表面張力表面張力とは分子が液体内部に存在していれば得られるはずの自由エネルギーの安定化分が 表面に存在しているが故に得られない凝集エネルギーの不足分のこと 凝集エネルギーが大きな物質ほど表面で損をするエネルギーが大きいので 表面張力も大きくなる イオン液体イオン液体とは 第三の液体とも称されており

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1 08 年度木曜班秋輪講イオン液体とポリアニリン 要旨 ポリアニリンは導電性高分子として知られていますが p の低下 ドーパントの存在により導電率は上昇し 10 2 S/cm 程度まで達する 木曜班ではイオン液体を反応系に使用することで合成されるポリアニリンの導電性はどう変化するか調べてみた 合成したポリアニリンが有機溶媒に溶解することを用いて 簡便な方法でドーピングも行った 結果 水系下で合成されたポリアニリンの導電率は m-クレゾールのドーピングなしで S/cm 05mmol のドーピングで S/cm 1mmol のドーピングで S/cm となった [BMIM + ][TsO - ] を 15g 溶かした水溶媒下での ポリアニリンの導電率は m-クレゾールのドーピングなしで S/cm 05mmol のドーピングで S/cm 1mmol のドーピングで S/cm となった 同塩を 3g 溶かした水系下でのポリアニリンの導電率は m-クレゾールのドーピングなしで S/cm 05mmol のドーピング S/cm 1mmol のドーピングで S/cm であった [BMIM + ][BF4 - ] を用いて合成したポリアニリンは m-クレゾールのドーピングなしで S/cm という高い導電率を示したが 05mmol のドーピングをした場合の導電率は S/cm となった 概して m-クレゾールを添加することで導電性が向上したが [BMIM + ][BF4 - ] を用いた場合のみは 返って導電率は減尐するなど [BMIM + ][BF4 - ] 独自の挙動が見られた 目的 ポリアニリン (PAI) やポリピロール (PPY) などの芳香族系の導電性高分子は空気中で安定性に優れており 合成も容易である 中でも PAI は特に安定性に優れており 安価な材料で合成も容易であるため 二次電池の正極材料として最初に実用化された導電性高分子である しかし ポリアニリンの導電率は高々 10 3 S/cm と他の導電性高分子と比較してみると低い そこで イオン液体を反応系に使用した時に PAI の導電性はどうなるのかを調べてみた また ドーピングしたとき導電性はどうなるのか調べてみた 原理 水水分子同士には水素結合という強い凝集力が働く為 ある水分子にとって隣に炭化水素のような水素結合を作れない分子が来るよりも 同じ水分子がある方が安定化する その為 疎水基は水分子同士の集合の結果排除され 排除された疎水基は溶液や他の物質表面に吸着する

2 表面張力表面張力とは分子が液体内部に存在していれば得られるはずの自由エネルギーの安定化分が 表面に存在しているが故に得られない凝集エネルギーの不足分のこと 凝集エネルギーが大きな物質ほど表面で損をするエネルギーが大きいので 表面張力も大きくなる イオン液体イオン液体とは 第三の液体とも称されており 有機イオンで構成されるカチオン (+) とアニオン (-) から成るイオン塩が常温で固体ではなく 液体として存在している物質 水とも有機溶媒とも混じらないものもあり 適切な処置で 何度でも再利用可能 広い電位窓を有するため電気化学的安定性が高く 優れた熱安定性もある 高イオン密度 高粘性 多彩な設計が可能 非常に低蒸気圧で 不燃性といった特徴を持つ 界面活性剤水溶液界面活性剤分子の疎水基が 親水基の存在によって無理矢理 水に溶かされている状態で 疎水基は水との接触を避けようとする 従って 水溶液表面において疎水基は空気の方に向って水との接触を避けようとする また 水中に油のような疎水性のものがあれば 疎水基はそちらの方を向き集まり 水を避けようとする ( 配向あるいは吸着という ) 一方 界面活性剤分子が水溶液表面に吸着して親水基を表面に出すと 元々そこにいた水分子は表面から内部に移ることができ 安定化する その結果 表面張力は低下することになる そして 界面活性剤濃度が増加し 水の表面が完全に覆われると 疎水基は疎水基どうしが集まって水との接触を避けるようになり 疎水基である炭化水素の薄い膜ができたのと類似の状態になる ( 会合 ミセルの形成 ) ミセルは液体状態の微小な炭化水素滴が水中に分散したもので これを溶媒として有機物がその中溶け込むことも可能であり 純粋な水には溶けない有機物がミセル溶液に溶けるようになる現象が起こる 乳化重合界面化学を用いた高分子合成は大きく 3 つに分類される その中の一つに懸濁重合や乳化重合といった不均一系の重合がある 乳化重合では 界面活性剤 水溶性ラジカル重合開始剤の存在下 水に難溶性のモノマーを水中に分散させて重合を行う 界面活性剤のミセルに溶解したモノマーに水中で発生したラジカル種が反応し重合が開始される 水中に分散しているモノマー液滴はモノマーの貯蔵所となり そこから水層を拡散し重合の場であるミセルに到達したモノマーが重合する

