金融緩和の局面変化

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1 EY Institute October 26 執筆 鈴木将之 者 EY 総合研究所株式会社未来社会 産業研究部シニアエコノミスト < 専門分野 > 日本経済の実証分析 予測 産業連関分析 長期戦に突入した金融緩和 9 月 2 日に 日本銀行は 長短金利操作付き量的 質的金融緩和 ( 以下 長短金利操作付きQQE) の導入を発表した これは 再びマネタリーベースから金利に注目した金融政策に転換したのと同時に 金融緩和が長期決戦に移行したことを示している この長期戦への移行は今後 どのような影響を経済にもたらすのだろうか これまでの金融緩和政策と経済動向を踏まえながら 先行きについて考えてみる これまでの金融緩和政策 アベノミクスの金融政策を振り返ると 金融政策運営の枠組みのもとでの 物価安定の目標 について (23 年 月 22 日 ) において 明確に消費者物価上昇率 2% との目標が打ち出されて デフレ脱却に向けた動きが加速した< 表 > それ以前は 中長期的な物価安定の目途 として 消費者物価の前年比上昇率で2% 以下のプラス領域 当面は% を目途 とされていた それが目途ではなく2% 目標へと格上げされた 23 年 月から 量的 質的金融緩和 ( 以下 QQE) が実施されて 経済 金融動向は大きく変化した< 図 > 完全失業率は足元にかけて3% まで低下し 完全雇用に近い水準にまで回復した 経済成長率も 年度ベースでは消費税率引き上げの影響があった2 年度を除いて プラス成長となるなど 底堅さを示してきた ただし 経済の実力である潜在成長率自体が低いこともあって 経済成長率は高くはなく 物価上昇を加速させるには 力不足となっている 物価上昇率は 足元でマイナス圏に舞い戻っており 物価目標への道のりは険しくなっている Contact EY 総合研究所株式会社 EYInstitute@jp.ey.com

2 表 金融政策の変遷 23// 量的 質的金融緩和 マネタリーベース 長期国債買入れ 平均残存期間 上場投資信託 (ETF) 出典 : 日本銀行資料より EY 総合研究所作成 2//3 25/2/8 量的 質的補完措置金融緩和の拡大 26//29 マイナス金利付き量的 質的金融緩和 26/7/29 金融緩和の強化 26/9/2 長短金利操作付き量的 質的金融緩和 年 6~7 兆円 年 8 兆円 オーバーシュート型コミットメント 年 5 兆円 年 8 兆円 イールドカー ブ コントロー ル 3 年弱 7~ 年程度 7~2 年程度 廃止 7 年程度 年約 兆円 年約 3 兆円 年約 3.3 兆円 年約 6 兆円 (.3 兆円は 設備 人材投資 支援 ) J-REIT 約 3 億円 約 9 億円 マイナス金利 政策金利残高.% その他 CP 等約 2.2 兆円 社債等約 3.2 兆円の残高維持 図 経済成長率 失業率 物価上昇率 (%) 実質 GDP 成長率 潜在成長率 ( 年度 ) 消費者物価 ( 総合 ) ( 前年同月比 %) 消費者物価 ( 生鮮食品を除く総合 ) (%) 完全失業率 ( 右軸 ) 出典 : 内閣府 国民経済計算 GDP ギャップ 潜在成長率 総務省 労働力調査 消費者物価指数 より EY 総合研究所作成 長短金利操作付き量的 質的金融緩和とは? 26 年 9 月 2 日の 総括的な検証 が示した2% の物価目標が達成できていない理由は 次のようにまとめられる 原油価格の下落が ガソリン価格などをはじめとする資源 エネルギー価格の低下を通じて 物価を下押しした ( 総括的な検証 ( ) 原油価格の下落 ) また 2 年 月の消費税率引き上げ後 個人消費などを中心に需要が弱いので 物価が上昇しにくかった ( 同 ()2 消費税率引き上げ後の需要の弱さ ) 中国などをはじめとする新興国の成長が鈍化するとともに 昨夏の人民元引き下げの悪影響など金融市場が混乱したため投資家のリスクオフの姿勢が強まり 円高気味となった ( 同 () 3 新興国経済の減速とそのもとでの国際金融市場の不安定な動き ) これらの要因によって 過去の経験を踏まえて将来のインフレ動向が想定されやすい日本では インフレになるという見通しが立ちにくくなった ( 同 (2) 適合的期待形成から予想インフレ率が横ばいから弱含みに転じた ) こうした総括的な検証を踏まえて 長短金利操作付きQQEが導入された この政策のポイントは大きく二つある EY Institute 2

