であった これら感染症の起因菌は Staphylococcus aureus が 14 株 (48%) coagulase-negative staphylococci(cns) が 5 株 (17%) MRSA が2 株 (7%) と Staphylococcus spp. が感染症全体の約 70% を占めていた 疾患別起因菌では SSI は Staphylococcus spp. が 18 株 (82%) Pseudomonas aeruginosa が2 株 ( 9% ) Streptococcus agalactiae Serratia marcescens がそれぞれ 1 株 ( 5% ) であり Staphylococcus spp. の関与が多く認められた 一方乳腺炎では Staphylococcus spp. Corynebacterium kroppenstedtii がそれぞれ3 株 (43%) Prevotella bibia が1 株 (14%) であり SSI とは異なる内訳であった 一方 臨床所見上感染症と診断されながらも 微生物学的検査で起因菌が分離できなかった症例が 36 症例中 8 症例 (22%) 認められた 8 症例中 5 症例が乳腺炎 3 症例が SSI と臨床診断されていた これら8 症例中 4 症例は 塗抹検査において背景に多数の好中球が確認されながらも 微生物学的検査にて起因菌を検出することができなかった 考察 C. kroppenstedtii は欧米では乳腺炎の起因菌として知られており 最近国内でも分離が報告されている菌であるが 各種自動機器やキットのデータベースに収録されていない 今回の解析の結果 当院では SSI が多い傾向にあった これはがん専門病院としての当センターの性質が大きいと思われる 一方 起因菌が分離できなかった8 症例中 5 症例は乳腺炎という臨床診断であった 我々が経験した C. kroppenstedtii が起因菌となった乳腺炎 2 症例は 塗抹検査において強い炎症背景に少量の菌を認め 培養検査では長時間の培養を必要とする傾向が認められた 乳腺炎と診断されたが起因菌が分離できなかった症例中 3 症例は 塗抹検査で菌は認められなかったものの 強い炎症背景が認められ C. kroppenstedtii の関与の可能性も示唆された 以上より 塗抹検査において炎症背景が認められた場合は 臨床情報の確認と培養時間の延長が必要と思われる 34

36 菌株 A 個人 No. 同定結果 : コメント付き PIPC CEZ FMOX CTX CAZ CPDX AZT CPR IPM AMK Ref. Escherichia coli ND メタロβ 産生菌 E.coli >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R 2:S 8:S 2 メタロβ 産生疑い E.coli >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R <8:S >16:R 2:S <4:S 3 メタロβ 産生疑い E.coli >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R <8:S >16:R 2:S 8:S 4 ESBL+ メタロβ 産生疑い E.coli >64:R >16:R ND 32:R ND ND ND ND 4:S 16:S 5 ESBL Ecoli 128:R 64:R 8:S 8:R 64:R ND 2:R ND 1:S 2:S 6 メタロβ 産生菌 E.coli >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R 16:R >16:R 2:S 4:S 7 ESBL Ecoli >128:R >16:R 4:S ND >16:R ND ND 16:R 0.5:S 1:S 8 ESBL+ メタロβ 産生疑い E.coli >128:R >16:R 4:S ND >16:R ND ND 16:R 0.5:S 2:S 10 E.coli >64:R >16:R 32:I >32:R >16:R >4:R 8:R >16:R 2:S 4:S 11 ESBL Ecoli >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R ND >16:R ND 4:S 16:S 12 ESBL+ClassC E.coli >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R >16:R ND 2:S <4:S 14 ESBL+ メタロβ 産生疑い E.coli >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R 8:S ND 1:S <4:S 15 ESBL+ClassC E.coli >128:R >32:R ND ND 32:R >8:R 4:R >32:R 0.5:S 2:S 16 ESBL+ メタロβ 産生疑い E.coli >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R 1:S 4:S 17 ESBL+ メタロβ 産生疑い E.coli 128:R 64:R 32:I 16:R 64:R ND ND ND 1:S 4:S 18 ESBL+AmpC E.coli 128:R 64:R ND 8:R 64:R 8:R 2:R ND 1:S 2:S 19 ESBL+ メタロβ 産生疑い E.coli 256:R 32:R ND 64:R 16:I ND 8:S 32:R 4:S 2:S 20 ESBL+ メタロβ 産生疑い E.coli 256:R 32:R ND 64:R 8:S ND 8:S 4:R 4:S 2:S 21 E.coli ND >16:R ND >32:R >16:R ND <8:S ND <4:S <16:S 22 ESBL+ メタロβ 産生疑い E.coli R ND ND R R 0mm:R ND ND 20mm:S 23mm:S 23 ESBL+ メタロβ 産生疑い E.coli R ND ND R R 0mm:R ND ND 19mm:S 21mm:S 24 メタロβ 産生菌 E.coli >64:R >16:R 32:I >32:R >16:R ND <8:S >16:R <1:S <4:S ND: 未実施 36

