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1 G1 総合的な学習の時間体験を通して英語と日本語との違いへの気付きを促す指導方法の工夫 岡山市立芥子山小学校 教諭 藤 田 雅 子 研究の概要 本研究では, 小学校第 5 学年外国語活動において, 体験を通して英語と日本語との違いへの気付 きを促すために効果的な指導方法を探った その結果, 気付きを促す体験サイクル を取り入れ た指導を行うことが, 英語と日本語との音声面や意味上の違いへの気付きを促すために有効である という手ごたえを得た キーワード 小学校外国語活動, 外来語, 気付き, 体験的な理解, 体験サイクル, 英語ノート Ⅰ 主題設定の理由平成 20 年 3 月に告示された小学校学習指導要領では, 小学校第 5 6 学年に年間 35 単位時間の外国語活動が位置付けられた コミュニケーション能力の素地を養うことが目標であり, 目標の三つの柱の一つとして, 外国語を通じて, 言語や文化に対する体験的な理解を深めること が明示されている 体験的な理解とは, 単に教師が知識として与えるのではなく, 児童が英語を聞いたり話したりする体験を通して理解することであると考える さらに, 言語や文化について, 体験的に理解を深められるように設定された指導内容の一つに, 外国語の音声やリズムなどに慣れ親しむとともに, 日本語との違いを知り, 言葉の面白さや豊かさに気付くこと がある 平成 20 年 8 月に示された小学校学習指導要領解説外国語活動編 ( 以下 解説 という ) では, この指導内容に関して, 英語と日本語との音声面の違いや意味上の違いに気付くことが例示されている 本校では, 英語の音声やリズムなどに慣れ親しませるため, 歌やゲームなどの活動を工夫してきた 今後は, このような活動を通して単に英語を聞いたり話したりする体験をさせるだけでなく, 英語と日本語との音声面や意味上などの違いについて, 具体的な内容を設定し, 児童の気付きを促すような指導を行う必要がある そこで, 本研究では, 小学校第 5 学年外国語活動において, 体験を通して英語と日本語との違いへの気付きを促すための効果的な指導方法を探ることとした Ⅱ 研究の目的 小学校第 5 学年外国語活動において, 体験を通して英語と日本語との違いへの気付きを促すために効果的な指導方法を探る Ⅲ 研究の内容 1 本研究で取り扱う内容本研究では, 解説において示された音声面と意味上の違いを取り上げ, 本研究で取り扱う内容を以下のように設定した また, 日本語として児童の身近な外来語を題材として, 英語との違いに気付かせることとした (1) 音声面の違い外来語のままのアクセントや音を用いて発音すると, 相手に全く伝わらないことが多い このことから, 本研究では, 英語と外来語とのアクセントや音の違いを取り上げる (2) 意味上の違い外来語には, 言葉の意味の一部だけを日本語として取り入れていたり, 日本語独特の使い方を

2 していたりする言葉がある 例えば, station という言葉は, 乗り物の発着場所という意味だけでなく firestation のように, 日本語の 署 にあたるような意味もある 本研究では, このような, 英語と外来語との意味上の違いを取り上げる 2 気付きを促す体験サイクル 外来語が伝わるかどうかを予想し ( 予想する ), 伝わると予想していた外来語が英語として伝わらなかったことが分かると ( 確かめる ), 児童は なぜ伝わらないのだろう と疑問を感じる そして, 伝わるようにするにはどうしたらよいか という課題を自ら持ち, 英語と外来語の音声や表現について着目し, 既に感じている英語の音声面の特徴や知っている表現を駆使して考え ( 工夫する ), 再度 このように言えば伝わるだろう と予想をし ( 予想する ), 伝わるかどうかを確かめる ( 確かめる ) このような試行錯誤を繰り返した後に, 英語の音声や表現を知ることにより, 英語と外来語を音声や表現の持つ意味を比較しやすくなり, 違いへの気付きを促すことができると考えた 以上のことから, 体験を通して英語と日本語との違いへの気付きを促すために, 予想する 確かめる 工夫するという 気付きを促す体験サイクル を設定した ( 