3 ドーピング π 共役系高分子に導電性を持たせるための操作で ドーピングに用いる試薬をドーパントという これには 2 種類存在し電子を引き抜くアクセプターと電子を注入するドナーがある これにより 荷電したいと伝導体に変化を及ぼし π 共役系高分子との間に電荷移動反応を起こさせる結果 特定の高分子に導電性を持たせられる ポリアニリン (PAI) PAI は他の導電性高分子と異なりプロトンの付加によって大きく導電率が変化する特異的な性質を持つ 図 1 にアニリンの酸化カップリングからの形成までを示した 酸化反応である電子の引き抜き反応は 化学酸化試薬や電気的に正電極を用いて行われる 最初にアニリンの窒素原子にある非共有電子対から電子が引き抜かれて, ラジカルカチオンが形成される この窒素上のラジカルカチオンはベンゼン環中にあるパイ電子と共鳴しており三種の共鳴混成体が得られる この中でパラ位にラジカルを有する共鳴構造体と窒素ラジカルとでカップリングして頭尾結合が形成され 脱プロトン化して 二量体が形成される さらに同様にカップリングを繰り返してアニリンの三量体 四量体 五量体 オリゴマーとなって重合が進んで行き, 最終的に PAI が形成されると考えられる

4 + : e - 2 : : + : -2 図 1 アニリン同士のカップリング反応 図 2 の PAI の構造は 四量体で一つの構造単位として考えられている 酸化重合により合成直後の PAI には酸成分がドーパントとして入り込んで静電的に結合し ハーフ酸化状態の導電体が得られる この状態の PAI は緑色のエメラルド色をしており エメラルディン塩と呼ばれて導電性を示す このエメラルディン塩をアルカリ溶液中で処理すると 無機酸の塩から無機酸が外れて脱ドープ状態となり 色も緑色から青色となり エメラルディン塩基と呼ばれる絶縁性の PAI となる また電子状態を変化することも出来て エメラルディン塩のハーフ酸化状態から還元すると 完全還元状態のとなる 無色であるため無色を意味するロイコ体の名前がついており ロイコエメラルディンと呼ばれている この完全還元状態の PAI のは 空気中では不安定であり 空気中の酸素によって容易に酸化されて ハーフ酸化状態のエメラルディンとなる またハーフ酸化状態のエメラルディンは さらに酸化を押し進めることも出来て 完全酸化状態のペルニグラニリンが得られる ペルニグラニリンは加水分解することで劣化する この完全酸化状態のペルニグラニリン

5 は構造中に発色団であるイミノジキノン構造を多く含んでおり 色は黒色となって黒色顔料のアニ リンブラックの色に近くなる このペルニグラニリンも絶縁体であって PAI においては, ハーフ 酸化状態で酸性塩となっているエメラルディン塩のみが導電性を示す 酸化 還元 * n * アルカリ処理 酸化 還元 * n * プロトン化 * + A - + A - n * エメラルディン塩を酸性溶液に浸し プロトネーションを行い p と PAI の導電率の関係は p に強く依存し 狭い p 領域では急激に変化する 特に p<4 の領域では導電率は増加し始め 約 p2 ではほぼ飽和に達し 数 S/cm 以上の導電率となる