3 イールドカーブ コントロール 短期金利については 日銀当座預金の政策金利残高に.% のマイナス金利をつけることで マイナス圏にする一方で 長期金利 ( 年物国債金利 ) はおおむね現状程度 ( ゼロ %) で推移するように 長期国債を買入れる ( 年 8 兆円ペース ) このイールドカーブ コントロールは次のように評価できるだろう 長期金利について 現状程度 ~ ゼロ % という目標を設定して その実現のために国債買入れをすることになった つまり 政策のターゲットが国債買入れという 量 から 金利 になった 国債買入れの限界が見えていたことから 政策の持続可能性を高めている 長期金利が現状程度 ~ ゼロ % ということは 年を超える超長期については プラスの金利が想定される イールドカーブがフラット化して 年以上の超長期金利がマイナス圏に沈んだため 金融機関の経営リスクが高まっていた そうした事情に配慮している ただし 長期金利を現状程度 ~ ゼロ % というレンジを示しているため 若干引き締め効果が出る恐れがある そもそも長期金利をコントロールできるのかという疑問もある 短期金利は 日銀の金利政策によっておおむね誘導できる 長期金利には期待インフレ率 期待潜在成長率 リスクプレミアムなど短期金利にはない要因によって決定されるため これまではコントロールしにくいとされてきた ただし 今回 日銀によれば マイナス金利と国債買入れの合わせ技によって 長期金利はある程度コントロールできると説明している 2 オーバーシュート型コミットメント 2% の物価安定の目標の実現を目指して これを安定的に持続するために必要な時点まで 長短 金利操作付き量的 質的金融緩和 を継続する この狙いの一つは フォワード ルッキングな期待形成を促すことにある つまり 物価が 2% に達して それが安定的に持続するまで 日銀が緩和をし続けるという将来見通しを持つことによって 先行き物価が上昇するという予想を持ちやすくさせることである もう一つの狙いは 適合的期待 つまり現実や過去の経験を踏まえて将来の物価予想を立てふっしょくる傾向が強いため デフレマインドを払拭するモメンタム ( いきおい はずみ ) をつけたいということである こうした長短金利操作付き QQE によって浮かび上がるのは 金融緩和の長期化だ さらに類推 されるのは 緩和の長期化だけではなく 9 月の FOMC( 連邦公開市場委員会 ) で利上げが見送り されたように 出口戦略にも時間がかかることだ 現状では 米国は昨年末に利上げしてから 年近くも追加利上げできていない 99 年代以降の利上げ局面と比べても これほど緩やかな利上げはない異例の事態になっている つまり 非伝統的な金融緩和は その事後処理にも時間がかかることを示している しかも FOMCの長期見通しでは 利上げ完了時点の金利水準が 従来よりもかなり低くなるようだ 長期見通し ( メディアン ) で政策金利であるFFレートは2.9% と 過去の利上げ局面で最終的にFFレートが到達した水準 (99 年 ~ 6.% 999 年 ~ 6.5% 2 年 ~ 5.25%) の半分程度にとどまっている また 利上げがある程度進んでから 積み上げたバランスシートを減らしていくので リーマンショック以前のような正常な状態に戻るまでには さらに時間が必要な計算だ これらを踏まえると 日本においても 金融緩和と出口戦略の長期化による悪影響が懸念される 例えば 引き締めを実施しているうちに 不況となれば 金融政策は景気下支えのために再び緩和することになる 利上げ途中であれば 利上げを再開するまで追加の時間が必要になり バランスシートの縮小がさらに遠のく また リーマンショック後に比べて 緩和カードが少なくなっている分だけ 有効策が打てなくなる恐れもある この中で さらに懸念されるのは 以下でみるように市場メカニズムの消失である EY Institute 3