図 1) 3 気付きを促す体験サイクル の取り入れ方 図 1 伝わりそうな表現 音声を予想 ALT とのかかわり 予想する 英語の表現を知る 確かめる 気付きを促す体験サイクル 伝わるかどうかを予想 言葉を選ぶ 感じている音声面の特徴や知っている表現を駆使 工夫する 気付きを促す体験サイクル 構想図 本研究では, 英語ノート指導資料に見られる 4 単位時間の単元を構成し, 指導を計画した 第 1 時で, 気付きを促す体験サイクル を取り入れ, 英語と日本語との音声面と意味上の違いへの気付きを促す そうすることで, 第 2 時以降も, 活動の楽しさを感じるだけではなく, 気付いたことを確かめたり, 更に音声面や意味上の違いを感じたりしながら, 活動に取り組むことができると考えた Ⅳ 授業実践 岡山市立芥子山小学校第 5 学年 194 名を対象として, 二つの単元において授業実践を行った 実践 Ⅰ( 平成 20 年 6 月 7 月 ) では, 英語と外来語とのアクセントや音の違いに気付くことをねらいとし, 実践 Ⅱ( 平成 20 年 10 月 11 月 ) では, 英語と外来語との意味上の違いに気付くことをねらいとした 1 実践 Ⅰ (1) 単元名 友達の好きなものを知ろう ( 英語ノート5 年生 LESSON4を活用 ) い (2) 表現 語彙ア表現 Excuse me. I like~. Do you like~? Yes,I do./no,i don't. Thank you. イ語彙 外来語 チョコレートストロベリーアイスクリームサンドイッチスパゲッティバスケットボールコンピューターリコーダーピアノゴリラ 英語 chocolate strawberry ice cream sandwich spagetti basketball computer recorder piano gorilla ( 下線はアクセントの位置 ) 児童が集めた外来語のうち, 自分の好きな物が友達も好きかどうかを尋ねる時に用いる単語を選定し, それらの中から教師が, アクセントと音に気を付ければ英語として伝わりやすいような 表 1 実践 Ⅰ で使う主な語彙

3 表 2 実践 Ⅰ 単元指導計画の一部 時第 1 時第 2 時第 3 時第 4 時 テーマ ALTの先生に伝わるかどうか尋ねてみよう 好きなものは何かな 好きかどうか尋ねてみよう 友達の好きなものを知ろう ALT の先生に外来語が伝わるか 英語ノートの Let's Listen を聞く 友達や先生の好きな物を予想し, 好 自分が好きな物が, 友達も好きかど 主な活動 どうか試し, 英語の発音を知る きかどうか尋ねたり答えを聞いたりする うかを尋ねたり答えたりする 英語ノートの活動 Let's Listen, Let's Play Activity Activity1 気付きを促す体験サイクル を 第 1 時に自分が試していない言葉 英語と外来語のアクセントや音の違 英語と外来語のアクセントや音の違 取り入れる 確かめる で, 伝 についても, 英語と外来語のアク いに注意しながら, 英語を聞いたり いに注意しながら英語を聞いたり話 指導上の留意点 わらなかった言葉は, 言い方を工夫すれば伝わるようになることを伝える セントや音の違いに着目しながら聞くことができるように, 前時で行った 気付きを促す体験サイク 話したりすることができるように, 第 1 時で行った 気付きを促す体験サイクル を想起させる したりすることができるように, 前時までの児童の気付きを確認し, 第 1 時で行った 気付きを促す体験サ ル を想起させる イクル を想起させる 単語を選定した ( 表 1) (3) 単元指導計画単元指導計画を表 2のように作成した (4) 気付きを促す体験サイクル の活用( 第 1 時 ) ア活動の様子児童は, 自分が選んだ外来語が, そのまま言っても英語として伝わるものは, 伝わるかも知れないけど, 工夫が必要というものは, 伝わらないものは で予想をした ALTに, 外来語をそのままの言い方で言ってみて, ( O.K. ) (Close. ) (I don't know.) のいずれかの反応により伝わるかどうか確かめた 図 2は 気付きを促す体験サイクル を活用している児童の様子の一例をまとめたものである 児童は, 