6 実験器具 試薬 器具 : 300ml 三角フラスコ メスシリンダー ビーカー 駒込ピペット 電子天秤 ガラス棒 スターラー 分液ロート ナス型フラスコ リービッヒ冷却管 アダプター ガラス管 テスター 試験管試薬 : イオン交換水 塩酸 水酸化ナトリウム ペルオキソ二硫酸アンモニウム エーロゾル OT トルエン アニリン m-クレゾール 1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩 ([BMIM + ][BF 4- ]) 1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムパラトルエンスルホン酸 ([BMIM + ][TsO - ]) 塩酸 過酸化物 重クロム酸塩 ペルオキソ二硫酸塩 過マンガン酸塩によって酸化されて塩素を発生 する 市販品は 372% の塩化水素を含む 工業用塩酸は 塩化鉄 (Ⅲ) などを含む為黄色を呈する アニリン塩酸塩 C68Cl 分子量 1300 白色板状結晶 mp198 bp245 水 メタノールに易溶 ペルオキソ二硫酸アンモニウム (4)2S2O8 分子量 俗に過硫酸アンモニウムといい 白色単斜晶系の板状または柱状晶 d=198 冷水に易溶 純粋で水分を含まないものは 安定で保存できるが湿気に合うとオゾン臭のある酸素を発生して分解する 加熱すると酸素を発生し ピロ硫酸塩に分解する 水溶液を加温すると酸素を発生しながら硫酸水素アンモニウムに分解する 重合開始剤として用いられる エーロゾル OT C2038aO7S 分子量 陰イオン性界面活性剤 乳化重合助剤 臨界ミセル濃度 mol/l 無色のワックス状固体 2-プロパノール 水 ベンゼンに可溶 熱アルカリ溶液においては加水分解する 水溶液は強力な湿潤作用を示す トルエン C78 分子量 921 無色 可燃性のベンゼン臭を持つ液体 bp 110 エタノール エーテル アセトン ベンゼン に可溶 酸化されるとベンズアルデヒドを経て安息香酸となる アニリン C67 分子量 930 無色透明な液体だが 空気中で酸化されると徐々に赤くなり最終的には黒くなる mp-6 bp 184 エタノール エーテル ベンゼンに易溶 構造は 様々な共鳴構造を取る m- クレゾール C78O 分子量 108 無色あるいは淡褐色の液体で フェノール臭を有し 空気中で暗褐色に変わる アルコール エ ーテル クロロホルム 希アルカリに可溶 水にわずかに溶ける mp 115 bp 2022