4 市場メカニズムの消失懸念 金利 QQE によって低下傾向にあり 26 年 月にマイナス金利が導入されると 長期債 ( 年債 ) の金利もマイナスになった 図 2 金利の推移 (%) 2 年債 年債 / 7 / 7 5/ 7 6/ 7 ( 年 / 月 ) 出典 : Quick AstraManager より EY 総合研究所作成 マイナス金利は 日銀当座預金の一部 ( 政策金利残高 ) に課されるものであり 基礎残高 (25 年 ~ 2 月積み期間の平均残高 ) には今まで通り.% のプラス金利 貸出支援基金や被災地金 融機関支援オペにより資金供給を受けている場合の残高などのマクロ加算残高には % の金利が課 される 導入当初の説明では 当座預金のうち.% のプラス金利が適用されるのは約 2 兆円 % 金利が適用されるのは約 兆円.% のマイナス金利適用部分は約 兆円とみられていた 26 年 6 月 9 日 9 月 9 日の見直しでも.% のマイナス金利が課される政策金利残高は 約 兆円台と見積もられている 当座預金の金利 ( 付利 ) の.% から当座預金の一部に.% のマイナス金利が課されることで イールドカーブが.2% 弱低下すると想定された しかし 金利はそれ以上に低下しており 長期 超長期も低下してイールドカーブのフラット化が進んでいる < 図 2 3> 日銀の 総括的な検証 を示しているように マイナス金利付き QQEのイールドカーブ引き下げ効果はかなり大きいようにみえる 図 3 イールドカーブの変化 23 年 月 3 日 23 年 月 5 日 26 年 月 28 日 26 年 2 月 日 26 年 7 月 28 日 26 年 8 月 日 26 年 9 月 2 日 26 年 9 月 22 日 (%) <QQE> (%) <マイナス金利付きQQE> (%) < 金融緩和の強化 > (%)< 長短金利操作付きQQE> ( 年 ) ( 年 ) ( 年 ) ( 年 ) 出典 : Quick AstraManager より EY 総合研究所作成 EY Institute