何度もサイクルを用いて自分が選んだ外来語が伝わるように試し, 最終的に英語の表現を知るに至っている 表 3は児童の学習カードである 活動後の振り返りの場面では, この学習カードを見ながら, 振り返りカードに気付いたことを記述した イ児童の気付き表 4は第 1 時の児童の気付きの例をまとめたものである 194 人中, 192 人の児童が, 英語には音の強いところと弱いところがある ( アクセントがある ない ) ことや, 音の長いところと短いところがある ( 音を伸ばす 伸ばさない ) こと, また日本語にはない英語の音など, 少なくとも一つには気付いた 以上のことから, 単元の第 1 時に 気付きを促す体験サイクル を取り入れることと, 第 2 時以降に英語を聞いたり話したりする活動を併せて行うことが, 英語と外来語とのアクセントや音の違いに気付くことに, 有効であったと考えられる (5) 気付きを促す体験サイクル の効果 1 ゴリラはそのままで伝わる 4 ゴーリラなら伝わるかな 7 ゴリラーなら伝わるかな 10 ゴリーラなら伝わるかな 試してみる言葉 gorilla なんだな 2 ゴリラはそのまま言っても伝わらない 5 ゴーリラでも伝わらない 8 ゴリラーでも伝わらない 11 ゴリーラならどうにか伝わった! ゴリラを伝えてみよう 図 2 実践 Ⅰ 気付きを促す体験サイクル (1~11 は児童の思考の様子 ) 表 3 実践 Ⅰ 児童の学習カード記述例 予想 予想する 確かめる 確かめ ストロベリー ピザ 工夫する 3ゴーとのばして強く言ってみよう 6ラーとのばして強く言ってみよう 9 リーをのばして強く言ってみよう 工夫したことわかったこと ロ を強く長く言った ストローベリーだった ザ は ツァ だった ピッツァだった また, 英語を話すときは口を大きく動かす など, 発音の仕方に着目した記述も見られてい

4 ることから, 英語らしく発音するにはどうしたらよいか という疑問を持ち, 発音の仕方を工夫する中で, 自分で言って確かめて, 口を大きく動かせばいいと気付いていると考えられる 第 2 時以降の英語を聞いたり話したりする活動の中で, 第 1 時で自分が試した外来語以外について, アクセントや音の違いについての記述が見られた このように, 気付きを促す体験サイクル の効果として, 第 2 時以降の英語を聞いたり話したりする活動においても, 音声に着目し, 音声面の違いに気付きやすくなったことが挙げられる 2 実践 Ⅱ (1) 単元名 道案内をしよう ( 英語ノート6 年生 LESSON5を活用 ) (2) 表現 語彙ア表現 Excuse me. Where is ~? Go straight. Turn right. Turn left. Stop. Here. Thank you. イ語彙児童が,ALTの先生に紹介するために選んだ, 学区にある店や公共施設を表す言葉から, 英語ノートを参考に教師が語彙を選定した ( 表 5) (3) 単元指導計画単元指導計画を表 6のように作成した (4) 気付きを促す体験サイクル の活用( 第 1 時 ) ア活動の様子 外来語と英語では, 発音が違うところがあ る 外来語では強く言わないけど, 英語では, 音を強く言うところがある 外来語ではのばさない音を, 英語ではのば すことがある 外来語はそのまま言っても伝わらない 日本語英語予想の難易度 花屋本屋コンビニエンスストア バス停交番警察署消防署郵便局駅 flower shop book store convenience store bus stop police box police station fire station post office train station 理髪店 barber shop 3 難しい 1 簡単外来語を組み合わせて, 伝えられる 2 少し難しい言葉の一部は, 外来語を用いて伝えられる 外来語を用いて, 伝えるのは難しい 実践 Ⅱ では, 児童は, 知っている外来語を組み合わせれば伝わりやすいというヒントとその組み合わせが予想しやすいかどうか ( 表 5 予想の難易度 ) を聞いた上で試してみる言葉を選んだ 表 4 実践 Ⅰ 児童の気付きの例 表 5 実践 Ⅱ で使う主な語彙 ( 下線は児童が使用すると思われる部分 ) 表 6 実践 Ⅱ 単元指導計画の一部 時第 