37 菌株 B 個人 No. 同定結果 : コメント付き PIPC CEZ FMOX CTX CAZ CPDX AZT CPR IPM AMK Ref. Escherichia coli > ESBL Ecoli >64:R >16:R <8:S >32:R 16:R >4:R >16:R >16:R <1:S 16:S 2 ESBL Ecoli >64:R >16:R <8:S >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R <1:S 16:S 3 ESBL Ecoli >64:R >16:R <8:S >32:R 16:R >4:R >16:R >16:R <1:S 32:I 4 ESBL Ecoli >64:R >16:R ND >32:R ND ND ND ND 4:S 16:S 5 ESBL Ecoli 128:R 64:R 2:S 64:R 16:R ND 16:R ND 1:S 16:S 6 ESBL Ecoli >64:R >16:R 8:S >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R 1:S 16:S 7 ESBL Ecoli >128:R >16:R 0.5:S ND 16:R ND ND >16:R 0.5:S 8:S 8 ESBL Ecoli >128:R >16:R 0.5:S ND 16:R ND ND >16:R 0.5:S 8:S 10 ESBL Ecoli >64:R >16:R 8:S >32:R 16:R >4:R >16:R >16:R 1:S 16:S 11 ESBL Ecoli >64:R >16:R 8:S >32:R >16:R ND >16:R ND 4:S 16:S 12 ESBL Ecoli >64:R >16:R <8:S >32:R 16:R >4:R >16:R ND <1:S 16:S 14 ESBL Ecoli >64:R >16:R ND >32:R 16:R >4:R >16:R ND <0.5:S 8:S 15 ESBL Ecoli >128:R >32:R ND ND 8:R >8:R 16:R >32:R 0.5:S 8:S 16 ESBL Ecoli >64:R >16:R 8:S >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R 1:S 32:I 17 ESBL Ecoli 128:R 64:R 2:S 64:R 4:R ND ND ND 1:S 16:S 18 ESBL Ecoli 128:R 64:R ND 64:R 4:R 8:R 16:R ND 1:S 16:S 19 ESBL Ecoli 256:R 32:R ND 64:R 8:S ND 16:I 32:R 4:S 16:S 20 ESBL Ecoli 256:R 32:R ND 64:R 8:R ND 8:R 32:R 4:S 16:S 21 ESBL Ecoli ND >16:R ND >32:R 16:R ND >16:R ND <4:S 32:I 22 ESBL Ecoli R ND ND R R 0mm:R ND ND 21mm:S 17mm:S 23 ESBL Ecoli R ND ND R R 0mm:R ND ND 27mm:S 18mm:S 24 ESBL Ecoli >64:R >16:R <8:S >32:R 16:R ND >16:R >16:R <1:S 16:S 37

38 菌株 C 個人 No. 同定結果 : コメント付き PIPC CEZ FMOX CTX CAZ CPDX AZT CPR IPM AMK Ref. K. pneumoniae 128 > > ClassC 産生菌 K. pneumoniae >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R 2:S <4:S 2 ClassC 産生菌 K. pneumoniae >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R 2:S <4:S 3 メタロβ 産生疑い K. pneumoniae >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R 2:S <4:S 4 ESBL K. pneumoniae >64:R >16:R ND >32:R ND ND ND ND 4:S 16:S 5 K. pneumoniae 128:R 64:R 64:R 64:R 64:R ND 64:R ND 2:S 2:S 6 K. pneumoniae >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R 2:S 2:S 7 ClassC 産生菌 K. pneumoniae 128:R >16:R >16:R ND >16:R ND ND 16:I 1:S 2:S 8 ClassC 産生菌 K. pneumoniae 128:R >16:R >16:R ND >16:R ND ND 16:I 1:S 1:S 10 K. pneumoniae >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R 4:S 4:S 11 ESBL K. pneumoniae >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R ND >16:R ND 4:S 16:S 12 多剤耐性 K. pneumoniae >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R >16:R ND 2:S <4:S 14 セファロスホ リナーセ 産生 K. pneumoniae >64:R >16:R ND >32:R >32:R >4:R >16:R ND 2:S <4:S 15 ClassC 産生菌 K. pneumoniae >128:R >32:R ND ND >32:R >8:R >32:R 16:I 2:S 2:S 16 ClassC 産生菌 K. pneumoniae >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R >4:R >16:R >16:R 4:S 4:S 17 ClassC 産生菌 K. pneumoniae 128:R 64:R 64:R 64:R 64:R ND ND ND 4:R 2:S 18 ESBL+ メタロ疑い K. pneumoniae 128:R 64:R ND 64:R 64:R 8:R 64:R ND 4:R 2:S 19 ESBL+AmpC 疑い K. pneumoniae 64:I 32:R ND 64:R 32:R ND 32:R 32:R 4:S 2:S 20 K. pneumoniae 64:I 32:R ND 64:R 32:R ND 32:R 32:R 4:S 2:S 21 K. pneumoniae ND >16:R ND >32:R >16:R ND >16:R ND <4:R <16:S 22 K. pneumoniae 11mm:R ND ND R 0mm:R ND ND ND 21mm:R 23mm:S 23 K. pneumoniae 11mm:R ND ND 0mm:R 0mm:R ND ND ND 20mm:S 23mm:S 24 AmpC 産生疑い K. pneumoniae >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R ND >16:R >16:R <1:S <4:S 38