5 ここでは 日銀の 総括的な検証 の長期金利の関数の定式化を用いて 長期金利関数を推計してみた ただし 長期金利の決定要因の局面変化を考慮したものになっている ( 詳しくは< 図 > 注を参照 ) その推計結果によると 長期金利の決定メカニズムにおいて 米国金利が効果的な局面と 長期的な成長率見通しが効果的な局面の二つが想定される 25 年に米国での利上げが視野に入ったことをきっかけに 長期金利の決定メカニズムが 長期的な成長率見通しが効果的な局面から 米国金利が効果的な局面へと 転じた可能性が示唆される< 図 > 26 年には 日銀がマイナス金利を導入したことに加えて 引き続き米国利上げが市場の注目を集めてきたことから 米国金利の影響力が存在感を示していたといえる また 説明変数として使用した米国長期金利 日本の実質 GDP 成長率長期予想 日銀の国債保有割合で説明されない部分はわずかであり 年初の人民元安による中国景気の先行き不透明感や 欧州金融機関の経営不安などの長期金利への影響は比較的小さかったとみられる これより 米国利上げは 日本の長期金利に押し上げ圧力をかけてきたものの それ以上に日銀の国債買入れが効いており 金利を低下させていると解釈できる 先行きについて 長短金利操作付きQQEによって こうした構図が当面続くと想定される そのため 金利の決定メカニズムにおいて 市場メカニズムが機能しない官制相場になっていることが示唆される 図 長期金利の局面変化定数項米国長期金利実質 GDP 成長率長期予想日銀の国債保有割合長期金利 (%) (%) 米利上げ局面 (.% 5.25%) 2/6~6/ 米利下げ局面 (5.25% %) 27/9~8/ 米利上げ局面 (.%.25%) 25/2~ 2 米 QE (28/~/6) 米 QE2 米 QE3 (2/~/6) (22/9~/) 量的 質的金融緩和 (23/ 月 ~) 長期マイナス金利付き量的 質的金融緩和 (26/~) 長短金利操作付き量的 質的金融緩和 (26/9~) 出典 : Quick AstraManager 内閣府 国民経済計算 企業行動に関するアンケート調査 より EY 総合研究所作成 ( 注 ) 日本銀行 量的 質的金融緩和 導入以降の経済 動向物価と政策効果についての総括的な検証 (26 年 9 月 2 日 ) の補論図表 5- 国債買入れおよびマイナス金利政策による長期金利押し下げ効果 を参考にして 長期金利の関数を推計した ただし 実質 GDP 成長率長期予想は 企業行動に関するアンケート調査 のわが国の実質成長率 ( 今後 5 年間見通し ) をスプライン補間したものであり マルコフスイッチングモデルによって推計した マルコフスイッチングモデルの推計についてはSanchez-Espigares and Lopez-Moreno(2) の MSwMを利用した 26 EY Institute 5

6 市場メカニズムの消失懸念 2 為替レート また 金融市場で注目されるもう一つの指標が 為替レートである 円ドルレートの長期的なトレンドをみると アベノミクスの金融緩和後 為替レートが一物一価で決まるという考えの相対的購買力平価 (PPP) の下限から上限に転じて 足元では平均 PPP 付近 (ドル=3 円 ) にあることがわかる< 図 5> この水準は 国際通貨基金 (IMF) のPPP 推計値もドル= 約 3 円 (26 年 ) に符合しており 足元の水準は円高でも円安でもない ちょうどよい水準である可能性がある (IMF, World Economic Outlook, April 26 Edition) つまり 為替レートで評価すれば これまでの QQEは それ以前の円高水準を修正して 長期的なPPP 水準に収れんさせたといえる 図 5 長期的な為替レート ( 購買力平価 PPP) ( 円 / ドル ) 35 3 為替レート企業物価 PPP 平均 PPP 消費者物価 PPP 輸出物価 PPP 出典 : BLS, BEA, 総務省 消費者物価指数 日本銀行 企業物価指数 実行為替レート より EY 総合研究所作成 ( 注 ) 平均 PPPは消費者物価 PPP 企業物価 PPP 輸出物価 PPPの単純平均とした また 相対的 PPPの基準は973 年としている EY Institute 6