1 時第 2 時第 3 時第 4 時 テーマ伝わるかどうか試してみよう どこにあるのかな 道案内をしてみよう 友達同士で道案内をしよう ALT の先生に, 店や公共施設 まとまった表現を聞いて, 目的 教室内を町に見立てて, 先生 友達同士で目的地がどこにあるの 主な活動 が伝わるように考えて言い, 伝わるのかどうかを試し, 英語の 地がどこにあるのかを聞く や友達を目的地に案内する かを尋ねたり, 答えたりする 表現を知る 英語ノートの活用 Let's Chant,Let's Listen, Let's Play2 Let's chant Activity 1 Let's chant Activity2 気付きを促す体験サイクル 第 1 時に自分が試していない言 英語と外来語の意味上の違い 英語と外来語の意味上の違いに注 を取り入れる 試してみる言葉 葉についても, 英語と外来語の に注意しながら英語を聞いた 意しながら英語を聞いたり話した 指導上の留意点 を選ぶ際に, 表 6の難易度を示す 確かめる で伝わらなかった場合, 教師は, 音声を工夫 意味上の違いに着目しながら聞くことができるように, 前時で行った 気付きを促す体験サイ り話したりすることができるように, 第 1 時で行った 気付きを促す体験サイクル を りすることができるように, 前時までの児童の気付きを確認し, 第 1 時で行った 気付きを促す体験 すればよいのか, 言葉を変えて クル を想起させる 想起させる サイクル を想起させる 試すとよいのかを示す

5 図 3は 気付を促す体験サイクル を活用している児童の様子の一例をまとめたものである この学習カードを見ながら, 振り返りカードに気付いたことを記述した 児童は, 何度もサイクルを用いて自分が選んだ言葉が伝わるように試した後, 英語の表現を知るに至っている 表 7は, 授業中の児童の学習カードの記述例である 活動後の振り返りの場面では, この学習カードを見ながら, 振り返りカードに気付いたことを記述した イ児童の気付き表 8は児童の学習カードに見られた記述の例である 194 人中, 122 人が バス停は, バスステーションではなくてバスストップだった など, 英語の表現に着目した記述をしていた 一方 194 人中,62 人は英語と外来語の音声面の違いについて記述していた この62 人は, 表 5の予想の難易度 1( 簡単 ) から言葉を選んでいたり, 予想の段階で, すでに英語での言い方を知っていたり, 確かめと予想が合っていたりした児童である これらの児童は, 第 1 時では, 言葉の持つ意味について着目する視点をまだ持っていない なお, 取り上げた語彙の意味の違いについて記述した児童は,10 人であった (5) 気付きを促す体験サイクルの効果第 2 3 時は, 第 1 時に行った 気付きを促す体験サイクル を想起させながら, 活動を行った 第 2 時の振り返りカードには, 初めはライトとレフトは野球のポジションのことかと思ったけど, ライトとレフトは右と左という意味だった という記述や ターンはくるっと回るという意味かと思ったけど, 英語では向きを変えるって意味だと思った など, 意味に着目した記述が見られた しかし, 第 1 時で取り上げた表 5 の語彙について, 英語と外来語との意味上の違いに関する記述はあまり見られなかった 第 3 時後には, ステーションって駅やバスステーションだけじゃなくて, みんなのための仕事をする建物っていう意味もあるんじゃないかな などの英語と外来語の意味上の違いについて 194 人中, 122 人の児童の気付きが見られた 意味上の違いについて記述をしていない児童の中には, そのような違いに気付いていない児童と, 気付いていても記述の仕方が分からない児童がいると考えられる 第 4 時では, 第 1 時から第 3 時までの, 児童の意味上の違いへの気付きを確認し, 第 1 時の 気付きを促す体験サイクル を想起させた すると, 第 4 時後には, 第 1 時で予想の難易度 1( 簡単 ) から言葉を選んでいた児童も ショップとストアはどちらも日本語では店だけど, ストアの方が品物の種類が大きな店のことかな という 図 3 1ショーボーショは伝わらないな 4ファイヤーセンターなら伝わるかな 7 レスキューセンターなら伝わるかな 10 ファイヤーステーションなら伝わるかな 表 7 試してみる言葉 予想 確かめ バス停 警察署 表 8 工夫したことわかったこと バスストップだった バスが止まるところだから ステーションじゃなかった ポリィスステイションだった ステイションは思いつかなかった ステイションって何かな fire station って, 火の駅みたいで変だ な バス停は, バスステーションじゃなく てバスストップだった station って建 物のことなのかな? 