39 菌株 D 個人 No. 同定結果 : コメント付き PIPC CEZ FMOX CTX CAZ CPDX AZT CPR IPM AMK Ref. K. pneumoniae K. pneumoniae <8:S <4:S <8:S <8:S <1:S <4:S <8:S <8:S <1:S <4:S 2 ClassC 産生疑い K. pneumoniae <8:S >16:R <8:S <8:S 16R >4:R <8:S <8:S <1:S <4:S 3 ClassC 産生疑い K. pneumoniae 16:R >16:R <8:S >32:R 16:R >4:R <8:S <8:S 2:S <4:S 4 ESBL K. pneumoniae 16:R >16:R ND 8:R ND ND ND ND 4:S 16:S 5 K. pneumoniae 8:S 64:R 2:S 2:S 16:I ND 1:S ND 1:S 2:S 6 K. pneumoniae 8:S >16:R 8:S 32:I 8:S >4:R 8:S 8:S 2:S 4:S 7 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 16R >16:R 1:S ND 4:R ND ND 0.5:S 0.5 1:S 8 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 16R >16:R 1:S ND 8:R ND ND 0.5:S 0.5 1:S 10 K. pneumoniae 8:S >16:R 8:S 8:S 16:R >4:R <8:R 8:R 2:S 4:S 11 ESBL K. pneumoniae >64:R >16:R >32:R >32:R >16:R ND >16:R ND 4:S 16:S 12 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 64:R >16:R 32:R >32:R 16:R >4:R <8:S ND 2:S <4:S 14 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae <8:S >16:R ND 32:R 8:S >4:R <1:S ND 1:S <4:S 15 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 8:S >32:R ND ND 8:S >8:R 1:S 1:S 1:S 2:S 16 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 16:R >16:R 8:S 32:R 8:S >4:R 8:S 8:S 1:S 4:S 17 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 8:S 64:R 2:S 4:R 16:R ND ND ND 1:S 2:S 18 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 8:S 64:R ND 4:R 16:R 8:R 1:S ND 1:S 2:S 19 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 8:S 16:I ND 4:R 8:S ND 8:S 4:S 4:S 2:S 20 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 8:S 16:I ND 4:R 8:S ND 8:S 4:S 4:S 2:S 21 K. pneumoniae ND >16:R ND 32:I >16:R ND <8:S ND <4:S <16:S 22 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 16mm:R ND ND ND ND 0mm:R ND ND 18mm:S 19mm:S 23 メタロβ 産生菌 K. pneumoniae 19mm:R ND ND 20mm:I 15mm:I 0mm:R ND ND 22mm:S 22mm:S 24 K. pneumoniae <8:S >16:R <8:S <8:S 8:S ND <8:S <8:S <1:S <4:S 39

40 ひびき臨床微生物研究会会員一覧 (2009 年 6 月 19 日現在 ) 一般会員 村谷哲郎 ( 会長 ) 中村たまき守口浩二 小林とも子 ( 副会長 ) 生野陽子宿輪優子 重高正行 ( 副会長 ) 朔晴久篠崎久輝 後藤令子 ( 理事 ) 江村佳香大野主税 木戸直徳 ( 理事 ) 一世靖子小田欣矢 有馬純徳 ( 理事 / 事務局長 ) 檜枝八重奥下由紀子 大久保孔平 ( 理事 ) 入江孝子庄武彦 土居和剛 ( 理事 ) 西川良幸吉永浩子 小川恵子 ( 理事 ) 吉村尚江白濱智美 右田忍 ( 理事 ) 岡聡美吉原恵美子 薬師寺博子 ( 理事 ) 角舘克村上直行 玉置ゆう子 ( 理事 / 会計 ) 川﨑謙一磯崎将博 本田雅久 ( 理事 ) 廣瀬美和子松堂裕子 李静香 ( 監事 ) 岡崎優子八幡照幸 村田牧子山﨑康一宮本典昭 大隈雅紀 犬塚幸枝 作本和彦 中川れい子 石田雅巳 川上洋子 溝上幸洋 美那元勇希 春木義範 中山章文 渡邉英明岩本孝子賛助会員 古賀一将藤守美加株式会社アビオス 永原千絵角由佳理栄研化学株式会社 芳賀由美前田裕二デイドベーリング株式会社 池浦智恵子厚地美幸日水製薬株式会社 西憲仁松山郁子極東製薬工業株式会社 清祐法子中山麻衣日本ビオメリュー株式会社 ロッシュ ダイアグノスティックス株式会社日本ベクトン ディッキンソン株式会社 40

41 第 6 回ひびき薬剤耐性菌シンポジウム 学術集会会長木戸直徳 主催 ひびき臨床微生物研究会 会長村谷哲郎事務局北九州総合病院臨床検査部内 北九州市小倉南区湯川 有馬純徳 hibiki-hrgcm@e-ml.net 41

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