7 1- ブチル -3- メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩 ([BMIM + ][BF 4- ]) 導電性は 343mS/cm 実験操作 A-1 導電性ポリアニリン組成物の製造 ( 水 トルエン系 ) 1 三角フラスコにトルエン 50ml を入れ エーロゾル OT5mmol とアニリン 20mmol を溶解させた この溶液を攪拌させながら 1M 塩酸 150ml を加えた さらに 過硫酸アンモニウム 117mmol を 1M 塩酸 50ml に溶解した溶液を滴下してアニリンの重合を開始した 18 時間後に攪拌を停止した 入れる順は必ずこの順とする 2 反応溶液を分液ロートに移し 二層に分離した反応溶液から水層を廃棄し トルエン有機層をイオン交換水で 2 回 1M 塩酸溶液で 2 回洗浄した 目的物を含むトルエン溶液から揮発分を減圧蒸留して プロトネーションされた固形状の PAI 複合体を得た 有機層の洗浄はこの順で行う 3 得られた PAI の収量を測定し PAI 複合体を再度トルエンに溶解し PAI を 50g/L の割合で含むトルエン溶液を調整した 4 この溶液 5ml を 1M 水酸化ナトリウム水溶液 10ml と接触混合し 両溶液に不溶な非導電性 PAI( エメラルディン塩基状態 ) が析出した この重量も測定した 53 で調整したトルエン溶液に m-クレゾールを約 0mol/L 05mol/L 1mol/L 含む様に加え 揮発分を留去した A-2 導電率の測定 1 得られた PAI 粉末をガラス管にぎっしりと詰め テスターで抵抗を読み取った B-1 導電性 PAI 組成物の製造 ( イオン液体 トルエン系 ) 1 試験管に BMIM を 15ml トルエンを 15ml アニリンを 1ml 加えた 21M 塩酸 5ml に過硫酸アンモニウム 1mmol を溶かし 界面活性剤を飽和する様に溶かし 試験管に加えた 318 時間後に 重力濾過を行い生成物を分離した 4 乾燥後重量を測定し PAI 複合体を再度トルエンに溶解し PAI を 50g/L の割合で含むトルエン溶液を調整した 5 この溶液に m-クレゾールを 0mol/L 05mol/L の割合で含むように加え 揮発成分を留去した B-2 導電率の測定 1 得られた PAI 粉末をガラス管にぎっしりと詰め テスターで抵抗を読み取った C-1 導電性 PAI 組成物の製造 ( イオン液体含有水溶液 トルエン系 ) 基本的には A-1 と同様な操作を行った ただし この場合は 初めの 1M 塩酸 150ml 加えるが その中に ( イオン液体 ) を 15g 3g 含ませ 計 2 回合成を行った

8 さらに PAI の含有量分析の操作は [BMIM][BF4] を 3g 用いた場合のみ行った C-2 1 得られた PAI 粉末をガラス管にぎっしりと詰め テスターで電圧を読み取った 実験結果 A-1 導電性ポリアニリン組成物の製造 ( 水 トルエン系 ) 重合を開始すると 溶液の色が淡い黄色 淡い青色 青色 淡い緑色 濃い緑色 ( 黒緑色 ) と変化していった また 反応は攪拌下で行われているので必ずしも水層で起こるということはなく溶液全体が均一な色をしていた この時の p は 1 であった 攪拌停止後しばらく放置していると 均一に分散していた生成物がトルエン層に自然と抽出され 有機層がきれいな緑色 水層が無色の二層分離をした 溶媒であるトルエンを飛ばすにつれて PAI の色は黒緑色に近づいて行った 最終的には 黒色と見分けがつかないほどにまでなった 本実験操作では PAI は 166g 得られた この結果を用いて 50g/L の割合で PAI を含む溶液を調整した溶液 5ml に aoaq を加えることで 573mg の ( 脱ドープされた )PAI が集まった膜状で沈殿となって得られた このことから 複合体中の PAI 含有量は 50 x = x= = より 約 23w% とわかった A-2 導電率の測定このトルエン溶液に m-クレゾールを添加し揮発成分を除去しテスターで抵抗値を求め 導電率を出したところ 導電率 [S/cm] は以下の表 1 のようになった 表 1m-クレゾールと導電率 m-クレゾール濃導電率度 [mol/l] [S/cm] B-1 導電性ポリアニリン組成物の製造 ( イオン液体 トルエン系 ) まず すべての溶液を混合すると 液層は 3 層に分かれた ( 下から イオン液体層 界面活性剤層 トルエン層 ) 重合を開始すると 界面活性剤層の溶液の色のみが淡い青色 青色と変化した 振り混ぜると 大きな油滴のようなものができたが 透明な中に緑色の部分が存在した やがてトルエン層に抽出されることなく イオン液体層へと落ちて行った こ時の p は 1 であった イオン液