駅には, 列車が集まる station って集 まるっていう意味もあるのかな? 消防署も警察署も station がついていた stationには, 人のための特別の仕事をしているところっていう意味もある のか 宇宙ステーションともいう station は駅以外にも基地という意味も あるのかな? 消防署は, 消防車の基地 かな? fire station なんだな 2 ショーボーショはやっぱり伝わらないな 5 ファイヤーセンターでは伝わらない 8 レスキューセンターでは伝わらない 11 ファイヤーステーションは伝わった! 予想する 確かめる 工夫する 消防署を伝えてみよう 実践 Ⅱ 児童の気付きの例 3 火に関係あるからファイヤーがつくだろう 6 人を助けるからレスキューセンターかな 9 警察署にはステーションがついていたから, ステーションをつけてみよう 実践 Ⅱ 気付きを促す体験サイクル (1~11 は児童の思考の様子 ) 実践 Ⅱ 児童の学習カード記述例

6 英語と外来語の意味上の違いについての気付きを記述をしていた 単元終了後には, 194 人中, 185 人が意味上の違いに気付いていたことから, 第 1 時に 気付きを促す体験サイクル を取り入れ, 第 2 時以降, 第 1 時で行った 気付きを促す体験サイクル を想起させたり, 児童の気付きを確認したりすることが, 意味上の違いへの気付きを促すことに効果的であると考えられる 以上のことから, 気付きを促す体験サイクル の効果として, 児童が意味に着目する視点を持ち, 児童が意味上の違いに気付きやすくなったことが挙げられる Ⅴ 成果と課題 本研究では, 小学校第 5 学年外国語活動において, 体験を通して英語と日本語との違いへの気付き促すための効果的な指導方法を探った その結果, 気付きを促す体験サイクル を取り入れた指導を行うことで, 児童が, 英語と外来語とのアクセントや音の違いに気付き, 単元を通して, より多くの言葉について, 英語と外来語の音声面に着目し, その違いに気付きやすくなったことが分かった また, 気付きを促す体験サイクル を取り入れた指導を行い, 英語を聞いたり話したりする活動を行う中で, 教師が児童の気付きを把握し, 主な気付きをまとめて児童と共に確認するような支援を行うことで, 児童が, 英語と外来語との意味上の違いに気付いたり, その違いに気付きやすくなったことが分かった また, 実践後 英語と日本語の発音の違いを見つけるのが面白い 英語の言葉にもいろんな意味があることがわかって面白い などの感想が見られたことから, 気付きを促す体験サイクル を取り入れた指導を行うことにより, 児童は, 言葉の面白さや豊かさにも気付くという手ごたえも感じている 今回の実践を通して, 音声面の違いや意味上の違いに気付いた児童は, 今後, 英語を聞いたり話したりする活動を楽しむ中で, 英語を注意深く聞いたり, 相手に伝わるかどうか, どのように言えば伝わるのかという視点を持ちながら, 活動に取り組むことが期待される また, 一度で伝えたいことが伝わらなくても, 自分が知っている表現や音声に関する知識を駆使して, 相手と粘り強くかかわろうとすることも期待される 単に児童が喜ぶような楽しい活動を行ったり, 一方的に知識を与えたりするのではなく, 教材研究を重ね, 児童の気付きを促し, 自ら課題意識を持って学習に取り組むような小学校外国語活動の指導方法について, 今後, 更に研究を深めていきたい 参考文献 鈴木佑治 (2003) カタカナ英語でカジュアル バイリンガル 生活人新書 上山 萬谷他 (2006) 言語教育としての小学校英語活動カリキュラムの創出に関する大学 附属学校共同プロジェクト 文部科学省 (2008) 小学校外国語活動研修ガイドブック