7 為替レートの局面変化に注目すると 金利が効果的な局面と マネタリーベースが効果的な局面の二つがあると解釈できる その結果を踏まえると 25 年までは 日米の金融緩和によってマネタリーベースという量の影響力が高まる局面にあったと示唆される< 図 6> ところが 26 年になると 再び金利が効果的な局面に転じている 25 年末に米国で利上げが実施されて 26 年初に日銀がマイナス金利を導入したことから 為替レートの決定メカニズムにおいても 金利が重視されるようになったと解釈できる それでは 今後為替レートは金融政策などからどのような影響を受けるのだろうか 長短金利操作付きQQEによって 長期金利はおおむね現状程度 ( ゼロ % 程度 ) で推移するように 国債買入れが行われることになった 前述のように 米国のかなり緩やかな利上げ局面において 日本では短期はマイナス 長期はゼロ 超長期はプラスという低金利政策が実施されるため 日米の金融政策の方向性は異なった状態が続く このように今後 日米金利差が拡大していけば 為替レートは円安圧力を受けることになる オーバーシュート型コミットメントによって そうした状況が続くことが想定されるので 為替レートについても 市場メカニズムが機能しにくい 官制相場の色彩が濃くなるとみられる 図 6 長期的な為替レート ( 購買力平価 PPP) 実質日米金利差リスクプレミアム貿易価格比マネタリーベース比部分調整項為替レート ( 前年同期比 %) 米利下げ局面米利上げ局面 5 (5.25% %) (.%.25%) 27/9~8/2 25/2~ 米利上げ局面 -5 (.% 5.25%) -2 2/6~6/6 量的 質的金融緩和 (23/~) ( 前年同期比 %) マイナス金利付き量的 質的金融緩和 (26/~) 25 長短金利操作付き量的 質的金融緩和 (26/9~) 米 QE (28/~/6) -5 - 米 QE2 米 QE3-5 (2/~/6)(22/9~/) 円高 対ドル 円安 円高 対ドル 円安 出典 : BEA, FRB of St.Louis, FRED, 財務省 国際収支統計 内閣府 国民経済計算 日本銀行 マネタリーベース などよりEY 総合研究所作成 ( 注 ) 内閣府 経済財政白書 ( 平成 2 年度版 ) の 付注 -8 為替レート関数の推計について を参考にして 為替レートの関数を推計した ただし 為替レートの局面変化を考慮してマルコフスイッチングモデルによって推計した その推計方法についてはSanchez-Espigares and Lopez-Moreno(2) の MSwMを利用した EY Institute 7

8 長期化の悪影響? 金融緩和が長期戦に移行した中で 微調整も行われている そこにも悪影響が広がる可能性がある 特に 国債買入れ銘柄の平均残存期間の定めを廃止したことが注目される 平均残存期間をこれまで長期化してきたことで 国債買入れがより効果的になっていた可能性がある 先行研究 ( 中澤 吉川 (2) 中澤 矢野 ( 26)) では 26 年までの量的緩和において 日銀保有の買入国債の平均残存期間が短期化していたことや 英米に比べて短いことなどが指摘されている また 23 年のQQEでは急激に平均残存期間が延びていることも示されている ( 岩田等編 (26)) それらを踏まえて 足元までの動向を試算してみると 買入れ国債の平均残存期間が長期化されてきたことで 保有国債の残存期間も延びてきたことがわかる< 図 7> 長短金利操作付きQQE で 買入れの残存期間の定めが廃止されたことで 平均残存期間が短期化するようなことになれば 26 年までの量的緩和政策と同じように 国債買入れの効果が低減しうる そうなれば 市場メカニズムによる調整を抑えてきた重しが外れて 想定外の混乱が生じる恐れがある 図 7 日銀保有の買入国債の平均残存期間 ( 年 ) 平均残存期間 平均額面期間 : 右軸 ( 年 ) 出典 : 日本銀行 日本銀行が保有する国債の銘柄別残高 より EY 総合研究所作成 ( 注 ) 作成方法等については 中澤 吉川 (2) 岩田等編 (2) 中澤 矢野 (26) を参照 EY Institute 8