9 体層に入ってしばらくすると青色だった生成物が緑色に変化していた本実験操作では ポリアニリンは 151g 得られた この結果を用いて 50g/L の割合で PAI を含む溶液を調整した溶液 5ml に 1MaOaq を 10ml 加えることで 1041mg のポリアニリンが析出した このことから 複合体中のポリアニリン含有量は = より 約 416w% となった B-2 導電率の測定 このトルエン溶液に m- クレゾールを添加し揮発成分を除去しテスターで抵抗値を求め 導電率を 出したところ 導電率 [S/cm] は以下の表のようになった m-クレゾール濃導電率度 [mol/l] [S/cm] C-1 導電性ポリアニリン組成物の製造 ( イオン液体含有水溶液 トルエン系 ) 初めから若干の緑色溶液 淡い緑色溶液 濃い緑色と変化し 淡い黄色や青色を示すことがなかった また 水 トルエン系では緑色は全体で均一になっていたが この操作では有機層のみで呈色が見られ下層は無色なまま重合が進んだ この時の p は 1 であった 有機層がきれいな緑色 水層が無色の二層分離をした 本実験操作では PAI は [BMIM + ][TsO - ] 15g 使用した場合 223g 3g 使用した場合 308g 得られた この結果を用いて 3g 使用した場合にのみ 50g/L の割合で PAI を含む溶液を調整した溶液 5ml に 1MaOaq10ml を加えることで 680mg の ( 脱ドープされた ) ポリアニリンが析出した このことから 複合体中のポリアニリン含有量は = より 272w% と求まった C-2 導電率の測定 このトルエン溶液に m- クレゾールを添加し揮発成分を除去しテスターで抵抗値を求め 導電率を 出したところ 導電率 [S/cm] は以下の表のようになった

10 [[BMIM][BF4] を 15g 含む場合 ] m-クレゾール濃導電率度 [mol/l] [S/cm] [[BMIM][BF4] を 3g 含む場合 ] m-クレゾール濃導電率度 [mol/l] [S/cm] 考察 今回は できた高分子の分析を全く行っていないが 導電性を示すこと 酸性条件下では色が緑 そうでないと青色になること 反応する試薬が限られていることから生成物は PAI である まず初めに イオン液体を用いて重合した場合については イオン液体に直接過硫酸アンモニウムを溶解させようとしても イオン液体中に分散するだけで溶けたりしない [BMIM][BF4 ] は親水性で その為 イオン液体ではなくイオン溶液となってしまうが尐量の 1M 塩酸に物質を溶かしこんで実験した [BMIM + ][BF4 - ] を用いた場合に合成された PAI の導電率が他の場合と比較してみるとあまり芳しくなかった 結果でも述べたが 反応系は 3 層に分かれており 真ん中の層で主に反応が起こっていたことから ここは界面活性剤の層と思われる また イオン液体は磁石と引き合うほどの強い引力を持ち互いにクーロン力を及ぼしあっており さらにアニオンの F 原子とイミダゾリウム環との間で水素結合をして 互いに引き合っていると考えられる だから ある種の結晶として存在していると見なせ ペルオキソ二硫酸アンモニウムがイオン液体に溶けなかったのと同様に 界面活性剤の親水基は イオン液体層外へ追いやられたのではないだろうか 一方 疎水基は 界面活性剤の濃度が高いため表面張力の原理に従い 親水基を内側にすることで膜状のミセルを作って存在したのではないか また 塩酸はイオン液体内に引き付けられている こう考えると 界面活性剤ミセル内は酸性条件とはならないが アニリンは存在でき 重合開始ラジカルも側に存在する その結果 重合が始まるが生成するポリアニリンは非導電性の青色を呈色した しかし 成長する過程で大きくなり過ぎた結果 ミセル内に存在できなくなり沈澱したところ イオン液体層内に入り込んでいた塩酸の酸性条件となり 導電性の緑色に変化したものと思われる 一般的な化学酸化重合によって導電性のアニリンの重合体を得るためには 非導電性塩基状態で得られるポリアニリンにドーパントを加えてプロトネーションする工程を必要とするが こうして得