9 そこで懸念されるのは 財政面への悪影響だ 何らかのショックをきっかけに 金利が急騰するリスクが高まっている 例えば 財政健全化の目標である22 年度までに基礎的財政収支の黒字化のメドは立っていない 22 年度の基礎的財政収支 ( 対 GDP 比 ) は.7% と見込まれているなど ( 内閣府 中長期の経済財政に関する試算 平成 28 年 7 月 26 日 ) 財政状況の厳しさに変わりない 財政赤字によって債務残高が拡大する中で 低金利が利払費を抑えている つまり 低金利という条件が外れれば 利払費の急増によって財政が危機的な状況に陥る恐れがある こうした中 海外投資家の影響力が強まりつつある 国債等保有残高をみると,5 兆円のうち海外投資家は 兆円と% を保有している ( 日本銀行 資金循環統計 26 年 6 月末 速報値 ) この % が売りに出れば 国債価格は急落 金利は急騰というリスクシナリオが想定される 日本株を22 年 月から25 年 5 月まで2.6 兆円買い越したものの それ以降 8. 兆円売り越している ( 東京証券取引所 東証統計月報 )) など 金融市場における海外投資家の姿勢にも変化が見られており リスクが現実化する可能性を排除できない状況だ こうしたことを踏まえると 金融緩和の長期化の悪影響を回避しつつ デフレ脱却を目指すという戦略を再考しなければならないだろう 金融緩和は時間稼ぎであり その間に成長戦略や財政健全化の成果のメドをつける必要があった 現状は金融緩和が先行している傾向があるため それら政策のバランスを調整する必要があると考えられる このように 今回のQQEの長期化が暗示しているのは 金融政策 財政政策 成長戦略 財政健全化の 本柱のバランス調整と再加速をしなければならないという日本経済の苦境だろう < 参考文献 > 岩田一政 日本経済研究センター編 (2) 量的 質的金融緩和 日本経済新聞社内閣府 (22) 経済財政白書 ( 平成 2 年度 ) 中澤正彦 矢野誠 (26) 金融危機後の公開市場操作のポートフォリオバランス効果 : 買入れ国債の残存期間別データの構築による検証 KIER Discussion Paper Series, No. 25-5, Kyoto Institute of Economic Research 中澤正彦 吉川浩史 (2) デフレ下の金融政策: 量的緩和政策の検証 PRI Discussion Paper Series, No.A-3 日本銀行 (26) 量的 質的金融緩和 導入以降の経済 動向物価と政策効果についての総括的な検証 ( 26 年 9 月 2 日 ) Sanchez-Espigares, J.A. and A. Lopez-Moreno, (2), MSwM examples, MSwM Vignettes, ( examples.pdf) EY Institute 9

10 EY Assurance Tax Transactions Advisory EYについて EYは アシュアランス 税務 トランザクションおよびアドバイザリーなどの分野における世界的なリーダーです 私たちの深い洞察と高品質なサービスは 世界中の資本市場や経済活動に信頼をもたらします 私たちはさまざまなステークホルダーの期待に応えるチームを率いるリーダーを生み出していきます そうすることで 構成員 クライアント そして地域社会のために より良い世界の構築に貢献します EYとは アーンスト アンド ヤング グローバル リミテッドのグローバルネットワークであり 単体 もしくは複数のメンバーファームを指し 各メンバーファームは法的に独立した組織です アーンスト アンド ヤング グローバル リミテッドは 英国の保証有限責任会社であり 顧客サービスは提供していません 詳しくは ey.comをご覧ください EY 総合研究所株式会社について EY 総合研究所株式会社は EYグローバルネットワークを通じ さまざまな業界で実務経験を積んだプロフェッショナルが 多様な視点から先進的なナレッジの発信と経済 産業 ビジネス パブリックに関する調査及び提言をしています 常に変化する社会 ビジネス環境に応じ 時代の要請するテーマを取り上げ イノベーションを促す社会の実現に貢献します 詳しくは eyi.eyjapan.jpをご覧ください 26 Ernst & Young Institute Co., Ltd. All Rights Reserved. ED None 本書は一般的な参考情報の提供のみを目的に作成されており 会計 税務及びその他の専門的なアドバイスを行うものではありません 意見にわたる部分は個人的見解です EY 総合研究所株式会社及び他のEYメンバーファームは 皆様が本書を利用したことにより被ったいかなる損害についても 一切の責任を負いません 具体的なアドバイスが必要な場合は 個別に専門家にご相談ください

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