11 られたポリアニリンの導電性はあまりよくないことが知られている 今回 まさにこのプロセスを経て導電性のポリアニリンを得たのではないかと思う だから イオン液体を用いた場合 ポリアニリン複合体中のポリアニリン重量は他の場合に比べて著しく上昇した また ポリマーラジカルがイオン液体内に侵入しにくいこともポリアニリン含有量上昇の予想される要因だ 系のイオン性を上げることで ドーピングを施さない場合の導電性は向上したと言える この場合は [BMIM + ][TsO - ] の内 [TsO - ] がドーパントとして PAI 内に入り込んだ結果によるかもしれないが トルエン有機層が淡い黄色や青色などを示すことなく反応が進行したことと合わせて考えてみると ポリマーの成長過程でポリマーはポリマーラジカルの状態を取る このポリマーラジカルが [TsO - ] もしくはトルエンと錯体構造を形成し 一時的に安定化することで成長反応に関するポリマーラジカルの有効濃度が低下し 次の段階に進み 確認できたのが緑色の段階からだったのではないか その際に [BMIM + ][TsO - ] という高密イオン体が作用を及ぼした結果 導電性の向上に繋がったのかもしれない また m-クレゾールを添加すると イオン液体溶媒以外の場合は導電率が上昇した これについては 導電率 σは σ=n e u で表される ( 但し n はキャリアの数 e は電荷素量 u は移動度 ) ポリアニリンの構造と電荷素量は一定であるので 導電率向上にはキャリアの数が鍵である m-クレゾールは-c3 が電子供与性であるため -C3 からみた m 位の-O 基に電子が集まっており ドナーとなりえる その結果 電子数が変化してフェルミ準位が上がり 電気伝導の活性化エネルギーが小さくなり キャリアが発生しやすくなったため導電性が向上したと思われる しかし イオン液体の場合には 導電率は減尐してしまった 通常 電気化学的ドーピングとして a + や K + BF4 - は挙げられているが a + は TF 中で電荷移動錯体を合成し高分子を浸漬することでも液層でドーピングできることが知られており 今回イオン液体層に沈殿している間にうまく BF4 - がドーピングされたのではないかと思う だから m-クレゾールをドーピングしても BF4 - の電子吸引性によって荷電子体にホールができても m-クレゾールの電子供与性によって打ち消され導電性の減尐になってしまったのではないかと考える しかし 本当に m-クレゾールや BF4 - は第 2 次ドーパントなのかは確かめられていない m-クレゾールが単なる溶剤であれば 熱を加えることによって容易に揮発して除去される しかし ドーパントとして存在する時には帯電しておりそのため PAI から除去するには大きなエネルギーを必要とし 揮発させる程度の加熱では除去されないはずだ が m-クレゾールは高沸点である為 揮発し除去されるとは考えにくい 確かめる分析手法としては m-クレゾールを含む PAI と含まない PAI イオン液体下で合成したポリアニリンとそうでないポリアニリンについて紫外可視吸収スペクトルや X 線散乱スペクトルを測定し 異なるスペクトルを示すかどうかをみることで確認できると思う

12 ここまで書いてきたが テスター自身の抵抗は 0012Ωであり これは導電率に換算すると 463S/cm となる テスターではこれ以上の導電率は測定不可能となってしまっている また 今回の測定法では筒状にして導電率を換算したが 高分子は測定端から測定端まで一本鎖で繋がっているわけではなく 途中で連結が途切れているはずだ 鎖と鎖の間を流れる時に 必ずロスが生じているハズであるので やはり薄膜化し表面抵抗を測定しないといけないと思う 展望 理大祭までは 絶縁体のガラス基盤に導電性のポリアニリン膜を塗布してみたいと思う 参考文献 白川秀樹博士と導電性高分子赤木和夫田中一義化学同人 2002P32~60 115~109 界面ハンドブック岩澤康裕 横澤喜夫 辻井薫監修エヌ ティー エヌ 2001 p358 化学大辞典編集委員会 化学大辞典 4 共立出版 1997p632 化学大辞典編集委員会 化学大辞典 8 共立出版 1997p412 化学大辞典編集委員会 化学大辞典 1 共立出版 2003p207 化学大辞典編集委員会 化学大辞典 6 共立出版 2003p545 化学大辞典編集委員会 化学大辞典 3 共立出版 2001p 化学大辞典編集委員会 化学大辞典 1 共立出版 2003p1098

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